JPH09157359A - リターナブル容器 - Google Patents

リターナブル容器

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JPH09157359A
JPH09157359A JP26064696A JP26064696A JPH09157359A JP H09157359 A JPH09157359 A JP H09157359A JP 26064696 A JP26064696 A JP 26064696A JP 26064696 A JP26064696 A JP 26064696A JP H09157359 A JPH09157359 A JP H09157359A
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JP
Japan
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acid
lactic acid
food
container
aliphatic
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Application number
JP26064696A
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English (en)
Inventor
Seiji Obuchi
省二 大淵
Takayuki Watanabe
孝行 渡辺
Yasuhiro Kitahara
泰広 北原
Tomoyuki Nakada
智之 中田
Kazuhiko Suzuki
和彦 鈴木
Masanobu Ajioka
正伸 味岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品の包装材や容器の技術分野において、環
境問題をクリアできると同時に、臭気残留性及び/又は
着色性が実質的にない、分解性のあるリターナブル容器
を提供することを課題とする。 【解決手段】 乳酸単量体単位を分子内に有し、乳酸単
量体成分含有率が50重量%以上である脂肪族ポリエス
テル重合体からなる、非着色性及び/又は非着臭性を有
する食品用リターナブル容器。 【効果】 本発明に係わるリターナブル容器は、繰り返
し使用しても食品等の臭気の残留性が少なく、耐着色性
が高いことから、例えば弁当箱や冷蔵庫て使用される保
存容器のような容器として、繰り返し好適に使用し得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の臭気や色が
残留しにくく、かつ、自然環境下で分解する食品用容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弁当箱や冷蔵庫等で食品を保存す
る容器は、ガラス、金属等から製造されてきたが、最近
では、成形、加工や着色に自由度のあるプラスチックを
素材とする容器が主流を占めている。また、食品を包装
保存する場合にもプラスチックが幅広く使用されてい
る。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート
(PC)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(A
S)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合
体(ABS)等のプラスチック素材がその例である。通
常、これらのプラスチックは、前述したような利点があ
るものの、使用後の廃棄の際にゴミの量を増すうえに、
自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理して
も、半永久的に地中に残留するという問題がある。ま
た、投棄されたプラスチックにより、景観が損なわれ海
洋生物の生活環境が破壊されたりするなどの環境問題も
起こっている。
【0003】このような問題に対し、我が国では、平成
5年11月に、これまでの公害対策基本法(昭和42年
制定)に替わり、環境基本法が制定された。これは、
「公害対策」という処理技術等を前提にした規制的手法
のみならず、平成4年の「地球サミット」の基本コンセ
プトである「環境に負荷の少ない持続可能な社会の実
現」のための理念・手法等の環境行政の体系を定めた、
いわば21世紀に向けての「環境憲法」である。この環
境基本法において、特に、廃棄物・リサイクル対策とし
て、発生抑制、再使用、リサイクル、適性処理
というステップを踏む原則を示している。これに対応す
るために、近年、熱可塑性樹脂で分解性を有するポリマ
ーがいくつか開発されている。中でもポリ乳酸等の脂肪
族ポリエステル類の優れた分解性が注目され、このよう
なステップにおける、発生抑制及び適性処理への応
用が検討されてきた。しかしながら、本発明のように、
ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル類が有する優れた非着
臭性や非着色性に注目し、このようなステップにおけ
る、再使用及びリサイクルへの応用は殆ど検討され
ることはなかった。
【0004】平成7年6月に、「容器包装のリサイクル
法(正式名称:容器包装に係わる分別収集及び再商品化
の促進に関する法律)」が成立した。容器包装廃棄物
は、家庭などからの一般廃棄物の年間排出量約500万
トンの20%強を占め、容量では約60%となってい
る。特に我が国の場合、ドイツ等の環境先進国の場合と
は対照的に、飲料容器は、次第に何度も使用できるリタ
ーナブル容器から、ワンウェー容器やディスポーザブル
容器等の使い捨て容器に移行する、逆行現象もみられ
る。ドイツでは、平成3年から包装材料にデポジットを
課すか、企業の負担により共同回収・再資源化するかの
いずれかの措置をとることが義務づけられ、後者のため
に、「デュアルシステム・ドイチュラント社」が設立さ
れた。ドイツのような厳格な施策は未だ採られていない
我が国においても、従来、ガラス容器(例えば、ビール
瓶、牛乳瓶、清涼飲料瓶等)で確立している回収・再使
用ルート(メーカー→販売店→消費者→販売店→メーカ
ー・・・)を樹脂容器等でも確立することが期待され
る。しかしながら、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル類
は、単なるワンウェー容器として応用することは検討さ
れてきたが、リターナブル容器へ応用することは殆ど検
討されてこなかった。
【0005】一方、熱可塑性樹脂で分解性を有する樹脂
として種々の分解性プラスチックが知られている。これ
らの分解性プラスチックは、動物の体内では数カ月から
1年以内に100%生分解し、また、土壌や海水中に置
かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約
1年から数年で消滅する。例えば、澱粉とポリビニルア
ルコールとの混合物、1,4−ブタンジオールとコハク
酸との脱水縮合物、ヒドロキシ吉草酸とヒドロキシ酪酸
とのコポリマーからなる樹脂等がその例である。しかし
ながら、これら生分解性プラスチックは、その特有の性
質により、例えば、食品等と接触した場合、食品等の臭
気が容器へ残存したり、容器が着色したりする等の問題
が生じる場合があり、繰り返し使用する食品等の用途に
は必ずしも適切な素材とはいえない。
【0006】そこで、本発明者らは、食品包装や食品容
器の技術分野において、耐着臭性及び耐着色性等に優
れ、繰り返し使用に好適であり、繰り返し使用の使
命を終えた後には、分解性を有するという特性を備えた
リターナブル容器を提供することに大きな意義があると
考えた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、食
品包装や食品容器の技術分野において、耐着臭性及び
耐着色性等に優れ、繰り返し使用に好適であり、繰
り返し使用の使命を終えた後には、分解性を有するとい
う特性を備えたリターナブル容器を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、分解性を有する脂肪族多価カルボン酸と
脂肪族多価アルコールから誘導される脂肪族ポリエステ
ル及び脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸等の脂肪族ポリ
エステル重合体について鋭意検討した結果、脂肪族ポリ
エステル重合体中に、乳酸成分をある一定量以上含む成
形体が、臭気成分又は着色成分を有する食品からの着
臭、着色が著しく抑制できることを見出し、さらに検討
を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、乳酸単量体単位を分子内に有し、乳酸単量体
成分含有率が50重量%以上である脂肪族ポリエステル
重合体からなる成形体を、臭気残留性及び/又は着色性
が実質的にない、分解性のあるリターナブル食品用容器
として使用することに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる「分解性」なる語の概念には、有
機材料に関し、特定の目的に使用している期間は、目的
に合致した材料特性を保持し、目的終了後又は廃棄後
に、自然環境下又は生体内環境下において、分解、脆弱
化及び無害化するような機能を包含する。また、コンポ
スタブル(compostable、土壌回帰性)の概
念をも包含する。本発明において用いる「着臭性」なる
語は、樹脂の成形加工品(例えば、食品容器(例えば、
瓶、トレイ、コンテナー等)、食器(例えば、皿、碗、
箸、フォーク、ナイフ、スプーン等)等)が、臭気の強
い食品(例えば、麦茶、ケチャップ、塩鮭、カレー、キ
ムチ、ラッキョ、沢庵等)と一定時間接触(例えば、サ
ランラップ(旭化成(株)製)で密封して、10℃で7
日間保存する等)した後、一定の洗浄条件(例えば、マ
マレモン(ライオン(株)製)5gで5分間洗浄した
後、23℃で24時間放置乾燥する等)で洗浄した場合
に、容器に臭気が残留する性質を意味する。
【0010】本発明において用いる「着色性」なる語
は、樹脂の成形加工品(例えば、食品容器(例えば、
瓶、トレイ、コンテナー等)、食器(例えば、皿、碗、
箸、フォーク、ナイフ、スプーン等)等)が、臭気の強
い食品(例えば、麦茶、ケチャップ、塩鮭、カレー、キ
ムチ、ラッキョ、沢庵等)と一定時間接触(例えば、サ
ランラップ(旭化成(株)製)で密封して、10℃で7
日間保存する等)した後、一定の洗浄条件(例えば、マ
マレモン(ライオン(株)製)5gで5分間洗浄した
後、23℃で24時間放置乾燥する等)で洗浄した場合
に、容器に色が残留する性質を意味する。本発明におい
て用いる「リターナブル容器」なる語の概念は、繰り返
し使用が可能な容器を包含する。より具体的には、ガラ
ス容器(例えば、ビール瓶、牛乳瓶、清涼飲料瓶等)で
確立している回収・再使用ルート(メーカー→販売店→
消費者→販売店→メーカー・・・)に乗るような容器を
包含する。また、家庭で繰り返し使用する弁当箱やタッ
パー・ウェア(商品名)のような食品密閉容器をも包含
する。
【0011】本発明における脂肪族ポリエステル重合体
は、重合体を構成する全単量体単位に対する乳酸単量体
単位の重量%(以下、乳酸単量体成分含有率という。)
が50%以上であることを必要条件とし、乳酸単量体成
分含有率は、60重量%以上が好ましく、70%以上が
より好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以
上がさらに好ましく、95%以上が最も好ましい。乳酸
単量体成分含有率が50%より少ないと、繰り返し使用
する際に食品等から容器等の成形体への着臭や着色を生
じる場合があり、実用性において問題となる。本発明の
脂肪族ポリエステル重合体は、ホモポリマー、コポリマ
ー(共重合体)及びそれらの混合物を包含する。コポリ
マーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合
体、ブロック共重合体等のいずれでもよい。また、言い
換えると、本発明の重合体は、例えば、「新版高分子辞
典(高分子学会編、朝倉書店、東京、1988年)」に
記載のポリマーブレンド、ポリマーアロイとして当業者
において周知のものであって、前述の分解性を持つもの
をも包含する。
【0012】本発明の脂肪族ポリエステル重合体におい
て、乳酸単量体成分以外に含まれる成分としては、乳酸
以外の脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び又は脂肪族多価
アルコールと脂肪族多価カルボン酸からなる脂肪族エス
テル成分、特に、乳酸以外の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸又は脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸からなる脂
肪族エステル成分が好ましい。すなわち、本発明の重合
体は、ポリ乳酸、乳酸と乳酸以外の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸の脂肪族コポリエステル、及び乳酸と脂肪族ジ
オールと脂肪族ジカルボン酸からなる脂肪族コポリエス
テル及びそれらの混合物が好ましい。さらに、本発明の
脂肪族ポリエステル重合体は、ポリ乳酸と乳酸以外の脂
肪族ヒドロキシカルボン酸の脂肪族ホモ又は脂肪族コポ
リエステル成分を含む脂肪族ブロックコポリエステル、
特にポリ乳酸と6−ヒドロキシカプロン酸成分を含むホ
モ又はコポリカプロン酸のブロックポリエステルが、ま
たポリ乳酸と脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸から
なる脂肪族コポリエステル、特にポリ乳酸と1,4−ブ
タンジオールとコハク酸を含むホモ又はコポリブチレン
サクシネートとのブロックコポリエステルがより好まし
い。
【0013】また、ポリ乳酸と乳酸以外の脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸の脂肪族ポリエステルの混合物、ポリ乳
酸と脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸からなる脂肪
族ポリエステルの混合物も好ましい。特に、ポリ乳酸と
前記ホモ又はコポリカプロン酸との混合物、ポリ乳酸と
前記ホモ又はコポリブチレンサクシネートとの混合物
が、より好ましい。本発明における乳酸単量体単位は、
L−乳酸単位、D−乳酸単位及びそれらの混合したもの
を含む。本発明において用いることができる乳酸以外の
脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例え
ば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキ
シ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0014】本発明において用いることができる脂肪族
多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸からなる脂肪族
ポリエステルは、一種類又は二種類以上の脂肪族多価カ
ルボン酸(好ましくは、脂肪族ジカルボン酸)及び/又
はこれらの無水物と、一種類又は二種類以上の脂肪族多
価アルコール(好ましくは、脂肪族ジオール)とを脱水
重縮合することにより製造することができる。この場合
の脂肪族多価カルボン酸及びその無水物の具体例として
は、例えば、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂
肪族ジカルボン酸等及びその無水物が挙げられる。また
この場合の、脂肪族多価アルコールの具体例としては、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げら
れる。
【0015】本発明の脂肪族ポリエステル重合体は、ポ
リ乳酸、あるいは乳酸と前述したヒドキシカルボン酸及
び/又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの脱水
縮合により得られるランダムコポリマー、及びブロック
コポリマー、あるいはポリ乳酸と脂肪族ポリヒドロキシ
カルボン酸及び/又は脂肪族ポリエステルとの混合物で
あってもよく、乳酸成分が50重量%以上含まれていれ
ば何れのポリマー組成であってもよい。また、ポリ乳酸
とポリヒドロキシカルボン酸及び脂肪族ポリエステルの
各ポリマーの混合比や混合時の分子量等で、それぞれ異
なる機械物性を示すが、本発明ではその混合比や分子量
に何等制限はなく、目的とする用途に適した物性を示す
ポリマー組成を適宜選択することができる。本発明の脂
肪族ポリエステル重合体の分子量は、容器などの成形物
にして繰り返し使用する場合に、実質的に充分な機械物
性を示すものであれば、特に制限されない。一般的に
は、重量平均分子量として、1〜500万が好ましく、
3.0〜300万がより好ましく、5.0〜200万が
さらに好ましく、7〜100万がさらに好ましく、9〜
50万がさらに好ましい。重量平均分子量が1万より小
さい場合、機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が
500万より大きい場合、取扱が困難となったり不経済
となったりする場合がある。
【0016】本発明の脂肪族ポリエステル重合体の重量
平均分子量及び分子量分布は、その重合方法において、
溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時間、
共沸により留出した溶媒の処理方法、反応系の溶媒の脱
水の程度等の反応条件を適宜選択することにより、所望
のものに制御することができる。本発明の脂肪族ポリエ
ステル重合体の製造法は、特に制限されない。重合体の
製造法の具体例としては、例えば、特開平6−6536
0号公報の開示を参考にした、後述の合成例1に示すよ
うな、乳酸を、又は乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボ
ン酸を、又は脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を有
機溶媒及び触媒の存在下、そのまま脱水縮合する直接脱
水縮合法であってもよく、例えば、米国特許第2,70
3,316号公報の開示を参考にした、後述の合成例2
に示すような、乳酸を、又は乳酸と乳酸以外のヒドロキ
シカルボン酸を一旦脱水し環状二量体とした後、開環重
合する間接重合法等でもよい。
【0017】このようにして得られた脂肪族ポリエステ
ル重合体は、そのまま、又はブレンダー等で良く混合し
た後、通常の押出機にてペレット化した後、通常の成形
機及び成形方法で容器等の成形体に容易に成形加工する
ことができる。ペレット化する際に、樹脂組成物の諸物
性(例えば、弾性率、引張強度、耐熱性、耐候性等)を
向上させる目的で、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、滑剤、着色顔料などや少量の他の樹脂
を添加することもできる。充填剤の具体例としては、例
えば、タルク、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、アルミニウム粉末、シリカ、カオリナ
イト、酸化チタン等が挙げられる。充填材の添加量は、
一般には、0.1〜50重量%であり、0.5〜40重
量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。充填
材の添加量は、目的とする効果が得られる最適量が適宜
選択される。
【0018】本発明の成形体の成形方法としては、射出
成形、押出ブロー成形、押出延伸ブロー成形、射出ブロ
ー成形、射出延伸ブロー成形、熱成形等、また、フィル
ム状の成形体の成形方法としては、インフレーション成
形、Tダイ成形等が挙げられるが、その方法に何等制限
はない。本発明の成形体は、例えば、公知・公用の成形
法で得られるフィルム、シート、カップ、ボトル、トレ
ー等の成形体を包含し、その形状、大きさ、厚み、意匠
等に関しては何等制限はない。本発明の成形体は、適当
な成形加工法により、例えば、繰り返し使用する弁当
箱、食器、トレイ、容器、ボトル、シート、フィルム等
として好適に使用することができる。このように、本発
明の成形体を食品分野において使用される容器として使
用する時、それらは耐着臭性、耐着色性に優れ、色がし
み出る物品を包装等するのに好適であり、繰り返し使用
することができるうえに、自然環境下で容易に分解し、
昨今、問題となっている環境問題をクリアすることがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、実施例にて詳細に説明するが、例示す
る実験装置及び方法は、本発明方法の主旨を越えない限
りこれに限定されるものではない。また、実施例中の重
量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)
により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
【0020】合成例1 攪拌機、温度計を備えた500mlの4ツ口フラスコ
に、90%−乳酸104.3gとジフェニルエーテル2
25.0g、金属錫2.0gを加え、130℃/140
mmHgで7時間、系外に生成水を留出させながら加熱
攪拌した。これにDean Stark Trapを取
り付け、140℃/130mmHgで8時間共沸脱水を
行なった後、モレキュラーシーブス3Aを40g充填し
た乾燥管を取付け、留出した溶媒が乾燥管を通って反応
器に戻るようにして、130℃/17mmHgで30時
間加熱還流した。反応マスを冷却後、600mlのクロ
ロホルムに溶解し、4lのアセトンに加え再沈後、析出
した個体を濾別した。次に濾塊に塩酸5gを溶解したイ
ソプロピルアルコール(以下、IPAという。)溶液5
00mlを加え、30分間攪拌し、さらにIPA500
mlを加えスラッジ後濾過し、これを3回繰り返し、得
られた湿ケーキを60℃/100mmHgで15時間乾
燥した。得られた固体は、白色粉末状のポリ乳酸で収量
は69.1g、収率は92.2%、重量平均分子量(M
w)は29.5万であった。
【0021】合成例2 攪拌機、温度計を備えた1000mlの4ツ口フラスコ
に、90%−乳酸730.3gと亜鉛粉末5.0gを加
え、130℃/50mmHgで3時間、系外に生成水を
留出させながら加熱攪拌した後、さらに5mmHgまで
減圧した。この時、留出する白色の乳酸の環状二量体で
あるラクタイドを分取した。得られたラクタイドを酢酸
エチルで再結晶し、精ラクタイド420.0gを得た。
収率は80.0%であった。温度計、攪拌翼、窒素導入
管、下部に反応マス取り出し口を備えた500mlの反
応釜に、精ラクタイド200g、オクタン酸錫0.02
g、ラウリルアルコール0.06gを装入し、窒素気流
下、200℃/10mmHgで2時間加熱攪拌した。反
応終了後、下部取り出し口からポリ乳酸の溶融物を抜き
出し、冷却後ペレタイザーにてカットした。得られたポ
リ乳酸は、収量164.0g、収率は82.0%、重量
平均分子量(Mw)は、13.8万であった。得られた
ポリ乳酸135gと後述の合成例10で得られたポリブ
チレンサクシネート15gをリボンブレンダーに装入、
よく混合し、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとの
混合物(乳酸成分は90重量%)を得た。
【0022】合成例3 合成例2で得られたポリ乳酸(Mw=13.8万)30
0g、後述の合成例10で得られたポリブチレンサクシ
ネート(Mw=12.2万)を200gとした以外は、
合成例2と同様な方法で混合した結果、ポリ乳酸とポリ
ブチレンサクシネートとの混合物(乳酸成分は60重量
%)を得た。
【0023】合成例4 合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(M
w)2.2万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75g、
ジフェニルエーテル225.0g)に後述の合成例10
で得られた重量平均分子量(Mw)12.2万のポリブ
チレンサクシネート9.05gを装入し、さらに130
℃/17mmHgで20時間反応した他は、合成例1と
同様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレンサク
シネートとのブロックコポリマー(乳酸成分は89重量
%)を得た。収量は78.3g、収率は93.2%、重
量平均分子量(Mw)は13.5万であった。
【0024】合成例5 合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(M
w)2.2万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75g、
ジフェニルエーテル225.0g)に後述の合成例10
で得られた重量平均分子量(Mw)12.2万のポリブ
チレンサクシネート19.1gを装入し、さらに130
℃/17mmHgで30時間反応した他は、合成例1と
同様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレンサク
シネートとのブロックコポリマー(乳酸成分は80重量
%)を得た。収量は82.9g、収率は88.1%、重
量平均分子量(Mw)は14.7万であった。
【0025】合成例6 合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(M
w)2.5万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75g、
ジフェニルエーテル225.0g)に合成例10で得ら
れた重量平均分子量(Mw)2.1万のポリブチレンサ
クシネート4.3gを装入し、さらに130℃/17m
mHgで30時間反応した他は、合成例1と同様にして
行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートと
のブロックコポリマー(乳酸成分は95重量%)を得
た。収量は73.0g、収率は92.1%、重量平均分
子量(Mw)は13.5万であった。
【0026】合成例7 合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(M
w)10.1万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75
g、ジフェニルエーテル225.0g)に合成例10で
得られた重量平均分子量(Mw)12.2万のポリブチ
レンサクシネート40.0gを装入し、さらに130℃
/17mmHgで20時間反応した他は、合成例1と同
様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレンサクシ
ネートとのブロックコポリマー(乳酸成分は65重量
%)を得た。収量は100.2g、収率は87.1%、
重量平均分子量(Mw)は15.9万であった。
【0027】合成例8 乳酸の代わりに6−ヒドロキシカプロン酸104.0g
を用いた他は合成例1と同様な方法で行なった結果、白
色粉末状のポリカプロン酸を得た。収量は81.0g、
収率は92.2%、重量平均分子量(Mw)は11.1
万であった。このポリカプロン酸4.3gを、合成例1
と同様な方法で得られた重量平均分子量(Mw)10.
1万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75g、ジフェニ
ルエーテル225.0g)にを装入し、さらに130℃
/17mmHgで20時間反応した他は、合成例1と同
様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリカプロン酸との
ブロックコポリマー(乳酸成分は95重量%)を得た。
収量は75.1g、収率は94.7%、重量平均分子量
(Mw)は14.0万であった。
【0028】合成例9 合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(M
w)10.1万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75
g、ジフェニルエーテル225.0g)に後述の合成例1
0で得られた重量平均分子量(Mw)12.2万のポリ
ブチレンサクシネート110.0gを装入し、さらに1
30℃/17mmHgで20時間反応した他は、合成例
1と同様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレン
サクシネートとのブロックコポリマー(乳酸成分は40
重量%)を得た。収量は164.8g、収率は89.1
%、重量平均分子量(Mw)は14.6万であった。
【0029】合成例10 乳酸の代わりに1,4−ブタンジオール50.5gとコ
ハク酸66.5gを用いた他は合成例1と同様な方法で
行なった結果、白色粉末状のポリブチレンサクシネート
を得た。収量は92.2g、収率は95.0%、重量平
均分子量(Mw)は12.2万であった。
【0030】試験例1 合成例1〜10で得られたポリ乳酸500.0gを二軸
の押出機(36mm)で温度180℃で押出し、ペレタ
イザーにてペレット化した。このペレットを日精樹脂工
業(株)製の射出成形機を用いて、外径60mm、高さ
100mm、肉圧2.0mmの円筒状容器を射出成形に
より得た。得られた容器に臭気の強い食品(麦茶、塩
鮭、カレー、キムチ、ラッキョ、ケチャップ、ニンニ
ク、牛乳、ビール)を入れ、容器の口部にラップフィル
ム〔商品名サランラップ、旭化成(株)製〕をかぶせ、
輪ゴムで止めて密封した。このようにして臭気の強い食
品を入れた容器を、10℃で7日間保存した。次に、内
容物を除去し、容器を水洗及び洗剤〔ママレモン、ライ
オン(株)製〕5gで5分間洗浄した後、23℃で24
時間放置乾燥した。得られた各容器について、容器に残
留している臭気の強さ、着色度、及び分解性を以下の評
価基準にて評価した。
【0031】臭気テスト 男女併せて10人の人間により官能テストを行なった。 評価基準 ◎;臭わない △;臭う ○;少し臭う
×;強く臭う 着色テスト 評価基準 ○;着色していない △;かすかに着色して
いる ×;著しく着色している 分解性テスト 各容器を35℃、水分30%の土壌中に6ケ月間埋設し
た後、容器の外観を観察した。 評価基準 ○;分解している △;一部分解している
×;変化なし 比較のためマタービ AT−05H(商品名、ノバモン
ト社製)、バイオポール S−30(商品名、ゼネカ社
製)、ビオノーレ#1020(商品名、昭和高分子社
製)、バレックス#3000(商品名、三井東圧社製)
も併せて評価した。結果を表1(表1)に示す。
【0032】
【表1】 1)マタービ AT−05H(商品名、ノバモント社
製):澱粉とポリビニルアルコールとの混合物2) バイオポール S−30(商品名、ゼネカ社製):ヒ
ドロキシ吉草酸とヒドロキシ酪酸とのコポリマー3) ビオノーレ #1020(商品名、昭和高分子社
製):1,4−ブタンジオールとコハク酸との脱水縮合
4) バレックス #3000(商品名、三井東圧社製)
【0033】試験例2 合成例1〜8で得られたポリマーを、通常の射出成形機
を用いて、外径60mm、高さ100mm、肉厚2mm
の円筒状容器に射出成形した。得られた容器に臭気の強
い食品(生魚、イカの塩辛、みそ、カレー、おろし生ニ
ンニク、ベニショウガ、ケチャップ)を入れ、容器の口
部にラップフィルム(商品名サランラップ(旭化成
(株))をかぶせ、輪ゴムでとめて密閉した。このよう
にして臭気の強い食品を入れた容器について、23℃で
7日間保存し、内容物を水洗にて除去し、洗剤(商品名
ママレモン(ライオン(株)製))5gで5分間洗浄し
て23℃にて乾燥した。乾燥した容器は、さらに23℃
で24時間放置後、容器の中に残留している臭気の有無
を人間の臭覚により調べた。
【0034】合成例1〜8のいずれの場合も、いずれの
内容物に関し、容器に異常は認められず臭気はほとんど
残留しなかった。また、これとは別に、繰り返し使用試
験として、上記に記載した試験方法を1サイクルとし、
20サイクル行ない同様の評価を行ったが、やはり、合
成例1〜8のいずれの場合も、いずれの内容物に関し、
容器に異常は認められず臭気は殆ど残留しなかった。特
に、生魚は通常は室温で保存することはないが、室温で
7日間も保存して腐敗して非常に臭気が発生した場合で
も、洗浄すれば臭気が残らないので繰り返し使用する食
品容器としては極めて適したものである。ポリプロピレ
ン樹脂及びポリスチレン樹脂を用いて上記と同様な試験
を実施した。容器に異常は認められなかったが、内容物
の色や臭気が残留した。
【0035】
【発明の効果】本発明に係わるリターナブル容器は、食
品包装材や食品容器の技術分野において、耐着臭性及び
耐着色性に優れるので、繰り返し使用に好適であり、且
つ、リターナブル容器としての使命を終えた後は、廃棄
物として地中に埋設されたり、海や川に投棄された場
合、紙や木等の天然物と同じように自然環境下で比較的
短い期間内に無害な水と炭酸ガスに分解する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 智之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 和彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸単量体単位を分子内に有し、乳酸単
    量体成分含有率が50重量%以上である脂肪族ポリエス
    テル重合体からなる、非着色性及び/又は非着臭性を有
    する食品用リターナブル容器。
  2. 【請求項2】 食品が麦茶である請求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】 食品が魚である請求項1記載の容器。
  4. 【請求項4】 食品がカレーである請求項1記載の容
    器。
  5. 【請求項5】 食品が漬物である請求項1記載の容器。
  6. 【請求項6】 漬物がキムチである請求項5記載の容
    器。
  7. 【請求項7】 漬物がラッキョである請求項5記載の容
    器。
  8. 【請求項8】 食品が牛乳である請求項1記載の容器。
  9. 【請求項9】 食品がビールである請求項1記載の容
    器。
  10. 【請求項10】 乳酸単量体単位を分子内に有し、乳酸
    単量体成分含有率が50重量%以上である脂肪族ポリエ
    ステル重合体からなる成形体を、着色性及び/又は着臭
    性を有する食品のリターナブル容器として使用する方
    法。
  11. 【請求項11】 食品が麦茶である請求項10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 食品が魚である請求項10記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 食品がカレーである請求項10記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 食品が漬物である請求項10記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 漬物がキムチである請求項14記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 漬物がラッキョである請求項14記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 食品が牛乳である請求項10記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 食品がビールである請求項10記載の
    方法。
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