JPH09154985A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球面の肉厚をできるだけ薄くし、強度的に
も十分なものとし、かつ軽量化も図り、ヘッドの大型化
を可能にする。 【解決手段】 少なくとも打球面１が金属材料からなる
ゴルフクラブヘッドにおいて、打球面１のスイートエリ
ア裏側に少なくとも２本の凸条のリブ４をクロスさせて
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも打球
面が金属材料からなるウッドクラブやアイアンクラブの
ゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の少なくとも打球面が金属材料から
なるゴルフクラブヘッドでは、打球面にボールを打った
ときの衝撃を繰り返すことによっても損傷しない強度が
要求されるため、打球面の厚さを厚くするか、打球面の
裏面にリブを設けるかしていた。例えば、全体がステン
レススチール製（例えばＳＵＳ６３０）のヘッドを製造
する場合、一般のゴルファーが振り切れるゴルフクラブ
にするためにはヘッド重量を２００ｇ前後に設計してい
た。ヘッド重量を変えずにヘッド体積を大きくするに
は、肉厚をできるだけ薄くすることが必要であるが、周
辺部分は肉厚を薄くできても一様な厚みを有するプレー
ト状の打球面は強度の問題から肉厚を全体的に薄くする
にも限界があった。ＳＵＳ６３０の場合、打球面の厚み
は最低でも２．８mmは必要であった。また、ステンレス
スチール製の打球面の肉厚を強度的に不安が生ずるほど
全体的に薄くする替りにその裏側に複数本のリブを縦方
向や横方向、あるいは格子状やハニカム状等に設けたも
のもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のリブの設け方で
は、打球面全体の重量の軽減には役立たず、むしろ強度
的に十分な肉厚を有する打球面よりも重くなってしまう
ものさえあった。

【０００４】そこで、この発明は、打球面の肉厚を全体
的にできるだけ薄くし、強度的にも十分なものとし、か
つ軽量化も図り、ヘッドの大型化を可能にしたゴルフク
ラブヘッドを提供することを目的とする。

【０００５】上述の目的を達成するため、この発明、少
なくとも打球面が金属材料からなるゴルフクラブヘッド
において、打球面のスイートエリア裏側に少なくとも２
本の凸条のリブをクロスさせて設けたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以下に、この発明の好適
な実施例を図面を参照にして説明する。

【０００７】図１はウッドクラブと呼ばれるゴルフクラ
ブヘッドを正面から見た図であり、打球面１を含むヘッ
ド本体２と、このヘッド本体２に一体に形成されたホー
ゼル３とからなり、全体がステンレススチール等の金属
材料から製造されている。ヘッド本体２は打球面１の他
にソール、クラウン、周辺部から構成される。ヘッド本
体２の内部は中空であり、一般的にはこの中空内に発泡
材を充填している。打球面１のスイートエリア裏側に少
なくとも２本の凸条のリブ４をクロスさせて設けてあ
る。ここでスイートエリアとは、ゴルファーが最も飛距
離が出たヒッティングポイントを含み、このポイントを
はずしても飛距離が１割程度しか低下しない打点の総和
領域をいう。図１に示すヘッドは、全体を金属材料で鋳
造法等により製造したものであるが、打球面１のみを金
属材料から形成し、その他を強化プラスチック材料から
形成することも可能である。また、異種材料の組み合わ
せであってもよい。

【０００８】図２は打球面１の裏面図を示し、打球面１
の幾何学的中心に２本のリブ４のクロスポイント４Ａが
位置するようにしたものを示す。リブ４はＸ字状に交叉
している。

【０００９】図３に示す実施例は、図２に示すリブ４の
他に垂直に延びるリブ４を設け、３本のリブ４がクロス
ポイント４Ａでクロスしている。

【００１０】図４に示す実施例は、スイートエリアの両
サイドに垂直に延びる２本の互いに平行なリブ４を設
け、これら２本のリブ４に挟まれた個所にＸ字状に２本
のリブ４をクロスさせたものを示す。

【００１１】図５に示す実施例は、図４に示す実施例に
おけるクロスする２本のリブ４の両端をそれぞれ互いに
平行な２本のリブ４の両端と連結させた例を示すもので
ある。

【００１２】図６はリブ４の個所を通って切断した断面
であり、打球面１の全体的な厚みｔ₁ を２．２〜２．５
mmとし、リブ４の厚みｔ₂ を１．５〜２．５mmとした。

【００１３】図７に示すリブ４の個所を切断した断面
は、リブ４の形状を断面半円形に変えた例を示すもので
ある。

【００１４】いずれの実施例においても、リブ４は少な
くとも２本クロスさせて打球面１のスイートエリア裏面
に設けることが必要であり、各リブ４の両端はスイート
エリアを外れて打球面１の外周縁近傍まで延びることが
強度的な面からは好ましい。また、図示する実施例では
リブ４をＸ字状にクロスさせたが、それぞれのリブ４の
傾斜具合は一方が０度（水平）及び他方が９０度（垂
直）以外であればよい。ゴルファーは、打球面１のセン
ターで打つように努め、打点が実際にばらついていて
も、センター付近でのばらつきが多いので、少なくとも
センターを含むスイートエリア裏側にリブ４が設けられ
ればよい。なお、打球面１の裏側に垂直に等間隔で３本
のリブを設けたものと図１に示すようにリブ４を設けた
ものとを比較した場合、強度的にはほぼ同等であった。
垂直に等間隔で３本のリブ４を設けたものよりも２本の
リブ４をクロスさせて設けた打球面１の方が（リブ１本
を同一重量とすると）、重量的には軽くなる。従来、ス
テンレススチール製の打球面１ではその厚みが最低２．
８mm必要とされていたが、同じステンレススチール製で
あっても、この発明における打球面１では、プレート状
部分の全体的な厚みをそれ以下の厚みとすることが可能
であり、その分少なくともスイートエリア裏側に２本の
リブ４を交叉させることで、打球面１の総重量は軽減
し、強度的には十分なものとなった。打球面１のプレー
ト状部分の全体の厚みを０．３mm減少させ、減少させた
重量以下の重さのリブ４を設ければ、打球面１全体の重
量は減少する。なお、図示する実施例では、ウッドクラ
ブのヘッドについて説明したが、アイアンクラブのヘッ
ドの打球面１でも同様の構成とすることができる。例え
ば、バックフェースが窪んだ所謂キャビティバックのア
イアンクラブのヘッドでは、打球面１は極力薄く形成さ
れるので、この裏面にリブ４を設けることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以上説明したように、この発明に
よれば、少なくとも打球面が金属材料からなるゴルフク
ラブヘッドにおいて、打球面のスイートエリア裏側に少
なくとも２本の凸条のリブをクロスさせて設けたので、
打球面の薄肉化を図りかつ軽量化を図っても打球面の強
度は低下しない。打球面が軽量化できれば、ヘッドの大
型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ヘッド全体の正面図。

【図２】打球面の裏面図。

【図３】他の実施例を示す打球面の裏面図。

【図４】さらに他の実施例を示す打球面の裏面図。

【図５】また別の実施例を示す打球面の裏面図。

【図６】リブの個所を切断した断面図。

【図７】リブの形状を変えた断面図。

【符号の説明】

１ 打球面 ４ リブ ４Ａ クロスポイント

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも打球面が金属材料からなるゴ
   ルフクラブヘッドにおいて、 打球面のスイートエリア裏側に少なくとも２本の凸条の
   リブをクロスさせて設けたことを特徴とするゴルフクラ
   ブヘッド。