JPH09158910A - 2部材結合方法及び2部材からなる構造体 - Google Patents

2部材結合方法及び2部材からなる構造体

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JPH09158910A
JPH09158910A JP31659495A JP31659495A JPH09158910A JP H09158910 A JPH09158910 A JP H09158910A JP 31659495 A JP31659495 A JP 31659495A JP 31659495 A JP31659495 A JP 31659495A JP H09158910 A JPH09158910 A JP H09158910A
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Shuji Ohira
修司 大平
Takeshi Ichiyanagi
健 一柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結合すべき2つの部材の材質や処理条件につ
いての制限がなく、しかも平板上部及び下部を全くフラ
ットな状態でかつ冷間で結合できる、2部材の結合方法
を提供する。 【解決手段】 一対の対向する結合面12、22を有す
る第1の部材10と第2の部材20の結合方法におい
て、第1の部材の結合面と、第2の部材の結合面のそれ
ぞれ相対向する箇所に1個以上の凹部30、40を設
け、該凹部に塑性変形する材料から成る結合部材50を
挿入し、第1の部材と第2の部材を介して結合部材を結
合方向に加圧することにより、該結合部材を凹部内で塑
性変形させ、第1の部材と第2の部材を結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平板等の2個の部材
の結合方法及び2部材からなる構造体に係わり、特に結
合する部材がその材料や製作条件等のために溶接ができ
ない場合や結合部が切削加工に適さない場合に用いるの
に適した、結合方法及び構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の平板等の2個の部材を結合する方
法として、結合する平板の端部の全周或いは数点で溶接
する溶接、第1の平板にボルトを通す座グリ穴と突き抜
け穴を設け、第2の平板にネジ穴を通しボルトによって
結合するボルト結合、ボルトの代わりにリベットを用い
るリベット締め、両結合面ロウ材をいれ加熱することで
結合するロウ付け、第1の平板自体の中心をボルト状に
加工しねじり込むねじ込み締め、第1の平板と第2の平
板の結合部を凹凸状の形状にし加熱して組み合わせるこ
とで結合する焼きばめ等がある。
【0003】図18は、第1の平板10と第2の平板2
0を、ボルト120とリベット130によって結合した
一例である。ボルト結合、リベット結合は、結合本数に
より結合強度を自由に選定できる。
【0004】また塑性流動結合においても従来の方法で
は結合部材または被結合材自体をポンチ等で加圧するた
め、たとえば特公昭62−52647号公報に記載の原
理を用いれば、図19のようになり、第1の平板10と
第2の平板20の相対する位置に貫通穴を設け、貫通穴
の端部に座グリ部を設け、さらにその座グリ部に円周溝
141を設ける。貫通穴にはマンドレル130を挿入し
結合材140の当たる部分に座グリ部と同様の円周溝1
42を設ける。結合材140ポンチ等治具加圧すれば円
周溝141、142に結合材が流れ込み、平板はマンド
レルを介して結合される。
【0005】塑性流動結合では以上の方法だけでなく、
たとえばマンドレルのかわりに第1の平板に凸部を設け
ることでも同じように結合することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の溶接方
法では、第1の部材と第2の部材のどちらかが溶接不可
能な材質、たとえば加工材料としてよく用いられる銅、
アルミニウム、鋳鉄、セラミックス等であればこの方法
は用いることができない。またどちらの部材も溶接が可
能であったとしても、溶接熱によって部材がたわむ可能
性があり、平板としての精度が要求されるような用途に
はこの方法を用いることができない。
【0007】例えば複数の気筒を有するシリンダブロッ
クを、セラミックスまたはCu 合金と鉄の2部材で構成
したい場合に、両部材を溶接することは不可能である。
【0008】ロウ付けにおいても、加熱により熱変形が
生じ、またロウ材により加熱温度が大きく違い、結合す
る材質、処理の状況により選定しなければならない制限
があり、結合の強度においても問題があった。
【0009】また、焼きばめでは溶接、ロウ付けほど高
温にする必要がないが、焼きばめ後に部材にひずみが生
じる問題があり、また材料を加熱する工数や設備がかか
る問題がある。
【0010】ボルト結合によれば、図18にあるよう
に、結合した平面上部、または平面下部にボルト、リベ
ット130が突出するか、或いはボルトを設置するため
の座グリ穴、ボルト穴110ができる。また部材の組立
時にはボルトを差し込みスパナ等の工具を差し込み、動
かす必要があるため、最低でも図中にあるようにボルト
あるいはリベットのスペースLを確保しなければ組み付
けることができない欠点があった。
【0011】またボルト結合で穴等を表面に出さないた
めには、図20のように、第1の平板10自体にボルト
部150を形成し、第2の平板20のボルト穴110に
ねじ込む方法が考えられるが、ねじ込みの軸に対しモー
メントが作用した場合、緩み、はずれる可能性が大き
い。
【0012】次に特公昭62−52647号公報に記載
されたような前記塑性流動結合法による結合状態を図1
9に示す。塑性流動結合においても、金型で結合材14
0を加圧しマンドレル130で結合するために貫通穴が
設けられておりボルト、リベットと同じく平板部にくぼ
み、或いは突起が生じる欠点を持っている。そのため面
で気密、耐圧を行う構造には用いることができない。さ
らに塑性流動結合ではポンチをプレスで加圧するため、
ボルト、リベット以上に加工空間が必要となり、設計の
自由度を奪うことになる。
【0013】本発明の目的は上記課題に鑑み、結合すべ
き2つの部材の材質や処理条件についての制限がなく、
かつ冷間で結合できる、2部材の結合方法を提供するこ
とにある。
【0014】本発明の他の目的は、被結合材表面にボル
ト、リベット等の結合用部品が突出することなく、表面
の全面をあらゆる用途に使用できる、2部材の結合方法
を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、結合すべき2つの部
材の結合部の形状や位置の面からも制約の少ない、2部
材の結合方法を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、結合すべき2つの部
材として、複数の気筒を有するシリンダブロックのよう
な複雑な形状のものを、セラミックスまたはCu 合金と
鉄のような溶接できない2部材で構成可能な、2部材の
結合方法を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、複数の気筒を有する
シリンダブロックのような複雑な形状のものを、セラミ
ックスと鉄のような溶接できない2部材で構成し、塑性
結合により一体化した2部材からなる構造体を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、一対の対向する結合面を有する第1の部材と第2
の部材の結合方法において、前記第1の部材の結合面
と、前記第2の部材の結合面のそれぞれ相対向する箇所
に1個以上の凹部を設け、該凹部に塑性変形する材料か
ら成る結合部材を挿入し、前記第1の部材と第2の部材
を介して前記結合部材を結合方向に加圧することによ
り、該結合部材を前記凹部内で塑性変形させ、前記第1
の部材と第2の部材を結合することで達成される。
【0019】前記2つの部材を相互に加圧すると、剛性
の低い結合用部材は加圧を受けた方向に対し垂直方向す
なわち凹部円周方向に膨張し、弾性限界を超える加圧を
受けると塑性流動を生じ凹部内に流れ込む。凹部内に流
れ込んだ結合部材は加圧軸方向に対し係止力を生じ、2
つの部材は凹部内に流れ込んだ結合用部材の剪断力と円
周方向への膨張、すなわち緊迫力とによって強固に結合
される。
【0020】また、対向する凹部の片方を凸状にし嵌合
する事で、凸部あるいは凹部を塑性流動変形せしめるこ
とでも同様の効果があり、この凹凸間に結合部材を挿入
した場合もまた同様に結合が達成できる。さらに、凹部
あるいは凸部には、塑性変形により部材が流れ込む円周
溝を設けるのがよい。この円周溝に流れ込んだ結合部材
によって、2つの部材はより強固に結合される。
【0021】接合面に凹凸部を設けた場合も、凹凸部が
同様の作用を生じる。すなわち凹部が凸部より剛性が低
い場合、凸部によって押された凹部は塑性流動を生じて
凸部内に流れ込み結合される。また凸部の剛性が低い場
合、凹部に流れ込み結合される。
【0022】本発明の結合方法によれば、結合すべき2
つの部材の材質や処理条件についての制限がなく、しか
も冷間で結合できる2部材の結合方法が提供される。す
なわち、溶接が困難な異部材の結合も可能であり、また
冷間加工できるため熱ひずみ、材料の改質などの問題も
ない。
【0023】また、本発明の結合方法によれば、結合す
べき2つの部材の結合部の形状や位置の点からも制約が
少ない。すなわち、結合部の形状は、一対の結合部の形
状が相対応していれば良く、その他の制約はない。ま
た、結合個所は、2つの部材の孔の周辺部分だけでな
く、結合表面のどこでもよく、結合部の形状や強度など
の面で最適の結合位置を選定出来る。ただし、2つの部
材を一対の平板で構成すれば、平板上部及び下部を全く
フラットな状態で結合できるので、被結合材表面にボル
ト、リベット等の結合用部品が突出することなく、結合
された平板全面をあらゆる用途に使用できるメリットが
ある。
【0024】本発明の他の特徴は、2部材結合方法にお
いて、第1の部材と第2の部材に設けられた凹部、凸部
もしくは結合部材を、それぞれ一個のリング状としたこ
とにある。一個のリング状結合部材の内と外の間は機密
が確保されるので、リング状結合部材の内側に通路を設
けるのに適している。
【0025】本発明の他の特徴は、第1の部材と第2の
部材からなり、前記両部材が一対の対向する結合面を有
し、かつ、相互に溶接不能な材料からなる構造体におい
て、前記第1、前記第2の部材は、その結合面のそれぞ
れ相対向する箇所に1個以上の凹部を有し、該凹部に塑
性変形する材料からなる結合部材が挿入され、該結合部
材が前記凹部内で塑性変形して、前記第1の部材と第2
の部材を一体に結合していることにある。
【0026】本発明の他の特徴は、2部材からなる構造
体がシリンダブロックであり、前記第1の部材が複数の
シリンダーを有する鉄製のシリンダブロック本体、前記
第2の部材がセラミックスまたはCu 合金製のバルブプ
レートからなり、該バルブプレートには前記各シリンダ
ーに対応してバルブポートが設けられ、前記シリンダダ
ブロック本体と前記バルブプレートの対向する結合平面
には、前記各シリンダーの先端の周囲部にそれぞれ位置
する環状の凹部が複数個所設けられ、該環状の凹部にお
いて前記リング状の結合部材により前記2部材が結合さ
れ、該リング状の結合部材の内側に、前記各シリンダー
と前記バルブポートを連通する通路を備えたことにあ
る。
【0027】本発明によれば、結合すべき2つの部材と
して、複数の気筒を有するシリンダブロックのような複
雑な形状のものを、セラミックスまたはCu 合金と鉄の
ような相互に溶接できない2部材で構成し、塑性結合に
より強固に一体化した2部材からなる構造体が得られ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。まず、本発明の第1の実施例を図1ないし図4によ
って説明する。図1は第1の実施例の縦断面図、図2は
図1をA方向から見た要部平面図である。第1の平板1
0の材料は例えば鉄製であり、第2の平板20の材料は
例えば銅、アルミニウム、あるいはセラミックスであ
る。第1の平板10と第2の平板20の対向する結合平
面12、22に予め孔(凹部30と凹部40)を設け
る。第1の平板及び第2の平板の孔内には、結合方向に
対し垂直方向に円周溝31及び41が施されている。こ
の孔に塑性変形を起こす材料から成る結合材50を挿入
し、プレスのテーブル100上に設置し、プレスで第1
の平板10を加圧する。加圧力Fpで加圧すると、第1
の平板の凹部30と第2の平板の凹部40に挿入された
結合材50は、それぞれの凹部の底面32、42により
加圧軸方向に圧縮され、円周方向に膨らむ。さらに加圧
することにより、結合部材50は塑性変形しそれぞれの
凹部に設けられた円周溝31、41に流入し、図3に示
すように2つの平板は結合部材50を介して強固に結合
される。
【0029】図3のように第1の平板10と第2の平板
20の結合後は、1つの平板の場合と同じように表面1
4、24(結合平面12、22の裏面)には継ぎ手、穴
等は全くない。またプレスによる力は第1の平板10と
第2の平板20に直列に伝わるため、第1の平板上に部
品があってもかまわないし、第2の平板の下に部品があ
ってもかまわない。
【0030】このときの結合部材50の塑性流動の状態
は図4に示すようになり、2つの平板10、20は、引
き抜き方向に対して円周溝31、41に流れ込んだ結合
部材50の剪断力と凹部壁面を押す緊迫力によって発生
する摩擦力によって結合される。
【0031】実施例では2カ所の結合としているが、1
カ所以上の結合部材があれば何カ所でもよい。また凹部
の円周溝は各1本であるが、結合の強さに応じ何本でも
かまわない。
【0032】なお、第1の平板10と第2の平板20
は、相対応する結合平面12、22を有していることが
必要であるが、結合平面の裏面すなわち結合後の表面1
4、24は平坦である必要は無く、プレスによって結合
部材50の軸方向に加圧可能な形状であれば足りる。例
えば、第1の部材10と第2の部材20が、相対応する
結合平面12、22を有する半円柱状の部材であっても
良い。ただ、2つの部材10、20を一対の平板で構成
すれば、平板上部及び下部を全くフラットな状態で結合
できるので、一体化された被結合材表面にボルト、リベ
ット等の結合用部品が突出することなく、結合された平
板全面をあらゆる用途に使用できるメリットがある。
【0033】なお、プレスの加圧力を解除したとき、結
合部材のスプリングバックにより、第1の部材10と第
2の部材20の結合平面12、22間に若干の間隙を生
ずる可能性が有るが、結合強度には何ら影響がない。
【0034】図5及び図6は本発明の第2の実施例を示
すものである。結合の原理は第1の実施例と同じであ
り、図5のように第1の平板10と第2の平板20の対
向する結合面に凹部30と凹部40を設け、第1の平板
及び第2の平板の凹部には結合方向に対し垂直方向の円
周溝31及び41を施す。この凹部に中空円筒(リング
状)の結合材51を挿入し、更にその中にマンドレル6
0を挿入し、プレスのテーブル100上に設置しプレス
で第1の平板10を加圧する。
【0035】この実施例では中空円筒の結合材51だけ
を加圧するために、それぞれの平板の凹部の底面に更に
凹部を設けた底面33、43としマンドレル60が加圧
により加圧方向に圧縮されないようになっている。結合
材51は加圧軸方向に圧縮され、それぞれの凹部に設け
られた円周溝31、41に塑性流動が生じ、図6に示す
ように2つの平板10、20は結合部材51を介して強
固に結合される。
【0036】この結合力は円周溝内に流れ込んだ結合材
51の量と緊迫力によって決まるが、第1の平板10と
第2の平板20とが横にずれる力、すなわち剪断力に対
してはマンドレル60の剛性によって強くなる。
【0037】図7、図8は本発明の第3の実施例であ
る。図7のように第1の平板10に凸部70を設け、第
2の平板20の対向する位置に凹部40を設ける。第1
の平板の凸部70には結合方向に対し垂直方向に円周溝
71が設けられている。この凸部に結合材51を挿入
し、プレスのテーブル100上に設置しプレスで第1の
平板10に加圧する。
【0038】加圧によって第1の平板の凸部70の付け
根部分にある突起72と第2の平板40の凹部底面43
によって、結合材50は加圧軸方向に圧縮され、円周溝
31、71に塑性流動が生じ、図8に示すように2つの
平板110、20は結合部材51を介して強固に結合さ
れる。このときの結合部材51の塑性流動の状態は拡大
図に示すようになり、2つの平板10、20が第1の実
施例、第2の実施例と同様に結合される。
【0039】図9、図10は本発明の第4の実施例であ
り、結合方法は第3の実施例と同じ原理である。図9の
ように第1の平板10に凸部70を設け、第2の平板2
0の対向する位置には凹部40を設ける。第2の平板の
凹部は第1の実施例と同様な形状である。この凹凸部を
嵌合し、プレスのテーブル100上に設置し、プレスで
第1の平板10を加圧する。加圧によって第1の平板の
凸部70は第2の平板40の凹部底面と第1の平板から
力を受け加圧軸方向に圧縮され、円周溝41に塑性流動
が生じ、図10に示すように2つの平板が強固に結合さ
れる。
【0040】この実施例は、第1の平板10の凸部70
の方が第2の平板20より剛性が低い場合である。逆に
第2の平板の剛性が低い場合は、第2の平板に凸部を設
けるか、または打1の平板の凸部を第3の実施例のごと
くにし、第2の平板の凹部には溝を設けなくとも結合す
ることができる。
【0041】図11ないし図14は本発明の第5の実施
例を示すものである。図11はその縦断面図、図12は
図1をB方向から見た要部平面図である。第1の平板1
0の材料は例えば鉄製であり、第2の平板20の材料は
例えばセラミックスである。第1の実施例と異なり、第
1の平板10と第2の平板20の対向する結合平面1
2、22には予め環状の凹部30と凹部40を設ける。
この凹部には、結合方向に対し垂直方向に円周溝31及
び41が施されている。この凹部に塑性変形を起こす材
料から成る円筒状の結合材52を挿入し、プレスのテー
ブル100上に設置し、プレスで第1の平板10を加圧
する。加圧力Fpで加圧すると、第1の平板の凹部30
と第2の平板の凹部40に挿入された結合材52は、そ
れぞれの凹部の底面32、42により加圧軸方向に圧縮
され、円周方向に膨らむ。さらに加圧することにより、
結合部材52は塑性変形しそれぞれの凹部に設けられた
円周溝31、41に流入し、図13に示すように鉄とセ
ラミックスからなる2つの平板は、結合部材52を介し
て強固に結合され一体化される。これによって、2つの
平板10、20は、引き抜き方向に対して円周溝31、
41に流れ込んだ結合部材52の剪断力と凹部壁面を押
す緊迫力によって発生する摩擦力によって結合される。
【0042】この実施例によれば、結合部材52が環状
であるために、結合部材52の内と外が完全にシールさ
れる。従って、図13に示すようにこの一体化された2
部材に、例えばドリル70によって穿孔し、図14のよ
うな孔16を設けると、2部材10、20を貫通する機
密性のある通路とすることができる。先に述べた図1な
いし図10の実施例では、結合部材50が円柱状である
ため、結合部材のスプリングバックにより、第1の部材
10と第2の部材20の結合平面12、22間に若干の
間隙を生ずる可能性があるが、この実施例では、結合部
材52が環状であり、かつ結合部分では結合部材52が
凹部30、40に流入しているために、結合部材のスプ
リングバックによっても、結合部材の内側と外側の間を
連通する隙間は生じない。したがって、結合部分で孔1
6の機密性が損なわれることは無い。
【0043】上記本発明の第5の実施例は、第2ないし
第4の実施例にも同様に応用可能である。すなわち、こ
れらの実施例の円柱状の凹凸部や結合部材に代えて、リ
ング状の凹凸部や結合部材を用いればよい。
【0044】図15ないし図17は本発明の第5の実施
例をシリンダブロックの製法に応用した例を示すもので
ある。図15はシリンダブロックの縦断面図、図16は
図15の左側面図、図17は図15の右側面図である。
シリンダブロック90は、鉄製のシリンダブロック本体
91とセラミックス製またはCu 合金製のバルブプレー
ト92及びシャフトと一体化するためのスプライン93
から構成されている。シリンダブロック本体91には環
状に複数のシリンダー94が形成されており、一方、バ
ルブプレート92には各シリンダー94に対応してバル
ブポート95が設けられている。予め、シリンダブロッ
ク本体91とバルブプレート92の対向する結合平面に
は、各シリンダー94先端の周囲部にそれぞれ位置する
環状の凹部を複数個所設け、各凹部には、結合方向に対
し垂直方向に円周溝が施されている。この凹部にそれぞ
れ、塑性変形を起こす材料から成る円筒状の結合材96
を挿入し、プレスで加圧すると、各凹部に挿入された結
合材96が加圧軸方向に圧縮され円周方向に膨らむ。さ
らに加圧することにより、各結合部材96は塑性変形し
それぞれの凹部に設けられた円周溝に流入し、2つの部
材91、92は、複数の結合部材96を介して強固に結
合され一体化される。
【0045】この実施例によれば、結合部材96が環状
であるために、結合部材96の内と外が完全にシールさ
れる。従って、各シリンダー94とバルブポート95は
結合機密性が損なわれることなく、一体的に連結され
る。
【0046】第1の部材と第2の部材を通常溶接出来な
い二種類の材料によって構成する例としては、他に、例
えば、ポンプのロータも考えられる。ロータの摺動部に
は銅、シャフトとの接合部には鉄を使い、結合部材の塑
性変形によって両者を一体化した複合材料からなるロー
タを製作すれば、耐摩耗性及び強度に優れたもが得られ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の結合方法によれば、結合すべき
2つの部材の材質や処理条件についての制限がなく、か
つ冷間で結合できる、2部材の結合方法が提供される。
すなわち、溶接が困難な異部材の結合も可能であり、ま
た冷間加工であるため熱ひずみ、材料の改質などの問題
もない。
【0048】また、本発明の結合方法によれば、結合部
の形状の面からも制約の少ない、2部材の結合方法を提
供することができる。
【0049】さらに、2つの部材を一対の平板で構成す
れば、平板上部及び下部を全くフラットな状態で結合で
きるので、被結合材表面にボルト、リベット等の結合用
部品が突出することなく、結合された平板全面をあらゆ
る用途に使用できるメリットがある。
【0050】さらに、本発明によれば、結合すべき2つ
の部材として、複数の気筒を有するシリンダブロックの
ような複雑な形状のものを、セラミックスと鉄のような
溶接できない2部材で構成し、塑性結合により強固に一
体化した2部材からなる構造体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例になる2部材の結合方法
における、結合前の装置及び2部材の配置状態を示す縦
断面図である。
【図2】図1をA方向から見た要部平面図である。
【図3】第1の実施例の、接合後の状態を示す縦断面図
である。
【図4】本発明の第1の実施例の結合部の拡大断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例になる2部材の結合方法
における、結合前の装置及び2部材の関係を示す縦断面
図である。
【図6】第2の実施例の、接合後の状態を示す縦断面図
である。
【図7】本発明の第3の実施例になる2部材の結合方法
における、結合前の装置及び2部材の関係を示す縦断面
図である。
【図8】第3の実施例の、接合後の状態を示す縦断面図
である。
【図9】本発明の第4の実施例になる2部材の結合方法
における、結合前の装置及び2部材の関係を示す縦断面
図である。
【図10】第4の実施例の、接合後の状態を示す縦断面
図である。
【図11】本発明の第5の実施例になる2部材の結合方
法における、結合前の装置及び2部材の関係を示す縦断
面図である。
【図12】図11をB方向から見た要部平面図である。
【図13】第5の実施例の、接合後の状態を示す縦断面
図である。
【図14】第5の実施例の、孔加工後の状態を示す縦断
面図である。
【図15】本発明の第5の実施例をシリンダブロックの
製法に応用した実施例における、15はシリンダブロッ
クの縦断面図である。
【図16】図15の左側面図である。
【図17】図15の右側面図である。
【図18】従来例としての、ボルトとリベットによる2
部材の結合方法の一例を示す図である。
【図19】従来の塑性流動結合による2部材の結合方法
を示す図である。
【図20】従来例としての、ボルトとねじによる2部材
の結合方法の一例を示す図である。
【符号の説明】 10…第1の平板、12…結合平面、20…第2の平
板、22…結合平面、30…凹部、31…円周溝、40
…凹部、41…円周溝、50…結合材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の対向する結合面を有する第1の部材
    と第2の部材の結合方法において、 前記第1の部材の結合面と、前記第2の部材の結合面の
    それぞれ相対向する箇所に1個以上の凹部を設け、該凹
    部に塑性変形する材料から成る結合部材を挿入し、前記
    第1の部材と第2の部材を介して前記結合部材を結合方
    向に加圧することにより、該結合部材を前記凹部内で塑
    性変形させ、前記第1の部材と第2の部材を結合するこ
    とを特徴とする2部材結合方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の2部材結合方法におい
    て、 前記凹部に中空円筒の結合部材を挿入し、更に該結合部
    材の中空部にマンドレルを挿入し、前記加圧により前記
    中空円筒の結合材だけが加圧され、前記マンドレルは加
    圧圧縮されないようにしたことを特徴とする2部材結合
    方法。
  3. 【請求項3】一対の対向する結合面を有する第1の部材
    と第2の部材の結合方法において、 前記第1の部材の結合面と前記第2の部材の結合面のそ
    れぞれ対向する箇所に凹部と凸部を1対以上設け、それ
    ぞれ対になった凹凸部に塑性変形する材料から成る結合
    部材を挿入し、該結合部材を結合方向に加圧して前記凹
    部または凸部内で塑性変形させ、前記第1の部材と第2
    の部材を結合することを特徴とする2部材結合方法。
  4. 【請求項4】一対の対向する結合面を有する第1の部材
    と第2の部材の結合方法において、 前記第1の部材の結合面と前記第2の部材の結合面のそ
    れぞれ対向する箇所に、少なくとも一方が塑性変形する
    材料から成る凹部と凸部を1対以上設け、前記第1の部
    材と第2の部材を結合方向に加圧して前記凹部または凸
    部を塑性変形させ、前記第1の部材と第2の部材を結合
    することを特徴とする2部材結合方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の2部
    材結合方法において、 前記第1の部材と第2の部材に設けられた前記凹部ある
    いは前記凸部に、塑性変形により部材が流れ込む円周溝
    を設けたことを特徴とする2部材結合方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4のいずれかに記載の2部
    材結合方法において、 前記第1の部材と前記第2の部材を、一対の平板で構成
    したことを特徴とする2部材結合方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし4のいずれかに記載の2部
    材結合方法において、 前記第1の部材と第2の部材に設けられた前記凹部、前
    記凸部もしくは前記結合部材を、それぞれ一個のリング
    状としたことを特徴とする2部材結合方法。
  8. 【請求項8】第1の部材と第2の部材からなり、前記両
    部材が一対の対向する結合面を有し、かつ、相互に溶接
    不能な材料からなる構造体において、 前記第1、前記第2の部材は、その結合面のそれぞれ相
    対向する箇所に1個以上の凹部を有し、該凹部に塑性変
    形する材料からなる結合部材が挿入され、該結合部材が
    前記凹部内で塑性変形して、前記第1の部材と第2の部
    材を一体に結合していることを特徴とする2部材からな
    る構造体。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の2部材からなる構造体に
    おいて、 前記第1の部材と第2の部材に設けられた前記凹部、前
    記凸部もしくは前記結合部材の形状が、それぞれ一個の
    リング状であり、 前記リング状の結合部材の内側に、前記一体結合された
    2部材を連通する通路を備えたことを特徴とする2部材
    からなる構造体。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の2部材からなる構造体
    がシリンダブロックであり、 前記第1の部材が複数のシリンダーを有する鉄製のシリ
    ンダブロック本体、前記第2の部材がCu 合金またはセ
    ラミックス製のバルブプレートからなり、該バルブプレ
    ートには前記各シリンダーに対応してバルブポートが設
    けられ、前記シリンダダブロック本体と前記バルブプレ
    ートの対向する結合平面には、前記各シリンダーの先端
    の周囲部にそれぞれ位置する環状の凹部が複数個所設け
    られ、該環状の凹部において前記リング状の結合部材に
    より前記2部材が結合され、該リング状の結合部材の内
    側に、前記各シリンダーと前記バルブポートを連通する
    通路を備えたことを特徴とするシリンダブロック。
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