JPH09156103A - インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置 - Google Patents

インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置

Info

Publication number
JPH09156103A
JPH09156103A JP32044695A JP32044695A JPH09156103A JP H09156103 A JPH09156103 A JP H09156103A JP 32044695 A JP32044695 A JP 32044695A JP 32044695 A JP32044695 A JP 32044695A JP H09156103 A JPH09156103 A JP H09156103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
substrate
film
ink jet
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32044695A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Mitani
正男 三谷
Kenji Yamada
健二 山田
Osamu Machida
治 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP32044695A priority Critical patent/JPH09156103A/ja
Priority to US08/761,900 priority patent/US5790154A/en
Publication of JPH09156103A publication Critical patent/JPH09156103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、熱エネルギを利用してインク液滴
を記録媒体に向けて飛翔させる形式の記録装置に関する
もので、特にヘッドの製造方法の改善策に関するもので
ある。 【解決手段】 Si基板の第1面上に形成されたTa−
Si−O三元合金薄膜抵抗体とNi金属薄膜導体からな
る複数個の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体を駆動するべく
同一Si基板上に形成され、前記発熱抵抗体に接続され
た駆動用LSIと、前記複数個の発熱抵抗体に順次パル
ス通電することによって該発熱抵抗体と垂直又はほぼ垂
直方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、該複数
個の吐出口のそれぞれに対応して該Si基板上に設けら
れた複数個の個別インク通路と、該個別インク通路の全
てが連通するべく前記Si基板上に設けられた共通イン
ク通路とからなるインク噴射記録ヘッドにおいて、前記
発熱抵抗体をSi基板上に形成されたSiO2膜の上に
積層されたSi窒化膜上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギを利用
してインク液滴を記録媒体に向けて飛翔させる形式の記
録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルス加熱によってインクの一部を急速
に気化させ、その膨張力によってインク液滴をオリフィ
スから吐出させる方式のインクジェット記録装置は特開
昭48−9622号公報、特開昭54−51837号公
報等によって開示されている。
【0003】このパルス加熱の最も簡便な方法はヒ−タ
にパルス通電することであり、その具体的な方法が日経
メカニカル1992年12月28日号58ページ、及び
Hewlett-Packard-Journal,Aug.1988で発表されている。
これら従来のヒ−タの共通する基本的構成は、薄膜抵抗
体と薄膜導体を酸化防止層で被覆し、この上に該酸化防
止層のキャビテーション破壊を防ぐ目的で、耐キャビテ
ーション層を1〜2層被覆するというものであった。
【0004】この複雑な多層構造を抜本的に簡略化する
ものとして、特開平06−71888号公報に記載のよ
うに、前記酸化防止層と耐キャビテーション層を不要と
するヒ−タを用いて印字する方法がある。この場合は、
薄膜抵抗体がインクと直接接触しているため、パルス加
熱によるインクの急激な気化とそれによるインクの吐出
特性が大幅に改善され、熱効率の大幅な改善と吐出周波
数の向上を図ることができた。このような画期的な性能
を実現できた最大の理由は、耐パルス性、耐酸化性、耐
電食性、耐キャビテ−ション性に優れたTa−Si−O
三元合金薄膜抵抗体とNi金属薄膜導体から構成される
ヒ−タを用いたことにあり、極薄自己酸化被膜を付加さ
せるだけで、従来技術で用いられていた如何なる保護層
も必要としないことによる。(特願平07−43968
号参照)。
【0005】このように、従来技術に比較して、大幅に
小さな投入エネルギでインク噴射が可能となったので、
このヒ−タを駆動用LSIチップ上のデバイス領域に近
接して形成しても、もはやLSIデバイスを加熱して温
度上昇をもたらすこともなく、非常に簡単な構成のモノ
リシックLSIヘッドを実現することができるようにな
った。これについては本出願人が先に出願した特開平0
6−238901号公報及び特開平06−297714
号公報に記載の通りである。
【0006】この新しい技術によって、多くのインク噴
射ノズルを持つオンデマンド型インクジェットプリント
ヘッドが高密度に、しかも2次元的に集積化して製造す
ることができるようになり、しかもその駆動を制御する
配線本数が大幅に削減できるので実装方法も非常に簡略
化することができた。
【0007】そこでこの発明を大規模高集積密度の一体
型サ−マルインクジェットプリントヘッド(本発明者の
発明になる特開平06−297714号公報)に適用し
てその高性能化を図ったところ、ヘッドの構造面に若干
の変更を加えることでこれが達成できると共に、製造技
術的にも大幅な改善が行えることが明らかとなった。
(本発明者の発明になる特願平07−135185号参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そして更に試作を繰り
返し、その構造と製造方法の検討を行ったところ、「本
発明の実施の形態」の項で詳細説明するように、更なる
改善と工程数の削減が可能なことが判明した。
【0009】本発明の目的は、大規模高集積密度のモノ
リシックLSIヘッドの構造を簡略化し、製造方法につ
いて更に合理化することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、Si基板の
第1面上に形成されたTa−Si−O三元合金薄膜抵抗
体とNi金属薄膜導体からなる複数個の発熱抵抗体と、
該発熱抵抗体を駆動するべく同一Si基板上に形成さ
れ、前記発熱抵抗体に接続された駆動用LSIと、前記
複数個の発熱抵抗体に順次パルス通電することによって
該発熱抵抗体と垂直又はほぼ垂直方向にインク滴を吐出
する複数個の吐出口と、該複数個の吐出口のそれぞれに
対応して該Si基板上に設けられた複数個の個別インク
通路と、該個別インク通路の全てが連通するべく前記S
i基板上に設けられた共通インク通路と、該共通インク
通路の全長にわたって導通されるよう前記Si基板に設
けられたインク溝と、該インク溝が前記Si基板の第1
面の裏面である第2面と連通するべく該Si基板の第2
面に穿たれたインク供給穴とからなるインク噴射記録ヘ
ッドにおいて、前記発熱抵抗体をSi基板上に形成され
たSiO2膜の上に積層されたSi窒化膜上に形成する
ことによって達成される。
【0011】また、前記発熱抵抗体を輻射加熱方法によ
って熱酸化処理することによって達成される。
【0012】更に、前記インク吐出口を構成するオリフ
ィスプレートを、感光性ドライフィルムによって形成す
ることにより達成される。
【0013】また、前記駆動用LSIと外部回路とを接
続する前記Si基板上のボンディングパッドのメタライ
ゼ−ションを、前記Ta−Si−O三元合金薄膜とNi
金属薄膜の2層構造とすること、更にこのボンディング
パッドのNi金属薄膜を置換金めっき処理することによ
り達成される。
【0014】また、前記Si窒化膜又は新たに被覆する
Al薄膜をインク溝形成のための異方性エッチング用レ
ジスト膜として利用し、前記Si基板の第2面にSi窒
化膜を形成し、これを前記インク供給穴形成のための異
方性エッチング用レジスト膜として利用することにより
達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を説明
する。
【0016】本発明になる例えば400dpi(ドット
/インチ)のインク噴射記録ヘッドの1ノズル列分の断
面図を図3(a)に、このヘッドのオリフィスプレ−ト
16側から見た平面図を図3(b)及び図4に示す。図
3(b)は、ヘッド全体を示す図4の一部である。ま
た、図3(c)は、図3(b)からオリフィスプレ−ト
16を取り除いた場合の平面図で、更に図3(c)から
隔壁15を取り除いた平面図が図3(d)である。
【0017】発熱抵抗体7はNi金属薄膜の共通配線導
体5と個別配線導体6につながっており、個別配線導体
6のそれぞれは駆動用LSI11のドライバトランジス
タ10のそれぞれにつながっている。駆動用LSI11
にはドライバトランジスタ10の他にシフトレジスタと
ラッチ回路(図示せず)が含まれており、これらはLS
I用Al配線導体18につながっている。
【0018】Al配線導体18に外部回路から信号電圧
等を入力する端子部分が図4に示すボンディングパッド
19であり、その内の一個はGND(GROUND)の
共通配線導体5に、他はパッシベ−ション用Si窒化膜
3で被覆されたAl配線導体18につながっている。
【0019】インク供給穴14から供給されたインクは
インク溝13を満たし、共通配線導体5上の共通インク
通路と発熱抵抗体が内在している個別インク通路を通っ
てノズル17から駆動信号に応じて吐出される。
【0020】さて図3に示すヘッドの製造工程の概要を
図5を用いて説明する。図5における(1)にLSIデ
バイスの製造工程のほとんど全てを含めてある。LSI
デバイスとしてはCMOS,BIP,Bi-CMOSなどを利用できる。
ここで、多層SiO2膜2の約半分の厚さが形成され
る。
【0021】(2)はこのデバイスの最終工程である配
線工程の一つである。ここで約1μmの厚さのSiO2
膜が更に積層され、SiO2膜2が完成する。
【0022】(3)は(2)で形成されたAl配線18と
LSIデバイスを保護するために、プラズマCVD法に
よって約1μm厚さのSi窒化膜3を形成する工程であ
る。
【0023】通常のLSIでは、外部回路との接続用ス
ル−ホ−ルをこのSi窒化膜にあける(8)の工程で一応
完了となる。しかし本発明では、(4)のSi基板の裏面
研摩のあと、(5)でSi基板1の裏面に0.1〜0.2μ
m厚さのプラズマSi窒化膜(図示せず)を形成し、
(6)でインク供給穴位置のこのSi窒化膜をフォトエッ
チングによって除去した後、(7)でSi異方性エッチン
グによってインク供給穴14をあけておく。但し、この
異方性エッチングは、あけたインク供給穴14の底面か
らSi基板1の表面までの距離が80〜100μm程度
となる位置で止めておく。この理由は、Si基板1の表
面に貫通穴をあけないことと、(14)の工程でインク溝
13を形成する異方性エッチングの時間を約1/5に短
縮するためであるが、詳細は後で説明する。
【0024】本発明における第1の特徴が、このインク
供給穴14の形成のための異方性エッチング用マスクに
薄いプラズマSi窒化膜を用いることにある。
【0025】その第1の理由は、(7)の異方性エッチ
ング液には速いエッチング速度ときれいなエッチング形
状から15%KOH水溶液を用い、(14)の異方性エッ
チング液には選択エッチングの制約(後で説明する)か
らヒドラジン水溶液を用いるが、この両方のエッチング
液にレジスト膜として使用できること、第2の理由は、
欠陥が少なく均質膜であること、第3の理由はLSI製
造プロセスで使用されていて、容易に利用できることな
どである。そして基板裏面が平坦な研磨面であること、
形成膜にピンホール等の欠陥が存在しても、例えば(1
00)Si基板1に対する異方性エッチングの特徴から
ピンホールの大きさ以上の深さにはエッチングが進まな
いことなどによって非常に薄い膜で良いことが分かる。
これらの事柄はヘッドの低コスト化にとって重要な条件
である。
【0026】続いて(3)の工程で形成したプラズマSi
窒化膜3を(8)の工程でフォトエッチングするが、この
時にあける場所は、図6に示す個別配線導体6との接続
用スル−ホ−ル9、外部回路との接続用スル−ホ−ル2
1、及びインク溝形成予定部12である。このうち、ス
ル−ホ−ル9と21の底面は配線用Al薄膜であるが、
インク溝形成予定部12の底面は約2μm厚さのSiO
2層となっているので、このSiO2層もエッチングによ
って除去し、Si基板1の表面を出しておく(図1参
照)。
【0027】図6に示す基板(実際にはこれが2次元的
に多数配列されているSiウエハ)に(9)の工程でTa
−Si−O三元合金薄膜(約0.1μm厚さ)とNi金
属薄膜(約1μm厚さ)をスパッタ法によって順次、積
層形成し、フォトエッチングすることによって共通配線
導体5、個別配線導体6、発熱抵抗体7、及びボンディ
ングパッド19が形成される(10)。
【0028】図7はこの(10)の工程完了後の平面図で
あり、このA−A断面を図1に示す。この図1に示され
ているように、駆動用LSI(Al配線部も含む)11
(ここでは10の部分しか見えていない)が形成されて
いない部分のSi基板1上には、全面にわたって約2μ
m厚さのSiO2層2と約1μm厚さのSi窒化膜3が
均一に被覆されており、この上に発熱抵抗体7が形成さ
れている。これが第2の特徴である。
【0029】従来技術の発熱抵抗体は、Si基板上に断
熱層(一般的にはSiO2層)を形成し、この上に発熱
抵抗体と多層構造の保護層を形成したものとなってお
り、この保護層を実質的に不要化した本発明者による特
許発明(例えば特願平07−43968号)もSiO2
断熱層上に形成するものとなっている。すなわち、熱伝
導率の大きなSi窒化膜を図1に示すようにSiO2
熱層と発熱抵抗体の間に介在させることは、断熱性能を
大幅に低下させるので検討課題にすらならなかった構成
である。
【0030】しかし、本発明ではドライバLSI上にヘ
ッドを構成する。このため発熱抵抗体を形成する予定の
Si基板上には約2μmの厚さのSiO2層が形成さ
れ、更にこの上に約1μmの厚さのSi窒化膜が形成さ
れているので、従来技術では発熱抵抗体を形成する予定
の位置のSi窒化膜をフォトエッチングで除去してい
た。そのためには抵抗体7の列より一回り大きな面積で
Si窒化膜を除去することが必要であり、これによって
発生する段差でのTa−Si−O/Ni2層構造薄膜配
線の段切れの可能性を完全に防止することが必要とな
る。
【0031】そこで、発想を転換し、図1に示すように
Si窒化膜3を残した場合の必要発泡エネルギを評価し
た。その結果、印加パルス幅1μsecでは10%増しの
3.3W/50μmと、その影響が意外に小さいこと
が判明した。その理由は、我々が採用している発熱抵抗
体には100Å以下という極薄自己酸化被膜以外の保護
層がないこと(特願平07−43968号参照)と、印
加パルス幅が1〜2μsecと非常に短いことによると推
定される。
【0032】第3の特徴は、この工程によってボンディ
ングパッド部21の防蝕用メタライゼーションが同時に
形成でき、従来必要であったボンディングパッドの防蝕
工程が削減できたことである。すなわち、図2と図4に
示されているように、スルーホール21から見えていた
Al薄膜18が、耐蝕性に優れたTa−Si−O/Ni
2層構造メタライゼ−ション19で完全に保護されるの
である。
【0033】次の輻射加熱酸化処理工程(11)が第4
の特徴である。本願で採用するTa−Si−O三元合金
薄膜抵抗体4は、高温熱酸化することによって耐キャビ
テーション性に優れた極薄自己酸化絶縁被膜をその表面
に形成することができる(特願平07−43968号等
を参照)。この熱酸化には500℃以上の加熱が必要で
あるが、同一基板上に形成されているドライバLSIの
加熱限界が400℃程度であるため、酸化雰囲気中での
パルス通電によって発熱抵抗体7のみを500〜600
℃に加熱処理する方法を採用していた。しかしこのため
には、ヘッド製造工程途中におけるプロービングと通電
処理が必要であり、合理化すべき課題の一つであった。
今回開発した輻射加熱酸化処理方法はこれを大幅に簡略
化し、ヘッド製造歩留りも向上させることのできる方法
である。
【0034】すなわち、図7に示すウエハを放熱板上に
固定し、このウエハの表面を赤外線で一様に照射する。
すると、発熱抵抗体7を600〜700℃に加熱して
も、Ni導体部分5、6、19は60〜70℃程度にし
か昇温しない。LSIデバイス領域11の温度に弱い部
分はAl配線部分であるが、この部分の温度上昇もNi
導体部分と同程度に低く、選択加熱が可能となることが
分かった。これは、発熱抵抗体7の材料であるTa−S
i−O合金薄膜の赤外線領域の吸収係数がNiやAlの
ものより数倍大きく、膜厚が1/5〜1/10と薄いこ
とによる。
【0035】今迄のパルス通電加熱処理方法では、プロ
ービングによってボンディングパッド19のNi薄膜表
面に若干の傷を付けることは避けられず、これが原因と
なってヘッドの製造歩留りを低下させていたこともあっ
たが、本発明はこれを抜本的に解決した。そしてこの輻
射加熱酸化処理による発熱抵抗体7は、従来法によるも
のより安定した耐蝕性と耐キャビテーション性を示し、
パルス加熱による苛酷な酸化処理方法を改善するものと
もなっている。
【0036】次に第5の特徴であるインク溝形成工程
(12)〜(15)を説明する。
【0037】輻射加熱酸化処理(11)後のウエハ全面
にAl薄膜をスパッタ法によって約1μm厚さに形成し
(12)、インク溝形成予定部分12のAl薄膜をフォト
エッチングによって除去する(13)。わざわざAl薄膜
を用いる理由は、Si異方性エッチング液で、且つNi
薄膜のエッチングレ−トが最も遅いヒドラジン水溶液で
も0.1〜0.2μm/hrの速さでNi薄膜導体をエッチ
ングしてしまうことにある。Alを被覆することで、イ
ンク溝形成に必要な約1時間のエッチング時間でNi薄
膜導体がエッチングされることを完全に回避することが
できる。即ち、Si異方性エッチング液に冒されず、そ
れ自身の剥離液又はエッチング液がヒ−タを含めた基板
に何らの影響も与えない最適マスク材料がAl薄膜なの
である。そして、ヒドラジン水溶液でSi基板1の両面
から同時に異方性エッチングを行い、短時間で効率的に
インク溝13の形成とインク供給穴14の完成(既に
(7)の異方性エッチングでインク供給穴は約90%の深
さまで完成していることは述べた)を同時に行う。この
ような同時エッチングが、多くの他の工程を経過した後
でも、Si基板1の裏面に追加レジスト処理をしなくて
も実行出来るのは、(5)の工程でP−SiN膜をSi基
板1の裏面に形成してレジスト材料としたことによる
(既に説明した第1の特徴)。
【0038】この後、Al薄膜をレジスト用現像液NM
D3水溶液(東京応化製)で除去することでインク溝1
3と連結穴が完成する。この方法は工程数が若干増加す
る欠点はあるが、Ni薄膜導体5、6の厚さを0.5μ
m程度と薄く形成したい場合などには必須の技術とな
る。尚、Ni薄膜導体5、6を薄くするケ−スは、ノズ
ル17を例えば800dpiと高密度に配列する場合な
どである。
【0039】隔壁(個別インク通路と共通インク通路を
構成する)15の形成は、基板に感光性レジストの塗
布、又は感光性ドライフィルムの貼り付け(16)の
後、露光、現像、硬化(17)することによって行う
が、これは従来通りの方法である。
【0040】この上にオリフィスプレート16を貼り付
けてノズル17を形成するが、本願では感光性ドライフ
ィルムを貼り付け(18)、これを露光、現像、硬化
(19)する方法とした。これが第6の特徴である。従
来のノズル形成法は、例えばポリイミドフィルム/エポ
キシ接着層からなる2層構造フィルムを貼り付けて接着
硬化させ、これをフォトドライエッチングすることによ
ってノズル穴を加工していた(例えば特願平07−13
5185号参照)。2層構造フィルムの膜厚が吐出イン
ク量の約70%を決定するので、400dpi(約45
μmφのノズル径)ではこの膜厚は50〜60μm必要
である。これをECR型反応性ドライエッチング装置で
効率良く穴加工しても2〜3時間を要し、この生産性の
向上が強く望まれていた。
【0041】現在、最も高い解像度を有する感光性ドラ
イフィルムでも加工できるノズル17の穴径はフィルム
の膜厚の1.5〜2倍程度である。従って、400dp
iのノズルの穴(約45μmφ)を加工できるフィルム
膜厚は20〜30μmとなり、吐出インク量が大幅に不
足する。そこで感光性ドライフィルムを2〜3枚積層さ
せて利用する方法を開発した。具体的には貼り付けと露
光を各層毎に行ない、一括して現像、乾燥、後露光、後
加熱を行なった。この方法は工程数は増加するが、生産
性は大幅に向上し、低コスト化に貢献する。技術の進歩
に従って解像度は向上しているので、近い将来、単層化
も可能となろう。なお、上記に用いた感光性ドライフィ
ルムは日立化成(株)製のフォテックSR3000EB
の25μm膜厚のものである。
【0042】次の工程でボンディングパッドのAuめっ
き処理(20)〜(22)とクリーン切断(23)を行
なうが、これらが第7の特徴である。すなわち、オリフ
ィスプレート16にノズル17の加工を行なった後、こ
れに感光性ドライフィルム(例えば日立化成製のフォテ
ックPHT−887AF−25)を貼り付け(20)、
露光、現像してボンディングパッド部と切断部以外をこ
のフィルムで封止する。更に基板裏面も封止して置換金
めっき処理(22)を行なうと、ボンディングパッド1
9のNi表面が約0.1μmの厚さでAuめっきされ
る。この置換Auめっきには、例えば非シアン系の置換
Auめっき液HGS−100(日立化成製)が利用でき
る。この処理によって、接続歩留りとその信頼性が大幅
に向上することは説明するまでもないであろう。
【0043】更に、このドライフィルムでノズルを密閉
したまま次工程(23)で切断できるので、切断時に発
生する塵埃がノズル内に侵入することを完全に防止でき
る。このドライフィルムは4%KOH水溶液で容易に剥離
でき、ヘッドに何らの障害も与えないことは言うまでも
ない。
【0044】以上で述べた方法で400dpiの密度の
ヘッドを製造すると、5インチウエハには5〜10万ノ
ズルを形成でき、例えば128ノズル×4列のフルカラ
−用ヘッドが約100個、一括して製造することができ
る。製造歩留りも向上し、インク吐出特性も非常に安定
なものとなった。これらのヘッドは、5〜10KHzの
インク吐出繰り返し周期で正常な印字動作を示し、各ノ
ズル共、1億ドット以上のインクの吐出で何らの不都合
も認められなかった。但し、熱伝導率の良い厚いパッシ
ベーション用Si窒化膜をSiO2層上に挿入したこと
により、約10%の熱効率の低下(印加電力の10%増
加)が生じたが、それでも厚い保護膜を必要とする従来
型発熱抵抗体に比較すると、印加エネルギで1/4〜1
/5と大幅に小さいことに変わりはない。
【0045】ボンディングパッドのTa−Si−O/N
i 2層構造メタライゼ−ションは従来技術に比べ、信
頼性は飛躍的に向上し、高温負荷試験で何らの不良も認
められなかった。また、置換金めっき処理は、ヘッド製
造後、数か月放置していてもはんだ付け性の劣化は認め
られなかった。置換金めっき処理していないNiパッド
では、1〜2週間の放置ではんだ付け性に不良が発生し
始めるのに比べ、格段の改善である。
【0046】
【発明の効果】製造工程の削減、合理化、高歩留りに以
下の各項目が大きく貢献した。 P−SiN膜上に発熱抵抗体を形成 発熱抵抗体の輻射加熱酸化処理 ボンディングパッドのTa−Si−O/Ni2層構造
メタライゼーション 上記Ni薄膜の置換Auめっきとその実施方法 Al薄膜をSi異方性エッチング用マスク材とする P−SiN膜をSi異方性エッチング用マスク材とす
る オリフィスプレートを感光性ドライフィルムで形成 また、信頼性の向上と特性の安定化に上記、が大き
く貢献した。改善された製造工程によって製造されたヘ
ッドは、インク吐出特性も非常に安定し5〜10kHz
の周波数で正常な印字を行ない、1億ドット以上の吐出
寿命を何ら問題なくクリアした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるヘッドの発熱抵抗体近傍の断面図
で、図7のA−A断面図である。
【図2】本発明になるヘッドのボンディングパッド近傍
の断面図で、図4のB−B断面図である。
【図3】本発明になるヘッドの断面図とその各平面図で
ある。
【図4】本発明になるヘッドのオリフィス側から見た平
面図である。
【図5】本発明になるモノリシックLSIヘッドの製造
工程図である。
【図6】図5の工程(8)のフォトエッチング後の基板
の平面図である。
【図7】図5の工程(11)のフォトエッチング後の基
板の平面図である。
【符号の説明】
1はSi基板、2はSiO2層、3はSi窒化膜、4は
Ta−Si−SiO三元合金薄膜、5,6はNi金属薄
膜、8はAl金属薄膜、9はスルーホール、10はドラ
イバトランジスタ、11は駆動用LSI部、12はイン
ク溝形成予定部である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si基板の第1面上に形成されたTa−S
    i−O三元合金薄膜抵抗体とNi金属薄膜導体からなる
    複数個の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体を駆動するべく同
    一Si基板上に形成され、前記発熱抵抗体に接続された
    駆動用LSIと、前記複数個の発熱抵抗体に順次パルス
    通電することによって該発熱抵抗体と垂直又はほぼ垂直
    方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、該複数個
    の吐出口のそれぞれに対応して該Si基板上に設けられ
    た複数個の個別インク通路と、該個別インク通路の全て
    が連通するべく前記Si基板上に設けられた共通インク
    通路と、該共通インク通路の全長にわたって導通される
    よう前記Si基板に設けられたインク溝と、該インク溝
    が前記Si基板の第1面の裏面である第2面と連通する
    べく該Si基板の第2面に穿たれたインク供給穴とから
    なるインク噴射記録ヘッドにおいて、前記発熱抵抗体
    は、Si基板上に形成されたSiO2膜の上に積層され
    たSi窒化膜上に形成されたものであることを特徴とす
    るインク噴射記録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記発熱抵抗体は、その製造工程中に輻射
    加熱方法によって熱酸化処理されたものであることを特
    徴とする請求項1記載のインク噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記駆動用LSIと外部回路とを接続する
    前記Si基板上のボンディングパッドのメタライゼ−シ
    ョンが、前記Ta−Si−O三元合金薄膜とNi金属薄
    膜の2層構造から成っていることを特徴とする請求項1
    記載のインク噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記ボンディングパッドのNi金属薄膜が
    置換金めっき処理されていることを特徴とする請求項3
    記載のインク噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項1記載のインク吐出口を構成するオ
    リフィスプレートが、感光性ドライフィルムから形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のインク噴射記
    録ヘッド。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載のインク噴射記録ヘッド
    を搭載することを特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載のインク溝を形成する製造方
    法において、前記Si窒化膜または新たに被覆するAl
    薄膜を該インク溝形成のための異方性エッチング用レジ
    スト膜として利用することを特徴とするインク噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載のインク供給穴を形成する製
    造方法において、前記Si基板の第2面にSi窒化膜を
    形成し、これを該インク供給穴形成のための異方性エッ
    チング用レジスト膜として利用することを特徴とするイ
    ンク噴射記録ヘッドの製造方法。
JP32044695A 1995-12-08 1995-12-08 インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置 Pending JPH09156103A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32044695A JPH09156103A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置
US08/761,900 US5790154A (en) 1995-12-08 1996-12-09 Method of manufacturing an ink ejection recording head and a recording apparatus using the recording head

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32044695A JPH09156103A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09156103A true JPH09156103A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18121548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32044695A Pending JPH09156103A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09156103A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100470592B1 (ko) * 2002-08-08 2005-03-08 삼성전자주식회사 모노리식 버블 잉크젯 프린트 헤드 및 그 제조방법
JP2008066746A (ja) * 2001-08-16 2008-03-21 Hewlett Packard Co <Hp> シリコンエッチングによるサーマルインクジェットプリントヘッドの処理加工

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066746A (ja) * 2001-08-16 2008-03-21 Hewlett Packard Co <Hp> シリコンエッチングによるサーマルインクジェットプリントヘッドの処理加工
KR100470592B1 (ko) * 2002-08-08 2005-03-08 삼성전자주식회사 모노리식 버블 잉크젯 프린트 헤드 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5790154A (en) Method of manufacturing an ink ejection recording head and a recording apparatus using the recording head
JP3262595B2 (ja) サーマル・インクジェット・プリントヘッド及びその製造方法
US5697144A (en) Method of producing a head for the printer
US5621524A (en) Method for testing ink-jet recording heads
JPS5833472A (ja) 液体噴射記録ヘツド
JPS62204952A (ja) 液体噴射記録ヘツドの作成方法
EP1205303B9 (en) Printer, printer head, and method of producing the printer head
JP2002326361A (ja) インクジェットプリントヘッド基板の形成方法とインクジェットプリントヘッド基板、およびインクジェットプリントヘッドの製造方法とインクジェットプリントヘッド
US6536877B2 (en) Printer, printer head, and method for fabricating printer head formed with a multilayer wiring pattern
US6368515B1 (en) Method of manufacturing ink-jet printer head
JPH09156103A (ja) インク噴射記録ヘッドとその製造方法および記録装置
JP3803985B2 (ja) インク噴射記録ヘッドの製造方法および記録装置
US6663227B2 (en) Semiconductor device and process for producing the same
JP3248268B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP3464790B2 (ja) インク噴射記録ヘッドチップおよび記録装置
JP3327292B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP3397532B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基体及びその製造方法
JPH09226126A (ja) インク噴射記録ヘッド
JPH1016242A (ja) インクジェット記録装置の製造方法
JPH09207346A (ja) 熱インクジェット記録ヘッドの製造方法
US20080245766A1 (en) Method for manufacturing liqid discharge head
KR100522603B1 (ko) 모놀리틱 잉크젯 프린트헤드 및 그 제조방법
JP3862235B2 (ja) インク噴射記録ヘッド、その製造方法および記録装置
JP2001270120A (ja) サーマルインクジェットプリンタヘッド
JP2000168088A (ja) 発熱抵抗体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040831

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040907

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050125