JPH09161798A - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池及びその製造方法

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JPH09161798A
JPH09161798A JP7312953A JP31295395A JPH09161798A JP H09161798 A JPH09161798 A JP H09161798A JP 7312953 A JP7312953 A JP 7312953A JP 31295395 A JP31295395 A JP 31295395A JP H09161798 A JPH09161798 A JP H09161798A
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JP
Japan
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negative electrode
secondary battery
lithium
carbonaceous particles
lithium secondary
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Application number
JP7312953A
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English (en)
Inventor
Keisuke Narumi
恵介 成海
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を
含む負極を改良することにより充放電容量が高く、かつ
長期間に亘って貯蔵された際や高温下に貯蔵された際の
充放電容量の低下が抑制されたリチウム二次電池および
その製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極3と、リチウムイオンを吸蔵放出す
る炭素質材料を含む負極5と、リチウムイオン伝導性電
解液とを具備したリチウム二次電池において、前記負極
の炭素質材料は、表面が多孔質で、かつ比表面積が2m
2 /g〜10m2/gである炭素質粒子から形成される
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンを
吸蔵放出する炭素質材料を含む負極を改良したリチウム
二次電池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のポータブル化、コード
レス化が急速に進んでいる。そこで、その電源として小
形で、軽量、かつ高エネルギー密度で、さらに繰り返し
充電可能な二次電池の開発の要求が高まっている。この
ような要求を満たす二次電池としてリチウム二次電池の
開発が活発に行われている。
【0003】リチウム二次電池は、負極活物質としてリ
チウムが、正極活物質としては主にバナジウム酸化物、
コバルト酸化物、マンガン酸化物等のリチウムとの間で
トポケミカル反応にあずかる化合物が用いられ、リチウ
ムイオン伝導性電解液として、炭酸プロピレン(P
C)、炭酸エチレン(EC)、1,2−ジメトキシエタ
ン(DME)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、テト
ラヒドロフラン(THF)等の非水溶媒中にLiClO
4 、LiBF4 、LiAsF6 等のリチウム塩を溶解し
た非水電解液やリチウムイオン伝導性固体電解質が用い
られている。
【0004】しかしながら、上述したリチウム二次電池
は充放電効率が低く、しかも充放電のサイクル寿命が短
いという問題がある。この原因は、負極活物質のリチウ
ムと非水電解液との反応によるリチウムの劣化によると
ころが大きいと考えられている。すなわち、放電時にリ
チウムイオンとして非水電解液中に溶解したリチウム
は、充電時に前記非水電解液から析出する際に前記電解
液に含まれる非水溶媒と反応して表面が一部不活性化さ
れる。したがって、充放電の繰り返しが進むと、デント
ライド状(樹枝状)のリチウムが析出して内部短絡を起
こし、サイクル寿命が短くなる。
【0005】このようなことから、炭素質粒子のような
リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料を含む負極を備え
たリチウム二次電池が提案されている。前記負極を備え
たリチウム二次電池は、リチウムと非水電解液との反
応、さらにはデンドライド析出を抑制して負極特性の劣
化を改善することが可能である。
【0006】しかしながら、前記炭素質粒子はその比表
面積が最大でも1.3m2 /gであるため、前記炭素質
粒子を含む負極を備えた二次電池は充放電容量が低く、
そのうえ、高温下、あるいは長期間に亘って貯蔵すると
充放電容量が大幅に低下するという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リチ
ウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を含む負極を改良
することにより充放電容量が高く、かつ長期間に亘って
貯蔵された際や高温下に貯蔵された際の充放電容量の低
下が抑制されたリチウム二次電池およびその製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、正極と、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材
料を含む負極と、リチウムイオン伝導性電解液とを具備
したリチウム二次電池において、前記負極の炭素質材料
は、表面が多孔質で、かつ比表面積が2m2 /g〜10
2 /gである炭素質粒子から形成されることを特徴と
するものである。
【0009】また、前記二次電池において、前記炭素質
粒子は、予め2000℃以上で黒鉛化処理が施されてい
ることが好ましい。本発明のリチウム二次電池の製造方
法は、正極と、負極と、リチウムイオン伝導性電解液と
を有するリチウム二次電池の製造方法において、炭素質
粒子に加熱処理を施して表面が多孔質で、かつ比表面積
が2m2 /g〜10m2 /gである炭素質粒子を作製す
る工程と、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料と
して前記炭素質粒子を含む負極を組立てる工程とを具備
することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るリチウム二次
電池(例えばコイン形リチウム二次電池)を図1を参照
して説明する。例えばステンレス鋼からなる正極缶1に
は、例えばコロイダルカーボンからなる正極集電体2を
介してペレット状の正極3が収納されている。セパレー
タ4は、前記正極3上に配置されている。ペレット状の
負極5は、前記セパレータ4上に配置されている。負極
集電体6(例えば、ニッケル製エキスパンドメタルな
ど)は、前記負極5上に配置されている。例えばステン
レス鋼からなる負極缶7は、前記正極缶1の開口部に絶
縁パッキング8を介して取り付けられている。リチウム
イオン伝導性電解液は、前記正極3,前記負極5及び前
記セパレータ4に含浸されている。
【0011】次に、前記正極3、前記負極5,前記セパ
レータ4及び前記リチウムイオン伝導性電解液について
説明する。 1)ペレット状正極3 この正極3は、例えば、活物質,導電性材料及び結着剤
を混練し、これを加圧成形でペレット状にすることによ
り作製される。
【0012】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ば、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リ
チウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを
含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合
物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等
を挙げることができる。
【0013】前記導電性材料としては、例えば、人造黒
鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックな
ど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。前記結着
剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、ポリメ
タアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタアクリル酸
塩、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エス
テル、アクリル酸又はメタアクリル酸のいずれか一方と
アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルのいず
れか一方との共重合体、アクリル酸エステル又はメタア
クリル酸エステルのいずれか一方と他のモノマーとの共
重合体等を挙げることができる。 2)ペレット状負極5 この負極5は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材
料を含む。前記炭素質材料は、表面が多孔質で、かつ比
表面積が2〜10m2 /gである炭素質粒子からなる。
【0014】前記炭素質粒子は、ピッチ系炭素から形成
されることが好ましい。前記炭素質粒子の比表面積を前
記範囲に限定するのは次のような理由によるものであ
る。前記比表面積を2m2 /g未満にすると、炭素質粒
子を含む負極を備えたリチウム二次電池の充放電容量及
び貯蔵特性を改善することが困難になる。前記比表面積
が増加するにつれて前記二次電池の充放電容量は高くな
るものの、貯蔵特性が低下する傾向がある。前記炭素質
粒子の比表面積が10m2 /gを越えると、貯蔵特性の
劣化が顕著になる。より好ましい比表面積は、3〜7m
2 /gの範囲である。
【0015】前記炭素質粒子の平均粒径は、1〜100
μmにすることが望ましい。これは次のような理由によ
るものである。前記平均粒径を1μm未満にすると、前
記炭素質粒子が前記セパレータの空隙を通りやすくな
り、前記炭素質粒子と前記正極とが接触して内部短絡を
生じる恐れがある。一方、前記平均粒径が100μmを
越えると、前記炭素質粒子の比表面積が2m2 /gより
も小さくなる恐れがある。より好ましい平均粒径は2〜
40μmの範囲である。
【0016】前記炭素質粒子の短径の長径に対する比
は、1/10以上にすることが好ましい。より好ましい
短径の長径に対する比は1/2以上である。前記炭素質
粒子の形状はより真球に近いものほど好ましい。真球に
近い形状か、あるいは真球状の炭素質粒子は構造的及び
機械的安定性が高い。また、このような形状の炭素質粒
子を含む負極は、充填密度が高く、リチウムイオンの吸
蔵放出反応が均一に生じるため、サイクル寿命及び放電
容量を大幅に向上することが可能となる。
【0017】前記炭素質粒子の結晶子の配向としては、
光学的異方性組織がランダムに展開したランダム型、ブ
ルックステーラー型、放射型などを挙げることができ
る。中でも、結晶子の配向がランダムである炭素質粒子
を用いるのが好ましい。
【0018】前記結晶子の配向性がランダム型である炭
素質粒子は、X線回折による(002)面の面間隔d
002 の平均値が0.336〜0.350nmで、かつX
線回折によるC軸方向の結晶子の大きさLcの平均値が
1〜70nmである黒鉛構造を有することが好ましい。
前記d002 の平均値および前記Lcの平均値が前記範囲
を逸脱する黒鉛構造を有する炭素質粒子を含む負極は、
黒鉛構造の劣化、負極のリチウムイオン吸蔵放出量の減
少、非水電解液中の非水溶媒の還元分解によるガス発生
を招き、二次電池において容量低下等の性能劣化が生じ
る恐れがある。
【0019】前記炭素質粒子は、例えば、以下に示す方
法により作製することができる。石油ピッチ、コールタ
ール、重質油、有機樹脂または合成高分子材料等を原料
とする粒子を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中
において800℃〜1000℃の温度で、常圧もしくは
加圧下で炭素化した後、さらに不活性ガス中において2
000℃以上の温度で、常圧もしくは加圧下で黒鉛化す
る。黒鉛化された粒子を空気や、酸素ガス、水蒸気など
の酸化性ガス雰囲気下で400℃以上で加熱処理するこ
とによって表面が多孔質で、比表面積が2〜10m2
gのピッチ系炭素質粒子を作製する。
【0020】前記方法において、黒鉛化処理の温度を前
記範囲に限定するのは次のような理由によるものであ
る。黒鉛化処理が2000℃未満で行われた炭素質粒子
は、黒鉛化度が低いため、前記炭素質粒子を含む負極を
備えた二次電池は放電容量が低く、長期間に亘って高容
量を維持することが困難になる恐れがある。より好まし
い黒鉛化処理温度は2500℃以上である。
【0021】前記加熱処理を前記範囲に限定するのは次
のような理由によるものである。前記加熱処理温度を4
00℃未満にすると、炭素質粒子をその比表面積が2m
2 /g以上になるまで十分に表面改質させることが困難
になる恐れがある。前記加熱処理温度の上限値は900
℃にすることが好ましい。加熱処理温度が900℃を越
えると、炭素質粒子が焼失する恐れがある。より好まし
い加熱処理温度は500〜750℃の範囲である。ま
た、炭素質粒子の表面改質を容易に行えるので、前記加
熱処理は前記酸化性ガス雰囲気において行うことが好ま
しい。
【0022】好ましい加熱処理時間は、処理温度や、加
熱処理後の炭素質粒子の比表面積によって変動するが、
30分〜48時間の範囲内に設定すると良い。また、表
面が多孔質で、比表面積が2〜10m2 /gで、かつ結
晶子の配向がランダム型に属する炭素質粒子は、例え
ば、以下の方法によって作製することができる。
【0023】すなわち、石油ピッチ、コールタールまた
は重質油を250〜400℃の温度で前処理することに
より得られる粒子を前述した条件で炭素化、黒鉛化およ
び加熱処理することによって前記特徴を有する炭素質粒
子を作製する。
【0024】このような方法によれば、前記前処理、つ
まり炭素粒子の初期生成段階において光学的異方性を有
する品質相が一様に広がりつつ生成するのではなく、サ
ブミクロンレベルに至る微細組織がランダム状態に生成
するため、これを前述した条件で炭素化し、黒鉛化した
後、加熱処理することによって表面が多孔質で、前記範
囲の比表面積を有し、結晶子の配向性がランダム型であ
る炭素質粒子を作製できる。また、このような方法によ
ると、真球状に近い炭素質粒子が得られる。
【0025】前記負極は、具体的には、前述した表面構
造及び比表面積を有する炭素質粒子と結着剤とを含む負
極材料を混練する工程と、前記負極材料を加圧成形によ
りペレットにする工程とを具備する方法により作製する
ことができる。
【0026】前記結着剤としては、前述した正極3と同
様なものを用いることができる。前記負極には電解含浸
法によってリチウムイオンを含有させても良い。このよ
うな負極は、電池電圧が約3.0〜3.5Vに設定され
たリチウム二次電池を提供することができる。なお、前
記電解含浸法は、コイン形リチウム二次電池の容器内に
前記負極を金属リチウム板と接触させた状態で組み込
み、この二次電池に貯蔵エージングを施すことによって
前記負極の炭素質材料にリチウムイオンを吸蔵させる方
法をいう。 3)セパレータ4 このセパレータ4としては、例えば、ポリオレフィン繊
維製不織布や、ポリオレフィン繊維製多孔膜などを挙げ
ることができる。前記ポリオレフィン繊維としては、例
えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などを挙
げることができる。 4)リチウムイオン伝導性電解液 この電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより
調製される。
【0027】前記非水溶媒としては、エチレンカーボネ
ート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチ
レンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(D
MC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチ
ルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−
BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメト
キシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテ
トラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶
媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても
良い。中でも、プロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート
は、表面に陽イオン性界面活性剤が付着された炭素繊維
を含む負極に対する化学的安定性が極めて高い。このた
め、これらの非水溶媒を含む電解液と前記負極とを組み
込んだ二次電池は、前記負極の特長を十分に生かして高
容量と、高い耐衝撃性と、優れた貯蔵特性とを実現する
ことができる。
【0028】前記電解質としては、例えば、過塩素酸リ
チウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、六フ
ッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタ
ンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )等のリチウ
ム塩を挙げることができる。
【0029】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.5mol/l〜1.5mol/lとすることが
望ましい。なお、前記二次電池において前記リチウムイ
オン伝導性電解液と前記セパレータ4を用いる代りにセ
パレータ兼ねるリチウムイオン伝導性固体電解質を用い
ることができる。かかる固体電解質としては、例えば、
リチウム塩を複合化させた高分子化合物からなる高分子
固体電解質(ポリマー)等を挙げることができる。
【0030】本発明のリチウム二次電池は、リチウムイ
オンを吸蔵放出する炭素質材料を含む負極を備える。前
記炭素質材料は、表面が多孔質で、かつ比表面積が2〜
10m2 /gの炭素質粒子から形成される。この炭素質
粒子は、比表面積が1.3m2 /gと小さい従来の炭素
質粒子に比べてその層状構造の層間にリチウムイオンが
インターカレート、デインターカレートし易く、かつそ
の量を増加させることができる。したがって、前記負極
を備えるリチウム二次電池は、充放電容量を向上するこ
とができ、同時に貯蔵特性を改善することができる。
【0031】また、前記炭素質粒子が予め2000℃以
上で黒鉛化されていると、炭素質粒子の黒鉛化度が高い
ため、高い充放電容量を長期間に亘って維持できるリチ
ウム二次電池を提供できる。
【0032】本発明に係るリチウム二次電池の製造方法
は、炭素質粒子に加熱処理を施して表面が多孔質で、か
つ比表面積が2m2 /g〜10m2 /gである炭素質粒
子を作製する工程と、リチウムイオンを吸蔵放出する炭
素質材料として前記炭素質粒子を含む負極を組立てる工
程とを具備する。このような方法によれば、加熱処理に
よって炭素質粒子の表面を酸化して多孔質構造にし、前
記炭素質粒子の比表面積を増加させることができるた
め、充放電容量が高く、かつ貯蔵特性に優れたリチウム
二次電池を製造できる。
【0033】なお、本発明は、炭素質材料及び結着剤を
含むペレットからなる負極を備えたリチウム二次電池の
他に、前記炭素質材料および結着剤を含む懸濁液が集電
体に担持された構造を有する負極を備えたリチウム二次
電池にも同様に適用することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。 実施例1 <正極ペレットの作製>水酸化リチウムと二酸化マンガ
ンをLiとMnのモル比が1:3となるように混合し、
この混合物を400℃で20時間加熱することによりリ
チウムマンガン複合酸化物を作製した。このリチウムマ
ンガン複合酸化物と、導電性材料としての人造黒鉛と、
結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンとを活物
質,導電性材料及び結着剤の重量比が90:10:5に
なるように混合して混練した後、この混合物を加圧プレ
ス機により2ton/cm2 の圧力でペレット状に成形
することにより直径が15mmで、厚さが0.80mm
の正極を作製した。 <負極ペレットの作製>コールタールピッチを不活性ガ
ス雰囲気中において350℃で、大気圧の条件下に30
分間熱処理して、結晶子の配向がランダム型に属する粒
子を含有する生成物を得た。この生成物から前記粒子を
分離捕集し、これを不活性ガス雰囲気中において100
0℃の温度で炭素化し、2800℃の温度で黒鉛化処理
することによって平均粒径が17μmの球状炭素質粒子
を得た。前記炭素質粒子を空気雰囲気中において500
℃で24時間加熱処理することによって表面に微細孔が
多数存在し、かつ比表面積が2.72m2 /gである球
状炭素質粒子を作製した。
【0035】前記球状炭素質粒子95重量部に結着剤と
してスチレンブタジエンゴム5重量部を混合して混練
し、これを加圧プレス機を用いて3ton/cm2 の圧
力で直径が15mmで、厚さが0.96mmのペレット
状に加圧成形することにより負極を作製した。 <非水電解液の調製>メチルエチルカーボネート、エチ
レンカーボネート、ジエチルカーボネートが体積比で6
5:25:10の割合で混合された非水溶媒に電解質と
しての過塩素酸リチウムをその濃度が1mol/lにな
るように溶解させてリチウムイオン伝導性電解液を調製
した。 <電池の組み立て>ステンレス鋼からなる正極缶の内面
に正極集電体であるコロイダルカーボンを塗布した後、
前記正極ペレットを収納した。ポリプロピレン繊維製不
織布からなるセパレータに前記非水電解液を含浸させ、
これを前記正極缶の正極ペレットに載置した。一方、ス
テンレス鋼製の負極缶の内面に直径が12mmで、厚さ
が0.05mmのニッケル製エキスパンドメタルからな
る負極集電体を溶接した後、この負極缶と環状絶縁パッ
キングを一体化させた。前記負極缶内の前記負極集電体
上にリチウムフォイルを圧着させた後、この負極缶内に
前記負極ペレットを収納した。前記正極缶の開口部に前
記環状絶縁パッキングを介して前記負極缶に嵌合させ、
前記正極缶をかしめることにより密閉し、前述した図1
に示す外径が20mmで、厚さが2.5mmのコイン形
リチウム二次電池を組み立てた。 実施例2 炭素質粒子の加熱処理時間を36時間にし、比表面積を
4.29m2 /gにすること以外は、実施例1と同様な
構成で前述した図1に示すコイン形リチウム二次電池を
組み立てた。 実施例3 炭素質粒子の加熱処理時間を48時間にし、比表面積を
6.48m2 /gにすること以外は、実施例1と同様な
構成で前述した図1に示すコイン形リチウム二次電池を
組み立てた。 比較例1 炭素質粒子に加熱処理を施さないこと以外は実施例1と
同様な方法によって前述した図1に示すコイン形リチウ
ム二次電池を組み立てた。なお、炭素質粒子の表面には
微細孔が形成されておらず、比表面積は1.02m2
gであった。 比較例2 炭素質粒子に500℃の空気雰囲気中で96時間加熱処
理を施すことによって表面が多孔質で、比表面積が1
1.7m2 /gである炭素質粒子を作製したこと以外
は、実施例1と同様な方法によって前述した図1に示す
コイン形リチウム二次電池を組み立てた。
【0036】得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の
二次電池に20℃において7日〜14日間放置するエー
ジングを施した。このエージングによって前記リチウム
フォイルを前記負極ペレットに吸蔵させた。また、エー
ジング後の電池開路電圧は3.4Vであった。
【0037】エージングが施された実施例1〜3及び比
較例1〜2の二次電池について、60℃雰囲気に20日
間貯蔵した後、電池開路電圧を測定したところ、3.4
Vであった。また、前記貯蔵後の二次電池を250μA
の定電流で2.0Vまで放電して電池容量を測定し、こ
の結果および貯蔵前に250μAの定電流で2.0Vま
で放電した際の電池容量とを下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、表面が多孔質
で、比表面積が2〜10m2 /gである炭素質粒子を含
む負極を備えた実施例1〜3のリチウム二次電池は、高
容量で、貯蔵後の容量低下を抑制できることがわかる。
【0040】これに対し、表面が平滑で、比表面積が
1.02m2 /gである炭素質粒子を含む負極を備えた
比較例1のリチウム二次電池は、実施例1〜3に比べて
充放電容量が低く、貯蔵特性が劣ることがわかる。一
方、表面が実施例1〜3と同様に多孔質であるものの、
比表面積が11.7m2 /gである炭素質粒子を含む負
極を備えた比較例2のリチウム二次電池は、充放電容量
が実施例1〜3に比べて高くなるが、貯蔵特性が劣るこ
とがわかる。なお、前記実施例ではコイン形リチウム二
次電池に適用した例を説明したが、偏平形,円筒形及び
角形リチウム二次電池にも同様に適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、貯
蔵特性に優れ、かつ高容量なリチウム二次電池およびそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池(例えばコイン
形リチウム二次電池)を示す断面図。
【符号の説明】
1…正極缶、3…正極ペレット、4…セパレータ、5…
負極ペレット、7…負極缶、8…絶縁パッキング。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、リチウムイオンを吸蔵放出する
    炭素質材料を含む負極と、リチウムイオン伝導性電解液
    とを具備したリチウム二次電池において、前記負極の炭
    素質材料は、表面が多孔質で、かつ比表面積が2m2
    g〜10m2/gである炭素質粒子から形成されること
    を特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記炭素質粒子は、予め2000℃以上
    で黒鉛化処理が施されていることを特徴とする請求項1
    記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 正極と、負極と、リチウムイオン伝導性
    電解液とを有するリチウム二次電池の製造方法におい
    て、 炭素質粒子に加熱処理を施して表面が多孔質で、かつ比
    表面積が2m2 /g〜10m2 /gである炭素質粒子を
    作製する工程と、 リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料として前記炭
    素質粒子を含む負極を組立てる工程とを具備することを
    特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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