JPH09157832A - 防着板およびそれを用いた真空装置 - Google Patents

防着板およびそれを用いた真空装置

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JPH09157832A
JPH09157832A JP33422295A JP33422295A JPH09157832A JP H09157832 A JPH09157832 A JP H09157832A JP 33422295 A JP33422295 A JP 33422295A JP 33422295 A JP33422295 A JP 33422295A JP H09157832 A JPH09157832 A JP H09157832A
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pipe
medium
heating medium
gas
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Masateru Hara
昌輝 原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空装置の内部を汚さずに容易かつ短時間で
超高真空の実現を可能とする防着板およびそれを用いた
真空装置を提供する。 【解決手段】 真空装置の内壁に防着板1を装着させ
る。防着板1は防着板本体1aに、温媒4を流すための
温媒管2と冷媒5を流すための冷媒管3とを配設して構
成されている。真空装置内を真空状態とするガスの吸引
において、ガスの吸引開始初期に温媒4を流し防着板本
体1aを加熱する。これにより防着板本体1aに付着し
たガス分子が取り除かれる。また、その後のガスの吸引
時に冷媒5を流し防着板本体1aを冷却させる。これに
より真空装置内に残存するガス分子が防着板本体1aの
表面に捕獲される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空装置内で成
膜,合成等を行う際に真空装置の内壁にガス分子(すな
わち汚れ)が付着することを防止するための防着板およ
びそれを用いた真空装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体基板上に薄膜を作製する際
には、高機能半導体素子を実現する目的等で、10-3
orr以下の高真空あるいは10-7Torr以下の超高
真空中で成膜を行うことが要求されている。特に、スパ
ッタ技術ではより高真空側での成膜が検討され、分子線
エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy:以下MBEとい
う)技術では10-10 Torrの超高真空が要求されて
いる。
【0003】ところが、真空装置内で成膜を繰り返し行
うと、真空装置の内壁にも膜が付着してしまう。指向性
の良いMBEであっても、膜厚の均一性を高めるために
故意にビーム強度の強いところを基板に向けないで成膜
するので、真空容器の内壁にはガス分子が付着し汚れて
くる。この汚れは、高真空、特に、超高真空以上を得よ
うとするときに障害となり、超高真空に到達するまでの
時間が遅くなったり、到達できる真空度自体が低下する
原因となっていた。
【0004】そのため、従来は、真空装置内に汚れの付
着を防止するための板(防着板)を配設したり、このよ
うな防着板を配設しない場合には、真空装置内にエッチ
ング用のガスを流してプラズマを発生させることにより
真空装置の内壁に付着したガス分子を除去していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防着板は単に真空装置の内壁に汚れが付着するのを防止
するのみであり、付着したガス分子を除去する手段を何
ら備えていなかったので、防着板にガス分子が付着して
くると超高真空に到達するまでの時間が遅くなったり、
到達できる真空度自体が低下してしまうという問題があ
った。
【0006】この場合、真空装置内でエッチング用のガ
スを流してプラズマを発生させることができるときには
これにより付着したガス分子を除去することもできる
が、プラズマの届く範囲には限界があり取り残しが存在
してしまう問題や、防着板や真空装置の内壁がプラズマ
で荒れてしまい超高真空を得るための障害となってしま
うという問題があった。
【0007】また、真空装置内の温度を上昇させて防着
板を加熱しベーキング(焼き出し)を施すことにより防
着板に吸着したガス分子を除去することもできるが、防
着板は真空中に存在するため熱伝導性が悪く、防着板の
加熱はほとんど熱輻射によることとなり吸着ガス分子の
脱離に長時間を要してしまうという問題があった。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の課題は、温度調節機能を備えることに
より真空装置を汚さずに容易かつ短時間で超高真空の実
現を可能とすることができる防着板を提供することにあ
る。
【0009】本発明の第2の課題は、温度調節機能を備
えた防着板を用いることにより内部を短時間で容易に超
高真空状態とすることができる真空装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の防着板
は、真空装置の内壁に対するガス分子の付着を防止する
ための防着板であって、真空装置の内壁に装着される防
着板本体と、この防着板本体の温度を調節するための温
度調節手段とを備えたものである。
【0011】請求項2記載の防着板は、請求項1記載の
防着板において、温度調節手段が、防着板本体の表面に
配設された媒体流通用の配管と、所定の温度に調節され
た媒体を配管内で流通させるための媒体流通手段とを含
むように構成したものである。
【0012】請求項3記載の防着板は、請求項2記載の
ものにおいて、温度調節手段が、配管として前記媒体流
通手段によって高温に調節された温媒用の配管と、媒体
流通手段によって低温に調節された冷媒用の配管とを備
え、いずれか一方の配管を選択的に使用するように構成
したものである。
【0013】請求項4記載の防着板は、請求項3記載の
ものにおいて、更に、温媒用の配管に温媒を流す場合に
冷媒用の配管に対して加圧ガスを流入させて冷媒を配管
から除去すると共に、冷媒用の配管に冷媒を流す場合に
温媒用の配管に対して加圧ガスを流入させて温媒を配管
から除去するための加圧手段を備えるように構成したも
のである。
【0014】請求項5記載の防着板は、請求項4記載の
ものにおいて、ポンプの吸引により温媒および冷媒を除
去するように構成したものである。
【0015】請求項6記載の防着板は、請求項3記載の
ものにおいて、冷媒用の配管および温媒用の配管それぞ
れが防着板本体に対して固定されると共に、冷媒用配管
および温媒用配管それぞれの両端部に、媒体供給源側の
配管に対して着脱容易な接続手段を備えるように構成し
たものである。
【0016】請求項7記載の防着板は、請求項1記載の
ものにおいて、温度調節手段は、防着板本体の表面に対
して配設されると共にその表面が絶縁膜で被覆された抵
抗部材と、この抵抗部材に対して通電し前記抵抗部材を
発熱させる通電手段とを含むように構成したものであ
る。
【0017】請求項8記載の真空装置は、真空容器本体
と、この真空容器本体の内壁面に着脱可能に取り付けら
れる防着板本体と、真空容器本体内のガスの吸引開始初
期に防着板本体を加熱して防着板本体に付着したガス分
子を離脱させ、その後のガスの吸引時に前記防着板本体
を冷却させて真空装置内の残留ガスを防着板本体の表面
に捕獲させるための温度調節手段とを備えたものであ
る。
【0018】請求項1記載の防着板では、温度調節手段
によって防着板本体の温度が直接、加熱または冷却さ
れ、これにより防着板本体に付着したガス分子を離脱さ
せ、あるいは真空装置内のガス分子を防着板本体の表面
に捕獲することができる。
【0019】請求項2記載の防着板では、媒体流通手段
により、防着板本体の表面に配設された媒体流通用の配
管内を所定の温度に調節された媒体が流通することによ
り、防着板本体が加熱または冷却される。
【0020】請求項3記載の防着板では、温媒用の配管
および冷媒用の配管のいずれか一方の配管が選択的に使
用される。
【0021】請求項4記載の防着板では、温媒用の配管
に温媒を流す場合には、冷媒用の配管に対して加圧ガス
が流入し冷媒が配管から除去される。一方、冷媒用の配
管に冷媒を流す場合には、温媒用の配管に対して加圧ガ
スが流入し温媒が配管から除去される。
【0022】請求項5記載の防着板では、ポンプの吸引
により温媒または冷媒が除去される。
【0023】請求項6記載の防着板は、冷媒用の配管お
よび温媒用の配管それぞれの両端部に設けられた接続手
段によって、媒体供給源側の配管に対して着脱自在に取
り付けられる。
【0024】請求項7記載の防着板では、抵抗部材が発
熱することにより、防着板本体が加熱される。
【0025】請求項8記載の真空装置では、温度調節手
段によって、真空容器本体内のガスの吸引開始初期には
防着板本体が加熱され、防着板本体に付着したガス分子
が取り除かれる。また、その後のガスの吸引時には、防
着板本体が冷却され、真空装置内の残留ガス分子が防着
板本体の表面に捕獲される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0027】図1は本発明の第1の実施の形態に係る防
着板の構成を表すものである。図2は図1に示した防着
板1を真空装置、例えばCVD装置20の内壁に装着し
た状態を表すものである。この防着板1は、CVD装置
20の内壁にガス分子(汚れ)が付着することを防止す
るためのものであり、防着板本体1aと、防着板本体1
aの表面に配設された温媒管2および冷媒管3とにより
構成されている。
【0028】防着板本体1aは、CVD装置20の内周
壁を覆うように内周壁に応じた形状となっている。本実
施の形態では、高さ450mm,半径125mm,板厚
1.0mmの円筒を縦に4分割にすることにより形成さ
れている。材質は例えばステンレスであり、本実施の形
態ではSUS316Lを用いている。防着板本体1aの
表面は、バフ研磨処理の後に電解研磨処理が施されてい
る。
【0029】防着板本体1aの外周面には、全面を網羅
するように蛇行して配設された温媒管2および冷媒管3
がそれぞれ溶接により固定されている。これら温媒管2
および冷媒管3の材質は、例えば共にステンレスであ
り、大きさは共に1/8インチ管である。
【0030】温媒管2の内部には温媒4が流れるように
なっている。温媒4としては、例えばフッ素化オイル
(不活性雰囲気中の耐熱性350℃程度)を用いる。こ
のフッ素化オイルは、CVD装置20の外部に配設され
た図示しない媒体温度調節装置によって、例えば150
℃に調節され後、図示しないポンプにより導入管7aを
介して温媒管2に導入されると共に回収管7bを介して
温媒管2から回収されるようになっている。これにより
フッ素化オイルは防着板本体1aを加熱し、その結果防
着板本体1aに付着したガス分子が取り除かれるように
なっている。
【0031】一方、冷媒管3には冷媒5が流れるように
なっている。冷媒5としては、例えばエチレングリコー
ル(融点−12.6℃,沸点197.85℃)を用い
る。このエチレングリコールは、図示しない媒体温度調
節装置によって、例えば0℃に調節された後、図示しな
いポンプにより導入管8aを介して冷媒管3に導入され
ると共に回収管8bを介して冷媒管3から回収されるよ
うになっている。これによりエチレングリコールは防着
板本体1aを冷却し、その結果CVD装置20内に残存
するガス分子が防着板本体1aの表面に捕獲(コールド
トラップ)されるようになっている。
【0032】温媒管2および冷媒管3それぞれの両端
部、導入管7a,8aおよび回収管7b,8bそれぞれ
の一端部は接続部材6(例えばガスケットを用いてシー
リングを行うVCR(登録商標))の継ぎ手となってお
り、接続部材6により簡易に接続ができるようになって
いる。導入管7a,8aの他端部および回収管7b,8
bの他端部は、それぞれCVD装置20の外部に導出さ
れており、CVD装置20の外部に配設された媒体温度
調節装置にそれぞれ連結されている。
【0033】なお、上記温媒管2,冷媒管3および媒体
温度調節装置により本発明の温度調節手段が構成されて
いる。
【0034】このような構成を有する防着板1は、図2
に示したように、防着板本体1aがCVD装置20の内
周壁にそって4個装着される。このCVD装置20は、
中央にウェーハ21を載置するステージ22が配設され
ており、その上方にガス導入口23が接続された電極2
4が配設されている。また、CVD装置20の底部に
は、ガスを排気するための排気口25が設けられてい
る。
【0035】このようにCVD装置20内に装着された
防着板1は、ステージ22上に載置されたウェーハ21
上に膜を生成するに先立ってCVD装置20内を真空状
態とするガスの吸引時に、次のようにして使用される。
【0036】まず、図示しない排気手段によりCVD装
置20内のガスの吸引が開始されると同時に、媒体温度
調節装置によってフッ素化オイルを150℃に加熱し、
この加熱したフッ素化オイルを温媒管2へ流し始める。
これにより、防着板本体1aは加熱され、防着板本体1
aに付着していたガス分子が離脱する。ガス分子が十分
に防着板本体1aから取り除かれたら、フッ素化オイル
の加熱および流動を停止し、防着板本体1aの加熱(ベ
ーキング)を終了する。
【0037】次に、ガスの吸引が継続されている状態
で、媒体温度調節装置によってエチレングリコールを0
℃に冷却し、この冷却したエチレングリコールを冷媒管
3へ流し始める。これにより、防着板本体1aは冷却さ
れ、スパッタ装置20内に残存するガス分子が防着板本
体1a表面に捕獲(コールドトラップ)される。
【0038】このようにしてCVD装置20内が十分高
い真空状態になった後、CVD装置20ではガス導入口
23に反応ガスが導入されウェーハ21上への膜の生成
が開始される。この際、防着板1は、防着板本体1aに
よってCVD装置20の内周壁にガス分子が付着するの
を防止する。
【0039】このように本実施の形態によれば、防着板
本体1aに温媒管2を配設し温媒4の流動により防着板
本体1aを直接加熱できるようにしたので、防着板本体
1aに付着したガス分子を容易に取り除くことができ
る。従って、CVD装置20内を汚すことなく容易に短
時間で超高真空を得ることができる。
【0040】また、防着板本体1aに冷媒管3を配設し
冷媒5の流動により防着板本体1aを直接冷却できるよ
うにしたので、CVD装置20内のガスの吸引において
CVD装置20内に残存するガス分子を防着板本体1a
の表面に捕獲することができる。従って、CVD装置2
0内の真空度を短時間で容易に高めることができ、超高
真空を容易に実現することができる。
【0041】更に、本実施の形態によれば、温媒管2お
よび冷媒管3と、導入管7a,8aおよび回収管7b,
8bそれぞれとの接続を簡易的接続手段によって行うよ
うにしたので、防着板本体1aのCVD装置20への装
着およびCVD装置20からの取り外しが容易になり、
防着板本体1aの交換を容易に行うことができる。
【0042】加えて、本実施の形態によれば、温度調節
機能を備えた防着板1をCVD装置20に装着して、ガ
スの吸引開始初期においては防着板本体1aを加熱する
と共に、その後のガスの吸引時においては防着板本体1
aを冷却するようにしたので、ガスの吸引開始初期にお
いて防着板本体1aに付着しているガス分子を除去する
ことができ、その後CVD装置20内に残存するガス分
子を防着板本体1aの表面に捕獲することができる。従
って、容易に短時間で真空度を高めることができ、超高
真空を容易に実現することができる。
【0043】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0044】図3は本発明の第2の実施の形態に係る防
着板のうち温媒管2の配管構造を表すものである。この
防着板は、温媒管2および冷媒管3に加圧装置30がそ
れぞれ接続されたことを除き、第1の実施の形態と実質
的に同一の構成および作用を有している。従って、同一
の構成要素には同一の符合を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0045】本実施の形態では、加圧装置30が温媒管
2の上流側に対して接続されており、高圧のガス(本実
施の形態では窒素ガス;N2 ガス)を温媒管2内の配管
に流通させることができるようになっている。加圧装置
30と温媒管2との接続部分には弁31が配設されてお
り、高圧ガスの流入を制御できるようになっている。ま
た、加圧装置30の配設に伴い、温媒管2の上流(加圧
装置30の接続位置よりも更に上流側)には弁32が配
設され、下流には弁33が配設されており、高圧装置3
0の動作と連動してそれぞれ開閉制御が行われるように
なっている。
【0046】なお、図3では温媒管2のみの構成につい
て図示し、冷媒管3については図示を省略しているが、
冷媒管3側にも同様に加圧装置30および弁31〜33
がそれぞれ配設されている。温媒および冷媒の回収除去
を図示しないポンプの吸引により行うことは上記実施の
形態と同様である。
【0047】このような構成を有する防着板は、真空装
置内を真空状態とするガスの吸引時において、次のよう
にして使用される。なお、本実施の形態においては、温
媒4として第1の実施の形態と同様に150℃に加熱し
たフッ素化オイルを用い、冷媒5として−200℃に冷
却した液体窒素を用いた。
【0048】まず、ガスの吸引開始初期において、温媒
管2の弁32および弁33を開放し、第1の実施の形態
と同様にして防着板本体1aの加熱を行い、吸着ガス分
子を防着板本体1aから取り除く。このとき温媒管2の
弁31および冷媒管3の各弁はそれぞれ閉鎖しておく。
吸着ガス分子が十分に取り除かれたら、弁32のみを閉
鎖し弁33は開放したままで弁31を開放する。これに
より、高圧N2 ガスが温媒管2内に流入し、温媒管2内
の温媒(フッ素化オイル)が温媒管2内から押し出され
て回収管7b内に回収される。
【0049】その後、弁31および弁33を閉鎖し、冷
媒管3の上流側の弁および下流側の弁を開放する。そし
て第1の実施の形態と同様にして防着板本体1aの冷却
を行い、真空装置内の残存ガスの捕獲を行う。CVD装
置20内の真空度が十分高くなって、その後の成膜が終
了した後は、冷媒管3の上流側の弁のみを閉鎖し下流側
の弁は開放したままで加圧装置の接続弁を開放する。こ
れにより、高圧N2 ガスが冷媒管3内の配管に流入し、
冷媒管3内の冷媒(液体窒素)が冷媒管3内から押し出
されて回収管8b内に回収される。
【0050】このように本実施の形態によれば、温媒管
2および冷媒管3に加圧装置30をそれぞれ接続し、温
媒4および冷媒5のいずれか一方を使用しているとき
に、他方を除去することができるようにしたので、防着
板本体1aを加熱している時に冷媒5が冷媒管3内で加
熱され熱分解したり圧力が上昇してしまったりすること
を回避でき、また防着板本体1aを冷却している時に温
媒4が温媒管2内で冷却され凍結してしまうことを回避
できる。よって、温媒4および冷媒5を任意に選択する
ことができる。
【0051】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、
種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で
は、防着板本体1aに温媒管2を配設しこれに温媒4を
流すことにより防着板本体1aを加熱するようにした
が、図4に示したように絶縁膜9に被覆された抵抗線1
0を図1の温媒管2と同様に防着板本体1aの表面に配
設し、これに通電をして発熱させ防着板本体1aを加熱
するようにしてもよい。このように抵抗線10によって
防着板本体1aを加熱するようにすれば、温媒4による
加熱に比べて構造が簡単になる。この場合も、冷却を冷
媒5によって行えば、上記実施の形態と同様に、残存ガ
ス分子を捕獲する効果も得ることができる。なお、冷却
手段としては、その他ペルティエ素子を用いるようにし
てもよい。
【0052】また、上記実施の形態では、温媒管2およ
び冷媒管3と、導入管7a,8aおよび回収管7b,8
bとの間の接続を例えばVCRからなる接続部材6によ
って行うようにしたが、他のOリングを用いてシーリン
グを行うVCOや金属同士の締め付けによりシーリング
を行うスウェージロック(いずれも登録商標)などの接
続手段を用いるようにしても良い。
【0053】更に、上記実施の形態では、温媒4と冷媒
5とを別個独立の温媒管2,冷媒管3にそれぞれ流すよ
うにしたが、温媒4と冷媒5とが互いに反応しないもの
であれば、単一の管に流すようにしてもよい。なお、こ
の場合、その管に上記第2の実施の形態と同様に加圧装
置を接続し、一方の媒体を流す前に加圧装置で他方の媒
体を押し出すようにすれば、温媒4と冷媒5との交換を
迅速に行うことができる。
【0054】加えて、上記第2の実施の形態では、冷媒
管3の下流側の弁に閉鎖と開放の2方弁を用いている
が、3方弁を用いてもよい。これにより、冷媒管3を開
放し冷媒5を流しているときに冷媒5が加熱され気化し
てもガス抜きをすることができ、冷媒管3内が高圧とな
ることを回避することができる。
【0055】更にまた、上記実施の形態では、防着板本
体1aの加熱と冷却の双方を行えるようになっている
が、加熱と冷却のいずれか一方のみできる構成でもよ
い。
【0056】加えてまた、上記実施の形態では、真空装
置としてCVD装置20を示して説明したが、本発明は
分子線エピタキシー装置など他の真空装置にも適用可能
できることは言うまでもない。
【0057】なお、本発明は、防着板本体1aの温度調
節機能を備えてさえいればよく、上記実施の形態におい
て示した具体的な形状,大きさ,材質については適宜選
択することができるものである。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防着板によ
れば、防着板本体に温度調節機能を持たせるようにした
ので、防着板本体の温度を直接調節することができる。
従って、防着板本体を加熱することにより、防着板本体
に付着したガス分子を容易に短時間で取り除くことがで
きるので、真空装置内を汚すことなく容易に短時間で超
高真空を得ることができるという効果を奏する。また、
防着板本体を冷却することにより、真空装置内に残存す
るガス分子を防着板本体の表面に捕獲することができる
ので、スパッタ装置内の真空度を短時間で容易に高める
ことができ、超高真空を容易に実現することができると
いう効果も奏する。
【0059】特に、温度調節手段を、防着板本体の表面
に配設された媒体流通用の配管と、所定の温度に調節さ
れた媒体を前記配管内で流通させるための媒体流通手段
とを含むように構成すれば、媒体の温度と流動状態を調
節することにより容易に防着板本体の温度を調節するこ
とができるという効果を奏する。
【0060】更に、加圧手段により、温媒用配管に温媒
を流す場合に冷媒用配管に対して加圧ガスを流入させて
冷媒を冷媒用配管から除去し、一方、冷媒用配管に冷媒
を流す場合に温媒用配管に対して加圧ガスを流入させて
温媒を温媒用配管から除去するようにすることにより、
防着板本体を加熱している時に冷媒が配管内で加熱され
熱分解したり圧力が上昇してしまったりすることを回避
でき、また防着板本体を冷却している時に温媒が配管内
で冷却され凍結してしまうことを回避できる。よって、
温媒および冷媒を任意に選択することができるという効
果を奏する。
【0061】加えて、冷媒用配管および温媒用配管それ
ぞれを防着板本体に対して固定すると共に、冷媒用配管
および温媒用配管それぞれの両端部に、媒体供給源側の
配管に対して着脱自在の接続手段を備えるようにすれ
ば、防着板本体の真空装置への装着および真空装置から
の取り外しが容易となり、防着板本体の交換を容易に行
うことができるという効果を奏する。
【0062】また、温度調節手段を抵抗部材によって構
成すれば、通電による発熱によって防着板本体を加熱で
き、簡単な構成によって防着板本体の温度を調節するこ
とができるという効果を奏する。
【0063】更に、本発明の真空装置によれば、温度調
節機能を有する防着板本体を、真空容器本体の内壁面に
着脱自在に取り付け、真空容器本体内のガスの吸引開始
初期に防着板本体を加熱して防着板本体に付着したガス
分子を取り除き、その後のガスの吸引時に防着板本体を
冷却させて真空装置内のガスを防着板本体の表面に捕獲
させるようにしたので、容易に短時間で真空度を高める
ことができ、超高真空を容易に実現することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る防着板の構成
を表す構成図である。
【図2】図1に示した防着板をCVD装置に装着した状
態を表す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る防着板の配管
構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例を説明する
ための構成図である。
【符号の説明】
1 防着板 1a 防着板本体 2 温媒管 3 冷媒管 4 温媒 5 冷媒 6 接続部材 7a,8a 導入管 7b,8b 回収管 9 抵抗線 10 絶縁膜 20 CVD装置(真空装置) 30 加圧装置 31,32,33 弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31 H01L 21/31 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空装置の内壁に対するガス分子の付着
    を防止するための防着板であって、 真空装置の内壁に装着される防着板本体と、 前記防着板本体の温度を調節するための温度調節手段と を備えたことを特徴とする防着板。
  2. 【請求項2】 前記温度調節手段は、 前記防着板本体の表面に配設された媒体流通用の配管
    と、 所定の温度に調節された媒体を前記配管内で流通させる
    ための媒体流通手段とを含むことを特徴とする請求項1
    記載の防着板。
  3. 【請求項3】 前記温度調節手段は、 配管として前記媒体流通手段によって高温に調節された
    温媒用の配管と、前記媒体流通手段によって低温に調節
    された冷媒用の配管とを備え、いずれか一方の配管を選
    択的に使用することを特徴とする請求項2記載の防着
    板。
  4. 【請求項4】 更に、温媒用の配管に温媒を流す場合に
    冷媒用の配管に対して加圧ガスを流入させて冷媒を配管
    から除去すると共に、冷媒用の配管に冷媒を流す場合に
    温媒用の配管に対して加圧ガスを流入させて温媒を配管
    から除去するための加圧手段を備えたことを特徴とする
    請求項3記載の防着板。
  5. 【請求項5】 ポンプの吸引により温媒および冷媒を除
    去することを特徴とする請求項4記載の防着板。
  6. 【請求項6】 前記冷媒用の配管および温媒用の配管そ
    れぞれが前記防着板本体に対して固定されると共に、前
    記冷媒用配管および温媒用配管それぞれの両端部に、媒
    体供給源側の配管に対して着脱自在の接続手段を備えた
    ことを特徴とする請求項3記載の防着板。
  7. 【請求項7】 前記温度調節手段は、 前記防着板本体の表面に対して配設されると共にその表
    面が絶縁膜で被覆された抵抗部材と、 この抵抗部材に対して通電し前記抵抗部材を発熱させる
    通電手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の防着
    板。
  8. 【請求項8】 真空容器本体と、 この真空容器本体の内壁面に着脱可能に取り付けられる
    防着板本体と、 前記真空容器本体内のガスの吸引開始初期に前記防着板
    本体を加熱して防着板本体に付着したガス分子を離脱さ
    せ、その後のガスの吸引時に前記防着板本体を冷却させ
    て前記真空装置内の残留ガスを防着板本体の表面に捕獲
    させるための温度調節手段とを備えたことを特徴とする
    真空装置。
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