JPH09158757A - 内燃機関の燃料噴射制御方法 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御方法

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JPH09158757A
JPH09158757A JP32075095A JP32075095A JPH09158757A JP H09158757 A JPH09158757 A JP H09158757A JP 32075095 A JP32075095 A JP 32075095A JP 32075095 A JP32075095 A JP 32075095A JP H09158757 A JPH09158757 A JP H09158757A
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temperature
fuel injection
engine
time
cooling water
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JP32075095A
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Kazuaki Okamachi
和晃 岡町
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の高温再始動時において、燃料噴射弁
の温度と冷却水の温度とのずれ量が時間とともに変化し
ても燃料噴射量を適正に増量し、機関始動性の向上を図
る。 【解決手段】エンジン11停止後の経過時間、冷却水の
温度及び燃料噴射弁29の温度の関係を予め求めてお
く。電子制御装置(ECU)41はエンジン11停止時
から再始動時までの経過時間を計測する。水温センサ3
8により同再始動時の冷却水の温度を検出する。ECU
41は前記関係を利用して前記経過時間及び冷却水の温
度からエンジン再始動時の燃料噴射弁29の温度を推定
する。ECU41はその推定結果に基づき、エンジン1
1の運転状態に応じた噴射時間を補正し、補正後の燃料
時間だけ燃料噴射弁29を開弁させる。すると、補正後
の噴射時間に対応した量の燃料が燃料噴射弁29から噴
射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の高温再始
動時に燃料噴射量を増量し、始動性を向上させるように
した燃料噴射制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料噴射弁の開弁時間(噴射時
間)を調整することにより燃料噴射量を制御するように
した内燃機関が知られている。同内燃機関においては、
これを高温下で作動させた後に停止させ、同機関が高温
となっている状態で再始動させた場合、以下の現象によ
り始動性が悪化する不具合がある。内燃機関が停止する
と、燃料の供給も停止される。内燃機関が熱源となり、
これの熱が燃料噴射弁を介して燃料に伝わり、燃料の温
度が上昇する。燃料噴射弁内の燃料が沸騰しベーパを発
生する。ベーパを含んだ燃料が燃料噴射弁から噴射され
ることになり、そのベーパ分だけ燃料噴射量が減少し、
空燃比(空気と燃料との重量比)がリーンになる。
【0003】そこで、このような空燃比のリーン化に対
処するために、内燃機関の冷却水の温度が燃料噴射弁の
温度にほぼ対応していることに着目し、機関始動時の冷
却水の温度に応じて燃料噴射量を増量補正することが行
われている(例えば、特開昭60−135638号公報
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、機関停止後
の燃料噴射弁の温度と冷却水の温度とを実際に測定して
みると、両温度のずれ量は時間とともに変化する。図7
のグラフに示すように、機関停止時には燃料噴射弁の温
度が冷却水温よりも大きく下回り、両温度のずれ量が最
大である。これは、内燃機関の作動時には、冷却水の温
度が同機関の温度によって大きく左右されるのに対し、
燃料噴射弁の温度は内燃機関よりも温度の低い燃料によ
って大きく左右されるからである。そして、機関停止直
後、燃料噴射弁が周囲の熱の影響を受け、同噴射弁の温
度が急激に上昇する。両温度のずれ量が時間の経過に従
い少なくなり、機関停止から30分ほど経過すると、同
ずれ量がほぼ零になる。それ以降は、燃料噴射弁の温度
は冷却水の温度に一致した状態で徐々に低下する。従っ
て、機関停止後、所定の時間(約30分)が経過する前
に再始動された場合に、冷却水の温度のみに基づいて増
量補正すると、狙い通りの噴射増量が行われず(目的と
する量よりも多くの量を増量してしまい)、結果として
始動性の向上を図ることができない。
【0005】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は内燃機関の高温再始動時におい
て、燃料噴射弁の温度と冷却水の温度とのずれ量が時間
とともに変化しても燃料噴射量を適正に増量し、機関始
動性の向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関の運転状態に応じた燃料噴射量を
算出し、その算出された量の燃料を燃料噴射弁から噴射
させるようにした内燃機関の燃料噴射制御方法におい
て、前記内燃機関停止後の経過時間、冷却水の温度及び
燃料噴射弁の温度の関係を予め求めておき、内燃機関停
止時から再始動時までの経過時間を計測するとともに、
同再始動時の冷却水の温度を検出し、前記関係を利用し
て前記経過時間及び冷却水の温度から内燃機関再始動時
の燃料噴射弁の温度を推定し、その推定結果に基づき前
記燃料噴射量を増量補正するようにしている。
【0007】上記発明によると、燃料噴射制御に際し、
内燃機関停止時から再始動時までの経過時間が計測さ
れ、同再始動時の冷却水の温度が検出される。そして、
予め求められた、内燃機関停止後の経過時間、冷却水の
温度及び燃料噴射弁の温度間の関係により、前記経過時
間及び冷却水の温度から機関再始動時の燃料噴射弁の温
度が推定され、その推定結果に基づき燃料噴射量が増量
補正される。従って、内燃機関が高温状態で再始動させ
られたとき、冷却水の温度と燃料噴射弁の温度とのずれ
量が時間とともに変化しても、前記関係を用いることに
より冷却水の温度から燃料噴射弁の温度が正確に推定さ
れ、燃料噴射量が適正に補正される。そして、その補正
後の量の燃料が燃料噴射弁から噴射される。その結果、
内燃機関再始動時のベーパ発生に起因する空燃比のリー
ン化が確実に防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図6に従って説明する。図1に示すよう
に、車両20には内燃機関としてのガソリンエンジン
(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。
エンジン11はシリンダブロック12及びシリンダヘッ
ド13を備えている。シリンダブロック12には複数の
シリンダボア14が並設され、各ボア14内にピストン
15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は
コネクティングロッド16を介しクランクシャフト17
に連結されている。各ピストン15の往復運動はコネク
ティングロッド16によって回転運動に変換された後、
クランクシャフト17に伝達される。
【0009】シリンダブロック12及びシリンダヘッド
13間において、各ピストン15の上側には燃焼室18
が形成されている。シリンダヘッド13には、各燃焼室
18に連通する吸気ポート19及び排気ポート21がそ
れぞれ設けられている。これらの吸・排気ポート19,
21を開放及び閉鎖するために、シリンダヘッド13に
は吸気バルブ22及び排気バルブ23がそれぞれ往復動
可能に支持されている。
【0010】吸気ポート19にはエアクリーナ24、ス
ロットルバルブ25、サージタンク26、吸気マニホー
ルド27等を備えた吸気通路28が接続されている。エ
ンジン11の外部の空気は吸気通路28の各部材24,
25,26,27を順に通過して燃焼室18に取り込ま
れる。
【0011】スロットルバルブ25は、吸気通路28内
に軸25aにより回動可能に支持されている。軸25a
はワイヤ等を介して運転席のアクセルペダル(図示略)
に連結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み
込み操作に連動してスロットルバルブ25とともに回動
する。吸気通路28を流れる空気の量、すなわち吸入空
気量は、スロットルバルブ25の回動角度に応じて決定
される。サージタンク26は吸入空気の脈動、すなわち
圧力変動を平滑化させるためのものである。
【0012】吸気マニホールド27には気筒数と同数の
燃料噴射弁29が取付けられている。各燃料噴射弁29
は電磁弁であり、通電されると開弁して、各吸気ポート
19へ向けて燃料を噴射する。噴射される燃料の量(燃
料噴射量)は、各噴射弁29のニードルバルブが開いて
いる間に燃料が噴射される時間、すなわちニードルバル
ブを作動させるためのソレノイドコイルへの通電時間に
よって決定される。そして、各燃料噴射弁29からの噴
射燃料と吸入空気との混合気は、各燃焼室18内へ導入
される。この混合気に点火するために、シリンダヘッド
13には点火プラグ31が取付けられている。
【0013】ディストリビュータ32はクランクシャフ
ト17が2回転する間に1回転するロータを内蔵してい
る。ディストリビュータ32はロータの回転に基づき、
イグナイタ33から出力される高電圧を、クランクシャ
フト17の回転角、すなわちクランク角に同期して、点
火プラグ31に分配して印加する。そして、燃焼室18
内へ導入された混合気は点火プラグ31の点火によって
爆発・燃焼される。このときに生じた高温高圧の燃焼ガ
スによりピストン15が往復動させられ、クランクシャ
フト17が回転してエンジン11の駆動力が得られる。
【0014】排気ポート21には、排気マニホールド3
4、触媒コンバータ30等を備えた排気通路35が接続
されている。燃焼室18で生じた燃焼ガスは、排気通路
35の各部材34,30を順に通ってエンジン11の外
部へ排出される。
【0015】前記エンジン11には、その運転状態を検
出するためにスロットルセンサ36、吸気圧センサ3
7、水温センサ38及び回転速度センサ39が設けられ
ている。スロットルセンサ36は吸気通路28のスロッ
トルバルブ25の近傍に取付けられ、そのバルブ25の
軸25aの回動角度、すなわちスロットル開度を検出す
る。吸気圧センサ37はサージタンク26に取付けら
れ、真空を基準とした場合の同タンク26内の圧力、す
なわち吸気圧PMを検出する。水温センサ38はシリン
ダブロック12に取付けられ、エンジン11のウォータ
ジャケットを流れる冷却水の温度、すなわち冷却水温T
HWを検出する。回転速度センサ39はディストリビュ
ータ32内に配置されており、同ディストリビュータ3
2のロータが所定角度回転する毎にパルス状の信号を出
力する。この信号は、クランクシャフト17の回転角度
を検知したり、同クランクシャフト17の回転速度、す
なわちエンジン回転速度NEを演算したりする際に用い
られる。
【0016】車両20には、エンジン11の各燃料噴射
弁29、イグナイタ33等の作動を制御するための電子
制御装置(以下、ECUという)41が配設されてい
る。ECU41は図2に示すように、中央処理装置(C
PU)42、読出し専用メモリ(ROM)43、ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)44、バックアップRAM
45、外部入力回路46及び外部出力回路47を備えて
いる。これらの各回路42〜47はバス48によって互
いに接続されている。ROM43は所定の制御プログラ
ムや初期データを予め記憶している。例えば、ROM4
3は、エンジン停止後の経過時間を計測するためのプロ
グラム(図3)、後述する補正係数Fa を算出するため
のプログラム(図4)、及び燃料噴射弁29を駆動制御
するためのプログラム(図6)、をそれぞれ記憶してい
る。
【0017】CPU42は前記ROM43に記憶された
制御プログラム及び初期データに従って各種の演算処理
を実行する。RAM44はCPU42による演算結果を
一時的に記憶する。バックアップRAM45はECU4
1に対する電力供給が停止された後にも、RAM44内
の各種データを保持する。
【0018】外部入力回路46には、前述したスロット
ルセンサ36、吸気圧センサ37、水温センサ38及び
回転速度センサ39がそれぞれ接続されている。一方、
外部出力回路47には、各燃料噴射弁29及びイグナイ
タ33がそれぞれ接続されている。
【0019】そして、各センサ36〜39の検出信号が
外部入力回路46を介してCPU42に入力される。C
PU42はそれらの入力に基づき各種演算を行い、燃料
噴射弁29及びイグナイタ33を作動させ、燃料噴射制
御及び点火時期制御を実行する。
【0020】例えば、CPU42は、回転速度センサ3
9が出力するパルス信号の時間間隔を計測することによ
り、単位時間当たりのクランクシャフト17の回転数で
あるエンジン回転速度NEを演算する。
【0021】また、点火時期の制御のために、ROM4
3には、エンジン11の運転状態に応じた最適な点火時
期に関するデータが予め記憶されている。CPU42は
各センサからの検出信号により、エンジン11の運転状
態、例えば、エンジン回転速度NE、吸気圧PM、暖機
状態等を検知する。そして、ROM43内のデータを参
照して最適な点火時期を割出し、イグナイタ33に一次
電流の遮断信号を出力して点火時期を制御する。
【0022】次に、燃料噴射制御の内容について説明す
る。図3のフローチャートは、エンジン11が停止され
た後の経過時間を算出するためのルーチンを示してお
り、所定時間(ここでは1秒)毎に実行される。また、
図4のフローチャートは補正係数Fa を算出するための
ルーチンを示し、図6のフローチャートは燃料噴射弁2
9を駆動制御するためのルーチンを示しており、両フロ
ーチャートともに所定のタイミングで実行される。補正
係数Fa は、エンジン11の高温再始動時に燃料噴射量
を増量補正するために用いられる係数である。
【0023】図3に示す停止時間算出ルーチンの各処理
は、フラグF及びカウンタに基づいて実行される。カウ
ンタはエンジン停止後における停止時間算出ルーチンの
実行回数をカウントし、そのカウント値Cを記憶する。
停止時間算出ルーチンが1秒毎に実行されることから、
カウント値Cはエンジン停止後の経過時間(秒)に相当
する。フラグFは、エンジン停止時から所定時間が経過
したか否かを判定するためのものであり、エンジン始動
のためにイグニションキーがオン操作されたときに実行
されるイニシャルルーチン(図示略)でクリアされ、前
記カウント値Cが所定時間と同じ値になったとき「1」
に切り換えられる。所定時間はエンジン停止後、冷却水
温THWと燃料噴射弁29の先端温度(以下、単に弁温
度という)THINJとが一致するまでに要する時間で
あり、ここでは2400秒(40分)に設定されてい
る。この値を選択したのは、図7のグラフにおいて、エ
ンジン停止から約30分が経過したときに両温度TH
W,THINJがほぼ一致しており、誤差を考慮して
も、40分経過時には確実に両温度THW,THINJ
が一致するからである。
【0024】CPU42は、まずステップ101におい
てフラグFが「1」であるか否かを判定する。この判定
条件が成立していない(F=0)と、エンジン11が作
動中であるか、又はエンジン停止から所定時間が経過し
ていないと判断し、ステップ102で回転速度センサ3
9によるエンジン回転速度NEが「0」であるか否かを
判定する。この判定条件が成立していない(NE≠0)
と、エンジン11が作動していると判断し、ステップ1
06でカウンタをクリアし(カウント値Cを「0」に
し)、このルーチンを終了する。
【0025】前記ステップ102の判定条件が成立して
いる(NE=0)と、エンジン11が停止されていると
判断し、ステップ103においてカウント値Cを「1」
インクリメントする。ステップ104において、カウン
ト値Cが前記所定時間に対応する判定値α(=240
0)よりも小さいか否かを判定する。この判定条件が満
たされている(C<α)と、エンジン11が停止されて
いるものの、その停止から所定時間が経過しておらず、
冷却水温THWと弁温度THINJとがずれているもの
と判断し、このルーチンを終了する。
【0026】これに対しステップ104の判定条件が成
立していない(C≧α)と、エンジン停止から所定時間
が経過し、冷却水温THWと弁温度THINJとが一致
しているものと判断し、ステップ105でフラグFを
「0」から「1」に切り換えてこのルーチンを終了す
る。従って、これ以降の制御周期ではステップ101の
判定条件が成立することになる。この場合には、前述し
たステップ102〜106の各処理を行わず、このルー
チンを終了する。
【0027】上記停止時間算出ルーチンによると、エン
ジン作動時にはステップ101,102,106の各処
理が行われ、フラグF及びカウント値Cがともに「0」
に保持される。エンジン11が停止すると、ステップ1
01〜104の各処理が順に行われ、カウンタがカウン
ト動作を行う。すなわち、経過時間の計測を行う。フラ
グFは「0」のままである。そして、エンジン停止から
所定時間が経過した時点ではステップ101〜105の
処理が順に行われ、フラグFが「0」から「1」に切り
換えられる。所定時間経過後はステップ101のみが実
行され、カウンタのカウント動作が停止される。すなわ
ち、フラグFが「1」に保持され、カウント値Cが判定
値α(=2400)に保持される。
【0028】次に、図4の補正係数算出ルーチンの処理
について説明する。CPU42はこのルーチンへ移行す
ると、まずステップ201においてエンジン11の始動
時であるか否かを判定する。この判定条件が成立してい
ると、ステップ202において水温センサ38によるそ
の時点の冷却水温THWを読み込むとともに、前記停止
時間算出ルーチンでのカウント値Cを読み込む。
【0029】次に、ステップ203において、ROM4
3に予め記憶された図5のマップを参照して、前記カウ
ント値Cに対応する係数Fbを算出する。係数Fbは弁
温度THINJと冷却水温THWとの比(THINJ/
THW)であり、前述した図7のデータに基づき、経過
時間の関数として求められている。図7のマップでは係
数Fbは、経過時間(カウント値C)が「0」のとき、
すなわち、エンジン11が停止されたとき最小となり、
時間が経過するに従い(カウント値Cが大きくなるに従
い)増加する。そして、エンジン停止から30分経過し
てカウント値Cが「1800」になると、係数Fbは
「1.0」となる。その後は係数Fbは「1.0」に維
持される。
【0030】ステップ204において、前記ステップ2
02での冷却水温THWに、前記ステップ203での係
数Fbを乗ずることにより弁温度THINJ(推定値)
を算出する。そして、ステップ205において、ROM
43に予め記憶されたマップを参照して前記弁温度TH
INJに対応する補正係数Faを算出する。このマップ
には弁温度THINJと、その弁温度THINJの上昇
にともない増加する補正係数Fa(≧1.0)との関係
が規定されている。補正係数Faを求めると、このルー
チンを終了する。
【0031】なお、ステップ201の判定条件が成立し
ていないと、前述したステップ202〜205の処理を
行わず、このルーチンを終了する。上記補正係数算出ル
ーチンによると、エンジン始動時において、エンジン停
止からの経過時間に応じた係数Fbが求められ、その値
Fbと冷却水温THWとに基づき弁温度THINJが推
定される。この推定値は、冷却水温THWを弁温度TH
INJの代用値とした場合よりも、燃料噴射弁29の実
際の先端温度に近い。そして、その弁温度THINJに
対応する噴射量増量のための補正係数Faが求められ
る。
【0032】次に、図6の燃料噴射制御ルーチンについ
て説明する。CPU42はこのルーチンへ移行すると、
ステップ301において、吸気圧センサ37による吸気
圧PM、及び回転速度センサ39によるエンジン回転速
度NEをそれぞれ読み込む。ステップ302において、
ROM43に予め記憶されているマップを参照して、前
記吸気圧PM及びエンジン回転速度NEに対応する基本
噴射時間TPを演算する。ステップ303において、基
本噴射時間TPに補正係数f,Faを乗じて補正するこ
とにより、燃料噴射弁29を作動させるための最終的な
噴射時間TAUを算出する。この最終噴射時間TAUは
燃料噴射量に関連するパラメータである。補正係数fと
しては、例えば吸気温、出力増量、空燃比のフィードバ
ック制御等に関するものがある。吸気温に関する係数
は、吸気温による吸入空気の密度の差に起因して生ずる
空燃比のずれを補正するためのものである。出力増量に
関する係数は、エンジン11や触媒コンバータ30が過
熱しやすい条件時に噴射量を増量するためのものであ
る。空燃比のフィードバック制御に関する係数は、混合
気の空燃比が常に理論空燃比となるよう噴射量を補正す
るためのものである。
【0033】CPU42は、前記のようにして最終噴射
時間をTAUを算出すると、ステップ304において、
その値に応じた駆動信号を外部出力回路47を介して燃
料噴射弁29に出力する。この信号に応じ、燃料噴射弁
29の開弁時間が制御されて、同噴射弁29から所定量
の燃料が噴射される。
【0034】このように本実施の形態によると、エンジ
ン11の高温再始動時には弁温度THINJに応じて最
終噴射時間TAUを長くして、燃料噴射量を増量してい
る(ステップ303,304)。このため、エンジン1
1の停止にともない燃料の供給が止まり、燃料噴射弁2
9内に残った燃料が沸騰してベーパを発生しても、その
ベーパによる燃料減少分が前記増量によって補われる。
ベーパ発生によって混合気の空燃比がリーンになるのを
抑制できる。
【0035】また、前記増量補正に際しては、エンジン
停止時から再始動時までの経過時間が計測され(ステッ
プ101〜106)、同再始動時の冷却水温THWが検
出される(ステップ202)。そして、予め求められ
た、エンジン停止後の経過時間、冷却水温THW及び弁
温度THINJ間の関係(図5のマップ)により、前記
経過時間及び冷却水温THWからエンジン再始動時の弁
温度THINJが推定される(ステップ203,20
4)。
【0036】従って、エンジン11が高温状態で再始動
させられたとき、冷却水温THWと弁温度THINJと
のずれ量が時間とともに変化しても、前記関係を用いる
ことにより、エンジン停止時からの経過時間と冷却水温
THWとから弁温度THINJが正確に推定される。弁
温度THINJが冷却水温THWよりも高い期間(エン
ジン停止から約30分経過するまでの期間)において、
冷却水温THWのみによって燃料噴射量を増量補正する
従来技術では必要以上増量してしまうのに対し、本実施
の形態では燃料噴射量を適正量だけ増量補正できる。エ
ンジン停止直後の再始動時のベーパ発生に起因する空燃
比のリーン化を確実に防止し、始動性を確実に向上させ
ることができる。
【0037】本実施の形態は前述した事項以外にも次に
示す特徴を有する。 (a)燃料噴射弁29の温度を検出する手段としては、
専用の温度センサを用いることが考えられるが、このよ
うにすると部品点数が増加する不具合がある。しかし、
本実施の形態では、既存の水温センサ38を利用し、そ
の検出値から弁温度THINJを推定するようにしてい
る。このため、新たな部品を追加しなくてもよく、前述
した増量補正の精度向上にともなうコストの上昇を少な
くできる。
【0038】(b)前述した燃料噴射制御技術は、特に
リターンレスタイプと呼ばれる燃料供給装置を搭載した
内燃機関に適している。このタイプは、プレッシャレギ
ュレータを燃料タンク内に配置することによりリターン
パイプを必要最低限に構成したものである。このタイプ
の燃料供給装置においては、燃料噴射弁付近で燃料が揮
発した場合、そのベーパがリターンパイプへ逃げること
ができず、燃料噴射弁がこのベーパを直接噴射してしま
う。しかし、本実施の形態では、弁温度THINJを正
確に推定して燃料噴射量を適正に増量している。そのた
め、この増量により、高温再始動時における空燃比のリ
ーン化を確実に防止できる。
【0039】(c)エンジン11の停止から所定時間が
経過した後は冷却水温THWと弁温度THINJとが一
致する現象を利用し、図3の停止時間算出ルーチンでは
カウント値Cが判定値α(=2400)になったらカウ
ンタのカウント動作を停止させている。このため、カウ
ント動作にともなう不要な処理を少なくできる。
【0040】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)弁温度THINJを最終噴射時間TAUに反映さ
せる方法として、前記実施の形態では同弁温度THIN
Jに対応する補正係数Faを求め、これを基本噴射時間
TPに乗算した。これに代えて、弁温度THINJに対
応する補正量を求め、これを基本噴射時間に加算しても
よい。
【0041】(2)図3の停止時間算出ルーチンにおい
て、カウント値Cが判定値α以上となってもカウンタの
カウント動作を継続させてもよい。 (3)図4の補正係数算出ルーチンでは係数Fbを求め
るのにマップを用いたが、これに代えて予めエンジン停
止からの経過時間と係数Fbとの関係式を定めておき、
その関係式により係数Fbを算出するようにしてもよ
い。
【0042】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、各形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の制御方法において、内燃機関停
止後、時間の経過に従い変化する燃料噴射弁の温度と冷
却水の温度との比を前記関係として予め求めておき、そ
の比と経過時間と冷却水の温度とから内燃機関再始動時
の燃料噴射弁の温度を推定するようにした内燃機関の燃
料噴射制御方法。このようにすると、簡単に精度よく再
始動時の燃料噴射弁の温度を推定できる。
【0043】(ロ)内燃機関の運転状態に応じた燃料噴
射量を算出し、その算出された量の燃料を燃料噴射弁か
ら噴射させるようにした内燃機関の燃料噴射制御装置に
おいて、前記内燃機関停止後の経過時間、冷却水の温度
及び燃料噴射弁の温度の関係を予め記憶した記憶手段
と、前記内燃機関停止時から再始動時までの経過時間を
計測する経過時間計測手段と、前記内燃機関の再始動時
の冷却水の温度を検出する始動時水温検出手段と、前記
記憶手段における前記関係を利用して、前記経過時間計
測手段による経過時間及び始動時水温検出手段による冷
却水の温度から、機関再始動時の燃料噴射弁の温度を推
定し、その推定結果に基づき前記燃料噴射量を増量補正
する補正手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置。
ここで、前記実施の形態では、水温センサ38が始動時
水温検出手段に相当し、ROM43が記憶手段に相当
し、CPU42が経過時間計測手段及び補正手段に相当
する。このようにしても請求項1と同様に、内燃機関の
高温再始動時において、燃料噴射弁の温度と冷却水の温
度とのずれ量が時間とともに変化しても冷却水の温度か
ら燃料噴射弁の温度を正確に推定し、その温度に基づき
燃料噴射量を適正に増量し、機関始動性の向上を図るこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、内
燃機関停止後の経過時間、冷却水の温度及び燃料噴射弁
の温度の関係を予め求めておき、その関係を利用して、
内燃機関停止時から再始動時までの経過時間及び冷却水
の温度から、内燃機関再始動時の燃料噴射弁の温度を推
定するようにしている。そのため、内燃機関の高温再始
動時において、燃料噴射弁の温度と冷却水の温度とのず
れ量が時間とともに変化しても燃料噴射量を適正に増量
し、機関始動性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン及びその周辺部品の概略構成図。
【図2】ECUの内部構成を示すブロック図。
【図3】停止時間を算出するためのルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図4】補正係数Faを算出するためのルーチンを示す
フローチャート。
【図5】係数Fbの算出の際に用いられるマップを示す
特性図。
【図6】燃料噴射弁を駆動制御するためのルーチンを示
すフローチャート。
【図7】内燃機関停止後の経過時間と、冷却水の温度
と、燃料噴射弁の温度との関係を示す特性図。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのガソリンエンジン、29…燃料
噴射弁、PM…吸気圧、THW…冷却水温、NE…エン
ジン回転速度、THINJ…弁温度、C…経過時間に対
応するカウント値、TAU…燃料噴射量に対応する最終
噴射時間。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態に応じた燃料噴射量
    を算出し、その算出された量の燃料を燃料噴射弁から噴
    射させるようにした内燃機関の燃料噴射制御方法におい
    て、 前記内燃機関停止後の経過時間、冷却水の温度及び燃料
    噴射弁の温度の関係を予め求めておき、内燃機関停止時
    から再始動時までの経過時間を計測するとともに、同再
    始動時の冷却水の温度を検出し、前記関係を利用して前
    記経過時間及び冷却水の温度から内燃機関再始動時の燃
    料噴射弁の温度を推定し、その推定結果に基づき前記燃
    料噴射量を増量補正するようにした内燃機関の燃料噴射
    制御方法。
JP32075095A 1995-12-08 1995-12-08 内燃機関の燃料噴射制御方法 Pending JPH09158757A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013100780A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2014152677A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置

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