JPH09155109A - 揚砂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 混気ジェットポンプの吸入口付近に過剰
な砂が堆積した場合でも、揚砂不能の状態を容易に解消
することができる揚砂装置を提供する。 【解決手段】 混気ジェットポンプの吸入口を上下動可
能に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、揚砂装置に関し、
例えば、取水設備における沈殿池の沈砂ピットに堆積し
た砂や小石等を吸い上げて排出するための揚砂装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】取水設備や下水処理設備、ポンプ場等に
設けられる沈殿池に堆積した砂等を吸い上げて排出する
ための揚砂装置として、混気ジェットポンプを用いた操
作装置が広く知られている。この混気ジェットポンプ
は、構造が簡単で、ポンプ内での閉塞のおそれがない、
ノズル部の故障のおそれもないなどの特徴を有してお
り、従来のジェットポンプやサンドポンプ等に比べて極
めて効率よく砂等を吸い上げることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、豪雨
等の影響で極めて多量の砂等が沈殿池に流入し、混気ジ
ェットポンプの吸入口付近に過剰な砂が堆積した場合、
揚砂不能の状態になることがあった。このようなとき、
従来は、沈殿池の水を排出して手作業により砂をかき上
げるようにしていた。したがって、沈殿池の機能を一時
的に停止しなければならないだけでなく、多くの人手を
必要としていた。

【０００４】そこで本発明は、混気ジェットポンプの吸
入口付近に過剰な砂が堆積した場合でも、揚砂不能の状
態を容易に解消することができる揚砂装置を提供するこ
とを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の揚砂装置は、空気混合圧力水を用いた混気
ジェットポンプにより沈殿池の沈砂等を吸い上げる揚砂
装置において、前記混気ジェットポンプの吸入口を上下
動可能に形成したことを特徴としている。

【０００６】また、本発明は、前記混気ジェットポンプ
の吸入口部分が、混気ジェットポンプ本体部に接続され
る主管と、下端部に吸入口を有する補助管との二重管構
造に形成され、該補助管を前記主管に対して軸方向に移
動可能に設けるとともに、該補助管を上下動させる昇降
手段を設けたことを特徴とし、さらに、前記吸入口から
混気ジェットポンプ本体部に至る配管内の圧力を検出す
る圧力検出手段と、該圧力検出手段の検出圧力に応じて
前記吸入口を上下動させる昇降手段とを備えていること
を特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。図１は本発明を適用した揚砂装
置の一例を示す正面図であって、図２は揚砂装置を設け
た沈殿池の説明図、図３は混気ジェットポンプの説明図
である。また、図４及び図５は、揚砂装置の他の形態例
を示す正面図である。

【０００８】まず、図２及び図３に示すように、揚砂装
置１は、沈殿池２の沈砂ピット３の底部に吸入口１１が
位置するように設置されており、集砂装置４で沈砂ピッ
ト３に集められた砂等を吸い上げて排出するものであ
る。揚砂装置１に用いられる混気ジェットポンプ１０
は、圧力水供給源５から圧力水管６を介して供給される
圧力水を駆動源として作動するもので、混気ジェットポ
ンプ本体部は、下端部に吸入口１１を有する吸入管１２
と沈砂排出管１３に接続される揚上管１４とを屈曲接続
し、該屈曲接続部に、圧力水を噴射するノズル１５を備
えた噴射管１６を、圧力水の噴射方向が揚上管１４の軸
線に一致するように設けるとともに、噴射管１６に気体
流入管１７を接続した構造を有している。

【０００９】圧力水管６から所定圧力の圧力水を供給し
てノズル１５から噴射させると、噴出した圧力水のエジ
ェクター作用で気体流入管１７から大気が吸入されて混
気状態の圧力水になるとともに、混気状態の圧力水が揚
上管１４内に噴出することにより吸入口１１側が真空状
態になって沈砂の吸い上げが行われ、揚上管１４から沈
砂排出管１３に圧送される。

【００１０】また、吸入管１２には、該管内の圧力を検
出して吸入状態を監視するための圧力検出手段である真
空計（連成計）１８の検知管１８ａが接続されている。
さらに、揚上管１４には、仕切り弁１４ａが設けられて
おり、運転中に吸入口１１がつまったときには、仕切り
弁１４ａを閉じて圧力水を逆流させ、吸入口１１から噴
出させることにより、吸入口１１のつまりを解消するこ
とができる。

【００１１】なお、圧力水供給源５からの圧力水は、混
気ジェットポンプ１０の駆動源のほか、集砂装置４等に
も利用されている。

【００１２】そして、図１に示すように、上述のような
混気ジェットポンプ１０を用いた揚砂装置１において、
本例では、混気ジェットポンプ１０の全体を昇降可能に
設置することにより、吸入口１１を上下動可能に形成し
ている。

【００１３】すなわち、混気ジェットポンプ１０の上部
に一体に設けられている設置用架台１９を、床上のベー
ス２０に設けられたジャッキ２１により支持し、該ジャ
ッキ２１を伸縮させることにより設置用架台１９、即ち
混気ジェットポンプ１０を昇降させるようにしている。

【００１４】ジャッキ２１は、混気ジェットポンプ１０
を円滑かつ確実に昇降させることができるように、設置
用架台１９の両側にそれぞれ設けられており、フレック
スカップリング２２及びギアボックス２３を介して駆動
源である電動機２４に接続され、電動にて昇降するよう
に形成されている。また、混気ジェットポンプ１０の上
部及び中間部には、混気ジェットポンプ１０の昇降をガ
イドするためのサポート２５ａ，２５ｂがそれぞれ設け
られている。

【００１５】さらに、揚上管１４と沈砂排出管１３との
接続部、及び、圧力水管６と混気ジェットポンプ１０と
の接続部には、それぞれ一対のフレキシブルカップリン
グ２６ａ，２６ｂが設けられており、混気ジェットポン
プ１０の昇降移動に対応させている。

【００１６】このように混気ジェットポンプ１０を昇降
可能に支持することにより、下部の吸入口１１部分に多
量の沈砂が堆積して揚砂不能となった場合、電動機２４
を正逆方向に回転させて混気ジェットポンプ１０を昇降
させ、吸入口１１を沈砂内で上下動させることにより、
吸入口１１の近傍の沈砂に十分な流動性を与えることが
でき、揚砂可能な状態にすることができる。

【００１７】このとき、揚砂不能状態では、通常の運転
状態に比べて吸入管１２内の圧力が低下するので、真空
計１８で検出した圧力低下に基づいて電動機２４が自動
運転するように電気回路を形成しておけば、揚砂不能の
ときに電動機２４が自動的に作動して揚砂可能な状態に
することができる。これにより、混気ジェットポンプ１
０による揚砂運転を全自動で行うことが可能となる。な
お、揚砂可能な状態になった後は、沈砂ピット３内の沈
砂を確実に揚砂できるように、混気ジェットポンプ１０
を所定の位置、通常は最下限に戻すようにする。

【００１８】図４及び図５は、混気ジェットポンプ１０
の本体部３１を床部に固定し、吸入口１１のみを上下動
可能に形成した例を示すもので、吸入管１２を、混気ジ
ェットポンプ本体部３１に接続される主管３２と、下端
部に吸入口１１を有する補助管３３との二重管構造に形
成し、補助管３３を、主管３２の外周に軸方向、即ち上
下方向に移動可能に設けたものである。

【００１９】上記補助管３３を主管３２に沿って上下動
（実線位置と想像線位置）させるための昇降手段は、図
４では電動機３４を用いた昇降駆動装置３５を、図５で
はシリンダー３６を用いた昇降駆動装置３７を使用して
いる。

【００２０】図４に示す昇降駆動装置３５は、電動機３
４を正逆回転させてネジ軸３８を上下動させ、該ネジ軸
３８の上下動をロッド３９を介して補助管３３に伝達す
ることにより、補助管３３の下端部の吸入口１１を上下
動させるようにしている。

【００２１】また、図５に示す昇降駆動装置３７は、主
管３２に設けたブラケット３２ａと補助管３３に設けた
ブラケット３３ａとの間に複動型のシリンダー３６を設
け、該シリンダー３６に、空気圧縮機４０の圧縮空気配
管４１から分岐した上昇弁４２を有する上昇側配管４３
と、下降弁４４を有する下降側配管４５とを接続し、上
昇弁４２と下降弁４４とを切換え開閉してシリンダー３
６を伸縮させることにより、補助管３３の下端部の吸入
口１１を上下動させるようにしている。

【００２２】これらの例においても、電動機３４や弁４
２，４４を真空計１８の検出圧力に応じて作動させるこ
とにより、自動的に揚砂不能状態を解消することができ
る。

【００２３】また、図４及び図５に示す吸入口１１部分
のみが上下動する構成は、混気ジェットポンプ１０の本
体部３１を従来と同様に形成して設置することができる
ので、既存設備の改造も容易である。さらに、駆動源は
任意に選定することが可能であり、圧力水供給源からの
圧力水を利用することもでき、手動でハンドル等を回す
ようにしてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の揚砂装置
は、揚砂不能状態を容易に解消することができるので、
取水設備や下水処理設備をはじめとする各種沈殿池（沈
砂池）の沈砂を確実に揚砂することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用した揚砂装置の一例を示す正面
図である。

【図２】 揚砂装置を設けた沈殿池の説明図である。

【図３】 混気ジェットポンプの説明図である。

【図４】 揚砂装置の他の形態例を示す正面図である。

【図５】 揚砂装置のさらに他の形態例を示す正面図で
ある。

【符号の説明】

１…揚砂装置、２…沈殿池、３…沈砂ピット、４…集砂
装置、５…圧力水供給源、６…圧力水管、１０…混気ジ
ェットポンプ、１１…吸入口、１２…吸入管、１３…沈
砂排出管、１４…揚上管、１５…ノズル、１６…噴射
管、１７…気体流入管、１８…真空計（連成計）、１９
…設置用架台、２０…ベース、２１…ジャッキ、２２…
フレックスカップリング、２３…ギアボックス、２４…
電動機、２５ａ，２５ｂ…サポート、２６ａ，２６ｂ…
フレキシブルカップリング、３１…混気ジェットポンプ
本体部、３２…主管、３３…補助管、３４…電動機、３
５，３７…昇降駆動装置、３６…シリンダー、３８…ネ
ジ軸、３９…ロッド、４０…空気圧縮機、４１…圧縮空
気配管、４２…上昇弁、４３…上昇側配管、４４…下降
弁、４５…下降側配管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気混合圧力水を用いた混気ジェットポ
   ンプにより沈殿池の沈砂等を吸い上げる揚砂装置におい
   て、前記混気ジェットポンプの吸入口を上下動可能に形
   成したことを特徴とする揚砂装置。
2. 【請求項２】 前記混気ジェットポンプの吸入口部分
   は、混気ジェットポンプ本体部に接続される主管と、下
   端部に吸入口を有する補助管との二重管構造に形成さ
   れ、該補助管を前記主管に対して軸方向に移動可能に設
   けるとともに、該補助管を上下動させる昇降手段を設け
   たことを特徴とする請求項１記載の揚砂装置。
3. 【請求項３】 前記吸入口から混気ジェットポンプ本体
   部に至る吸入管内の圧力を検出する圧力検出手段と、該
   圧力検出手段の検出圧力に応じて前記吸入口を上下動さ
   せる昇降手段とを備えていることを特徴とする請求項１
   記載の揚砂装置。