JPH09159238A - 倉庫の空調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない個数のファンで、高層化した倉庫内の
空調を適切に行うことができる倉庫の空調装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 倉庫１内には物品２が高く段積して収納
される。物品２の間にレール３を敷設する。レール３上
を物品出し入れ用のリフター１１を昇降させるための移
動台７を移動させる。移動台７を構成する垂直なシャフ
ト５に沿うようにファン１３を多段に取り付ける。ファ
ン１３を回転させながら移動台７をレール３に沿って移
動させることにより、高く段積されたすべての物品２に
対して空気流を発生させることができる。既設の移動台
７のシャフト５をファン１３の取り付け部材として利用
でき、またファン１３の個数も少なくて済むので設備コ
ストが安価である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、倉庫内の温度や湿
度などの空調を調整するための倉庫の空調装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】茶、シメジなどの各種食品をはじめとす
る諸物品は、倉庫に集積して保管・貯蔵される。また倉
庫内は、食品などの物品の新鮮度を保ち、かつ腐食を防
止するなどの諸目的のために、空調装置が備えられる。
この種の倉庫の内部には、一般にパイプやアングル材な
どによって収納棚が構築されており、物品は収納棚に段
積して収納されるが、従来、収納棚の高さは、フォーク
リフトによる物品の出し入れの事情もあって、５〜６ｍ
程度の比較的低いものが一般的であった。この程度の高
さであれば、空調用のファンを回転させることにより、
倉庫内全体を所望の温度や湿度に保持するのはそれ程困
難なことではない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが近年、倉庫の
敷地面積を有効利用するために、収納棚の高さは次第に
高くなる傾向にあり、１５〜３０ｍあるいはそれ以上の
高層化したものもあらわれている。このように収納棚が
高層化して倉庫の高さが高くなると、単にファンを回転
させるだけの空調装置では倉庫内全体の空調を適切に管
理することは困難であり、また単にファンを回転させる
だけの方式によれば、倉庫全体の空調を行うためには膨
大な数のファンが必要になってしまう。

【０００４】そこで本発明は、少ない個数のファンで、
高層化した倉庫内の空調を適切に行うことができる倉庫
の空調装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このために本発明は、多
段に段積して収納される物品２の間に配設されるレール
３と、このレール３上を駆動部８に駆動されて移動する
垂直なシャフト５を有する移動台７と、この移動台７に
沿って動力部１２に駆動されて昇降するリフター１１
と、このシャフト５に沿って多段に取り付けられて前記
多段に段積された物品２に対する空気流を発生させる複
数個のファン１３とから倉庫の空調装置を構成した。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、ファン１３を回転させなが
ら移動台７をレール３に沿って移動させることにより、
高く段積されたすべての物品５に対し、均一な空気流を
発生させることができる。またレール３上を移動する移
動台７の移動速度、移動インターバル、ファン１３の回
転速度（風量）などを調整することにより、保管・貯蔵
された物品２に対する最適の空調管理を行うことができ
る。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図１は倉庫内部の斜視図、図２は同側面図、
図３は同平面図である。１は倉庫であり、その内部には
物品２が多段に段積して収納されている。物品２の段積
高さは、例えば１５〜３０ｍ程度、あるいはそれ以上で
あってきわめて高い。なお物品２はパイプやアングル材
などで構築された収納棚に段積して収納されているが、
図が繁雑になるので、各図では収納棚は省略している。

【０００８】段積された物品２の間の床面にはレール３
が敷設されている。また倉庫の天井近くにはこのレール
３と平行なレール４（図２）が配設されている。図１に
おいて、７は移動台であり、レール３、４に沿って移動
する。移動台７は、左右２本のシャフト５と、下部横け
た６ａと、上部横けた６ｂで枠形に構築されている。下
部横けた６ａはレール３にスライド自在に嵌合し、また
上部横けた６ｂはレール４にスライド自在に嵌合してい
る。一方のシャフト５の下部の側部にはモータなどから
成る駆動部８が装着されており、また他方のシャフト５
の下部の側部には操作盤９が装着されている。したがっ
て動力部８が駆動すると、移動台７はレール３、４に沿
って、段積された物品２の間を移動する。

【０００９】図１において、シャフト５とシャフト５の
間にはリフター１１が設けられている。リフター１１は
動力部１２に駆動されてシャフト５に沿って昇降する。
リフター１１は、高所への物品２の出し入れに使用す
る。

【００１０】図１および図２に示すように、一方のシャ
フト５の両面には、このシャフト５に沿うように多数個
のファン１３が多段に取り付けられている。このファン
１３は、移動台７と一体的にレール３、４に沿って物品
２の間を往復移動し（図３の矢印Ｎ参照）、物品２に対
する空気流（図２、図３の破線矢印参照）を発生させ
る。図４は空調装置の制御系のブロック図である。駆動
部８のモータ、動力部１２のモータ、ファン１３のモー
タはコンピュータなどの制御部１４により制御される。
図２において、１５は倉庫１内に立設された空調用のダ
クトである。

【００１１】このダクト１５の上端部にはファン１７を
内蔵した吹出し部１６が設けられており、吹出し部１６
からは、常温の空気、低温の空気などの所望温度の空気
が排出される。またダクト１５の下端部は吸入部１８に
なっており、倉庫１内の底部の空気を吸入する。ダクト
１５は、物品２の出し入れなどの障害にならない位置に
配管されている。

【００１２】この倉庫の空調装置は上記のような構成よ
り成るので、ファン１３を回転させながら、移動台７を
レール３、４に沿って高く段積された物品２の間を移動
させれば、倉庫１内に高く段積されたすべての物品２に
対してそれぞれ直接的に空気流を発生させることができ
る。また特に図３から明らかなように、横一列の物品２
に対して１個のファン１３でよいので、少ない個数のフ
ァン１３で全物品２に対する空調を確実に行うことがで
きる。また物品２の品種などの諸条件に対応して、レー
ル３上を移動する移動台７の移動速度、移動インターバ
ル、ファン１３の回転速度（風量）などを制御するこに
より、最適の空調を行える。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、物品２の段積高さが高
く、容積の大きい倉庫１内の空調を適正に行うことがで
きる。また、一列の物品２に対して１個のファン１３で
対応することが可能であるから、より少ない個数のファ
ン１３で倉庫全体の空調を行うことができる。しかも段
積して保管・貯蔵されたすべての物品２に対して均一な
空気流を確実に発生させることができるので、すべての
物品２の空調管理を適正に行うことができる。また物品
２の品種や貯蔵量などの諸条件に応じて、移動台７の移
動速度、移動インターバル、ファン１３の回転速度（風
量）などを制御することにより、最適の空調管理を行え
る。またリフター１１の昇降用のシャフト５をファン１
３の取り付け部材として利用できるので設置コストがき
わめて安価であり、かつ既設のリフター１１を備えた倉
庫にも簡単に設置できる。またシャフト５に沿うように
ファン１３を取り付けることにより、ファン１３がリフ
ター１１による物品２の出し入れの障害になることもな
い。このように本発明によれば、簡単な構成により多く
のすぐれた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】倉庫内部の斜視図

【図２】倉庫内部の側面図

【図３】倉庫内部の平面図

【図４】空調装置の制御系のブロック図

【符号の説明】

１ 倉庫 ２ 物品 ３、４ レール ５ シャフト ７ 移動台 ８ 駆動部 ９ 制御盤 １１ リフター １２ 動力部 １３ ファン １５ ダクト １６ 吹出し部 １８ 吸入部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多段に段積して収納される物品２の間に
   配設されるレール３と、このレール３上を駆動部８に駆
   動されて移動する垂直なシャフト５を有する移動台７
   と、この移動台７に沿って動力部１２に駆動されて昇降
   するリフター１１と、このシャフト５に沿って多段に取
   り付けられて前記多段に段積された物品２に対する空気
   流を発生させる複数個のファン１３と、を備えたことを
   特徴とする倉庫の空調装置。