JPH09167613A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH09167613A
JPH09167613A JP7326950A JP32695095A JPH09167613A JP H09167613 A JPH09167613 A JP H09167613A JP 7326950 A JP7326950 A JP 7326950A JP 32695095 A JP32695095 A JP 32695095A JP H09167613 A JPH09167613 A JP H09167613A
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JP
Japan
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electrode sheet
electrode
positive electrode
negative electrode
battery
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Pending
Application number
JP7326950A
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English (en)
Inventor
Masahide Taniguchi
雅英 谷口
Masaya Adachi
眞哉 足立
Isamu Sakuma
勇 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】充填率が高く、高容量で、サイクル特性が良好
であり、安全性の高い電池を提供する。 【解決手段】正極シート、負極シートの少なくともひと
つの電極シートに電解液が透過可能な部分を存在させる
ことにより、リチウムイオンの移動を容易になり、サイ
クル特性および安全性を向上させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極、負極、セパ
レータをスパイラル状に巻いた電極体を用いた電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、携帯電話、ノート
型パソコン等のポータブル機器の普及に伴い、小型かつ
軽量で高容量の二次電池に対する需要が高まりつつあ
る。現在使用されている二次電池の多くはアルカリ電解
液を用いたニッケル−カドミウム電池であるが、平均電
池電圧が1.2Vと低いため、エネルギー密度を高くするこ
とは困難である。そのため、負極に金属リチウムを使用
した高エネルギー二次電池の研究が行われてきた。
【0003】ところが、金属リチウムを負極に使用する
二次電池では充放電の繰り返しによってリチウムが樹枝
状(デンドライト)に成長し、短絡を起こして発火する危
険性がある。また、活性の高い金属リチウムを使用する
ため、本質的に危険性が高く、民生用として使用するに
は問題が多い。近年、このような安全上の問題を解決
し、かつリチウム電極特有の高エネルギーが可能なもの
として、各種炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電
池が考案されている。この方法では、充電時、炭素質材
料にリチウムイオンが吸蔵(ドーピング)され、金属リチ
ウムと同電位になり金属リチウムの代わりに負極に使用
することができることを利用したものである。また、放
電時にはドープされたリチウムイオンが負極から放出
(脱ドーピング)されて元の正極材料に戻る。このよう
な、リチウムイオンをドーピング可能な炭素質材料を負
極として用いた場合には、デンドライト生成の問題も小
さく、また金属リチウムが存在しないため、安全性にも
優れており、現在、活発に研究が行われている。
【0004】このように、リチウムイオン二次電池は、
正極から放出されたリチウムイオンが負極の炭素材料に
吸蔵されることにより充電され、電位差を発現する。そ
のため、負極に対面していない正極が存在すると、正極
から放出されたリチウムイオンの行き先がなくなり、負
極の集電体や電極材料表面に金属リチウムとなって析出
する。金属リチウムは水分の存在により激しく発熱反応
するので危険であり、金属リチウムの析出を防止して電
池の安全性を高める必要がある。したがって、リチウム
イオン二次電池では正極には必ず負極が対向するように
して、負極に対向しない正極は存在させないことが知ら
れている(特開平1-128371)。スパイラル状電極体を用
いたリチウムイオン二次電池の場合、最外周、最内周と
もに負極を存在させ、安全性を高めることが多く行われ
ている。
【0005】これらリチウムイオン二次電池に用いられ
る電極体の形状としては、正極シート、負極シート、セ
パレータをスパイラル状に巻き込んだ形状をとるのが一
般的である。しかしながら、スパイラル状の電極体を用
いる場合、第1の電極と第2の電極のそれぞれの電極が
渦巻き状になり、第1の電極と第2の電極のうち最外周
に位置する電極の最外周面には対向する電極が存在しな
い状態になる。同様に、最内周に位置する電極の場合
は、その最内周面には対向する電極が存在しない。 こ
の対向正極の存在しない余剰負極はリチウムイオンの授
受には関係していないと考えられていたが、本発明者ら
が検討した結果、充電中や充電状態で電池を放置した場
合、余剰負極部分へもリチウムイオンが徐々に吸蔵され
ることが判明した。余剰負極は正極に対面していないた
め、イオンの移動距離すなわち抵抗が大きく、リチウム
イオンが余剰負極に吸蔵されるには非常に時間を要す
る。同様に、一度余剰負極に吸蔵されたリチウムイオン
は低電流で時間をかけないと負極から放出されないが、
放電においてはある程度の大電流を流せないと使用する
機器類を動作させることができないため、実質的には余
剰負極に吸蔵されたリチウムイオンは放出されることは
ない。したがって、長期のサイクルを経る過程でリチウ
ムイオンが徐々に余剰負極にトラップされ、余剰負極に
トラップされたリチウムイオンは正極には戻れず、充放
電に寄与するリチウムイオン量が減少することを見出し
た。
【0006】その結果、リチウムイオン電池において
は、対向電極の存在しない電極が存在すると、サイクル
特性および安全性に対し、著しく悪影響を与えることが
判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、充填
率が高く、サイクル特性が良好で、安全性の高い電池を
製造することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、充填率が
高く、サイクル特性が良好で、安全性の高い電池を鋭意
検討した結果、本発明に到達した。
【0009】本発明は、正極シート、負極シートをスパ
イラル状に巻回してなる電極体を用いた電池において、
正極シート、負極シートの少なくともひとつの電極シー
トに電解液が透過可能な部分が存在していることを特徴
とする電池である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、電極シートに片面から
反対面へ電解液が透過可能な部分を設けることにより、
リチウムイオンの移動を容易にして、最外周および最内
周において対向電極の存在しない部分でも、実質的に対
向電極との距離を短縮するものである。 すなわち、ス
パイラル状電極体の最外周面から、電極シートの反対面
へ電解液が透過可能とすることにより、リチウムイオン
が最外周面とその反対面との間を移動できるようにし
て、実質的に最外周面の対向電極として最外周面のすぐ
内側の電極を使用することを容易にするものである。
【0011】同様に、スパイラル状電極体の最内周面か
ら、電極シートの反対面へ電解液が透過可能とすること
により、リチウムイオンが最内周面とその反対面の間を
移動できるようにして、実質的に最内周面の対向電極と
して最内周面のすぐ外側の電極を使用することを容易に
することもできる。
【0012】このように、実質的に対向電極の存在しな
い電極をなくすことにより、電池容量とくにサイクル特
性を向上させることができる。
【0013】本発明における電解液が透過可能になって
いる構造は、特に限定されないが、多孔板状、網状、不
織布状などが挙げられ、好ましくは、図1に示すよう
に、電極シートに多数の微細孔があけられた構造が挙げ
られる。電極シートに孔をあける場合、電極材料を塗布
する前に集電体に予め孔をあけておく方法、電極材料を
塗布後に孔をあける方法、さらに、プレスや熱処理を施
して孔をあける方法など多種多様な手法を採ることが可
能であり、適宜、最適な方法が選択される。
【0014】電極シートに開けられる孔の形状は特に限
定されないが、孔の大きさは円形に換算して、相当直径
0.1〜5.0mm、好ましくは、0.5〜1.0mm
である。孔の大きさが大きすぎると電極材料の脱落が生
じやすくなる傾向がある。
【0015】さらに、本発明では、電極シートに開けら
れる空孔率は、10〜80%、好ましくは、40〜70
%である。空孔率が高すぎると集電体の集電能力や強度
が低下し、空孔率が低すぎるとリチウムイオンが透過し
にくくなる傾向がある。
【0016】本発明における集電体は、好ましくは金属
が用いられ、箔状、網状、ラス状などのなどいろいろな
形態をとることが可能であるが、特に限定されるもので
はない。
【0017】本発明では、片面から反対面へ電解液が透
過可能な部分は、対向電極が存在しない部分の少なくと
も一部であれば、その効果を発揮するが、対向電極が存
在しない部分の全てについて電解液が透過可能になって
いる構造が望ましい。さらに、対向電極が存在する部分
についても、電解液が透過可能にすることは可能であ
り、本発明の目的を達成されるが、電解液が透過可能な
構造、例えば、微細孔が多数存在すると、電極シートの
引っ張り強度が低下する可能性があるので、微細孔など
の電解液が透過可能な構造は、最外周、および/また
は、最内周の電極シートに限定するのが好ましい。
【0018】電極材料の塗布量は、正極と負極の電気等
量比のバランスを保つ目的で、対向電極の存在しない部
分は、対向電極の存在する部分に比べて塗布量を減らす
のが好ましく、例えば、対向電極の存在しない部分と、
対向電極の存在する部分の塗布量を段階的に変化させた
電極シートを用いることがより好ましい。図2に塗布量
を段階的に変化させた電極シートの例を示した。
【0019】このように電極材料の塗布量を変化させる
には、複数回にわたって塗布を行ったり、ナイフコータ
ーを用いて途中でクリアランスを変えて塗布する方法な
どにより可能となる。
【0020】本発明に用いられる電池は、スパイラル状
に巻回された電極体を使用する電池であれば特に制限は
ないが、高エネルギー密度を要求する携帯用機器搭載用
の電池としては、負極材料としてアルカリ金属を用いた
電池や、炭素質材料へのカチオンあるいはアニオンのド
ーピングを利用した二次電池が効果的である。
【0021】これらの電池の場合、すなわち、アルカリ
金属塩を含む非水電解液二次電池に用いる場合には、ア
ルカリ金属やカチオンがドープされる炭素質材料を負極
に、アニオンがドープされる材料を正極に用いることと
なる。
【0022】このようにして得られた電極材料は、各種
電池の活電極として利用可能であり、一次電池、二次電
池などに利用されているが、特に限定されない。この中
で、二次電池の電極に好ましく用いられる。特に好まし
い二次電池としては、過塩素酸リチウム、硼フッ化リチ
ウム、6フッ化リン・リチウムのようにアルカリ金属塩
を含む非水電解液を用いた二次電池を挙げることができ
る。
【0023】本発明では正極に塗布される電極材料とし
て、炭素繊維、人造あるいは天然の黒鉛粉末などの炭素
質材料、フッ化カーボン、金属あるいは金属酸化物など
の無機化合物や有機高分子化合物などを用いることがで
きる。
【0024】さらに、本発明では正極に塗布される電極
材料として、通常の二次電池において用いられる正極活
物質を挙げることができる。このような正極活物質とし
ては、アルカリ金属を含む遷移金属酸化物や遷移金属カ
ルコゲンなどの無機化合物、ポリアセチレン、ポリパラ
フェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン、
ポリピロール、ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジ
スルフィド結合を有する架橋高分子、塩化チオニルなど
が挙げられる。本発明では電解質としてリチウム塩が好
ましく用いられるが、この場合には、コバルト、ニッケ
ル、マンガン、モリブデン、バナジウム、クロム、鉄、
銅、チタンなどの遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲン
などの遷移金属化合物が好ましく用いられる。特に、L
iCo02、LiNiO2、LiMn24、LiyNi1-x
x2(M:Ti、V、Mn、Fe のいずれか)、L
1-x-axNi1-y-by2(ただし、Aは少なくと
も、1種 類のアルカリもしくはアルカリ土類金属元
素、Bは少なくとも1種類の遷移金属元素)は、電圧が
高く、エネルギー密度も大きいために、最も好ましく使
用される。さらに特に、Li1-x-axNi1-y-by2
は、0<x≦0.1、0≦y≦0.3、-0.1≦a≦0.1、-0.15≦b≦
0.15(ただし、A、Bが2種類以上の元素からなる場合
は、xはLiを除くアルカリもしくはアルカリ土類金
属の総モル数、yはNiを除く全遷移金属元素の総モル
数であり、y=0の場合はAは少なくとも1種類以上のアル
カリ土類金属を含む)とすることにより、優れた特性の
正極材を得ることができる。また、この場合、A、Bの
種類、数、組成を変えたり、x、y、a、bを変えた正極材
を用いることよって特性の異なる活物質を得ることが可
能であるため、非常に好適である。とくに好ましいAと
してはMg、Sr、BとしてはCo、Feが挙げられ
る。
【0025】正極活物質が、金属あるいは金属酸化物な
どの無機化合物の場合は、カチオンのドープと脱ドープ
による充放電反応が生じ、有機高分子化合物の場合は、
アニオンのドープと脱ドープによる充放電反応が生じる
が、これらは必要とされる電池の正極特性に応じて適宜
選択され、特に限定されることはない。
【0026】本発明では負極に塗布される電極材料とし
て、炭素繊維、人造あるいは天然の黒鉛粉末、フッ化カ
ーボンなどの炭素質材料、金属あるいは金属酸化物など
の無機化合物や有機高分子化合物などを用いることがで
きる。
【0027】本発明では負極に塗布される電極材料とし
ては、好ましくは炭素質材料、より好ましくは、炭素繊
維が用いられる。この場合、炭素繊維は、特に限定され
るものではないが、一般に有機物を繊維状に焼成したも
のが用いられる。本発明で用いられる炭素繊維として
は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)から得られるP
AN系炭素繊維、石炭もしくは石油などのピッチから得ら
れるピッチ系炭素繊維、セルロースから得られるセルロ
ース系炭素繊維、低分子量有機物の気体から得られる気
相成長炭素繊維、リビニルアルコール、リグニン、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹
脂、フルフリルアルコールなどを焼成して得られる炭素
繊維などが挙げられ、電極および電池の特性に応じて、
その特性を満たす炭素繊維が適宜選択される。さらに、
これらの炭素繊維の中では、PAN系炭素繊維、ピッチ系
炭素繊維がより好ましく用いられる。特に、リチウムな
どのアルカリ金属塩を含む非水電解液を用いた二次電池
の負極に使用する場合には、PAN系炭素繊維が特に好ま
しい。
【0028】本発明で好ましく使用される炭素繊維の直
径は、それぞれの電極または電池の形態により適宜決め
られるが、一般的には、直径1 〜100μmの炭素繊維が好
ましくは用いられ、直径3〜20μmの炭素繊維がさらに好
ましい。また、必要に応じて直径の異なった炭素繊維を
数種類用いることも可能である。
【0029】さらに、本発明で好ましく使用される炭素
繊維の長さは、特に制限はないが、通例、好ましくは10
0μm以下、さらに好ましくは50μm以下にする。炭素繊
維の長さが、100μmを越えるとはコーターを用いて均一
に塗布しづらくなる傾向があり、また、炭素繊維の長さ
を炭素繊維の直径より短くすると、繊維方向に破壊する
可能性が生じるので、炭素繊維の長さは炭素繊維直径以
上であることがより好ましい。
【0030】本発明の電池に用いられる結着材として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよ
く、特に限定されない。また、結着材を溶液やエマルジ
ョンなどの状態で使用することも可能である。結着材と
しての添加量は、電極材料中に通常0.01wt%〜40wt%で
用いられる。結着材としては、例えば、各種エポキシ樹
脂、セルロース樹脂、有機フッ素系ポリマ、およびコポ
リマ、アクリル樹脂、有機クロル系樹脂、ポリイミド、
ポリアミド、ポリカーボネートなどが挙げられる。特
に、安定性の点から有機フッ素系ポリマおよびコポリマ
が好ましく、中でもポリテトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレンポリマおよびコ
ポリマが好ましい結着材として挙げられる。本発明の電
池に使用可能な導電材としては、炭素材料、金属粉末な
どが挙げられる。導電材添加による導電性向上の目的に
は正極、負極活物質の材料、形状、粒径、および結着材
の種類、配合量などによって最適な粒径や添加量が決め
られるべきであるが、通常は一次粒子径で1nm〜100μ
m、さらに好ましくは5nm〜20μmの微粒子が用いられ、
また、添加量としては0.5〜30wt%、さらに好ましくは
0.7〜20wt%が用いられる。一次粒子径が1nmを下回るも
のは安定して製造しにくく、また、100μmを超えるもの
は添加効果が小さく、一方、0.5wt%未満の添加量で は
添加効果が乏しく、20wt%を超えると電極単位重量あた
りの容量が低下する傾向がある。
【0031】このようにして得られた電極材料は、各種
の電池の電極として利用可能であり、電池の種類は特に
限定されないが、好ましは二次電池の電極に用いられ
る。特に好ましい二次電池としては、過塩素酸リチウ
ム、硼フッ化リチウム、6フッ化リン・リチウムのよう
にアルカリ金属塩を含む非水電解液を用いた二次電池を
挙げることができる。
【0032】本発明に使用される電解液に用いられる溶
媒は、特に限定されず、従来の溶媒が用いられ、例えば
酸あるいはアルカリ水溶液、または非水溶媒などが挙げ
られる。この中で、アルカリ金属塩を含む非水電解液か
らなる二次電池の電解液の溶媒としては、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、γ- ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、アセ
トニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
フォキシド,テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、
ギ酸メチル、スルホラン、オキサゾリドン、塩化チオニ
ル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレンカーボネート、
及びこれらの誘導体や混合物などが好ましく用いられ
る。
【0033】本発明の電池に使用される電解液に含まれ
る電解質としては、アルカリ金属のハロゲン化物、過塩
素酸塩、チオシアン塩、ホウフッ化塩、リンフッ化塩、
砒素フッ化塩、アルミニウムフッ化塩、トリフルオロメ
チル硫酸塩などが好ましく用いられる。特にリチウム塩
は、標準電極電位が最も低いので、大きな電位差を得る
ことができるので、電解液に含まれる電解質としては、
リチウム塩を使用することがより好ましい。
【0034】正極材料、負極材料を集電体に塗布して電
極シートを作製する方法は特に限定されないが、本発明
の性質上、結着材や導電材などとともに溶媒に分散させ
た溶液を塗布後、乾燥させたり、活物質を導電性結着材
や導電材と結着材の混合物を用いて集電体に張り付ける
方法が一般的である。
【0035】なお、片面に電極材料を塗布する場合は、
2枚を集電体同士重ねることによって両面に塗布した場
合と同じ形態をとることが好ましい。ただし、片面塗布
の場合、電極シートの熱処理やプレスをおこないにく
く、スパイラル状に巻回する際に巻きずれを起こしやい
ので、集電体の両面に電極材料を塗布することが望まし
い。
【0036】本発明で用いられるセパレータは、正極と
負極が短絡することを防止するためのものであれば特に
制限はない。電解液の浸透性がよく、電子やイオンの移
動抵抗にならないことが望ましく、代表的な素材として
は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポ
リカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙
げられる。この中でも、とくに、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリスルホンなどが強度、安全性に優れてお
り好ましい。セパレータの形状としては、多孔性膜や不
織布などが一般的にあげられるが、電池缶への充填率を
上げやすいことから、多孔性膜が好ましい。さらに、多
孔性膜は、対称膜,非対称膜が一般的であるが、強度,
安全性を向上させるために、複数種類の膜を積層した複
合膜とすることも可能である。多孔膜の空孔率は、電子
やイオンの透過性を高めるためになるべく高い方がよい
が、膜の強度低下を招く可能性があるため、素材や膜厚
に応じて決定される。一般的には、膜厚は20〜100μm、
空孔率は30〜80%が望ましい。また、孔の径は電極シー
トより脱離した活物質、結着材、導電材が透過しない範
囲であることが望ましく、具体的には、平均孔径が0.01
〜1μmのものが好ましい。
【0037】本発明における電池は、スパイラル状に巻
回された電極体を使用する電池であれば特に制限はない
が、高エネルギー密度を要求される携帯用機器搭載用の
電池としては、負極材料としてアルカリ金属を用いた電
池や、炭素質材料へのカチオンあるいはアニオンのドー
ピングを利用した二次電池が効果的である。
【0038】アルカリ金属塩を含む非水電解液二次電池
に用いる場合には、アルカリ金属やカチオンがドープさ
れる炭素質材料を負極に、アニオンがドープされる材料
を正極に用いることとなる。
【0039】また、スパイラル状電極体を装填する電池
缶は、特に限定されるものではないが、耐腐食のため鉄
にメッキを施した電池缶、ステンレス鋼製電池缶など
が、強度、耐食性、加工性に優れるので好ましい。ま
た、各種エンジニアリングプラスチックスを使用して軽
量化をはかることも可能であり、各種エンジニアリング
プラスチックスと金属との併用も可能である。
【0040】さらに、本発明におけるスパイラルの形状
は、必ずしも真円筒形である必要はなく、スパイラル断
面が楕円である長円筒形やスパイラル断面が長方形をは
じめとする角柱の様な形状をとってもかまわない。この
場合、電池缶も電極体の形状に応じた形状をとることが
可能である。代表的な使用形態としては、筒状で底のあ
る電池缶にスパイラル状電極体と電解液を装填し、電極
シートから取り出したリードがキャップと電池缶に溶接
された状態で封がされている形態が最も一般的な形態と
して挙げられるが、この形態に限定されない。
【0041】
【実施例】以下実施例をもって本発明をさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。
【0042】実施例1 正極活物質にLiCoO2を80wt%、結着材としてポリ
フッ化ビニリデン(呉羽化学株式会社製、KF1100)5wt%、
導電材として人造黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、SP-2
0)15%、集電体としてアルミニウム箔(厚さ20μm)のも
のを用い、外周面, 内周面ともに220g/m2の活物質を幅
37mm×長260mmに塗布し、150℃の熱処理を行 った後、5
00kgf/cmの圧力でプレスを行い、正極シートを得た。
【0043】銅箔(厚さ10μm)に、図3に示すように、
長さ方向の両端部(最外周側45mm、最内周側15mm)にニ
ードルパンチング装置を用いて直径0.5mmの孔を1mm間隔
であけた。負極活物質としてPAN系炭素繊維(東レ株式会
社製、トレカT300)を平均長30μmに短繊維化した後、真
空下1500℃で4時間焼成したものを用い、正極と同じ結
着材、導電材を外周面、内周面とも正極と同じ比率で混
練した。孔を開けた銅箔に、活物質塗布量がともに80g/
m2となるように幅39mm×長290mmに塗布した。塗布後、
正極と同様に熱処理、プレスを行い、負極シートを得
た。
【0044】これらの正極シート、及び、負極シート
を、多孔質ポリプロピレンフィルム(ダイセル化学株式
会社製、セルガード#2500)のセパレータを介して重ね合
わせ、巻回することによって円筒状の電極体を得た。こ
の電極体を内容積5ccの電池缶 に装填し、電解液として
1M6弗化リンリチウムを含有するジメチルカーボネー
トを用いた電池を作製した。この電池を、充電電流400m
A、定電圧値4.2V、充電 時間2.5時間で定電流定電圧充
電し、放電電流200mA、放電終止電圧2.5Vで容量試験を
行ったところ、電池容量は初回379mAhで、100サイクル
経過後の容量保持率 は87%であった。
【0045】比較例1 実施例1において、孔をあけていない銅箔を用いたこと
以外は、実施例1と同様の電池を作製し、実施例1と同
条件で容量試験を行ったところ、電池容量は初回375mAh
で、100サイクル経過後の容量保持率は81%であった。
【0046】
【発明の効果】正極シート、負極シートの少なくともひ
とつの電極シートに電解液が透過可能な部分が存在させ
ることにより、最外周および最内周において対向電極の
存在しない部分でも、リチウムイオンが最外周面とその
反対面との間を移動できるようにして、実質的に最外周
面の対向電極として最外周面のすぐ内側の電極を使用す
ることを容易にした。これにより、サイクル特性および
安全性を向上させ、充填率が高い高性能電池が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電極シートの断面図の一例である。
【図2】 電極シートの断面図の一例である。
【図3】 実施例1の負極シートの断面図である。
【符号の説明】
1:集電体(外周側) 2:集電体(内周側)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 10/04 H01M 10/04 W 10/40 10/40 Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極シート、負極シートをスパイラル状
    に巻回してなる電極体を用いた電池において、正極シー
    ト、負極シートの少なくともひとつの電極シートに電解
    液が透過可能な部分が存在していることを特徴とする電
    池。
  2. 【請求項2】 最外周側の電極シートに電解液が透過可
    能な部分が存在していることを特徴とする請求項1に記
    載の電池。
  3. 【請求項3】 最内周側の電極シートに電解液が透過可
    能な部分が存在していることを特徴とする請求項1に記
    載の電池。
  4. 【請求項4】 電極シートに孔が存在していることを特
    徴とする請求項1に記載の電池。
  5. 【請求項5】 電極シートの空孔率が10〜80%であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の電池。
  6. 【請求項6】 電極シートの集電体が金属であることを
    特徴とする請求項1に記載の電池。
  7. 【請求項7】 リチウム塩を電解質とすることを特徴と
    する請求項1に記載の電池。
  8. 【請求項8】 正極に塗布される電極材料に遷移金属化
    合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電
    池。
  9. 【請求項9】 負極に塗布される電極材料に炭素質材料
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の電池。
  10. 【請求項10】 炭素質材料が炭素繊維であることを特
    徴とする請求項9に記載の電池。
  11. 【請求項11】 炭素繊維がポリアクリロニトリル系炭
    素繊維であることを特徴とする請求項10に記載の電
    池。
  12. 【請求項12】 炭素繊維の直径が1μm〜100μm、
    長さが100μm以下であることを特徴とする請求項1
    1に記載の電池。
  13. 【請求項13】 炭素繊維の長さが該炭素繊維の直径以
    上であることを特徴とする請求項12に記載の電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0894960A2 (en) 1997-07-30 1999-02-03 Nissan Motor Company, Limited Idling speed control system of internal combustion engine
JP2002507313A (ja) * 1997-06-27 2002-03-05 エルジー・ケミカル・リミテッド リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP2010080294A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Panasonic Corp 二次電池

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