JPH09157672A - 合成潤滑流体およびその製造法 - Google Patents

合成潤滑流体およびその製造法

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JPH09157672A
JPH09157672A JP7318111A JP31811195A JPH09157672A JP H09157672 A JPH09157672 A JP H09157672A JP 7318111 A JP7318111 A JP 7318111A JP 31811195 A JP31811195 A JP 31811195A JP H09157672 A JPH09157672 A JP H09157672A
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JP
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carbon atoms
fluid
lubricating fluid
olefin
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JP7318111A
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Toshio Hidaka
敏雄 日高
Takashi Motoi
隆司 元井
Takeshi Koshikawa
健 越川
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い温度領域に亘って優れたトラクション特性
を有し、工業的に安価に製造される合成潤滑流体を提供
する。 【解決手段】アルキルベンゼン側鎖に、二分子以上の共
役ジエンまたは共役トリエンが、直鎖状、若しくは分岐
鎖状に付加した、炭素数15から28迄のアルケニル化
合物を、酸性触媒を用いて芳香族炭化水素および/また
はオレフィン類とアルキル化させ、該反応生成物を水銀
柱で1mmの圧力下で蒸留して80℃から240℃の範
囲で留出する炭素数36以下の成分を水素添加すること
により得られることを特徴とする、40℃における動粘
度が1から500センチストークスの合成潤滑流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な合成潤滑流体
に関する。該流体は、例えば一般的な潤滑油や、変速機
油、特にトラクションドライブ用流体、及びその基油と
して利用され、また高沸点溶剤や熱媒体油や電気絶縁油
等としても好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来から、分子内にシクロヘキサン環を
幾つか有する炭化水素やエステル類等が、トラクション
ドライブ流体として好ましいとされている(特開昭47
−7664号、特開昭58−27838号、特開昭59
−191739号等)。しかし、これらの流体は、例え
ば温度依存性が大きく、高温域でトラクション係数の低
下が大きいことや、良好な温度特性と低温流動性の両立
が困難である等の問題点を持っている。温度特性の改善
のために、例えば、特開昭63−63790号や特開平
5−9134号等ではデカリン誘導体、或はビシクロヘ
プタン、ビシクロオクタン等を用いること、また特公平
2−11639号では、シリコーンオイルを混合する方
法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の如きトラクショ
ンドライブ流体は、原料の供給性や取り扱い等の問題点
があり、また製造方法が特殊である等の困難な場合が殆
どであり、広い温度領域に亘って優れたトラクション特
性を有するトラクションドライブ用流体を工業的規模で
安価に供給することが困難である。本発明の目的は、広
い温度領域に亘って優れたトラクション特性を有し、工
業的に安価に製造できる合成潤滑流体(トラクションド
ライブ流体)を提供することである。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、優れた特性
を有するトラクションドライブ用流体を安価に製造する
方法について鋭意検討を重ねた結果、o-キシレン側鎖を
アルケニル化した後、閉環、脱水素、異性化を行うこと
により2、6−ジメチルナフタレン誘導体を製造するプ
ロセスの副生成物である、o-キシレン側鎖に二分子以上
のブタジエンが直鎖状または分岐鎖状に付加した炭素数
16から20迄の工業的な混合成分であるo-トリルノナ
ジエンまたはo-トリルトリデカトリエンを用い、芳香族
炭化水素またはオレフィン類とアルキル化させて得られ
る、炭素数36以下の成分を、水素添加した新規な流体
が広い温度範囲で優れたトラクション特性を持つこと、
従って従来工業的な用途の殆ど無かったこれらの副生ア
ルケニル化合物を利用することで、優れた特性を有する
トラクションオイルが安価に製造できることを見出し、
本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、酸性触媒を用いて一般式
(I)で表わされるアルケニル化合物を芳香族炭化水素
および/またはオレフィン類とアルキル化させ、該反応
生成物を水銀柱で1mmの圧力下で蒸留して80℃から
240℃の範囲で留出する炭素数36以下の成分を水素
添加することにより得られることを特徴とする、40℃
における動粘度が1から500センチストークスの合成
潤滑流体
【化2】 (Rは水素原子、炭素数4以下のアルキル基、或いは炭
素数4以下のアルキル側鎖を持つものも含まれることの
あるフェニル基またはシクロヘキシル基であり、繰り返
し部位のmは0又は1、nは2以上の整数であり、当該
二重結合部位は、繰り返し単位が直鎖状または分岐鎖状
に付加した構造からなる)である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の合成潤滑流体の製造に用
いられる、アルキルベンゼン側鎖に二分子以上の共役ジ
エン、或は共役トリエンが直鎖状、若しくは分岐鎖状に
付加した炭素数15から28迄のアルケニル化合物は、
例えば、特開平5−155786号や、特開平7−12
6195号等に記載された方法による2、6−ジメチル
ナフタレン誘導体製造の中間原料である、モノアルケニ
ルベンゼン誘導体の製造の際の副生成物、即ちo-トリル
ノナジエンおよびo-トリルトリデカトリエンからなる混
合成分が安価に利用可能な工業原料として挙げられる。
【0007】共役ジエンまたは共役トリエンが、直鎖
状、若しくは分岐鎖状に付加し得る側鎖を有するアルキ
ルベンゼン類とは、例えばトルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、エチルトルエン、メシチレン、クメン、デュ
レン、シメン等のアルキル側鎖を有するベンゼン類とこ
れらの混合物等であるが、中でも、o-キシレンは工業的
なアルケニルベンゼンの生産が実施されている点で特に
好ましい。この他にも、ベンゼン環を幾つか有する、多
環、或は縮合環系の芳香族誘導体類、例えばアルキル側
鎖を持つ、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フ
ルオレンアセナフテン等も使用出来る。
【0008】これらのアルキルベンゼン類の側鎖に、共
役ジエンや共役トリエンなどの共役オレフィン類を付加
させるには、金属ナトリウムやカリウム触媒、或は水酸
化カリウムと水酸化アルミニウムの混合物を焼成した
後、更に金属ナトリウムを溶融処理して得られる固体塩
基触媒が用いられる。この付加反応に用いるオレフィン
類は炭素数4から6迄の共役ジエン、若しくは共役トリ
エン類としては、例えば、1、3−ブタジエン、1、3
−ペンタジエン、2、4−ペンタジエン、2−メチル−
1、3−ブタジエン、 2−メチル−2、4−ペンタジ
エン、1、5−ヘキサジエン、1、3、5−ヘキサトリ
エン等が挙げられる。
【0009】上記反応の主生成物はモノアルケニルベン
ゼン類であるが、これ以外にも副生成物として二分子以
上の共役オレフィンが側鎖に直鎖状、或は分岐鎖状に付
加した多くの構造異性体が存在する。本発明では、蒸留
により炭素数15から28迄の多数の構造異性体からな
る成分を分離して用いるのが好ましく、炭素数16から
20迄の成分が特に好ましい。
【0010】上記の反応生成物のアルキル化触媒には、
公知の酸性触媒類、例えば、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリ
フルオロ酢酸やパラトルエンスルホン酸等の有機酸、リ
ンタングステン酸やリンモリブデン酸等のヘテロポリ
酸、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、臭化
アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、三弗化硼
素、弗化水素、フルオロ硫酸、三弗化アンチモンや五弗
化アンチモン等のルイス酸やその他のフリーデル・クラ
フツ触媒類、その他にもX、Y、ZSM−5型等の各種
のゼオライトやナフィオン−Hの様な強酸性の弗素樹
脂、或は五弗化アンチモンの様なルイス酸類をシリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア等に担持させた固体酸
類等が用いられる。
【0011】アルキル化に用いる芳香族炭化水素または
オレフィン類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クメン、メシチレン、デュレン、エチルベン
ゼン、テトラリン、ナフタレン、アセナフテン、フェナ
ンスレン、インダン、フルオレン、ビフェニル、スチレ
ン、ビニルトルエン、シクロヘキシルトルエン、α−メ
チルスチレン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセ
ン、ジメチルシクロヘキセン、シクロヘキシルシクロヘ
キセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、生成物の
流動性の点から炭素数は16以下であることが好まし
く、これらは単独又は混合して用いることが出来る。
【0012】アルキル化の反応温度は用いる触媒によっ
て異なるが、通常、−30℃から180℃が好ましく、
室温から150℃の温度範囲が特に好ましい。触媒は原
料中の不飽和二重結合に対して、0.01から5モルを
使用するのが好ましく、特に0.05から2モルが好ま
しい。また当該成分のオレフィン性二重結合に対してジ
エンや環状ジエン類と環化反応を行い、アルキル化に代
えることもできる。
【0013】本発明の合成潤滑流体は、上記の如く、当
該アルケニルオレフィンを酸性触媒下にアルキル化した
後、更に水素添加することにより得られる。水素添加に
は、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
ム等の金属をカーボンやアルミナ等の担体に担持させた
公知の触媒を用いることが出来る。水素添加触媒は、仕
込み量に対して 0.1から30重量パーセントを用い
るのが好ましく、反応温度は80〜250℃、反応圧力
は常圧〜200 kg/cm2 の範囲が好適であり、特に温度
は80〜180℃、圧力は50〜150 kg/cm2 の条件
で行うのが好ましい。
【0014】この様にして得られる本発明の合成潤滑流
体は、通常、40度における動粘度が1から500セン
チストークスの範囲にあり、そのまま高沸点溶剤や熱媒
体油等とすることが出来る。また本発明の合成潤滑流体
は、粘度調整のために適宜、ナフテン系炭化水素やポリ
ブテン、アクリル系ポリマー等を添加することができ、
単独、或は適当な炭化水素やエステル等と相互に混合し
て用いることもできる。更に本発明の合成潤滑流体は、
アルコール、グリコール、燐酸エステル、或は燐酸アミ
ド等に、相溶させる等して用いることができ、その他必
要に応じ各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、防錆剤、
清浄分散剤、消泡剤、耐磨耗剤、油性剤、極圧剤、粘度
調整剤、粘度指数向上剤や各種界面活性剤等を適宜添加
して、潤滑用途、特にトラクションドライブ用途に用い
る動力伝達用潤滑油とすることができる。
【0015】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明をさらに
詳細に説明する。但し本発明はこれらの実施例により制
限されるものではない。以下の実施例及び比較例におけ
るトラクション係数は、直径40mm、Rmax0.05
μmの鋼製ローラー(材質SUJ2、硬度Hrc62)と
曲率半径40mmのクラウニングを持つローラーを点接
触させて、2円筒型摩擦試験機を用いて測定した。ヘル
ツ圧は2.0GPa(荷重、1392N)、駆動軸回転
数は1500rpm、周速3m/s、滑り率は5%とし
た。
【0016】以下の実施例では、2、6−ジメチルナフ
タレン誘導体の製造プロセスの副生成物である o-キシ
レン側鎖に三分子迄のブタジエンが直鎖状または分岐鎖
状に付加したo-トリルノナジエンおよびo-トリルトリデ
カトリエンからなる混合成分を原料に用いた。この混合
成分は次の方法により製造した。
【0017】水酸化カリウム2.1kgを含有する水溶
液に、アルミナ粉末5.8kgを加え、室温で1時間撹
拌・混合した。115℃で一晩乾燥した後、更に空気雰
囲気下、500℃で焼成した。この焼成品500gを撹
拌しながら窒素雰囲気下に150℃に保ち、金属ナトリ
ウム60gを加え、そのまま30分間撹拌し、金属ナト
リウム担持触媒を得た。この触媒を用いて、窒素雰囲気
下にモレキュラーシーブで脱水したo-キシレン100k
gを加え、撹拌しながら140℃に保った。常圧下に
1、3−ブタジエン70kgを1時間かけて導入した。
反応終了後、撹拌を停止し、室温近くまで冷却した後、
反応液を抜液した。ガスクロマトグラフィーによる1、
3−ブタジエン基準の5−o-トリル−2−ペンテン選択
率は83%であった。
【0018】この反応液を減圧蒸留し、5−o-トリル−
2−ペンテンを留去した後の缶出液から炭素数16から
20迄の成分を主とする混合物を得た。この混合成分を
特定するために用いたガスクロマトグラフ分析条件は以
下の通りである。 カラム:キャピラリーカラム TC−5(ジーエル サイエンス社) 内径 0.25mm、長さ 30m 液相種類 5% ジフェニル、95% ジメチルシロキサン 液相膜厚 0.25μm 条件 :インジェクション温度 220℃ 検知器温度(FID) 220℃ 昇温速度 毎分8℃(100−270℃)、以後270℃で保持
【0019】上記による混合成分のガスクロマトグラム
を図1に示す。この混合成分の主たる成分の質量スペク
トルの測定によって、ガスクロマトグラムの保持時間が
10分から14分迄のピークは炭素数が16のo−トリ
ルノナジエンの異性体混合物であり、14分から20分
迄のピークは炭素数が20のo−トリルトリデカトリエ
ンの異性体混合物である。又、構造既知の炭化水素類の
ガスクロマトグラムから、20分から24分迄のピーク
は炭素数が24の成分に相当し、24分以降のピークは
炭素数が24より多い成分に相当する。
【0020】実施例1 前述の方法で得られた炭素数16から20迄を主とする
混合成分から、o-トリルノナジエンを主成分とする、炭
素数16の混合成分を減圧蒸留によって分取した。分取
した成分のガスクロマトグラム、赤外スペクトル、NM
Rスペクトルを図2〜図4に示す。炭素数16の混合成
分(200g)に、トルエン(300g)を加えて、2
Lのオートクレーブに仕込み、液温を−10℃に保っ
た。85gの無水弗化水素を添加して、30分間、アル
キル化反応を行った。反応終了後、反応液を氷水中に抜
き出し、炭酸水素ナトリウムで中和した。次いで水洗、
分液後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸留に
よって、アルキル化未反応成分(100℃/1torr、1
20g)を分離し、更に無色透明の留分(100−13
5℃/1torr、110g、収率38%)を得た。この留
分はガスクロマトグラムから保持時間が20から24分
付近にあることからo-トリルノナジエンにトルエンが付
加した炭素数23の成分である。次いで水素化触媒とし
て、5%ルテニウムカ−ボン10gを加え、圧力150
kg/cm2 G 、温度150℃で3時間反応させた。終了
後、NMRスペクトルから水素化率は99%以上である
ことが分かった。この生成物の分子構造は異性体の数が
多く全て同定することは困難であるが、図5〜図7に示
したガスクロマトグラム、赤外、NMRスペクトルによ
って特定することが出来る。最終生成物の流動点、粘
度、粘度指数、40〜140℃におけるトラクション係
数等の特性値を表1に示す。
【0021】実施例2 実施例1におけるアルキル化の未反応成分(120g)
を濃硫酸(100g)を触媒として用い氷冷下にテトラ
リン(100g)を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、更に2時間室温で反応を行った。油層を静置、分液
し、炭酸ソーダで洗浄し、10重量パーセントの水酸化
ナトリウム水溶液で2回洗浄した。次いで硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、減圧蒸留によって、温度範囲175
から192℃/1torrの無色透明の留分を得た(170
g、収率77%)。この留分はガスクロマトグラムから
原料にテトラリンが付加した炭素数26からなる成分及
び炭素数20から24迄の構造不明の成分を含むことが
分かった。この留分のガスクロマトグラム、赤外、及び
NMRスペクトルを図8〜10に示す。引き続き、水素
化触媒として5%ルテニウムカーボン15gを加え圧力
150kg/cm2 G 、温度150℃で3時間反応させた。
この水素添加を2度繰り返した生成物の水素化率はNM
Rスペクトルから約84%であることが分かった。実施
例1と同様に生成物の分子構造は異性体の数が多く、全
て同定する事は困難であるが、図11、12に示したガ
スクロマトグラムや赤外スペクトル等によって特定する
ことが出来る。最終生成物の流動点、粘度、粘度指数、
40〜140℃におけるトラクション係数等の特性値を
表1に示す。
【0022】実施例3 実施例1において、トルエンに代えてベンゼンを用いた
以外は同様の操作を行い、ベンゼンが付加した炭素数2
2からなる混合成分を得た(留出範囲、1torrで140
〜167℃)。この留分のガスクロマトグラムと、赤外
およびNMRスペクトルを図13〜15に示す。次いで
実施例1と同様に水素添加を行い、水素化率99%以上
の最終生成物を得た。最終生成物の流動点、粘度、粘度
指数、40〜140℃におけるトラクション係数等の特
性値を表1に示す。
【0023】実施例4 実施例1において、トルエンに代えてエチルベンゼンを
用いた以外は同様の操作を行い、原料にエチルベンゼン
が付加した炭素数24からなる混合成分を得た(留出範
囲、1torrで100から150℃)。この留分のガスク
ロマトグラムと、赤外およびNMRスペクトルを図16
に示す。次いで実施例1と同様に水素添加を行い、水素
化率99%以上の最終生成物を得た。最終生成物の流動
点、粘度、粘度指数、40〜140℃におけるトラクシ
ョン係数等の特性値を表1に示す。
【0024】比較例1 α−メチルスチレン線状二量体を水素添加した、2、4
−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンを主成分とす
る、市販のサントトラック50(モンサント社商品名)
を用いて、実施例1と同様にトラクション特性を調べ
た。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 項目 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 トラクション係数 40℃ 0.102 0.095 0.104 0.100 0.107 60℃ 0.100 0.092 0.100 0.100 0.098 80℃ 0.095 0.090 0.095 0.095 0.092 100℃ 0.090 0.089 0.090 0.090 0.084 120℃ 0.085 0.082 0.087 0.084 0.073 140℃ 0.082 0.078 0.082 0.080 0.064 動粘度(cSt) 40℃ 70.9 240 54.6 125.6 30.5 100℃ 6.1 14 5.9 7.9 4.5 粘度指数 26 53 45 20 50流動点(℃) -20以下 -20以下 -30以下 -20 -40 アルキル化物の留出範囲 (水素添加前) (℃/1torr) 100-135 175-192 140-167 100-150
【0026】表1に示す実施例1〜4および比較例1の
データから、本発明の流体のトラクション特性は、特に
高温でのトラクション係数の低下が小さく、低温流動性
が良好であり、非常に優れた優れた特徴を有するもので
あることが明瞭である。
【0027】実施例5 実施例1で得られた水素添加を施さない成分(o-トリル
ノナジエンにトルエンが付加した炭素数23からなり、
セタ密閉式で測定した引火点、200℃)をオートクレ
ーブに仕込み、窒素雰囲気下に320℃で30日間加熱
した。当初の圧力はゲージ圧で0.8kgであり、終了
後の圧力増加は認められず、このものが熱媒体油として
充分使用可能であることが分かった。
【0028】
【発明の効果】以上の実施例および比較例から明らかな
様に、本発明の合成潤滑流体は広い温度範囲に亘って優
れたトラクション特性を示し、工業的に安価に製造され
るので、特にトラクションドライブ装置の実用化に寄与
することができる。また本発明の合成潤滑流体は安価で
高性能の高沸点溶剤や熱媒体油等としても利用できるの
で、本発明の工業的意義が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いたo−トリルノナジエンおよびo
−トリルトリデカトリエンからなる混合成分のガスクロ
マトグラムである。
【図2】実施例1における炭素数16の混合成分のガス
クロマトグラムである。
【図3】実施例1における炭素数16の混合成分の赤外
スペクトルである。
【図4】実施例1における炭素数16の混合成分のNM
Rスペクトルである。
【図5】実施例1における最終生成物のガスクロマトグ
ラムである。
【図6】実施例1における最終生成物の赤外スペクトル
である。
【図7】実施例1における最終生成物のNMRスペクト
ルである。
【図8】実施例2での原料とテトラリンの反応成分のガ
スクロマトグラムである。
【図9】実施例2での原料とテトラリンの反応成分の赤
外スペクトルである。
【図10】実施例2での原料とテトラリンの反応成分の
NMRスペクトルである。
【図11】実施例2における最終生成物のガスクロマト
グラムである。
【図12】実施例2における最終生成物の赤外スペクト
ルである。
【図13】実施例3の原料とベンゼンの反応成分のガス
クロマトグラムである。
【図14】実施例3の原料とベンゼンの反応成分の赤外
スペクトルである。
【図15】実施例3の原料とベンゼンの反応成分のNM
Rスペクトルである。
【図16】実施例4の原料とエチルベンゼンの反応成分
の分析図である。 (A)ガスクロマトグラム (B)赤外スペクトル (C)NMRスペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性触媒を用いて一般式(I)で表わされ
    るアルケニル化合物を芳香族炭化水素および/またはオ
    レフィン類とアルキル化させ、該反応生成物を水銀柱で
    1mmの圧力下で蒸留して80℃から240℃の範囲で
    留出する炭素数36以下の成分を水素添加することによ
    り得られることを特徴とする、40℃における動粘度が
    1から500センチストークスの合成潤滑流体。 【化1】 (Rは水素原子、炭素数4以下のアルキル基、或いは炭
    素数4以下のアルキル側鎖を持つものも含まれることの
    あるフェニル基またはシクロヘキシル基であり、繰り返
    し部位のmは0又は1、nは2以上の整数であり、当該
    二重結合部位は、繰り返し単位が直鎖状または分岐鎖状
    に付加した構造からなる。)
  2. 【請求項2】アルケニル化合物がo-キシレン側鎖に二分
    子以上のブタジエンが付加した炭素数15〜28のo-ト
    リルオレフィン類であり、炭素数16以下の芳香族炭化
    水素および/またはオレフィン類とアルキル化させて得
    られる請求項1記載の合成潤滑流体。
  3. 【請求項3】o−トリルノナジエンおよびo−トリルト
    リデカトリエンからなる混合成分を、ベンゼン、トルエ
    ン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、α−メチル
    スチレン、シクロヘキセンおよび/またはビニルシクロ
    ヘキサンとアルキル化させて得られる請求項2記載の合
    成潤滑流体。
JP7318111A 1995-12-06 1995-12-06 合成潤滑流体およびその製造法 Pending JPH09157672A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114835544A (zh) * 2022-05-31 2022-08-02 太原理工大学 一种高粘度烷基芳烃润滑基础油及其制备方法

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