JPH10325090A - パルプの製造方法 - Google Patents

パルプの製造方法

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JPH10325090A
JPH10325090A JP14573097A JP14573097A JPH10325090A JP H10325090 A JPH10325090 A JP H10325090A JP 14573097 A JP14573097 A JP 14573097A JP 14573097 A JP14573097 A JP 14573097A JP H10325090 A JPH10325090 A JP H10325090A
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cooking
pulp
cooking liquor
magnesium
compound
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JP14573097A
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Akio Onda
昭雄 御田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低価格で無公害性の薬品から成る蒸解液を使
って、農産廃棄物や林産廃棄物を含む広範囲のパルプ原
料から、強度が大きく着色の少ない高品質のパルプをエ
ネルギー消費が少なく簡単に製造する方法を提供する。 【解決手段】 植物系原料を蒸解液中で蒸解するパルプ
の製造方法において、過酸化水素を含むアルカリ性水溶
液中において、少なくとも0.1kg/cm2の酸素分圧
下で蒸解する蒸解工程を含むことを特徴とするパルプの
製造方法。植物系原料を蒸解液中で蒸解するパルプの製
造方法において、過酸化水素を含むアルカリ性水溶液か
らなる第1蒸解液中で、少なくとも0.1kg/cm2
酸素分圧下で蒸解する第1蒸解工程と、該第1蒸解工程
で得られた固体蒸解物を過酸化水素を含むアルカリ性水
溶液からなる第2蒸解液中で蒸解する第2蒸解工程から
なることを特徴とするパルプの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質系及び非木質
系の植物系原料からパルプを製造する方法に関するもの
であり、より具体的には広範囲の植物系原料から環境に
優しい方法で高品質のパルプを製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在の化学パルプは、硫化ナトリウムと
水酸化ナトリウムを含む蒸解液中で植物系原料を蒸解す
るクラフト法(KP法)で主に製造されている。この方
法は、廃液を濃縮後に燃焼してエネルギーの一部を回収
することが可能な上に、硫化ナトリウムと炭酸ナトリウ
ムを主成分とする溶融状灰分(スメルト)が回収され
る。そして、スメルトからは蒸解薬品を再生することが
できることから、このKP法は、完全クローズドシステ
ムに近いパルプ製造法である。また、このKP法では針
葉樹や広葉樹等の幅広い原料からパルプが製造できる上
に、得られるパルプの強度も大きいことから、利点の多
いパルプ製造法でもある。しかし、KP法には下記の欠
点があることから、その改良や新規なパルプ製造方法の
開発が強く望まれている。 悪臭の強い硫黄化合物を含む廃ガス及び廃水が大量に
発生する。 稲わら、麻類、みつまた等の非木質系原料のパルプ化
には不適。 未晒のKP法パルプは暗褐色の上に漂白がむずかし
く、そのため漂白費が嵩む上に安価な塩素漂白を行うと
環境汚染物質が生成する。
【0003】一方、化学パルプを得るために、過酸化水
素を含むアルカリ水溶液を蒸解液として用い、その中で
各種パルプ原料を蒸解する方法(以下、PA法と略記す
る)が知られている。この方法では顕著な脱リグニン反
応が起り、この方法でパルプを製造すると、消費エネル
ギーが少ない上に強度の大きいパルプを得ることができ
る。しかしながら、このPA法では、高品質のパルプを
収率よく得るには、比較的多量の過酸化水素の使用を必
要とし、その結果、得られるパルプがコスト高となると
いう問題を含む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低価格で無
公害性の薬品から成る蒸解液を使って、農産廃棄物や林
産廃棄物を含む広範囲のパルプ原料から、強度が大きく
着色の少ない高品質のパルプをエネルギー消費が少なく
簡単に製造する方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を嵩ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、植物系原料を蒸解
液中で蒸解するパルプの製造方法において、過酸化水素
を含むアルカリ性水溶液中において、少なくとも0.1
kg/cm2の酸素分圧下で蒸解する蒸解工程を含むこと
を特徴とするパルプの製造方法が提供される。また、本
発明によれば、植物系原料を蒸解液中で蒸解するパルプ
の製造方法において、過酸化水素を含むアルカリ性水溶
液からなる第1蒸解液中で、少なくとも0.1kg/c
2の酸素分圧下で蒸解する第1蒸解工程と、該第1蒸
解工程で得られた固体蒸解物を過酸化水素を含むアルカ
リ性水溶液からなる第2蒸解液中で蒸解する第2蒸解工
程からなることを特徴とするパルプの製造方法が提供さ
れる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるパルプ原料は、植
物系原料であり、木質系植物原料及び非木質系植物原料
を包含する。木質系植物原料としては、針葉樹、広葉
樹、熱帯樹等の各種の樹木からの木材が挙げられる。非
木質系植物原料としては、みつまた、こうぞ、桑等の植
物から得られる靱皮の他、麻、竹、稲わら、麦わら、バ
ガス(砂糖きびの搾り粕)、とうもろこし茎及び皮等が
挙げられる。これらの植物系原料は適当な寸法に切断し
てパルプ原料とされる。本発明のパルプの製造方法は、
1つの蒸解工程を含む1段階蒸解法と2つ又はそれ以上
の蒸解工程を含む多段階蒸解法を包含する。以下、これ
らの方法について詳述する。
【0007】(1段階蒸解法)この方法は、植物系原料
を過酸化水素を含むアルカリ性水溶液からなる蒸解液中
で、酸素加圧下で蒸解する1段階の蒸解工程により蒸解
してパルプ化する方法である。この場合の蒸解液は、水
中に、アルカリ性物質と水溶性過酸化物を添加し、溶解
させることによって調製することができる。アルカリ性
物質としては、ナトリウムやカリウムの水酸化物、炭酸
塩及び重炭酸塩等が挙げられる。これらのものは単独又
は2種以上の混合物の形で用いられる。水溶性過酸化物
としては、過酸化水素の他、過酸化ナトリウムや過酸化
カリウム等の水溶性金属過酸化物;炭酸ナトリウムやホ
ウ酸等の化合物と過酸化水素より成る水溶性付加体;過
炭酸や過ホウ酸等の水溶性無機過酸又はその水溶性塩;
過ギ酸や過酢酸等の水溶性有機過酸又はその水溶性塩等
が挙げられる。これらの水溶性過酸化物を水中に投入
し、溶解させることによって、過酸化水素を含む水溶液
を得ることができる。過酸化水素以外の水溶性過酸化物
は、水と反応して、過酸化水素を放出する。この過酸化
水素は、植物系原料からのリグニンの除去作用とパルプ
の漂白作用を示す。水溶液中のアルカリ性物質の濃度
は、Na2O又はK2O換算量で、0.5〜15重量%、
好ましくは3〜10重量%である。一方、水溶液中の過
酸水素(H22)の濃度は、0.01〜5重量%、好ま
しくは0.03〜2重量%である。
【0008】本発明で用いる蒸解液には、必要に応じ、
過酸化水素の分解を防止するために、過酸化水素安定剤
を添加することができる。このような安定剤には、キレ
ート剤やアルカリ金属ケイ酸塩が包含される。キレート
剤としては、クエン酸又はその塩、EDTA(エチレン
ジアミン四酢酸)又はその塩、DTPA(ジエチレント
リアミン五酢酸)又はその塩、ホスホン酸又はその塩、
特に、アミノトリメチレンホスホン酸又はその塩や、下
記一般式(1)で示される1−ヒドロキシアルキリデン
−1,1−ジフォスフォン酸又はその塩等が挙げられ
る。
【化1】 (式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基を示す)
【0009】アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナ
トリウムやケイ酸カリウムが挙げられ、これらのものは
水ガラスとして蒸解液に添加することができる。キレー
ト剤の蒸解液中濃度は、0.01〜1重量%、好ましく
は0.02〜0.2重量%である。また、アルカリ金属
ケイ酸塩の蒸解液中濃度は、0.02〜2重量%、好ま
しくは0.05〜0.8重量%である。
【0010】本発明で用いる蒸解液は、その助剤とし
て、アントラキノン系化合物及び/又は9,10位にヒ
ドロキシル基を有するアントラセン系化合物を含有する
ことができる。これらの助剤の添加により、パルプ収率
が向上する。アントラキノン系化合物には、アントラキ
ノンの他、アルキルアントラキノンが包含される。アル
キルアントラキノンとしては、炭素数1〜12、好まし
くは2〜5のアルキル基を1個有するものの使用が好ま
しい。アルキルアントラキノンにおけるアルキル基の位
置は、β位であることが好ましい。9,10位にヒドロ
キシル基を有するアントラセン系化合物には、未置換の
9,10−ジヒドロキシルアントラセンの他、置換アン
トラセン、例えば、アルキルアントラセンが包含され
る。9,10−ジヒドロキシルアルキルアントラセンに
おいて、そのアルキル基の炭素数は、通常12以下であ
り、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。
9,10−ジヒドロキシルアントラセン系化合物の具体
例としては、9,10−ジヒドロキシルエチルアントラ
セン、9,10−ジヒドロキシルプロピルアントラセ
ン、9,10−ジヒドロキシルブチルアントラセン、
9,10−ジヒドロキシルアミルアントラセン、9,1
0−ジヒドロキシルヘキシルアントラセン、9,10−
ジヒドロキシルオクチルアントラセン、9,10−ジヒ
ドロキシルデシルアントラセン、9,10−ジヒドロキ
シルドデシルアントラセン等が挙げられる。アントラキ
ノン系化合物及び/又は9,10−ジヒドロキシルアン
トラセン系化合物の蒸解液中濃度は、0.0001〜1
重量%、好ましくは0.003〜0.5重量%である。
【0011】本発明で用いる蒸解液には、必要に応じ、
蒸解助剤として、マグネシウム化合物を添加することが
できる。このマグネシウム化合物には、水溶性及び難水
溶性のマグネシウム化合物が包含される。このようなマ
グネシウム化合物を例示すると、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酢酸マグネ
シウム等が挙げられる。酸化マグネシウムや、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム等の水に対する溶解度の
小さい難水溶性マグネシウム化合物は、前記ホスホン酸
又はその水溶性塩、特に、前記一般式(1)で表される
1−ヒドロキシアルキリデン−1,1−ジホスホン酸又
はその水溶性塩とともに使用するのが好ましく、これに
より、難水溶性マグネシウム化合物の水に対する溶解度
を向上させることができる。蒸解液中のマグネシウム化
合物の濃度は0.001〜0.2重量%、好ましくは
0.003〜0.03重量%である。難水溶性マグネシ
ウム化合物を、前記一般式(1)の1−ヒドロキシアル
キリデン−1,1−ジホスホン酸又はその塩からなるキ
レート剤を組合せて用いる場合、そのキレート剤の使用
割合は、難水溶性マグネシウム化合物1モル当り、0.
2モル以上、好ましくは0.4〜2.0モルの割合であ
る。この場合、キレート化剤は難水溶性マグネシウム化
合物の可溶化剤として作用し、難水溶性マグネシウム化
合物の水への溶解を可能にする。難水溶性マグネシウム
化合物を蒸解液へ添加する場合、その難水溶性マグネシ
ウム化合物は、これをキレート化剤の30〜300重量
%水溶液1リットル当り、0.2〜7g、好ましくは
0.5〜3gの割合で添加してマグネシウムを溶解状態
で含む水溶液を作り、この水溶液の形態で蒸解液に添加
するのが好ましい。マグネシウム化合物は、蒸解液中に
おいて、セルロースを保護し、パルプ収率を増加させる
とともに、機械的強度、特に引裂強さ耐折強さの向上し
たパルプの製造を可能とする。
【0012】本発明の1段解蒸解法によるパルプの製造
方法は、パルプ原料としての植物系原料を、前記過酸化
水素を含むアルカリ性水溶液からなる蒸解液中におい
て、酸素分圧が少なくとも0.1kg/cm2の条件下で
蒸解する蒸解工程を含む。蒸解工程における酸素分圧
は、好ましくは0.2〜30kg/cm2、より好ましく
は0.5〜10kg/cm2である。酸素源としては、純
酸素の他、空気や空気と酸素との混合ガスが用いられ、
酸素分圧が前記の範囲に保持できれば限定されないが、
装置の耐圧度を高くすると装置費が嵩むことから、純酸
素や酸素と空気の混合ガスを使うのが好ましい。蒸解工
程における反応温度は、90〜200℃、好ましくは1
10〜170℃である。蒸解液中に含まれる各蒸解薬品
のパルプ原料に対する重量比を示すと、絶乾基準のパル
プ原料の重量に対して、アルカリ性物質は、Na2O又
はK2Oとして、3〜40%、好ましくは15〜25%
であり、過酸化水素は、H22として、0.1〜10
%、好ましくは0.5〜3.0%であり、キレート剤
は、0.05〜5%、好ましくは0.1〜1%であり、
アントラキノン系化合物及び/又は9,10位にヒドロ
キシル基を持つアントラセン系化合物は、0.01〜2
%、好ましくは0.03〜0.3%であり、マグネシウ
ム化合物は、MgOとして、0.003〜5%、好まし
くは0.01〜1%である。蒸解液の一般的使用割合
は、絶乾基準のパルプ原料の重量に対する容量比率で、
1.0〜15L/kgである。気相蒸解では1.3〜
2.5L/kgにするのが好ましく、液相蒸解では4〜
8L/kgにするのが好ましい。パルプ原料として、バ
ガスや稲わら等の非木質系植物原料を用いる場合には、
その比率は、一般的には、1.0〜10L/kgであ
る。気相蒸解では1.0〜2.5L/kgにするのがよ
く、液相蒸解では6〜10L/kgにするのがよい。
【0013】前記1段階蒸解法によるパルプの製造方法
においては、過酸化水素を含む蒸解液を用いるととも
に、0.1kg/cm2以上の酸素分圧下でパルプ原料の
蒸解を行うことから、以下に示す利点を得ることができ
る。 (1)得られるパルプの白色度が非常に高い。その理由
は以下の通りである。アルカリ性水溶液中において、酸
素一過酸化水素の存在下でパルプ原料を蒸解すると、蒸
解初期には過酸化水素とアルカリでパルプ原料の組織が
崩れるが、この組織が崩れたパイプ原料に対しては酸素
が浸入し易くなり、過酸化水素が消費された後を引継い
だ形で酸素がパルプ原料と反応する。その結果、パルプ
原料の分子が崩壊し、溶出したリグニンと色素が縮重合
しにくくなってパルプ廃液の色が濃くならず、パルプの
色が濃く染まらないため、白色度の高いパルプが得られ
る。 (2)得られるパルプの収率が高い。その理由は以下の
通りである。パルプ原料中に含まれるセルロース、ヘミ
セルロース及びリグニンのうちのリグニンの選択的分解
と溶出が行われ易くなり、その結果、パルプ収率が高く
なる。 (3)非木質系植物原料をパルプ原料として用いたとき
には、特に、以下に示すような利点が得られる。非木質
系植物原料は木質系原料に比べ緻密でないため、アルカ
リ一過酸化水素液が浸しやすく、また、パルプ原料全体
が酸素と接触しやすいことから、脱リグニン反応が円滑
に進行し、その結果、高いパルプ収率が得られる。
【0014】(多段階蒸解法)この方法は、植物系原料
を多段階の蒸解工程により蒸解してパルプ化する方法で
ある。この多段階蒸解法における第1蒸解工程は、前記
1段階法の蒸解工程の場合と同様に、酸素加圧下で実施
される。この第1蒸解工程での蒸解液としては、前記1
段階蒸解法に関連して示したのと同様の蒸解液を用いる
ことができる。この第1蒸解工程における酸素分圧は、
0.1kg/cm2以上、好ましくは0.2〜30kg/
cm2、より好ましくは0.5〜10kg/cm2であ
る。第1蒸解温度は、80〜200℃、好ましくは11
0〜170℃である。蒸解液の使用割合は、液相蒸解の
場合、絶乾基準のパルプ原料の重量に対する容積比率で
8〜20L/kgであるが、気相蒸解の場合には、特
に、1.5〜5L/kgで充分である。前記第1蒸解工
程においては、植物系原料は、それに含まれる全リグニ
ンの60〜95重量%、好ましくは85〜95重量%が
除去される。第1蒸解工程からの生成物は、固液分離法
により、固体蒸解物と蒸解液とに分離され、固体蒸解物
は水洗され、次の第2蒸解工程で蒸解処理される。第2
蒸解工程での蒸解液としては、前記1段階蒸解法に関連
して示したのと同様の蒸解液を用いることができる。こ
の第2蒸解工程では、酸素加圧は必ずしも必要とされな
いが、好ましくは酸素加圧が用いられる。この場合の酸
素分圧は、0.1kg/cm2以上、好ましくは0.2〜
30kg/cm2、より好ましくは0.5〜10kg/c
2である。第2蒸解温度は、常温〜130℃、好まし
くは常温〜100℃である。蒸解液の使用割合は、液相
蒸解の場合、絶乾基準の固体蒸解物の重量に対する比率
で、8〜15L/kgであるが、気相蒸解の場合には、
1.5〜3L/kgまで下げることができる。前記第2
蒸解工程においては、植物系原料は、それに含まれる全
リグニンの92〜99重量%、好ましくは95〜98重
量%が除去される。第2蒸解工程からの生成物は、固液
分離法により、固体蒸解物と蒸解液とに分離され、固体
蒸解物は水洗され、必要に応じ、次の第3蒸解工程で蒸
解処理される。この第3蒸解工程は、前記第2蒸解工程
の場合と同様にして実施することができる。前記多段階
蒸解法でパルプを製造する場合、第1蒸解工程で得られ
た固体蒸解物は、これを機械的解織工程に付して、機械
的に解織し、得られた解織物を第2蒸解工程で蒸解する
こともできる。解織装置としては、ケミサーモメカニカ
ルパルプの製造に慣用されているものを用いることがで
きる。
【0015】本発明のパルプの製造方法において、蒸解
工程で発生するパルプ廃液は濃縮後に燃焼してエネルギ
ーを回収すると共に、燃焼時に生成する灰分からアルカ
リ性物質を回収することができる。パルプ廃液の濃縮は
多重効用缶を使って含水率70重量%程度まで行うのが
好ましい。そして、濃縮したパルプ廃液はエネルギー回
収ボイラーに供給して高圧水蒸気を発生させ、この蒸気
エネルギーを電力等の形で回収することができる。ま
た、濃縮パルプ廃液の燃焼で発生する灰からは、水溶性
化合物(炭酸アルカリ)を抽出し、この抽出液に生石灰
を加え、炭酸アルカリを苛性化して水酸化アルカリに変
え、蒸解液成分として再使用される。
【0016】本発明の方法では広範囲にわたる植物系原
料からパルプを製造できるが、原料によっては前処理し
てから第1蒸解工程にかけるのが好ましい。例えば、稲
わらのように多量のシリカ分を含む原料を直接蒸解工程
にかけると、シリカ分の蓄積で蒸解液が汚染したり、蒸
解液からのアルカリ分回収が円滑に行かない場合がある
ことから、稲わらは、K2O換算で0.03〜0.7モ
ル/リットルのアルカリ性カリウム化合物を含む水溶液
中20〜50℃で処理する等の方法でシリカ分を除き、
これを蒸解してパルプ化するのが好ましい。この方法に
よれば、前記のトラブルから解放される上に回収したシ
リカ分をケイ酸カリウムとしてク溶性肥料等に利用する
ことができる。また、木材を機械力でパルプ化した粗パ
ルプを本発明のパルプ原料としても良い。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。
【0018】実施例1 赤松材を裁断し、長さ35mm、幅50mm、厚み10
mm程度のサイズを持つ含水率18.5重量%のチップ
を作製し、これをパルプ原料とした。すなわち、チップ
100kgと蒸解液520リットルを内容積2m3のス
テンレス製地球釜に入れ、酸素を圧入して、釜内を酸素
分圧が3.0kg/cm2となるように加圧してから加熱
し、蒸解温度を160℃として2時間蒸解を行った。蒸
解液中の添加剤量を絶乾原料に対する重量%で示すと、
NaOHがNa2Oとして20%、H22が1.0%、
アミルアントラキノンが0.05%、EDTAが0.3
%、MgOが0.1%である。蒸解終了後、固体蒸解物
をパルプ廃液から分離してから水洗し、これを8/10
00カットスクリーンと液体サイクロンで精選すると、
絶乾原料基準で、粕率3.3重量%、収率47.2重量
%で末晒の精選パルプA(1)が得られた。このパルプ
において、そのカッパー価は25.3で、そのブライト
ネスGEは49.3%であった。なお、カッパー価はリ
グニン含有率を表す指標であり、カッパー価のほぼ0.
15倍がリグニン含有率(重量%)になる。
【0019】実施例2 長さ25mm、幅35mm、厚み6mm程度に裁断され
た含水率16.2重量%の広葉樹混合チップ200kg
を原料とし、これと蒸解液760リットルを地球釜に仕
込み、酸素を圧入して、釜内を5.2kg/cm2の酸素
分圧となるように加圧してから加熱し、蒸解温度を15
5℃として2時間蒸解を行った。蒸解液中の添加剤量を
絶乾原料に対する重量%で示すと、KOHがK2Oとし
て18.0%、H22が0.8%、9,10−ジヒドロ
キシルアントラセンが0.08%、DTPAが0.3
%、MgOが0.1%である。蒸解終了後、固体蒸解物
をパルプ廃液から分離し、水洗した後、6/1000カ
ットスクリーンと液体サイクロンで精製し、粕率2.3
%、収率52.6%で精選パルプA(2)を得た。この
もののカッパー価は12.3、ブライトネスGEは6
2.6%であった。次に、前記パルプA(2)0.2k
g(絶乾量基準)を内容積5リットルのステンレス製オ
ートクレーブに仕込み、これに蒸解液2リットルを加
え、2.0kg/cm2の酸素分圧下に120℃で1時間
処理してパルプB(2)とした。蒸解液中の添加剤含有
率を絶乾パルプA(2)に対する重量%で示すと、Na
OHがNa2Oとして8.5%、H22が1.0%、ア
ントラキノンが0.05%、EDTAが0.3%、Mg
Oが0.1%である。そして、パルプA(2)からのパ
ルプB(2)収率は94.9重量%、生成したパルプB
(2)のカッパー価は4.9、ブライトネスGEは7
9.8%であった。また、得られたパルプB(2)重量
の3%に相当する二酸化塩素を使って95℃で2時間処
理すると、ブライトネスGEが93.5%の晒パルプC
(2)が95.9重量%の収率で得られた。
【0020】実施例3 下記に示す成分組成(wt%)の蒸解液Aを作った。 Na2CO3 :Na2Oとして12% H22 :3% キレート化剤 :0.3% (1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸) アミルアントラキノン:0.05% 塩化マグネシウム :0.1% バガス500g(絶乾量43.9g)と、前記蒸解液A
とを液比5(L/kg)の条件で5L容の回転式蒸解釜
に加え、酸素を圧入して釜内の酸素分圧が1.5kg/
cm2になるように加圧して、125℃、0.5時間の
条件で蒸解を行った。蒸解後ただちに125℃のホット
リファイナーで解繊してパルプ化した。前記蒸解及び解
繊結果として、カッパー価78.5、ハンター白色度5
3.4%、裂断長3.4km、比破裂強さ1.8、比引
裂強さ35、耐折強さ2の半化学パルプ(ケミ・サーモ
・メカニカルパルプ)A(3)が総収率(精製収率)7
8.1%で得られた。
【0021】実施例4 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を
0.2重量%で含む水溶液1リットル当り、炭酸マグネ
シウム0.1gを加えて、マグネシウムを溶解状態で含
む溶液を得た。この溶液をマグネシウム源として用い
て、以下に示す成分組成(wt%)の蒸解液Bを作っ
た。 KOH :K2Oとして20% H22 :3% キレート化剤 :0.4% (1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸) アミルアントラキノン:0.1% 炭酸マグネシウム :MgOとして0.15% アバカ100kg(絶乾量86.8kg)と前記蒸解液
Bとを、液比1.5(L/kg)の条件で、1m3容の
回転式蒸解釜に入れ、酸素分圧4.5kg/cm2の条件
で120℃、2時間の条件で気相蒸解を行った。蒸解結
果として、カッパー価7.3、ハンター白色度63.2
%、裂断長10.2km、比破裂強さ6.7、比引裂強
さ223、耐折強さ2650の化学パルプが精選収率6
0.8%、総収率63.0%で得られた。
【0022】実施例5 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を
0.2重量%で含む水溶液1リットル当り、酸化マグネ
シウム0.15gを加えて、マグネシウムを溶解状態で
含む溶液を得た。この溶液をマグネシウム源として用い
て、以下に示す成分組成(wt%)の蒸解液Cを作っ
た。 NaOH :Na2Oとして20% H22 :3% キレート化剤 :0.3% (1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸) アミルアントラキノン:0.1% 炭酸マグネシウム :MgOとして0.15% アバカ100kg(絶乾量86.8kg)と前記蒸解液
Cとを、液比1.6(L/kg)の条件で、1m3容の
回転式蒸解釜に入れ、115℃、酸素分圧3.5kg/
cm2で2時間の条件で蒸解を行った。蒸解結果とし
て、カッパー価6.6、ハンター白色度62.1%、裂
断長10.9km、比破裂強さ6.8、比引裂強さ24
0、耐折強さ3190の化学パルプが精選収率62.1
%、総収率62.5%で得られた。
【0023】実施例6 バガスからピス抜きして得られたケーンラインド(砂糖
きびの厚皮)を風乾して含水率12.5重量%の乾燥ケ
ーンラインド100kgを原料とし、この原料と蒸解液
800リットルとを実施例1で使用した地球釜に仕込
み、酸素を圧入して釜内を1.5kg/cm2の酸素分圧
となるように加圧してから釜温を140℃とし、この温
度で1.5時間保持して第1段蒸解を行った。蒸解液中
の添加剤量を絶乾原料に対する重量%で示すと、NaO
HがNa2Oとして16%、H22が1.0%、β−ア
ミルアントラキノンが0.05%、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸(一般式(1)における
R:CH3)が0.3%、MgOが0.1%である。ま
た、蒸解液の調製時には液中の水の半量を後記する第2
蒸解工程終了後のパルプ廃液で賄った。蒸解後の固体蒸
解物を、パルプ廃液から分離後に水洗してから6/10
00カットスクリーンと液体サイクロンで精製すると、
絶乾原料基準で、粕率1.5重量%及び収率52.6重
量%で、カッパー価5.2、ブライトネスGE65.4
%の精選パルプA(6)が得られた。
【0024】前記の精選パルプA(6)(含水率65重
量%)を、絶乾量で10kgとなるように内容量2m3
のステンレス製温浴付き反応器に仕込み、これに200
リットルの蒸解液を加えて90℃で1時間第2蒸解を行
った。蒸解液中の添加剤量を絶乾精選パルプA(3)に
対する重量%で示すと、NaOHがNa2Oとして5
%、H22が3%、β−アミルアントラキノンが0.1
%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジフォスフォ
ン酸が0.3%、MgOが0.1%である。蒸解後の生
成物を第1蒸解終了後と同様に処理し、得られたパルプ
廃液はこれを第1蒸解工程用蒸解液として利用した。こ
の第2蒸解では、粕率1.1重量%及び収率50.1重
量%で、カッパー価2.3、ブライトネスGE82.8
%を示す白色度の高い未晒精選パルプB(6)が得られ
た。このパルプを絶乾量として1kg採り、これに15
gの二酸化塩素を含む水溶液10リットルを加えて95
℃で3時間標白すると、94.3重量%の収率でブライ
トネスGEが94.3%の晒パルプC(6)が得られ
た。
【0025】実施例7 長さ45mmで含水率17.2重量%のアバカ100k
gを原料とし、これと800リットルの蒸解液を実施例
1で使用した地球釜に仕込み、2.0kg/cm2の酸素
分圧下で115℃まで加温して2時間蒸解した。蒸解液
中の添加剤量は、絶乾原料に対する重量%でNaOHが
Na2Oとして16%、H22が1.0%、β−アミル
アントラキノンが0.05%、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジフォスフォン酸が0.3%、MgOが
0.1%である。蒸解後の固体蒸解物をパルプ廃液から
分離してから水洗し、得られたパルプA(7)を内容積
1m3のステンレス製反応器に絶乾物として50kg仕
込み、これに蒸解液400リットルを加えて95℃で第
2段の蒸解を1.5時間行った。この蒸解に使用した蒸
解液中の添加剤量を絶乾原料に対する重量%で示すと、
KOHがK2Oにモル換算して2.5%、H22が2.
5%、β−アミルアントラキノンが0.05%、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジフォスフォン酸が0.
3%、MgOが0.1%である。第2段蒸解終了後の固
体蒸解物を廃液から分離してから水洗し、これを12/
1000カットスクリーンと液体サイクロンで精選する
と、粕率0.9重量%、収率54.2重量%で精選未晒
アバカパルプB(7)が得られ、そのカッパー価は1.
9、そのブライトネスGEは89.6%であった。
【0026】実施例8 バガス500kg(絶乾量43.9kg)を2段蒸解で
パルプ化した。第1段目は実施例3と同じ条件で蒸解し
た。得られた固体蒸解物は水で洗浄後、更に2段目の蒸
解を行った。2段目の蒸解は、炭酸ナトリウムをNa2
Oとして0.3%、過酸化水素を3%、アミルアントラ
キノンを0.05%、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸を0.3%、酸化マグネシウムを0.
1%を含む蒸解液と、固体蒸解物とを液比8(L/k
g)で蒸解釜に入れ、1.2kg/cm2の酸素分圧下で
90℃で1.0時間の条件で行った。その結果、カッパ
ー価78.1、ハンター白色度72.1%、裂断長3.
2km、比破裂強さ1.8、比引裂強さ37、耐折強さ
3のパルプを収率76.9%で得た。
【0027】実施例9 アバカ100kg(絶乾量86.8kg)を2段蒸解で
パルプ化した。第1段目は実施例5と同じ条件で蒸解し
た。得られた固体蒸解物は水で洗浄後、更に2段目の蒸
解を行った。2段目の蒸解は、炭酸ナトリウムをNa2
Oとして1.5%、過酸化水素を3%、アミルアントラ
キノンを0.05%、酸化マグネシウムを0.1%を含
む蒸解液と、固体蒸解物とを液比8(L/kg)蒸解釜
に入れ、2.0kg/cm2の酸素分圧下、95℃で1.
0時間の条件で行った。その結果、カッパー価3.5、
ハンター白色度81.2%、裂断長8.6km、比破裂
強さ5.9、比引裂強さ245、耐折強さ3310のパ
ルプを収率60.9%で得た。
【0028】実施例10 実施例5において、蒸解液として、マグネシウム化合物
を含有しない以外は同様の成分組成を有する蒸解液を用
いた以外は同様にして実験を行った。蒸解結果として、
カッパー価7.0、ハンター白色度59.6%、裂断長
8.7km、比破裂強さ5.7、耐折強さ1980の化
学パルプが精製収率60.9%、総収率61.9%で得
られた。
【0029】比較例1 実施例1において、酸素を圧入しなかった以外は同様に
して実験を行った。その結果、粕率4.9重量%、収率
49.8重量%で未晒パルプが得られた。このパルプに
おいて、そのカッパー価は28.9で、そのブライトネ
スGEは40.6%であった。
【0030】比較例2 実施例3において、酸素を圧入しなかった以外は同様に
して実験を行った。その結果、76.2%の総収率でパ
ルプを得た。このパルプにおいて、そのカッパー価は8
4.2、ハンター白色度は46.2、裂断長は3.5k
m、比破裂強さは36、耐折強さは1であった。
【0031】比較例3 実施例6において、酸素を圧入しなかった以外は同様に
して実験を行った。その結果、粕率0.8%及び53.
1%の収率でパルプを得た。このパルプにおいて、その
カッパー価は4.1、ブライトネスGEは71.2%で
あった。
【0032】本発明によれば、パルプ原料の蒸解におい
て、過酸化水素を含む蒸解液を用いるとともに、酸素加
圧下で蒸解を行うことから、白色度の高いパルプを収率
よく得ることができる。特に、パルプ原料の蒸解を多段
階で行うことにより、非常に高い白色度を有する未晒パ
ルプを得ることができる。また、本発明において、蒸解
液として、マグネシウム化合物を含むものを用いること
により、機械的強度の大きいパルプを収率よく得ること
ができる。本発明のパルプの製造方法は、バッチ方式や
連続方式で容易に実施することができ、パルプ工業に対
し多大の貢献を与えるものである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物系原料を蒸解液中で蒸解するパルプ
    の製造方法において、過酸化水素を含むアルカリ性水溶
    液中において、少なくとも0.1kg/cm2の酸素分圧
    下で蒸解する蒸解工程を含むことを特徴とするパルプの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 該蒸解液が、9,10位にヒドロキシル
    基を有するアントラセン系化合物及び/又はアントラキ
    ノン系化合物と、キレート化剤を含有する請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 該蒸解液が、マグネシウム化合物を含む
    請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 該マグネシウム化合物が、酸化マグネシ
    ウム、水酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの中か
    ら選ばれる少なくとも1種の難水溶性マグネシウム化合
    物であり、蒸解液中において、下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基を示す)で表
    されるキレート化剤により可溶化されている請求項3の
    方法。
  5. 【請求項5】 該キレート剤の使用割合が、該難水溶性
    マグネシウム化合物1モル当り、0.2モル以上の割合
    である請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 該植物系原料が、非木質系原料である請
    求項1〜5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 植物系原料を蒸解液中で蒸解するパルプ
    の製造方法において、過酸化水素を含むアルカリ性水溶
    液からなる第1蒸解液中で、少なくとも0.1kg/c
    2の酸素分圧下で蒸解する第1蒸解工程と、該第1蒸
    解工程で得られた固体蒸解物を過酸化水素を含むアルカ
    リ性水溶液からなる第2蒸解液中で蒸解する第2蒸解工
    程からなることを特徴とするパルプの製造方法。
  8. 【請求項8】 該第2蒸解工程を、少なくとも0.1k
    g/cm2の酸素分圧下で行う請求項5の方法。
  9. 【請求項9】 該第1蒸解液及び該第2蒸解液が、9,
    10位にヒドロキシル基を有するアントラセン系化合物
    及び/又はアントラキノン系化合物と、キレート化剤を
    含有する請求項7又は8の方法。
  10. 【請求項10】 該第1蒸解液及び該第2蒸解液が、マ
    グネシウム化合物を含む請求項7〜9のいずれかの方
    法。
  11. 【請求項11】 該マグネシウム化合物が、酸化マグネ
    シウム、水酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの中
    から選ばれる少なくとも1種の難水溶性マグネシウム化
    合物であり、蒸解液中において、下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基を示す)で表
    されるキレート化剤により可溶化されている請求項10
    の方法。
  12. 【請求項12】 該キレート剤の使用割合が、該難水溶
    性マグネシウム化合物1モル当り、0.2モル以上の割
    合である請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 第1蒸解工程で得られた固体蒸解物を
    機械的に解繊した後、第2蒸解工程で蒸解する請求項7
    〜12のいずれかの方法。
  14. 【請求項14】 第1蒸解工程が80〜200℃で行わ
    れ、第2蒸解工程が20〜150℃で行われる請求項1
    〜9のいずれかの方法。
  15. 【請求項15】 該植物系原料が、非木質系原料である
    請求項7〜14のいずれかの方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004269351A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Yuen Foong Yu Paper Mfg Co Ltd 植物栄養液及びその調製方法
US7186316B1 (en) 2000-06-29 2007-03-06 Cp & P Co., Ltd. Method for preparing pulp from cornstalk
JP2018070837A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 サンノプコ株式会社 粘着物剥離促進剤及び溶解パルプの製造方法

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