JPH09155181A - 造粒コーティング方法および装置 - Google Patents

造粒コーティング方法および装置

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JPH09155181A
JPH09155181A JP7321994A JP32199495A JPH09155181A JP H09155181 A JPH09155181 A JP H09155181A JP 7321994 A JP7321994 A JP 7321994A JP 32199495 A JP32199495 A JP 32199495A JP H09155181 A JPH09155181 A JP H09155181A
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JP
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rotating body
coating
granulation
spraying
rotating
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JP7321994A
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English (en)
Inventor
Shigemichi Takei
成通 武井
Hiroshi Saito
宏 斉藤
Kazunori Miyata
和典 宮田
Kiyoshi Nishiyama
澄 西山
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Freund Corp
Original Assignee
Freund Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バインダー液やコーティング液の噴霧速度を
上げても団粒の生成を抑制し得る造粒コーティング方法
および装置を提供する。 【解決手段】 粉粒体が供給される流動室1を有する処
理筒体2の底部を形成する回転体4と、該回転体4の上
方に回転体4と同心に設けた撹拌羽根40とを回転した
状態のもとで、流動室1内にバインダー液またはコーテ
ィング液を噴霧すると共に、回転体4の下方から流動用
気体を供給する造粒コーティング方法であって、バイン
ダー液またはコーティング液の噴霧開始から終了までの
間において、回転体4と撹拌羽根40との間の相対的な
回転速度差を制御装置50により変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理室底部に回転
円板(回転体)と撹拌翼(撹拌手段)とを有する流動層
装置を用いた粉粒体の造粒コーティング方法および装置
に関し、特に、回転円板と撹拌翼との間の相対的な速度
差に着目することにより、団粒の生成を抑制しつつ高噴
霧速度による造粒コーティング処理を可能にした粉粒体
の造粒コーティング方法および装置に適用して有効な技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、粉粒体の造粒処理やコーティ
ング処理(以下、造粒処理等と略す)を行う装置として
は、流動処理室の底部に、それぞれ独立に回転し得る回
転円板と撹拌翼とを有する流動層装置が広く用いられて
いる。そして、この流動層装置では、装置内に付設した
スプレーノズルから、バインダー液やコーティング液を
噴霧することによって粉粒体の造粒処理等が行われる。
【0003】ここで、このような流動層装置では、通常
の流動層装置と異なり、粉粒体を気流により完全に流動
状態とするのではなく、粉粒体をある程度回転円板上に
て支持し、これに転動作用を与えることにより造粒処理
等が行われる。また、撹拌翼により、この転動作用が助
長されると共に、撹拌混合により処理の均一化が図られ
る。この場合、所望の物性(粒度や粒子形状等)の造粒
物やコーティング物を得るためには、流動気体の量や、
回転円板や撹拌翼の回転速度、バインダー液やコーティ
ング液の噴霧速度、気流の量や温度等を調節することが
必要となる。また、回転円板に通気部が設けられている
場合には、この通気部を通る気流と、回転円板と器壁と
の間隙を通過する気流とのバランスを調節することも必
要となる。
【0004】ところで、このような造粒コーティング装
置としては、特公昭61−8734号や特公昭61−8
735号、特開昭57−190643号各公報に示され
ているようなものがある。
【0005】ここで、特公昭61−8734号公報の造
粒コーティング装置では、回転円板の回転速度や回転方
向、回転円板に設けた通気部を通るガス流量を種々に変
化させた場合の例が記載されている。すなわち、回転円
板の速度を小さくし、回転円板と撹拌翼を同一方向で回
転させると共に、通気部のガス流量を大きくスリットガ
スの流量を小さくした場合には嵩密度の小さい柔らかな
造粒物が得られ、撹拌翼を回転円板に対し同一方向にて
高速で回転させると共に、通気部のガス流量を小さくス
リットガスの流量を大きくした場合には嵩密度の大き
な、球形に近い、硬い造粒物が得られる旨が記載されて
いる。また、回転円板と撹拌翼の回転方向を逆にし、通
気部のガス流量を小さくしスリットガスの流量を大きく
した場合には、嵩密度が大きく硬質の球形に近い造粒物
が得られる旨も記載されている。
【0006】次に、特公昭61−8735号公報の造粒
コーティング装置は、前記した特公昭61−8734号
公報の装置に、解砕羽根を付設したものであり、スプレ
ーガンを用いずにバインダー液やコーティング液を加え
ても良好な結果が得られる旨が記載されている。
【0007】一方、特開昭57−190643号公報の
造粒装置は、所要直径を有する密度の高い球形顆粒を製
造することを目的とし、回転円板と、これより低速で正
逆両方向に回転する撹拌バーを備えた装置を開示してい
る。そして、この撹拌バーのみを、造粒、乾燥工程終了
後に回転させることにより、回転円板上に残っている大
径流体を解砕して所定径の粒体を得るというものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような装置が使用
される中で、近年、同一の生産装置を用いて、さらに生
産能力を向上させることが要請され、前記の装置におい
ても、噴霧速度を上げて処理を行うことが試みられてい
る。ところが、造粒、コーティング処理において噴霧速
度を上げた場合、粉粒体の濡れが大きくなるため、粉粒
体同士が付着して団粒を形成しやすくなり、製品収率が
低下するという問題がある。
【0009】ここで、この団粒生成を防止するために
は、流動気体の量を増加させたり、流動気体の温度を上
げたりすることにより、粉粒体の濡れを小さくする方法
等が考えられ、特公昭61−8734号公報のように、
種々の条件にて処理を行い、最適な生産条件を得ようと
する試みがなされている。しかしながら、処理装置内に
おいて適正な流動状態を保持するためには、装置内の風
量が一定範囲内である必要があり、流動気体の増加にも
限度がある。また、温度に関しても、処理物の劣化、特
に処理物が薬品の場合における分解反応の問題があるた
め、温度上昇にも限度があり、このような試みも一定範
囲での試行錯誤の繰り返しに過ぎなかった。
【0010】一方、特公昭61−8735号公報のよう
に、解砕羽根によって物理的に団粒を無くすことも可能
である。しかしながら、当該装置は、団粒を破壊して消
滅させるものであるため、所望の粒子より過粉砕状態と
なり易く、その調節が非常に難しいという問題があっ
た。また、コーティング処理を行う場合は、解砕により
非コーティング面が露出することになり、良好なコーテ
ィング物が得られないという問題もあった。
【0011】また、特開昭57−190643号公報の
装置によっても、団粒を解砕することが可能ではある
が、この方法も大粒子の生成を防止するのではなく、そ
の生成を前提とした上で団粒を破壊する方法であって、
団粒生成という問題を根本的に解決するものではなかっ
た。さらに、この場合にも、前記の場合と同様の理由に
より当然にコーティングには用いることはできないとい
う問題があった。
【0012】このように、従来の装置や方法において
は、団粒生成の問題が解決されておらず、生産効率向上
の要請に十分対応することができなかった。
【0013】本発明の目的は、バインダー液やコーティ
ング液の噴霧速度を上げても団粒の生成を抑制し得る造
粒コーティング方法および装置を提供することにある。
【0014】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0016】すなわち、本発明の造粒コーティング方法
は、粉粒体が供給される流動室を有する処理筒体の底部
を形成する回転体と、該回転体の上方に回転体と同心に
設けた撹拌手段とを回転させた状態のもとで、前記流動
室内にバインダー液またはコーティング液を噴霧すると
共に、前記回転体の下方から流動用気体を供給する造粒
コーティング方法であって、前記バインダー液またはコ
ーティング液の噴霧開始から終了までの間において、前
記回転体と前記撹拌手段との間の相対的な回転速度差を
変化させることを特徴とする。この場合、噴霧開始から
終了までの間において、前記回転速度差を増加させるこ
とが望ましい。
【0017】また、噴霧開始時においては、前記回転体
と前記撹拌手段とを同一方向に回転させ、噴霧終了時ま
での間に両者の回転方向を異ならせるようにしても良
く、この場合、前記回転体の回転方向を噴霧開始時と噴
霧終了時において逆転させるようにしても良い。
【0018】一方、本発明の造粒コーティング装置は、
粉粒体が供給される流動室を有する処理筒体と、流動室
の底部に回転自在に設けられた回転体を有し、粉粒体を
回転体の回転により転動させると共に、流動室内に供給
される気体により流動させた状態で粉粒体を処理する造
粒コーティング装置であって、回転体の上方に回転体と
同心に配設され、かつ回転体とは独立の方向および速度
にて回転する撹拌手段と、回転体と撹拌手段との間の相
対的な回転速度差を制御する制御手段とを有することを
特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明に係る造粒コーティング装
置の構成を示す図であり、本発明の造粒コーティング方
法は、この造粒コーティング装置によって実施される。
本発明の造粒コーティング方法は、造粒コーティング装
置に設けられている回転体と撹拌羽根(撹拌手段)との
相対的速度差を、バインダー液またはコーティング液
(以下、バインダー液等と略す)の噴射開始時から終了
時までの間で適宜変化させて、団粒生成を抑制しつつ従
来よりも高い噴霧速度により造粒処理等を行うものであ
る。
【0021】当該造粒コーティング装置は、図1に示す
ように、ほぼ直立状態で配設され、内部に流動室1を有
する円筒形状の処理筒体2を備えた構成となっている。
そして、この処理筒体2に開口して設けられた原料投入
口3から流動室1内に対し被処理物としての粉粒体が投
入されるようになっている。
【0022】処理筒体2内には、流動室1の底部を形成
するように、回転体4として回転円板が回転自在に設け
られている。この回転体4の外周面と処理筒体2の内面
との間には、環状の隙間すなわちスリット5が形成され
ている。また、この回転体4を駆動するため、回転体4
の下面に固定された中空の回転軸6が、処理筒体2の隔
壁7に取り付けられた軸受部8に回転自在に支持されて
いる。そして、回転軸6には、可変速式のモータ9の回
転がベルト10により伝達されるようになっており、モ
ータ9の回転は制御装置50(制御手段)によって制御
されている。
【0023】ここで、回転体4は、図1に示すように、
外周部が上方に向けて傾斜した皿状の断面形状を有して
なり、回転中心から所定の半径位置に環状の通気部13
が形成されている。この通気部13は、所定のメッシュ
となった金網によって形成され、これが環状となって回
転体4に設けられている。なお、金網を円周方向所定長
さ毎に配することにより複数の通気部13を形成しても
良く、回転体4に多数の細孔を形成することにより通気
部13を形成しても良い。さらに、通気部13を設けな
い回転体4を用いるようにしても良い。
【0024】一方、中空の回転軸6内には、軸受37を
介して支持軸38が回転自在に設けられており、この支
持軸38の上端部に、撹拌手段としての撹拌羽根40が
回転体4と同心に取り付けられている。この撹拌羽根4
0は、支持軸38に固定されたボス部41と、このボス
部41に固定され放射状に延びる2本ないし3本程度の
複数本の撹拌翼42とを有している。支持軸38は、ベ
ルト43を介してモータ44により回転体4とは独立し
た回転方向及び回転速度で駆動されるようになってお
り、この支持軸38によって撹拌羽根40を回転させる
ことにより、粉粒体の撹拌混合作用を促進するようにな
っている。また、モータ44の回転は制御装置50によ
って制御されており、この制御装置50によって、回転
体4と撹拌羽根40との間の相対的な回転速度差が適宜
制御されるようになっている。なお、制御装置50とし
ては、回転体4および撹拌羽根40の回転数をそれぞれ
制御できるものであればどのような手段を用いても良
く、コンピュータ等、種々の制御手段が適用し得る。
【0025】なお、撹拌翼42は、被処理粉粒体を有効
に撹拌できるものであれば良く、翼の数やその形状は適
宜選択可能である。また、回転体4と撹拌翼42との間
隙は、小さすぎると粉粒体がすり潰されてしまうため好
ましくなく、一方、大きすぎると撹拌効果が不十分であ
る。従って、この間隙は、機種によっても異なるが、一
般に5〜80mmとすることが好ましい。
【0026】本発明は、この回転体4と撹拌羽根40と
の相対的速度差を、バインダー液等の噴射開始時から終
了時までの間で変化させることにより、造粒処理等にお
ける団粒生成を抑制するものである。
【0027】当該造粒コーティング装置では、さらに、
造粒等の処理が終了した後の製品を外部に排出するた
め、回転体4のやや上方の位置に開口部を有する排出シ
ュート11が処理筒体2に設けられている。また、この
排出シュート11には、前記開口部を開閉するための排
出弁12が設けられている。
【0028】また、回転体4の下部に空気室18を形成
する隔壁7には、通気部13の径方向内側に位置させて
円筒状の隔壁14が取り付けられており、さらに、通気
部13の径方向外側に位置させて円筒状の隔壁15が取
り付けられている。そして、これらの隔壁14と隔壁1
5との間には、通気部13に連通する環状の流動気体供
給部16が形成されている。一方、隔壁15と処理筒体
2との間には、スリット5に連通する流動気体供給部1
7が形成されている。
【0029】加えて、当該造粒コーティング装置には、
処理筒体2に隣接して給気ダクト21が設けられてい
る。そして、この給気ダクト21には給気ファン22に
より空気が供給されるようになっている。また、給気ダ
クト21内には、給気ファン22からの空気を清浄化す
るためのフィルタ23と、流動用気体を加熱または冷却
するための熱交換器24とが設けられている。
【0030】給気ダクト21の吹き出し口は、第1気体
通路25により流動気体供給部17に導通されると共
に、隔壁26によって第1気体通路25に対して区画さ
れた第2気体通路27により流動気体供給部16に導通
されている。従って、スリット5および通気部13から
は流動室1内に流動用気体が供給され、これらの気体と
回転体4の回転とによって粉粒体は遠心転動作用を伴っ
た流動状態となる。
【0031】それぞれの気体通路25,27の入口部に
は、これらを流れる気体の流量を調整するために、流量
調整弁28,29が設けられている。そして、これらの
流量調整弁28,29を独立して制御することにより、
スリット5および通気部13を通って流動室1内に供給
される気体流量が制御され、気流によるフローパターン
を様々に変化させることができる。なお、処理筒体2の
上端部には、流動室1内の気体を外部に排出するための
排気ダクト30が設けられている。
【0032】このように流動状態となった粉粒体に対し
てバインダー液等を噴霧するため、当該造粒コーティン
グ装置では、処置筒体2に、スプレーガン31が設けら
れている。また、流動室1内にはさらに、回転体4に対
向してスプレーガン32が設けられており、それぞれの
スプレーガン31,32にはポンプ33,34によって
液タンク35内の液体が供給されるようになっている。
また、スプレーガン31の近傍には、原料投入口3から
投入される粉粒体原料とは相違した粉粒体原料を流動室
1内に供給するためにノズル36が設けられている。
【0033】なお、当該造粒コーティング装置には、こ
の他にも、流動室1内の温度や湿度等の雰囲気を検知し
たり、回転体4や撹拌羽根40の回転数の検知を行うた
めの各種センサ等が設けられており、通常流動装置に具
備される付属設備は当然に配設されていることは言うま
でもない。
【0034】次に、図1に示した造粒コーティング装置
を用いて本発明の方法により造粒処理等を行う場合の処
理手順について説明する。
【0035】まず、粉粒体原料が原料投入口3から所定
量だけ供給される。そして、この粉粒体原料は、通気部
13およびスリット5から供給される流動用気体による
上昇と、自重による落下とを繰り返して、流動室1内に
て流動状態となり撹拌混合される。また、モータ9によ
り回転体4を回転させることにより、粉粒体は遠心転動
作用によっても撹拌混合される。この撹拌混合は、モー
タ44により撹拌羽根40を回転体4と共に回転させる
ことにより促進される。
【0036】このようにして、当該流動コーティング装
置では、回転体4と撹拌羽根40との回転動作およびス
リット5から供給される流動気体と通気部13から供給
される流動気体との両方の気体の流れが総合されて、粉
粒体は流動室1内において流動状態となりスパイラル状
の転動運動を行うと共に、気体の流れで上昇されかつ自
重で落下する循環的なフローパターンで流動する。これ
により、粉粒体は転動と流動の両作用を受けて撹拌混合
される。
【0037】このように撹拌混合され流動状態となった
粉粒体に向けて、スプレーガン31,32の一方または
両方からバインダー液等が噴霧される。この際必要に応
じて、ノズル36からも流動層の中に粉粒体原料が供給
される。なお、造粒処理等の進行状況に応じて、スリッ
ト5と通気部13とからの流動用気体の供給割合を、流
量調整弁28,29の開度を調整することにより変化さ
せることもできる。
【0038】ここで、従来の造粒コーティング処理にお
いては、前記のような流動状態のもと、回転体4と撹拌
羽根40の回転数を一定に維持した状態でバインダー液
等を噴射して処理を行っていたが、本発明の方法では、
回転体4と撹拌羽根40との相対的な回転速度差を、バ
インダー液等の噴霧開始時から終了時の間で変化させて
処理を行う。特に、本実施の形態においては、両者の相
対的な速度差を噴霧開始後所定時間経過した後に増加さ
せて処理を行うようにしている。また、その相対的速度
差を制御装置50により制御し、処理経過時間に応じて
その差を適宜変化させている。
【0039】本発明の方法においても、造粒処理等の開
始時は従来と同様に操作を行う。すなわち、通常、回転
体4を100〜400RPM程度の回転数で、また、撹
拌羽根40をこれより高速の150〜700RPM程度
の回転数にて同一方向に回転させる。この場合、回転体
4と撹拌羽根40との相対速度差は50〜300RPM
程度とする。なお、この際両者の相対速度が大きすぎる
と、原料の粉粒体が摩損することがあり、特にコーティ
ング処理の場合には好ましくないため注意を要する。
【0040】そして、この状態にてある程度まで造粒ま
たはコーティングを行い、造粒またはコーティング処理
が終了するまでの適当な時期にこの相対速度を増加させ
る。この相対速度を変化させる時期は、処理対象や目的
によって異なるので一概には決定できないが、コーティ
ング処理の場合、コーティング率が5〜30%程度の比
較的初期の段階で実施するのが好ましい。なお、相対速
度の変化(増加)は、一度に行っても、また、何回かに
分けて段階的に行っても良く、漸次連続的に行っても良
い。
【0041】ここで、相対速度を増加させる方法として
は、撹拌羽根40の回転速度を上げる方法や、回転体4
の回転速度を下げたり停止させたりする方法、その両者
を行う方法、撹拌羽根40または回転体4の何れかを逆
回転させる方法等があり、何れの方法を採用しても良
い。この場合、相対速度を増加させる方法としては、撹
拌羽根40または回転体4の何れかを逆回転させるのが
最も簡単で効果的である。但し、撹拌翼42の断面形状
が、撹拌羽根40の逆回転により粉粒体を押し潰すよう
なものである場合には、回転体4との相対回転方向が、
押し潰し方向とならないように配慮する必要がある。す
なわち、この場合には回転羽根40の逆回転は避けなく
てはならず、結局のところ、回転体4を逆転させる方法
が最も簡単かつ一般的である。
【0042】一方、相対回転速度を増加した後のそれぞ
れの回転速度は、前記した速度の範囲内で適宜決定す
る。この際、撹拌羽根40の回転速度は変化させず、回
転体4を適当な速度にて逆回転させるのが簡単である。
なお、逆転後も逆転前と同様の遠心転動効果を得るため
には、逆転前と同一の逆速度にて回転させることが好ま
しい。
【0043】このように、本発明の方法によれば、バイ
ンダー液等の噴霧開始時から噴霧終了時までの間におい
て、回転体と回転羽根との間の相対的な回転速度差を増
加させる。これにより、団粒の生成が抑えられ、従来よ
りも噴霧速度を上げて造粒処理やコーティング処理を行
うことができる。
【0044】
【実施例】次に、前記した方法により造粒処理やコーテ
ィング処理を行った実験結果について説明する。
【0045】(実施例1)フロイント産業株式会社製の
流動層造粒コーティング装置「スパイラフロー」(商品
名)SFC−5型に、フロイント産業株式会社製の蔗糖
・澱粉混合球形顆粒「ノンパレル101」(商品名)の
20〜24メッシュ品5kgを仕込み、コーティング液
として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(信越化学株式会社製、HP−55)8%濃度のエタ
ノール:塩化メチレン=1:1の混合溶媒溶液を150
ml/分の速度にて噴霧しつつコーティングを行った。
給気温度は55℃、風量は4m3 /分とした。
【0046】この場合、噴霧開始時は回転体4を300
RPM、撹拌羽根40を450RPMで同方向に回転さ
せ、10分後から回転体4を逆方向に300RPMで回
転させ、撹拌羽根40の回転数はそのままとした。な
お、30分後にコーティング処理が終了した。
【0047】このとき、コーティング率は8%(対ノン
パレル)であった。また、団粒(16メッシュ篩上物)
は3.9%、200メッシュ篩下物は1.0%であった。
【0048】(比較例1)コーティング処理の途中で回
転体4の逆転を行わず、終始実施例1の噴霧開始時と同
様の回転速度にて処理を行った。他の条件は実施例1と
同様にした。この場合、団粒が20.1%存在した。
【0049】(比較例2)コーティング液の噴霧速度を
従来実施されている100ml/分とした他は、比較例
1と同様に操作した。この場合、団粒は3.2%であった
が、処理時間として45分要した。
【0050】(比較例3)コーティング開始時から、実
施例1の逆転時と同様の条件にて回転体4と撹拌羽根4
0を逆方向に回転させて処理を行った。団粒の発生は3.
7%であったが、ノンパレルの摩損が多く、200メッ
シュ篩下品が3%発生した。
【0051】このように、実施例1では、噴霧速度を通
常の1.5倍程度に大きくしても、従来の方法(比較例
2)と同様の製品が得られ、従来の方法よりも短時間で
コーティング処理を行うことができる(45分が30分
に短縮)ことがわかった。また、比較例1より、単に噴
霧速度を大きくしただけでは団粒が多く発生することが
わかった。一方、比較例3より、当初から回転体4と撹
拌羽根40を逆方向に回転させた場合には摩損品が多く
発生することがわかった。
【0052】(実施例2)前記「スパイラフロー」SF
C−15型に、乳糖7.0kg、コーンスターチ3.0k
g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社
製、HPC−L)0.3kgを仕込み、バインダーとし
て、水を平均200ml/分の速度で噴霧しつつ造粒し
た。給気温度は70℃、風量は5.8〜6m3 /分とし
た。
【0053】この場合、噴霧開始時は回転体4を200
RPM、撹拌羽根40を300RPMで同方向に回転さ
せ、10分後から回転体4を逆方向に200RPMで回
転させ、撹拌羽根40の回転数はそのままとした。そし
て、60分後に造粒処理が終了した。このときの生成品
を「スパイラフロー」内において流動乾燥させたものの
粒度分布を表1に示す。
【0054】(比較例4)造粒処理の途中で回転体4の
逆転を行わず、終始実施例2の噴霧開始時と同様の回転
速度にて処理を行った。他の条件は実施例2と同様にし
た。このときの生成品を「スパイラフロー」内において
流動乾燥させたものの粒度分布を表1に併せて示す。
【0055】
【表1】
【0056】このように、実施例2では、16メッシュ
以上の団粒の生成率が比較例に比して5分の1以下であ
り、24〜80メッシュの範囲の製品の生成率も1. 2
倍となっていることがわかる。従って、本発明の方法に
よれば、団粒の生成を抑えつつ、噴霧速度を上げること
ができ、生産効率の向上を図ることが可能となる。
【0057】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0058】たとえば、回転体4と回転羽根40の回転
速度およびそれらの相対的な回転速度の差や、回転体4
の逆転時間は前記の例には限られず、種々の態様を採用
することができる。また、相対的回転速度の差を変化さ
せる方法としては、回転体4の逆転のみならず、両者の
回転速度を適宜変化させることにより達成しても良いこ
とは言うまでもない。
【0059】さらに、回転体4と撹拌翼42とは、非撹
拌領域が生じない状態で実質的に同心状に配置されてい
れば良い。また、この場合、本実施の形態のように、両
者を回転軸6内に軸を共有する形で設ける形態には限ら
れず、例えば、撹拌翼42を流動室1の上部から吊り下
げるような形態も可能である。
【0060】なお、本発明を実施する際に用いる造粒コ
ーティング装置において、金網を用いて回転体4に通気
部13を形成するか、回転体4に細孔を設けることによ
り通気部13を形成するかや、どの部位に通気部13を
形成するか等は、投入される粉粒体の種類や、流動室1
内に形成するフローパターンによって種々変更すること
が可能である。さらに、回転体4の形状も皿状ではな
く、単なる平板上のものでも良い。
【0061】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその利用分野である造粒コーティング方
法および装置に適用した場合について説明したが、これ
に限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0063】(1)バインダー液等の噴霧開始時から噴
霧終了時までの間において、回転体と回転羽根との間の
相対的な回転速度差を変化させることにより、団粒の生
成が抑えられ、従来よりも噴霧速度を上げて造粒処理や
コーティング処理を行うことができる。従って、造粒処
理やコーティング処理の時間を短縮することができ、生
産性を向上することができる。
【0064】(2)従来の装置をそのまま用いて生産性
を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造粒コーティング方法を実施する際に
用いられる造粒コーティング装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 流動室 2 処理筒体 3 原料投入口 4 回転体 5 スリット 6 回転軸 7 隔壁 8 軸受部 9 モータ 10 ベルト 11 排出シュート 12 排出弁 13 通気部 14 隔壁 15 隔壁 16 流動気体供給部 17 流動気体供給部 18 空気室 21 給気ダクト 22 給気ファン 23 フィルタ 24 熱交換器 25 第1気体通路 26 隔壁 27 第2気体通路 28 流量調整弁 29 流量調整弁 30 排気ダクト 31 スプレーガン 32 スプレーガン 33 ポンプ 34 ポンプ 35 液タンク 36 ノズル 37 軸受 38 支持軸 40 撹拌羽根(撹拌手段) 41 ボス部 42 撹拌翼 43 ベルト 44 モータ 50 制御装置(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 澄 東京都新宿区高田馬場2丁目14番2号 フ ロイント産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体が供給される流動室を有する処理
    筒体の底部を形成する回転体と、該回転体の上方に前記
    回転体と同心に設けた撹拌手段とを回転させた状態のも
    とで、前記流動室内にバインダー液またはコーティング
    液を噴霧すると共に、前記回転体の下方から流動用気体
    を供給する造粒コーティング方法であって、 前記バインダー液またはコーティング液の噴霧開始から
    終了までの間において、前記回転体と前記撹拌手段との
    間の相対的な回転速度差を変化させることを特徴とする
    造粒コーティング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の造粒コーティング方法で
    あって、前記バインダー液またはコーティング液の噴霧
    開始から終了までの間において、前記回転速度差を増加
    させることを特徴とする造粒コーティング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の造粒コーティン
    グ方法であって、前記バインダー液またはコーティング
    液の噴霧開始時においては、前記回転体と前記撹拌手段
    とを同一方向に回転させ、噴霧終了時までの間に両者の
    回転方向を異ならせることを特徴とする造粒コーティン
    グ方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の造粒コーティング方法で
    あって、前記バインダー液またはコーティング液の噴霧
    開始時と噴霧終了時において、前記回転体の回転方向を
    逆転させることを特徴とする造粒コーティング方法。
  5. 【請求項5】 粉粒体が供給される流動室を有する処理
    筒体と、前記流動室の底部に回転自在に設けられた回転
    体を有し、粉粒体を前記回転体の回転により転動させる
    と共に、前記流動室内に供給される気体により流動させ
    た状態で前記粉粒体を処理する造粒コーティング装置で
    あって、 前記回転体の上方に前記回転体と同心に配設され、かつ
    前記回転体とは独立の方向および速度にて回転する撹拌
    手段と、 前記回転体と前記撹拌手段との間の相対的な回転速度差
    を制御する制御手段とを有することを特徴とする造粒コ
    ーティング装置。
JP7321994A 1995-12-11 1995-12-11 造粒コーティング方法および装置 Pending JPH09155181A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532223A (ja) * 1998-12-17 2002-10-02 ジェネンコール.インターナショナル.インコーポレイテッド 流動床処理システム用の側部放出アセンブリおよび流動床処理方法
KR100944656B1 (ko) * 2008-01-04 2010-03-04 (주)대명종합식품 건빵 첨가용 별 사탕 제조장치
JP2015533629A (ja) * 2012-09-06 2015-11-26 シーメンス ピーエルシー 乾式スラグ造粒システム

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