JPH09160545A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

Info

Publication number
JPH09160545A
JPH09160545A JP7346846A JP34684695A JPH09160545A JP H09160545 A JPH09160545 A JP H09160545A JP 7346846 A JP7346846 A JP 7346846A JP 34684695 A JP34684695 A JP 34684695A JP H09160545 A JPH09160545 A JP H09160545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state variable
analog
filter
output
digital
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7346846A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Ae
高博 阿江
Yoshibumi Sakai
義文 酒井
Toshiyuki Ochi
敏行 越智
Seiji Miyamoto
誠司 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland Corp
Original Assignee
Roland Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland Corp filed Critical Roland Corp
Priority to JP7346846A priority Critical patent/JPH09160545A/ja
Publication of JPH09160545A publication Critical patent/JPH09160545A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】人声音を生成する電子楽器において、係数とし
て設定すべきパラメータの数を減少させて記憶容量の小
さなメモリの使用を可能とし、また予め係数として設定
されているパラメータを容易に変更することを可能とし
て任意の人声音を生成できるようにし、さらには処理速
度を向上させて生成される人声音を連続的に変化せるこ
とができるようにする。 【解決手段】人声音を生成する電子楽器において、楽音
信号を入力する入力手段と、上記入力手段によって入力
された楽音信号をフィルタリングして、複数のフィルタ
リング結果を出力するステート・バリアブル・フィルタ
ーと、上記ステート・バリアブル・フィルターから出力
される複数のフィルタリング結果を、任意の割合で合成
する合成手段とを有するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器に関し、
さらに詳細には、人声を模擬した音(以下、「人声音」
と称する、)を生成することのできる電子楽器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、人声音を生成することのでき
る電子楽器が知られており、こうした人声音を生成する
ことのできる電子楽器として、例えば、特開昭58−1
62992号公報に開示された電子楽器が提案されてい
る。
【0003】この特開昭58−162992号公報に開
示された電子楽器は、人声音を生成するために、パーコ
ール・フィルターを用いて構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パーコ
ール・フィルターを用いて構成された従来の電子楽器に
おいては、 (1)係数として設定すべきパラメータの数が多いの
で、人声音を複数生成可能とするためには膨大な数のパ
ラメータを設定する必要があり、このためパラメータを
記憶するためのメモリとして、記憶容量の極めて大きな
メモリを用いる必要がある。
【0005】(2)予め係数として設定されているパラ
メータを容易に変更することができないので、電子楽器
のユーザーが任意に人声音を変更することが困難であ
る。
【0006】(3)生成される人声音を連続的に変化さ
せることができない。などの問題点があった。
【0007】本発明は、従来の技術の有する上記したよ
うな種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、人声音を生成する電子楽器におい
て、係数として設定すべきパラメータの数を減少させて
記憶容量の小さなメモリの使用を可能とし、また予め係
数として設定されているパラメータを容易に変更するこ
とを可能として任意の人声音を生成できるようにし、さ
らには処理速度を向上させて生成される人声音を連続的
に変化せることができるようにした電子楽器を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による電子楽器は、人声音を生成する電子楽
器において、楽音信号を入力する入力手段と、上記入力
手段によって入力された楽音信号をフィルタリングし
て、複数のフィルタリング結果を出力するステート・バ
リアブル・フィルターと、上記ステート・バリアブル・
フィルターから出力される複数のフィルタリング結果
を、任意の割合で合成する合成手段とを有するようにし
たものである。
【0009】さらに、本発明による電子楽器において
は、上記合成手段における合成の割合を指定する指定手
段を有するようにしたものである。
【0010】さらにまた、本発明による電子楽器におい
ては、上記ステート・バリアブル・フィルターに第1の
フィルター特性を持たせるための第1のパラメータ群
と、上記ステート・バリアブル・フィルターに第2のフ
ィルター特性を持たせるための第2のパラメータ群とを
記憶した記憶手段と、上記記憶手段に記憶された上記第
1のパラメータ群と上記第2のパラメータ群とをテンポ
に対応して補間し、上記ステート・バリアブル・フィル
ターを上記第1のフィルター特性と上記第2のフィルタ
ー特性とにより連続的にフィルタリングさせるように制
御するパラメータ時変手段とを有するようにしたもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明による電子楽器の実施の形態の一例を詳細に
説明する。
【0012】図1には、本発明による電子楽器を備えた
効果装置の全体の構成を説明するためのブロック構成図
が示されている。
【0013】図1に示す効果装置10は、図示しないエ
レキ・ギターなどの外部の楽音信号生成装置によって生
成された楽音信号を入力し、当該楽音信号に対してDS
P12によって種々の効果を付加して出力するものであ
る。即ち、この効果装置10においては、DSP12に
より各種の効果装置が実現されるものである。
【0014】この効果装置10の全体構成を説明する
と、図示しない外部の楽音信号生成装置によって生成さ
れたアナログ楽音信号を入力し、DSP12が処理可能
なデジタル楽音信号に変換して出力するアナログ・デジ
タル変換装置(A/D変換装置)14と、アナログ・デ
ジタル変換装置14から出力されたデジタル楽音信号に
種々の効果を付加して出力するDSP12と、DSP1
2から出力されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号
に変換して出力するデジタル・アナログ変換器(D/
A)16とを有して構成されている。
【0015】ここで、DSP12は、効果装置としてコ
ンプレッサー12a、ディストーション12b、リング
・モジュレーター12c、本発明による人声音を生成す
る電子楽器(以下、「ヒューマナイザー」と称する。)
12dおよびフェイザー12eを実現する。また、DS
P12は、リング・モジュレーター12cを制御するた
めの発振器12f、ヒューマナイザー12dを制御する
ためのLFO12gおよびフェイザー12eを制御する
ためのLFO12hも実現する。
【0016】そして、この効果装置10においては、ユ
ーザーがペダルなどの外部テンポ・コントローラー(図
示せず)を操作することにより、当該外部テンポ・コン
トローラーの操作に応じて、テンポ・コントローラー1
8によりテンポを設定することができるようになされて
いる。つまり、この効果装置10においては、ユーザー
が任意にテンポを設定することができるようになされて
いる。
【0017】そして、テンポ・コントローラー18によ
り設定されたテンポは、LFO12gおよびLFO12
hのLFO波形の周期を決定するために用いられる。そ
して、LFO12hはフェイザー12eのレイト(効果
の連続的な変化速度)およびステップ(効果の段階的な
変化速度)の制御に用いられ、LFO12gはヒューマ
ナイザー12dのレイト(ある人声音から他の人声音へ
の連続的な変化速度)の制御に用いられることになる。
【0018】また、この効果装置10においては、各種
の効果装置たるコンプレッサー12a、ディストーショ
ン12b、リング・モジュレーター12c、ヒューマナ
イザー12dおよびフェイザー12eのオン/オフなら
びに各種パラメータなどの組み合わせ(以下、これらの
組み合わせを「パッチ」と称する。)を予めパッチ・メ
モリ20記憶しておき、パッチ・メモリ20に予め記憶
したパッチをフット・スイッチなどの操作子(図示せ
ず)の操作に基づいて任意に読み出すようになされてい
る。
【0019】ここで、操作子によりパッチの読み出しが
指示されると、指示されたパッチに対応する各種の効果
装置たるコンプレッサー12a、ディストーション12
b、リング・モジュレーター12c、ヒューマナイザー
12dおよびフェイザー12eのオン/オフならびに各
種パラメータがパッチ・メモリ20から読み出されると
ともに、LFO12gおよびLFO12hの値が必ず
「0」から読み出されることになる。
【0020】なお、従来のLFOにおいては、パッチの
切り換えとは無関係にその値が変化していたが、この効
果装置10においては、上記したようにパッチの読み出
しが指示されると、LFO12gおよびLFO12hの
値が必ず0から読み出されるようになされている。従っ
て、この効果装置10においては、テンポを設定してそ
のテンポでLFO12gおよびLFO12hの周期が変
化するように制御されているので、拍子を数えておくこ
とでLFO12gおよびLFO12hの変化(効果のか
かり方)をユーザーが容易に知ることができるよういな
る。
【0021】例えば、パッチの切り換えを行う際に、演
奏している曲の1拍目に合わせてパッチの切り換えを行
うと、1拍単位でLFO12gおよびLFO12hの周
期が変化するならば、各拍の先頭部分ではLFO12g
およびLFO12hの値が上昇し、各拍の後半ではLF
O12gおよびLFO12hの値が下降するように制御
されることになり、演奏にメリハリを付けることができ
るようになる。
【0022】次に、DSP12により実現される上記し
た各効果装置に関して説明するが、上記したように入力
されたアナログ楽音信号は、アナログ・デジタル変換装
置14によって一旦デジタル楽音信号化され、DSP1
2により実現される上記した各効果装置によって各効果
が付与されることになる。
【0023】ここで、この効果装置10におけるアナロ
グ・デジタル変換装置14は、特開平7−15327号
公報の図1に開示された構成と同様な構成とされてい
る。
【0024】即ち、図2および図3に示されているよう
に、効果装置10におけるアナログ・デジタル変換装置
14は、特開平7−15327号公報の図1に開示され
たと同様な構成とされており、入力されたアナログ楽音
信号は、直接にアナログ・デジタル変換器(A/D)1
12に入力されるとともに、アンプ113によりAG倍
に増幅されてアナログ・デジタル変換器(A/D)11
4に入力される。アナログ・デジタル変換器112およ
びアナログ・デジタル変換器114は、いずれも16ビ
ットの分解能を有しているものとする。
【0025】図4は、図2および図3に示すアナログ・
デジタル変換装置14に入力されるアナログ楽音信号の
模式図である。入力されたアナログ楽音信号1は、上記
したように、アナログ・デジタル変換器112に入力さ
れるとともに、アンプ113でAG倍に増幅されてアナ
ログ・デジタル変換器114に入力されるが、そのアン
プ113では、アナログ楽音信号1の信号レベルが図4
に示すしきい値THに達したときに、アナログ・デジタ
ル変換器114が最大値となるレベルまでアナログ楽音
信号1が増幅される。
【0026】アナログ・デジタル変換器114から出力
されたデジタル楽音信号は、エンベロープ検出器115
と、乗算器116に入力される。エンベロープ検出器1
15では、入力されたデジタル楽音信号のエンベロープ
2が求められる。
【0027】ただし、アナログ・デジタル変換器114
には、アンプ113で増幅されたアナログ楽音信号が入
力されるため、エンベロープ検出器115で求められる
エンベロープは、しきい値THで飽和した形のエンベロ
ープとなる。
【0028】アナログ・デジタル変換器112から出力
されたデジタル楽音信号は乗算器117に入力され、ま
たアナログ・デジタル変換器114から出力されたデジ
タル楽音信号は、乗算器116に入力されて係数「C1
=1/AG」が乗算された後に乗算器118に入力され
る。乗算器117および乗算器118では、エンベロー
プ検出器115で求められたエンベロープに基づいて、
後述するようにして、入力された各デジタル楽音信号に
乗算されるべきそれぞれの係数C2および係数C3が求
められる。
【0029】乗算器117および乗算器118に入力さ
れた各デジタル楽音信号は、乗算器117および乗算器
118で係数C2および係数C3がそれぞれ乗算された
後に、加算器119で互いに加算され、このアナログ・
デジタル変換装置14の出力として出力端子120へ出
力される。
【0030】ここで、係数C2および係数C3は、次の
ようにして定められる。即ち、エンベロープ検出器11
5で求められたエンベロープが、図4に示すしきい値T
Hに飽和しているとき、つまり、図4に示す区間Bにお
いては、 C2=1.0, C3=0.0 ・・・ (1) とされ、アナログ・デジタル変換器112のみが有効と
なる。エンベロープが飽和していないとき、つまり、図
4に示す区間Aにおいて、例えば、図4に示すa点に関
しては、 C2=d2/(d1+d2) ・・・ (2) C3=d1/(d1+d2) ・・・ (3) のようにa点における検出エンベロープ上の点a’によ
って係数C2および係数C3が定められる。
【0031】これにより、入力信号が小さいほどアナロ
グ・デジタル変換器114側の比重が増加する。そし
て、アナログ・デジタル変換器114は、信号レベルの
小さい領域のみを16ビットに量子化するものであるた
め、量子化に伴う雑音が低減化される。しかもアナログ
・デジタル変換器112とアナログ・デジタル変換器1
14から出力された各デジタル信号が重み付け加算され
るため、各デジタル信号を択一的に切り換える従来の方
法と比べ、切り換えノイズがほとんど耳障りとはなら
ず、従って、オフセットやドリフト等が多少許容され、
低価格のアナログ・デジタル変換器を使用し低コストの
アナログ・デジタル変換装置14を構成することができ
る。
【0032】DSP12により実現される上記した各効
果装置に関して説明すると、コンプレッサー12aは入
力信号を圧縮して楽音を伸ばす効果を付与するものであ
る。ところで、従来のコンプレッサーにおいては、アタ
ック・パラメータを下げる(入力の立ち上がり部分を抑
え込む)と、聴感上レベルが下がったかのように聴こえ
ていた。このため、上記した聴感上のレベルの低下を解
消するために、従来のコンプレッサーにおいては、上記
した聴感上のレベルの低下に見合う分だけレベル・パラ
メータを上げる必要があった。
【0033】このため、コンプレッサー12aにおいて
は、上記したような聴感上のレベルの低下に見合う分だ
けレベル・パラメータを上げる必要性を排除するため
に、アタック・パラメータの変化に自動的に対応して、
聴感上のレベルが変化しないような値にレベル・パラメ
ータを変更するようになされている。
【0034】次に、ディストーション12bに関して説
明すると、ディストーションの効果に関しては、デジタ
ルよりもアナログで処理を行った方が、より自然な歪み
が得られることが知られている。
【0035】そこで、効果装置10におけるディストー
ション12bでは、図2に示すようにディストーション
・オンの場合には、SW1、SW2、SW3、SW4お
よびSW5が端子A側に切り換わるようになされてい
る。従って、効果装置10に入力されたアナログ楽音信
号は、アナログ・デジタル変換装置14を構成するアナ
ログ・デジタル変換器112によりデジタル楽音信号に
アナログ・デジタル変換され、このアナログ・デジタル
変換されたデジタル楽音信号がコンプレッサー12aに
入力されて波形を整えられる。こうして波形整形された
デジタル楽音信号は、ディストーション12bのプレ・
イコライザー(Pre EQ)122へ入力され、プレ
・イコライザー122から出力されるデジタル楽音信号
がデジタル・アナログ変換器22に入力されて、アナロ
グ楽音信号にデジタル・アナログ変換される。
【0036】そして、デジタル・アナログ変換器22に
よりデジタル・アナログ変換されたアナログ楽音信号が
アナログ・ディストーション回路24に入力され、アナ
ログ処理によりディストーション効果が付与された後
に、再度アナログ・デジタル変換装置14に入力されて
デジタル・アナログ変換器114でデジタル楽音信号に
アナログ・デジタル変換される。さらに、こうしてアナ
ログ・デジタル変換されたデジタル楽音信号は、ディス
トーション12bのポスト・イコライザー(Post
EQ)124に入力されてディストーション効果を付与
されて出力される。
【0037】これにより、デジタル処理とアナログ処理
との良い部分のみを使ったディストーション効果を得る
ことができるようになる。
【0038】一方、ディストーション・オフの場合に
は、SW1、SW2、SW3、SW4およびSW5が端
子B側に切り換わり、効果装置10に入力されたアナロ
グ楽音信号は、アナログ・デジタル変換装置14により
デジタル楽音信号にアナログ・デジタル変換され、この
アナログ・デジタル変換されたデジタル楽音信号がコン
プレッサー12aに入力されて波形を整えられる。こう
して波形整形されたデジタル楽音信号は、プレ・イコラ
イザー122、ポスト・イコライザー124およびアナ
ログ・ディストーション回路24を通過することなく、
パッチによって組み合わされた効果装置に出力される。
【0039】次に、リング・モジュレーター12cにつ
いて説明する。ここで、従来のリングモジュレーターと
は、入力信号を外部コントローラーなどによって設定さ
れた周波数でリング変調するものであったが、この効果
装置10のリング・モジュレーター12cは、アナログ
・デジタル変換装置14から入力される楽音信号のピッ
チをピッチ検出器26により検出し、その検出結果に外
部コントローラーの制御値を加算した情報で発振器12
fの発振周波数を制御し、入力信号と発振器12fの出
力信号とでリング変調するようになされている。このた
め、入力信号の周波数の変化に対応したリング変調を付
加することができ、より音楽的なリング変調を行うこと
ができるようになる。
【0040】さらに、ヒューマナイザー12dに関して
説明すると、このヒューマナイザー12dは、詳細には
図5に示すような構成とされており、「あ」、「え」、
「い」、「お」および「う」と聴取される人声音を発音
するためのパラメータは、図6に示すようになってい
る。
【0041】まず、図5を参照しながら、人間の声(フ
ォルマント)をシミュレートするヒューマナイザー12
dの構成を説明すると、ヒューマナイザー12dは、デ
ジタル楽音信号が入力される2個のステート・バリアブ
ル・フィルター(第1ステート・バリアブル・フィルタ
ー200および第2ステート・バリアブル・フィルター
202)を有して構成される。
【0042】ここで、ステート・バリアブル・フィルタ
ーの構成を図7を参照しながら説明すると、図7には公
知のステート・バリアブル・フィルターのブロック構成
図が示されており、ステート・バリアブル・フィルター
の端子300からはハイ・パス・フィルター(HPF)
としての出力(HPF出力)を得ることができ、端子3
02からはバンド・パス・フィルター(BPF)として
の出力(BPF出力)を得ることができ、端子304か
らはロー・パス・フィルター(LPF)としての出力
(LPF出力)を得ることができる。
【0043】図5に示すヒューマナイザー12dにおい
ては、入力信号が第1ステート・バリアブル・フィルタ
ー200と第2ステート・バリアブル・フィルター20
2とに入力されることになるが、第1ステート・バリア
ブル・フィルター200は入力信号の低域周波数部分の
フィルターとして機能するものであり、出力信号として
LPF出力とBPF出力とが出力されるものである。ま
た、第2ステート・バリアブル・フィルター202は入
力信号の高域周波数部分のフィルターとして機能するも
のであり、出力信号としてHPF出力とBPF出力とが
出力されるものである。
【0044】これら第1ステート・バリアブル・フィル
ター200から出力されたLPF出力およびBPF出力
と、第2ステート・バリアブル・フィルター202から
出力されたHPF出力およびBPF出力とは、アンプ2
04、206、208、210にそれぞれ入力されてレ
ベル調整され、加算器212により加算されて出力され
る。
【0045】そして、第1ステート・バリアブル・フィ
ルター200と第2ステート・バリアブル・フィルター
202とには、パラメータとして周波数とQ値がそれぞ
れ存在し、第1ステート・バリアブル・フィルター20
0と第2ステート・バリアブル・フィルター202との
それぞれの出力のミックス・レベルを決定するパラメー
タたるアンプ204、206、208、210のそれぞ
れのゲインと合わせて、8個のパラメータ(周波数:2
個、Q値:2個、ゲイン:4個)を適宜設定変更するこ
とにより母音をシミュレートすることができる。
【0046】即ち、図8(a)(b)(c)(d)
(e)には、各母音のフォルマントが示されているが、
このフォルマントをシミュレートするように、上記した
各パラメータを設定することになる。
【0047】そして、本発明においては、図6に示すよ
うに、メモリ(図示せず)に各母音毎に8種類のパラメ
ータのテーブルを記憶するようにしておき、これらのパ
ラメータを切り換えるのではなくて、LFO12gの制
御によりこれらのパラメータをテンポに対応して連続的
に補間することにより、ある母音から他の母音へ全ての
パラメータが滑らかに推移するようにさせている。これ
により、テンポに同期して、例えば、「あーえーあーえ
ーあーえー・・・」と連続して発音させることが可能と
なり、自然な母音の変化を表現することができる。
【0048】このときに、LFO12gのLFO波形の
制御を行うことにより、よりスムーズな連続発音が可能
となる。以下、このLFO12gのLFO波形の制御に
関して説明する。
【0049】ここで、一般に、コーラス、フランジャー
あるいはフェイザーなどに使用されるLFOの波形は、
図9(a)に示すような鋸波から得られる三角波(図9
(b))をもとにしている。
【0050】ところで、ヒューマナイザーについては、
このLFOの値が最大となる三角波の最大値と最小値と
における頂点(点fおよび点g)において、パラメータ
が設定された2つの人声音(人声音1および人声音2)
となるため、点fと点gとの間の区間hで発音される人
声音1でも人声音2でもない曖昧な人声音の部分が支配
的となり、人声音をはっきり発音させたいときには不向
きなものであった。
【0051】こうした点を解消するために、本発明にお
いては、LFOのデプス(2つの人声音の連続的な変化
幅)を上げていくと、LFOがオーバーフローを起こし
て台形波となることを利用し(図9(c))、これによ
りある人声音が他の人声音に滑らかに変化する時間(区
間j)と、各人声音をはっきりと発音させる時間(区間
i)との比を容易に調整することができるようになされ
ている。
【0052】ただし、テンポ入力や、入力信号のエンベ
ロープ、パッチの切り換えなどによって、LFOの開始
点を初期化(ここでは、LFO波形のもととなる鋸波の
初期値を「0」とすることを意味する。)する場合、三
角波では時間軸上のずれに関しては何らの問題も生じな
いが(図10(a))、台形波の場合では時間軸上で
「−1」となる開始点がずれてくるため(図10
(b))、これを補正する必要がある。
【0053】そこで、LFO波形のもととなる鋸波に与
える初期値をデプスにあわせて補正することにより(図
11(b))、鋸波に基づき生成される台形波の開始点
のずれをなくすようにしている(図11(a))。
【0054】即ち、デプスをDとし、三角波が「−1」
から「1」まで変化するときの値を「D=1」とする
と、「D>1」のとき、つまり台形波のときに、開始点
を補正するために鋸波に与える初期値Eは、 E=−0.5×(1.0−1/D) で表される。なお、「D≦1」のときは、当然のことな
がら、E=0である。
【0055】また、ヒューマナイザー12dの構成は、
図5に示される構成に限定されるものではなく、第1ス
テート・バリアブル・フィルター200と第2ステート
・バリアブル・フィルター202との間に、新たなフィ
ルターを1以上設けるようにしてもよい。
【0056】例えば、図12に示すように、第1ステー
ト・バリアブル・フィルター200と第2ステート・バ
リアブル・フィルター204との間に、第3のフィルタ
ーとして第3ステート・バリアブル・フィルター214
を加え、第3ステート・バリアブル・フィルター214
のBPF出力をアンプ216でレベル調整した後に加算
器212を入力して加算することにより、発音される人
声音の明瞭度を上げることができる。なお、この際に、
設定すべきパラメータとしては、第3ステート・バリア
ブル・フィルター214の周波数、Q値、BPF出力の
レベルを示すアンプ216のゲインの3種類が増加する
ことになる。
【0057】また、第1ステート・バリアブル・フィル
ター200と第2ステート・バリアブル・フィルター2
02との間に加えるフィルターの数をさらに増加すれ
ば、発音される人声音の明瞭度をさらに上げることがで
きる。
【0058】なお、加えるフィルターの数としては、フ
ォルマントの山の数に応じてフィルターの数を設定する
ようにすると、人声音の明瞭度を上げるのに効果的であ
る。さらに、フェイザー12eに関して説明するが、従
来のフェイザーは、図13に示すように多段のオール・
パス・フィルター(APF)により構成されており、各
段のオール・パス・フィルターに各々異なる係数をかけ
ることにより、アナログ・フェイザーのような動作を行
わせることができるようになされている(なお、理解を
容易にするため、図13においては、フィードバック・
ループは省略している。)。
【0059】こうしたフェイザーをDSPでシミュレー
トした場合には、当然のことながら各段のオール・パス
・フィルターの動作が確実に同期することになる。とこ
ろが、元々のアナログ・フェイザーの場合には、制御さ
れる素子(例えば、フォト・カプラーやFETなど)の
ばらつきにより、各段の動作は微妙にずれており、ユー
ザーにはこれが「アナログらしさ」であると考えられて
いた。
【0060】そこで、こうした「アナログらしさ」をデ
ジタル処理において実現するために、フェイザー12e
においては、図14に示すように、多段に構成されたオ
ール・パス・フィルター400のそれぞれに対して、各
段のオール・パス・フィルター400を制御する制御デ
ータのレベルをそれぞれ制御するためのアンプ402を
それぞれ設けるようにしている。あるいは、アンプの代
わりに加算器を設け、それぞれに異なる値を加算してバ
イアスを付加するようにしてもよい。
【0061】こうして、各段のオール・パス・フィルタ
ー400を制御するためのアンプ402のゲインを調整
し、バイアスやデプスにばらつきをもたせることによ
り、「アナログらしさ」を備えたフェイザーを実現する
ことができる。なお、このばらつきは、時変させてもよ
いことは勿論である。
【0062】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、人声を生成する電子楽器において、係数と
して設定すべきパラメータの数を減少することができる
ので、記憶容量の小さなメモリの使用が可能となり、ま
た予め係数として設定されているパラメータを容易に変
更することが可能であるので、容易に任意の人声音を生
成することができるようになり、さらには処理速度が向
上されるので生成される人声音を連続的に変化せること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子楽器を備えた効果装置の全体
の構成を示すブロック構成図である。
【図2】ディストーションの構成を示すブロック構成図
であり、ディストーション・オンの場合を示している。
【図3】ディストーションの構成を示すブロック構成図
であり、ディストーション・オフの場合を示している。
【図4】図2および図3に示すアナログ・デジタル変換
装置に入力されるアナログ楽音信号の模式図である。
【図5】ヒューマナイザーの構成を示すブロック構成図
である。
【図6】「あ」、「え」、「い」、「お」および「う」
と聴取される人声音を発音するためにヒューマナイザー
に設定するパラメータの一例を示す図表である。
【図7】ステート・バリアブル・フィルターの構成を示
すブロック構成図である。
【図8】(a)は母音「あ」の人声音を生成させる場合
のフィルターの特性を示すグラフであり、(b)は母音
「え」の人声音を生成させる場合のフィルターの特性を
示すグラフであり、(c)は母音「い」の人声音を生成
させる場合のフィルターの特性を示すグラフであり、
(d)は母音「お」の人声音を生成させる場合のフィル
ターの特性を示すグラフであり、(e)は母音「う」の
人声音を生成させる場合のフィルターの特性を示すグラ
フである。
【図9】(a)は鋸波の波形を示すグラフであり、
(b)は三角波の波形を示すグラフであり、(c)は台
形波の波形を示すグラフである。
【図10】(a)は鋸波を初期化した場合の三角波の波
形を示すグラフであり、(b)は鋸波を初期化した場合
の台形波の波形を示すグラフである。
【図11】(a)は初期値を補正した鋸波から得られた
台形波を示すグラフであり、(b)は 初期値を補正し
た鋸波を示すグラフである。
【図12】ヒューマナイザーの構成の変形例を示すブロ
ック構成図である。
【図13】従来のフェイザーの構成を示すブロック構成
図である。
【図14】フェイザーの構成を示すブロック構成図であ
る。
【符号の説明】
10 効果装置 12 DSP 14 アナログ・デジタル変換装置 16 デジタル・アナログ変換器 18 テンポ・コントローラー 20 パッチ・メモリ 22 デジタル・アナログ変換器 24 アナログ・ディストーション
回路 26 ピッチ検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 誠司 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目4番16号 ローランド株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人声音を生成する電子楽器において、 楽音信号を入力する入力手段と、 前記入力手段によって入力された楽音信号をフィルタリ
    ングして、複数のフィルタリング結果を出力するステー
    ト・バリアブル・フィルターと、 前記ステート・バリアブル・フィルターから出力される
    複数のフィルタリング結果を、任意の割合で合成する合
    成手段とを有することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子楽器において、 前記合成手段における合成の割合を指定する指定手段と
    を有することを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1項に記載
    の電子楽器において、 前記ステート・バリアブル・フィルターに第1のフィル
    ター特性を持たせるための第1のパラメータ群と、前記
    ステート・バリアブル・フィルターに第2のフィルター
    特性を持たせるための第2のパラメータ群とを記憶した
    記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記第1のパラメータ群と前
    記第2のパラメータ群とをテンポに対応して補間し、前
    記ステート・バリアブル・フィルターを前記第1のフィ
    ルター特性と前記第2のフィルター特性とにより連続的
    にフィルタリングさせるように制御するパラメータ時変
    手段とを有することを特徴とする電子楽器。
JP7346846A 1995-12-13 1995-12-13 電子楽器 Pending JPH09160545A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7346846A JPH09160545A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 電子楽器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7346846A JPH09160545A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 電子楽器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09160545A true JPH09160545A (ja) 1997-06-20

Family

ID=18386209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7346846A Pending JPH09160545A (ja) 1995-12-13 1995-12-13 電子楽器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09160545A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022263607A1 (fr) * 2021-06-16 2022-12-22 Monday Noise Dispositif de traitement d'un signal audio

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022263607A1 (fr) * 2021-06-16 2022-12-22 Monday Noise Dispositif de traitement d'un signal audio
FR3124304A1 (fr) * 2021-06-16 2022-12-23 Monday Noise Dispositif de traitement d’un signal audio

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4747835B2 (ja) オーディオ再生の効果付加方法およびその装置
US5789689A (en) Tube modeling programmable digital guitar amplification system
US5753845A (en) Karaoke apparatus creating vocal effect matching music piece
US8213636B2 (en) Method and a system for reconstituting low frequencies in audio signal
US5862232A (en) Sound pitch converting apparatus
JP4076887B2 (ja) ボコーダ装置
JP2002215195A (ja) 音楽信号処理装置
US5969282A (en) Method and apparatus for adjusting the pitch and timbre of an input signal in a controlled manner
JP3786036B2 (ja) 残響付与装置、残響付与方法、プログラムおよび記録媒体
JP2003233377A (ja) 楽音生成装置および楽音生成方法
JPH09160545A (ja) 電子楽器
US6208969B1 (en) Electronic data processing apparatus and method for sound synthesis using transfer functions of sound samples
EP1493144B1 (en) Generating percussive sounds in embedded devices
JP3428401B2 (ja) 波形データ処理方法
JP4344438B2 (ja) オーディオ信号波形処理装置
JP3197975B2 (ja) ピッチ制御方法及び装置
JPH0650432B2 (ja) 楽音信号発生装置
JPS61204697A (ja) 楽音信号発生装置
JP3538908B2 (ja) 電子楽器
JP3977654B2 (ja) 波形生成装置
JP3525482B2 (ja) 音源装置
JP3731478B2 (ja) 波形データ解析方法、波形データ解析装置および記録媒体
JP2940440B2 (ja) 電子楽器の波形データ圧縮記録方法および波形データ再生方法
JP3882363B2 (ja) 楽音信号のエフェクト回路
JP3278884B2 (ja) 電子楽器の楽音制御装置