JPH09162695A - 弾性表面波装置 - Google Patents
弾性表面波装置Info
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- JPH09162695A JPH09162695A JP32542295A JP32542295A JPH09162695A JP H09162695 A JPH09162695 A JP H09162695A JP 32542295 A JP32542295 A JP 32542295A JP 32542295 A JP32542295 A JP 32542295A JP H09162695 A JPH09162695 A JP H09162695A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 阻止域減衰量の拡大と、通過帯域内ＶＳＷＲ
（定在波比）の低減を図り得る弾性表面波装置を提供す
る。 【解決手段】 多電極型縦結合二重モードＳＡＷ共振子
フィルタ３３の入力側及び／または出力側に少なくとも
１個の直列腕共振子としてのＳＡＷ共振子３４を接続し
てなり、ＳＡＷ共振子３４の共振周波数が多電極型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタ３３の通過帯域内に位置されている、
弾性表面波装置３１。
（定在波比）の低減を図り得る弾性表面波装置を提供す
る。 【解決手段】 多電極型縦結合二重モードＳＡＷ共振子
フィルタ３３の入力側及び／または出力側に少なくとも
１個の直列腕共振子としてのＳＡＷ共振子３４を接続し
てなり、ＳＡＷ共振子３４の共振周波数が多電極型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタ３３の通過帯域内に位置されている、
弾性表面波装置３１。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のインターデ
ジタルトランスデューサ（ＩＤＴ）を有する多電極型Ｓ
ＡＷ共振子フィルタを用いた弾性表面波装置に関し、特
に、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタに直列に直列腕共振
子を接続することにより通過帯域内における定在波比
（以下、ＶＳＷＲ）の低減及び阻止域における減衰量の
増大を図った弾性表面波装置に関する。
ジタルトランスデューサ（ＩＤＴ）を有する多電極型Ｓ
ＡＷ共振子フィルタを用いた弾性表面波装置に関し、特
に、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタに直列に直列腕共振
子を接続することにより通過帯域内における定在波比
（以下、ＶＳＷＲ）の低減及び阻止域における減衰量の
増大を図った弾性表面波装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ＳＡＷ共振子フィルタが帯域フィ
ルタとして広く用いられているが、帯域フィルタでは、
阻止域における減衰量の大きいことが求められる。この
要求を満たすものとして、図１及び図２に示すＳＡＷ共
振子フィルタが知られている。
ルタとして広く用いられているが、帯域フィルタでは、
阻止域における減衰量の大きいことが求められる。この
要求を満たすものとして、図１及び図２に示すＳＡＷ共
振子フィルタが知られている。
【０００３】図１に示すＳＡＷ共振子フィルタ１では、
圧電基板２上に、ＳＡＷ共振子フィルタ３及び４が構成
されている。ＳＡＷ共振子フィルタ３は、３電極型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタであり、３個のＩＤＴ５，６，７を有
する。ＩＤＴ５〜７の両側には、反射器８，９が形成さ
れている。
圧電基板２上に、ＳＡＷ共振子フィルタ３及び４が構成
されている。ＳＡＷ共振子フィルタ３は、３電極型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタであり、３個のＩＤＴ５，６，７を有
する。ＩＤＴ５〜７の両側には、反射器８，９が形成さ
れている。
【０００４】同様に、ＳＡＷ共振子フィルタ４も３個の
ＩＤＴ１０〜１２を有し、ＩＤＴ１０〜１２の表面波伝
搬方向両側に反射器１３，１４が形成されている。ＳＡ
Ｗ共振子フィルタ３とＳＡＷ共振子フィルタ４とは縦続
接続されている。すなわち、ＳＡＷ共振子フィルタ１は
２個のＳＡＷ共振子フィルタ３，４を２段縦続接続した
構成を有し、それによって阻止域における減衰量の増大
が図られている。
ＩＤＴ１０〜１２を有し、ＩＤＴ１０〜１２の表面波伝
搬方向両側に反射器１３，１４が形成されている。ＳＡ
Ｗ共振子フィルタ３とＳＡＷ共振子フィルタ４とは縦続
接続されている。すなわち、ＳＡＷ共振子フィルタ１は
２個のＳＡＷ共振子フィルタ３，４を２段縦続接続した
構成を有し、それによって阻止域における減衰量の増大
が図られている。
【０００５】他方、図２に電極構造のみを示す多電極型
ＳＡＷ共振子フィルタ１５では、表面波伝搬方向に沿っ
て多数のＩＤＴ１６〜２１が配置されており、ＩＤＴ１
６，２１の表面波電波方向外側に反射器２２，２３が形
成されている。ここでは、多数のＩＤＴ１６〜２１を表
面波伝搬方向に沿って配置することにより、阻止域にお
ける減衰量の拡大が図られている。
ＳＡＷ共振子フィルタ１５では、表面波伝搬方向に沿っ
て多数のＩＤＴ１６〜２１が配置されており、ＩＤＴ１
６，２１の表面波電波方向外側に反射器２２，２３が形
成されている。ここでは、多数のＩＤＴ１６〜２１を表
面波伝搬方向に沿って配置することにより、阻止域にお
ける減衰量の拡大が図られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、２段縦
続接続型のＳＡＷ共振子フィルタ１では、阻止域におけ
る減衰量の増大を図り得るものの、通過帯域の挿入損失
が大きくなり、低損失化が妨げられるという問題があっ
た。
続接続型のＳＡＷ共振子フィルタ１では、阻止域におけ
る減衰量の増大を図り得るものの、通過帯域の挿入損失
が大きくなり、低損失化が妨げられるという問題があっ
た。
【０００７】他方、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ１５
では、ＩＤＴの数を多くすればする程、阻止域における
減衰量を大きくすることができ、かつ損失も低減するこ
ともできる。しかしながら、ＩＤＴの数の増加に伴って
通過帯域が狭くなるため、通過帯域内におけるＶＳＷＲ
が大きくなるという問題があった。
では、ＩＤＴの数を多くすればする程、阻止域における
減衰量を大きくすることができ、かつ損失も低減するこ
ともできる。しかしながら、ＩＤＴの数の増加に伴って
通過帯域が狭くなるため、通過帯域内におけるＶＳＷＲ
が大きくなるという問題があった。
【０００８】本発明の目的は、阻止域における減衰量を
拡大し得るだけでなく、通過帯域内におけるＶＳＷＲの
低減を図り得る、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタを用い
た弾性表面波装置を提供することにある。
拡大し得るだけでなく、通過帯域内におけるＶＳＷＲの
低減を図り得る、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタを用い
た弾性表面波装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電基
板または圧電薄膜を有する表面波基板と、前記圧電基板
上または圧電薄膜に接するように、かつ表面波伝搬方向
に沿って配置された複数のインターデジタルトランスデ
ューサとを有する多電極型ＳＡＷ共振子フィルタと、前
記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に共振周
波数を有し、かつ前記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの
入力端及び出力端の少なくとも一方に直列接続されてい
る少なくとも１個の直列腕共振子とを備えることを特徴
とする弾性表面波装置が提供され、それによって上記課
題が達成される。
板または圧電薄膜を有する表面波基板と、前記圧電基板
上または圧電薄膜に接するように、かつ表面波伝搬方向
に沿って配置された複数のインターデジタルトランスデ
ューサとを有する多電極型ＳＡＷ共振子フィルタと、前
記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に共振周
波数を有し、かつ前記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの
入力端及び出力端の少なくとも一方に直列接続されてい
る少なくとも１個の直列腕共振子とを備えることを特徴
とする弾性表面波装置が提供され、それによって上記課
題が達成される。
【００１０】本発明では、多電極型ＳＡＷ共振子フィル
タを主たる構成要素として用いているため、該多型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタにおけるＩＤＴの数を増大させること
により、阻止域の減衰量を拡大することができ、かつ損
失の低減を図り得る。加えて、上記直列腕共振子が多電
極型ＳＡＷ共振子フィルタの入力端及び／または出力端
に接続されており、該直列腕共振子の共振周波数が多電
極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に位置するよう
に構成されているため、後述の実施形態の説明から明ら
かなように、通過帯域内におけるＶＳＷＲを効果的に低
減することが可能とされている。
タを主たる構成要素として用いているため、該多型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタにおけるＩＤＴの数を増大させること
により、阻止域の減衰量を拡大することができ、かつ損
失の低減を図り得る。加えて、上記直列腕共振子が多電
極型ＳＡＷ共振子フィルタの入力端及び／または出力端
に接続されており、該直列腕共振子の共振周波数が多電
極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に位置するよう
に構成されているため、後述の実施形態の説明から明ら
かなように、通過帯域内におけるＶＳＷＲを効果的に低
減することが可能とされている。
【００１１】なお、本発明において、上記多電極型ＳＡ
Ｗ共振子フィルタは、圧電基板上に複数のＩＤＴを形成
することにより、あるいは絶縁基板や圧電基板上に圧電
薄膜を形成してなる表面波基板において圧電薄膜に接す
るように複数のＩＤＴを形成することにより構成され
る。上記圧電基板を構成する材料としては、ＬｉＴａＯ
3 、ＬｉＮｂＯ3 、水晶などの圧電単結晶やＰＺＴ系圧
電セラミックスのような圧電セラミックスからなるもの
を用いることができる。また、圧電薄膜は、例えば、上
記材料の他、ＺｎＯ、Ｔａ2 Ｏ5 などの様々な圧電材料
により構成し得る。
Ｗ共振子フィルタは、圧電基板上に複数のＩＤＴを形成
することにより、あるいは絶縁基板や圧電基板上に圧電
薄膜を形成してなる表面波基板において圧電薄膜に接す
るように複数のＩＤＴを形成することにより構成され
る。上記圧電基板を構成する材料としては、ＬｉＴａＯ
3 、ＬｉＮｂＯ3 、水晶などの圧電単結晶やＰＺＴ系圧
電セラミックスのような圧電セラミックスからなるもの
を用いることができる。また、圧電薄膜は、例えば、上
記材料の他、ＺｎＯ、Ｔａ2 Ｏ5 などの様々な圧電材料
により構成し得る。
【００１２】また、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタで
は、阻止域における減衰量を増大させるためには、ＩＤ
Ｔの数は多ければ多いほどよいが、小型化及びＶＳＷＲ
の低減の観点からは、ＩＤＴの数はある程度の数、例え
ば９個程度までとすることが望ましい。また、多電極型
ＳＡＷ共振子フィルタであるため、ＩＤＴの数は、５個
以上配置することが望ましい。
は、阻止域における減衰量を増大させるためには、ＩＤ
Ｔの数は多ければ多いほどよいが、小型化及びＶＳＷＲ
の低減の観点からは、ＩＤＴの数はある程度の数、例え
ば９個程度までとすることが望ましい。また、多電極型
ＳＡＷ共振子フィルタであるため、ＩＤＴの数は、５個
以上配置することが望ましい。
【００１３】本発明において、上記直列腕共振子は、多
電極型ＳＡＷ共振子フィルタの入力端及び／または出力
端に接続されるが、この直列腕共振子は、共振周波数が
多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に位置し得
る限り適宜の素子で構成することができる。もっとも、
好ましくは、後述の実施形態から明らかなように、直列
腕共振子についても、ＩＤＴを有するＳＡＷ共振子によ
り構成することが、生産性を高めるという点において好
ましい。また、より好ましくは、上記直列腕共振子をＳ
ＡＷ共振子で構成する場合、上記多電極型ＳＡＷ共振子
フィルタの圧電基板または表面波基板上において、直列
腕共振子用の少なくとも１個のＩＤＴを形成することに
よりＳＡＷ共振子を一体に構成してもよく、それによっ
て小型化及び生産性の向上を図り得る。
電極型ＳＡＷ共振子フィルタの入力端及び／または出力
端に接続されるが、この直列腕共振子は、共振周波数が
多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に位置し得
る限り適宜の素子で構成することができる。もっとも、
好ましくは、後述の実施形態から明らかなように、直列
腕共振子についても、ＩＤＴを有するＳＡＷ共振子によ
り構成することが、生産性を高めるという点において好
ましい。また、より好ましくは、上記直列腕共振子をＳ
ＡＷ共振子で構成する場合、上記多電極型ＳＡＷ共振子
フィルタの圧電基板または表面波基板上において、直列
腕共振子用の少なくとも１個のＩＤＴを形成することに
よりＳＡＷ共振子を一体に構成してもよく、それによっ
て小型化及び生産性の向上を図り得る。
【００１４】
【発明の実施の形態】図３は、本発明の一実施形態に係
る弾性表面波装置を説明するための略図的平面図であ
る。
る弾性表面波装置を説明するための略図的平面図であ
る。
【００１５】弾性表面波装置３１は、３６°ＹカットＸ
方向伝搬ＬｉＴａＯ3 基板３２を用いて構成されてい
る。該ＬｉＴａＯ3 基板３２上には、後述の各種電極を
形成することにより、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３
３と直列腕共振子３４とが構成されている。
方向伝搬ＬｉＴａＯ3 基板３２を用いて構成されてい
る。該ＬｉＴａＯ3 基板３２上には、後述の各種電極を
形成することにより、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３
３と直列腕共振子３４とが構成されている。
【００１６】すなわち、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ
３３は、５個のＩＤＴ３５〜３９を表面波伝搬方向に配
置した構造を有する。ＩＤＴ３５〜３９が設けられてい
る領域の表面波伝搬方向両側には、反射器４０ａ，４０
ｂが形成されている。すなわち、多電極型ＳＡＷ共振子
フィルタ３３は、５個のＩＤＴを有する５電極型ＳＡＷ
共振子フィルタである。
３３は、５個のＩＤＴ３５〜３９を表面波伝搬方向に配
置した構造を有する。ＩＤＴ３５〜３９が設けられてい
る領域の表面波伝搬方向両側には、反射器４０ａ，４０
ｂが形成されている。すなわち、多電極型ＳＡＷ共振子
フィルタ３３は、５個のＩＤＴを有する５電極型ＳＡＷ
共振子フィルタである。
【００１７】各ＩＤＴ３５〜３９は、それぞれ、互いの
電極指が間挿し合うように配置された一対のくし歯電極
３５ａ，３５ｂ，３６ａ，３６ｂ，…３９ａ，３９ｂを
有する。ＩＤＴ３６，３８の一方のくし歯電極３６ｂ，
３８ｂが共通接続されて、出力端ＯＵＴに接続されてい
る。ＩＤＴ３６，３８の他方のくし歯電極３６ａ，３８
ａはグランド電位に接続されている。また、ＩＤＴ３
５，３７，３９の一方のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３
９ａは、共通接続されており、ＳＡＷ共振子３４を介し
て入力端ＩＮに接続されている。ＩＤＴ３５，３７，３
９の他方のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３９ａはグラン
ド電位に接続されている。
電極指が間挿し合うように配置された一対のくし歯電極
３５ａ，３５ｂ，３６ａ，３６ｂ，…３９ａ，３９ｂを
有する。ＩＤＴ３６，３８の一方のくし歯電極３６ｂ，
３８ｂが共通接続されて、出力端ＯＵＴに接続されてい
る。ＩＤＴ３６，３８の他方のくし歯電極３６ａ，３８
ａはグランド電位に接続されている。また、ＩＤＴ３
５，３７，３９の一方のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３
９ａは、共通接続されており、ＳＡＷ共振子３４を介し
て入力端ＩＮに接続されている。ＩＤＴ３５，３７，３
９の他方のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３９ａはグラン
ド電位に接続されている。
【００１８】他方、ＳＡＷ共振子３４は、ＩＤＴ４１
と、ＩＤＴ４１の両側に形成された反射器４２ａ，４２
ｂとを有する。ＩＤＴ４１の一方のくし歯電極４１ａは
入力端ＩＮに接続され、他方のくし歯電極４１ｂは、Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３のくし歯電極３５ａ，３７ａ，
３９ａと接続されている。
と、ＩＤＴ４１の両側に形成された反射器４２ａ，４２
ｂとを有する。ＩＤＴ４１の一方のくし歯電極４１ａは
入力端ＩＮに接続され、他方のくし歯電極４１ｂは、Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３のくし歯電極３５ａ，３７ａ，
３９ａと接続されている。
【００１９】従って、ＳＡＷ共振子フィルタ３１では、
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力端側に、該Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３と直列に直列腕共振子として上
記ＳＡＷ共振子３４が接続されている。
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力端側に、該Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３と直列に直列腕共振子として上
記ＳＡＷ共振子３４が接続されている。
【００２０】上記５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の
通過帯域内外における減衰量周波数特性として、挿入損
失と周波数との関係を図４に示す。なお、図４において
は、実線Ｂで示す特性は、実線Ａで示す特性の要部を挿
入損失のスケールを１０倍に拡大して示す特性である
（すなわち、図４の挿入損失のスケールのうち、右側の
スケールに対応する特性である）。
通過帯域内外における減衰量周波数特性として、挿入損
失と周波数との関係を図４に示す。なお、図４において
は、実線Ｂで示す特性は、実線Ａで示す特性の要部を挿
入損失のスケールを１０倍に拡大して示す特性である
（すなわち、図４の挿入損失のスケールのうち、右側の
スケールに対応する特性である）。
【００２１】また、上記５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ
３３のインピーダンススミスチャートを図５（ａ）及び
（ｂ）に示す。図５（ａ）は、５電極型ＳＡＷ共振子フ
ィルタの２電極側ＩＤＴ３６，３８とグランド電位との
間におけるインピーダンススミスチャートであり、図５
（ｂ）は３電極型ＩＤＴ３５，３７，３９とグランド電
極との間のインピーダンススミスチャートを示す。な
お、この５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の通過帯域
は、１４２９〜１４５３ＭＨｚである。
３３のインピーダンススミスチャートを図５（ａ）及び
（ｂ）に示す。図５（ａ）は、５電極型ＳＡＷ共振子フ
ィルタの２電極側ＩＤＴ３６，３８とグランド電位との
間におけるインピーダンススミスチャートであり、図５
（ｂ）は３電極型ＩＤＴ３５，３７，３９とグランド電
極との間のインピーダンススミスチャートを示す。な
お、この５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の通過帯域
は、１４２９〜１４５３ＭＨｚである。
【００２２】本実施形態では、上記直列腕共振子として
のＳＡＷ共振子３４は、その共振周波数は、５電極型Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３の通過帯域内に位置するよう
に、かつ反共振周波数が５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ
３３の高周波側阻止域のうち、通過帯域近傍の周波数領
域に位置するように構成されている。このＳＡＷ共振子
３４の減衰量周波数特性を図６に、並びに入出力端子間
におけるインピーダンススミスチャートを図７に示す。
なお、図６にＤで示す特性は、実線Ｃで示す特性の要部
を縦軸の挿入損失を１０倍に拡大して示す特性である。
のＳＡＷ共振子３４は、その共振周波数は、５電極型Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３の通過帯域内に位置するよう
に、かつ反共振周波数が５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ
３３の高周波側阻止域のうち、通過帯域近傍の周波数領
域に位置するように構成されている。このＳＡＷ共振子
３４の減衰量周波数特性を図６に、並びに入出力端子間
におけるインピーダンススミスチャートを図７に示す。
なお、図６にＤで示す特性は、実線Ｃで示す特性の要部
を縦軸の挿入損失を１０倍に拡大して示す特性である。
【００２３】図３に示した弾性表面波装置３１は、上記
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力端側に、該Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３に直列にＳＡＷ共振子３４を接
続した構成を有するが、弾性表面波装置全体３１の減衰
量周波数特性を図８に示す。また、弾性表面波装置３１
全体のインピーダンススミスチャートを図９（ａ）及び
（ｂ）に示す。図９（ａ）は、入力端ＩＮとグランド電
位との間のインピーダンススミスチャート、図９（ｂ）
は、出力端ＯＵＴとグランド電位との間のインピーダン
ススミスチャートを示す。
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力端側に、該Ｓ
ＡＷ共振子フィルタ３３に直列にＳＡＷ共振子３４を接
続した構成を有するが、弾性表面波装置全体３１の減衰
量周波数特性を図８に示す。また、弾性表面波装置３１
全体のインピーダンススミスチャートを図９（ａ）及び
（ｂ）に示す。図９（ａ）は、入力端ＩＮとグランド電
位との間のインピーダンススミスチャート、図９（ｂ）
は、出力端ＯＵＴとグランド電位との間のインピーダン
ススミスチャートを示す。
【００２４】なお、図８における実線Ｆは、実線Ｅで示
す特性の要部を縦軸の挿入損失を１０倍に拡大して示す
特性である。図８に示した減衰量周波数特性を、ＳＡＷ
共振子３４が接続されていない５電極型ＳＡＷ共振子フ
ィルタ３３の減衰量周波数特性（図４）と比較すれば明
らかなように、図８に示す減衰量周波数特性では、高周
波側阻止域のうち、通過帯域近傍の領域で減衰量が大き
くなっていることがわかる。また、低周波数側及び高周
波数側の何れの阻止域においても、通過帯域近傍の領域
において減衰量が大きくなっていることがわかる。
す特性の要部を縦軸の挿入損失を１０倍に拡大して示す
特性である。図８に示した減衰量周波数特性を、ＳＡＷ
共振子３４が接続されていない５電極型ＳＡＷ共振子フ
ィルタ３３の減衰量周波数特性（図４）と比較すれば明
らかなように、図８に示す減衰量周波数特性では、高周
波側阻止域のうち、通過帯域近傍の領域で減衰量が大き
くなっていることがわかる。また、低周波数側及び高周
波数側の何れの阻止域においても、通過帯域近傍の領域
において減衰量が大きくなっていることがわかる。
【００２５】また、図５（ａ）及び（ｂ）に示したスミ
スチャートと、図９（ａ）及び（ｂ）に示したスミスチ
ャートを比較すると、図９（ａ）及び（ｂ）におけるイ
ンピーダンススミスチャートでは、通過帯域内（１４２
９〜１４５３ＭＨｚ）におけるインピーダンスが弾性表
面波装置３１の設計インピーダンス（各インピーダンス
スミスチャートにおける中点の位置、本実施形態では５
０Ω）に近づいているため、通過帯域内におけるＶＳＷ
Ｒが改善されることがわかる。
スチャートと、図９（ａ）及び（ｂ）に示したスミスチ
ャートを比較すると、図９（ａ）及び（ｂ）におけるイ
ンピーダンススミスチャートでは、通過帯域内（１４２
９〜１４５３ＭＨｚ）におけるインピーダンスが弾性表
面波装置３１の設計インピーダンス（各インピーダンス
スミスチャートにおける中点の位置、本実施形態では５
０Ω）に近づいているため、通過帯域内におけるＶＳＷ
Ｒが改善されることがわかる。
【００２６】この理由を、図１０を参照して説明する。
図１０において、略図化されたスミスチャート４３は、
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の３電極側のＩＤＴ
３５，３７，３９のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３９ａ
の通過帯域内（１４２９〜１４５３ＭＨｚ）におけるイ
ンピーダンスの軌跡を示す。また、略図化されたインピ
ーダンススミスチャート４４は、直列腕共振子としての
ＳＡＷ共振子３４のＩＤＴ４１の通過帯域内におけるイ
ンピーダンスの軌跡を示す。
図１０において、略図化されたスミスチャート４３は、
５電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の３電極側のＩＤＴ
３５，３７，３９のくし歯電極３５ａ，３７ａ，３９ａ
の通過帯域内（１４２９〜１４５３ＭＨｚ）におけるイ
ンピーダンスの軌跡を示す。また、略図化されたインピ
ーダンススミスチャート４４は、直列腕共振子としての
ＳＡＷ共振子３４のＩＤＴ４１の通過帯域内におけるイ
ンピーダンスの軌跡を示す。
【００２７】本実施形態では、上記５電極型ＳＡＷ共振
子フィルタ３３にＳＡＷ共振子３４が直列に接続されて
いるため、インピーダンススミスチャート上において
は、上記インピーダンススミスチャート４３とインピー
ダンススミスチャート４４と周波数系列で合成したこと
になる。従って、合成により得られたインピーダンスス
ミスチャート４５では、ＳＡＷ共振子フィルタ３３とＳ
ＡＷ共振子３４のリアクタンス分が相互にキャンセルさ
れ、通過帯域内におけるインピーダンスが設計インピー
ダンス、すなわち、５０Ω近傍となることになる。従っ
て、例えば５０Ω系の弾性表面波装置に適用した場合に
は、通過帯域内の各周波数においてインピーダンスが５
０Ωに近づいているため、通過帯域内におけるＶＳＷＲ
が改善される。
子フィルタ３３にＳＡＷ共振子３４が直列に接続されて
いるため、インピーダンススミスチャート上において
は、上記インピーダンススミスチャート４３とインピー
ダンススミスチャート４４と周波数系列で合成したこと
になる。従って、合成により得られたインピーダンスス
ミスチャート４５では、ＳＡＷ共振子フィルタ３３とＳ
ＡＷ共振子３４のリアクタンス分が相互にキャンセルさ
れ、通過帯域内におけるインピーダンスが設計インピー
ダンス、すなわち、５０Ω近傍となることになる。従っ
て、例えば５０Ω系の弾性表面波装置に適用した場合に
は、通過帯域内の各周波数においてインピーダンスが５
０Ωに近づいているため、通過帯域内におけるＶＳＷＲ
が改善される。
【００２８】なお、図３に示した実施形態では、ＳＡＷ
共振子３４が直列腕共振子として用いられており、該Ｓ
ＡＷ共振子３４は多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の
入力側においてＳＡＷ共振子フィルタ３３に直列に接続
されていたが、ＳＡＷ共振子３４は出力側に接続されて
いてもよい。すなわち、図３に示した入力端子ＩＮを出
力端子として、出力端子ＯＵＴを入力端子として用いて
もよい。
共振子３４が直列腕共振子として用いられており、該Ｓ
ＡＷ共振子３４は多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ３３の
入力側においてＳＡＷ共振子フィルタ３３に直列に接続
されていたが、ＳＡＷ共振子３４は出力側に接続されて
いてもよい。すなわち、図３に示した入力端子ＩＮを出
力端子として、出力端子ＯＵＴを入力端子として用いて
もよい。
【００２９】さらに、図１１に示すように、ＳＡＷ共振
子フィルタ３３の入力側にＳＡＷ共振子３４を接続し、
さらに出力側にもＳＡＷ共振子３４´を該ＳＡＷ共振子
フィルタ３３と直列に接続してもよい。さらに、特に図
示はしないが、ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力側及び
出力側の少なくとも一方において、複数のＳＡＷ共振子
３４を直列に接続してもよい。
子フィルタ３３の入力側にＳＡＷ共振子３４を接続し、
さらに出力側にもＳＡＷ共振子３４´を該ＳＡＷ共振子
フィルタ３３と直列に接続してもよい。さらに、特に図
示はしないが、ＳＡＷ共振子フィルタ３３の入力側及び
出力側の少なくとも一方において、複数のＳＡＷ共振子
３４を直列に接続してもよい。
【００３０】
【発明の効果】本発明によれば、多電極型ＳＡＷ共振子
フィルタの入力側及び／または出力側に、少なくとも１
個の直列腕共振子が接続されており、該直列腕共振子の
共振周波数が多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域
内に位置するように構成されている。従って、通過帯域
において、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ及び直列腕共
振子のリアクタンス分が打ち消されて、通過帯域内にお
けるＶＳＷＲが効果的に低減され、かつ通過帯域の高周
波側の阻止域における通過帯域近傍の減衰量を増大する
ことが可能となる。
フィルタの入力側及び／または出力側に、少なくとも１
個の直列腕共振子が接続されており、該直列腕共振子の
共振周波数が多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域
内に位置するように構成されている。従って、通過帯域
において、多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ及び直列腕共
振子のリアクタンス分が打ち消されて、通過帯域内にお
けるＶＳＷＲが効果的に低減され、かつ通過帯域の高周
波側の阻止域における通過帯域近傍の減衰量を増大する
ことが可能となる。
【００３１】よって、阻止域における減衰量の拡大と、
通過帯域内ＶＳＷＲの低減とを両立し得る弾性表面波装
置を提供することが可能となる。
通過帯域内ＶＳＷＲの低減とを両立し得る弾性表面波装
置を提供することが可能となる。
【図１】３電極型ＳＡＷ共振子フィルタを２段縦続接続
してなる従来の弾性表面波装置の一例を示す略図的平面
図。
してなる従来の弾性表面波装置の一例を示す略図的平面
図。
【図２】従来の多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの電極構
造を示す略図的平面図。
造を示す略図的平面図。
【図３】本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置の略
図的平面図。
図的平面図。
【図４】図３に示した多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの
減衰量周波数特性を示す図。
減衰量周波数特性を示す図。
【図５】（ａ）及び（ｂ）は、図３の弾性表面波装置で
用いられている多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの各イン
ピーダンススミスチャートを示す図。
用いられている多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの各イン
ピーダンススミスチャートを示す図。
【図６】図３の弾性表面波装置で用いられている直列腕
共振子の減衰量周波数特性を示す図。
共振子の減衰量周波数特性を示す図。
【図７】図３の弾性表面波装置で用いられている直列腕
共振子のインピーダンススミスチャートを示す図。
共振子のインピーダンススミスチャートを示す図。
【図８】図３に示した弾性表面波装置の減衰量周波数特
性を示す図。
性を示す図。
【図９】（ａ）及び（ｂ）は、それぞれ、図３に示した
弾性表面波装置全体のインピーダンススミスチャートを
示す図。
弾性表面波装置全体のインピーダンススミスチャートを
示す図。
【図１０】図３に示した実施形態において通過帯域内に
おけるＶＳＷＲが低減される理由を説明するための簡易
スミスチャート図。
おけるＶＳＷＲが低減される理由を説明するための簡易
スミスチャート図。
【図１１】図３に示した弾性表面波装置の変形例を説明
するための略図的平面図。
するための略図的平面図。
３１…弾性表面波装置 ３２…圧電基板 ３３…多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ ３４…直列腕共振子としてのＳＡＷ共振子 ３４´…ＳＡＷ共振子（直列腕共振子） ３５〜３９…ＩＤＴ ４１…ＩＤＴ ＩＮ…入力端子 ＯＵＴ…出力端子
Claims (1)
- 【請求項１】 圧電基板または圧電薄膜を有する表面波
基板と、 前記圧電基板上または圧電薄膜に接するように、かつ表
面波伝搬方向に沿って配置された複数のインターデジタ
ルトランスデューサとを有する多電極型ＳＡＷ共振子フ
ィルタと、 前記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタの通過帯域内に共振
周波数を有し、かつ前記多電極型ＳＡＷ共振子フィルタ
の入力端及び出力端の少なくとも一方に直列接続されて
いる少なくとも１個の直列腕共振子とを備えることを特
徴とする弾性表面波装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32542295A JPH09162695A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 弾性表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32542295A JPH09162695A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 弾性表面波装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09162695A true JPH09162695A (ja) | 1997-06-20 |
Family
ID=18176683
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32542295A Pending JPH09162695A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 弾性表面波装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09162695A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6556100B2 (en) | 2000-08-31 | 2003-04-29 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter with a passband formed by a longitudinally coupled filter and a resonator inductance |
| US6606016B2 (en) | 2000-03-10 | 2003-08-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave device using two parallel connected filters with different passbands |
| US6781483B2 (en) | 2000-12-15 | 2004-08-24 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP32542295A patent/JPH09162695A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6606016B2 (en) | 2000-03-10 | 2003-08-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave device using two parallel connected filters with different passbands |
| US6556100B2 (en) | 2000-08-31 | 2003-04-29 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter with a passband formed by a longitudinally coupled filter and a resonator inductance |
| US6781483B2 (en) | 2000-12-15 | 2004-08-24 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter |
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