JPH09164303A - 洗浄液の油水分離方法及び装置 - Google Patents

洗浄液の油水分離方法及び装置

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JPH09164303A
JPH09164303A JP32714095A JP32714095A JPH09164303A JP H09164303 A JPH09164303 A JP H09164303A JP 32714095 A JP32714095 A JP 32714095A JP 32714095 A JP32714095 A JP 32714095A JP H09164303 A JPH09164303 A JP H09164303A
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oil
water
cleaning liquid
cleaning
tank
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JP32714095A
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Keisen So
慶泉 蘇
Hiroaki Sato
広昭 佐藤
Tsunehiro Noda
倫弘 野田
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アニオン性界面活性物質を含む水溶性油、乳
化型の不水溶性油等を汚れとして含む種々の洗浄液に適
用できる安価でしかも効率よい連続油水分離方法、及び
前記方法を適用して良い成果が得られる油水分離装置を
提供すること。 【解決手段】 被洗浄物を洗浄する工程からの油汚れを
含んだ洗浄液中の油を分離する洗浄液の油水分離方法に
おいて、洗浄工程の後に隔膜電解工程を設けてその陽極
と陰極に直流電圧を負荷し、隔膜電解工程の陽極室に洗
浄液を通液し、陽極室を通過した洗浄液を油水分離工程
に導入して油と水を分離し、油を除去した後、洗浄液を
隔膜電解工程の陰極室に導き、陰極室を通過した洗浄液
を洗浄工程に還流するか、系外に排出する洗浄液の油水
分離方法及び油水分離装置。洗浄液は水、界面活性剤を
含む水、あるいはさらにビルダを配合したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油水の分離技術、
特に金属部品、半導体ウエハー、ガラスや液晶等の工業
製品の製造過程において、製品または中間製品からの汚
れ(油分、埃やバリなど)の洗浄除去に用いる水系洗浄
液、洗浄に使用された水系洗浄液の油水分離方法及び油
水分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで工業洗浄剤として広く使われて
きた塩素系有機溶剤のフロンやトリクロロエタンはオゾ
ン層破壊物質であることが確認されたために国際的取り
決めで1995年までに製造中止となった。そうした中
で、フロン・トリクロロエタン代替洗浄剤の開発が急務
となっており、界面活性剤やアルカリを主成分とする水
系洗浄剤、アルコールやグリコールエーテルの有機溶媒
に水を配合した準水系洗浄剤、及び炭化水素系溶剤に代
表される非水系洗浄剤等が主流となりつつある。しかし
ながら、非水系洗浄剤の場合は、洗浄剤そのもので洗浄
するためにランニングコストが高く、又、その多くは可
燃性物質なので、洗浄装置には防爆仕様が必要で高価と
なったり、あるいは大型化できないという難点を抱えて
いる。
【0003】一方、水系と準水系、とくに水系の場合
は、大量の水で洗浄剤を希釈して使用するために、ラン
ニングコストが安く、又、危険性物質ではないので洗浄
装置は大型化が容易で、比較的安価である。しかし、大
量の水を使用することは同時に、洗浄液の油水分離やリ
ンス水の排水処理に対処できる水処理システムが洗浄シ
ステムの不可欠な構成要素となる。例えば、水系洗浄剤
を用いてワーク(被洗浄体)を洗浄する場合において、
洗浄に伴って洗浄液にワークからの油分等の汚れが徐々
に蓄積し、洗浄液の洗浄力が低下する。当然のことなが
ら、洗浄液の洗浄力を維持しつつ洗浄液の使用寿命を延
ばすためには、洗浄液からの油分等の汚れを常時取り除
く必要がある。従来、水系洗浄液の油水分離方法はエマ
ルジョンブレーカなどの化学薬品を使用する乳化破壊・
浮上分離法、静電分離法、油分粒子の合一・粗大化を促
進するコアレッサ法、そして精密濾過膜または限外濾過
膜を用いる膜分離法等による処理が行なわれて来た。
【0004】ところが、これらの従来技術はそれぞれ問
題を抱えている。例えば、エマルジョンブレーカの使用
による乳化破壊・浮上分離法では、油分分離後の洗浄液
が洗浄力を失い、再使用できない問題がある。また、静
電分離法やコアレッサ法では、洗浄液中の油分が微細な
エマルジョン粒子として存在する場合においては油水分
離効果が得られにくい。そして、精密濾過膜や限外濾過
法では、油分と共に洗浄剤成分も同時に取り除かれる課
題と、装置が高価である難問を抱えている。
【0005】水系洗浄剤は一般に、洗浄力を担う界面活
性剤を主成分として、その他防錆剤、消泡剤や、アルカ
リ成分などの有機・無機ビルダを配合してなるものであ
る。前記洗浄力を担う界面活性剤としては、非イオン性
界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とがあるが、洗浄力
の面から曇点温度が30〜60℃の範囲にある非イオン
性界面活性剤を用いるケースが多い。水系洗浄剤は使用
に当たっては所定の濃度に水で希釈し水系洗浄液として
使用する。
【0006】非イオン性界面活性剤はその曇点温度以下
では水に溶解し、界面活性を示すが、曇点温度以上では
親水性基が脱水和し、分子が会合して界面活性を失い、
液温がさらに高くなるとフロック状または液状の形で沈
殿する。逆に、液温が曇点温度以下に下がると一度不溶
性となった界面活性剤の親水性基が水和し、再び水に溶
解し、界面活性を回復するという性質をもつ。従って、
このような非イオン性界面活性剤を主体とする水系洗浄
液の油水分離では、水系洗浄液をその曇点温度よりも高
い温度まで加熱してやれば、界面活性剤が界面活性を失
うことで油分を浮上分離することができる。しかし油分
が共存すると、界面活性剤は油分との相互作用によって
沈殿せずに、逆に油分と共に浮上してしまい、油分だけ
を系外に排出するという本来の油水分離の目的が達成で
きない場合も多い。
【0007】さらには、発明者らは先に、曇点温度が4
0〜70℃の非イオン性界面活性剤に曇点温度が20〜
40℃の非イオン性界面活性剤を配合してなる水系洗浄
剤を用いることにより、油分等の汚れを含んだ洗浄液
を、単に洗浄剤の曇点温度以上に加熱するだけで洗浄液
中の油分等の汚れを浮上分離できる水系洗浄液、洗浄に
使用された水系洗浄液の油水分離方法を提案し、前記油
分が共存する条件でも優れた油水分離が達成できる技術
を開発した。この技術はしかし、不水溶性油を含んだ洗
浄液、不水溶性油の中でも抗乳化型のものに対して優れ
た機能を発揮するが、水溶性油を含んだ洗浄液やアニオ
ン性界面活性物質を配合した乳化型の不水溶性油を含ん
だ洗浄液に対しては適用できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】金属部品の機械加工等
の分野において使用される油には、水溶性切削油やクー
ラントに代表される水溶性油、プレス加工油や圧延油に
代表される不水溶性油とがある。また不水溶性油の中に
は乳化型のものと抗乳化型のものとがある。前記水溶性
切削油やクーラントに代表される水溶性油はアルキルス
ルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性物質を多く含
み、また不水溶性油の中にもカルシウムスルホネート等
のアニオン性界面活性物質を防錆剤として多量に含むも
のがある。このようにアニオン性界面活性物質を多量に
含む油に対しては発明者らが先に開発した水系洗浄剤及
び該洗浄剤に適用した加熱方式の前記油水分離方法は適
用できなかった。本発明は、上記の従来技術の課題を克
服し、通常のプレス加工油や圧延油に代表される抗乳化
型の不水溶性油を汚れとして含む油は勿論、アニオン性
界面活性剤を含む水溶性油を汚れとして含む洗浄液、及
びアニオン性界面活性物質を配合された乳化型の不水溶
性油を汚れとして含む洗浄液など広い範囲の洗浄液に対
して、安価でしかも効率よい連続油水分離方法を提供す
ること、及び本発明の油水分離方法を適用して効率良い
成果が得られる油水分離装置を提供することを課題とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは鋭意に研鑽を
重ねた結果、本発明の洗浄液の油水分離方法を見出し前
記課題を達成することを可能にした。すなわち、(1)
被洗浄物を洗浄する洗浄工程からの、油性汚れを含んだ
洗浄液中の油を油水分離工程において分離する洗浄液の
油水分離方法において、前記洗浄工程からの油性汚れを
含んだ洗浄液を、陽極と陰極の間に直流電圧を印加して
直流電流が負荷された前記隔膜電解工程の陽極室に通液
し、前記陽極室を通過した洗浄液を加熱して前記油水分
離工程に導入し、油と水を分離せしめて油を除去した
後、油を除去した前記洗浄液を前記隔膜電解工程の陰極
室に導くことを特徴とする洗浄液の油水分離方法、好ま
しくは、(2)前記洗浄液の油水分離方法において、前
記洗浄液が水であることを特徴とする前記(1)に記載
の洗浄液の油水分離方法、あるいは、(3)前記洗浄液
の油水分離方法において、前記洗浄液が界面活性剤を配
合した水であることを特徴とする前記(1)に記載の洗
浄液の油水分離方法、あるいは、(4)前記洗浄液の油
水分離方法において、前記洗浄液が非イオン性界面活性
剤を配合した水であることを特徴とする前記(1)に記
載の洗浄液の油水分離方法、あるいは、(5)前記洗浄
液の油水分離方法において、前記洗浄液が、曇点温度が
20〜40℃の非イオン性界面活性剤及び曇点温度が4
0〜80℃の非イオン性界面活性剤を配合した水である
ことを特徴とする前記(1)に記載の洗浄液の油水分離
方法、あるいは、(6)前記洗浄液の油水分離方法にお
いて、前記洗浄液が、曇点温度が20〜40℃の非イオ
ン性界面活性剤、曇点温度が40〜80℃の非イオン性
界面活性剤及びビルダを配合した水であることを特徴と
する請求項1に記載の洗浄液の油水分離方法。(7)前
記ビルダとして硫酸ナトリウムを配合した洗浄液である
ことを特徴とする請求項6に記載の洗浄液の油水分離方
法。また、前記(1)〜(7)に記載の油水分離方法を
適用して効率良い成果が得られる油水分離装置を提供す
ることは、(8) 洗浄液槽、多孔性隔膜によって仕切
られた陽極室と陰極室にそれぞれ陽極と陰極を設けた隔
膜電解槽と油水分離槽を配備し、前記洗浄液槽から前記
隔膜電解槽の陽極室に送液し、前記隔膜電解槽の陽極室
から油水分離槽の導入口に送液し、さらに前記油水分離
槽の導出口から前記隔膜電解槽の陰極室に送液するよう
構成してなることを特徴とする洗浄液の油水分離装置に
より達成することができる。
【0010】前記(1)〜(5)に記載の洗浄液には洗
浄、防錆や消泡の作用に加えて、電気伝導度を高める作
用を有するビルダを添加することが好ましい。また、こ
のようなビルダとしては電解によって化学変化が発生し
ないもの、例えば硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等を使
用することが好ましい。また、本発明においては、洗浄
液は隔膜電解槽の陽極室を通過する際に発生期の酸素に
よって酸化される等で殺菌されるので、殺菌剤を添加し
なくても、長期にわたって洗浄液を使用しても腐敗する
ことはない。
【0011】前記水溶性切削油が付着したワーク(被洗
浄体)を先ず水あるいは硫酸ナトリウムを配合した水で
洗浄する場合がある。本発明の油水分離方法はこのよう
な洗浄液や途中で補充する洗浄液に対しても有効であ
る。また前記(3)に記載した界面活性剤を配合した水
からなる洗浄液において、界面活性剤は通常アニオン性
界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの混合
物である。ただし、アニオン性界面活性剤は酸に対し緩
衝作用を有するので、多量に配合されると洗浄液のpH
調整がしにくくなることから、アニオン性界面活性剤の
配合量は少なくした方がよい。
【0012】本発明において、配合するアニオン性界面
活性剤としてはアルキルスルホン酸ソーダやアルキルカ
ルボン酸ソーダが好ましい例である。また本発明におい
て、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル型、ポリエチレングリコール型、ソルビ
タン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル型やプルロニック型のものが好ましい例
として挙げられる。また、低曇点非イオン性界面活性剤
の曇点温度は20〜40℃の範囲にあればよいが、25
〜30℃の範囲がより好ましい。
【0013】本発明の骨子は、 被洗浄物を洗浄する洗浄工程の後に隔膜電解工程を設
けて、前記洗浄工程からの油性汚れを含んだ洗浄液を、
前記隔膜電解工程の陽極室に通液して前記洗浄液を酸性
にし、前記油水分離工程で洗浄液から油分を除去した洗
浄液を前記隔膜電解工程の陰極室に通液して前記洗浄液
をもとのpHに戻すこと。及び、 水溶性油に多量に配合されたアルキルスルホン酸ソー
ダ等のアニオン性界面活性剤や不水溶性油に配合された
カルシウムスルホネート等のアニオン性界面活性物質が
存在するために、本発明の洗浄剤の主成分である非イオ
ン性界面活性剤によって洗浄・分散された油性汚れを非
イオン性界面活性剤の曇点温度以上に加熱しても油水分
離することを妨害されるという作用を、洗浄液を隔膜電
解槽の陽極室に通水して酸性にすることにより前記アニ
オン性界面活性剤やアニオン性界面活性物質の油分散作
用を不活性化することによって本来の油水分離が正常に
実現するようにすることができるということにある。
【0014】前記隔膜電解を組み入れた本発明の洗浄液
の油水分離方法の作用を、非イオン性界面活性剤とビル
ダを主成分とする洗浄液を洗浄液の1例とした場合につ
いて以下に詳細に説明する。非イオン性界面活性剤とビ
ルダを主成分とする洗浄液を用いて金属部品等の脱脂洗
浄を行うと、油分が非イオン性界面活性剤によって乳化
し洗浄液中に分散する。次に乳化した油分を含んだ洗浄
液を非イオン性界面活性剤の曇点温度以上に加熱する
と、乳化油分の乳化が破壊し、油分が浮上分離する。し
かし、油分を含んだ洗浄液中にアニオン性界面活性剤や
アニオン性界面活性物質が配合されていると、(1) 洗浄
液中の非イオン性界面活性剤の曇点温度が上昇し、その
上さらに(2) アニオン性界面活性剤の作用により油分の
乳化が進行する。洗浄液中の非イオン性界面活性剤の曇
点温度が油水分離工程の設定加熱温度以上に上昇した場
合やアニオン性界面活性剤により乳化した油分が多くな
った時には、当然本来の油水分離機構の機能が発揮され
なくなる。
【0015】アニオン性界面活性剤は解離してアニオン
状態にある時界面活性性を発揮し油分を乳化する。しか
しアニオン性界面活性剤が溶解ないしミセル分散してい
る水のpHがアニオン性界面活性剤のpK値より以下に
なるとアニオン性界面活性剤は解離せず、水素がアニオ
ン基に結合した状態になり界面活性性が失われ、水に不
溶化することが知られている。このような挙動はアニオ
ン性界面活性物質についても同様である。アニオン性界
面活性剤が溶解ないしミセル分散している水のpHを低
下させるには酸等を添加する方法があるが、塩などの副
生成物が発生するので好ましくない。
【0016】本発明の方法は、乳化した油分を含んだ洗
浄液を隔膜電解工程の陽極室に通液し、水を下記の式の
ように電解することにより陽極室の媒体中に水素イオン
を生成させる。すなわち、 H2 O →1/2O2 +2H+ +2e- のように水素イオンを生成して洗浄液を酸性にすること
ができる。洗浄液中に水素イオンを生成させることによ
り、洗浄液中に存在するアニオン性界面活性剤、例えば
アルキルスルホン酸ソーダのpK値より洗浄液のpHを
低くすると下記の式に示すようにアルキルスルホン酸ソ
ーダが反応し、 R−SO3 - +H+ → R−SO3 H のように水素がアニオン基に結合した状態になり界面活
性性が失われ、不溶性になる。かくして、前記アニオン
性界面活性剤やアニオン性界面活性物質による本発明の
油水分離に対する妨害作用を抑えることができる。調整
する酸性度は、pH3〜7であればよいが、通常pH5
〜7の範囲で十分である。
【0017】陽極室を通りpH調整された洗浄液は油水
分離槽に送液され、洗浄液の温度をそれに含まれる非イ
オン性界面活性剤の曇点温度以上の所定の適当な温度に
加熱して油分を分離し、油分が除去された洗浄液は隔膜
電解工程の陰極室に通液し、水を下記の式のように電解
することにより陰極室の媒体中に水酸基イオンを生成さ
せる。すなわち、 2H2 O+2e- → H2 +2OH- のように水酸イオンを生成して酸性洗浄液を中和するこ
とができる。
【0018】本発明に使用する隔膜電解槽は、イオン透
過性隔膜によって電解槽を陽極室と陰極室に仕切り、陽
極室と陰極室にはそれぞれ陽極と陰極を設ける。イオン
透過性隔膜としては、通常有機性精密ろ過膜であるMF
膜が使用される。電極には不溶性電極であれば特に制限
されないが、陽極及び陰極にはチタン等の基材に白金を
メッキした電極が好適であり、陰極にはより安価なフェ
ライトやステンレス電極を使用することもできる。前記
(5)、(6)及び(7)に記載した界面活性剤を配合
した水からなる洗浄液において、配合する低曇点非イオ
ン性界面活性剤の配合率は、洗浄剤である非イオン性界
面活性剤に対して0.2〜1の範囲でよく、例えば、洗
浄剤5%の洗浄液に対しては1〜5%の低曇点非イオン
性界面活性剤を配合すればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の油水分離装置の1例を図
1に示した。図1により本発明を具体的に説明する。図
1において、プレス加工工程において加工され乳化型の
不水溶性油が付着している金属部品を、アルキルスルホ
ン酸ソーダとポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル型非イオン性界面活性剤とを洗浄剤とし、硫酸ナト
リウムをビルダとして添加した水溶液を洗浄液として、
洗浄槽1において洗浄した。洗浄槽1中の前記乳化型の
不水溶性油などの油汚れを含む洗浄液をバルブ11と送
液ポンプ12を備えた送液配管10によって隔膜電解槽
2の陽極3を配備した陽極室4に供給する。隔膜電解槽
2においては、隔膜8によって陽極室4と陰極室6とに
分割され、それぞれの室に陽極3と陰極5を配備し、電
源7から所定の直流電流を負荷する。陽極室4に供給さ
れた前記油汚れ等を含んだ洗浄液はここで水が電解され
ることによって生成した水素イオンによってアルキルス
ルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性物質が界面活性
性を失う。酸性化された洗浄液は、隔膜電解槽2の陽極
室4から配管15を通って油水分離槽9に導入口13か
ら導入され、油水分離槽9においてポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル型非イオン性界面活性剤の曇
点温度以上に加熱される。
【0020】油水分離槽9に送液された洗浄液は50〜
80℃、好ましくは60〜65℃の温度範囲に加熱する
だけで、油分だけを浮上分離することができる。20分
以下の滞留時間を置く程度洗浄液を油水分離槽9に滞留
させ、分離した油分を油槽14に連結管16を通って送
ることにより油分を連続的に系外に分離・排出すること
ができる。油分が除去された洗浄液は油水分離槽9の底
部の導出口17ら送り出される。油分や界面活性剤の一
部が除去された洗浄液は、油水分離槽9の底部の導出口
17に連結されている配管18を通って、隔膜電解槽2
の陰極5を配備した陰極室6に送液される。陰極室6に
供給された前記洗浄液はここで水が電解されることによ
って生成した水酸イオンによって中和され、隔膜電解槽
2の陰極室6から配管19を通って送液され洗浄槽1に
還流される。(陰極室6でもとのpHに調整された洗浄
液は洗浄槽1に還流することなく系外に排出しても良
い。)
【0021】
【実施例】
実施例1 図1に示した装置構成に従って油水分離装置を製作し、
以下の洗浄液の油水分離試験に用いた。ここで、隔膜電
解装置の電解槽は、ポリ塩化ビニル製の密閉角型で、陽
極は面積が0.1m2 のチタン板に白金をメッキした電
極で、陰極も陽極と同じ電極を用いた。隔膜にはイオン
透過性の合成高分子製のMF膜を用いた。また、油浮上
槽は内容積が36リットルで、内蔵電熱ヒータは1kw
であった。曇点49℃のポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエ−テル 型非イオン性界面活性剤が15%、硫
酸ナトリウムが3.5%の水溶液を調整して洗浄剤とし
た。洗浄槽内で、前記洗浄剤を水で5%に希釈し、pH
を水酸化ナトリウムで8.7に調整し、200リットル
の洗浄液を調製した。使用時洗浄液は45℃に調温して
用いた。
【0022】油水分離の試験の対象とする油種として
は、乳化型不水溶性油の防錆油を使用した。該防錆油の
中にアルキルスルホン酸バリウムが防錆剤として多量に
配合されている。油水分離の試験にあたり、洗浄槽内に
4リットルの前記防錆油を添加し、前記洗浄液で防錆油
濃度が2%になるように希釈した。洗浄液中の油分を安
定な乳化状態にするために、毎分3600回転のカスケ
ット型ポンプを用いて洗浄液を流量15リットル/分で
30分間攪拌した。
【0023】以下に試験手順、試験条件及び試験結果に
ついて詳しく説明する。洗浄槽より、洗浄液がポンプに
よって200リットル/時の流量で隔膜電解槽の陽極室
に送液される。電解条件は、前記陽極室を流出する洗浄
液のpHが5.0〜5.5となるように、電解電流を
1.2Aに設定した。この時電解電圧は約6Vであっ
た。陽極室を出た洗浄液は、油水分離槽に導入され、そ
こで洗浄液が加熱されて油水分離が行われた。油水分離
槽内の加熱用電熱ヒータの設定温度は65℃とされた。
油水分離後の洗浄液は隔膜電解槽の陰極室に送液され
る。陰極室を出た洗浄液は洗浄槽に還流される。この時
陰極室を出た洗浄液のpHは8.8であった。
【0024】油水分離試験開始以降2時間毎に、油水分
離槽の上部の油槽に溜まった油は系外に排出し、この時
排出する油量を計量した。油排出積算量並びにこの油排
出積算量より算出した洗浄液中の油分濃度の経時変化を
第1表に示した。
【0025】
【表1】
【0026】第1表より、油水分離は効果的に行われた
といえる。10時間経過後に、油排出積算量が4リット
ルを越えた。これによって洗浄液中の非イオン性界面活
性剤が油と共に一部浮上分離したことが併せて確認され
た。
【0027】本発明による隔膜電解処理の効果を明確に
するために、以下の比較試験を行った。 比較例1 実施例1で用いた油水分離装置において、隔膜電解槽の
電源をOFFにして、電解処理を行わない場合の油水分
離試験を実施例1と同じ洗浄液及び防錆油を用いて行っ
た。前記防錆油を分散した前記洗浄液に対して、電解処
理を行わない場合では、洗浄液からの油水分離はまった
く進行しなかった。
【0028】実施例2 曇点49℃のポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−
テル 型非イオン性界面活性剤が15%、曇点29℃の
プルロニック型非イオン性界面活性剤が6%、硫酸ナト
リウムが3.5%の水溶液を調製して洗浄剤とした。洗
浄槽内で、前記洗浄剤を水で5%に希釈し、pHを水酸
化ナトリウムで9.7に調整し、200リットルの洗浄
液を調製した。使用時洗浄液は40℃に調温して用い
た。
【0029】油水分離の試験の対象とする油種として
は、W1種の水溶性切削油と乳化型不水溶性油の防錆油
と抗乳化型不水溶性油の切削油とを混合して使用した。
水溶性切削油、防錆油及び不水溶性切削油の添加濃度を
それぞれ0.1%、1.0%及び1.0%とした。用い
た不水溶性切削油のアニオン性界面活性物質の含有量が
少なかったが、水溶性切削油のアニオン性界面活性剤
(アルキルスルホン酸ソーダやアルキルカルボン酸ソー
ダ等)の含有率は約25%で、鉱物油の含有率は約60
%であった。
【0030】実施例2の試験装置及び試験手順は、実施
例1の場合と同じであったが、陽極室を出た洗浄液のp
Hを5.0〜5.5にするために、電解電流は10Aに
設定した。この時の電解電流は約20Vであった。ま
た、陰極室を出た洗浄液のpHは9.9であった。実施
例2の試験結果も第1表に併記した。第1表より、油水
分離が効果的に行われたことがわかる。また、この場合
洗浄液中の非イオン性界面活性剤が油と共に浮上分離す
ることは認められなかった。
【0031】実施例2による本発明の隔膜電解処理の効
果を明確にするために、以下の比較試験を行った。 比較例2 実施例2で用いた油水分離装置において、隔膜電解槽の
電源をOFFにして、電解処理を行わない場合の油水分
離試験を実施例2と同じく、洗浄液に水溶性切削油、防
錆油及び不水溶性切削油防錆油を分散して行った。前記
水溶性切削油、防錆油及び不水溶性切削油防錆油を分散
した前記洗浄液に対して、電解処理を行わない場合で
は、洗浄液からの油水分離はまったく進行しなかった。
【0032】
【発明の効果】
1) 本発明の洗浄液の油水分離方法は、洗浄液が単な
る水である場合や非イオン性界面活性剤やアニオン性界
面活性剤を添加した水からなる洗浄液等、広い範囲の洗
浄液から油水分離を行うのに有効に使用できる。 2) 本発明の洗浄液の油水分離方法は、水溶性油に多
量に配合されたアルキルスルホン酸ソーダ等のアニオン
性界面活性剤や不水溶性油に配合されたカルシウムスル
ホネート等のアニオン性界面活性物質が存在するため
に、従来優れた油汚れを含む洗浄液から油水分離するの
に優れた方法とされた、洗浄液に非イオン性界面活性剤
を添加し、その曇点温度以上に加熱して油水分離すると
いう方法が無効化されるような場合に対しても優れた油
水分離性能を発揮する。 3) 本発明の洗浄液の油水分離方法は、酸やアルカリ
のような劇薬を使用する必要がない。 4) 殺菌剤を添加しなくても洗浄液の腐敗を防止でき
る。 5) 本発明の洗浄液の油水分離装置は、高価な装置で
なく、操作は簡単でかつ安定に運転できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油水分離装置の1例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 洗浄槽 2 隔膜電解槽 3 陽極 4 陽極室 5 陰極 6 陰極室 7 電源 8 隔膜 9 油水分離槽 10 送液配管 11 バルブ 12 送液ポンプ 13 導入口 14 油槽 15 配管 16 連結管 17 導出口 18 配管 19 配管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を洗浄する洗浄工程からの、油
    性汚れを含んだ洗浄液中の油を油水分離工程において分
    離する洗浄液の油水分離方法において、前記洗浄工程か
    らの油性汚れを含んだ洗浄液を、陽極と陰極の間に直流
    電圧を印加して直流電流が負荷された前記隔膜電解工程
    の陽極室に通液し、前記陽極室を通過した洗浄液を加熱
    して前記油水分離工程に導入し、油と水を分離せしめて
    油を除去した後、油を除去した前記洗浄液を前記隔膜電
    解工程の陰極室に導くことを特徴とする洗浄液の油水分
    離方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液の油水分離方法において、前
    記洗浄液が水であることを特徴とする請求項1に記載の
    洗浄液の油水分離方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄液の油水分離方法において、前
    記洗浄液が界面活性剤を配合した水であることを特徴と
    する請求項1に記載の洗浄液の油水分離方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄液の油水分離方法において、前
    記洗浄液が非イオン性界面活性剤を配合した水であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の洗浄液の油水分離方
    法。
  5. 【請求項5】 前記洗浄液の油水分離方法において、前
    記洗浄液が、曇点温度が20〜40℃の非イオン性界面
    活性剤及び曇点温度が40〜80℃の非イオン性界面活
    性剤を配合した水であることを特徴とする請求項1に記
    載の洗浄液の油水分離方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄液の油水分離方法において、前
    記洗浄液が、曇点温度が20〜40℃の非イオン性界面
    活性剤、曇点温度が40〜80℃の非イオン性界面活性
    剤及びビルダを配合した水であることを特徴とする請求
    項1に記載の洗浄液の油水分離方法。
  7. 【請求項7】 前記ビルダとして硫酸ナトリウムを配合
    した洗浄液であることを特徴とする請求項6に記載の洗
    浄液の油水分離方法。
  8. 【請求項8】洗浄液槽、多孔性隔膜によって仕切られた
    陽極室と陰極室にそれぞれ陽極と陰極を設けた隔膜電解
    槽と油水分離槽を配備し、前記洗浄液槽から前記隔膜電
    解槽の陽極室に送液し、前記隔膜電解槽の陽極室から油
    水分離槽の導入口に送液し、さらに前記油水分離槽の導
    出口から前記隔膜電解槽の陰極室に送液するよう構成し
    てなることを特徴とする洗浄液の油水分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100607437B1 (ko) * 2003-09-04 2006-08-02 산요덴키가부시키가이샤 수처리 장치

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