JPH09163990A - TGF−βファミリーの情報伝達系を担う新規キナーゼ - Google Patents
TGF−βファミリーの情報伝達系を担う新規キナーゼInfo
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- JPH09163990A JPH09163990A JP8256747A JP25674796A JPH09163990A JP H09163990 A JPH09163990 A JP H09163990A JP 8256747 A JP8256747 A JP 8256747A JP 25674796 A JP25674796 A JP 25674796A JP H09163990 A JPH09163990 A JP H09163990A
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Abstract
規キナーゼ及びそれをコードする遺伝子の提供。 【解決手段】 配列番号:1又は配列番号:5のアミノ
酸配列中の1位のMet から579 位のSer までのアミノ酸
配列を含むTGF−β活性化キナーゼ、及びそれをコー
ドするDNA。
Description
リーの情報伝達系を担う、トランスフォーミング成長因
子−βによって活性化されるキナーゼ(Transforming g
rowth factor- βactivated kinase ;TAK1) 、及びそ
の製造方法、並びにそれをコードする遺伝子に関する。
TAK1は、MAPKキナーゼのアクチベーター(Acti
vator of MAPK Kinase;AMK-1)とも称され、TGF−β
およびBMP(bone morphogenetic
protein)により活性化され且つMAPKキナ
ーゼをリン酸化して活性化する酵素である。
は細胞質内領域にSer/Thrキナーゼを含み、その
膜貫通ドメインに近いアミノ末端側にGly,Serの
繰り返し配列(GS box)を有するI型、及びGS
boxを有しないII型に分類される。TGF−βの場
合、リガンドがII型受容体に結合した後にI型受容体と
の複合体を形成し、構成的にリン酸化されているII型受
容体のキナーゼがI型受容体のGS box付近をリン
酸化し、これによってI型受容体が活性化されることに
より前記リガンドからのシグナルが細胞内に伝達される
と考えられている。しかしながら、この受容体より下流
の伝達分子についてはほとんど知られていない。
セレビシエー(Saccharomyces cerevisiae)において
は、細胞外からの接合フェロモン(Mating pheromone)
により接合が生ずるまでの情報伝達カスケードとして、
接合フェロモンによりGプロテインが活性化され、Gプ
ロテインがMAPKKキナーゼ(MAPKKK)(St
e11)を活性化し、活性化されたMAPKKKがMA
PKキナーゼ(MAPKK)をリン酸化して活性化し、
次にこうして活性化されたMAPKK(Ste7)がM
APキナーゼ(マイトジェン−活性化プロテインキナー
ゼ;mitogen-activated protein kinase;MAPK) をリン
酸化して活性化し、最後にMAPKがFUS1蛋白質を
活性化して細胞の接合が開始されることが知られてい
る。
GF−βの受容体のシグナル伝達系において、受容体よ
りも下流に位置し、該シグナルの伝達に関与する新規な
因子、それをコードする遺伝子、及び当該因子の製造方
法を提供しようとするものである。
題を解決すべく、上記接合フェロモンの情報伝達カスケ
ードにおけるMAPKKK(Ste11)の活性が欠損
した酵母サッカロミセス・セレビシエーにマウス由来の
cDNAを挿入し、活性が欠損したMAPKKKを補完
できるcDNAについてスクリーニングし、活性が欠損
したMAPKKKを補完し得るcDNAをクローニング
することに成功し、本発明を完成した。
のSer から579 位のSer までのアミノ酸配列、又は当該
アミノ酸配列に対して1〜少数個のアミノ酸配列の付
加、除去及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾
されたアミノ酸配列を含んで成る、トランスフォ−ミン
グ成長因子(TGF)−βによって活性化されるキナー
ゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを提供
する。その1つの態様によれば、前記DNAは配列番
号:1に示す223 位のT から1893位のA までのヌクレオ
チド配列を有する。
のMet から579 位のSer までのアミノ酸配列、又は当該
アミノ酸配列に対して1〜少数個のアミノ酸配列の付
加、除去及び又は他のアミノ酸による置換により修飾さ
れたアミノ酸配列を含んで成る、トランスフォ−ミング
成長因子(TGF)−βによって活性化されるキナーゼ
活性を有するポリペプチドをコードするDNAを提供す
る。その1つの態様によれば、前記DNAは配列番号:
1に示す157 位のA から1893位のA までのヌクレオチド
配列を有する。
レオチド配列に対して80%以上の相同性を有し、且つT
GF−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポ
リペプチドをコードするDNAを提供する。本発明はさ
らに、配列番号:1に示すヌクレオチド配列と、60℃、
0.1 ×SSC 、0.1 %SDS (sodium dodecyl sulfate)の
条件下にハイブリダイズすることができ且つTGF−β
によって活性化されるキナーゼの活性を有するポリペプ
チドをコードするDNAを提供する。
Ser から579 位のSer までのアミノ酸配列、又は当該ア
ミノ酸配列に対して1〜少数個のアミノ酸配列の付加、
除去及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾され
たアミノ酸配列を含んで成る、トランスフォ−ミング成
長因子(TGF)−βによって活性化されるキナーゼ活
性を有するポリペプチドをコードするDNAを提供す
る。その1つの態様によれば、前記DNAは配列番号:
5に示す249 位のT から1919位のA までのヌクレオチド
配列を有する。
のMet から579 位のSer までのアミノ酸配列、又は当該
アミノ酸配列に対して1〜少数個のアミノ酸配列の付
加、除去及び又は他のアミノ酸による置換により修飾さ
れたアミノ酸配列を含んで成る、トランスフォ−ミング
成長因子(TGF)−βによって活性化されるキナーゼ
活性を有するポリペプチドをコードするDNAを提供す
る。その1つの態様によれば、前記DNAは配列番号:
5に示す183 位のA から1919位のA までのヌクレオチド
配列を有する。
レオチド配列に対して80%以上の相同性を有し、且つT
GF−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポ
リペプチドをコードするDNAを提供する。本発明はさ
らに、配列番号:5に示すヌクレオチド配列と、60℃、
0.1 ×SSC 、0.1 %SDS (sodium dodecyl sulfate)の
条件下にハイブリダイズすることができ且つTGF−β
によって活性化されるキナーゼの活性を有するポリペプ
チドをコードするDNAを提供する。また、本発明は、
配列番号1に示す23位のMet から579 位のSer までのア
ミノ酸配列を含んでなる、TGF−βによって活性化さ
れるキナーゼ活性を有するポリペプチドおよび配列番号
5に示す23位のMet から579 位のSer までのアミノ酸配
列を含んでなる、TGF−βによって活性化されるキナ
ーゼ活性を有するポリペプチドを提供する。
んで成るベクターにより形質転換された宿主細胞を培養
し、培養物から発現生成物を採取することを特徴とす
る、TGF−βによって活性化されるキナーゼ活性を有
するポリペプチドの製造方法を提供する。本発明はま
た、この方法により製造される、TGF−βによって活
性化されるキナーゼ活性を有するポリペプチドを提供す
る。このポリペプチドは、配列番号:1の23位のSer か
ら579 位のSer までのアミノ酸配列、又は配列番号:5
に示す23位のSer から579 位のSer までのアミノ酸配列
を有するものと予想される。従って本発明は、かかるア
ミノ酸配列を有するTGF−βによって活性化されるキ
ナーゼ酵素を提供する。
子のクローニングに際しては、例えば、MAPKKKの
活性を欠損しており且つカスケードの末端に容易に検出
可能なリポーター遺伝子を有する酵母に哺乳類のcDN
Aを含む発現ベクターを導入し、欠損したMAPKKK
活性を補完するcDNAが挿入されたか否かを、リポー
ター遺伝子の発現により検出すればよい。さらに、例え
ば、高浸透圧シグナル伝達系のもとで機能する、Ssk
2/Ssk22及びShol活性を欠く他の酵母を使用
することもできる。
セレビシエー(Saccharomyces cerevisiae)中の、接
合フェロモン(Mating pheromone) の情報を伝達するM
APK経路(I.Herskowitz, Cell, Vol.80, 187 (199
5);D.E.Lein et., Curr.Opin.Cell Biol. Vol.7, 197
(1995);J.Schulz et al., Curr.Opin.Gene Dev., Vol.
5, 31 (1995)) を用いることができる。この系における
正常な情報伝達カスケードはSte11キナーゼ、St
e7キナーゼ、及びFus3/Kss1キナーゼから成
り、これらはそれぞれMAPKKK,MAPKK及びM
APKに相当する。Ste11,Ste7、及びFus
3/Kss1は逐次的に作用してシグナルを転写因子S
te12に伝達し、このSte12はFUS1のごとき
接合特異的(mating specific) 遺伝子の転写を活性化す
る。
記のカスケード中Ste7の機能的変異(STE
7P368)及びSte11の欠損変異(Ste11Δ)を
含むカスケードを用いることができ(K.Irie et al., S
cience Vol.265, 1716 (1994))、この系においては、接
合経路に対応するリポーター遺伝子FUS1p::HI
S3により付与されるヒスチジン表現型(His)によ
りモニターする場合、哺乳類Raf又はMEKKの活性
化形(それぞれRafΔN又はMEKKΔN)がSte
7P368依存的にSte11活性の欠損を代替することが
できることが確認されている。従って、上記の変異した
カスケードを有する酵母に被験cDNAを導入して、ヒ
スチジン表現型を検出することによりSte11Δ(M
AKKK欠損)を補完することができるcDNAを選択
することができる。
の哺乳動物由来のcDNAライブラリーを用いることが
できるが、一例として、マウスの細胞系、例えばマウス
細胞系BAF−BO3からのcDNA発現ライブラリー
を用いることができる。このcDNAライブラリーは、
マウスIL−3依存性pro−β細胞系であるBAF−
BO3からpoly(A)−RNAに対するcDNA
を、酵母発現ベクターpNV11のTDH3プロモータ
ーの制御下にクローニングすることにより得られる。使
用される被験cDNAライブラリーの他の例は、ヒト細
胞系、例えばヒト細胞系JurkatからのcDNA発
現ライブラリーである。
リーニング系によりスクリーニングすることにより1個
の陽性クローンを得た。このクローンのcDNAの塩基
配列及びそれによりコードされるアミノ酸配列は、配列
番号:1のヌクレオチド番号223 〜1893、及びアミノ酸
番号23〜579 に相対する。ヒト細胞系からのcDNAラ
イブラリーは上記のスクリーニング系に従ってスクリー
ニングすることができる。あるいは、ヒト細胞系からの
cDNAライブラリーは、前記のようにして得られたマ
ウスcDNAをプローブとして使用してスクリーニング
することができる。他の陽性クローンのcDNA及びそ
れによりコードされるアミノ酸配列は配列番号:5に示
すヌクレオチド249 −1919及びアミノ酸23−579 に相当
する。
るため、前記のcDNAをプローブとして用いて、上記
のcDNAライブラリーをスクリーニングし、複数の陽
性クローンを得た。これらのクローンは、前記のcDN
Aに対して、約230bpの5′−延長部分を有してい
た。この5′−末端延長部分を有するcDNAをTAK
1 cDNAと称し、この5′−末端延長部分を有しな
い最初にクローニングしたcDNAをTAK1ΔN c
DNAと称する。TAK1 cDNAのヌクレオチド配
列を配列番号:1の1 〜2443に示し、それによりコード
されているアミノ酸配列を配列番号:1のアミノ酸番
号:1〜579に示す。このアミノ酸配列により示され
るタンパク質又はポリペプチドをTAK1タンパク質又
はポリペプチドと称する。これに対して、TAK1ΔN
cDNAによりコードされているアミノ酸配列により
示されるタンパク質又はポリペプチドをTAK1ΔNタ
ンパク質又はポリペプチドと称する。さらに、ヒトTA
K1 cDNAのヌクレオチド配列は配列番号:5のヌ
クレオチド1−2656により示され、そしてそれによりコ
ードされるアミノ酸配列は配列番号:5のアミノ酸1−
579 により示される。
ら、この蛋白質はN−末端側のプロテインキナーゼ触媒
ドメインと約300アミノ酸残基のC−末端ドメインを
有することが示唆される。この触媒ドメインはプロテイ
ンキナーゼ・サブドメインI〜XI(S.K.Hanks et al.,
Science 241, 42 (1988)) に対応するコンセンサス配列
を含有する。この触媒ドメインはRaf−1(T.I.Bonne
r et al., Nucleic Acids Res. Vol.14, 1009 (1986))
及びMEKK(C.A.Langer-Carter et al., Science Vo
l.260, 315 (1993)) の触媒ドメインのアミノ酸配列と
約30%の同一性を有する。前記触媒ドメインに続くC
−末端の300アミノ酸残基の配列は他のタンパク質と
の顕著な相同性を有しない。
くTAK1ΔN cDNAをste11Δ変異を有する
酵母に導入すればste11Δ変異(MAPKKK欠
損)を補完するが、全長のTAK1 cDNAをste
11Δ変異株に導入した場合ste11Δ変異を補完し
ない。従って、TAK1キナーゼはN−末端の22個の
アミノ酸の除去により活性化されると考えられる。
配列中の1位のMet から579 位のSer までのアミノ酸配
列を含んで成るポリペプチドをコードするDNAを提供
する。このDNAには、典型的な例として、23位のアミ
ノ酸Ser から579 位のアミノ酸Ser までのアミノ酸配列
から成るポリペプチドをコードするDNA、及び30位の
アミノ酸Glu から295 位のアミノ酸Asp までのアミノ酸
配列からなるポリペプチドをコードするDNAが含まれ
る。しかしながら、本発明のDNAは、上記のものに限
られるものではなく、1位のMet 〜30位のGlu の間のい
ずれかのアミノ酸から295 位のアミノ酸Asp までのアミ
ノ酸配列から成るポリペプチドをコードするDNAをも
包含する。
をコードするDNAであっても、発現後のポリペプチド
のプロセシングにより活性な酵素を得ることができ、ま
たC末端のキナーゼ以外の領域を欠いていても同様のキ
ナーゼ活性を有すると容易に想像できるからである。さ
らに、本発明は、配列番号:5に示す23位のSer から57
9 位のSer までのアミノ酸配列を含んで成るポリペプチ
ドをコードするDNAを提供する。このDNAは、典型
的な例として、配列番号:5に示す1位のMet から579
位のSer までのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコ
ードするDNA及び23位のSer から579 位のSer までの
アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA
を包含する。
を有するポリペプチドの修飾体であって、なおTGF−
βによって活性化されるキナーゼ活性(TAK1活性と
称する)を保持しているポリペプチドをコードするDN
Aをも包含する。この修飾は、配列番号:1又は配列番
号:5に示すアミノ酸配列中の上記種々の長さのアミノ
酸配列に対して1〜少数個、例えば約1〜10個、又は
約1〜5個のアミノ酸の付加、除去、及び/又は他のア
ミノ酸による置換を意味する。より一般的には、本発明
は、配列番号:1又は配列番号:5に示すアミノ酸配列
に対して80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましく
は95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、T
AK1活性を保持しているポリペプチドをコードするD
NAを包含する。
号:5に示すヌクレオチド配列と例えば60℃、0.1 ×SS
C 、0.1 %SDS の条件下でハイブリダイズすることがで
き、且つTAK1活性を保持しているポリペプチドをコ
ードしているDNAをも包含する。ここで、0.1 ×SSC
は、3MNaClおよび0.3Mクエン酸ナトリウムからなる20×
SSC を200 倍に希釈して使用することができる。
レオチド配列に対応するアミノ酸配列を有するポリペプ
チド又はタンパク質、特にTAK1活性を保持している
ポリペプチド又はタンパク質を提供する。より具体的な
例として、本発明は、上記種々のDNAを、例えばベク
ター、特に発現ベクターに挿入した状態で宿主細胞、例
えば動物細胞又は微生物細胞に導入して発現されるポリ
ペプチド又はタンパク質、特にTAK1活性を有するポ
リペプチド又はタンパク質に関する。
ンパク質は、配列番号:1又は配列番号:5に示すアミ
ノ酸配列中の1位のMet (これを含む)〜23位のSer
(これを含む)の間のいずれかのアミノ酸から579 位の
アミノ酸Ser までのアミノ酸配列を有する。本発明はさ
らに、上記のアミノ酸配列に対して1〜少数個、例えば
1〜10個、又は1〜5個のアミノ酸残基の付加、除去
及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたア
ミノ酸配列を有するポリペプチド又はタンパク質を包含
する。これらは好ましくはTAK1活性を有する。本発
明はまた、配列番号:1又は配列番号:5に示すアミノ
酸配列の全部又は一部分に対して80%以上、好ましくは
90%以上、そしてさらに好ましくは95%以上の相同性
を有するアミノ酸配列を有し且つTAK1活性を保持し
ているポリペプチド又はタンパク質に関する。
cDNAはマウスTAK1をコードするcDNAを用い
て得ることができ、そして実施例5及び6は、ヒトTA
K1をコードするcDNAの単離を示す。前記種々の本
発明のDNAは、例えば実施例2に記載する方法により
動物細胞から、例えばcDNAとしてクローニングする
ことができる。生来のcDNAに対して変異又は修飾さ
れたDNAは、例えば生来のcDNAを鋳型として、P
CR増幅、部位特異的変異誘発、等の常用手段により調
製することができる。
対応するDNAを適当な宿主中で発現させることにより
得られる。この場合、宿主としては、真核細胞、例えば
ヒト、サル、マウス、ハムスター、カエル等の高等真核
生物の培養細胞、例えば、THP-1 細胞、MC3T3-E1細胞、
XTC 細胞、Mv1Lu 細胞、CHO 細胞、COS 細胞、等;下等
真核細胞、例えば、糸状菌、例えばアスペルギルス(As
pergillus )属糸状菌、例えばアスペルギルス・ニガー
(Aspergillus niger );あるいは酵母、例えばサッ
カロミセス(Saccharomyces )属酵母、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエー(Saccharomyces cerevisiae)
等が使用される。さらに宿主としては、原核細胞、例え
ば細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)等が使用
される。
行う場合、宿主に応じて適当なプロモーター等の発現制
御配列が使用される。例えば動物細胞内での発現におい
てはpCDM8 、pSV 、pEF 等の各プロモーターを有するプ
ラスミドが使用され、酵母宿主においては、例えばpNV1
1 等のプラスミドが使用され、大腸菌においては例えば
pGEMEX、pUEX等のプラスミドが使用される。
われることができる。培養物からのポリペプチド又はタ
ンパク質の回収・精製は、酵素の精製のために常用され
ている方法、例えば、遠心分離、濾過、ゲル濾過クロマ
トグラフィー、アフィニティー・クロマトグラフィー等
により行うことができる。本発明のTGF−βファミリ
ーの情報伝達系を担うキナーゼであるTGF−βによっ
て活性化されるキナ−ゼは、多くの疾患に係わっている
ことが知られているTGF−βおよびそのスーパーファ
ミリーのシグナル伝達を抑制または促進する薬剤の検索
に使用することにおいて有用である。
説明する。実施例1.cDNAライブラリーの作製 マウスIL−3依存性細胞系BAF−BO3からのpo
ly(A)−RNAから常法に従ってcDNAを合成
し、これを図1に示す酵母発現ベクターpNV11(Ni
nomiya-Tsuji, J.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88,
9006-9010 (1991) )に、TDH3プロモーターの制御
の下に挿入してcDNAライブラリーを作製した。
ーニング 実施例1において調製したcDNAライブラリーを、サ
ッカロミセス・セレビシエー(Saccharomyces cerevi
siae)SY1984−P(his3Δ,ste11Δ,
FUS1p::HIS3,STE7P368)を用いてスク
リーニングした。この酵母では、接合フェロモンの情報
伝達系において、Ste11が変異してその活性が欠損
しており、Ste−7の368位のセリンがプロリンに
より置換されており、さらにFUS1上流活性化配列が
HIS3オープンリーディングフレームに連結されてレ
ポーター遺伝子を形成している。この酵母株は生来のh
is3を欠失しており、従って、培地中に外来のヒスチ
ジンが存在する場合、又は変異により欠損したSte1
1活性が補完された場合にのみ増殖し得る。
のプラスミドにより形質転換した。使用したプラスミド
はYCplac22(ベクター)、pRS314PGK
MEKKCT(PGK1プロモーターの下流のN−末端
ドメインを欠くMEKKΔN(K.J.Blumerら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA, Vol.91, 4925 (1994))を発現する)、
及びpADU−RafΔN(ADH1プロモーターから
N−末端ドメインを欠くRafΔNを発現する) (K.Ir
ieら、Science Vol.265, 1716 (1994)) である。これら
の形質転換体をヒスチジンを欠くSC−Hisプレート
に塗布し、そして30℃にてインキュベートした。その
結果、YCplac22ベクターにより形質転換された
酵母は増殖せず、pRS314PGKMEKKCT又は
pADU−RafΔNにより形質転換された酵母は増殖
した。これにより、このスクリーニング系は有効である
ことが確認された。
984−Pを、実施例1において作製したcDNAライ
ブラリーにより形質転換し、SC−Hisプレート上で
スクリーニングしたところ、1個の陽性クローンpNV
11−HU11が得られた。このクローンのcDNAを
TAK1ΔN cDNAと称する。このcDNAのヌク
レオチド配列をジデオキシヌクレオチド・チェイン・タ
ーミネーション法により決定した。そのヌクレオチド配
列は、配列番号:1中のヌクレオチド223 〜1893の配列
に相当し、それによりコードされているアミノ酸配列は
配列番号:1のアミノ酸配列中23位のSer 〜579 位のSe
r に相当する。
く、前記TAK1ΔN cDNAを放射能標識してプロ
ーブとして使用し、実施例1において得たcDNAライ
ブラリーをさらにスクリーニングした。こうして、複数
のポジティブクローンを得た。このクローンのcDNA
をpBSベクター(Stratagene社製)のEcoRI部位
にサブクローニングし、pBS−TAK1−5′を得
た。このクローンは開始コドンATGを含有する全長ク
ローンであった。このcDNAをTAK1 cDNAと
称する。そのヌクレオチド配列を配列番号:1に示す。
この配列の内ヌクレオチド番号1〜2443に全長アミノ酸
配列である1位のMet 〜579 位のSer がコードされてい
る。
1 cDNAを放射能ラベルしたものをプローブとして
用いてノーサンブロッティングを行ったところ、TAK
1 cDNAとハイブリダイズするRNAは試験したす
べての組織又は器官(脾臓、胸腺、肺、心臓、肝臓及び
脳)において発現していた。脾臓、胸腺及び脳には高レ
ベルで存在し、そして肺、心臓及び肝臓には低レベルで
存在した。
ーゼの機能を調べるため、TAK1cDNA及びTAK
1ΔN cDNAを哺乳類発現ベクターpEF(H.Shib
uya et al., Nature Vol.357, 700 (1992))に、ヒトエ
ロンゲーションファクター(EF)プロモーターの制御
下に挿入し、発現プラスミドpEF−TAK1及びpE
F−TAK1ΔNを得た。発現プラスミドpEF−TA
K1及びpEF−TAK1ΔNはそれぞれ全長TAK1
コード配列及びTAK1ΔNコード配列をEFプロモー
ターの制御のもとに含有している。
kbのXhoI断片をpBSのXhoIギャップに挿入し
てpBS−TAK1ΔNを得た。pEF−MSS1(H.S
hibuyaら、Nature Vol.357, 700 (1992)) をEcoRI
及びXbaIにより開裂せしめ、そしてこれに、合成E
coRI−XhoIリンカー(センス鎖:5′−AATTCG
CCACCATGGC−3′)(配列番号:2);アンチセンス
鎖:5′−TCGAGCCATGGTGGCG−3′)(配列番号:3)
(開始コドンATGを含有する)、並びにpBS−TA
K1ΔNからのXhoI−HindIII 断片及びHin
dIII −XbaI断片を挿入することによりpEF−T
AK1ΔNを作製した。pBSをEcoRI及びXho
Iにより開裂せしめ、これにpBS−TAK1−5′か
らのEcoRI−SacI断片、及びpBS−TAK1
ΔNからのSacI−XhoI断片を挿入することによ
り、TAK1の全長cDNA(TAK1 cDNA)を
含有するpBS−TAK1を得た。pEF−MSS1を
EcoRI及びSalIにより開裂せしめ、これにpB
S−TAK1からのEcoRI−SacI断片を挿入す
ることによりpEF−TAK1を作製した。
る大腸菌はEscherichia coli MC1061/P3
(pEF−TAK1)として、そしてプラスミドpEF
−TAK1ΔNを含有する大腸菌はEscherichia coli
MC1061/P3(pEF−TAK1ΔN)とし
て、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば
市東1丁目1番3号)に平成7年9月28日、それぞ
れ、受託番号FEFM−BP−5246およびFERM
−BP−5245の下ブダペスト条約に基づき国際寄託
された。
AK1遺伝子は適切な制限酵素、例えばEcoRIおよ
びBamHIを用いて切り出すことができる。種々のリ
ガンドによる遺伝子発現の誘導に対するTAK1の効果
を試験した結果、TAK1はTGF−βによる遺伝子誘
導に対して効果を有することが見出された。TGF−β
に対する初期細胞性応答はプラスミノーゲンアクチベー
ターインヒビター1(PAI-1)のmRNAレベルの上昇
を誘導する(M.R.Keeton et al., J.Biol.Chem. Vol.26
6, 23048 (1991))。
の効果を検討するため、TGF−βにより誘導されるP
AI−1プロモーターにより制御されるルシフェラーゼ
遺伝子を含有するTGF−βリポータープラスミドp8
00neoLUC(M.Abe etal., Analyt.Biochem., Vo
l.216, 276 (1994) )を、Mv1Lu肺上皮細胞に、リ
ン酸カルシウム法(H.Shibuyaら、Nature Vol.357, 700
(1992)により一過性トランスフェクションした。この測
定法においては、Mv1Lu肺上皮細胞へのp800n
eoLUCのトランスフェクションによりTGF−βに
より誘導されるルシフェラーゼ活性の測定が可能とな
る。p800neoLUCにより一過性にトランスフェ
クトされたMv1Lu細胞は、4〜5倍の増強されたリ
ポーター遺伝子活性をもってTGF−βに応答した。こ
の結果を図2のベクターの欄に示す。
現プラスミドをp800neoLUCと共にMv1Lu
細胞に一過性に同時トランスフェクトした。TAK1の
発現によりTGF−β誘導性遺伝子発現がわずかに増強
され、そしてTAK1ΔNはPAI−1遺伝子発現を構
成的に活性化した(図2のTAK1ΔNの欄)。TAK
1ΔNによるリポーター遺伝子の構成的発現のレベルは
TGF−βにより処理されたトランスフェクタントにお
けるレベルに匹敵する。従って、活性化されたTAK1
(すなわちTAK1ΔN)はTGF−βの非存在下でシ
グナルを伝達することができる。さらに、TAK1ΔN
トランスフェクタントにTGF−βを添加した場合PA
I−1遺伝子の発現はさらに増加した。
による誘導を行わなかった場合を示し、斜線を付した棒
はTGF−βによる誘導を行った場合を示す。上記の実
験においては、トランスフェクションの後、細胞をヒト
TGF−β1(30ng/ml)の存在下又は非存在下で2
0時間培養し、細胞から抽出液を調製し、そして、 H.S
hibuyaら、Mol.Cell.Biol. Vol.14, 5812 (1994)に記載
されているようにしてルシフェラーゼ測定を行った。図
2のグラフでは、ベクター(TAK1遺伝子を含有しな
い)により形質転換された細胞をTGF−β1により誘
導しなかった場合のルシフェラーゼ活性を1として、相
対活性を示す。棒グラフの結果は、1実験につき3連の
実験結果の平均を示す。
り介在されることを確認するため、触媒的に不活性なT
AK1ΔN−K63Wを作製した。これは、PCRを用
いて部位特異的変異誘発により行った。このベクターに
おいては、ATP−結合部位における63位のリジンがト
リプトファンにより置換されている。この変異はTAK
1ΔNのキナーゼ活性及びシグナル伝達活性を破壊する
と予想される。TAK1ΔN−K63Wをp800ne
oLUCと共に同時−トランスフェクトすると、PAI
−1遺伝子発現を構成的に刺激する能力が失われた(図
2)。これらの結果が示唆するところによれば、PA1
−1遺伝子のTGF−β非依存的発現のためにはTAK
1ΔNのキナーゼ活性が必要である。さらに、キナーゼ
・ネガティブTAK1ΔNはTGF−βによる誘導発現
の部分的低下を惹起した。これらの結果が示唆するとこ
ろによれば、TAK1はTGF−β介在シグナル伝達経
路のメディエーターとして機能すると考えられる。
路において機能することの直接的な証拠を得るために、
TGF−βによる細胞の処理によってTAK1のキナー
ゼ活性が活性化されるか否か決定した。適当な外来性基
質の同定のため、ヘマグルチニン(HA)エピトープに
より標識されたTAK1(TAK1−HA)(抗−HA
モノクローナル抗体12CA5により認識されるエピト
ープをコードするDNA配列をPCRによりTAK1を
コードするDNAの3′−末端にフレームを合わせて連
結したもの)を発現する酵母細胞から免疫沈降されたT
AK1のインビトロ・キナーゼ反応を行った。
示すところによれば、活性形のTAK1のMAPKKの
XMEK2/SEK1サブファミリー(B.M.Yasher et
al.,Nature Vol.372, 794 (1994)) をリン酸化し、そし
て活性化することができた。他方、もともとのMAPK
K−MEK1(E.Nishida et al., Trends Biochem.Sc
i., 128 (1993);K.J.Blumer et al., ibid Vol.19, 28
6 (1994);R.J.Davis,ibid Vol.19, 470 (1990);C.L.M
archall, Cell, Vol.80, 179 (1995)) 、ヒストン及び
ミエリン塩基性タンパク質のリン酸化は検出されなかっ
た。従って、TAK1キナーゼ活性は、インビトロでX
MEK2を活性化するその能力について測定することが
できる。
TAK1)の発現用構成物を次の様にして作製した。モ
ノクローナル抗体12CA5により認識されるHAエピ
トープ Tyr-Pro-Tyr-Asp-Val-Pro-Asp-Tyr-Ala(配列番
号:4)をコードする合成オリゴヌクレオチドをpBS
−TAK1のSalI部位(ATGコドンから+3位)
及びEcoRI部位にクローニングしてpBS−HA−
TAK1を作製した。pEF−MSS1をEcoRI及
びSalIにより開裂せしめ、そしてそれにpBS−H
A−TAK1からのEcoRI−XhoI断片を挿入す
ることによりpEF−HA−TAK1を作製した。
め、pNV11−HU11をXhoI及びHindIII
により消化した。この断片を単離し、そしてpBS−H
A−TAK1のHincII−HindIII 部位に挿入し
た。pEF−MSS1をEcoRI及びSalIで開裂
せしめ、そしてそれにpBS−HA−TAK1ΔHから
のPstI−XhoI断片を挿入することによりpEF
−HA−TAK1ΔNを作製した。これら両構成物はE
Fプロモーターから発現されるN−末端HAエピトープ
の2つのコピーを有する。
はpEF−HA−TAK1ΔHをMC3T3−E1マウ
ス骨芽細胞(S.Ohtaら、FEBS Lett. Vol.314, 356 (199
2))に一過性にトランスフェクトした。TGF−β1に
よる刺激の後、発現されたHA−TAK1を免疫沈降に
より単離し、そしてその活性をカップル・キナーゼ測定
(coupled kinase assay) (S.Matsudaら、J.Biol.Chem.
Vol.270, 12969 (1995)) により測定した。
TGF−β1(20ng/ml)又はBMP−4(100ng
/ml)により0分間(未処理)〜30分間処理した。細
胞を緩衝液中にかきとり(S.Matsudaら、J.Biol.Chem. V
ol.270, 12781 (1995); T.Moriguchiら、J.Biol.Chem.
Vol.270, 12969 (1995)) 、そして細胞抽出液を15,
000×gにて10分間遠心分離した。得られた上清を
抗HA抗体による免疫沈降にかけた。すなわち、前記上
清の300μlのアリコートを20μlの抗体及び20
μlのプロテインAセファロースと混合し、そしてイム
ノコンプレックスをPBSで2回洗浄し、そしてこれを
用いてキナーゼ測定を行った(S.Matsudaら、J.Biol.Che
m. Vol.270, 12781 (1995); T.Moriguchiら、J.Biol.C
hem. Vol.270, 12969 (1995)) 。
TAK1の活性に対する増加倍数として示す。免疫沈降
したTAK1の活性は、組換えXMEX2/SEK1を
活性化するその能力により測定した。なお、XMEX2
/SEK1の活性は、組換えキナーゼ・ネガティブ(K
N)p38/MPK2をリン酸化する能力により測定し
た(S.Matsudaら、J.Biol.Chem. Vol.270, 12781 (199
5); T.Moriguchiら、J.Biol.Chem. Vol.270, 12781 (1
995)) 。HA−TAK1がKN−p38/MPK2を直
接リン酸化しないことは確認されている。なお、各免疫
沈降の抗−HA−抗体によるイムノブロッティングによ
れば、各時点での免疫沈降においてほとんど同量のHA
−TAK1が回収された。
はTGF−βによる刺激の後5分間以内に増加しはじ
め、10分後にピークに達し、そして30分以内にほと
んどベースラインにもどった(図3)。さらに、TGF
−β1はTAK1キナーゼ活性を投与量依存的に刺激し
た(図4)。次に、TAK1がTGF−βスーパーファ
ミリーの1員であるBMP(A.H.Reddiら、Curr.Opin.Ge
net.Dev. Vol.4, 737 (1994))、又は上皮成長因子(E
GF)により活性化されるか否かを調べた。興味あるこ
とには、BMP−4もまたTAK1キナーゼを時間−及
び用量−依存的に活性化した(図4)。
てはTAK1の活性化は観察されなかった。EGFがT
AK1の活性化を誘導しないのはMC3T3−E1細胞
がEGFに応答しないためではなく、EGFのシグナル
がTAK1を介在していないためであると考えられる。
それはEGFはMC3T3−E1細胞中でfosの発現
を誘導することからもわかる。これらのデータが相俟っ
て、TAK1がTGF−βスーパーファミリーにより活
性化されることを示している。
I−1遺伝子の発現を活性化することができ(図2)、
このことは、細胞のTGF−β処理が無くてもTAK1
ΔNタンパク質が上昇したキナーゼ活性を有することを
示唆している。この可能性を試験するため、HAエピト
ープで標識されたTAK1ΔN(HA−TAK1ΔN)
(前記)をMC3T3−E1細胞に一過性にトランスフ
ェクトし、そしてTAK1ΔNの活性をイムノコンプレ
ックスキナーゼ測定により測定した。すなわち、MC3
T3−E1細胞をpEF−HA−TAK1ΔNによりト
ランスフェクトし、トランスフェクトされた細胞からH
A−TAK1ΔNを前記のようにして免疫沈降せしめ、
そしてその活性を測定した。
からのHA−TAK1の活性に対する増加倍率により示
す。図4に示す通り、TAK1ΔN蛋白質はより高いベ
ース・キナーゼ活性を示し、N−末端の22アミノ酸残
基を欠くTAK1ΔNは構成的に (constitutively) 活
性であるとする仮説を支持している。
製し、常法に従ってcDNAを合成した。これを酵母の
発現ベクターpNV7(Ninomiya-Tsuji, J.,ら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 88, 9006-9010(1991)) のTDH3
プロモーターの下流に挿入してcDNAライブラリーを
作製した。
ーニング サッカロマイセス・セレビジエー(Saccharomyces ce
revisiae)の高浸透圧ストレスの情報伝達系で働く、S
sk2/Ssk22、およびSholの活性を欠損させ
た変異株は、YEPD培地(Yeast extract(10g/
l)、tryptone(20g/l)、glucose(20g/
l))では増殖できるが、この培地に1Mソルビトール
を添加した培地中では増殖できない(T.Maeda,ら、Scie
nce, 269, 554(1995))。従って、この変異株にcDNA
を導入してスクリーニングを行うことにより、欠損した
Ssk2/Ssk22活性を補完できるcDNAが単離
できる。
k2/Ssk22、およびSholの活性を欠損させた
サッカロマイセス・セレビジエー株(ssk2Δ,ss
k2Δ,sholΔ)を実施例2で得たpNV11−H
U11(マウスTAK1ΔN)により形質転換した。こ
の形質転換体を1Mソルビトールを含むYEPDプレー
トに塗布し、30℃にてインキュベートした。その結
果、pNV11−HU11により形質転換された酵母は
高浸透圧ストレス下でも増殖した。これにより、このス
クリーニング系は有効であることが確認された。
エー株(ssk2Δ,ssk2Δ,sholΔ)を、実
施例5において作製したcDNAライブラリーにより形
質転換し、高浸透圧ストレス下でスクリーニングを行っ
た(1Mソルビトールを含むYEPD培地中、30℃に
てインキュベートした。)。その結果、1個の陽性クロ
ーンpNV7−hTAK1が得られた。このクローンに
含まれるcDNAを、PRISM Dye Terminator Cycle Seq
uencing キット(Perkin Elmer製)により増幅し、その
塩基配列を決定した。その塩基配列及びその対応アミノ
酸配列は配列番号:5に示す通りであった。このcDN
Aの塩基配列はマウスTAK1の塩基配列と92%の相
同性を示し、それによりコードされるアミノ酸配列はマ
ウスTAK1のアミノ酸配列と99%の相同性を示し
た。マウスTAK1とヒトTAK1の塩基配列の対比を
図5〜図9に示し、これらのアミノ酸配列の対比を図1
0及び図11に示す。ヒトTAK1 cDNAを、Sa
l1で消化したpUC19にサブクローニングして、ヒ
トTAK1の全長cDNAを含有するプラスミドphT
AK1を得た。このプラスミドphTAK1を含有する
大腸菌は、Escherichia coli JM109(phTAK1)と
称し、工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM
BP−5598として、1996年7月19日に、ブ
ダペスト条約に基き国際寄託された。
(茨城県つくば市東1丁目1番3号)の特許微生物寄託
センターに寄託し、以下の受託番号を得た。 菌名:大腸菌(Escherichia coli) MC1061/P
3(pEF−TAK1) 寄託日:1995年9月28日 受託番号:FERM BP−5246
1061/P3(pEF−TAK1ΔN) 寄託日:1995年9月28日 受託番号:FERM BP−5245 菌名:Escherichia coli JM109(phTAK1) 寄託日:1996年7月19日 受託番号:FERM BP−5598
TGF−βの添加効果を、ルシフェラーゼ遺伝子をリポ
ーター遺伝子として用いて調べた結果を示すグラフであ
る。
子の活性に対するTGF−β及びBMP−4の効果を免
疫沈降法およびカップル・キナーゼ法により測定した結
果を示すグラフである。
クトされた細胞におけるTAK1キナーゼ活性に対する
種々の濃度のTGF−β又はBMP−4の効果を示すグ
ラフである。TAK1ΔNはTAK1ΔN遺伝子でトラ
ンスフェクトされた細胞をTGF−β及びBMP−4の
いずれによっても刺激しなかった場合の結果を示す。
基配列とヒトTAK1をコードするDNAの塩基配列と
の対比を示す。
基配列とヒトTAK1をコードするDNAの塩基配列と
の対比を示す。
基配列とヒトTAK1をコードするDNAの塩基配列と
の対比を示す。
基配列とヒトTAK1をコードするDNAの塩基配列と
の対比を示す。
基配列とヒトTAK1をコードするDNAの塩基配列と
の対比を示す。
ヒトTAK1のアミノ酸配列の対比を示す。
ヒトTAK1のアミノ酸配列の対比を示す。
Claims (19)
- 【請求項1】 配列番号:1に示す23位のSer から579
位のSer までのアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に
対して1〜少数個のアミノ酸の付加、除去及び/又は他
のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を
含んで成る、トランスフォ−ミング成長因子(TGF)
−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペ
プチドをコードするDNA。 - 【請求項2】 配列番号:1に示す1位のMet から579
位のSer までのアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に
対して1〜少数個のアミノ酸の付加、除去及び/又は他
のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を
含んで成る、トランスフォ−ミング成長因子(TGF)
−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペ
プチドをコードするDNA。 - 【請求項3】 配列番号:1に示す223 位のT から1893
位のA までのヌクレオチド配列を有する請求項1に記載
のDNA。 - 【請求項4】 配列番号:1に示す157 位のA から1893
位のA までのヌクレオチド配列を有する請求項2に記載
のDNA。 - 【請求項5】 配列番号:1に示すヌクレオチド配列に
対して80%以上の相同性を有し、且つTGF−βによっ
て活性化されるキナーゼ活性を有するポリペプチドをコ
ードするDNA。 - 【請求項6】 配列番号:1に示すヌクレオチド配列
と、60℃、0.1 ×SSC、0.1 %SDS の条件下にハイブリ
ダイズすることができ、且つTGF−βによって活性化
されるキナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする
DNA。 - 【請求項7】 配列番号:5に示すヌクレオチド配列を
有する、請求項6に記載のDNA。 - 【請求項8】 配列番号:5に示す23位のSer から579
位のSer までのアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に
対して1〜少数個のアミノ酸の付加、除去及び/又は他
のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を
含んで成る、トランスフォ−ミング成長因子(TGF)
−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペ
プチドをコードするDNA。 - 【請求項9】 配列番号:5に示す1位のMet から579
位のSer までのアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列に
対して1〜少数個のアミノ酸の付加、除去及び/又は他
のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を
含んで成る、トランスフォ−ミング成長因子(TGF)
−βによって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペ
プチドをコードするDNA。 - 【請求項10】 配列番号:5に示す249 位のT から19
19位のA までのヌクレオチド配列を有する請求項8に記
載のDNA。 - 【請求項11】 配列番号:5に示す183 位のA から19
19位のA までのヌクレオチド配列を有する請求項9に記
載のDNA。 - 【請求項12】 配列番号:5に示すヌクレオチド配列
に対して80%以上の相同性を有し、且つTGF−βによ
って活性化されるキナーゼ活性を有するポリペプチドを
コードするDNA。 - 【請求項13】 配列番号:5に示すヌクレオチド配列
と、60℃、0.1 ×SSC 、0.1 %SDS の条件下にハイブリ
ダイズすることができ、且つTGF−βによって活性化
されるキナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする
DNA。 - 【請求項14】 配列番号1に示す23位のMet から579
位のSer までのアミノ酸配列を含んでなる、TGF−β
によって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペプチ
ド。 - 【請求項15】 配列番号5に示す23位のMet から579
位のSer までのアミノ酸配列を含んでなる、TGF−β
によって活性化されるキナーゼ活性を有するポリペプチ
ド。 - 【請求項16】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
のDNAを含んで成るベクターにより形質転換された宿
主細胞を培養し、培養物から発現生成物を採取すること
を特徴とする、TGF−βによって活性化されるキナー
ゼ活性を有するポリペプチドの製造方法。 - 【請求項17】 請求項16に記載の方法により製造さ
れるTGF−βによって活性化されるキナーゼ活性を有
するポリペプチド。 - 【請求項18】 配列番号:1の23位のSer から579 位
のSer までのアミノ酸配列を有するTGF−βによって
活性化されるキナーゼ。 - 【請求項19】 配列番号:5に示す23位のSer から57
9 位のSer までのアミノ酸配列を有する、TGF−βに
より活性化されるキナーゼ。
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ES97908525T ES2313734T3 (es) | 1996-07-24 | 1997-03-27 | Tak1 humana y adn que la codifica. |
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AU20435/97A AU2043597A (en) | 1996-07-24 | 1997-03-27 | Human taki dna encoding the same |
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DE69739071T DE69739071D1 (de) | 1996-07-24 | 1997-03-27 | Menschliche tak1 und für diese kodierende dna |
DK97908525T DK0919621T3 (da) | 1996-07-24 | 1997-03-27 | Human TAK1 og DNA der koder derfor |
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US08/685,625 US5945301A (en) | 1995-09-29 | 1996-07-24 | Kinase in TGF-β family signal transduction system |
JP1996256747A JP3942212B6 (ja) | 1995-09-29 | 1996-09-27 | TGF−βファミリーの情報伝達系を担う新規キナーゼ |
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JPH09163990A true JPH09163990A (ja) | 1997-06-24 |
JP3942212B2 JP3942212B2 (ja) | 2007-07-11 |
JP3942212B6 JP3942212B6 (ja) | 2007-09-19 |
Family
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1608755A2 (en) * | 2003-04-01 | 2005-12-28 | Yissum Research Development Company of the Hebrew University of Jerusalem | Tak1-mediated inhibition of osteogenesis |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1608755A2 (en) * | 2003-04-01 | 2005-12-28 | Yissum Research Development Company of the Hebrew University of Jerusalem | Tak1-mediated inhibition of osteogenesis |
EP1608755A4 (en) * | 2003-04-01 | 2006-12-06 | Yissum Res Dev Co | BLOCKING OF OSTEOGENESIS BY MEDIATION OF TAK-1 |
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Publication number | Publication date |
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JP3942212B2 (ja) | 2007-07-11 |
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