JPH09159756A - 干渉型高分解能レーダ装置及び高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定方法 - Google Patents

干渉型高分解能レーダ装置及び高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定方法

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JPH09159756A
JPH09159756A JP7323048A JP32304895A JPH09159756A JP H09159756 A JPH09159756 A JP H09159756A JP 7323048 A JP7323048 A JP 7323048A JP 32304895 A JP32304895 A JP 32304895A JP H09159756 A JPH09159756 A JP H09159756A
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resolution radar
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terrain
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雅史 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 航空機に搭載された合成開口レーダ装置によ
り地形高さを測定する干渉型合成開口レーダ装置におい
て、アンテナ1つで2種類の画像を得るようにして構成
を簡単にし、さらに、ロール角の影響を受けないように
する。 【解決手段】 時刻t1 における点P1 を第1の観測点
とし、時刻t2 における点P2 を第2の観測点とし、点
12 間の距離をベースラインBとし、アンテナのビ
ームを斜め後方に向けて点Qを照射し、これらの観測点
からの2種類の画像を求め、これら画像に基づき測定対
象の地形上の点Qと点P1 との間の距離r1Q、点Qと点
2 間の距離r2Qの差を求め、これとベースラインBに
より点Qの高さh求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機や人工衛
星等のプラットホームに搭載された合成開口レーダ装置
(SAR:Synthetic Aperture R
adar)あるいはDBS装置(Doppler Be
am Sharpening)等の高分解能レーダ装置
により構成され、地形等の対象物を広域にわたって高精
度に測定して、災害や開発に伴う地形等の対象物の変動
を監視するために用いられる干渉型高分解能レーダ装置
及び高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】防災上あるいは地域開発の観点から地形
の高度マップを迅速かつ正確に作成することが求められ
ている。そのために、航空機あるいは人工衛星のプラッ
トホームに高分解能レーダを搭載し、このデータに基づ
き地形の高度マップを作成することが行われる。地形デ
ータは、レーダセンサを動作させながら高度マップを形
成すべき地域の上をプラットホームが飛行することによ
って得られる。
【0003】従来のこの種の干渉型高分解能レーダ装置
として、米国特許第4551724号に記載された、2
つの合成開口レーダ装置を航空機に搭載して構成したも
のがある。
【0004】この装置は、位置のあいまいさを避けるた
めに航空機の両翼に(航空機の進行方向に対して直交す
る方向に離して)それぞれ受信アンテナを設け、それぞ
れ合成開口処理を行っている。これら2つのアンテナは
進行方向に対して直交方向の同一地域をカバーするよう
に指向されている。進行方向とアンテナのビームとのな
す角度をスクイント角というが、この場合、スクイント
角は90度(進行方向と直交)である。それぞれのアン
テナのデータは、傾斜距離及びドップラー周波数の両方
について処理される。
【0005】これら2つの処理結果、地形の同じ部分に
ついての画像が2つ得られる。これら画像には、各画素
ごとに送信波を基準とする反射波の位相が与えられる。
したがって、これら2つの画像間で相関をとりつつ位相
差を求めることにより、特定の地点についてのこれら2
つのアンテナと地形とにより形成される三角形の形状が
わかる。プラットホームの位置は既知であるから、簡単
な三角測量により地域の高度を知ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような地形の高
度マップを得るための従来の干渉型高分解能レーダ装置
にはいくつかの問題点がある。
【0007】第1に、観測をするためにすくなくとも2
つアンテナを搭載する必要がある。これは1つのアンテ
ナでは1種類の画像しか得られないからである。2種類
の画像がないと比較ができず、よって位相差を求めるこ
とができないからである。したがって、装置の構成が複
雑になるばかりでなく重量が増加して航空機等への搭載
が困難になる。また、2つのアンテナを設置するための
スペースも問題になる。
【0008】第2に、正確な測定を行うには、プラット
ホームの正確な位置の加えて正確な姿勢を知る必要があ
る。姿勢が変化すると2つのアンテナで受信する信号間
の位相差が変化し、三角形の形状を特定する際に誤差が
生じるからである。この姿勢を示すデータのひとつとし
てロール角があるが、航空機に備えられているロール角
の測定装置の測定精度はあまり高くなく、測定高度に誤
差が生じるのを避けることはできない。この第2の課題
を解決した干渉型高分解能レーダ装置として、特表平6
−510859号公報に記載されているものがあるが、
この装置は2つの合成開口レーダ装置に加え、さらに実
際の地形の高度を測定する電波高度計を必要とする。し
たがって装置はさらに複雑となり、重量も増加してしま
う。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、構成が簡単であるとともに、プ
ラットホームの姿勢の変化により生じる測定誤差を低減
できる干渉型高分解能レーダ装置及び高分解能レーダ装
置を用いた地形高さ測定方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る高分解能
レーダ装置を用いた地形高さ測定方法は、移動体に搭載
された高分解能レーダ装置により異なる観測点から地形
を観測して得られた複数の画像を比較することにより地
形高さを測定する高分解能レーダ装置を用いた地形高さ
測定方法において、第1の高分解能レーダ装置を搭載す
る第1の移動体の位置を第1の観測点とし、第2の高分
解能レーダ装置を搭載し、上記第1の移動体と同じ進路
上にある第2の移動体の位置を第2の観測点とし、測定
対象である地形上の点と上記第1の観測点、上記第2の
観測点との間の距離をそれぞれ第1の距離、第2の距離
としたとき、これら第1の距離と第2の距離とが異なる
ように、上記第1、第2の高分解能レーダのビームを移
動体の進路に対して斜めにして地形を照射し、上記第1
の観測点による第1の画像と上記第2の観測点による第
2の画像とを比較することにより地形高さを測定するも
のである。
【0011】移動体とは、プラットホームと呼ばれ、航
空機、人工衛星等が用いられる。高分解能レーダ装置と
は、アンテナで決まる分解能よりも高い分解能を信号処
理により得るレーダ装置であり、画像レーダ装置とも呼
ばれる。たとえば、合成開口レーダ装置(SAR:Sy
nthetic Aperture Radar)ある
いはDBS装置(Doppler Beam Shar
pening)等がある。
【0012】複数の画像の比較とは、実際の地形上の点
との対応をとりつつ画像を構成する画素ごとにその受信
信号の振幅あるいは位相を比較することである。画素ご
との受信信号は一般に複素信号であり振幅及び位相を有
する。比較により位相差が求められれば波長が既知であ
ることから直ちに距離の差が求められる。したがって幾
何学的原理に基づき地形の高さを求めることができる。
なお、従来の写真測量は地形までの距離でなく観測点か
らみた地形の角度を測定することにより地形の高さを求
めたが、この発明によれば地形までの距離を測定する点
で異なる。一般に角度測定の方が誤差が大きくなる。
【0013】上記第1の観測点と上記第2の観測点とは
同じ進路上にある。この2点を結ぶ線分をベースライン
と言う。なお、従来例においてベースラインは進路に対
し直交していた。ビームが進路に対してなす角度がスク
イント角である。スクイント角は0〜180度である。
ビームを移動体の進路に対して斜めに向けるというの
は、スクイント角を、0度、90度、180度以外の任
意の角度にするということである。たとえば、45度、
135度に設定する。
【0014】請求項2に係る高分解能レーダ装置を用い
た地形高さ測定方法は、上記第1の移動体と上記第2の
移動体を同じものとし、上記第1の観測点を第1の時刻
における上記移動体の位置とし、上記第2の観測点を第
2の時刻における上記移動体の位置としたものである。
【0015】請求項3に係る高分解能レーダ装置を用い
た地形高さ測定方法は、上記高分解能レーダ装置のビー
ムを第1の部分と第2の部分とに分割し、同じ地形上の
点について、上記第1の観測点において上記第1のビー
ムで観測し、上記第2の観測点において上記第2のビー
ムで観測するものである。ビームの分割は、1つのビー
ムで2つの視点からの2種類の画像を得るために行われ
るもので、周波数軸上あるいは時間軸上で行われる。
【0016】請求項4に係る高分解能レーダ装置を用い
た地形高さ測定方法は、上記第1の観測点及び上記第2
の観測点において、上記高分解能レーダ装置のビームを
同じ地形上の点を照射するように制御しつつ観測するも
のである。ビームの向きの制御は、ビームを分割するこ
となく、1つのビームで2つの視点からの2種類の画像
を得るために行われる。
【0017】請求項5に係る高分解能レーダ装置を用い
た地形高さ測定方法は、移動体の進路を上昇あるいは下
降する進路としたものである。
【0018】請求項6に係る高分解能レーダ装置を用い
た地形高さ測定方法は、移動体の進路に対して交差する
線上の異なる位置に配置された第1の高分解能レーダ装
置と第2の高分解能レーダ装置とを用い、上記第1の観
測点において上記第1の高分解能レーダ装置により観測
し、上記第2の観測点において上記第2の高分解能レー
ダ装置により観測するものである。
【0019】請求項7に係る干渉型高分解能レーダ装置
は、移動体に搭載された干渉型高分解能レーダ装置にお
いて、高周波信号を出力する送信機と、送受信ビームが
上記移動体に対して斜めに向けられ、上記送信機から高
周波信号を地表に照射するとともに、地表からの反射信
号を受信する送受信アンテナと、上記送受信アンテナか
ら反射信号を受けて受信処理を行う受信機と、上記送受
信ビームの方向のレンジ分解能を改善するパルス圧縮部
と、上記パルス圧縮部の出力を送受信ビーム内の位置に
応じて分割して第1の信号と第2の信号として出力する
信号分割部と、上記第1の信号、第2の信号をそれぞれ
受け、上記送受信ビームの方向と交差する方向のクロス
レンジ分解能を改善し、高分解能レーダ画像をそれぞれ
得る第1、第2の画像再生部と、上記第1の画像再生部
により得られた第1の観測点からの高分解能レーダ画像
と、上記第2の画像再生部により得られた第2の観測点
からの高分解能レーダ画像と干渉させて地形の高さ情報
を得る干渉処理部と、地形の高さを測定する基準となる
平面上に上記送受信アンテナのビームが照射されたとし
たときの反射点を仮想反射点とし、上記移動体の位置に
基づき計算することにより上記仮想反射点の高さ情報を
得る仮想反射点干渉処理部と、上記干渉処理部の出力と
上記仮想反射点干渉処理部の出力とを比較することによ
り地形の高さを求める高度差算出部とを備えたものであ
る。
【0020】仮想反射点は、たとえば水平面上の点であ
り、移動体の位置及び高度が分かれば観測点と仮想反射
点との間の相対的位置関係は計算で求めることができ
る。仮想反射点を導入することにより高度差算出の際の
精度は向上する。
【0021】請求項8に係る干渉型高分解能レーダ装置
は、上記信号分割部に、送受信ビーム内の分割位置に対
応する周波数に対して低い周波数を通過させ、上記第1
の信号として出力する低域通過フィルタと、高い周波数
を通過させて上記第2の信号として出力する高域通過フ
ィルタとを備えたものである。
【0022】請求項9に係る干渉型高分解能レーダ装置
は、上記信号分割部に、送受信ビームを第1の部分と第
2の部分に分割するときに、上記パルス圧縮部からの信
号を、上記移動体の移動に伴い上記第1の部分が地形の
一点を通過するために必要な時間に対応する時間だけ遅
延させて上記第2の信号として出力する遅延手段を備
え、上記信号分割部は上記第1の信号として上記パルス
圧縮部からの信号をそのまま出力するものである。
【0023】請求項10に係る干渉型高分解能レーダ装
置は、上記移動体の移動に伴い、上記送受信ビームが同
じ地形上の点を照射するように上記送受信アンテナの指
向方向を制御するアンテナ制御装置を備えたものであ
る。
【0024】請求項11に係る干渉型高分解能レーダ装
置は、上記移動体の上昇あるいは下降速度を検出する上
昇降下速度計を備え、上記高度差算出部は、上記上昇降
下速度計の出力に基づき上記干渉処理部の出力と上記仮
想反射点干渉処理部の出力とを比較することにより地形
の高さを求めるものである。
【0025】請求項12に係る干渉型高分解能レーダ装
置は、移動体に搭載された干渉型高分解能レーダ装置に
おいて、高周波信号を出力する送信機と、送受信ビーム
が上記移動体に対して斜めに向けられ、上記送信機から
高周波信号を地表に照射するとともに、地表からの反射
信号を受信する第1のアンテナと、受信ビームが上記移
動体に対して斜めに向けられ、地表からの反射信号を受
信する第2のアンテナと、上記第1、第2のアンテナか
ら反射信号を受けてそれぞれ受信処理を行う第1、第2
の受信機と、上記第1、第2の受信機の出力を受けて上
記ビームの方向についてのレンジ分解能をそれぞれ改善
する第1、第2のパルス圧縮部と、第1、第2のパルス
圧縮部の出力をそれぞれ受け、上記ビームの方向と交差
する方向のクロスレンジ分解能を改善し、高分解能レー
ダ画像をそれぞれ得る第1、第2の画像再生部と、上記
第1の画像再生部により得られた第1の観測点からの高
分解能レーダ画像と、上記第2の画像再生部により得ら
れた第2の観測点からの高分解能レーダ画像と干渉させ
て地形の高さ情報を得る干渉処理部と、地形の高さを測
定する基準となる平面上に上記アンテナのビームが照射
されたとしたときの反射点を仮想反射点としたとき、上
記移動体の位置に基づき計算することにより上記仮想反
射点の高さ情報を得る仮想反射点干渉処理部と、上記干
渉処理部の出力と上記仮想反射点干渉処理部の出力とを
比較することにより地形の高さを求める高度差算出部と
を備え、上記第1、第2のアンテナを、上記移動体の進
路に対して交差する線上の異なる位置に配置したもので
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1に
ついて図を用いて説明する。この発明の実施の形態1
は、プラットホームとして航空機を、高分解能レーダ装
置として合成開口レーダ装置を用いたものである。
【0027】以下の説明は、この発明の実施の形態1の
(1) 動作原理、(2) 高度を求めるための数式、(3) 具体
的構成とその動作説明の順序で行う。
【0028】[動作原理]干渉型高分解能レーダ装置の
原理は、異なる位置から電波を照射して得られた視野の
異なる2枚の画像を比較することにより、対象としてい
る地点の高度を得るという、いわゆるステレオ視と同様
の原理に基づくものである。ただし、ステレオ視は画像
おいて表現された対象物の傾き(歪み)の差に基づき高
度を得るものであるが、この発明の実施の形態1におい
ては対象物からの反射波の位相差に基づき高度を得る点
で相違する。これら2枚の画像を得るために必要な電波
放射点の位置のずれは進行方向に平行にずれていても、
あるいは垂直にずれていてもどちらでもよい。
【0029】たとえば、図2に示すように、同じ高度で
同じ方向に2機の航空機101−1,101−2が互い
にベースラインBだけ離れて飛行しているとする。この
図2によれば、航空機は2機であるとも、1機の航空機
を異なる時刻の位置について同じ図に表現したとも、い
ずれにも考えることができる。以下の説明では、より実
用的である後者の見方をとる。
【0030】同図は鉛直方向から地表を見た図である。
また、図3は進行方向から航空機101を見た図である
(航空機101−1と101−2とは重なっている)。
これらの図において、水平面にxy平面をとり、この面
に垂直にz軸をとっている(なお直交座標系に限らず
(r,θ)極座標系でもよい)。航空機101はx軸上
を高度Hで正の方向に飛行している。図2及び図3にお
いて、点P1 、点P2 は航空機101−1、101−2
の位置である。点Qは地形上の反射点、点Rは点Qの地
形の基準面(たとえば東京湾の水準面)における仮想反
射点である。点Q、点Rはy軸上にある。点Qの高さと
点Rの高さの差が点Qの高さ(標高)hに対応する。こ
の発明の実施の形態1の装置は、この高さhを求めるた
めのものである。r1Qは点P1 と点Qとの間の距離、r
2Qは点P2 と点Qとの間の距離、r1Rは点P1 と点Rと
の間の距離、r2Rは点P2 と点Rとの間の距離である。
また、点P1 の座標を(x1 ,0,H)と、点P2 の座
標を(x2 ,0,H)と、点Qの座標を(0,y0
h)と、点Rの座標を(0,y0 ,0)とする。
【0031】図2からわかるように、アンテナのビーム
は航空機101の斜め後方に向けられている。このビー
ムとx軸とのなす角度をスクイント角と呼ぶ(なお、線
分P1 Q、P2 Qがx軸とのなす角度はスクイント角と
必ずしも一致しない。ビームは一定の幅を有しているか
らである)。アンテナのビームは航空機の右左どちら側
に向けられていてもよいし、また、斜め前方でもよい。
従来においてスクイント角は90度であったが、この発
明の実施の形態1ではスクイント角は、たとえば45度
程度に選択される。この理由については後述する。
【0032】航空機101−1及び101−2により、
図6に示す画像A及び画像Bの2種類の画像が得られ
る。この場合、互いに異なる視点(アンテナの位置)P
1 、P2 からの2枚の画像が得られるから、これらを比
較して位置情報を求めることにより対象としている地点
Qの高度hが得られる。
【0033】図6において画像A、BのφA1、φB1、・
・・、φA9、φB9はそれぞれ1つの画素(ピクセル)の
位相を示す。これらは画像A、Bを構成する画素の一部
である。φA1とφB1、φA2とφB2、・・・はそれぞれ地
形上の同じ地点を示している。図6のような画像A、B
は、よく知られているように、高分解能レーダにより得
られた時系列データを2次元フーリエ変換することによ
り得られる。地形上の同じ地点は画像A、Bにおいて必
ずしも同じ位置に現れるとは限らないが、2つの画像同
士をピクセルごとに比較することにより対応関係を求め
ることができる。また、φA1、φB1、・・・は、レーダ
装置において反射信号を受信するまでの時間を測定する
ことにより容易に測定できる。
【0034】ここで、たとえばφA1及びφB1が図2のQ
点に対応するものと仮定する。これらの位相の差Δφ1
=φB1−φA1が求められる。Δφ1 は距離P2 Qと距離
1Qとの差(r2Q−r1Q)に相当する。航空機101
の自分の位置P1 (x1 ,0,H)及びP2 (x2
0,H)は既知であるし、ベースラインBはそのときの
速度v、P1 の時刻t1 、P2 の時刻t2 とから容易に
求められる(B=v(t2 −t1 ))。このように、点
Qまでの距離の差(r2Q−r1Q)、視点の位置P1 (x
1 ,0,H)及びP2 (x2 ,0,H)、視点間のベー
スラインBが与えられると、点Qがその上に存在すべき
曲面(双曲面)が定まる。図7はたとえばx軸の正の方
向からyz平面を見た図であるが、図7の点線がこの曲
面であるとすると、φA1、φB1により曲線のA部が切り
取られる。このA部により点Qの位置(0,y0 ,h)
が与えられる。なお、後述する処理において平均がとら
れた場合、図のA部の中間が点Qの位置として出力され
る。
【0035】また、仮想反射点R(点Qを基準面に投影
した点。実際の反射点ではないが高さhを求めるための
基準として用いられる)は点Qに基づき定められる。以
上の処理により点Q及び点Rの位置が求められるから、
点Qの高さがわかる。
【0036】ここで、発明の実施の形態1の装置が、従
来の装置の課題をどのように解決しているか簡単に説明
する。 (1) 2つのアンテナを必要としない点 地形をマッピングするには2つの画像における同一点を
比較し、その位相差を得る必要がある。1つのアンテナ
では1つの画像しか得られないため、従来の装置は図8
及び図9のように2つのアンテナを備えた。一方、プラ
ットホームが移動していることに着目して2つの画像を
得ることができるが、この場合、図10及び図11に示
すように、両者における距離r,r’間に位相差が生じ
ない(r=r’)ために地形の高度を得ることはできな
い。そのため、2つのアンテナを備える場合は、図8及
び図9のようにプラットホームの進行方向とは垂直の線
上に配置した。
【0037】しかし、この発明の実施の形態1の装置で
は、スクイント角を90°でない角度(たとえば45
°)に設定したので、プラットホームが移動しているこ
とに着目して得た2つの画像における同一点に関して位
相差が生じ、上述のように地形の高度を得ることができ
る。
【0038】(2) ロール角や地形表面までの高度を知る
必要がない点 従来の装置において、図8及び図9のように2つのアン
テナをプラットホームの進行方向とは垂直の線上に配置
した。したがって、図9の点線で示すようにプラットホ
ームが傾くと、その傾き(ロール角)により2つのアン
テナ間において位相差が生じ、測定高度の誤差の原因と
なった。しかし、この発明の実施の形態1の装置では、
アンテナが1つであるためかかる問題は原理的に生じな
い。したがって、誤差補正のためのロール角計や電波高
度計を必要としない。もっとも、ロール角の変化は、ア
ンテナのビームが同じ部分を照射する範囲内である必要
はある。
【0039】[高度を求めるための数式]以上の動作原
理により点Qの高さを求めることができる。次に、その
ための好適な具体的処理方法を提供する数式について説
明する。
【0040】図2及び図3に示すように、プラットフォ
ームP1 から観測点Qを観測する際の往復の電波伝播距
離をr1Q、プラットフォームP2 から観測点Qを観測す
る際の往復の電波伝播距離をr2Qとおくと、次のように
書ける。 r1Q=2{(H−h)2 +x0 2+y0 21/2 (1) r2Q=2{(H−h)2 +(x0 +B)2 +y0 21/2 (2) ただし、x1 =x0 ,x2 =x0 +Bである。
【0041】これらの式をテイラー展開して2次の項ま
で求め、これら2つの距離r1Q、r2Qとの差ΔrQ を求
めると式(3) のように書ける。 ΔrQ =r2Q−r1Q ≒2[(x0 B+(B2 /2))・{(1/R1 )+(h・H/R1 3) +(h2 /2)((3H2 /R1 5)−(1/R1 3))} −(x0 22 /2){(1/R1 3)+(h・3H/R1 5) +(h2 /2)(15H2 /R1 7−(3/R1 5))}] (3) ただし、 R1 =(H2 +x0 2+y0 21/2 (4)
【0042】差ΔrQ は、観測点Qの画素の位相差Δφ
Q (先に述べたΔφ1 =φB1−φA1に相当する)と式
(5) の関係にある。 ΔφQ =(2π/λ)・ΔrQ (5) ただし、λはアンテナから放射される電波の波長であ
る。
【0043】H、B、λは既知であり、上記式(3) 、
(4) 、(5) からわかるようにΔφQ はx0 ,y0 ,hの
関数である。これらの式から定められる関数をQとすれ
ば、 ΔφQ =Q(x0 ,y0 ,h) (6) また、ΔφQ は先に述べたように2つの画像のピクセル
ごとに位相を比較することにより得られる。ΔφQ を平
面的に表した図面の一例を図12に示す。図12は位相
差の等高線を示す。地形が完全に平面であれば多数の平
行線が現れる縦じま模様になる。同図の左側と右側に等
高線の乱れがあるが、これらの部分は、山岳等の起伏が
ある地形である。ある座標(x0 ,y0 )が与えられれ
ば上記式(6) をhについて解くことにより高さを知るこ
とができる。すなわち、 h=h(x0 ,y0 ,ΔφQ ) (7)
【0044】以上の式により高さhを原理的に求めるこ
とができる。しかし、実際に演算する上で多少問題があ
る。式(3) を見るとhを含む項と含まない項とがある。
一般的にh≪R1 であるから、(hを含む項)≪(含ま
ない項)である。このように絶対値が大きく異なる値同
士を計算機上で加算あるいは減算する場合、計算機の桁
数が限られることからその演算誤差を無視できなくな
る。
【0045】そこで仮想反射点という概念を導入するこ
とによりかかる不都合を解決する。仮想反射点とは、地
形が平面形状であるとした場合の反射点である。仮想反
射点は完全な平面上の点であるから、図12のような画
像で表せば多数の平行線が現れる縦じま模様になる。上
記式(3) (5) による位相差ΔφQ と仮想反射点による位
相差との差をとるとhを含まない項は消去され、上述の
問題は生じない。
【0046】プラットフォームP1 、P2 から仮想観測
点Rを観測したと仮定した場合、これらの地点との往復
の電波伝播距離をそれぞれr1R、r2Rとおくと、次のよ
うに書ける。 r1R=2{H2 +x0 2+y0 21/2 =2R1 (8) r2R=2{H2 +(x0 +B)2 +y0 21/2 (9) ただし、x1 =x0 ,x2 =x0 +Bである。
【0047】これら2つの距離の差ΔrR は、式(3) と
同様にの式(10)のように書ける。また、仮想観測点Rの
位相差ΔφR は式(11)により求められる。
【0048】 ΔrR =r2R−r1R ≒2[(x0 B+(B2 /2))・(1/R1 ) −(x0 22 /2)(1/R1 3)] (10) ΔφR =(2π/λ)・ΔrR (11)
【0049】以上から、ΔφQ とΔφR との差Δφは次
式(10)により得られる。 Δφ=ΔφR −ΔφQ ≒−(4π/λ)・[{x0 +(B/2)−(3Bx0 2/2R1 2)} ・(h・BH/R1 3) +{(3H2 /R1 2)−1)(x0 +(B/2)) −(3Bx0 2/2)((5H2 /R1 4)−(1/R1 2)} ・(B/R1 3)(h2 /2)] (12)
【0050】ところで、先に述べたように、航空機10
1の高度Hは既知であるからR1 はx0 及びy0 の関数
である(R1 =g(x0 ,y0 ))。また、ベースライ
ンB、送信信号の波長λも既知である。したがって式(1
2)の右辺はx0 、y0 及びhの関数である。式(12)を書
き直すと Δφ=f(x0 ,y0 ,h) (13) である。
【0051】一方、ΔφQ は、先に述べたように、図6
の画像AとBを比較することにより得られる(ΔφQ
φB1−φA1)。また、ΔφR は、点P1 及び点P2 の座
標が既知であることから計算によって求めることができ
る(ΔφR =m(x0 ,y0))。したがって、式(13)
の左辺ΔφはΔφR −ΔφQ の演算により求められる。
Δφを平面的に表した図面の一例を図13に示す。図1
3は、図12の左の部分を拡大したものであり、図13
の中央右の半島状の等高線で表される地形は、図12の
左側の地形に相当する。同図において、等位相線が等高
線に対応しており、この図は地形図として使うことがで
きる。よって、式(13)をhについて解くことにより高さ
を求めることができる。 h=h’(x0 ,y0 ,Δφ) (14)
【0052】[具体的構成とその動作説明]次に発明の
実施の形態1の装置の具体的構成について説明する。図
1において、1は送信信号を発生する送信機、2は送信
信号を放射するとともに地形からの反射波を受信するア
ンテナ、3は送信機1からの信号をアンテナ2に供給す
るとともにアンテナ2の受信信号を受信機4に供給する
送受切換器、4は周波数変換、検波等の受信処理を行う
受信機、5は送信機1で行われる変調処理に対応して復
調処理を行いレンジ方向(アンテナのビーム方向)の分
解能を改善するパルス圧縮部、6はパルス圧縮部5の出
力を分割する信号分割部(具体的な分割方法については
後述する)、7a,7bは信号分割部6により分割され
た信号それぞれに設けられ合成開口処理(SAR処理)
を行う合成開口処理部、8は合成開口処理部7a,7b
の出力を比較して両者の位相差を求める干渉処理部、9
はスクイント角度θS (航空機101の進行方向とビー
ムとのなす角度)に基づき上述の仮想反射点に関して干
渉処理を行う干渉処理部、10はスクイント角θS を出
力するスクイント角度計、11は干渉処理部8の出力と
仮想反射点干渉処理部9の出力に基づいて高度hを求め
る高度差算出部、12は高度差算出部11により算出さ
れた地形の高度hが蓄積される三次元地形データベース
である。
【0053】送信機1及びパルス圧縮部5で行われるパ
ルス圧縮処理には、チャープ変調やバーカーコードを用
いた変調等の公知の処理方法が用いられる。このパルス
圧縮処理によりレンジ方向の高分解能化がなされる。信
号分割部6は、後述の周波数fdを境界とする低域通過
フィルタ6a,高域通過フィルタ6bとから構成され
る。合成開口処理部7a,7bで行われる合成開口処理
には、マッチドフィルタを用いた公知の処理方法が用い
られる。この合成開口処理によりクロスレンジ方向(レ
ンジ方向と直交する方向)の高分解能化がなされる。こ
の合成開口処理と前述のパルス圧縮処理と併せてレーダ
画像全体の高分解能化が行われ、航空写真と同じような
高分解能レーダ画像が得られる。合成開口処理部7a,
7bはたとえば図6の画像A、Bをそれぞれ出力する。
【0054】干渉処理部8は、前述のように2つの画像
間の位相差を求める。すなわち、任意の座標(x0 ,y
0 )についてΔφQ =φB1−φA1を求める。なお、(x
0 ,y0 )が直接与えられず、航空機101の位置情報
(ベースラインB、高度H、速度v、時刻t)から求め
る場合にはスクイント角θS を利用することもある。干
渉処理部8の出力は式(12)のΔφQ である。
【0055】仮想反射点干渉処理部9は、式(10)を計算
することにより式(12)のΔφR を求める。この処理にお
いて画像の位相は観測によって与えられないから、航空
機101の位置情報(ベースラインB、高度H、速度
v、時刻t)及びスクイント角度計10が出力するスク
イント角θS に基づき座標(x0 ,y0 )計算して求め
る。
【0056】スクイント角度計10が出力するスクイン
ト角θS は、アンテナ2のビームがそのプラットホーム
である航空機101の進路となす角度である。したがっ
て、スクイント角度計10はアンテナ2の軸に機械的に
結合されたロータリーエンコーダやシンクロ発信器等の
角度指示装置である。
【0057】高度差算出部11は、干渉処理部8が出力
する式ΔφQ と仮想反射点干渉処理部9が出力するΔφ
R との差を求め、式(12)のΔφを求める。同時に、式(1
2)の右辺を計算する。するとhについての多項式が得ら
れるからhについて解くと高度h(x0 ,y0 )が得ら
れる。
【0058】次に2種類の画像A、Bを得るための信号
分割部6の具体的な動作について説明する。航空機10
1は移動しているから、図2の航空機101−1、10
1−2は同じものとすることが可能である。ただし、航
空機101−1と航空機101−2とで同じ地点Qを照
射しなければならない。アンテナ2のビームは一定の広
がりがあるから、これは可能である。
【0059】図4において、航空機101−1のビーム
102−1は地表の領域(フットエリア)103−1を
照射している。ここで領域103−1を領域A(103
−1A)と領域B(103−1B)とに区別して考え
る。図4によれば、領域Aは点Qを照射していないが、
領域Bは点Qを照射している。したがって、ビーム10
2−1による受信信号から領域Bの部分の受信信号を取
り出して合成開口処理をすれば航空機101−1から見
た高分解能レーダ画像が得られる。
【0060】次に、航空機が101−2の位置に移動し
たとする。このとき領域Aは点Qを照射し、領域Bは点
Qを照射しない。したがって、ビーム102−2による
受信信号から領域Aの部分の受信信号を取り出して合成
開口処理をすれば航空機101−2から見た高分解能レ
ーダ画像が得られる。
【0061】以上の説明からわかるように、1つのビー
ム102を航空機101の進行に伴い同じ地点を順に照
射するように分割すれば(たとえばビームの照射中心の
右側と左側とに分割する)、1つのビームにより異なる
視点からの2種類のレーダ画像を得ることができる。
【0062】このようなビームの分割は、たとえば受信
信号をある周波数fdを境界として低域部分と高域部分
とに分割することにより可能である。図5は、受信信号
の電力の周波数分布の一例である。同図からわかるよう
に受信信号のスペクトルは周波数fdを中心に一定の幅
Δf(=ΔfL +ΔfU )をもって分布している。これ
はスクイント角θS が90°でないから、ビームの広が
りに応じてドップラー周波数の広がりを持つためである
(θS =90°のときドップラー周波数fdはゼロであ
り、スペクトルの広がりは狭い)。ドップラー周波数f
d及びスペクトルの分布ΔfL 、ΔfU は、ビーム10
2内の分割のための境界線がどの位置になるのかという
ことと、航空機101の速度の成分v・cos θS 及び波
長λにより定まる。なお、前にスクイント角θS を90
°としないことにより高さhを求めることができると説
明したが、このことは発明の実施の形態1において1つ
のビームを2つに分割するためにも必要である。
【0063】図5の周波数fdを中心とする低域成分Δ
L と高域成分ΔfU は、それぞれ図4の領域103−
1B、103−1Aに相当する。これは領域103−1
Aに対応するスクイントθS は、領域103−1Bのそ
れよりも大きいからドップラー周波数の絶対値が高くな
るためである。
【0064】信号分割部6の低域通過フィルタ6a、高
域通過フィルタ6bは、図5の低域成分ΔfL 、高域成
分ΔfU をそれぞれ出力する。合成開口処理部7a,7
bがそれぞれ合成開口処理を行うと、それぞれ航空機1
01−1から見たレーダ画像と航空機101−2から見
たレーダ画像が得られる。
【0065】なお、図4においてビーム102を航空機
101の斜め後ろに向けたが、逆に斜め前に向けるよう
にしてもよい。なお、ビームの分割は2つに限らず3つ
以上であってもよい。この場合、信号分割部6のフィル
タは3つとなり、そのうちのひとつは帯域通過フィルタ
である。
【0066】次にスクイント角θS の設定方法について
説明する。従来のストリップ・マッピングSARにおい
てスクイント角は90度であったが、これでは前述のよ
うに1つのビームを信号を周波数分割することにより2
つの画像を得ること、及び、1つのアンテナにより高さ
を求めることは不可能である。これら2つの目的のため
には、スクイント角θS は0°(または180°)に近
い程有利である。しかし、SARのクロスレンジ分解能
はスクイント角θS は0°(または180°)に近い程
劣化する。したがってスクイント角θS は45°程度が
望ましい。もっともこれに限るものでなく、必要とされ
るクロスレンジ分解能を確保できる範囲でなるべくスク
イント角θS を0°(または180°)に近づけるとよ
い。
【0067】以上のように、この発明の実施の形態1に
よれば次のような優れた効果を奏する。 (1) スクイント角を90°でなく、たとえば45°(1
35°)程度にしてビームを斜めに向けることにより、
ある位置におけるプラットホームと地表上の点との間の
第1の距離と、同じ進路上の異なる位置におけるプラッ
トホームと同じ地表上の点との間の第2の距離とに差が
生じるので、同じ進路上の複数のプラットホームあるい
は異なる複数の位置の同じプラットホームにより得られ
た複数の画像に基づき地形の高さを計測するための距離
(位相)情報を得ることができる。従来の装置は、地形
の高さを計測するための距離(位相)情報を得るために
アンテナが2つ必要であったが、この発明の実施の形態
1によればアンテナが1つですむ。
【0068】(2) アンテナが1つですむことにより、プ
ラットホームの傾き(ロール角)の影響を原理的に受け
ない。従来はアンテナが2つあるので傾きにより両者の
受ける信号間の位相差が変化した。なお、アンテナをプ
ラットホームの中心に配置するのが望ましい。 (3) スクイント角を90°でなく、たとえば45°(1
35°)程度にしてビームを斜めに向けることにより、
1つのビームによる受信信号の周波数分布に幅が生じる
から、フィルタを用いて1つのビームを分割することが
できる。したがって1つのビームしかないときでも、異
なる視点から見た複数の画像を得ることができる。した
がって、複数のプラットホームを用意する必要はない。 (4) 実際の地形の反射点と仮想反射点との位相差を与え
る式(12)に基づき高さhを求めるので、計算が容易にな
るとともに計算誤差を少なくすることができる。
【0069】発明の実施の形態2.上記発明の実施の形
態1において、受信信号の周波数分布が広がっているこ
とに着目して信号分割部6を2つのフィルタ6a,6b
により構成した。これに限らず、ビームが移動すること
に着目して信号分割部6を遅延素子(ディレイライン)
により構成してもよい。
【0070】図14は、この発明の実施の形態2の装置
の機能ブロック図である。同図において、14はパルス
圧縮部5の出力を所定の時間遅延して合成開口部7bに
出力するディレイラインである。合成開口部7aはパル
ス圧縮部5の出力を直接受ける。他の構成要素について
は図1に示されたものと同じである。
【0071】次に動作について説明する。信号分割部6
はパルス圧縮部5の出力信号をそのまま出力するととも
に、同時に一定の時間遅延させてから出力する。これに
よりビームの分割ができる。
【0072】これは次のような原理に基づく。図4にお
いて、航空機101はx軸の正の方向に移動する。ビー
ム102を2つのビーム103A、103Bに分けて考
えると、点Qはまずビーム103Bの領域Bに入り、そ
の後にビーム103Aの領域Aに入る。したがって同じ
点Qについて航空機101−1、101−2の2種類の
レーダ画像を得るための信号間には一定の遅延時間があ
る。逆に一定の時間差を信号にもたせると2種類のレー
ダ画像が得られる。パルス圧縮手段5の出力はビーム1
03Bに相当し、ディレイライン13の出力はビーム1
03Aに相当する。
【0073】ディレイライン13の遅延時間はビーム1
03Bが点Qを通過する時間に相当する。ビーム103
Bをx軸に平行な直線で切ったときの幅をLB 、航空機
101の速度vとすると遅延時間Td は、LB /vであ
る。なお、遅延機能は合成開口処理部7bに持たせても
よい。また、分割した受信パルス列が一部重複して分割
されていても構わない。また、一般に合成開口処理部は
デジタル演算により実現されるのでディレイラインをメ
モリ等の記憶装置で代用することもできる。
【0074】以上のように、この発明の実施の形態2に
よれば、ディレイラインを用いて信号を分割することが
できる。この方法は、プラットホームの速度が小さいた
め信号の帯域幅が狭い等の理由でフィルタでは分割しに
くい場合に有利である。
【0075】発明の実施の形態3.上記発明の実施の形
態1、2はビームを分割して2種類の画像を得ることに
より地形情報を連続的に得ようとするものであった。一
部の地形情報を得ようとする場合にはビームを分割する
必要はなく、別の構成を採用することができる。
【0076】図15は、この発明の実施の形態3の装置
の機能ブロック図である。同図において、14はビーム
が一定の領域を照射するようにアンテナ2の向きを制御
するアンテナ制御装置、15は合成開口処理部7の出力
先を切り換えるスイッチ、16はスイッチ15の出力を
受けてレーダ画像を記憶する画像記憶部である。他の構
成要素は図1に示されたものと同じものである。図15
の構成は、図1の構成に比べてアンテナ制御装置14〜
画像記憶部16を備える点、及び、信号分割部6を備え
ない点、合成開口処理部7を1つしか備えない点で相違
する。
【0077】次に動作について図16を用いて説明す
る。図16において、航空機101−1のビーム102
−1は領域103を照射している。また、航空機101
−2のビーム102−2は同じ領域103を照射してい
る。したがって、ビームを分割しなくても2種類の画像
が得られるから発明の実施の形態1と同様の処理により
領域103の地形の高さを知ることができる。この場
合、航空機101−1のスクイント角θS1と航空機10
1−2のスクイント角θS2とは異なるから、ビーム10
2を一定の領域103を常に照射するようにアンテナ2
を制御する手段が必要である。
【0078】アンテナ制御装置14はアンテナ2を上述
のように制御する。領域103の位置と航空機101−
1、101−2の位置は既知であるから簡単な計算によ
りそれぞれのスクイント角θS1、角θS2が得られる。同
じ航空機101が移動するときは、アンテナ制御装置1
4はアンテナ2の向きをスクイント角θS1〜θS2の間で
連続的に制御する。
【0079】合成開口処理部7は航空機101−1、1
01−2の2枚の画像を生成する。航空機101が移動
しつつ領域103の信号が連続的に得られるが、たとえ
ば観測時間が10秒であるとき、前半の5秒の信号に基
づき画像を生成し、後半の5秒の信号に基づき画像を生
成する。前者は航空機101−1の画像Aであり、後者
は航空機101−2の画像Bである。スイッチ15は、
合成開口処理部7が出力する画像ごとに切り換え動作を
行う。画像記憶部16には画像Aが記憶される。画像B
はスイッチ15から直接干渉処理部8に入力される。こ
れ以降の処理は発明の実施の形態1の場合と同様であ
る。
【0080】なお、図16の実線で示すように航空機1
01は直線上を移動してもよいし、点線で示すように旋
回しつつ移動してもよい。
【0081】以上のように、この発明の実施の形態3に
よれば、ビームが一か所を照射し続けるようにアンテナ
の向きを制御して、1つのビームにより複数の画像を得
るようにしたので、信号分割部が不要になり、合成開口
処理部が1つですむ。したがって、構成が簡単になる。
【0082】発明の実施の形態4.発明の実施の形態4
を図に基づき説明する。図17は発明の実施の形態4の
装置の機能ブロック図である。同図において、17はプ
ラットホームの降下速度を計測する降下速度計である。
高度差算出部11は、この降下速度に基づき高度差を算
出する。送信機1〜三次元地形データベース12は図1
に示されたものと同じあるいは相当部分である。また、
図17は発明の実施の形態4における観測のジオメトリ
である。
【0083】次に動作について説明する。図17におい
て送信機1から干渉処理部8までの動作は図1のものと
同一である。降下速度計17は軌道の降下率αを測定
し、高度差算出部11へ出力する。降下率αとは、図1
8に示されたように、航空機101が進行につれ一定の
割合で高度を下げたとしたときのその下げる割合であ
る。高度差算出部11は、後述のように降下率αを加味
して高度を算出し、3次元地形データを得る。航空機1
01の移動距離をBとすると高度の減少はαBである。
【0084】降下速度計17は、降下率αを航空機10
1に通常搭載される図示しない電波高度計の出力を時間
微分することにより求めても良いし、位置を求めるため
に用いるGPS(Global Positioning System) のような
航法装置の出力に基づき求めても良い。
【0085】この発明の実施の形態4の特徴は、降下す
る軌道から干渉SAR画像を観測するとき、その降下率
を加味して高度を算出しつつ3次元地形データを得るこ
とである。このように降下する軌道から観測することに
より、高度の分解能が改善される。
【0086】これらの動作を数式を用いて説明する。発
明の実施の形態1の場合と同様にして次式が得られる。 r1Q=2((H−h)2 +x0 2+y0 21/2 (15) r2Q=2((H−h−αB)2 +(x0 +B)2 +y0 21/2 (16) r1R=2(H2 +x0 2+y0 21/2 (17) r2R=2((H−αB)2 +(x0 +B)2 +y0 21/2 (18)
【0087】ここで変数R1 、R2 を次のように定義す
る。 R1 =(H2 +x0 2+y0 21/2 (19) R2 =((H−αB)2 +(x0 +B)2 +y0 21/2 (20)
【0088】これらR1 、R2 を式(15)(16)に代入し、
これらの式をテイラー展開して2次の項まで求めると次
のように書ける。 r1Q≒2[R1 −h(H/R1 ) +(h2 /2)((1/R1 )−(H2 /R1 3))] (21) r2Q≒2[R2 −h((H−αB)/R2 ) +(h2 /2)((1/R2 ) −((H−αB)2 /R2 3))] (22) r1R=2R1 (23) r2R=2R2 (24)
【0089】したがってr1Qとr1Rの差Δr2 と、r2Q
とr2Rの差Δr3 は次のように書ける。 Δr2 =r1Q−r1R =2[−h(H/R1 ) +(h2 /2)((1/R1 )−(H2 /R1 3))] (25) Δr3 =r2Q−r2R =2[−h((H−αB)/R2 ) +(h2 /2)((1/R2 )−((H−αB)2 /R2 3))] (2
6)
【0090】さらにR 、R2 をテイラー展開する
と、Δr3 は次のように書き直すことができる。Δr3 ≒2[{(BH/R1 3)(x0+(B/2)-(3Bx0 2/2R1 2))-(H/R1) +(αB/R1)+ (αBH/R1 3)(-H+(3Bα/2)) +(αB2H/R1 5)(3x0H+(3BH/2)-(9αBx0/2)- (3αH2/2)+(3α2HB/2)) +B3 αH2/R1 7(-(15x0 2/2)+(15 αHx0/2)) +B2 α/R1 3(-x0-(B/2)-(α2B/2))+(3B3 α/2R1 5)}h {(B/R1 3)(-x0-(B/2)+(3H2x0/R1 2)+(3H2B/2R1 2)-(3Bx0 2/2)((5H2/R1 4)- (1/R1 2))) +(1/R1)-(H2/R1 3)+(1/R1 3)(3αHB- (3α2B2/2)) +(1/R1 5)(-9 αHB2x0-3 α2B2H2+3 αBH3) -(1/R1 3)((15α2H4B2/2)+15 αH3B2x0) }(h2/2)] (27)
【0091】高度差算出部11で得られる観測点Qの画
素の位相差ΔΦQ と仮想観測点Rの位相差ΔΦR との差
ΔΦは、上記式に基づき次のように求められる。 ΔΦ=ΔΦQ −ΔΦR =(2π/λ)((r2Q−r1Q)−(r2R−r1R)) =(2π/λ)(Δr3 −Δr2 ) =(4π/λ) [{(BH/R1 3)(x0+(B/2)-(3Bx0 2/2R1 2))+ (αB/R1) +(αBH/R1 3)(-H+(3 αB/2)) +(αB2H/R1 5)(3x0H+(3BH/2)-(9αBx0/2)-(3 αH2/2)+(3α2H B/2)) +(αB3H2/R1 7)(-(15x0 2/2)+(15αHx0/2)) +(αB2/R1 3)(-x0-(B/2)-( α2B/2))+(3 αB3/2R1 5)}h {(B/R1 3)(-x0-(B/2)+(3H2x0/R1 2)+(3H2B/2R1 2)-(3Bx0 2/2)((5H2 /R1 4)-(1/R1 2))) +(1/R1 3)(3αHB-(3 α2B2/2)) +(1/R1 5)(-9 αHB2x0-3 α2B2H2+3 αBH3) -(1/R1 3)((15α2H4B2/2)+15 αH3B2x0) }(h2/2)] (28)
【0092】高度差算出部11は、式(28)を用いて観測
点Qの高度hを算出することができる。ところで、式(2
8)を発明の実施の形態1の式(12)と比較すると、一定の
降下率αで軌道を降下させることによる相違点がある。
この差ΔΦd は次式で与えられる。 ΔΦd =(4π/λ) α[{(B/R1)+(BH/R1 3)(-H+(3Bα/2)) +(B2H/R1 5)(3x0H+(3BH/2)-(9αBx0/2)-(3 αH2/2)+(3α2HB/ 2)) +(B3H2/R1 7)(-(15x0 2/2)+(15αHx0/2)) +(B2/R1 3)(-x0-(B/2)-( α2B/2))+(3B3/2R1 5)}h + {(1/R1 3)(3 HB-(3 αB2/2)) +(1/R1 5)(-9HB2x0-3αB2H2+3BH3) -(1/R1 3)((15αH4B2/2)+15H3B2x0) }(h2/2)] (29)
【0093】また、ΔΦd を軌道降下率αで微分すると
次の式を得る。 d(ΔΦd )/dα =(4π/λ) [ h(B/R1){1-(1/R1 2)(H2+Bx0+(B2/2)(1+3 α2)) } +h(3αHB2/R1 3)(1-(H2/R1 2)) +h(3x0B2H2/R1 5)(1-(3αB/H)-(3h/2H)) +(h2/2)(3BH/R1 3)(1-(αB/H))+(h2/2)(3BH3/R1 5)(1-2αB/H) +(h/2)(9α2B3H2/R1 5)(1-(5Hx0/3R1 2)(h/B)) +(h/2)(3B3H2/R1 5)(1-(5H2/R1 2)(h α/B)) +h(3B3x0 2/2)] (30)
【0094】ここで式(30)の右辺各項が正の値をとるた
めの必要条件は、次の4つの関係が成立することであ
る。 x0 2+y0 2 > Bx0+(B2/2)(1+3α2) (31) 3(Bα+(h/2)) < H (32) (5/3)(H/R1)(x0/R1)(h/B) < 1 (33) 5α(H2/R1 2)(h/B) < 1 (34)
【0095】この発明の実施の形態4による干渉型合成
開口レーダ装置では、式(31)〜(34)の関係が成立する条
件で使用される。したがってα>0の条件下ではd(Δ
Φd)/dα>0である。また、α=0の場合はΔΦd
=0となることからわかるように、α>0の条件下では
ΔΦd は正の値をとる。
【0096】このことは降下すればするほど、この発明
の実施の形態4の式(28)の位相ΔΦは、発明の実施の形
態1の式(12)の位相ΔΦに比べて大きくなることを意味
する。すなわち軌道を降下させる(α>0)ことにより
エコーの位相変化を大きくすることができる。位相の測
定精度が同じ場合、位相変化が大きいほど測定誤差は小
さくなるから、この発明の実施の形態4の方法によれ
ば、発明の実施の形態1の場合に比べて観測点Qの高度
hをより高精度に測定することができる。
【0097】なお、アンテナの照射する領域をプラット
ホームの斜め前方としてプラットホームの軌道を上昇さ
せてもよい。
【0098】発明の実施の形態5.上記発明の実施の形
態1〜3は、合成開口処理に基づきレーダ画像を得るも
のであったが、レーダ画像を得る方法として合成開口処
理に限らない。たとえば、DBS(Doppler Beam Sharp
ening )がある。
【0099】以下、DBSを用いた発明の実施の形態5
について説明する。図19において、18a,18bは
DBS画像再生部であり、図1の合成開口処理部7a,
7bに対応する。図19の送信機1〜三次元地形データ
ベース12は図1に示されたものと同じあるいは相当す
る部分である。
【0100】DBS画像再生部18a,18bは、それ
ぞれレンジマイグレーション補正部181、位相補償部
182、位相補償用参照信号部183、FFT184を
備える。これらの動作については後述する。また、この
発明の実施の形態5における観測の基本的なジオメトリ
は発明の実施の形態1におけるものと同一である。
【0101】次に動作について説明する。図19におい
て送信機1から帯域分割部6までの動作は発明の実施の
形態1の場合と同様である。
【0102】この発明の実施の形態5の特徴は、SAR
画像の再生処理に、合成開口処理の代わりに良く知られ
たDBS(Doppler Beam Sharpening )を使用すること
である。DBSはSARと並ぶ高分解能レーダ方式であ
り、SARがマッチドフィルタを用いてアジマス方向の
高分解能化を実現するのに対して、DBSはドップラー
フィルタを用いることが異なる。
【0103】図19において、DBS画像再生部18a
は分割した信号の一方を複素レーダ画像に変換し、DB
S画像再生部18bは分割したもう一方の信号を複素レ
ーダ画像に変換し、それぞれ画像φA(x0 ,y0 )、φ
B(x0 ,y0 )を出力する。これら2つの画像を受けた
干渉処理部8の動作は発明の実施の形態1の場合と同様
であり、その出力として2枚のレーダ画像の画素毎の位
相差ΔφQ(x0 ,y0)が得られる。最後に、高度算出
部11が位相差ΔφQ(x0 ,y0 )及び仮想反射点に関
する位相差ΔφR(x0 ,y0 )に基づき高度を算出し、
3次元地形データベース12に蓄える。
【0104】DBS画像再生部18の動作を図20〜図
24を用いて説明する。観測のジオメトリを図20とす
る。点Q,Q’,Q”はアンテナ2から見て同一距離
(レンジ)内にあるが、それぞれビームのクロスレンジ
方向(アジマス方向)に関して位置が異なる3つの観測
点である。
【0105】レーダプラットフォーム101が移動する
につれて観測対象点Q,Q’,Q”までの距離が増加す
る(ビームが斜め前の場合は減少する)ので、これらの
観測対象点のエコーは時間とともにレンジビンを移動す
る。図21はレンジマイグレーション補正前において、
観測対象点のレンジが時間とともに移動する状態を示す
グラフである。レンジマイグレーション補正部181
は、プラットフォーム101の高度、速度、アンテナビ
ーム102のスクイント角、及び、レーダ諸元に基いて
レンジの時間変化率を求め、レンジが時間に対して一定
になるように補正する。
【0106】レーダプラットフォーム101が移動する
につれて観測対象点Q,Q’,Q”までの距離の増加率
が変化するので、これらのエコーのドップラー周波数は
時間とともに変化する。図22はレンジマイグレーショ
ン補正部181の出力のドップラー周波数の時間変化を
示すグラフである。同図において、Q,Q’,Q”は、
それぞれ観測点のエコーのドップラー周波数変化を示
す。グラフQ,Q’,Q”の傾きは、プラットフォーム
101の高度、速度、アンテナビーム102のスクイン
ト角、及び、レーダ諸元に基いてあらかじめ求めること
ができる。
【0107】位相補償用参照信号部183は、これらの
傾きを位相補償用参照信号として用意しておく。図23
は位相補償用参照信号の例を示す図である。複数の観測
対象点について傾きが同じとき、参照信号はひとつです
む。
【0108】位相補償部182は、レンジマイグレーシ
ョン補正が行われた入力信号と位相補償用参照信号の複
素共役数との乗算を行うことにより、図22のグラフ
Q,Q’,Q”の傾きを補償して、受信信号のドップラ
ー周波数を時間に対して一定に補正する。位相補償部1
82により、図24のようにドップラー周波数は時間に
対して一定となる。
【0109】図24からわかるように、アジマス方向に
隔たるこれらの観測対象点Q,Q’,Q”からの信号は
ドップラー周波数方向に分離されているので、多数の帯
域フィルタを用いることによりこれらの信号を分割して
取り出すことができる。FFT184はそのための多数
の帯域フィルタを形成するドップラーフィルタである。
【0110】このようにDBS画像再生部18はドップ
ラーフィルターを使用してアジマス方向の分解能を向上
するので、マッチドフィルタを使用する合成開口処理部
7と比較して大幅に演算量を削減できて、簡単な構成で
高速にレーダ画像を再生できる特長がある。
【0111】さらに、発明の実施の形態1との関係で言
えば、合成開口処理の場合、スクイント角は90°が望
ましく、0°(180°)に近づけると性能が劣化した
が、DBSの場合、90°では性能が劣化するのでむし
ろビームを斜めにするのが望ましい。これは、DBSで
は、軌道と直交する方向を観測するとドップラー帯域が
狭くなって分解能が劣化するためである。したがって、
スクイント角を十分大きくとる運用に非常に適してい
る。
【0112】発明の実施の形態6.発明の実施の形態6
を説明する。図25は、この発明の実施の形態6の装置
の機能ブロック図である。この装置は従来の装置のよう
に2組の合成開口レーダ装置を備えるものであるが、そ
のビームを斜めに向けるようにして測定精度を向上させ
るものである。
【0113】同図において、アンテナ2a〜合成開口処
理部7aがひとつの合成開口レーダ装置を構成する。ま
た、アンテナ2b〜合成開口処理部7bが他の合成開口
レーダ装置を構成する。これらレーダ装置の構成要素は
図1に示されたものと同じものである。送信機1、送受
切換器3をひとつしか備えないのは、送信信号は2つの
レーダ装置で共通に使用できるからである。この発明の
実施の形態6における観測のジオメトリを図26に示
す。
【0114】次に動作について説明する。図25におい
て送信機1から合成開口処理部7a,7bまでの動作は
前記発明の実施の形態の場合と同様である。送受信アン
テナ2a,2bはいずれも軌道と直交する面から傾いた
方向で同じ地表面を照射するように主ビームの向きが調
整されており、たとえばビームのスクイント角は45°
程度である。また、これら2つのアンテナの主ビームの
向きは、軌道方向で若干異なるように調整されているも
のとする。
【0115】例えば図26に示すように、送受信アンテ
ナ2aの主ビームが左後方に向き、受信アンテナ2bの
主ビームが送受信アンテナ2aの主ビームよりもさらに
後方に向けられているとする。このとき、プラットフォ
ーム101−1の位置においてアンテナ2aで観測した
領域を、プラットフォーム101−2の位置において受
信アンテナ2bで再び観測することができる。
【0116】すなわち、干渉処理部8の出力には、プラ
ットフォーム101−1のアンテナ2aで観測した複素
SAR画像と、プラットフォーム101−2のアンテナ
2bで観測した複素SAR画像との位相差が得られる。
【0117】スクイント角度計10はアンテナのスクイ
ント角度を高度差算出部11へ出力する。そして、高度
差算出部11が位相から高度を算出して、3次元地形デ
ータが得られる。
【0118】この発明の実施の形態6の特徴はアンテナ
と受信機を2組用いることである。アンテナ2a,2b
は航空機101の翼の両端に設けられており、軌道に直
交する方向の2つのベースラインBy を隔てて観測する
ことができる。この観測結果と軌道方向にベースライン
x を隔てて観測した結果との基づき高度差を算出する
ので高度の分解能が改善される。
【0119】以上の動作を数式を用いて説明する。プラ
ットフォーム101−1のアンテナ2aから観測点Qを
観測する際の往復の電波伝播距離をr1AQA、仮想観測点
Rを観測する際の往復の電波伝播距離をr1ARA、プラッ
トフォーム101−2のアンテナ2aから送信してアン
テナ2bで受信する場合の観測点Qを観測する往復の電
波伝播距離をr2AQB、仮想観測点Rを観測する往復の電
波伝播距離をr2ARBとおくと、これらはそれぞれ次式(3
5)〜(38)のように書ける。
【0120】 r1AQA=2(x0 2+y0 2+H21/2 =2R1 (35) r1ARA=((x0 +Bx2 +y0 2+H21/2 +((x0 +Bx2 +(y0 +By2 +H21/2 (36) =R3 +R42AQB=2(x0 2+y0 2+(H−h)21/2 (37) r2ARB=((x0 +Bx2 +y0 2+(H−h)21/2 +((x0 +Bx2 +(y0 +By2 +(H−h)21/2 (38)
【0121】ただし、R1 、R3 、R3 は次のようにお
いている。 R1 =(x0 2+y0 2+H21/2 (39) R3 =((x0 +Bx2 +y0 2+H21/2 (40) R4 =((x0 +Bx2 +(y0 +By2 +H21/2 (41)
【0122】ここで、Hはレーダプラットフォーム1の
高度、Bx は軌道方向のベースラインの長さ、By は軌
道と直交する方向のベースラインの長さ、x0 は観測点
Qとレーダプラットフォーム1のアンテナ2のx軸上の
距離、y0 は観測点Qとアンテナ2a,2bのy軸上の
距離である。
【0123】r2AQBとr2ARBの差Δr2AQRB と、r1AQA
とr1ARAの差Δr1AQRA は、テイラー展開で近似するこ
とにより次式(42)(43)のように書ける。 Δr2AQRB =r2AQB−r2ARB ≒R3-h(H/R3)-(h2/2)(-(H2/R3 3)+(1/R3)) +R4-h(H/R4)+(h2/2)(-(H2/R4 3)+(1/R4))-(R3+R4) ≒(2/R3)((h2/2)-Hh)+(1/R3 3){((h2/2)-Hh)(-y0By-(By 2/2))-H2h2} +(3/2R3 5){((h2/2)-Hh)y0 2By 2+(y0By+(By 2/2))H2h2}-(15H2h2y0 2By 2/4R3 7) (42) Δr1AQRA =r1AQA−r1ARA ≒2[R1-h(H/R1)+(h2/2)(-(H2/R1 3)+(1/R1))]-2R1 ≒(2/R3)((h2/2)-Hh)+(2/R3 3){((h2/2)-Hh)(x0Bx-(Bx 2/2))-H2h2} +(3/R3 5){((h2/2)-Hh)x0 2Bx 2+(-x0Bx+(Bx 2/2))H2h2}-(15H2h2x0 2Bx 2/2R3 7) (43)
【0124】従って、干渉処理部8の出力に得られる観
測点Qの画素の位相差ΔΦQ と仮想観測点Rの位相差Δ
ΦR との位相差ΔΦは、式(42)から式(43)を差し引いて
次のように求められる。
【0125】 ΔΦ=(2π/λ)[(r2AQB−r1AQA)−(r2ARB−r1ARA)] =(2π/λ)[Δr2AQRB −Δr1AQRA ] =(2π/λ)[(1/R3 3)((h2/2)-Hh){(-y0By-(By 2/2))-2(x0Bx-(Bx 2/2))} +(3/2R3 5){((h2/2)-Hh)(y0 2By 2-2x0 2Bx 2)+(y0By+(By 2/2)+2x0Bx-Bx 2)H2h2} +(15H2h2/4R3 7)(2x0 2Bx 2-y0 2By 2)] (44)
【0126】高度算出部11は式(44)を用いて観測点Q
の高度hを算出することができる。ところで、アンテナ
をスクイントすることによる位相差の向上分ΔΦs は、
式(44)においてBx を含む項に相当するので、次の式で
与えられる。
【0127】 ΔΦs =(2π/λ)[(2/R )(Hh−(h/2))(x
(B /2)) +(3/R ){(Hh−(h/2))x +(x−(B
/2))H}+(15H /2R )] (45)
【0128】この発明の実施の形態6による干渉型合成
開口レーダ装置では、一般に式(45)の右辺各項が正
になる条件で使用されるのでΔΦs は正の値をとる。す
なわちアンテナをスクイントすることによりエコーの位
相変化を大きくすることができて、従来の装置よりも観
測点Qの高度hをより高精度に測定することができる。
【0129】このように高度hに対する位相差ΔΦの感
度を改善するためにアンテナをスクイントさせることが
本発明の重要な特徴である。
【0130】なお、この発明では送受信アンテナの照射
する領域をプラットフォームの斜め前方としても良い。
【0131】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、移動体に搭載された高分解能レーダ装置により異な
る観測点から地形を観測して得られた複数の画像を比較
することにより地形高さを測定する高分解能レーダ装置
を用いた地形高さ測定方法において、第1の観測点と第
2の観測点を移動体の進路に沿って配置し、測定対象で
ある地形上の点と上記第1の観測点、上記第2の観測点
との間の距離をそれぞれ第1の距離、第2の距離とした
とき、これら第1の距離と第2の距離とが異なるよう
に、上記第1、第2の高分解能レーダのビームを移動体
の進路に対して斜めにして地形を照射したので、移動体
の進行方向に長いベースラインを確保できるので測定精
度が向上する。
【0132】また、請求項2の発明によれば、上記第1
の移動体と上記第2の移動体を同じものとし、上記第1
の観測点を第1の時刻における上記移動体の位置とし、
上記第2の観測点を第2の時刻における上記移動体の位
置としたので、ひとつの移動体により地形高さを測定す
ることができる。
【0133】また、請求項3または請求項7ないし請求
項9の発明によれば、上記高分解能レーダ装置のビーム
を第1の部分と第2の部分とに分割し、同じ地形上の点
について、上記第1の観測点において上記第1のビーム
で観測し、上記第2の観測点において上記第2のビーム
で観測するので、ひとつのアンテナで2つの画像を得る
ことができて地形高さを測定することができる。
【0134】また、請求項4または請求項10の発明に
よれば、上記第1の観測点及び上記第2の観測点におい
て、上記高分解能レーダ装置のビームを同じ地形上の点
を照射するように制御しつつ観測するので、ビームを分
割することなく、ひとつのアンテナで2つの画像を得る
ことができて地形高さを測定することができる。
【0135】また、請求項5または請求項11の発明に
よれば、移動体の進路を上昇あるいは下降する進路とし
たので、測定精度がさらに向上する。
【0136】また、請求項6または請求項12の発明に
よれば、移動体の進路に対して交差する線上の異なる位
置に配置された第1の高分解能レーダ装置と第2の高分
解能レーダ装置とを用い、上記第1の観測点において上
記第1の高分解能レーダ装置により観測し、上記第2の
観測点において上記第2の高分解能レーダ装置により観
測するので、測定精度がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための図である。z軸の正の
方向からxy平面を見た図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための図である。x軸の正の
方向からyz平面を見た図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の観測のジオメトリ
を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における受信信号の
周波数分布を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための図である。画像A、B
のます目のひとつは1つの画素を意味する。
【図7】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための図である。x軸の正の
方向からyz平面を見た図である。z軸に平行な直線で
区分された領域は1つの画素を意味する。
【図8】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための、従来のアンテナ配置
を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能レ
ーダ装置の動作を説明するための、従来のアンテナ配置
におけるジオメトリを示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能
レーダ装置の動作を説明するための、スクイント角を9
0度としたときのジオメトリを示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能
レーダ装置の動作を説明するための、スクイント角を9
0度としたときのジオメトリを示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能
レーダ装置により得られた位相差等高線の例を示す図で
ある。
【図13】 この発明の実施の形態1の干渉型高分解能
レーダ装置により得られた位相差等高線の例を示す図で
ある。
【図14】 この発明の実施の形態2の干渉型高分解能
レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態3の干渉型高分解能
レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態3の干渉型高分解能
レーダ装置の観測のジオメトリを示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態4の干渉型高分解能
レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態4の観測の干渉型高
分解能レーダ装置のジオメトリを示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態5の干渉型高分解能
レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態5の観測の干渉型高
分解能レーダ装置のジオメトリを示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態5の干渉型高分解能
レーダ装置におけるレンジの時間変化を示すグラフであ
る。
【図22】 この発明の実施の形態5の干渉型高分解能
レーダ装置におけるドップラー周波数の時間変化を示す
グラフである。
【図23】 この発明の実施の形態5の干渉型高分解能
レーダ装置における位相補償用参照信号を示すグラフで
ある。
【図24】 この発明の実施の形態5の干渉型高分解能
レーダ装置における位相補償部の出力を示すグラフであ
る。
【図25】 この発明の実施の形態6の干渉型高分解能
レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図26】 この発明の実施の形態6の観測の干渉型高
分解能レーダ装置のジオメトリを示す図である。
【符号の説明】
1 送信機、2 アンテナ、3 送受切換器、4 受信
機、5 パルス圧縮器、6 信号分割部、7 合成開口
処理部、8 干渉処理部、9 仮想反射点干渉処理部、
10 スクイント角度計、11 高度差算出部、12
三次元地形データベース、13 ディレイライン、14
アンテナ制御装置、15 スイッチ、16 画像記憶
部、17 降下速度計、18 DBS画像再生部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載された高分解能レーダ装置
    により異なる観測点から地形を観測して得られた複数の
    画像を比較することにより地形高さを測定する高分解能
    レーダ装置を用いた地形高さ測定方法において、 第1の高分解能レーダ装置を搭載する第1の移動体の位
    置を第1の観測点とし、 第2の高分解能レーダ装置を搭載し、上記第1の移動体
    と同じ進路上にある第2の移動体の位置を第2の観測点
    とし、 測定対象である地形上の点と上記第1の観測点、上記第
    2の観測点との間の距離をそれぞれ第1の距離、第2の
    距離としたとき、これら第1の距離と第2の距離とが異
    なるように、上記第1、第2の高分解能レーダのビーム
    を移動体の進路に対して斜めにして地形を照射し、 上記第1の観測点による第1の画像と上記第2の観測点
    による第2の画像とを比較することにより地形高さを測
    定する高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定方法。
  2. 【請求項2】 上記第1の移動体と上記第2の移動体を
    同じものとし、上記第1の観測点を第1の時刻における
    上記移動体の位置とし、上記第2の観測点を第2の時刻
    における上記移動体の位置としたことを特徴とする請求
    項1記載の高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定方
    法。
  3. 【請求項3】 上記高分解能レーダ装置のビームを第1
    の部分と第2の部分とに分割し、同じ地形上の点につい
    て、上記第1の観測点において上記第1のビームで観測
    し、上記第2の観測点において上記第2のビームで観測
    することを特徴とする請求項2記載の高分解能レーダ装
    置を用いた地形高さ測定方法。
  4. 【請求項4】 上記第1の観測点及び上記第2の観測点
    において、上記高分解能レーダ装置のビームを同じ地形
    上の点を照射するように制御しつつ観測することを特徴
    とする請求項2記載の高分解能レーダ装置を用いた地形
    高さ測定方法。
  5. 【請求項5】 移動体の進路を上昇あるいは下降する進
    路としたことを特徴とする請求項1ないし請求項4いず
    れかに記載の高分解能レーダ装置を用いた地形高さ測定
    方法。
  6. 【請求項6】 移動体の進路に対して交差する線上の異
    なる位置に配置された第1の高分解能レーダ装置と第2
    の高分解能レーダ装置とを用い、上記第1の観測点にお
    いて上記第1の高分解能レーダ装置により観測し、上記
    第2の観測点において上記第2の高分解能レーダ装置に
    より観測することを特徴とする請求項1ないし請求高5
    いずれかに記載の高分解能レーダ装置を用いた地形高さ
    測定方法。
  7. 【請求項7】 移動体に搭載された干渉型高分解能レー
    ダ装置において、 高周波信号を出力する送信機と、 送受信ビームが上記移動体に対して斜めに向けられ、上
    記送信機から高周波信号を地表に照射するとともに、地
    表からの反射信号を受信する送受信アンテナと、 上記送受信アンテナから反射信号を受けて受信処理を行
    う受信機と、 上記送受信ビームの方向のレンジ分解能を改善するパル
    ス圧縮部と、 上記パルス圧縮部の出力を送受信ビーム内の位置に応じ
    て分割して第1の信号と第2の信号として出力する信号
    分割部と、 上記第1の信号、第2の信号をそれぞれ受け、上記送受
    信ビームの方向と交差する方向のクロスレンジ分解能を
    改善し、高分解能レーダ画像をそれぞれ得る第1、第2
    の画像再生部と、 上記第1の画像再生部により得られた第1の観測点から
    の高分解能レーダ画像と、上記第2の画像再生部により
    得られた第2の観測点からの高分解能レーダ画像と干渉
    させて地形の高さ情報を得る干渉処理部と、 地形の高さを測定する基準となる平面上に上記送受信ア
    ンテナのビームが照射されたとしたときの反射点を仮想
    反射点とし、上記移動体の位置に基づき計算することに
    より上記仮想反射点の高さ情報を得る仮想反射点干渉処
    理部と、 上記干渉処理部の出力と上記仮想反射点干渉処理部の出
    力とを比較することにより地形の高さを求める高度差算
    出部とを備えた干渉型高分解能レーダ装置。
  8. 【請求項8】 上記信号分割部に、送受信ビーム内の分
    割位置に対応する周波数に対して低い周波数を通過さ
    せ、上記第1の信号として出力する低域通過フィルタ
    と、高い周波数を通過させて上記第2の信号として出力
    する高域通過フィルタとを備えたことを特徴とする請求
    項7記載の干渉型高分解能レーダ装置。
  9. 【請求項9】 上記信号分割部に、送受信ビームを第1
    の部分と第2の部分に分割するときに、上記パルス圧縮
    部からの信号を、上記移動体の移動に伴い上記第1の部
    分が地形の一点を通過するために必要な時間に対応する
    時間だけ遅延させて上記第2の信号として出力する遅延
    手段を備え、上記信号分割部は上記第1の信号として上
    記パルス圧縮部からの信号をそのまま出力することを特
    徴とする請求項7記載の干渉型高分解能レーダ装置。
  10. 【請求項10】 上記移動体の移動に伴い、上記送受信
    ビームが同じ地形上の点を照射するように上記送受信ア
    ンテナの指向方向を制御するアンテナ制御装置を備えた
    ことを特徴とする請求項7記載の干渉型高分解能レーダ
    装置。
  11. 【請求項11】 上記移動体の上昇あるいは下降速度を
    検出する上昇降下速度計を備え、上記高度差算出部は、
    上記上昇降下速度計の出力に基づき上記干渉処理部の出
    力と上記仮想反射点干渉処理部の出力とを比較すること
    により地形の高さを求めることを特徴とする請求項7記
    載の干渉型高分解能レーダ装置。
  12. 【請求項12】 移動体に搭載された干渉型高分解能レ
    ーダ装置において、 高周波信号を出力する送信機と、 送受信ビームが上記移動体に対して斜めに向けられ、上
    記送信機から高周波信号を地表に照射するとともに、地
    表からの反射信号を受信する第1のアンテナと、 受信ビームが上記移動体に対して斜めに向けられ、地表
    からの反射信号を受信する第2のアンテナと、 上記第1、第2のアンテナから反射信号を受けてそれぞ
    れ受信処理を行う第1、第2の受信機と、 上記第1、第2の受信機の出力を受けて上記ビームの方
    向についてのレンジ分解能をそれぞれ改善する第1、第
    2のパルス圧縮部と、 第1、第2のパルス圧縮部の出力をそれぞれ受け、上記
    ビームの方向と交差する方向のクロスレンジ分解能を改
    善し、高分解能レーダ画像をそれぞれ得る第1、第2の
    画像再生部と、 上記第1の画像再生部により得られた第1の観測点から
    の高分解能レーダ画像と、上記第2の画像再生部により
    得られた第2の観測点からの高分解能レーダ画像と干渉
    させて地形の高さ情報を得る干渉処理部と、 地形の高さを測定する基準となる平面上に上記アンテナ
    のビームが照射されたとしたときの反射点を仮想反射点
    としたとき、上記移動体の位置に基づき計算することに
    より上記仮想反射点の高さ情報を得る仮想反射点干渉処
    理部と、 上記干渉処理部の出力と上記仮想反射点干渉処理部の出
    力とを比較することにより地形の高さを求める高度差算
    出部とを備え、 上記第1、第2のアンテナを、上記移動体の進路に対し
    て交差する線上の異なる位置に配置した干渉型高分解能
    レーダ装置。
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