JPH09164542A - メタリック粒を含有する樹脂成形品およびその製法 - Google Patents

メタリック粒を含有する樹脂成形品およびその製法

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JPH09164542A
JPH09164542A JP32874995A JP32874995A JPH09164542A JP H09164542 A JPH09164542 A JP H09164542A JP 32874995 A JP32874995 A JP 32874995A JP 32874995 A JP32874995 A JP 32874995A JP H09164542 A JPH09164542 A JP H09164542A
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JP
Japan
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molded product
design surface
resin molded
weld
fine particles
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Application number
JP32874995A
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English (en)
Inventor
Eiji Suzuki
英治 鈴木
Yasuhide Narita
康秀 成田
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 “うろこ片"状の金属微粒子を含有する熱可
塑性樹脂を使用した射出成形において、金属微粒子を樹
脂成形品の意匠面に対して実質的に平行に配列させて、
これによってウェルドラインの発生を防止する。 【解決手段】 略円板状の金属微粒子を含有する熱可塑
性樹脂から、意匠面を有する樹脂成形品を射出成形する
のに使用する成形型7を次のように構成する。すなわ
ち、樹脂成形品の意匠面を成形する成形型内面71aにお
いては、溶融した樹脂を導入するゲート73近傍に位置す
る当該内面上のゲート対応部75から、断面V字状のV字
溝153を周縁部へ向かって同心円状または螺旋状にすき
間なく延在させる。このような成形型を使用することに
より、射出成型品においては、熱可塑性樹脂に含有され
る略円板状の金属微粒子が成形品の意匠面に対して実質
的に平行に配列し、この結果、ウェルドラインの発生を
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ粒等の金属
微粒子を含有する合成樹脂成形品およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体等の塗装として、塗料中に
アルミ粒等の金属微粒子を含有させたメタリック塗装が
知られている。このようなメタリック塗装に使用される
塗料中に含有されるアルミ粒は、例えば図7に示したよ
うな“うろこ片"状、つまり略円板状のものである。そ
の粒径Lは約1〜100μmであって、溶融したアルミをノ
ズルから噴霧・冷却することによって作られている。
【0003】一方、同様の塗装をホイールキャップやホ
イールカバー等の意匠面を有する部材に施すことも考え
られているが、塗装を施すと、意匠面にシャープなライ
ンを表現することができず、意匠性に劣る。そこで、ホ
イールカバーを熱可塑性樹脂で射出成形する際に、メタ
リック塗装に使用されるのと同様の金属微粒子を熱可塑
性樹脂に直接含有させることが考えられる。
【0004】しかしながら、金属微粒子を含有した熱可
塑性合成樹脂を使用した射出成形においては、ウェルド
ラインと呼ばれる黒い線状の表面模様が発生するという
問題がある。つまり、ウェルドラインが発生するとメタ
リック外観の均一性が低下し、意匠性が大きく損なわれ
るのである。
【0005】ウェルドラインの発生原因を説明するため
に、ウェルドラインが発生した樹脂成形品とその断面を
図1に模式的に示した。樹脂成形品1はアルミ粒6を含
有する熱可塑性樹脂を射出成形することによって、成形
されたものであって、その表面にはウェルドライン2が
発生している。図1中下方に示されているように、この
ウェルドライン2にほぼ直交する断面を拡大観察する
と、アルミ粒6は成形品の表面から裏面に折り返すよう
な配列となっていることが分かる。これは、射出成形時
において溶融した樹脂が図中矢印方向に沿って流れ、左
右からの流れがぶつかり合って裏面側へと折り返すよう
に流れる結果生じたものであると考えられる。そして、
ウェルドライン2はこの流れが反転している箇所に対応
する樹脂成形品表面に発生している。
【0006】メタリック塗装のいわゆる“キラキラ感"
はそこに含有される金属微粒子が光を反射させることに
よって得られるものである。つまり、“うろこ片"状の
金属微粒子が意匠面に対して実質的に平行に配列してい
る箇所においては、各金属微粒子が十分に光を反射する
のでメタリック塗装特有の“キラキラ感"が得られる。
ところが、前記の流れが反転する箇所においては、“う
ろこ片"状の金属微粒子が樹脂成形品表面に対して直立
に近い状態で配列されているので、この部分においては
樹脂成形品表面に当たる光の反射量が他の部分に比べて
少なくなる。この結果、金属微粒子の反転箇所に沿った
樹脂成形品上の表面位置に黒い線状のウェルドラインが
発生するものと考えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決すべき技術的課題は、“うろこ片"状の金属微粒子
を含有する熱可塑性樹脂を使用した射出成形において、
金属微粒子を樹脂成形品の意匠面に対して実質的に平行
に配列させて、これによってウェルドラインの発生を防
止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段・作用・効果】前述のよう
に、樹脂成形品表面のウェルドラインは、そこに含有さ
れる“うろこ片"状、つまり略円板状の金属微粒子が成
形品表面に対して直立に近い状態で配列する箇所におい
て発生することが分かった。そして、成形型を使用した
射出成形の際に、流動する樹脂に含有されている金属微
粒子を成形品表面に対して実質的に平行に配列させるべ
く、鋭意工夫を凝らした結果、樹脂成形品の意匠面を成
形する成形型の内表面に所定形状の凹凸部を設けると、
金属微粒子が意匠面に対して実質的に平行に配列し、ウ
ェルドラインを肉眼で把握することができない程度まで
消失させ得ることを見い出した。そして、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。したがって、本明細
書において、「金属微粒子が意匠面に対して実質的に平
行に配列される。」とは、“うろこ片"状の金属微粒子
と意匠面とが実際にはある程度の角度をなしていても、
そこに当たった光がメタリック塗装に特有の“キラキラ
感"を与え得る程度に反射されるような両者の相対関係
を言う。
【0009】本発明の射出成形において使用される成形
型においては、樹脂成形品の意匠面を成形する成形型内
面が所定形状の凹凸面とされている。つまり、成形型に
溶融した樹脂を導入するためのゲート近傍に位置する当
該内面上のゲート対応部から、断面がV字状のV字溝が
周縁部へ向かって同心円状または螺旋状にすき間なく延
びており、その結果、成形型内面は凹凸面となる。
【0010】このような成形型にゲートから溶融した樹
脂を射出・導入すると、樹脂はまず凹凸面上に同心円状
または螺旋状に延びるV字溝の中心部、すなわち前記ゲ
ート対応部にぶつかり、次第に周縁部に向かって流れて
いく。そしてこのような樹脂の流れの中に存在する“う
ろこ片"状の金属微粒子に対してV字溝で構成される凹
凸面が整流作用を及ぼし、この結果、金属微粒子が凹凸
面に対して(すなわち、樹脂成形品の意匠面に対して)実
質的に平行に配列され、ウェルドラインの発生が防止さ
れる。なお、金属微粒子が凹凸面からどのような影響を
受けて意匠面に対して実質的に平行に配列するかについ
ては厳密な解析は行っていないが、本発明によりウェル
ドラインが消失することは事実であり、凹凸面が“うろ
こ片"状の金属微粒子に対して何等かの整流作用を有し
ているものと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を自動車のホイールキャッ
プに適用した場合の実施形態を添付の図面を参照して以
下に詳細に説明する。
【0012】図2は、ホイールキャップ5の部分正面図
である。ホイールキャップは、円板状の意匠部51とその
裏面に形成された取付用脚部(図示せず)とから構成され
る。意匠部51はアルミ粒を含有した熱可塑性樹脂を射出
成形することによって形成されたものであり、含有され
るアルミ粒は、図7に示したような“うろこ片"状、す
なわち略円板状の微粒子である。なお、取付用脚部は意
匠部と一体的に射出成形したものであっても別部材を固
定したものであってもよい。
【0013】図3は図2の3−3線断面図である。図2
および3から分かるように、意匠部51の表面には、断面
V字状のV溝53が中央部55(この部分は、後述する成形
型のゲート73に対応するゲート対応部である)から外周
方向に向かって同心円状または螺旋状に延びており、こ
の結果、意匠部51表面は凹凸面とされている。また、意
匠部51の径方向断面に沿って並ぶ各V溝53は互いにすき
間なく連続していることが分かる。なお、図2において
は、意匠部表面の一部にのみ凹凸部を描いているが、実
際には凹凸部は意匠部全面にわたって設けられている。
一方、図4は図2の4−4線断面図、つまり、周方向に
沿って延びる凸部の頂点を含む断面図である。
【0014】図3および4から分かるように、意匠部51
を構成する合成樹脂内に点在するアルミ粒6は、意匠部
表面に対して実質的に平行に配列しており、図1に示し
たような折り返し部は観察されない。勿論、ウェルドラ
インも発生していない。
【0015】図5には、意匠部51の射出成形に使用され
る成形型の断面図を示した。成形型7は、意匠部表面側
に対応する第1型71と意匠部裏面側に対応する第2型72
とから構成されている。第2型72の内表面72aはほぼ平
坦となっており、その中央付近には樹脂を導入するゲー
ト73が配置されている。一方、第1型71の内表面71a
は、意匠部51表面に形成される同心円状または螺旋状の
凹凸に対応する凹凸面とされている。すなわち、この同
心円状または螺旋状の凹凸面は、第1型71の内表面71a
上のゲート73と対向する位置(すなわち、ゲート対応部)
75を中心として構成されている。
【0016】図5に示した成形型7を使用して射出成形
を行うと、溶融した樹脂はまず第1型内表面の凹凸面71
aのゲート対応部75付近にぶつかり、次第に周縁部に向
かって流れていく。このとき、溶融した樹脂中に含有さ
れる“うろこ片"状のアルミ粒6は凹凸面71aの影響を受
け、その結果、射出成形品においては図3および4に示
されるようにアルミ粒6が意匠部表面に対して実質的に
平行に配列するものと考えられる。つまり、第1型の凹
凸面71aはアルミ粒に対して何等かの整流作用を備えて
いるものと考えられる。
【0017】なお、成形型7を使用して成形された意匠
部51に対しては、ホイールへの取付けのための取付用脚
部(図示せず)が別途固定される。
【0018】
【実施例】前記凹凸面の整流作用は、アルミ粒および凹
凸部の形状によりその程度を異にすることが予想される
ので、アルミ粒の形状や図6に示すような第1型の凹凸
面71aのピッチP(mm)および中心角α(°)を変化させ
て、ウェルドラインの発生状況およびメタリック外観の
相異について調べてみた。なお、種々のサイズのアルミ
粒を形成して比較実験を行うのは技術的に困難であるの
で、ガラスフレークにメッキを施した粒子をアルミ粒に
みたてて実験を行った。すなわち、以下の記載において
アルミ粒と称しているものは、メッキの施されたガラス
フレークのことである。また、図6から分かるように、
凹凸面のピッチPはV字溝153の最大幅に等しい。
【0019】図8のグラフは、アルミ粒の粒子径を一定
(L=100μm)としてアスペクト比(t/L)を変化させた
場合における、すなわち、同一径で厚さを変化させた場
合におけるウェルド黒ずみ(ウェルドライン)およびメタ
リック外観の変化を示すものである。実線がウェルド黒
ずみを、破線がメタリック外観を示しており、ピッチP
および中心角αをパラメータとして変化させ各3本の曲
線を描いた。なお、アスペクト比とは、図7に示したよ
うに、うろこ片状のアルミ粒の粒子径をL、厚さをtと
した場合の両者の比(t/L)をいう。
【0020】図8において、ウェルド黒ずみの変化を表
す3本の実線はそれぞれ右肩下がりである。すなわち、
ピッチ、中心角、粒子径が一定の場合、粒子厚が薄くな
る程ウェルドラインが目立つ(悪くなる)傾向にあること
が分かる(これを、傾向1とする)。また、3本の実線
1、2、3は、ピッチが小さくなる程、また中心角が鋭
角になる程、上方へと移動しいる。すなわち、アスペク
ト比を一定として考えると(つまり、同一の形状および
大きさの粒子について考えると)、ピッチは小さくなる
程、また中心角は鋭角になる程、ウェルドラインが目立
たなくなっていく(良くなる)傾向にあることが分かる
(これを、傾向2とする)。
【0021】図8において、メタリック外観の変化を表
す3本の破線はそれぞれ右肩上がりである。すなわち、
ピッチ、中心角、粒子径が一定の場合、粒子厚が薄くな
る程メタリック外観が良くなる(キラキラする程度が高
い)傾向にあることが分かる(これを、傾向3とする)。
また、3本の破線1、2、3は、ピッチが小さくなる
程、また中心角が鋭角になる程、上方へと移動しいる。
すなわち、アスペクト比を一定として考えると(つま
り、同一の形状および大きさの粒子について考える
と)、ピッチは小さくなる程、中心角は鋭角になる程メ
タリック外観が良くなる傾向にあることが分かる(これ
を、傾向4とする)。
【0022】図9のグラフは、アスペクト比を一定(t/
L=1/8)として粒子径を変化させた場合について
の、すなわち、粒子径の異なる相似形の各アルミ粒につ
いての、ウェルド黒ずみおよびメタリック外観の変化を
示すものである。図8の場合と同様に、実線がウェルド
黒ずみを、破線がメタリック外観を示しており、それぞ
れ3本の線が描かれている。
【0023】図9において、ウェルド黒ずみの変化を表
す3本の実線はそれぞれ右肩下がりである。すなわち、
相似形の各粒子を考えた場合、粒子径が小さくなる程ウ
ェルドラインが目立つ(悪くなる)傾向にあることが分か
る(これを、傾向5とする)。また、3本の実線1、2、
3は、ピッチが小さくなる程、また中心角が鋭角になる
程、上方へ移動している。すなわち、粒子径を一定とし
て考えると(つまり、同一の形状および大きさの粒子に
ついて考えると)、ピッチは小さくなる程、中心角は鋭
角になる程ウェルドラインが目立たなくなる(良くなる)
傾向にあることが分かる(これは、傾向2に等しい)。
【0024】図9において、メタリック外観の変化を表
す3本の破線はそれぞれ右肩上がりである。すなわち、
相似形の各粒子を考えた場合、粒子径が小さくなる程メ
タリック外観が微細になる傾向にあることが分かる(こ
れを、傾向6とする)。また、3本の破線1、2、3
は、ピッチが小さくなる程、また中心角が鋭角になる
程、上方へ移動している。すなわち、粒子径を一定とし
て考えると(つまり、同一の形状および大きさの粒子に
ついて考えると)、ピッチは小さくなる程、中心角は鋭
角になる程メタリック外観が微細になる傾向にあること
が分かる(これは、傾向4に等しい)。
【0025】以上の実験結果をまとめると次の結論〜
が得られる。すなわち、 凹凸面のピッチPおよび中心角αについては、Pお
よびαはともに小さくなる程、メタリック外観はよりキ
ラキラした微細感を伴うものとなり、ウェルドラインも
目立たなくなる。これは、傾向2および4から得られる
結論である。
【0026】 アルミ粒の厚さについては、薄ぺらに
なる程、メタリック外観はよりキラキラしたものとなる
が、その反面ウェルドラインが目立つようになる。これ
は、傾向1および3から得られる結論である。
【0027】 アルミ粒の大きさについては、小粒に
なる程、メタリック外観はより微細なものとなるが、そ
の反面ウェルドラインが目立つようになる。これは、傾
向5および6から得られる結論である。
【0028】結論からは、Pおよびαは小さければ小
さい程良いということが分かる。ただし、これはあくま
でもP=0.1およびα=10を最小値に限った場合におい
てのみ有効な結論であると考えられる。なぜなら、Pお
よびαが0に近付けば近付く程凹凸面71aは平坦に近く
なるからである。つまり、今回の実験では、P=0.1お
よびα=10程度までは、両者の値は小さい程好ましいこ
とが確認された。そして、それ以上両者の値が小さくな
って、ある値以下となると凹凸面の効果は失われるもの
と予想される。
【0029】一方、結論およびからは、メタリック
外観を良好に保ちつつウェルドラインの発生を防止する
ためには、粒子径およびアスペクト比は一定範囲内に収
める必要があることが分かる。この一定範囲について、
図8および9をさらに詳しく考察すると次のことが分か
る。図8についての考察結果 図8において点Aは、これ以上ウェルド黒ずみが目立つ
ようになると肉眼で観察した場合にも明らかに認識可能
となるようなポイントを示している。すなわち、ウェル
ド黒ずみの良悪は、少なくともAポイントよりも良いこ
と(グラフ上、Aポイントよりも上方にあること)が必要
である。同様に、点Bは、メタリックの“キラキラ感"
を肉眼で認識できる最低限のポイントを示している。す
なわち、メタリック外観の良悪は、少なくともBポイン
トよりも良いこと(グラフ上、Bポイントよりも上方に
あること)が必要である。
【0030】図8の実線3を見ると、アスペクト比が1
/2のときP=1.0、α=180となっており、ピッチをこ
れ以上大きくすることはできないことが分かる。なお、
α=180のとき凹凸面は平坦となっている。ここから、
パラメータPおよびαを徐々に小さくしていくと、グラ
フは徐々に上方に移動していく。そして、P=0.1、α
=10となるまでは常にウェルド黒ずみの良悪はAポイン
トよりも上方にある。つまり、アスペクト比が1/2で
あるときは、0.1≦P≦1.0、かつ、10≦α≦180であれ
ば常にウェルド黒ずみについては良好な結果が得られ
る。
【0031】しかしながら、アスペクト比が1/2のと
きに、メタリック外観について満足な結果を得るために
は、破線が破線2よりも上方に存在すること、すなわ
ち、0.1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であることが必
要となることが分かる。したがって、アスペクト比が1
/2の場合に、ウェルド黒ずみおよびメタリック外観の
両方について満足な結果を得るためには、0.1≦P≦0.
3、かつ、10≦α≦120であることが必要であることが分
かる。
【0032】同様にして、アスペクト比が1/10の場合
について考えると、ウェルド黒ずみについて良好な結果
を得るためには、実線が実線2よりも上方に存在するこ
と、すなわち、0.1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であ
ることが必要である。また、メタリック外観について良
好な結果を得るためには、破線が破線3よりも上方に存
在すること、すなわち、0.1≦P≦1.0、かつ、10≦α≦
180であることが必要である。すなわち、アスペクト比
が1/10である場合に、ウェルド黒ずみおよびメタリッ
ク外観の両方について満足な結果を得るためには、0.1
≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であることが必要である
ことが分かる。
【0033】アスペクト比が1/2の場合にも1/10の
場合にも、必要とされるPおよびαの範囲はともに、0.
1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であるが、グラフよ
り、ウェルド黒ずみを目立たなくすることを重視する場
合にはアスペクト比を1/2に、メタリック外観の向上
を重視する場合にはアスペクト比を1/10にすべきこと
が分かる。
【0034】図8中に斜線で示した領域は、ウェルド黒
ずみについて考えた場合の好ましい領域の一例である。
つまり、ウェルド黒ずみについて考えた場合には、前述
のようにグラフ上Aポイントよりも上方にあれば好まし
い結果が得られる。ただし、実線1よりも下方側領域に
限っているのは、今回の実験ではそれ以上のデータをと
っていないからであり、破線1よりも下方側領域に限っ
ているのは、メタリック外観をも考慮に入れたためであ
る。また、アルミ粒のアスペクト比を1/10以上1/2
以下に限ったのは、メッキを施したガラスフレークを用
いて別途行った外観検討の結果を考慮したものである。図9についての考察結果 図9において点Aは、これ以上ウェルド黒ずみが目立つ
ようになると肉眼で観察した場合にも明らかに認識可能
となるようなポイントを示している。すなわち、ウェル
ド黒ずみの良悪は、少なくともAポイントよりも良いこ
と(グラフ上、Aポイントよりも上方にあること)が必要
である。また、点Bおよび点Cは、メタリックの“キラ
キラ感"を肉眼で認識できる範囲を示している。メタリ
ック外観がC点を越えて微細になると“キラキラ感"を
認識できなくなる一方、粗くなり過ぎてB点を越えると
却って意匠性の低下を招く。すなわち、メタリック外観
はグラフ上、Bポイントよりも上方かつCポイントより
も下方にあることが必要である。
【0035】図9の実線3を見ると、粒子径が70μmの
ときP=1.0、α=180となっており、ピッチをこれ以上
大きくすることはできないことが分かる。なお、α=18
0のとき凹凸面は平坦となっている。ここから、パラメ
ータPおよびαを徐々に小さくしていくと、グラフは徐
々に上方に移動していく。そして、P=0.1、α=10と
なるまでは常にウェルド黒ずみの良悪はAポイントより
も上方にある。つまり、粒子径が70μmであるときは、
0.1≦P≦1.0、かつ、10≦α≦180であれば常にウェル
ド黒ずみについては良好な結果が得られる。
【0036】しかしながら、粒子径が70μmのときに、
メタリック外観について満足な結果を得るためには、破
線が破線1と破線2との間に存在すること、すなわち、
0.1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であることが必要と
なることが分かる。したがって、粒子径が70μmの場合
に、ウェルド黒ずみおよびメタリック外観の両方につい
て満足な結果を得るためには、0.1≦P≦0.3、かつ、10
≦α≦120であることが必要であることが分かる。
【0037】同様にして、粒子径が10μmの場合につい
て考えると、ウェルド黒ずみについて良好な結果を得る
ためには、実線が実線2よりも上方に存在すること、す
なわち、0.1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120であること
が必要である。また、メタリック外観について良好な結
果を得るためには、破線が破線2と破線3との間に存在
すること、すなわち、0.3≦P≦1.0、かつ、120≦α≦1
80であることが必要である。すなわち、粒子径が10μm
である場合に、ウェルド黒ずみだけを考えるならば、0.
1≦P≦0.3、かつ、10≦α≦120とすれば満足な結果を
得ることができるが、ウェルド黒ずみおよびメタリック
外観の両者を両立することはできないことが分かる。
【0038】しかしながら、粒子径を10μmよりも大き
くするとともにPおよびαの値を適切に選択すれば、ウ
ェルド黒ずみおよびメタリック外観の両方について満足
な結果が得られることをグラフから読み取ることができ
る。
【0039】図9中に斜線で示した領域は、ウェルド黒
ずみについて考えた場合の好ましい領域の一例である。
つまり、ウェルド黒ずみについて考えた場合には、前述
のようにグラフ上Aポイントよりも上方にあれば好まし
い結果が得られる。ただし、領域に上限を設けているの
はメタリック外観をも考慮に入れたためである。また、
粒子径の範囲を10μm以上70μm以下に限定したのは、メ
ッキを施したガラスフレークを用いて別途行った外観検
討の結果を考慮したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウェルドラインの発生原因を説明する概略斜
視図および断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るホイールキャップ
の部分正面図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【図4】 図2の4−4線断面図である。
【図5】 図2のホイールキャップの成形に使用される
成形型の断面図である。
【図6】 成形型のピッチおよび中心角の概念を説明す
る説明図である。
【図7】 アスペクト比の概念を説明する説明図であ
る。
【図8】 アルミ粒の粒子径を一定としてアスペクト比
を変化させた場合におけるウェルド黒ずみおよびメタリ
ック外観の変化を示すグラフである。
【図9】 アルミ粒のアスペクト比を一定として粒子径
を変化させた場合におけるウェルド黒ずみおよびメタリ
ック外観の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 樹脂成形品 2 ウェルドライン 5 ホイールキャップ 51 意匠部 53、153 V字溝 55 ゲート対応部 6 アルミ粒 7 成形型 71 第1型 72 第2型 73 ゲート 75 ゲート対応部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円板状の金属微粒子(6)を含有する熱
    可塑性樹脂から射出成形されてなる、意匠面(51)を有す
    る樹脂成形品であって、 意匠面(51)においては、射出成形に使用される成形型の
    ゲート(73)に対応する意匠面上のゲート対応部(55)か
    ら、断面V字状のV字溝(53)が周縁部へ向かって同心円
    状または螺旋状にすき間なく延びているとともに、 含有されている略円板状の金属微粒子(6)は意匠面(51)
    に対して実質的に平行に配列されていることを特徴とす
    る樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 成形型(7)を使用して、略円板状の金属
    微粒子(6)を含有する熱可塑性樹脂から、意匠面(51)を
    有する樹脂成形品を射出成形する方法であって、 樹脂成形品の意匠面(51)を成形する成形型内面(71a)に
    おいては、溶融した樹脂を導入するゲート(73)近傍に位
    置する当該内面上のゲート対応部(75)から、断面V字状
    のV字溝(153)が周縁部へ向かって同心円状または螺旋
    状にすき間なく延びており、 熱可塑性樹脂に含有される略円板状の金属微粒子を樹脂
    成形品の意匠面(51)に対して実質的に平行に配列させる
    ことを特徴とする射出成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021117642A (ja) * 2020-01-24 2021-08-10 セイコーインスツル株式会社 触感提示装置

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