JPH09163002A - 有線通信システム - Google Patents

有線通信システム

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Publication number
JPH09163002A
JPH09163002A JP7323199A JP32319995A JPH09163002A JP H09163002 A JPH09163002 A JP H09163002A JP 7323199 A JP7323199 A JP 7323199A JP 32319995 A JP32319995 A JP 32319995A JP H09163002 A JPH09163002 A JP H09163002A
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JP
Japan
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control signal
transmission
coil
signal
frequency
Prior art date
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Application number
JP7323199A
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English (en)
Inventor
Noboru Shinozaki
昇 篠崎
Seiichi Kubo
誠一 久保
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Dc Digital Transmission (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送線施設費を安価にし、しかも従来の制御
信号伝送部との互換性がとれ、長距離伝送に適し、端末
装置の数の減少を防止した安価な有線通信システムを提
供することである。 【解決手段】 伝送路1は、中央制御装置2および各端
末装置3a〜3n間に接続されるペア線11A,12
A,13Aを含む。中央制御装置2および各端末装置3
a〜3nは、それぞれ、このペア線を介し、所定の伝送
速度の制御信号をベースバンドで平衡に送受信する制御
信号伝送部4と、ペア線を介し、制御信号の伝送速度に
相当する周波数より高い周波数に設定されたキャリアを
相手方に送信すべき音声信号でアナログ変調し、変調し
た音声信号を平衡に送受信する音声信号伝送部5とを備
える。音声信号伝送部5は、ペア線に接続され、キャリ
アの周波数の信号成分だけを通過させる音声信号伝送用
バンドパスフィルタ55を含む。制御信号伝送部4は、
ペア線に接続され、キャリアの周波数の信号成分の通過
を阻止する制御信号伝送用ノッチフィルタ44を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集合住宅等に用い
られる有線通信システムに関し、より特定的には、伝送
路に中央制御装置と複数の端末装置とを接続し、当該中
央制御装置と各当該端末装置との間で制御信号を送受信
して通話路を確保し、通話できるようにした有線通信シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集合住宅や、家庭のインテリジェ
ント化が図られており、集合住宅には集合住宅システム
が、家庭にはホームバスシステム(HBS)が採用され
ている。例えば、集合住宅システムのような有線通信シ
ステムは、集合住宅の所定の住戸への来訪者がこの所定
の住戸の番号でその住戸の住民に来訪を告げ、その住民
に共同玄関のドアのロックを解除してもらったり、火災
を自動的に検知し、火災の発生を館内に一斉放送するよ
うな使い方がされている。
【0003】図11は、従来の有線通信システムの構成
を示す図である。図11において、有線通信システム
は、有線伝送路100と、有線伝送路100に接続され
る中央制御装置200と、複数(図示3つ)の端末装置
300a〜300nとを備え、中央制御装置200と各
端末装置300a〜300nとの間で、ベースバンドの
制御信号とベースバンドの音声信号とを相互に送受信す
るようにしている。
【0004】有線伝送路100は、幹線101と、幹線
101の任意の箇所に接続される複数(図示1つ)の支
線102と、支線102の任意の箇所に接続される複数
(図示3つ)の住戸線103とを備えている。幹線10
1は2対のペア線101A,101Bで形成され、支線
102は2対のペア線102A,102Bで形成され、
支線103は2対のペア線103A,103Bで形成さ
れている。
【0005】中央制御装置200と端末装置300a〜
300nとは、大略的にその内部をほぼ同一に構成され
ている。このため、中央制御装置200、端末装置30
0a〜300nの内部構成を対応する部分ごとに、同じ
番号を付すものとする。
【0006】中央制御装置200と、端末装置300a
〜300nとは、有線伝送路100を介してベースバン
ドのAMI制御信号を送受信する制御信号伝送部400
と、有線伝送路100を介してベースバンドの音声信号
を送受信する音声信号伝送部500と、制御信号伝送部
400と音声信号伝送部500とを有線伝送路100に
それぞれ接続するための4つの端子600a〜600d
とをそれぞれ備えている。なお、図面のスペースの関係
上、各端末装置300a〜300n中、端末装置300
aだけに制御信号伝送部400,音声信号伝送部500
を図示する。
【0007】制御信号伝送部400は、シリアルデジタ
ル信号を送受信する制御部410と、シリアルデジタル
信号とベースバンドのAMI制御信号とのインタフェー
スをとる制御信号送受信部420と、トランス伝送特性
安定化用抵抗430(例えば、12kΩ)とを備えてい
る。
【0008】なお、中央制御装置200の制御信号伝送
部400は、さらに、有線伝送路100の線路インピー
ダンスを所定の値(例えば、75Ω)にするための負荷
抵抗450と設けられており、その抵抗値は集合住宅シ
ステムにおいては150Ωである。
【0009】音声信号伝送部500は、音声を入力する
ためのマイク510と、音声を再生するためのスピーカ
520と、スピーチネットワーク530と、音声信号伝
送用トランス540と、音声信号伝送許可スイッチ55
0とを備えている。
【0010】制御信号伝送部400の制御部410は、
4つの端子410a〜410dを備え、その内部にホー
ムバスコントローラ(図示せず)等を有している。中央
制御装置200の制御部410には、来訪者が操作する
操作盤700や、ドアロック装置800等が接続されて
おり、端末装置300a〜300nの制御部410に
は、操作盤900や、火災検出装置(図示せず)等が接
続されている。制御部410は、操作盤7から住戸番号
が入力されたような場合、CSMA/CD(Carri
er Sense Multi Access/Col
lision Detection:キャリア検知多重
アクセス/衝突検出)方式にしたがい、AMI制御信号
の+側と−側とにそれぞれ対応するシリアルデジタル信
号を端子410a,410bから9600ボーで出力
し、AMI制御信号の+側および−側を合成した信号に
対応するシリアルデジタル信号を端子410cで受信
し、中央制御装置2と所定の端末装置3a〜3nとの間
で通話路を確保し、通話許可がおりた時点で通話許可信
号を端子410dから出力し、音声信号伝送許可スイッ
チ550をONさせる。
【0011】制御信号送受信部420は、5つの端子4
20a〜420c,420x,420yを備えている。
制御信号送受信部420は、制御部410の端子410
a,410bから第一送信デジタル信号入力端子420
a,第二送信デジタル信号入力端子420bにそれぞれ
入力されるシリアルデジタル信号に基づいてAMI制御
信号を生成し、生成したAMI制御信号をAMI制御信
号送受信端子420x,420yからトランス伝送特性
安定化用抵抗430および負荷抵抗450を介して端子
600a,600bに平衡に送出する。また、制御信号
送受信部420は、端子600a,600bから負荷抵
抗450およびトランス伝送特性安定化用抵抗430を
介してAMI制御信号送受信端子420x,420yに
入力された平衡なAMI制御信号をシリアルデジタル信
号に変換し、このシリアルデジタルデータを受信デジタ
ル信号出力端子420cから制御部410の端子410
cに送出する。なお、制御信号送受信部420の内部構
成(図12参照。)は、後述する。
【0012】スピーチネットワーク530は、4つの端
子530a〜530dを備えている。スピーチネットワ
ーク530は、その内部にマイク510から端子530
cを介して入力された音声信号を増幅し、端子2100
Ca,2100Cbに出力するアンプ(図示せず)と、
端子2100Ca,2100Cbから入力された相手側
からの音声信号を端子530dを介してスピーカ520
に出力するためのアンプ(図示せず)と、エコーキャン
セラ(図示せず)とを備えている。端子530c,53
0dには、マイク510とスピーカ520とがそれぞれ
接続される。
【0013】音声信号伝送用トランス540は、4つの
端子540a〜540dを備えている。端子540a,
540bには、スピーチネットワーク530の端子53
0a,530bがそれぞれ接続される。
【0014】音声信号伝送許可スイッチ550は、5つ
の端子550a〜550eを備える。端子550a,5
50bは、音声信号伝送用トランス540の端子540
c,端子540dにそれぞれ接続される。端子550
c,550dは、端子600c,600dにそれぞれ接
続される。端子550eは、制御部410の音声信号伝
送許可端子410dに接続される。制御部410の音声
信号伝送許可端子410dから音声信号の伝送許可があ
った場合、音声信号伝送許可スイッチ550は、ON
し、音声信号伝送用トランス540の2次側コイルと端
子600c,600dとを接続する。これにより、中央
制御装置200の音声信号伝送部500の音声信号伝送
用トランス540と端末装置300a〜300nの音声
信号伝送部500の音声信号伝送用トランス540とが
有線伝送路100を介して接続され、通話が可能とな
る。
【0015】図12は、図11に示す制御信号送受信部
420の構成を示す回路図である。図12において、制
御信号送受信部420は、トランスT420と、2つの
ダイオードD420a,D420bと、2つのトランジ
スタQ420a,Q420bと、2つの反転回路NOT
420a,NOT420bと、2つのコンパレータOP
420a,OP420bと、11個の抵抗R420a1
〜R420a4,R420b1〜R420b4,R42
0c1〜R420c3と、3つのコンデンサC420a
1,C420a2,C420c1とを備える。
【0016】反転回路NOT420aの入力端は、第一
送信デジタル信号入力端子420aに接続され、反転回
路NOT420aの出力端は、抵抗R420a1,R4
20a2を介してトランジスタQ420aのベースに接
続される。トランジスタQ420aのコレクタ・ベース
間には、リンギング発生防止用のコンデンサC420a
1が接続される。トランジスタQ420aのコレクタ
は、ダイオードD420aのカソードに接続される。
【0017】反転回路NOT420bの入力端は、第二
送信デジタル信号入力端子420bに接続され、反転回
路NOT420bの出力端は、抵抗R420b1,R4
20b2を介してトランジスタQ420bのベースに接
続される。トランジスタQ420bのコレクタ・ベース
間には、リンギング発生防止用のコンデンサC420b
1が接続される。トランジスタQ420bのコレクタ
は、ダイオードD420bのカソードに接続される。
【0018】ダイオードD420aのアノードは、制御
信号伝送用トランスT420の1次側コイルの端子T4
20aに接続される。ダイオードD420bのアノード
は、1次側コイルの端子T420bに接続される。1次
側コイルの中点の端子T420cには、12Vの直流電
圧が印加される。制御信号伝送用トランスT420の2
次側コイルの端子T420x,T420yは、端子42
0x,420yにそれぞれ接続される。
【0019】これにより、端子420a,420bから
入力されたシリアルデジタル信号からAMI制御信号を
生成し、端子420x,420yから生成したAMI制
御信号を出力することができる。
【0020】12Vの直流電圧は、抵抗R420c1,
R420c2により分圧される。これにより、抵抗R4
20c1,R420c2の接続点に所定の基準電圧が生
成される。抵抗R420c2には、コンデンサC420
c1が並列に接続され、基準電圧の安定化が図られてい
る。この基準電圧は、コンパレータOP420a,OP
420bの−端子にそれぞれ与えられる。
【0021】ダイオードD420aのカソードは、抵抗
R420a3,420a4を介して接地される。抵抗R
420a3,R420a4の接続点は、コンパレータO
P420aの+端子に接続される。コンパレータOP4
20aの出力端は、プルアップ抵抗R420c3を介し
て受信デジタル信号出力端子420cに接続される。
【0022】ダイオードD420bのカソードは、抵抗
R420b3,420b4を介して接地される。抵抗R
420b3,R420b4の接続点は、コンパレータO
P420bの+端子に接続される。コンパレータOP4
20bの出力端は、プルアップ抵抗R420c3を介し
て受信デジタル信号出力端子420cに接続される。
【0023】これにより、端子420x,420yから
入力されたAMI制御信号からシリアルデジタル信号を
生成し、端子420cから生成したシリアルデジタル信
号を出力することができる。
【0024】次いで、図11,図12を用いて有線通信
システムの動作を説明する。制御部410は、端子41
0a,410bからAMI信号を作成するためのシリア
ルデジタル信号を出力する。このシリアルデジタル信号
は、それぞれビット周期100μsで、パルス非伝送時
5V、パルス伝送時パルス幅40μsの0V信号で形成
されており、端子410a,410bから0V信号が同
時に出力されることはない。
【0025】制御信号送受信部420の端子420aに
入力された信号は、反転回路NOT420aおよび抵抗
R420a1,R420a2を介してトランジスタQ4
20aのベースに入力され、トランジスタトランジスタ
Q420aをON/OFF動作させる。同様に、制御信
号送受信部420の端子420bに入力された信号は、
反転回路NOT420bおよび抵抗R420b1,R4
20b2を介してトランジスタQ420bのベースに入
力され、トランジスタQ420bをON/OFF動作さ
せる。トランジスタQ420a,Q420bのON/O
FF動作に応じて、ダイオードD420a,D420b
が交互に導通/遮断し、この導通/遮断の繰り返しに応
じて制御信号伝送用トランスT420の1次側に交番電
流が流れ、その2次側からAMI制御信号が生成され
る。このAMI制御信号には、相手方のアドレス番号や
制御内容(例えば、呼び出しブザーのON、火災検知)
等が含まれている。
【0026】端子600a、600bからAMI制御信
号を受信した場合、AMI制御信号は、制御信号送受信
部420の制御信号伝送用トランスT420から、ダイ
オードD420aと、抵抗R420a3,R420a4
とを介して、その抵抗R420a3,R420a4の接
続点からコンパレータOP420aの+端子に入力され
る。また、AMI制御信号は、ダイオードD420b
と、抵抗R420b3,R420b4とを介して、その
抵抗R420b3,R420b4の接続点からコンパレ
ータOP420bの+端子にそれぞれ入力される。
【0027】コンパレータOP420a,OP420b
は、+端子に入力されたAMI制御信号と、抵抗R42
0c1,R420c2で生成される4.5Vの直流電圧
とを比較し、AMI制御信号が4.5Vより高い場合に
はその出力を正に、4.5Vより低い場合にはその出力
を「0」Vにする。プルアップ抵抗R420c3は、コ
ンパレータOP420a,OP420bの出力からNO
R値を生成し、端子420cから制御部410の端子4
10cに入力する。すなわち、コンパレータOP420
a,OP420bの出力の少なくとも一方が「0」Vの
場合、NOR値は「0」Vとなり、コンパレータOP4
20a,OP420bの両出力ともに正の場合、NOR
値は「12」Vとなる。制御部410は、受信したシリ
アルデジタル信号に基づいて、種々の制御を行う。
【0028】例えば、集合住宅の所定の住戸への来訪者
がその住戸の住民に共同玄関のドアのロックを解除して
もらため、来訪者は、操作盤700を操作する。中央制
御装置200、端末装置300a〜300n間で通話を
行う場合、CSMA/CD方式により、中央制御装置2
00の制御信号伝送部400と端末装置300a〜30
0nの制御信号伝送部400とがAMI制御信号で通信
を行うことによって通話路を確保し、制御部410の端
子410dから端子550eに信号を入力して音声信号
伝送許可スイッチ550をオンする。これにより、中央
制御装置200の音声信号伝送部500と、端末装置3
00a〜300nの音声信号伝送部500との間で会話
が可能になり、来訪者は、音声信号伝送用トランス54
0およびスピーチネットワーク530を介してスピーカ
520およびマイク510で来訪を告げる。住民は、端
末装置300a〜300nの操作盤900を操作する。
端末装置300a〜300nの制御信号伝送部400
は、ドアのロックを解除するようAMI制御信号を中央
制御装置200の制御信号伝送部400に送る。これに
より、共同玄関のドアのロックが解除される。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
の有線通信システムでは、AMI制御信号と音声信号と
を、別のペア線で伝送するようにしていた。この伝送線
は、総延長が数kmにわたる場合が多い。このため、伝
送線の費用が高く、2組のペア線を施設するのに手間が
かかり、伝送線の施設費用が高く、全システム価格中伝
送線施設費の占める割合が高くなる。この結果、有線通
信システムのトータルコストが高価になると言う問題点
があった。
【0030】ところで、伝送線施設費を安価にするため
に、1組のペア線にAMI制御信号と音声信号とをベー
スバンドのまま重畳することが考えられる。しかしなが
ら、ベースバンドのAMI制御信号は5kHzを中心に
低域と高域の高調波成分を含んでおり、ベースバンドの
音声信号は300〜3400Hzの周波数成分を含んで
いる。したがって、両信号をベースバンドのままでは多
重することができない。
【0031】ここで、制御信号と、音声信号との両方と
も変調し、1組のペア線に変調した制御信号と変調した
音声信号とを多重する第1の技術が考えられる。しか
し、両信号とも変調するためには、従来の制御信号伝送
部との互換性をやめて、全面的な設計変更が必要で、制
御信号の変復調器と、音声信号の変復調器とを中央制御
装置と端末装置とにそれぞれ設ける必要がある。さら
に、制御信号を変調するには、高域の高調波を含んでい
るため、数十MHz程度のキャリアを制御信号で変調す
る必要がある。このため、制御信号を高い帯域で伝送す
ると、反射率が高く、減衰量が大きくなり、長距離伝送
に適さず、端末装置の数を減らす必要があり、制御信号
の周波数帯域をフィルタする技術が困難になる。したが
って、中央制御装置と端末装置との大幅なコストアップ
が発生し、制御信号伝送部の互換性がとれず、長距離伝
送に適さず、端末装置の数が減るという別の問題点が生
じる。
【0032】それゆえに、本発明は、伝送線施設費を安
価にし、しかも従来の制御信号伝送部との互換性がと
れ、長距離伝送に適し、端末装置の数の減少を防止した
安価な有線通信システムを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
伝送路に中央制御装置と複数の端末装置とを接続し、当
該中央制御装置と各当該端末装置との間で制御信号を送
受信して通話路を確保し、通話できるようにした有線通
信システムであって、伝送路は、中央制御装置および各
端末装置間に配線される1組のペア線を含み、中央制御
装置および各端末装置は、それぞれペア線を介し、所定
の伝送速度の制御信号をベースバンドで平衡に送受信す
る制御信号伝送部と、ペア線を介し、制御信号の伝送速
度に相当する周波数より高い周波数に設定されたキャリ
アを相手方に送信すべき音声信号でアナログ変調し、変
調した音声信号を平衡に送受信する音声信号伝送部とを
備え、音声信号伝送部は、ペア線に接続され、キャリア
の周波数の信号成分だけを通過させる音声信号伝送用バ
ンドパスフィルタを含み、制御信号伝送部は、ペア線に
接続され、キャリアの周波数の信号成分の通過を阻止す
る制御信号伝送用ノッチフィルタを含む、ことを特徴と
する。
【0034】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明においては、
伝送路に中央制御装置と複数の端末装置とを接続し、当
該中央制御装置と各当該端末装置との間で制御信号を送
受信して通話路を確保し、通話できるようにした有線通
信システムである。伝送路は、中央制御装置および各端
末装置間に配線される1組のペア線を含んている。中央
制御装置および各端末装置は、それぞれ、制御信号伝送
部と、音声信号伝送部とを備えている。制御信号伝送部
は、ペア線を介し、所定の伝送速度の制御信号をベース
バンドで平衡に送受信する。音声信号伝送部は、ペア線
を介し、制御信号の伝送速度に相当する周波数より高い
周波数に設定されたキャリアを相手方に送信すべき音声
信号でアナログ変調し、変調した音声信号を平衡に送受
信する。音声信号伝送部は、音声信号伝送用バンドパス
フィルタを含んでいる。音声信号伝送用バンドパスフィ
ルタは、ペア線に接続され、キャリアの周波数の信号成
分だけを通過させる。制御信号伝送部は、制御信号伝送
用ノッチフィルタを含んでいる。制御信号伝送用ノッチ
フィルタは、ペア線に接続され、キャリアの周波数の信
号成分の通過を阻止する。この結果、ペア線が1組です
み、伝送線の費用が安くなり、ペア線を施設するのが簡
単になり、伝送線の施設費用が少なくてすむ。また、制
御信号が無変調であるため、従来の制御信号伝送部と互
換性が取れる。また、変調された音声信号の減衰・反射
を少なくでき、長距離伝送に適し、端末装置の数の減少
を防止できる。また、音声信号伝送用バンドパスフィル
タと、制御信号伝送用ノッチフィルタとにより、制御信
号とアナログ変調された音声信号との相互干渉が防止さ
れる。さらに、設計変更がわずかですむため、中央制御
装置および端末装置の価格の上昇を防止できる。
【0035】請求項2に係る発明においては、請求項1
に係る発明において、中央制御装置の音声信号伝送部
と、各端末装置の音声信号伝送部とは、異なる周波数の
第1および第2のキャリアをそれぞれ送信用に使用す
る。すなわち、中央制御装置の音声信号伝送部は、例え
ば230kHzのキャリアを送信用に使用し、端末装置
の音声信号伝送部は、例えば、350kHzのキャリア
を送信用に使用する。この結果、中央制御装置からのア
ナログ変調された音声信号と、各端末装置からのアナロ
グ変調された音声信号との相互干渉を防止できる。
【0036】請求項3に係る発明においては、請求項2
の発明において、中央制御装置の音声信号伝送部と、各
端末装置の音声信号伝送部とは、さらに、音声信号伝送
用バンドパスフィルタを介して変調した音声信号を平衡
に送受信する音声信号送受信部をそれぞれ含んでいる。
音声信号伝送用バンドパスフィルタは、第1の直列同調
回路と、第1の直列同調回路と協働して第1の並列回路
を形成する第2の直列同調回路と、第3の直列同調回路
と、第3の直列同調回路と協働して第2の並列回路を形
成する第4の直列同調回路と、を備えている。第1の直
列同調回路は、変調した平衡な音声信号の一方に対して
設けられ、第1のコイルと、当該第1のコイルに直列に
接続される第1のコンデンサとを含み、第1のキャリア
の周波数で共振特性を有する。第2の直列同調回路は、
変調した平衡な音声信号の一方に対して設けられ、第2
のコイルと、当該第2のコイルに直列に接続される第2
のコンデンサとを含み、第2のキャリアの周波数で共振
特性を有し、第1の直列同調回路に並列に接続される。
第3の直列同調回路は、変調した平衡な音声信号の他方
に対して設けられ、第3のコイルと、当該第3のコイル
に直列に接続される第3のコンデンサとを含み、第1の
キャリアの周波数で共振特性を有する。第4の直列同調
回路は、変調した平衡な音声信号の他方に対して設けら
れ、第4のコイルと、当該第4のコイルに直列に接続さ
れる第4のコンデンサとを含み、第2のキャリアの周波
数で共振特性を有し、第3の直列同調回路に並列に接続
される。この結果、音声信号送受信部に対して入力イン
ピーダンスを低下させる要因がなく、伝送路の線路イン
ピーダンスの低下が無いため、復調された音声信号のS
/N比の低下を防止することができる。また、安価に音
声信号伝送用バンドパスフィルタを形成できる。
【0037】請求項4に係る発明においては、請求項3
に記載の発明において、音声信号伝送部は、第1および
第2のアクティブフィルタを含んでいる。第1および第
2のアクティブフィルタは、変調した音声信号が入力さ
れ、第1および第2のキャリアの周波数において共振特
性を有するとともに、当該第1および第2のキャリアの
周波数以外において高インピーダンス特性を有する。こ
の結果、アナログ変調された送信音声信号の側波帯およ
び高調波が、アナログ変調された受信音声信号へ回り込
んで干渉することを抑えることができる。同時に、アナ
ログ変調された送受信音声信号レベルを増幅できる。さ
らに、制御信号のレベルの低下を防止できる。
【0038】請求項5に係る発明においては、中央制御
装置の制御信号伝送部と、各端末装置の制御信号伝送部
とは、さらに、制御信号伝送用ノッチフィルタを介して
制御信号を平衡に送受信する制御信号送受信部をそれぞ
れ含んでいる。制御信号伝送用ノッチフィルタは、第5
の並列同調回路と、第5の並列同調回路と協働して第5
の直列回路を形成する第6の並列同調回路と、第7の並
列同調回路と、第7の並列同調回路と協働して第6の直
列回路を形成する第8の並列同調回路と、を備えてい
る。第5の並列同調回路は、平衡な制御信号の一方に対
して設けられ、第5のコイルと、当該第5のコイルに並
列に接続される第5のコンデンサとを含み、第1のキャ
リアの周波数で共振特性を有する。第6の並列同調回路
は、平衡な制御信号の一方に対して設けられ、第6のコ
イルと、当該第6のコイルに並列に接続される第6のコ
ンデンサとを含み、第2のキャリアの周波数で共振特性
を有し、第5の並列同調回路に直列に接続される。第7
の並列同調回路は、平衡な制御信号の他方に対して設け
られ、第7のコイルと、当該第7のコイルに並列に接続
される第7のコンデンサとを含み、第1のキャリアの周
波数で共振特性を有する。第8の並列同調回路は、平衡
な制御信号の他方に対して設けられ、第8のコイルと、
当該第8のコイルに並列に接続される第8のコンデンサ
とを含み、第2のキャリアの周波数で共振特性を有し、
第7の並列同調回路に直列に接続される。この結果、制
御信号送受信部に対して入力インピーダンスを低下させ
る要因がなく、第1および第2のキャリアの周波数以外
の制御信号の周波数帯域において伝送路の線路インピー
ダンスの低下が無いため、制御信号の低下を防止するこ
とができる。また、安価に制御信号伝送用ノッチフィル
タを形成できる。
【0039】請求項6に係る発明においては、請求項5
の発明において、制御信号送受信部は、第1および第2
の抵抗と、第1の比較手段と、第3および第4の抵抗
と、第2の比較手段と、第1のリンギング低減用コンデ
ンサと、第2のリンギング低減用コンデンサと、を備え
ている。第1および第2の抵抗は、受信した平衡な制御
信号の一方を分圧する。第1の比較手段は、第1および
第2の抵抗により分圧された平衡な制御信号の一方と予
め定められた基準電圧とを比較する。第2の比較手段
は、第3および第4の抵抗により分圧された平衡な制御
信号の他方と基準電圧とを比較する。第1のリンギング
低減用コンデンサは、第1および第2の抵抗により分圧
された平衡な制御信号の一方から制御信号伝送用ノッチ
フィルタに起因して発生したリンギングを除去する。第
2のリンギング低減用コンデンサは、第3および第4の
抵抗により分圧された平衡な制御信号の他方から制御信
号伝送用ノッチフィルタに起因して発生したリンギング
を除去する。この結果、制御信号の波形歪みが抑制さ
れ、第1および第2の比較手段のビットエラーレートを
低減できる。
【0040】
【実施例】以下に、図面に基づいて、本発明の実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の有線通信
システムの構成を示す図である。図1において、有線通
信システムは、集合住宅システムに用いられており、伝
送路1と、伝送路1に接続される中央制御装置2と、複
数(図示3つ)の端末装置3a〜3nとを備え、伝送路
1を介し、中央制御装置2と各端末装置3a〜3nとの
間で、ベースバンドのAMI制御信号とFM変調された
音声信号とを相互に送受信するようにしている。
【0041】伝送路1は、幹線11と、幹線11の任意
の箇所にその一端が接続される複数(図示1つ)の支線
12と、支線12の任意の箇所にその一端が接続される
複数(図示3つ)の住戸線13とを備えている。幹線1
1は1対のペア線11A(例えば、2心電話線)だけで
形成され、支線12は1対のペア線12A(例えば、2
心電話線)だけで形成され、支線13は1対のペア線1
3A(例えば、2心電話線)だけで形成されている。幹
線11は例えば集合住宅の最地階から最上階まで延びて
配線されており、支線12は各階毎に幹線11からその
階全体にわたって配線されており、住戸線13は支線1
2から各戸内に配線されている。中央制御装置2は、例
えば管理人室に配置され、幹線11の一端部に接続され
る。各端末装置3a〜3nは、各戸に1台ずつ配置さ
れ、住戸線13の他端部に接続される。
【0042】なお、中央制御装置2と端末装置3a〜3
nとは、大略的にほぼ同じに構成されている。このた
め、中央制御装置2の内部構成と、端末装置3a〜3n
の内部構成とが対応する部分に同じ番号を付して図示す
る。
【0043】中央制御装置2と端末装置3a〜3nと
は、それぞれ、伝送路1を介してベースバンドのAMI
制御信号を送受信する制御信号伝送部4と、伝送路1を
介してFM音声信号を送受信する音声信号伝送部5と、
制御信号伝送部4と音声信号伝送部5とを伝送路1にそ
れぞれ接続するための2つの端子6a,6bとを含む。
なお、図面のスペースの関係上、各端末装置3a〜3n
中端末装置3aだけに制御信号伝送部4と、音声信号伝
送部5とを図示する。
【0044】なお、中央制御装置2の音声信号伝送部5
は、各端末装置3a〜3nに送信すべき音声信号で周波
数230kHzのキャリアをFM変調しており、端末装
置3a〜3nの音声信号伝送部5は、中央制御装置2に
送信すべき音声信号で周波数350kHzのキャリアを
FM変調している。また、中央制御装置2の音声信号伝
送部5は、各端末装置3a〜3nから周波数350kH
zのFM音声信号を受信し、端末装置3a〜3nの音声
信号伝送部5は、周波数230kHzのFM音声信号を
受信している。
【0045】中央制御装置2および端末装置3a〜3n
の制御信号伝送部4は、制御部41と、制御信号送受信
部42と、トランス伝送特性安定化用抵抗43と、制御
信号伝送用ノッチフィルタ44とをそれぞれ備えてい
る。また、中央制御装置2の制御信号伝送部4は、さら
に負荷抵抗45を備えている。中央制御装置2および端
末装置3a〜3nの音声信号伝送部5は、マイク51
と、スピーカ52と、音声信号変復調部53と、音声信
号送受信部54と、音声信号伝送用バンドパスフィルタ
55とをそれぞれ備えている。
【0046】制御部41は、4つの端子41a〜41d
を備え、その内部にホームバスコントローラ(図示せ
ず)等を有している。中央制御装置2の制御部41に
は、来訪者が操作する操作盤7や、ドアロック装置8等
が接続されており、端末装置3a〜3nの制御部41に
は、操作盤9や、火災検出装置(図示せず)等が接続さ
れている。制御部41は、操作盤7から住戸番号が入力
されたような場合、中央制御装置2の通信制御管理にし
たがい(ポーリング方式)、AMI制御信号の+側と−
側とにそれぞれ対応するシリアルデジタル信号を端子4
1a,41bから出力し、AMI制御信号の+側および
−側を合成した信号に対応するシリアルデジタル信号を
端子41bで受信し、中央制御装置2と所定の端末装置
3a〜3nとの間での通話許可がおりた時点で通話許可
信号を端子41dから出力し、音声信号送受信部54を
起動する。
【0047】制御信号送受信部42は、5つの端子42
a〜42c,42x,42yを備えている。制御信号送
受信部42は、制御部41の端子41a,42bから第
一送信デジタル信号入力端子42a,第二送信デジタル
信号入力端子42bに入力されるシリアルデジタル信号
に基づいてAMI制御信号を生成し、生成したAMI制
御信号をAMI制御信号送受信端子42x,42yから
トランス伝送特性安定化用抵抗43および制御信号伝送
用ノッチフィルタ44に平衡に送出する。また、制御信
号送受信部42は、制御信号伝送用ノッチフィルタ44
からトランス伝送特性安定化用抵抗43を介してAMI
制御信号送受信端子42x,42yに入力された平衡な
AMI制御信号をシリアルデジタル信号に変換し、この
シリアルデジタルデータを受信デジタル信号出力端子4
2cから制御部41の端子41cに送出する。なお、制
御信号送受信部42の内部構成(図5参照。)は、後述
する。
【0048】トランス伝送特性安定化用抵抗43は、制
御信号送受信部42の端子42x,42y間に設けら
れ、制御信号送受信部42のトランス(後述)の伝送特
性を安定化し、例えば、12kΩの抵抗値を有する。
【0049】制御信号伝送用ノッチフィルタ44は、4
つの端子44a,44b,44x,44yを備えてい
る。制御信号伝送用ノッチフィルタ44は、制御信号送
受信部42の端子42x,42yから端子44a,44
bを介して入力される信号の内、周波数230kHz
と、350kHzの信号の通過を阻止し、それ以外の周
波数の帯域の信号を通過させる。また、制御信号伝送用
ノッチフィルタ44は、端子6a,6bから負荷抵抗4
5を介して端子44x,44yに入力される信号の内、
周波数230kHzと、350kHzの信号の通過を阻
止し、それ以外の周波数の帯域の信号を通過させる。こ
れにより、伝送路1を介し中央制御装置2、端末装置3
a〜3n間でAMI制御とFM音声信号とを多重した信
号を送受信しても、FM音声信号の通過が阻止され、制
御信号送受信部42においてAMI制御信号だけが受信
され、AMI制御信号と音声信号との相互変調が防止さ
れる。なお、制御信号伝送用ノッチフィルタ44の内部
構成(図4参照)は、後述する。
【0050】負荷抵抗45は、伝送路1の線路インピー
ダンスを所定の値(例えば、75Ω)にするため、端子
6a,6b間に設けられ、例えば、集合住宅システムで
は150Ωの抵抗値を有する。
【0051】中央制御装置2のマイク51は、来訪者等
の相手側に送信すべき音声を入力する。また、端末装置
3a〜3nのマイク51は、居住者等の相手側に送信す
べき音声を入力する。
【0052】中央制御装置2のスピーカ52は、居住者
等の相手側からの音声を再生する。また、端末装置3a
〜3nのスピーカ52は、来訪者等の相手側からの音声
を再生する。
【0053】音声信号変復調部53は、4つの端子53
x,53y,53a,53bを備えている。音声信号変
復調部53は、マイク51から端子53xを介し入力さ
れたベースバンドの音声信号で所定の周波数(中央制御
装置2では230kHz、端末装置3a〜3nでは35
0kHz)のキャリアをFM変調し、FM音声信号を端
子53aから出力する。また、音声信号変復調部53
は、端子53bを介して音声信号送受信部54から入力
されたFM音声信号を、ベースバンドの音声信号に復調
し、端子53yを介してスピーカ52に出力する。
【0054】音声信号送受信部54は、5つの端子54
a,54b,54d,54x,54yを備えている。音
声信号送受信部54は、制御部41から端子54dに起
動信号を受信している場合、音声信号変復調部53の端
子53aから端子54bを介して入力されたFM音声信
号を端子54x,54yから平衡に送信する。また、音
声信号送受信部54は、制御部41から端子54dに起
動信号を受信している場合、端子54x,54yを介し
て音声信号伝送用バンドパスフィルタ55から入力され
た平衡なFM音声信号を受信し、そのFM受信音声信号
を端子54aから出力する。また、起動されていない場
合には、音声信号送受信部54は、FM音声信号を送受
信しない。なお、音声信号送受信部54の内部構成(図
3参照)は、後述する。
【0055】音声信号伝送用バンドパスフィルタ55
は、4つの端子55a,55b,55x,55yを備え
る。音声信号伝送用バンドパスフィルタ55は、音声信
号送受信部54の端子54x,54yから端子55a,
55bを介して入力される信号の内、周波数230kH
zと、350kHzの信号を通過させ、それ以外の周波
数の帯域の信号の通過を阻止する。また、音声信号伝送
用バンドパスフィルタ55は、端子6a,6bから端子
55x,55yに入力される信号の内、周波数230k
Hzと、350kHzの信号を通過させ、それ以外の周
波数の帯域の信号の通過を阻止する。これにより、伝送
路1を介し中央制御装置2、端末装置3a〜3n間でA
MI制御とFM音声信号とを多重した信号を送受信して
も、AMI制御信号の通過が阻止され、音声信号送受信
部54においてFM音声信号だけが受信され、AMI制
御信号と音声信号との相互変調が防止される。なお、音
声信号伝送用バンドパスフィルタ55の内部構成(図2
参照)は、後述する。
【0056】図2は、図1の音声信号伝送用バンドパス
フィルタ55の構成を示す図である。図2において、音
声信号伝送用バンドパスフィルタ55は、コイルL55
a1とコンデンサC55a1とで共振周波数230kH
zに設定された直列同調回路55A1と、コイルL55
b1とコンデンサC55b1とで共振周波数350kH
zに設定された直列同調回路55B1と、コイルL55
a2とコンデンサC55a2とで共振周波数230kH
zに設定された直列同調回路55A2と、コイルL55
b2とコンデンサC55b2とで共振周波数350kH
zに設定された直列同調回路55B2とを備えている。
【0057】コイルL55a1,L55a2のインダク
タンス値は、それぞれ1.45mHに選ばれており、コ
イルL55b1,L55b2のインダクタンス値は、そ
れぞれ1.38mHに選ばれている。また、コンデンサ
C55a1,C55a2の容量値は、それぞれ330p
Fに選ばれており、コンデンサC55b1,C55b2
の容量値は、それぞれ150pFに選ばれている。直列
同調回路55A1と、直列同調回路55B1とは、端子
55a,55x間に並列に接続され、並列回路55C1
を形成する。これと同様に、直列同調回路55A2と、
直列同調回路55B2とは、端子55b,55y間に並
列に接続され、並列回路55C2を形成する。
【0058】したがって、AMI制御信号の通過が阻止
され、FM変調された送受信音声信号だけが通過するた
め、AMI制御信号とFM制御信号との相互干渉を防止
できる。また、音声信号送受信部54に対してインピー
ダンスを低下させる要因が無く、伝送路1の線路インピ
ーダンスの低下がないため、復調された音声信号のS/
N比の低下を防止できる。また、安価に音声信号伝送用
バンドパスフィルタ55を形成できる。
【0059】図3は、図1の音声信号送受信部54の構
成を示す図である。図3において、音声信号送受信部5
4は、音声信号伝送用トランスT54と、送信FM信号
伝送用スイッチSW54と、2つのオペアンプOP54
a,OP54bと、2つのコイルL54a,L54b
と、6つのコンデンサC54a1〜C54a3,C54
b1〜C54b3と、抵抗R54a1〜R54a4,R
54b1〜R54b4とを備える。
【0060】コイルL54aのインダクタンス値は、中
央制御装置2では102μHに、端末装置3a〜3nで
は94μHにそれぞれ選ばれている。コイルL54bの
インダクタンス値は、中央制御装置2では94μHに、
端末装置3a〜3nでは102μHに選ばれている。コ
ンデンサC54a1,C54a3,C54b1,C54
b3の容量値は、それぞれ0.1μFに選ばれている。
コンデンサC54a2の容量値は、中央制御装置2では
4700pFに、端末装置3a〜3nでは2200pF
に選ばれている。コンデンサC54b2の容量値は、中
央制御装置2では2200pFに、端末装置3a〜3n
では4700pFに選ばれている。抵抗R54a1,R
54b2の抵抗値は、必要とする増幅度にあわせて可変
され、標準10kΩに選ばれている。バイアス抵抗R5
4a2,R54a3,R54b3,R54b4の抵抗値
は、それぞれ10kΩに選ばれている。抵抗R54a4
の抵抗値は、線路インピーダンスにあわせるため、75
Ωに選ばれている。高負荷抵抗R54b1の抵抗値は、
音声信号伝送用トランスT54の230〜350kHz
に広い周波数範囲にわたって高インピーダンスにするた
め、10kΩに選ばれている。
【0061】送信FM音声信号入力端子54aから入力
されたFM音声信号は、コンデンサC54a1および抵
抗R54a1を介して、オペアンプOP54aの−端子
に入力される。オペアンプOP54aの+端子には、バ
イアス抵抗R54a2,R54a3によって分圧された
所定の電圧が入力される。コイルL54aとコンデンサ
C54a2との並列接続で構成され、送信FM音声信号
(中央制御装置2では230kHz、端末装置3a〜3
nでは350kHz)の周波数帯域で共振周波数特性を
有した送信FM音声信号用並列同調回路54Aは、オペ
アンプOP54aの出力端と−端子間に接続される。
【0062】このオペアンプOP54aと、抵抗R54
a1と、バイアス抵抗R54a2,R54a3と、送信
FM音声信号用並列同調回路54Aとで、アクティブフ
ィルタF54aを形成する。アクティブフィルタF54
aは、中央制御装置2では230kHz、端末装置3a
〜3nでは350kHzにおいて共振特性を有し、この
周波数以外の周波数では高インピーダンス特性を有す
る。したがって、送信したFM音声信号の側波帯および
高調波が受信したFM音声信号へ回り込んで干渉するこ
とを押さえることができる。同時に、送受信したFM音
声信号のレベルを増幅できる。さらに、制御信号のレベ
ルの低下を防止できる。
【0063】オペアンプOP54aの出力端から出力さ
れたFM音声信号は、抵抗R54a4、コンデンサC5
4a3、および送信FM信号伝送用スイッチSW54を
介して音声信号伝送用トランスT54の端子T54aに
入力される。音声信号伝送用トランスT54の端子T5
4bは接地され、端子T54x,T54yは端子54
x,54yにそれぞれ接続される。送信FM信号伝送用
スイッチSW54のon/offを行う端子SW54a
は、音声信号送信許可端子54dに接続される。これに
よって、送信FM信号伝送用スイッチSW54がONし
ている場合、端子54x,54yから平衡なFM音声信
号を出力し、また入力することができる。
【0064】端子54x,54yから入力された平衡な
FM音声信号は、音声信号伝送用トランスT54、高負
荷抵抗R54b1、コンデンサC54b1および抵抗R
54b2を介してオペアンプOP54bの−端子に入力
される。オペアンプOP54bの+端子には、バイアス
抵抗R54b3,R54b4によって分圧された所定の
電圧が入力される。コイルL54bとコンデンサC54
b2との並列接続で構成され、受信FM音声信号(中央
制御装置2では350kHz、端末装置3a〜3nでは
230kHz)の周波数帯域で共振周波数特性を有した
受信FM音声信号用並列同調回路54Bは、オペアンプ
OP54bの出力端と−端子間に接続される。
【0065】このオペアンプOP54bと、抵抗R54
b2と、バイアス抵抗R54b3,R54b4と、受信
FM音声信号用並列同調回路54Bとで、アクティブフ
ィルタF54bを形成する。アクティブフィルタF54
bは、中央制御装置2では350kHz、端末装置3a
〜3nでは230kHzにおいて共振特性を有し、この
周波数以外の周波数では高インピーダンス特性を有す
る。したがって、送信したFM音声信号の側波帯および
高調波が受信したFM音声信号へ回り込んで干渉するこ
とを押さえることができる。同時に、送受信したFM音
声信号のレベルを増幅できる。さらに、制御信号のレベ
ルの低下を防止できる。
【0066】オペアンプOP54aの出力端から出力さ
れた受信FM音声信号は、コンデンサC54b3を介し
て端子54bに出力される。これによって、送信FM信
号伝送用スイッチSW54がONしている場合、相手側
からのFM音声信号を受信することができる。
【0067】図4は、図1の制御信号伝送用ノッチフィ
ルタ44の構成を示す図である。図4において、制御信
号伝送用ノッチフィルタ44は、コイルL44a1とコ
ンデンサC44a1とで共振周波数230kHzに設定
された並列同調回路44A1と、コイルL44b1とコ
ンデンサC44b1とで共振周波数350kHzに設定
された並列同調回路44B1と、コイルL44a2とコ
ンデンサC44a2とで共振周波数230kHzに設定
された並列同調回路44A2と、コイルL44b2とコ
ンデンサC44b2とで共振周波数350kHzに設定
された並列同調回路44B2とを備えている。
【0068】コイルL44a1,L44a2のインダク
タンス値は、それぞれ102μHに選ばれており、コイ
ルL44b1,L44b2のインダクタンス値は、それ
ぞれ94μHに選ばれている。また、コンデンサC44
a1,C44a2の容量値は、それぞれ4700pFに
選ばれており、コンデンサC44b1,C44b2の容
量値は、それぞれ2200pFに選ばれている。並列同
調回路44A1と、並列同調回路44B1とは、端子4
4a,44x間に直列に接続され、直列回路44C1を
形成する。これと同様に、並列同調回路44A2と、並
列同調回路44B2とは、端子44b,44y間に直列
に接続され、直列回路44C2を形成する。
【0069】したがって、制御信号伝送用ノッチフィル
タ44は、送受信したFM音声信号の通過を阻止し、A
MI制御信号だけを通過させることができる。また、制
御信号送受信部42に対して入力インピーダンスを低下
させる要因がなく、第1および第2のキャリアの周波数
以外の制御信号の周波数帯域において伝送路の線路イン
ピーダンスの低下が無いため、制御信号の低下を防止す
ることができる。また、安価に制御信号伝送用ノッチフ
ィルタ44を形成できる。
【0070】図5は、図1の制御信号送受信部42の構
成を示す図である。図5において、制御信号送受信部4
2は、トランスT42と、2つのダイオードD42a,
D42bと、2つのトランジスタQ42a,Q42b
と、2つの反転回路NOT42a,NOT42bと、2
つのコンパレータOP42a,OP42bと、11個の
抵抗R42a1〜R42a4,R42b1〜R42b
4,R42c1〜R42c3と、5つのコンデンサC4
2a1,C42a2,C42b1,C42b2,C42
c1とを備える。
【0071】抵抗R42a1,R42b1の抵抗値は、
3.3kΩに選ばれている。抵抗R42a2,42b2
の抵抗値は、10kΩに選ばれている。抵抗R42a
3,R42a4,R42b3,R42b4の抵抗値は、
27kΩに選ばれている。抵抗R42c1の抵抗値は、
7.5kΩに選ばれている。抵抗R42c2の抵抗値
は、4.53kΩに選ばれている。プルアップ抵抗R4
2c3の抵抗値は、4.7kΩに選ばれている。コンデ
ンサC42a1,C42b1の容量値は、47pFに選
ばれている。リンギング低減用コンデンサC42a2,
C42b2の容量値は、390pFに選ばれている。
【0072】第一送信デジタル信号入力端子42aから
入力されたシリアルデジタル信号は、反転回路NOT4
2aの入力端に与えられる。反転回路NOT42aの出
力端は、抵抗R42a1,R42a2を介してトランジ
スタQ42aのベースに接続される。抵抗R42a1,
R42a2は、シリアルデジタル信号のなまりを防止す
る。トランジスタQ42aのコレクタ・ベース間には、
リンギング発生防止用のコンデンサC42a1が接続さ
れる。トランジスタQ42aのコレクタは、ダイオード
D42aのカソードに接続される。
【0073】第二送信デジタル信号入力端子42bから
入力されたシリアルデジタル信号は、反転回路NOT4
2bの入力端に与えられる。反転回路NOT42bの出
力端は、抵抗R42b1,R42b2を介してトランジ
スタQ42bのベースに接続される。抵抗R42b1,
R42b2は、シリアルデジタル信号のなまりを防止す
る。トランジスタQ42bのコレクタ・ベース間には、
リンギング発生防止用のコンデンサC42b1が接続さ
れる。トランジスタQ42bのコレクタは、ダイオード
D42bのカソードに接続される。
【0074】ダイオードD42aのアノードは、制御信
号伝送用トランスT42の1次コイルの端子T42aに
接続される。ダイオードD42bのアノードは、1次コ
イルの端子T42bに接続される。1次コイルの中点の
端子T42cには、12Vの直流電圧が印加される。制
御信号伝送用トランスT42の2次コイルの端子T42
x,53yは、端子42x,42yにそれぞれ接続され
る。
【0075】これにより、端子42a,42bから入力
されたシリアルデジタル信号からAMI制御信号を生成
し、端子42x,42yから生成したAMI制御信号を
平衡に出力することができ、また入力することができ
る。
【0076】12Vの直流電圧は、抵抗R42c1,R
42c2により分圧される。これにより、抵抗R42c
1,R42c2の接続点に4.5Vの基準電圧が生成さ
れる。抵抗R42c2には、コンデンサC42c1が並
列に接続され、基準電圧の安定化が図られている。この
基準電圧は、コンパレータOP42a,OP42bの−
端子にそれぞれ与えられる。
【0077】ダイオードD42aのカソードは、抵抗R
42a3,42a4を介して接地される。これにより、
端子42x,42yから入力されたAMI制御信号の一
方が、分圧される。ここで、制御信号伝送用ノッチフィ
ルタ44で230kHzと350kHzの信号成分が除
去されているため、AMI制御信号にリンギングが発生
する。この受信したAMI制御信号に含まれるリンギン
グを低減するため、抵抗R42a4には並列にリンギン
グ低減用コンデンサC42a2が接続される。抵抗R4
2a3,R42a4の接続点は、コンパレータOP42
aの+端子に接続される。コンパレータOP42aは、
分圧されたAMI制御信号と、基準信号とを比較する。
コンパレータOP42aの出力端は、プルアップ抵抗R
42c3を介して受信デジタル信号出力端子42cに接
続される。
【0078】ダイオードD42bのカソードは、抵抗R
42b3,42b4を介して接地される。これにより、
端子42x,42yから入力されたAMI制御信号の他
方が、分圧される。受信したAMI制御信号に含まれる
リンギングを低減するため、抵抗R42b4には並列に
リンギング低減用コンデンサC42b2が接続される。
抵抗R42b3,R42b4の接続点は、コンパレータ
OP42bの+端子に接続される。コンパレータOP4
2bは、分圧されたAMI制御信号と、基準信号とを比
較する。コンパレータOP42bの出力端は、プルアッ
プ抵抗R42c3を介して受信デジタル信号出力端子4
2cに接続される。
【0079】したがって、制御信号送受信部42は、制
御信号の波形歪みを抑制し、コンパレータOP42a,
OP42bでのビットエラーレートを低減しつつ、端子
42x,42yから入力されたAMI制御信号からシリ
アルデジタル信号を生成し、端子42cから生成したシ
リアルデジタル信号を出力することができる。
【0080】図6〜図10は、図1の各部の信号波形を
示す波形図である。これらの図1〜図10を用いて動作
を説明する。なお、図6は、AMI制御信号((a)参
照。)、音声信号((b)参照。)およびFM音声信号
((c),(d)参照。)をそれぞれ示している。図7
は、AMI制御信号の周波数スペクトル分布((a)参
照。)、FM音声信号の周波数スペクトル分布((b)
参照。)および音声信号の周波数スペクトル分布
((c)参照。)をそれぞれ示している。図8は、音声
信号伝送用バンドパスフィルタ55のフィルタ特性
((a)参照。)および制御信号伝送用ノッチフィルタ
44のフィルタ特性((b)参照。)をそれぞれ示して
いる。図9は、制御信号送受信部42の各部の信号波形
を示している。また、図10は、AMI制御信号
((a)参照。)、制御信号伝送用ノッチフィルタ44
に起因するリンギングを含むAMI制御信号((b)参
照。)、リンギングを除去したAMI制御信号((c)
参照。)およびリンギングを除去したAMI制御信号と
FM音声信号とを多重した信号((d)参照。)をそれ
ぞれ示している。
【0081】制御部41の端子41a、41bから入力
されたシリアルデジタル信号(図9(a),(b)参
照。)は、各々ビット周期100μsで、通常5Vで、
パルス伝送時に於いては、パルス幅40μsの0V信号
を出力する。0V信号は、端子41a,41bから同時
に出力されることはない。制御信号送受信部42の第一
およひ第二送信デジタル信号入力端子42a,42bに
入力されたシリアルデジタル信号は、反転回路NOT4
2a,NOT42bによって反転され(図9(c),
(e)参照。)、トランジスタQ42a、Q42bのベ
ースにそれぞれ入力され、トランジスタQ42a、47
のon/off動作により、ダイオードD42a,D4
2bが交互に導通する(図9(d),(f)参照。)。
これにより、制御信号伝送用トランスT42の1次側に
交番電流が流れ、その2次側に平衡なAMI制御信号が
生成される(図9(g)参照。)。これにより、中央制
御装置2および端末装置3a〜3nは、トランス伝送特
性安定化用抵抗43と、制御信号伝送用ノッチフィルタ
44等とを介し、端子6a,6bから伝送路1を介して
AMI制御信号を相手側に送信することができる。
【0082】中央制御装置2および端末装置3a〜3n
は、端子6a,6bでAMI制御信号を受信した場合、
制御信号伝送用ノッチフィルタ44と、トランス伝送特
性安定化用抵抗43と、制御信号送受信部42の制御信
号伝送用トランスT42と抵抗R42a3,R42a4
および抵抗R42b3,R42bを介してコンパレータ
OP42a,OP42bの+端子に入力される。コンパ
レータOP42a,OP42bの+端子に入力されたA
MI制御信号は、抵抗R42c1,R42c2で生成さ
れる直流の4.5V基準電圧との比較により(図9
(h),(j)参照。)、正または0Vの信号を生成す
る(図9(i),(k)参照。)。プルアップ抵抗R4
2c3は、コンパレータOP42a,OP42bの出力
のNORの値を生成し、その結果をシリアルデジタル信
号として受信デジタル信号出力端子42cから端子41
cに入力する(図9(l)参照。)。
【0083】また、受信したAMI制御信号は、制御信
号伝送用ノッチフィルタ44に起因して、リンギングを
含んでいる(図10(b)参照。)。しかしながら、リ
ンギング低減用コンデンサC42a2,リンギング低減
用コンデンサC42b2は、リンギングを抑圧し(図1
0(c)参照。)、コンパレータOP42a,OP42
bにより生成されるシリアルデジタル信号のビットエラ
ーレートを低減する。
【0084】中央制御装置2が端末装置3a〜3nと通
話を行う場合は、CSMA/CD方式により通信を行い
通話路を確保し、制御部41の端子41dにより信号を
出力し、送信FM音声信号伝送用スイッチSW54をo
nする。これにより、通話が可能になる。アクティブフ
ィルタF54aは、送信FM音声信号入力端子54aに
入力されたFM変調された送信音声信号を、FM変調さ
れた受信音声信号の周波数帯域と干渉しないようフィル
タして増幅し、音声信号伝送用トランスT54を介して
送信する。また、アクティブフィルタF54bは、音声
信号伝送用トランスT54を介して受信したFM変調さ
れた受信音声信号を、FM変調された送信音声信号と干
渉しないようにフィルタして増幅し、受信FM音声信号
出力端子54bに出力する。そして、FM変調された送
受信音声信号を音声信号変復調部53を介し、マイク5
1、スピーカ52を用いて通話を行う。また、この際、
操作盤9を操作することにより、AMI制御信号でドア
のロック解除等を行える。
【0085】なお、上述の実施例では、音声信号をFM
変調したが、音声信号をAM変調、位相変調等の他のア
ナログ変調するようにしてもよい。また、制御信号をA
MIとしたが、NRZや多値のベースバンド信号を用い
るようにしてもよい。また、AMI制御信号の伝送速度
を9600ボーとしたが、他の速度でもよく、これにあ
わせて音声信号のキャリア周波数を変えるようにしても
よい。
【0086】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ペア線が
1組ですみ、伝送線の費用が安くなり、ペア線を施設す
るのが簡単になり、伝送線の施設費用が少なくてすむ。
また、制御信号が無変調であるため、従来の制御信号伝
送部と互換性が取れる。また、キャリアが制御信号の伝
送速度に相当する周波数より高い周波数に設定されてい
るので、キャリアの周波数を比較的低くでき、変調され
た音声信号の減衰・反射を少なくでき、長距離伝送に適
し、端末装置の数の減少を防止できる。また、音声信号
伝送用バンドパスフィルタと、制御信号伝送用ノッチフ
ィルタとにより、制御信号とアナログ変調された音声信
号との相互干渉が防止される。さらに、設計変更がわず
かですむため、中央制御装置および端末装置の価格の上
昇を防止できる。
【0087】請求項2に係る発明によれば、中央制御装
置からのアナログ変調された音声信号と、各端末装置3
a〜3nからのアナログ変調された音声信号との相互干
渉を防止できる。
【0088】請求項3に係る発明によれば、音声信号送
受信部に対してインピーダンスを低下させる要因がな
く、伝送路1の線路インピーダンスの低下が無いため、
復調された音声信号のS/N比の低下を防止することが
できる。また、安価に音声信号伝送用バンドパスフィル
タを形成できる。
【0089】請求項4に係る発明によれば、アナログ変
調された送信音声信号の側波帯および高調波が、アナロ
グ変調された受信音声信号へ回り込み干渉することを抑
えることができる。また、同時にアナログ変調された送
受信音声信号レベルを増幅できる。また、制御信号のレ
ベルの低下を防止できる。
【0090】請求項5に係る発明によれば、制御信号送
受信部に対してインピーダンスを低下させる要因がな
く、第1および第2のキャリアの周波数以外の制御信号
の周波数帯域において有線伝送路の線路インピーダンス
の低下が無いため、制御信号の低下を防止することがで
きる。また、安価に制御信号伝送用ノッチフィルタを形
成できる。
【0091】請求項6に係る発明によれば、制御信号の
波形歪みを抑制し、第1および第2の比較手段のビット
エラーレートを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の有線通信システムの構成を
示す図である。
【図2】図1の音声信号伝送用バンドパスフィルタ55
の構成を示す図である。
【図3】図1の音声信号送受信部54の構成を示す図で
ある。
【図4】図1の制御信号伝送用ノッチフィルタ44の構
成を示す図である。
【図5】図1の制御信号送受信部42の構成を示す図で
ある。
【図6】図1の各部の信号波形を示す波形図である。
【図7】図1の各部の信号波形を示す波形図である。
【図8】図1の各部の信号波形を示す波形図である。
【図9】図1の各部の信号波形を示す波形図である。
【図10】図1の各部の信号波形を示す波形図である。
【図11】従来の有線通信システムの構成を示す図であ
る。
【図12】図11に示す制御信号送受信部420の構成
を示す回路図である。
【符号の説明】
1…伝送路 11A,12A,13A…ペア線 2…中央制御装置 3a〜3n…端末装置 4…制御信号伝送部 5…音声信号伝送部 42…制御信号送受信部 R42a3,R42a4,R42b3,R42b4…抵
抗 OP42a,OP42b…コンパレータ C42a2,C42b2…リンギング低減用コンデンサ 44…制御信号伝送用ノッチフィルタ 44A1,44A2,44B1,44B2…並列共振回
路 44C1,44C2…直列回路 L44a1,コイルL44a2,L44b1,L44b
2…コイル C44a1,C44a2,C44b1,C44b2…コ
ンデンサ 54…音声信号送受信部 F54a,F54b…アクティブフィルタ 55…音声信号伝送用バンドパスフィルタ 55A1,55A2,55B1,55B2…直列共振回
路 55C1,55C2…並列回路 L55a1,L55a2,L55b1,コイルL55b
2…コイル C55a1,C55a2,C55b1,C55b2…コ
ンデンサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路に中央制御装置と複数の端末装置
    とを接続し、当該中央制御装置と各当該端末装置との間
    で制御信号を送受信して通話路を確保し、通話できるよ
    うにした有線通信システムであって、 前記伝送路は、 前記中央制御装置および各前記端末装置間に配線される
    1組のペア線を含み、 前記中央制御装置および前記各端末装置は、それぞれ前
    記ペア線を介し、所定の伝送速度の制御信号をベースバ
    ンドで平衡に送受信する制御信号伝送部と、 前記ペア線を介し、前記制御信号の伝送速度に相当する
    周波数より高い周波数に設定されたキャリアを相手方に
    送信すべき音声信号でアナログ変調し、変調した音声信
    号を平衡に送受信する音声信号伝送部とを備え、 前記音声信号伝送部は、 前記ペア線に接続され、前記キャリアの周波数の信号成
    分だけを通過させる音声信号伝送用バンドパスフィルタ
    を含み、 前記制御信号伝送部は、 前記ペア線に接続され、前記キャリアの周波数の信号成
    分の通過を阻止する制御信号伝送用ノッチフィルタを含
    む、 ことを特徴とする有線通信システム。
  2. 【請求項2】 前記中央制御装置の前記音声信号伝送部
    と、各前記端末装置の前記音声信号伝送部とは、異なる
    周波数の第1および第2のキャリアをそれぞれ送信用に
    使用する、 ことを特徴とする請求項1に記載の有線通信システム。
  3. 【請求項3】 前記中央制御装置の前記音声信号伝送部
    と、各前記端末装置の前記音声信号伝送部とは、さらに
    前記音声信号伝送用バンドパスフィルタを介して変調し
    た音声信号を平衡に送受信する音声信号送受信部をそれ
    ぞれ含み、 前記音声信号伝送用バンドパスフィルタは、 前記変調した平衡な音声信号の一方に対して設けられ、
    第1のコイルと、当該第1のコイルに直列に接続される
    第1のコンデンサとを含み、前記第1のキャリアの周波
    数で共振特性を有する第1の直列同調回路と、 前記変調した平衡な音声信号の一方に対して設けられ、
    第2のコイルと、当該第2のコイルに直列に接続される
    第2のコンデンサとを含み、前記第2のキャリアの周波
    数で共振特性を有し、前記第1の直列同調回路に並列に
    接続され、前記第1の直列同調回路と協働して第1の並
    列回路を形成する第2の直列同調回路と、 前記変調した平衡な音声信号の他方に対して設けられ、
    第3のコイルと、当該第3のコイルに直列に接続される
    第3のコンデンサとを含み、前記第1のキャリアの周波
    数で共振特性を有する第3の直列同調回路と、 前記変調した平衡な音声信号の他方に対して設けられ、
    第4のコイルと、当該第4のコイルに直列に接続される
    第4のコンデンサとを含み、前記第2のキャリアの周波
    数で共振特性を有し、前記第3の直列同調回路に並列に
    接続され、前記第3の直列同調回路と協働して第2の並
    列回路を形成する第4の直列同調回路と、 を備えることを特徴とする請求項2に記載の有線通信シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記音声信号伝送部は、 前記変調した音声信号が入力され、前記第1および第2
    のキャリアの周波数において共振特性を有するととも
    に、当該第1および第2のキャリアの周波数以外におい
    て高インピーダンス特性を有する第1および第2のアク
    ティブフィルタを含む、 ことを特徴とする請求項3に記載の有線通信システム。
  5. 【請求項5】 前記中央制御装置の前記制御信号伝送部
    と、各前記端末装置の前記制御信号伝送部とは、さらに
    前記制御信号伝送用ノッチフィルタを介して制御信号を
    平衡に送受信する制御信号送受信部をそれぞれ含み、 前記制御信号伝送用ノッチフィルタは、 前記平衡な制御信号の一方に対して設けられ、第5のコ
    イルと、当該第5のコイルに並列に接続される第5のコ
    ンデンサとを含み、前記第1のキャリアの周波数で共振
    特性を有する第5の並列同調回路と、 前記平衡な制御信号の一方に対して設けられ、第6のコ
    イルと、当該第6のコイルに並列に接続される第6のコ
    ンデンサとを含み、前記第2のキャリアの周波数で共振
    特性を有し、前記第5の並列同調回路に直列に接続さ
    れ、前記第5の並列同調回路と協働して第5の直列回路
    を形成する第6の並列同調回路と、 前記平衡な制御信号の他方に対して設けられ、第7のコ
    イルと、当該第7のコイルに並列に接続される第7のコ
    ンデンサとを含み、前記第1のキャリアの周波数で共振
    特性を有する第7の並列同調回路と、 前記平衡な制御信号の他方に対して設けられ、第8のコ
    イルと、当該第8のコイルに並列に接続される第8のコ
    ンデンサとを含み、前記第2のキャリアの周波数で共振
    特性を有し、前記第7の並列同調回路に直列に接続さ
    れ、前記第7の並列同調回路と協働して第6の直列回路
    を形成する第8の並列同調回路と、 を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか
    に記載の有線通信システム。
  6. 【請求項6】 前記制御信号送受信部は、 受信した前記平衡な制御信号の一方を分圧する第1およ
    び第2の抵抗と、 前記第1および第2の抵抗により分圧された前記平衡な
    制御信号の一方と予め定められた基準電圧とを比較する
    第1の比較手段と、 受信した前記平衡な制御信号の他方を分圧する第3およ
    び第4の抵抗と、 前記第3および第4の抵抗により分圧された前記平衡な
    制御信号の他方と前記基準電圧とを比較する第2の比較
    手段と、 前記第1および第2の抵抗により分圧された前記平衡な
    制御信号の一方から前記制御信号伝送用ノッチフィルタ
    に起因して発生したリンギングを除去する第1のリンギ
    ング低減用コンデンサと、 前記第3および第4の抵抗により分圧された前記平衡な
    制御信号の他方から前記制御信号伝送用ノッチフィルタ
    に起因して発生したリンギングを除去する第2のリンギ
    ング低減用コンデンサと、 を備えることを特徴とする請求項5に記載の有線通信シ
    ステム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022208858A1 (ja) * 2021-04-01 2022-10-06 三菱電機株式会社 伝送システム

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WO2022208858A1 (ja) * 2021-04-01 2022-10-06 三菱電機株式会社 伝送システム
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