JPH09157325A - オリゴ糖誘導体 - Google Patents

オリゴ糖誘導体

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JPH09157325A
JPH09157325A JP31902295A JP31902295A JPH09157325A JP H09157325 A JPH09157325 A JP H09157325A JP 31902295 A JP31902295 A JP 31902295A JP 31902295 A JP31902295 A JP 31902295A JP H09157325 A JPH09157325 A JP H09157325A
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JP
Japan
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oligosaccharide
hydrophilic polymer
compound
derivative
formula
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Application number
JP31902295A
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English (en)
Inventor
Ichiro Matsuo
一郎 松尾
Hiroshi Fujimoto
浩 藤本
Katsumi Ajisaka
勝美 鰺坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血中半減期が長く、臓器移植時の拒絶反応抑
制剤として有用な化合物の提供。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は親水性ポリマー残基、又は1もしくは2
個の親水性ポリマーが架橋基を介して結合する1価もし
くは2価の基を示し、nは0又は1の数を示し、mは1
又は2の数を示す)で表されるオリゴ糖誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオリゴ糖誘導体に関
し、更に詳細には臓器移植時における拒絶反応抑制剤と
して有用なオリゴ糖誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】心臓、肝臓あるいは腎臓等の重篤な疾患
の治療においては、正常な臓器を移植する方法が最も根
本的な治療といえる。しかしながら心臓の移植に関して
は脳死者からの移植に限られ、ドナーの数が限られてい
る関係から必ずしも移植を希望する患者に最適の臓器が
必要なときに供給されるとは限らない。また肝臓及び腎
臓の場合には生体からの移植が可能であるが、よほどの
近親者、例えば母親から子供のような場合でない限り拒
絶反応が起こる確率が高いため、利用できる臓器は極端
に限られている。
【0003】そのような観点から、最近異種動物の臓器
を移植する可能性の検討がなされている。そのための研
究の一環として、豚あるいは羊の臓器をひひ(baboon)
に移植する実験が行われているが、この場合には急性の
拒絶反応が観測されている。この急性の拒絶反応の抗原
のエピトープ構造はGalα1-3Galβ1-4GlcNAcであること
が決定されている。人間、高等なサル以外の殆どのほ乳
類動物の赤血球はGalα-3Gal構造のオリゴ糖を発現して
いる。ひひあるいは人間の赤血球の糖鎖中にはそのよう
な構造の糖鎖は含まれないが、ひひも人間もこのオリゴ
糖に対する自然抗体を有している。そのために、豚の臓
器をひひに移植した場合に急性の拒絶反応が観測された
わけであるが、人間に移植した場合にも同様の急性の拒
絶反応が起きることが予想される。豚の臓器をひひに移
植する場合に、Galα1-3Galβ1-4GlcNAcの3糖を同時に
投与すると抗体が中和されるために急性の拒絶反応が弱
められ、ひひの生存時間が延長することが報告されてい
る(D.K.C.Cooper,E.Koren,and R.Oriol.Xeno,vol.2,22
-25(1994))。このようなことから、この2糖又は3糖を
投与し続けながら移植を行えば、異種間臓器移植も展望
が開かれることが期待されている(D.K.C.Cooper,E.Kor
en,and R.Oriol,Immunological Reviews,No.141,31-58
(1994))。
【0004】しかしながら、これらのオリゴ糖は低分子
であるために短時間の内に尿あるいは胆汁中に排泄され
てしまう。そのため異種動物の臓器を移植する場合に
は、その臓器が定着するまでの間、例えば2ケ月〜6ケ
月という期間、このオリゴ糖を点滴などにより投与し続
けねばならない。このことは、患者に長期間苦痛を与え
続けるばかりでなく、必要なオリゴ糖の量、ひいてはオ
リゴ糖を供給するための費用も莫大なものとなり、異種
間臓器移植の発展を妨げる原因にもなりかねない重大な
問題となっている。
【0005】そのような問題を解決すべく、このオリゴ
糖を不溶性の支持体に結合してオリゴ糖の固定化カラム
を作成し、そのカラム内に被移植者の血液を循環するこ
とにより、抗体を中和する試みもなされている(特表平
7−501237号公報)。しかしその方法は、患者を
長期間ベッドに拘束することになり患者にとっては苦痛
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、臓器移植時における拒絶反応を有効に抑制できる薬
剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
課題を解決すべく種々検討した結果、前記の2糖又は3
糖にポリアルキレングリコールに代表される親水性ポリ
マーを導入したところ、当該オリゴ糖−親水性ポリマー
結合物は未修飾オリゴ糖と同様の拒絶反応抑制作用を有
し、かつその血中半減期が未修飾オリゴ糖に比べて延長
しており、点滴などによる連続投与を必要としないの
で、臓器移植時の拒絶反応抑制剤として有用であること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1 は親水性ポリマー残基、又は
1もしくは2個の親水性ポリマーが架橋基を介して結合
する1価もしくは2価の基を示し、nは0又は1の数を
示し、mは1又は2の数を示す)で表されるオリゴ糖誘
導体を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(1)中、Galはガラクト
ース、GlcNAcはN−アセチルグルコサミンを示す。ま
た、mは1又は2の数であるが、R1 の価数に相当す
る。また一般式(1)において、nが0の場合は[Galα
1-3Gal]mR1であり、nが1の場合は[Galα1-3Galβ1-4G
lcNAc]mR1である。これらの化合物を構造式で示せば次
の通りである。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 は前記と同じ)
【0014】一般式(1)中のR1 は、親水性ポリマー
残基、又は1もしくは2個の親水性ポリマーが架橋基を
介して結合する1価もしくは2価の基であり、ここで親
水性ポリマーとしては、ポリアルキレングリコール、ポ
リアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリビ
ニルピロリドン、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタ
クリルアミドコポリマー、スチレンマレイン酸コポリマ
ー、α,β−〔(2−ヒドロキシエチル)−DL−アス
パルトアミド〕、イヌリン、デキストラン及びヒト血清
アルブミンが挙げられる。これらの親水性ポリマーの分
子量は、腎糸球体で濾過されない程度の分子量、すなわ
ち重量平均分子量として1千〜50万、特に1千〜10
万が好ましい。
【0015】これらの親水性ポリマーのうち、ポリアル
キレングリコール及びポリアルキレングリコールモノア
ルキルエーテルがより好ましい。好ましい具体例として
は、平均分子量1千〜10万のポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル−ポリプロピレングリコール、これらのモノC1-5
ルキルエーテルが挙げられる。特に好ましい親水性ポリ
マーは、平均分子量1千〜5万のポリエチレングリコー
ル又はポリエチレングリコールモノC1-5アルキルエー
テルである。また、ポリエチレングリコールモノC1-5
アルキルエーテルのうち、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルが特に好ましい。
【0016】これらの親水性ポリマーとオリゴ糖との結
合形態は、これらが直接結合していても、また架橋基を
介して結合していてもよく、かかる結合形態を例示すれ
ば次の通りである。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R2 は親水性ポリマー残基を示
し、R3 は水素原子又は-NHCO(CH2)p(CO)qOR2を示し、
4 は水素原子又は
【0021】
【化8】
【0022】R5 は水素原子又は-CONHR2を示し、Aは
アミノ酸残基又はペプチド残基を示し、pは1又は2の
数を示し、qは0又は1の数を示し、r及びsは1〜1
0の数を示す)
【0023】これらの結合形態のうち、(a)〜(d)
がより好ましく、(a)〜(c)が特に好ましい。
【0024】一般式(1)中の特に好ましいR1 として
は次の式(2)、(3)、(4)又は(5)で示される
基が挙げられる。
【0025】
【化9】
【0026】(式中、PEG1は、ポリエチレングリコ
ール残基〔-(CH2CH2O)lH]又はポリエチレングリコール
モノアルキルエーテル残基〔-(CH2CH2O)lR6(ここでR
6 はアルキル基を、lは分子量が1千〜10万になる
数)〕を示す)
【0027】本発明のオリゴ糖誘導体(1)の製造法
は、オリゴ糖と親水性ポリマーとの結合形態により異な
り、例えば次に示す方法が挙げられる。
【0028】
【化10】
【0029】(式中、G-O-はオリゴ糖残基を示し、tは
0又は1の数を示し、R2 、R3 、R 4 、n、p及びq
は前記と同じ)
【0030】すなわち、オリゴ糖のモノニトロフェノー
ル誘導体又はジニトロフェノール誘導体のニトロ基を還
元してアミノフェノール誘導体又はジアミノフェノール
誘導体とし、次いでこれに架橋基を結合して活性化した
親水性ポリマーを反応させることにより、前記(a)〜
(c)の結合形態を有する化合物が得られる。
【0031】
【化11】
【0032】(式中、G、R2 、R5 及びtは前記と同
じ)
【0033】すなわち、オリゴ糖のベンジルオキシカル
ボニルフェノール誘導体を還元してカルボキシフェノー
ル誘導体とし、次いでこれにアミノ基を有する親水性ポ
リマーを反応させることにより、前記(d)を結合形態
を有する化合物が得られる。
【0034】
【化12】
【0035】(式中、G、R2 、r及びsは前記と同
じ、X1 はハロゲン原子を示す)
【0036】すなわち、オリゴ糖にハロゲン化アルキル
カルボン酸を反応させ、次いでアミノ化親水性ポリマー
を反応させることにより前記(e)の結合形態を有する
化合物が得られる。
【0037】
【化13】
【0038】(式中、R6 はアミノ保護基を示し、G、
A及びR2 は前記と同じ)
【0039】すなわち、オリゴ糖のグリコシルアミンの
アミノ基に、アミノ基を保護したアミノ酸又はペプチド
のカルボキシル基をアミド結合させた後、アミノ保護基
を脱離させ、次いでカルボキシル化親水性ポリマーを反
応させることにより、前記(f)の結合形態を有する化
合物が得られる。なお、ここで用いられるオリゴ糖のグ
ルコシルアミンは、オリゴ糖を重炭酸アンモニウム水溶
液で処理することにより得ることができる。また、当該
グリコシルアミンは、オリゴ糖の還元末端を活性化した
後アジド基を導入し、当該アジド基を還元することによ
っても得ることができる。
【0040】
【化14】
【0041】(式中、G及びR2 は前記と同じ)
【0042】すなわち、オリゴ糖のグリコシルアミンに
無水コハク酸を反応させた後アミノ化親水性ポリマーを
反応させることにより、前記(g)の結合形態を有する
化合物が得られる。
【0043】
【化15】
【0044】(式中、G及びR2 は前記と同じ)
【0045】すなわち、オリゴ糖のグリコシルアミン
に、塩化シアヌルで活性化された親水性ポリマーを反応
させることにより前記(h)の結合形態を有する化合物
が得られる。
【0046】
【化16】
【0047】(式中、X及びYはハロゲン原子又はトリ
クロロアセトイミジル基を示し、G及びR2 は前記と同
じ)
【0048】すなわち、オリゴ糖の還元末端をハロゲン
等で活性化し、これに1,2−O−イソプロピリデング
リセロールを反応させた後、水酸基の保護基を脱離さ
せ、次いで親水性ポリマーを反応させることにより、前
記(i)の結合形態を有する化合物が得られる。
【0049】
【化17】
【0050】(式中、G、X及びR2 は前記と同じ)
【0051】すなわち、ハロゲン等により還元末端を活
性化したオリゴ糖に親水性ポリマーのヒドロキシル基を
結合させることにより、前記(j)の結合形態を有する
化合物が得られる。
【0052】
【化18】
【0053】(式中、G、X及びR2 は前記と同じ)
【0054】すなわち、オリゴ糖と、アセチルハライド
等により活性化された親水性ポリマーとを反応させるこ
とにより、前記(k)の結合形態を有する化合物が得ら
れる。
【0055】
【化19】
【0056】(式中、G及びR2 は前記と同じ)
【0057】すなわち、オリゴ糖のグリコシルアミン
に、カルボキシメチル基等により活性化された親水性ポ
リマーを反応させることにより、前記(l)の結合形態
を有する化合物が得られる。
【0058】
【化20】
【0059】(式中、G、X及びR2 は前記と同じ)
【0060】すなわち、ハロゲン等により還元末端を活
性化したオリゴ糖にチオール化親水性ポリマーを反応さ
せることにより前記(m)の結合形態を有する化合物が
得られる。
【0061】
【化21】
【0062】(式中、G、X及びR2 は前記と同じ)
【0063】すなわち、ハロゲン等により還元末端を活
性化したオリゴ糖にアミノ化親水性ポリマーを反応させ
ることにより前記(n)の結合形態を有する化合物が得
られる。
【0064】
【化22】
【0065】(式中、G及びR2 は前記と同じ)
【0066】すなわち、目的とするオリゴ糖よりも還元
末端側に糖が1個多いオリゴ糖にアミノ化親水性ポリマ
ーを反応させ、次いでこれをNaBH4で還元することによ
り、前記(o)の結合形態を有する化合物が得られる。
【0067】得られた化合物の反応混合物からの単離
は、通常の糖類の単離手段、例えばシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー、ゲル濾過などにより行うことができ
る。
【0068】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明は何らこれに限定されるものではない。な
お、以下の化学式中、Bnはベンジル基、Meはメチル基
を、Mpはパラメトキシフェニル基を、Acはアセチル基
を、Phthはフタロイル基を、PEGはモノメチルポリエチ
レングリコール残基を示す。
【0069】参考例1 パラメトキシフェニル ガラクトピラノシルα1-3ガラ
クトピラノシド誘導体(C)
【0070】
【化23】
【0071】1.2gの化合物(B)及び1.4gの化
合物(A)を40mlのテトラヒドロフラン(THF)に
溶かし、モレキュラーシーブ4A存在下室温にて1時間
攪拌した。反応液を0℃に冷却した後に、トリフルオロ
メタンスルホン酸メチル(MeOTf)を300μl加
え室温にて12時間攪拌した。2mlのトリエチルアミン
(TEA)を加えた後に、反応液からモレキュラーシー
ブ4Aを濾別し溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに
て希釈し飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別し溶媒を減
圧除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(トルエン/酢酸エチル=15:1〜10:1により
溶出)にて精製することにより0.71gの化合物
(C)を得た。
【0072】参考例2 パラメトキシフェニル ガラクトピラノシルα1-3ガラ
クトピラノシド誘導体(D)
【0073】
【化24】
【0074】3.5gの化合物(C)を酢酸/水/メタ
ノール混合溶媒(3:1:3)に溶かし、1gのパラジ
ウムブラックを加えた後、水素雰囲気下12時間攪拌し
た。触媒を濾別後、溶媒を減圧除去することにより1.
6gの化合物(D)を得た。
【0075】参考例3 パラメトキシフェニル ヘプタアセチルガラクトピラノ
シルα1-3ガラクトピラノシド誘導体(E)
【0076】
【化25】
【0077】0.9gの化合物(D)を80mlのピリジ
ンに溶かし、氷冷下無水酢酸30mlを加え12時間攪拌
した。エタノール20mlを加えた後に減圧下溶媒を除去
し、残渣を酢酸エチルにて希釈した。有機層を飽和硫酸
銅水溶液、飽和食塩水にて洗浄、ついで飽和炭酸水素ナ
トリウム溶液にて中和、更に飽和食塩水にて洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウ
ムを濾別し溶媒を減圧除去することにより1.3gの化
合物(E)を得た。
【0078】参考例4 パラニトロフェニル α−ガラクトピラノシルα1-3ガ
ラクトピラノシド(G)
【0079】
【化26】
【0080】3gのpNP-Gal(F)を3.6mlのジメチ
ルホルムアミド及び8.4mlの0.1Mのリン酸カリウ
ム緩衝液(pH6.0)からなる溶液に溶解し、これに8
0単位のα−ガラクトシダーゼ(コーヒー豆由来、シグ
マ社製)を加え37℃で振とうした。4時間後、反応液
を100℃で5分間加熱して酵素を熱失活させた。この
反応液をセファデックスG−15カラム(5cm×100
cm)に供して生成物の精製を行い、441mgの化合物
(G)を得た。
【0081】参考例5 パラアミノフェニル α−ガラクトピラノシルα1-3ガ
ラクトピラノシド(H)
【0082】
【化27】
【0083】20mgの亜鉛粉末を2%の硫酸銅水溶液1
0mlに加え30分攪拌した。この溶液に125mgの化合
物(G)を溶解し1時間攪拌した。触媒を濾別した後に
反応液を減圧下濃縮することにより117mgの還元体
(H)を得た。
【0084】参考例6 パラアセトアミノフェニル α−ガラクトピラノシルα
1-3ガラクトピラノシド(I)
【0085】
【化28】
【0086】52mgの化合物(H)を4mlのピリジンに
溶かし、氷冷下無水酢酸2mlを加え12時間攪拌した。
エタノール2mlを加えた後に減圧下溶媒を除去し、残渣
を酢酸エチルにて希釈した。有機層を飽和硫酸銅水溶
液、飽和食塩水にて洗浄、ついで飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液にて中和、更に飽和食塩水にて洗浄した。有機層
を硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾
別し溶媒を減圧除去することにより92mgの化合物
(I)を得た。
【0087】参考例7 ヘプタアセチルガラクトピラノシルα1-3ガラクトース
誘導体(J)
【0088】
【化29】
【0089】0.48gの化合物(E)をトルエン/ア
セトニトリル/水の混合溶媒(3:4:3)7mlに溶か
し、氷冷下セリウムアンモニウムナイトレート1.8g
を加え0.5時間攪拌した。酢酸エチルにて希釈した
後、有機層を飽和食塩水にて洗浄、飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液にて中和、更に飽和食塩水にて洗浄した。有機
層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを
濾別し溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=3:5によ
り溶出)にて精製することにより0.4gの化合物
(J)を得た。
【0090】参考例8 ヘプタアセチルガラクトピラノシルα1-3ガラクトース
誘導体(J) 化合物(I)92mgをトルエン:アセトニトリル:水
(3:4:3)溶液3.5mlに溶かし氷冷下、セリウム
アンモニウムナイトレート655mg加え0.5時間攪拌
した。酢酸エチルにて希釈し飽和食塩水にて洗浄した後
に飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて中和、更に飽和食塩
水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥
後、硫酸マグネシウムを濾別し溶媒を減圧除去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/
酢酸エチル=3:5)にて精製することにより化合物
(J)を得た。
【0091】参考例9 トリクロロアセトイミジル ガラクトピラノシルα1-3
ガラクトピラノシド誘導体(K)
【0092】
【化30】
【0093】3.8gの化合物(J)をトリクロロアセ
トニトリル6mlに溶かし、氷冷下91μlの1,8−ジ
アザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DB
U)を加え2時間攪拌した。反応液をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1〜
1:1により溶出)にて精製することにより3.9gの
化合物(K)を得た。
【0094】参考例10 ベンジル ガラクトピラノシルα1-3ガラクトピラノシ
ドβ1-4Nフタロイルグルコサミニド誘導体(M)
【0095】
【化31】
【0096】548mgの化合物(L)をジクロロメタン
15mlに溶かし、8gのモレキュラーシーブスAW30
0存在下室温で0.5時間攪拌した。反応液を−78℃
に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸25mlを加え
た後5分間攪拌した。この溶液に770mgの化合物
(K)をジクロロメタン10mlに溶かした溶液を加え、
15分間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈後、モ
レキュラーシーブスAW300を濾別した。有機層を飽
和食塩水にて洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて中
和、更に飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別し溶媒を減
圧除去した。残渣をゲル濾過(SX−1/トルエンによ
り溶出)に供することにより767mgの化合物(M)を
得た。
【0097】参考例11 ベンジル ガラクトピラノシルα1-3ガラクトピラノシ
ルβ1-4Nアセチルグルコサミニド誘導体(N)
【0098】
【化32】
【0099】0.39gの化合物(M)を6mlのエチレ
ンジアミンと15mlのブタノールの混合溶液に溶かし、
アルゴン雰囲気下90℃にて12時間攪拌した。溶媒を
減圧除去した後に残渣をピリジン8mlに溶かし氷冷下、
無水酢酸4mlを加え12時間攪拌した。エタノール10
mlを加えた後に減圧下溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル
にて希釈した。有機層を飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水
にて洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて中和、更に
飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムに
て乾燥後硫酸マグネシウムを濾別し、溶媒を減圧除去す
ることにより0.3gの化合物(N)を得た。
【0100】参考例12 ガラクトピラノシルα1-3ガラクトピラノシルβ1-4Nア
セチルグルコサミン(O)
【0101】
【化33】
【0102】0.1gの化合物(N)をTHF1mlとメ
タノール1mlの混合溶媒に溶かし、5mgのナトリウムメ
トキシドを加えた後室温にて2時間攪拌した。アンバー
リスト15Eにて中和した後に溶媒を減圧除去した。残
渣に15mgのパラジウムブラックを加え、水素雰囲気下
7時間攪拌した。触媒を濾別後、溶媒を減圧除去するこ
とにより56mgの化合物(O)を得た。
【0103】参考例19 パラニトロフェニル ガラクトピラノシルα1-3ガラク
トピラノシルβ1-4Nフタロイルグルコサミニド誘導体
(Q)
【0104】
【化34】
【0105】88mgの化合物(P)をジクロロメタンに
溶かし、500mgのモレキュラーシーブスAW300存
在下室温で0.5時間攪拌した。反応液を−78℃に冷
却し、5μlのトリフルオロメタンスルホン酸を加えた
後5分間攪拌した。これに98mgの化合物(K)を加え
15分間攪拌した。酢酸エチルにて希釈後、モレキュラ
ーシーブスAW300を濾別し、有機層を飽和食塩水に
て洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて中和、更に飽
和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて
乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別し溶媒を減圧除去し
た。残渣をゲル濾過(SX−1/トルエンにて溶出)に
供することにより126mgの化合物(Q)を得た。
【0106】参考例20 パラニトロフェニル ガラクトピラノシルα1-3ガラク
トピラノシルβ1-4Nアセチルグルコサミニド誘導体
(R)
【0107】
【化35】
【0108】0.79gの化合物(Q)を3mlのエチレ
ンジアミンと30mlのブタノールの混合溶媒に溶かし、
アルゴン雰囲気下90℃にて12時間攪拌した。溶媒を
減圧除去した後に残渣をピリジン20mlに溶かし、氷冷
下無水酢酸10mlを加えて12時間攪拌した。エタノー
ル10mlを加えた後に減圧下溶媒を除去し、残渣を酢酸
エチルにて希釈した。有機層を飽和硫酸銅水溶液、飽和
食塩水にて洗浄後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて中
和、更に飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別し溶媒を減
圧除去することにより、0.45gの化合物(R)を得
た。
【0109】参考例21 パラアミノフェニル ガラクトピラノシルα1-3ガラク
トピラノシルβ1-4Nアセチルグルコサミン(S)
【0110】
【化36】
【0111】0.39gの化合物(R)をTHF10ml
とメタノール10mlの混合溶媒に溶かし、100mgのナ
トリウムメトキシドを加えて室温にて5時間攪拌した。
アンバーリスト15Eにて中和した後、溶媒を減圧除去
した。残渣にパラジウムブラック0.2gを加え、水素
雰囲気下12時間攪拌した。触媒を濾別後溶媒を減圧除
去することにより0.23gの化合物(S)を得た。
【0112】実施例1 PEG結合パラアミノフェニル ガラクトピラノシルα
1-3ガラクトピラノシド(U)
【0113】
【化37】
【0114】46.3mgの化合物(H)を5.0mlの
0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解
し、これに750mgの化合物(T)を(平均分子量:5
000、日本油脂社製、商品名:サンブライト)を粉末
のまま添加した。6時間後、反応液をDEAE−セファ
デックスカラム、及びQ−セファロースカラムを連続し
て通過させた。通過液のpHを7.0に調節後、エバポレ
ーターで濃縮した。濃縮液をゲル濾過用のカラムに供し
てゲル濾過を行った。フラクションコレクターで集めた
各フラクションの260nmの吸光度を測定し、分子量5
500に該当するフラクションを集めて濃縮することに
より、680mgの化合物(U)が得られた。
【0115】実施例2 PEG結合パラアミノフェニル ガラクトピラノシルα
1-3ガラクトピラノシド(W)
【0116】
【化38】
【0117】219mgの化合物(H)を40mlのBritto
n Robinson緩衝液(pH9.88)に溶解し、0.1N水
酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調節した。4.7
3gの化合物(V)(平均分子量:10000、生化学
工業社製、商品名:Activated PEG 2)を加え、室温に
て攪拌した。3時間後、中和した後YM−3膜(Amicon
社製)を用いて蒸留水の添加を繰り返しながら限外濾過
を行った。残部を凍結乾燥することにより、3.8gの
化合物(W)を得た。
【0118】実施例3 PEG結合パラアミノフェニル ガラクトピラノシルα
1-3ガラクトピラノシルβ1-4N-アセチルグルコサミニド
(X)
【0119】
【化39】
【0120】150mgの化合物(S)を40mlのBritto
n Robinson緩衝液(pH9.88)に溶解し、0.1N水
酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調節した。2.5
gの化合物(V)(平均分子量:10000、生化学工
業社製、商品名:ActivatedPEG 2)を加え、室温にて
攪拌した。3時間後、中和した後YM−3膜(Amicon社
製)を用いて蒸留水の添加を繰り返しながら限外濾過を
行った。残部を凍結乾燥することにより、1.8gの化
合物(X)を得た。
【0121】
【発明の効果】本発明化合物(1)は血中半減期が長
く、臓器移植時の拒絶反応抑制剤として有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は親水性ポリマー残基、又は1もしくは2
    個の親水性ポリマーが架橋基を介して結合する1価もし
    くは2価の基を示し、nは0又は1の数を示し、mは1
    又は2の数を示す)で表されるオリゴ糖誘導体。
  2. 【請求項2】 親水性ポリマーが、ポリアルキレングリ
    コール、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテ
    ル、ポリビニルピロリドン、N−(2−ヒドロキシプロ
    ピル)メタクリルアミドコポリマー、スチレンマレイン
    酸コポリマー、α,β−ポリ〔(2−ヒドロキシエチ
    ル)−DL−アスパルトアミド〕、イヌリン、デキスト
    ラン及びヒト血清アルブミンから選ばれるものである請
    求項1記載のオリゴ糖誘導体。
  3. 【請求項3】 R1 が次の式(2)、(3)、(4)又
    は(5) 【化2】 (式中、PEG1は、ポリエチレングリコール残基又は
    ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル残基を示
    す)で示される基である請求項1記載のオリゴ糖誘導
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002515418A (ja) * 1998-05-20 2002-05-28 エクスプレッション・ジェネティックス・インコーポレーテッド 肝細胞を標的とするポリエチレングリコール接合ポリ−l−リシンのポリマー遺伝子キャリヤー

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JP2002515418A (ja) * 1998-05-20 2002-05-28 エクスプレッション・ジェネティックス・インコーポレーテッド 肝細胞を標的とするポリエチレングリコール接合ポリ−l−リシンのポリマー遺伝子キャリヤー

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