JPH09158073A - 蒸解助剤、蒸解液及びパルプの製造方法 - Google Patents

蒸解助剤、蒸解液及びパルプの製造方法

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JPH09158073A
JPH09158073A JP33574895A JP33574895A JPH09158073A JP H09158073 A JPH09158073 A JP H09158073A JP 33574895 A JP33574895 A JP 33574895A JP 33574895 A JP33574895 A JP 33574895A JP H09158073 A JPH09158073 A JP H09158073A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化水素を含むアルカリ性蒸解液を用いて
セルロース原料を蒸解する工程を含むパルプ化法におい
て、少量の添加によりパルプの収率及び引裂き強度を高
める蒸解助剤、これを含む蒸解液及びこの蒸解液を用い
るパルプ化法を提供する。 【解決手段】 過酸化水素を含むアルカリ性水溶液から
なるセルロース原料用蒸解液に対して用いられる蒸解助
剤であって、マグネシウム化合物からなることを特徴と
する蒸解助剤。過酸化水素を含むアルカリ性水溶液から
なるセルロース原料用蒸解液であって、マグネシウム化
合物を含有することを特徴とする蒸解液。セルロース原
料を過酸化水素を含むアルカリ性水溶液からなる蒸解液
を用いて蒸解する工程を含むパルプ化方法において、該
蒸解液中にマグネシウム化合物を添加することを特徴と
するパルプの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸解助剤、蒸解液及
びパルプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース原料を蒸解し、パルプ化する
ための蒸解液として、過酸化水素を含むアルカリ性蒸解
液(以下、PA蒸解液とも言う)は知られている。この
蒸解液において、蒸解助剤として、アルキルアントラキ
ノンを添加し、パルプ収率を向上させることは知られて
いる(特公昭59−9677号)。この蒸解液を用いて
パルプを製造する方法においては、蒸解条件をきびしく
することにより白色度の高いパルプを得ることができる
が、この場合には、得られるパルプの収率及び引裂強度
が低下するという問題を生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PA蒸解液
を用いてセルロース原料を蒸解する工程を含むパルプ化
法において、少量の添加によりパルプの収率及び引裂き
強度を高める蒸解助剤、これを含む蒸解液及びこの蒸解
液を用いるパルプ化法を提供することをその課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明によれば、過酸化水素を含むアルカ
リ性水溶液からなるセルロース原料用蒸解液に対して用
いられる蒸解助剤であって、マグネシウム化合物からな
ることを特徴とする蒸解助剤が提供される。また、本発
明によれば、過酸化水素を含むアルカリ性水溶液からな
るセルロース原料用蒸解液であって、マグネシウム化合
物を含有することを特徴とする蒸解液が提供される。さ
らに、本発明によれば、セルロース原料を過酸化水素を
含むアルカリ性水溶液からなる蒸解液を用いて蒸解する
工程を含むパルプ化方法において、該蒸解液中にマグネ
シウム化合物を添加することを特徴とするパルプの製造
方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でPA蒸解液に対する蒸解
助剤として用いるマグネシウム化合物には、水溶性及び
難水溶性のマグネシウム化合物が包含される。このよう
なマグネシウム化合物を例示すると、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。酸化マグ
ネシウムや炭酸マグネシウム等の水に対する溶解度の小
さいマグネシウム化合物は、後記するホスホン酸又はそ
の水溶性塩、特に、1−ヒドロキシアルキリデン−1,
1−ジホスホン酸又はその水溶性塩とともに使用するの
が好ましく、これにより、その水に対する溶解度を向上
させることができる。蒸解液中のマグネシウム化合物の
濃度は0.001〜0.2重量%、好ましくは0.00
3〜0.03重量%である。
【0006】本発明の蒸解液は、PA蒸解液において、
前記マグネシウム化合物を含むものである。このような
マグネシウム化合物を含む蒸解液は、過酸化水素又は過
酸化水素発生剤及びマグネシウム化合物をアルカリ性水
溶液に添加し、溶解することによって調製することがで
きる。過酸化水素発生剤としては、水に溶けて過酸化水
素を発生し得るものであればよく、従来公知の各種のも
のが使用される。このようなものとしては、例えば、過
炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等の水溶性過炭酸塩;
過ホウ酸ナトリウムや過ホウ酸カリウム等の水溶性過ホ
ウ酸塩等の各種の水溶性ペルオクソ酸塩の他、尿素/過
酸化水素付加物、メタケイ酸塩/過酸化水素付加物、過
酸化カルシウム、過酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0007】アルカリ性水溶液は、アルカリ性物質を水
に添加し、溶解することにより得ることができる。アル
カリ性物質としては、水に溶けてアルカリ性を示す従来
公知の各種の物質が用いられる。このようなアルカリ性
物質としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム等が挙げられる。
【0008】本発明で用いる過酸化水素とマグネシウム
化合物を含むアルカリ性水溶液からなる蒸解液は、水中
にアルカリ性物質と過酸化水素又は過酸化水素発生剤と
マグネシウム化合物を添加し、溶解させることによって
得ることができるが、過酸化水素発生剤として過炭酸塩
を用いる場合には、これを水中に溶解させることによ
り、過酸化水素と炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶
液を得ることができる。
【0009】蒸解液中に含まれる過酸化水素の濃度は特
に制約されないが、H22として、0.01〜5重量
%、好ましくは0.03〜2重量%である。マグネシウ
ム化合物の濃度は0.0001〜1重量%、好ましくは
0.005〜0.5重量%である。アルカリ性物質の濃
度は、9.0以上、好ましくは10.0〜11.5のp
Hを与えるような濃度であればよく、通常は、0.5〜
15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0010】本発明の蒸解液には、必要に応じ、過酸化
水素の分解を防止するために、過酸化水素安定剤を添加
することができる。このような安定剤には、キレート剤
やアルカリ金属ケイ酸塩が包含される。キレート剤とし
ては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)又はその水
溶性塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)又は
その水溶性塩、ホスホン酸、例えば、アミノトリメチレ
ンホスホン酸、特に、下記一般式で示される1−ヒドロ
キシアルキリデン−1,1−ジフォスフォン酸又はそれ
らの水溶性塩等が挙げられる。
【化1】 (式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基を示す)
【0011】アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナ
トリウムやケイ酸カリウムが挙げられ、これらのものは
水ガラスとして蒸解液に添加することができる。キレー
ト剤の蒸解液中濃度は、0.01〜1重量%、好ましく
は0.02〜0.2重量%である。また、アルカリ金属
ケイ酸塩の水溶液中濃度は、0.02〜2重量%、好ま
しくは0.05〜0.8重量%である。
【0012】本発明の蒸解液には、アントラキノンやア
ルキルアントラキノン等のアントラキノン系化合物を添
加することができる。このようなアントラキノン系化合
物の添加により、パルプ収率の向上が得られる。このア
ントラキノン系化合物の蒸解液中濃度は、0.0001
〜1重量%、好ましくは0.003〜0.5重量%であ
る。
【0013】本発明の蒸解液を用いてセルロース原料を
蒸解するにはセルロース原料を蒸解液中で加熱し、蒸解
させる。蒸解温度は、通常、50〜200℃であり、蒸
解圧力は、蒸解液を液相に保持するのに十分な圧力であ
ればよい。セルロース原料としては、稲わら、麦わら、
バガス(砂糖きびの搾り粕)、竹、楮、三椏、麻類等の
非木材及び赤松、唐松等の針葉樹、白樺、ぶな等の広葉
樹及びユーカリ等の熱帯材など広く木材セルロース原料
が適用できる。木材及び竹など硬い原料の場合薬液の浸
透が良いようにチップ状にして用いることが望ましい。
本発明の蒸解液を用いることにより、前記セルロース原
料はいずれも蒸解可能であるが、一部の麻類、楮、三椏
等靱皮繊維から化学パルプを製造したり、バガス、稲わ
ら等の非木材や一部の木材から半化学パルプを製造する
場合には比較的良質のパルプが高収率で得られるので有
利である。過酸化水素使用量はセルロース原料に対し
て、H22として、0.1〜15重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である。アルカリ使用量はNa2O換
算で、セルロース原料に対し、通常、3〜50重量%で
あり、化学パルプは10〜30重量%、半化学パルプで
は5〜15重量%にするのがよい。マグネシウム化合物
の使用量は原料セルロースに対し、0.003〜5重量
%、好ましくは0.01〜1重量%である。キレート剤
の使用量は、セルロース原料に対し、0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜1重量%である。アントラキノ
ン系化合物の使用量は、セルロース原料に対し、0.0
03〜5重量%、好ましくは0.02〜1重量%であ
る。
【0014】本発明の蒸解液を用いて半化学パルプを製
造する場合に、そのセルロース原料として木材チップを
用いるときには、その蒸解条件としては、130〜17
0℃の蒸解温度及び0.2〜1.5時間の蒸解時間の使
用が好ましく、硬質の非木材原料を用いるときには、9
0〜140℃の蒸解温度、0.2〜1.5時間の蒸解時
間の使用が好ましく、硬質の非木材原料を用いるときに
は、常温において1〜5時間の蒸解条件又は50〜13
0℃の蒸解温度及び0.1〜1時間の蒸解時間の使用が
好ましい。本発明の蒸解液を用いて化学パルプを好まし
く製造する方法においては、アルカリとしてアルカリ金
属水酸化物を含む蒸解液を用いるとともに、得られた蒸
解物は、これを蒸解液と不溶性固形分(化学パルプ)と
に分離する。分離された蒸解液(パルプ廃液)はこれを
濃縮燃焼して、蒸解液中のアルカリ分を炭酸塩又は水酸
化物として回収する。また、蒸解助剤として用いたマグ
ネシウム化合物は酸化マグネシウムや水酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムとして回収する。この回収された
アルカリ分及びマグネシウム分は蒸解液調製のための成
分として再利用する。また、前記蒸解物から分離された
不溶性固形分は、必要に応じ、本発明の蒸解液を用いて
蒸解処理することができる。このような2段階の蒸解工
程を含むパルプ化法においては、白色度の高い高品質の
パルプを得ることができる。本発明による他の好ましい
パルプの製造方法においては、アルカリとしてアルカリ
金属炭酸塩を含む蒸解液を用いるとともに、得られた蒸
解物は、これを蒸解液と不溶性固形物とに分離し、得ら
れた不溶性固形分はこれを常法により解繊して、半化学
パルプを得る。一方、分離された蒸解液は、これを濃縮
燃焼して、蒸解液中に含まれるアルカリ分をアルカリ金
属炭酸塩として回収し、蒸解液調製用成分として再利用
する。なお、前記半化学パルプには、セミケミカルパル
プ、ケミグランドパルプ、ケミサーモケミカルパルプ等
が包含される。このような半化学パルプの製造において
は、低められた蒸解液コストにおいて、高められたパル
プ収率でパルプを得ることができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、以下において示す%は重量%である。ま
た薬品使用量は、セルロース原料の絶乾重量に対する重
量比(%)であり、アルカリの使用量は、Na2O換算
量である。また、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウ
ムは、いずれも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジホスホン酸(式(1)におけるR:CH3)の0.2
%水溶液中に可溶化させて用いた。
【0016】実施例1 バガス100kg(絶乾量87.8kg)に水酸化カリ
ウムを18%、過酸化水素を3%、キレート剤(1−ヒ
ドロキシアルリデン−1,1−ジホスホン酸)を0.3
%、酸化マグネシウムを0.05%含む蒸解液を、液比
5(L/kg)で用い、1m3容の回転式蒸解釜で14
0℃、1時間の条件で蒸解を行った。その蒸解結果とし
て、カッパー価5.8、ハンター白色度58.4%、裂
断長4.8km、比破裂強さ2.9、比引裂強さ55、
耐折強さ(耐屈折回数)12の化学パルプが精選収率4
9.2%、総収率51.0%で得られた。
【0017】実施例2 バガス500g(絶乾量43.9g)に水酸化ナトリウ
ムを12%、過酸化水素を3%、キレート剤を0.3
%、アミルアントラキノンを0.05%含む蒸解液を、
液比5(L/kg)で用い、5L容の回転式蒸解釜で、
125℃、0.5時間の条件で蒸解を行った。蒸解後た
だちに125℃のホットリファイナーで解繊してパルプ
化した。前記蒸解及び解繊結果として、カッパー価7
8.5、ハンター白色度53.4%、裂断長3.4k
m、比破裂強さ1.8、比引裂強さ35、耐折強さ2の
半化学パルプ(ケミ・サーモ・メカニカルパルプ)が総
収率(精製収率)78.1%で得られた。
【0018】実施例3 アバカ100kg(絶乾量86.8kg)に水酸化ナト
リウムを20%、過酸化水素を3%、キレート剤を0.
3%、アミルアントラキノンを0.1%含む蒸解液を、
液比5(L/kg)で用い、1m3容の回転式蒸解釜
で、150℃、2時間の条件で蒸解を行った。蒸解結果
として、カッパー価7.3、ハンター白色度63.2
%、裂断長10.2km、比破裂強さ6.7、比引裂強
さ223、耐折強さ2650の化学パルプが精選収率6
0.8%、総収率63.0%で得られた。
【0019】実施例4 アバカ100kg(絶乾量86.8kg)に水酸化ナト
リウムを20%、過酸化水素を3%、キレート剤を0.
3%、アミルアントラキノンを0.1%含む蒸解液を液
比5(L/kg)で用い、1m3容の回転式蒸解釜で1
50℃、2時間の条件で蒸解を行った。蒸解結果とし
て、カッパー価6.6、ハンター白色度62.1%、裂
断長10.9km、比破裂強さ6.8、比引裂強さ24
0、耐折強さ3190の化学パルプが精選収率62.1
%、総収率62.5%で得られた。
【0020】比較実験例1 アバカ100kg(絶乾量86.8kg)に水酸化ナト
リウムを20%、過酸化水素を3%、キレート剤を0.
3%、アミルアントラキノンを0.1%含む蒸解液を、
液比5(L/kg)で用い、1m3容の回転式蒸解釜
で、150℃、2時間の条件で蒸解を行った。蒸解結果
として、カッパー価10.3、ハンター白色度63.8
%、裂断長8.9km、比破裂強さ5.9、比引裂強さ
169、耐折強さ1240の化学パルプが精選収率6
0.2%、総収率62.1%で得られた。
【0021】参考実験例1 L材(広葉樹雑木)チップ100kg(絶乾量88.1
kg)を硫化度25%のKP蒸解を行った。有効アルカ
リ量を20%、液比を5(L/kg)に保持し、1m3
容の回転式蒸解釜で、175℃、1.5時間の条件で蒸
解を行った。蒸解結果として、カッパー価28.5、ハ
ンター白色度18.1%、裂断長6.8km、比破裂強
さ5.8、比引裂強さ135、耐折強さ870の化学パ
ルプが精選収率51.2%、総収率53.1%で得られ
た。
【0022】実施例5 バガス100kg(絶乾量87.8kg)を2段蒸解で
パルプ化した。第1段目は実施例1と同じ条件のカリウ
ムベースで蒸解した。得られた蒸解物は水で洗浄後、更
に2段目の蒸解を行った。2段目の蒸解は、アルカリと
して炭酸カリウムを1.0%、過酸化水素を3%、アミ
ルアントラキノンを0.05%、酸化マグネシウムを
0.1%含む蒸解液を、液比10(L/kg)で用い、
40℃で15時間の条件で行った。その結果、カッパー
価2.9、ハンター白色度73.8%、裂断長4.5k
m、比破裂強さ2.7、比引裂強さ59、耐折強さ15
のパルプを収率49.1%で得た。
【0023】実施例6 バガス500kg(絶乾量43.9kg)を2段蒸解で
パルプ化した。第1段目は実施例1と同じ条件で蒸解し
た。得られた蒸解物は水で洗浄後、更に2段目の蒸解を
行った。2段目の蒸解は、アルカリとして炭酸ナトリウ
ムを0.3%、過酸化水素を3%、アミルアントラキノ
ンを0.05%、キレート剤を0.3%、酸化マグネシ
ウムを0.1%を含む蒸解液を、液比8(L/kg)で
用い、90℃で1.0時間の条件で行った。その結果、
カッパー価78.1、ハンター白色度72.1%、裂断
長3.2km、比破裂強さ1.8、比引裂強さ37、耐
折強さ3のパルプを収率76.9%で得た。
【0024】実施例7 アバカ100kg(絶乾量86.8kg)を2段蒸解で
パルプ化した。第1段目は実施例4と同じ条件で蒸解し
た。得られた蒸解物は水で洗浄後、更に2段目の蒸解を
行った。2段目の蒸解は、アルカリとして炭酸ナトリウ
ムを1.5%、過酸化水素を3%、アミルアントラキノ
ンを0.05%、酸化マグネシウムを0.1%を含む蒸
解液を、液比8(L/kg)で用い、95℃で1.0時
間の条件で行った。その結果、カッパー価3.5.1、
ハンター白色度81.2%、裂断長8.6km、比破裂
強さ5.9、比引裂強さ245、耐折強さ3310のパ
ルプを収率60.9%で得た。
【0025】
【発明の効果】本発明の適用範囲は広くかつその実施は
容易で、本発明によるパルプ収率の向上とパルプ生産工
程の合理化及び品質向上の効果は大きい。すなわち、本
発明は、セルロース原料として木材、非木材の区別なく
広くパルプ化に適用できる。本発明の場合、特に製糖工
場で大量に発生する砂糖きびの搾り粕であるバガスをは
じめ、稲わら、麦わら、バナナの古木等の農産廃棄物を
木材の代わりに使用でき、これらのセルロース原料から
化学パルプ及び半化学パルプを高収率で得ることができ
る。本発明において蒸解助剤として用いるマグネシウム
化合物は、パルプ収率を増させるとともに、機械強度、
特に引裂強さ及び耐折強さを向上させる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素を含むアルカリ性水溶液から
    なるセルロース原料用蒸解液に対して用いられる蒸解助
    剤であって、マグネシウム化合物からなることを特徴と
    する蒸解助剤。
  2. 【請求項2】 過酸化水素を含むアルカリ性水溶液から
    なるセルロース原料用蒸解液であって、マグネシウム化
    合物を含有することを特徴とする蒸解液。
  3. 【請求項3】 該蒸解液が、ホスホン酸又はその水溶性
    塩を含有する請求項2の蒸解液。
  4. 【請求項4】 セルロース原料を過酸化水素を含むアル
    カリ性水溶液からなる蒸解液を用いて蒸解する工程を含
    むパルプ化方法において、該蒸解液中にマグネシウム化
    合物を添加することを特徴とするパルプの製造方法。
JP33574895A 1995-11-30 1995-11-30 蒸解助剤、蒸解液及びパルプの製造方法 Pending JPH09158073A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632328B2 (en) 1997-09-23 2003-10-14 Queen's University At Kingston Method for bleaching mechanical pulp with hydrogen peroxide and an alkaline earth metal carbonate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632328B2 (en) 1997-09-23 2003-10-14 Queen's University At Kingston Method for bleaching mechanical pulp with hydrogen peroxide and an alkaline earth metal carbonate

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