JPH0915472A - 光源装置及びレーザ走査光学装置 - Google Patents

光源装置及びレーザ走査光学装置

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JPH0915472A
JPH0915472A JP10162496A JP10162496A JPH0915472A JP H0915472 A JPH0915472 A JP H0915472A JP 10162496 A JP10162496 A JP 10162496A JP 10162496 A JP10162496 A JP 10162496A JP H0915472 A JPH0915472 A JP H0915472A
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JP
Japan
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lens
laser
light source
lens barrel
scanning
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Pending
Application number
JP10162496A
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English (en)
Inventor
Toshio Naiki
俊夫 内貴
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光源とコリメータレンズとの間の距離
が温度変化に対して再現性よく変化する光源装置と、温
度変化に対する光学系全体の焦点距離の変化を容易に補
正することができるレーザビーム走査光学装置とを提供
する。 【解決手段】 コリメータレンズ2が装着されている鏡
筒104と同種の材料で、第1,第2鏡筒保持部材10
2,103を製作し、第1,第2鏡筒保持部材102,
103とは異種の材料でレーザ保持部材101を製作す
る。コリメータレンズ2の光軸108に対して平行な面
を構成するV溝102a,凹溝103aを介して、鏡筒
104を第1,第2鏡筒保持部材で保持する。コリメー
タレンズ102の光軸108に対して垂直な面を介し
て、レーザ保持部材101と第1,第2鏡筒保持部材と
を接合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源装置及びレー
ザ走査光学装置に関するものであり、更に詳しくは、L
BP(Laser Beam Printer)やディジタルPPC(Plain p
aper copier)の画像書き込み光学系に好適な光源装置、
及びその光源装置を用いたレーザ走査光学装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LBPやディジタルPPCの画像
書き込みには、レーザ走査光学装置が用いられている。
このレーザ走査光学装置の一構成部品として一般的に用
いられている光源装置は、レーザビームを射出するレー
ザ光源と、レーザビームを略平行光束とするコリメータ
レンズと、レーザ光源及びコリメータレンズを保持する
保持部材と、で構成されている。
【0003】上記保持部材はレーザ光源の発熱によって
熱膨張することがあるため、その熱膨張によってレーザ
光源の発光点とコリメータレンズとの間の距離が変動す
ることがある。また、レーザ光源として半導体レーザ素
子を用いた場合には、半導体レーザ素子の温度変化に伴
って、射出されるレーザビームの波長が変化することも
ある。これらの現象が発生すると、光源装置から出力さ
れるレーザビームの収束状態が変化してしまうため、被
走査面上に形成されるレーザビームのスポットの径が変
動して、精細な画像が得られなくなる。
【0004】このような不具合に対処するため、例え
ば、特開平4−320079号公報では、レーザ光源を
支持するレーザ保持部材と、レーザ保持部材と連結され
コリメータレンズを保持するレンズ保持部材と、を備え
た光源装置が提案されている。この光源装置によると、
温度上昇によるレーザ保持部材の膨張とレーザ光源の発
振波長の変動とが互いに相殺されるため、レーザ光源や
各保持部材の温度が変化しても被走査面上でのスポット
径は変化しないとしている。
【0005】また、他の従来例としては、半導体レーザ
素子とコリメータレンズとの間隔変化による焦点距離の
変化(つまり、レーザビームの収束状態の変化)を、プラ
スチックレンズで補償するようにした構成が知られてい
る。これは、プラスチックレンズの屈折率及び形状の変
化が温度によって変化することを利用したものである。
【0006】図23は、これらの光源装置を模式的に示
す概略構成図である。この光源装置120は、レーザ光
源121と、コリメータレンズ122と、レーザ光源1
21を固定支持する保持部材123と、コリメータレン
ズ122を保持する鏡筒124と、で構成されている。
レーザ光源121として半導体レーザ素子を用いた場
合、一般に、その発光位置が製品ごとにばらつくことは
避けられない。発光位置のばらつきが光学系全体の焦点
距離に及ぼす誤差を許容範囲内に保つためには、光源装
置120の組み立てにおいて、レーザ光源121とコリ
メータレンズ122との間隔を一個ずつ調整する必要が
ある。レーザ光源121とコリメータレンズ122とを
1つの保持部材で保持せずに、保持部材123と鏡筒1
24とでそれぞれ保持しているのはこのためである。つ
まり、光源装置120内にレーザ光源121とコリメー
タレンズ122を設けるためには、保持部材123と鏡
筒124との少なくとも2体が必要になる。さらに、保
持部材123と鏡筒124は、それぞれ要求される特性
(硬さ,加工性,熱伝導率等)が異なるため、それぞれ異
なる材料で構成される必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図23に示す光源装置
120においては、異種の材料からなる保持部材123
と鏡筒124とが、光軸126に平行な接合面125を
介して接合されている。このため、レーザ光源121が
発熱すると、保持部材123と鏡筒124とがそれぞれ
異なった線膨張率で熱膨張して、保持部材123と鏡筒
124とが接合面125を挟んで摩擦しながら滑るとい
った現象が発生する。したがって、保持部材123と鏡
筒124とは、温度変化に対して再現性の悪い挙動を示
すことになる。
【0008】温度変化に対するレーザ光源121とコリ
メータレンズ122との間隔の変化を各材料の線膨張率
から計算しても、保持部材123と鏡筒124との位置
関係がそれぞれの温度変化に対して再現性よく変位しな
いと、実際の変化量は計算値通りにはならなくなる。こ
のため、上記間隔の変化量が温度変化に対してどのよう
な値をとるかを正確に予測することはできない。したが
って、従来の光源装置120をレーザ走査光学装置の光
源として用いた場合、レーザ走査光学装置全体の焦点距
離が温度によってどのように変わるかを把握することは
できない。このため、保持部材123と鏡筒124の温
度変化による光学系全体の焦点距離の変化を、光学系中
の他のレンズを移動させたり特定のレンズの材質を変え
たりすることによって補正することは極めて困難であ
る。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であって、第1の目的は、レーザ光源とコリメータレン
ズとの間の距離が温度変化に対して再現性よく変化する
光源装置を提供することにある。第2の目的は、温度変
化に対する光学系全体の焦点距離の変化を容易に補正す
ることができるレーザビーム走査光学装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、請求項1に記載された光源装置は、レーザ
ビームを射出するレーザ光源と、前記レーザビームを略
平行光束とするコリメータレンズと、前記コリメータレ
ンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒と同種の材料からな
り、前記コリメータレンズの光軸に平行な面を介して前
記鏡筒を保持する鏡筒保持手段と、を備えたものであ
る。
【0011】鏡筒と鏡筒保持部材とは同種の材料からな
っているため、鏡筒の線膨張率と鏡筒保持部材の線膨張
率とは同じである。したがって、鏡筒と鏡筒保持手段が
熱膨張しても、鏡筒と鏡筒保持部材との接触面では滑り
やズレが生じない。しかも、コリメータレンズの光軸に
平行な面を介して鏡筒保持手段が鏡筒を保持しているた
め、コリメータレンズの光軸に沿って鏡筒を移動させる
ことにより、コリメータレンズの光軸方向の位置を変え
ることができる。
【0012】また、上記の第1の目的を達成するため
に、請求項2に記載された光源装置は、レーザビームを
射出するレーザ光源と、前記レーザビームを略平行光束
とするコリメータレンズと、前記コリメータレンズを保
持する鏡筒と、前記鏡筒を保持する鏡筒保持手段と、前
記鏡筒保持手段とは異種の材料からなり、前記コリメー
タレンズの光軸に垂直な面を介して前記鏡筒保持手段と
接合されるとともに、前記レーザ光源を保持するレーザ
保持手段と、を備えたものである。
【0013】レーザ保持手段と鏡筒保持手段とは異種の
材料からなっているため、レーザ保持手段の線膨張率と
鏡筒保持手段の線膨張率とは異なる。したがって、レー
ザ保持手段と鏡筒保持手段が熱膨張すると、レーザ保持
手段と鏡筒保持手段との接合面で滑りやズレが生じる。
しかし、レーザ保持手段と鏡筒保持手段とは、コリメー
タレンズの光軸に垂直な面を介して接合されているの
で、熱膨張しても上記滑りやズレが光軸方向に現れるこ
とはない。
【0014】上記の第2の目的を達成するために、請求
項3に記載されたレーザ走査光学装置は、レーザビーム
を射出するレーザ光源と、前記レーザビームを略平行光
束とするコリメータレンズと、前記コリメータレンズを
保持する鏡筒と、前記鏡筒と同種の材料からなり、前記
コリメータレンズの光軸に平行な面を介して前記鏡筒を
保持する鏡筒保持手段と、を有する光源装置と、前記光
源装置から射出されたレーザビームを被走査面上に偏向
走査する偏向器と、レーザビームを被走査面上に結像さ
せる結像光学系と、前記レーザ光源とコリメータレンズ
との間隔変化による被走査面上での結像状態の変化を補
正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】鏡筒と鏡筒保持部材とは同種の材料からな
っているため、鏡筒の線膨張率と鏡筒保持部材の線膨張
率とは同じである。したがって、鏡筒と鏡筒保持手段が
熱膨張しても、鏡筒と鏡筒保持部材との接触面では滑り
やズレが生じない。これにより、レーザ光源とコリメー
タレンズとの間の距離が温度変化に対して再現性よく変
化することになるため、被走査面上での結像状態の変化
を補正手段によって良好に補正することができる。ま
た、コリメータレンズの光軸に平行な面を介して鏡筒保
持手段が鏡筒を保持しているため、コリメータレンズの
光軸に沿って鏡筒を移動させることにより、コリメータ
レンズの光軸方向の位置を変えることができる。
【0016】また、上記の第2の目的を達成するため
に、請求項4に記載されたレーザ走査光学装置は、レー
ザビームを射出するレーザ光源と、前記レーザビームを
略平行光束とするコリメータレンズと、前記コリメータ
レンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒を保持する鏡筒保持
手段と、前記鏡筒保持手段とは異種の材料からなり、前
記コリメータレンズの光軸に垂直な面を介して前記鏡筒
保持手段と接合されるとともに、前記レーザ光源を保持
するレーザ保持手段と、を有する光源装置と、前記光源
装置から射出されたレーザビームを被走査面上に偏向走
査する偏向器と、レーザビームを被走査面上に結像させ
る結像光学系と、前記レーザ光源とコリメータレンズと
の間隔変化による被走査面上での結像状態の変化を補正
する補正手段と、を備えたものである。
【0017】レーザ保持手段と鏡筒保持手段とは異種の
材料からなっているため、レーザ保持手段の線膨張率と
鏡筒保持手段の線膨張率とは異なる。したがって、レー
ザ保持手段と鏡筒保持手段が熱膨張すると、レーザ保持
手段と鏡筒保持手段との接合面で滑りやズレが生じる。
しかし、レーザ保持手段と鏡筒保持手段とは、コリメー
タレンズの光軸に垂直な面を介して接合されているの
で、熱膨張しても上記滑りやズレが光軸方向に現れるこ
とはない。したがって、レーザ光源とコリメータレンズ
との間の距離が温度変化に対して再現性よく変化するこ
とになるため、被走査面上での結像状態の変化を補正手
段によって良好に補正することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した光源装置
及びレーザ走査光学装置を図面を参照しながら説明す
る。
【0019】《第1実施形態(図1〜図15)》図1は、
本発明の第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の画像
書き込み光学系を示す斜視図である。第1実施形態のレ
ーザ走査光学装置は、2基の半導体レーザ素子1,1’
から発した2本のレーザビームを用いて、感光体ドラム
25上に同時、かつ、並列に2本の走査線を書き込む機
能を備えている。そして、このレーザ走査光学装置は、
レーザビームを射出するレーザ光源として2つの半導体
レーザ素子1,1’;内部にコリメータレンズ2,2’
(図2等)を保持する鏡筒104,104’;1/2波長板
14;偏光反射膜3aを内部に備えたビームスプリッタ
3;シリンドリカルレンズ群12;ポリゴンミラー6;
走査レンズ群13;ミラー23;シリンドリカルレンズ
24;被走査面25aとなる感光体表面を備えた感光体
ドラム25等から構成されている。
【0020】1/2波長板14は、鏡筒104’とビーム
スプリッタ3との間に配置されており、後述するように
半導体レーザ素子1’から射出されたレーザビームの偏
光面を回転させるように作用する。シリンドリカルレン
ズ群12は、副走査方向にのみ正の屈折力を有するシリ
ンドリカルレンズ4と、副走査方向にのみ負の屈折力を
有し、かつ、プラスチックを材料とするシリンドリカル
レンズ5と、からなっている。走査レンズ群13は、負
の屈折力を有する走査レンズ7と、正の屈折力を有する
走査レンズ8と、からなり、全体として正の屈折力を有
している。シリンドリカルレンズ24は、プラスチック
材料からなり副走査方向にのみ正の屈折力を有してい
る。
【0021】図2は、第1実施形態に係るレーザ走査光
学装置の光源近傍の上面図である。また、図3は、半導
体レーザ素子1,1’;コリメータレンズ2,2’;ビ
ームスプリッタ3;それらを取り付ける台座27等を取
り出して示す部分拡大図である。そして、図3(a),
(b)は、それぞれ当該部分の上面図,正面図を表してい
る。
【0022】レーザ走査光学装置には高い精度が要求さ
れるとともに、その精度が経時的に安定して保たれる必
要がある。そのため、第1実施形態のレーザ走査光学装
置は、図2に示すように金属製の取付基板9上に光源装
置A,Bから走査レンズ群13までの種々の光学部品を
それぞれネジ10で取り付けた構成となっている。ま
た、取付基板9には、このレーザ走査光学装置をプリン
ターや複写機等の装置本体に取り付けるための座ぐり穴
11も形成されている。
【0023】半導体レーザ素子1から発せられたレーザ
ビームは、コリメータレンズ2によって平行光束に変換
され、ビームスプリッタ3に入射する。一方、半導体レ
ーザ素子1’から発せられたレーザビームは、コリメー
タレンズ2’によって平行光束に変換され、1/2波長板
14を透過した後、ビームスプリッタ3に入射する。そ
して、半導体レーザ素子1からのレーザビームはビーム
スプリッタ3で反射され、半導体レーザ素子1’からの
レーザビームはビームスプリッタ3を透過する。
【0024】上記1/2波長板14について、さらに詳し
く説明する。レーザビームを画像形成に利用する効率を
上げるためには、半導体レーザ素子1からのレーザビー
ムのビームスプリッタ3での反射率と、半導体レーザ素
子1’からのレーザビームのビームスプリッタ3での透
過率と、を高めることが望ましい。ビームスプリッタ3
での反射及び透過の効率を高めるためには、例えば、直
線偏光したレーザビームを発する2つの半導体レーザ素
子と、偏光反射膜(例えば、干渉膜)を有する偏光ビーム
スプリッタとを用いて、レーザビームの偏光面及び偏光
方向がいずれも互いに直交するように、2つの半導体レ
ーザ素子を配置する構成が考えられる。このように構成
によれば、一方の半導体レーザ素子から発せられたレー
ザビームが偏光反射膜で反射され、他方の半導体レーザ
素子から発せられたレーザビームが偏光反射膜を透過す
る。
【0025】しかしながら、一般に、半導体レーザ素子
から発せられるレーザビームの広がり角は偏光方向とそ
れに直交する方向とで異なり、レーザビームの断面は楕
円形になる。このため、2本のレーザビームがビームス
プリッタ3から感光体ドラム25までの光学系を共通に
用いる第1実施形態の構成おいて、レーザビームの偏光
面及び偏光方向が互いに直交するように半導体レーザ素
子1,1’を配置すると、2つのレーザビームの強度分
布が主走査方向と副走査方向とで異なることになってし
まう。
【0026】そこで、第1実施形態の構成では、2本の
レーザビームの偏光面又は偏光方向が同一となるように
半導体レーザ素子1,1’を配置し、コリメータレンズ
2’とビームスプリッタ3との間(コリメータレンズ2
とビームスプリッタ3との間でもよい。)に、レーザビ
ームの偏光面を90゜回転させる1/2波長板14(ローテ
ータ等の光学部材でもよい。)を挿入した構成としてい
る。このように構成することによって、2つのレーザビ
ームの強度分布を変化させることなく、レーザビームの
偏光面及び偏光方向を互いに直交させることができる。
【0027】図4(a),(b)に、1/2波長板14の2つ
の配置例を示す。図4中、半導体レーザ素子1,1’か
らの2本のレーザビームのそれぞれの伝搬方向にx軸及
びy軸をとり、x−y平面に対して垂直な方向にz軸を
とっている。尚、ビームスプリッタ3は偏光ビームスプ
リッタであり、3aは偏光反射面である。
【0028】図4(a)の配置例では、半導体レーザ素子
1,1’から発せられた直後のレーザビームは、偏光面
が共にx−y面であり、偏光方向はそれぞれy,x方向
である。そして、半導体レーザ素子1から発せられたレ
ーザビームは、ビームスプリッタ3とコリメータレンズ
2との間に配置された1/2波長板14を透過することに
より、偏光面が90゜回転してz−x面となり、偏光方
向が90°回転してz方向となる。ビームスプリッタ3
の偏光反射膜3aは、偏光面がx−y面であるレーザビ
ームを透過させ、偏光面がz−x面であるレーザビーム
を反射させるように位置しているので、ビームスプリッ
タ3における半導体レーザ素子1からのレーザビームの
反射率を効率よく高めることができる。
【0029】図4(b)の配置例では、半導体レーザ素子
1,1’から発せられた直後のレーザビームは、偏光面
がそれぞれz−x面,y−z面であり、偏光方向が共に
z方向である。そして、半導体レーザ素子1’から発せ
られたレーザビームは、ビームスプリッタ3とコリメー
タレンズ2’との間に配置された1/2波長板14を透過
することにより、偏光面が90゜回転してx−y面とな
り、偏光方向が90°回転してx方向となる。ビームス
プリッタ3の偏光反射膜3aは、偏光面がx−y面であ
るレーザビームを透過させ、偏光面z−x面であるレー
ザビームを反射させるように位置しているので、ビーム
スプリッタ3における半導体レーザ素子1からのレーザ
ビームの反射率を効率よく高めることができる。
【0030】第1実施形態では図4(b)の構成を採用し
ているが、1/2波長板14を半導体レーザ素子1,1’
のどちら側に挿入してもよい。要は、偏光反射膜3a上
で2つのレーザビームの偏光面及び偏光方向が互いに直
交するように、1/2波長板14を配置すればよい。以上
説明したような構成を採用することにより、偏光反射膜
3aの面における、半導体レーザ素子1からのレーザビ
ームの反射率と半導体レーザ素子1’からのレーザビー
ムの透過率とを効率よく高めることができる。
【0031】上述したように偏光反射膜3aで反射さ
れ、あるいは透過したレーザビームは、ビームスプリッ
タ3を出射した後、光学系(つまり、シリンドリカルレ
ンズ群12以降の光学系)の光軸に対して平行に進むこ
とになる。これについて、以下に説明する。
【0032】図3(b)に示すように、半導体レーザ素子
1と1’、並びにコリメータレンズ2と2’は、それら
が取り付けられている台座27に設けられている段差に
よって、副走査方向に所定の間隔だけ高さを変えて配設
されている。したがって、ビームスプリッタ3のポリゴ
ンミラー6側では、それぞれのレーザビームの光軸(つ
まり、半導体レーザ素子1,1’;コリメータレンズ
2,2’の光軸)が光学系(つまり、シリンドリカルレン
ズ群12以降の光学系)の光軸近傍において副走査方向
に所定の間隔をあけ、かつ、光学系の光軸に対して平行
に揃えられる。但し、図3(b)では、2本のレーザビー
ムの光軸間に設定される副走査方向の間隔(すなわち、
半導体レーザ素子1と1’との間、コリメータレンズ2
と2’との間に設定される副走査方向の所定の間隔)を
強調して示しており、実際にはその間隔は極僅かであ
る。
【0033】ビームスプリッタ3を出射した2本のレン
ズビームは、図1,図2に示すように、2枚のシリンド
リカルレンズ4,5からなるシリンドリカルレンズ群1
2に入射する。シリンドリカルレンズ4,5は、副走査
方向にのみそれぞれ正,負の屈折力を有しており、シリ
ンドリカルレンズ群12は、これらの屈折力が合わさっ
たものとして副走査方向にのみ正の屈折力を有してい
る。したがって、ビームスプリッタ3を経た2本のレー
ザビームは、シリンドリカルレンズ群12によって、ポ
リゴンミラー6の偏向面近傍で副走査方向に一旦集光さ
れる。
【0034】レーザービームは、上記のようにシリンド
リカルレンズ群12によって副走査方向に集光される
が、主走査方向には集光されない。したがって、2本の
レーザービームの断面は、ポリゴンミラー6の偏向面近
傍において、それぞれ主走査方向に長さを有する2本の
線状となる。シリンドリカルレンズ群12は、後述する
副走査方向に正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ
24と協働して、ポリゴンミラー6の偏向面の面倒れ補
正を行うように作用する。また、シリンドリカルレンズ
5は、シリンドリカルレンズ24,光源装置A等と協働
して、温度変化による光学系全体の焦点距離の変化を補
償する作用も有する。この作用については後述する(図
14等)。
【0035】ここで、シリンドリカルレンズ群12の取
り付け構造を説明する。図5は、シリンドリカルレンズ
4,5と、それらを収容する鏡筒15と、鏡筒15を固
定支持し、かつ、取付基板9に取り付けられる台座16
と、を取り出して示す部分拡大図である。同図中、(a)
は正面側から見た外観、(b)は側方側から見た縦断面、
(c)は上面側から見た外観を示している。鏡筒15は、
シリンドリカルレンズ4が装着される内側部材15b
と、シリンドリカルレンズ5が装着され、かつ、内側部
材15bの一部が内部に嵌り込む外側部材15aと、で
構成されている。
【0036】台座16は略直方体形状を成し、その上面
には光軸に対して平行な面を成すV溝16aが形成され
ている。そして、全体として略円筒形状の鏡筒15は、
このV溝16aの両斜面に外周面が接した状態で支持さ
れている。このV溝16aは、鏡筒15を支持した状態
でシリンドリカルレンズ5のシリンダ母線の副走査方向
高さが光軸高さと一致するように形成されている。ま
た、鏡筒15は、板バネ21で押さえられ、その板バネ
21が台座16にネジ22でとめられることによって、
台座16に対して移動しないように固定されている。
【0037】鏡筒15の内側部材15bは外側部材15
a内に嵌合しているが、図5(b)に示すように、その一
部は外側部材15aの一方の端面から突出した状態にな
っている。そして、外側部材15aの他方の端面(この
部分では内側部材15bが嵌り込んでいない。)には、
シリンドリカルレンズ5が板バネ17,18で押圧固定
されている。これらの板バネ17,18は、それぞれネ
ジ19,20で外側部材15aにとめられている。外側
部材15aにおいて、シリンドリカルレンズ5が固定さ
れる側の端面に臨む箇所には、主走査面に対して平行な
平面部15cが形成されている。この平面部15cに、
シリンドリカルレンズ5のシリンダ母線に対して平行な
コバ面を当接させることによって、シリンダ母線と光軸
の副走査方向高さとを合わせることができる。
【0038】鏡筒15の内側部材15bは、先に述べた
ように一部が外側部材15aの一方の端面から突出して
おり、その突出した部分の端部の内側(すなわち、光軸
側)には主走査面に対して平行な平面部15dが形成さ
れている。この平面部15dにシリンドリカルレンズ4
のシリンダ母線に対して平行なコバ面を当接させると、
シリンダ母線と光軸の副走査方向高さとを合わせること
ができる。シリンドリカルレンズ4は、そのシリンダ母
線に対して平行なコバ面を平面部15dに当接させた状
態で、上記突出した部分の端部に接着固定されている。
【0039】シリンドリカルレンズ4,5の位置は、以
下のようにして調整される。先ず、シリンドリカルレン
ズ4,5をそれぞれ鏡筒15の内側部材15bと外側部
材15aとに取り付ける。次に、外側部材15aに内側
部材15bを嵌合させ、シリンドリカルレンズ4とシリ
ンドリカルレンズ5との軸上面間隔が所定の大きさにな
り、かつ、シリンダ母線の方向が同一となるように、両
者を回転・移動させて調整した後、固定してレンズブロ
ックとする。
【0040】一方、V溝16aの中心線16b(図5)が
本体装置の光軸と略一致するように台座16を調整した
後、台座16を取付基板9(図2)に取り付けておく。す
ると、この台座16に、光学調整を行った前記レンズブ
ロックを載置するだけで、光軸中心(つまり、光軸の高
さと方向)を一致させることができる。最後に、レンズ
ブロックの位置{すなわち、他の光学要素(半導体レーザ
素子1,1’等)までの光軸方向の距離及びシリンダ母
線の方向}を調整し、板バネ21で固定する。このよう
にすれば、シリンドリカルレンズ4,5の位置決めを簡
単に、かつ、精度良く行うことができる。
【0041】次に、ポリゴンミラー6を説明する。上記
シリンドリカルレンズ群12によってポリゴンミラー6
の偏向面近傍で副走査方向に一旦集光された2本のレー
ザビームは、同時に、矢印a方向(図1)に回転するポリ
ゴンミラー6の偏向面によって、感光体ドラム25の主
走査方向(図1中の矢印b方向)に偏向される。ポリゴン
ミラー6は、その回転軸6aに対して平行な8つの反射
面を偏向面として備えた正8角形柱形状を成している。
そして、取付基板9の裏面に取り付けられたモータ(図
示せず)で駆動されて、回転軸6aの周りに等速度で高
速回転することにより、レーザビームを偏向するように
なっている。尚、ポリゴンミラー6は、ほこり除けのた
めカバー(図示せず)内に収容されており、ポリゴンミラ
ー6の偏向面に入射するレーザビームやポリゴンミラー
6の偏向面で反射されたレーザビームは、カバーの側面
に設けられたガラス窓6w(図2)を透過することにな
る。
【0042】次に、走査レンズ群13とシリンドリカル
レンズ24を説明する。ポリゴンミラー6の偏向面で偏
向された2本のレーザビームは、主走査方向に正の屈折
力を有する走査レンズ群13によって、主走査方向に集
光する。また、走査レンズ群13と感光体ドラム25と
の間に配設されている、副走査方向に正の屈折力を有す
るシリンドリカルレンズ24によって、2本のレーザビ
ームは副走査方向に集光される。したがって、2本のレ
ーザビームは、感光体ドラム25上において副走査方向
に所定の間隔離れた2つのスポットとして結像すること
になる。そして、主走査は、2本のレーザビームが副走
査方向に所定の間隔離れた平行な2本の走査線を同時に
形成することによって行われ、一方、副走査は、感光体
ドラム25が矢印c方向(図1)へ回転することによって
行われる。
【0043】第1実施形態では、2枚のレンズ7,8か
らなる走査レンズ群13が、全体としてfθレンズを構
成している。したがって、ポリゴンミラー6の偏向面が
等角速度で回転すると、偏向面で偏向される2本のレー
ザビームの偏向角の角速度は一定となり、2本のレーザ
ビームがそれぞれ感光体ドラム25上を主走査方向(図
1中の矢印b方向)に等速度で走査することになる。
尚、走査レンズ群13と副走査方向に正の屈折力を有す
るシリンドリカルレンズ24とからなる構成を、主走査
方向と副走査方向とで異なる屈折力を有するトロイダル
レンズ,非球面レンズ等に置き換えることも可能であ
る。
【0044】次に、図6〜図9を用いて光源装置の説明
を行う。上述したレーザ走査光学装置は、2本のレーザ
ビームで走査を行う構成となっているため、2組の光源
装置A,B(図1〜図3)を備えているが、1/2波長板1
4を保持する構成を除けば、光源装置A,Bの構成は同
じであるので、ここでは光源装置Aを例に挙げて説明す
る。尚、図6〜図9は、それぞれ光源装置Aの正面図、
上面図、側面図及び分解斜視図である。
【0045】光源装置Aは、半導体レーザ素子1と、レ
ーザ保持部材101と、コリメータレンズ2と、鏡筒1
04と、第1,第2鏡筒保持部材102,103と、で
構成されている。前述したように、半導体レーザ素子1
はレーザビームを射出し、鏡筒104で保持されている
コリメータレンズ2は、そのレーザビームを略平行光束
にする。第1,第2鏡筒保持部材102,103は、鏡
筒104と同種の材料からなり、コリメータレンズ2の
光軸108に平行な面(すなわち、第1鏡筒保持部材1
02のV溝102aを構成している面と、第2鏡筒保持
部材103の凹溝103aを構成している面)を介して
鏡筒104を保持する。レーザ保持部材101は、第
1,第2鏡筒保持部材102,103とは異種の材料か
らなり、コリメータレンズ2の光軸108に垂直な面1
05を介して第1鏡筒保持部材102と接合されるとと
もに、半導体レーザ素子1を保持する。
【0046】図7に示すように、レーザ保持部材101
は、光軸108に垂直な面105を介して第1鏡筒保持
部材102にネジ106aで取り付けられる構成になっ
ている。その取り付け時に、光軸108に垂直な面10
5に沿って半導体レーザ素子1の位置を2次元的に調整
することができる。また、図6,図9に示すように、鏡
筒104は、第1鏡筒保持部材102のV溝102aと
第2鏡筒保持部材103の凹溝103aとの間に挟持さ
れ、かつ、図7,図8に示すように、光軸108方向の
位置が調整可能な状態で、第1,第2鏡筒保持部材10
2,103にネジ106bで取り付けられるようになっ
ている。したがって、V溝102a,凹溝103aを構
成している各面に沿って、鏡筒104の光軸108方向
の位置を調整しながら、鏡筒104を第1,第2鏡筒保
持部材102,103に取り付けることができる。そし
て、半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間の
距離を初期調整した後、ネジ107を締め付けることに
よって、鏡筒104は第1,第2鏡筒保持部材102,
103に固定される。
【0047】半導体レーザ素子1は発熱するので、レー
ザ保持部材101には熱伝導率の高い材料を用いなけれ
ばならない。一方、鏡筒104及び第1,第2鏡筒保持
部材102,103には、加工性が良いこと,コストの
低減が可能であること等が要求されるため、レーザ保持
部材101とは材質の異なった種類の材料を用いる必要
がある。そこで、第1実施形態では、レーザ保持部材1
01の材料としてニッケル表面処理を施した鉄を用いて
おり、鏡筒104及び第1,第2鏡筒保持部材102,
103の材料としてアルミニウムを用いている。
【0048】図10は、第1実施形態に係る光源装置A
を模式的に示す概略構成図である。この光源装置Aは、
半導体レーザ素子1と、コリメータレンズ2と、半導体
レーザ素子1を保持するレーザ保持部材111と、コリ
メータレンズ2が装着される鏡筒113と、鏡筒113
を嵌合保持する鏡筒保持部材112と、で構成されてい
る。レーザ保持部材111は前記レーザ保持部材101
に相当し、鏡筒保持部材112は前記第1,第2鏡筒保
持部材102,103に相当し、鏡筒113は前記鏡筒
104に相当する。
【0049】また、図10において、レーザ保持部材1
11と鏡筒保持部材112とは、光軸116に垂直な面
(接合面)114を介して互いに圧接されており、鏡筒1
13と鏡筒保持部材112とは、光軸116に平行な面
(接触面)115を介して接合されている。そして、鏡筒
113と鏡筒保持部材112とは同種の材料からなって
おり、レーザ保持部材111と鏡筒保持部材112とは
異種の材料からなっている。
【0050】鏡筒113と鏡筒保持部材112とは同種
の材料からなっているため、鏡筒113の線膨張率と鏡
筒保持部材112の線膨張率とは同じである。したがっ
て、半導体レーザ素子1の発熱等によって鏡筒113と
鏡筒保持部材112が熱膨張しても、鏡筒113と鏡筒
保持部材112との接触面115では滑りやズレが生じ
ない。しかも、コリメータレンズ2の光軸116に平行
な面115を介して鏡筒保持部材112が鏡筒113を
保持しているため、コリメータレンズ2の光軸116に
沿って鏡筒113を移動させることにより、コリメータ
レンズ2の光軸116方向の位置を変えることができ
る。
【0051】レーザ保持部材111と鏡筒保持部材11
2とは異種の材料からなっているため、レーザ保持部材
111の線膨張率と鏡筒保持部材112の線膨張率とは
異なる。したがって、半導体レーザ素子1の発熱等によ
ってレーザ保持部材111と鏡筒保持部材112が熱膨
張すると、レーザ保持部材111と鏡筒保持部材112
との接合面114で滑りやズレが生じる。接合面114
で摩擦を持ちながら滑りやズレが生じると、温度変化に
対して再現性の悪い現象が起きることになる。しかし、
レーザ保持部材111と鏡筒保持部材112とは、コリ
メータレンズ2の光軸116に垂直な面114を介して
接合されているので、熱膨張しても上記滑りやズレが光
軸116方向に現れることはない。
【0052】以上のように、レーザ保持部材101に相
当するレーザ保持部材111;第1,第2鏡筒保持部材
102,103に相当する鏡筒保持部材112及び鏡筒
104に相当する鏡筒113が熱膨張しても、それに伴
う滑りやズレは、V溝102a,凹溝103aを構成し
ている各面に相当する接触面115では生じず、また、
光軸108に垂直な面105に相当する接合面114で
は光軸116方向に現れない。したがって、半導体レー
ザ素子1とコリメータレンズ2との間の距離は、温度変
化に伴って再現性よく変化することになる。このため、
温度変化に伴う半導体レーザ素子1とコリメータレンズ
2との間の距離の変化、そして、その結果現れる光学系
全体の焦点距離の変化を正確に予測することができる。
これにより、光学系中の光源装置A,B以外の構成要素
を用いて、光学系全体の焦点距離の変化を正確に補正す
ることができる。
【0053】次に、第1実施形態における光学系の数値
例を挙げて、第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の
温度補償を更に詳細に説明する。表1に、第1実施形態
を構成している光学系(シリンドリカルレンズ4から被
走査面25aまでの光学系)のコンストラクションデー
タを示す。この光学系に用いられているシリンドリカル
レンズ4の焦点距離f1は30mm、シリンドリカルレンズ5
の焦点距離f2は-16mmである。
【0054】また、表1に示すコンストラクションデー
タにおいて、Si(i=1,2,3…)はビームスプリッタ3側か
ら数えてi番目の面Si、riy(i=1,2,3…)はビームスプリ
ッタ3側から数えてi番目の面Siの主走査方向の曲率半
径、riz(i=1,2,3…)はビームスプリッタ3側から数えて
i番目の面Siの副走査方向の曲率半径、di(i=1,2,3…)は
ビームスプリッタ3側から数えてi番目の軸上面間隔、N
i(i=1,2,3…)はビームスプリッタ3側から数えてi番目
のレンズの波長780nmの光線に対する屈折率、である。
なお、コンストラクションデータ中、半導体レーザ素子
1,1’;コリメータレンズ2,2’及びビームスプリ
ッタ3の構成は省略しているが、シリンドリカルレンズ
4のビームスプリッタ3側の面S1には、物体距離無限遠
の平行光束が入射するものとする。
【0055】
【表1】
【0056】表1に示す光学系を備えた第1実施形態の
レーザ走査光学装置において、環境温度が20℃から4
0℃まで変化した場合のシミュレーション結果を、表2
に示す。ただし、そのシミュレーション結果は、主走査
方向及び副走査方向のスポット径が最小となる位置を、
被走査面25aを基準としてmm単位で表したものであ
る。
【0057】
【表2】
【0058】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置で
は、温度変化に対して光学系全体の焦点距離の変化が再
現性よく現れるため、焦点距離の変動に関しては表2に
示す結果が常に期待できる。しかしながら、従来の光源
装置が用いられたレーザ走査光学装置では、温度変化に
対する挙動に再現性がないため、上記コンストラクショ
ンデータで示すような各シリンドリカルレンズを設計す
ることができない。
【0059】次に、このレーザ走査光学装置における焦
点距離の温度補償条件について、実際の設計手順を示し
ながら説明する。第1実施形態のレーザ走査光学装置
は、環境温度の変動により発生する光学系の焦点距離の
変動を補償するために、具体的には次の手順(1)〜(3)
で設計されている。
【0060】(1):被走査面25a上でのスポット径や
ポリゴンミラー6の回転速度等から、主走査方向の屈折
力配置及びシリンドリカルレンズ24の屈折力を決定す
る。 (2):上記(1)で決定された屈折力配置に対して、主走
査方向における単位温度あたりの焦点距離変動を計算
し、その計算に基づいて光源装置A,Bの構成を決定す
る。 (3):上記(2)で決定した光源装置A,Bに対して、副
走査方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズ
4,5の屈折力配置を決定する。
【0061】上記手順(1)〜(3)に従って設計された第
1実施形態のレーザ走査光学装置について、光源装置
A,Bとシリンドリカルレンズ4,5との実際の設計手
順を説明する。なお、以下の考察では光源装置Aを例に
挙げるが、光源装置Bに関してもその設計手順等は全く
同様である。
【0062】図11は、第1実施形態に係るレーザ走査
光学装置の主走査方向断面の屈折力配置を示す模式図で
ある。図中、Sは半導体レーザ素子1の光源(発光点)、
fcはコリメータレンズ2の焦点距離、fMは走査レンズ群
13の主走査方向の焦点距離、Pはポリゴンミラー6の
偏向面、Iは感光体ドラム25の被走査面25aであ
る。この主走査断面での屈折力配置は、被走査面Iでの
所望の画像性能から決定される。また、Lは半導体レー
ザ素子1とコリメータレンズ2との間隔を表し、ΔLBM
は主走査方向においてスポット径が最小となる位置の被
走査面Iからの光軸方向の誤差(ただし、光源Sから遠
くなる方向を正とする。)を表す。
【0063】このレーザ走査光学装置の主走査方向にお
ける、環境温度の変化に対する被走査面I上でのスポッ
ト径の変動要因には、半導体レーザ素子1とコリメータ
レンズ2との間隔変動の他に、レーザ光源(半導体レ
ーザ素子1)の発振波長の変動による、コリメータレン
ズ2及び走査レンズ群13(走査レンズ7,8)での軸上
色収差の変動,コリメータレンズ2の屈折力の変動,
走査レンズ群13の屈折力の変動、がある。レーザ走
査光学装置を具体化するにあたっては、主走査方向にお
いて、これらの4つの要因を図12に示すように組み合
わせる。つまり、半導体レーザ素子1とコリメータレン
ズ2との間隔変動によって、上記〜の変動が相殺さ
れるように計算して光源装置Aを設計する。
【0064】表3に、焦点距離fcが15mmのコリメータレ
ンズ2を用い、環境温度の変動量ΔTを20℃としたと
きの、ΔLBMに対する各変動要因〜の寄与と、変動
要因〜のすべての寄与を合計した総和ΣΔLBM、の
主走査方向における計算結果を示す。ただし、表3に示
すΔLBMの計算にあたっては、表4に示す各硝材の線膨
張係数α,屈折率の温度変化率dn/dTの値を用い、温度
変動によるレンズ形状の変化は、相似関係を保持しなが
ら行われるものと仮定している。したがって、各面の曲
率半径は、表4に示す線膨張係数αに環境温度の変動量
ΔTを乗じて計算されている。また、半導体レーザ素子
1の温度変化による発振波長変化率dλ/dTとして、dλ/
dT=0.23nm/degを用いている。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】表3の計算結果から分かるように、図11
に示す屈折力配置では、環境温度が20℃変化すると、
スポット径が最小となる位置は、主走査方向において1.
665mmだけ半導体レーザ素子1から離れる方向に変化す
る。そこで、環境温度が20℃変化する際に、半導体レ
ーザ素子1とコリメータレンズ2との間隔変動によって
ΔLBM=-1.665mm程度となるように光源装置Aを設計すれ
ば、主走査方向における温度補償が達成されることにな
る。
【0068】今、仮に光源装置Aがすべてアルミニウム
(線膨張係数αAL=23×10-6)で構成されているとする
と、光源装置Aを原因として発生するΔLBMは、ΔLBM=-
2.200mmとなり、アルミニウムでは補正しすぎる結果と
なる。ΔLBM=-1.665mm程度となる光源装置Aの材料とし
ては、線膨張係数αが以下の値を有するものが要求され
る。 α=αAL×1.665/2.220 =17.3×10-6
【0069】しかしながら、光源装置A(図6〜図9)に
おいては、半導体レーザ素子1を保持するレーザ保持部
材101と、コリメータレンズ2の鏡筒104を保持す
る第1,第2鏡筒保持部材102,103とは、前述し
たように異種の材料で構成される必要がある。したがっ
て、異種の材料の接合を加味して光源装置A全体の見か
け上の線膨張係数αM(以下このような見かけ上の線膨張
係数を加重平均線膨張係数と記す。)が上記の値αとな
るように、レーザ保持部材101と第1,第2鏡筒保持
部材102,103とのそれぞれの構成を決定しなけれ
ばならない。
【0070】図13は、異なる2つの材料M1とM2と
を接合した場合のサイズと線膨張係数との関係をモデル
化した模式図である。図13に示すモデルにおいて、全
長をLtotalとし、材料M1の全長方向の長さをxと
し、材料M1,M2の線膨張係数をそれぞれα1,α2と
する。このモデルにおいて、各材料M1,M2に対する
線膨張係数α1,α2と加重平均線膨張係数αMとの関係
は、以下の式(1)で規定される。 αM・Ltotal=α1・x+α2・(Ltotal-x) …(1)
【0071】第1実施形態に係る光源装置Aに対して上
記式(1)を適用する。式(1)にαM=17.3×10-6,Ltotal=1
5mm,α1=23×10-6(アルミニウムの値),α2=11.7×10
-6(鉄の値)をそれぞれ代入してxを求めると、以下の値
が導出される。 x=7.43
【0072】したがって、第1実施形態に係る光源装置
Aにおいて、コリメータレンズ2の焦点距離が15mm
のときに、加重平均線膨張係数αMの値をαM=17.3×10
-6とするには、アルミニウムを材料とする部材を7.43mm
とし、鉄を材料とする部材を7.57mmとすればよいことが
分かる。つまり、第1実施形態に係る光源装置Aでは、
2つの部材の接合位置を以下の(A),(B)のように決定す
れば、主走査方向における各部材の配置が決定される。 (A):レーザ保持部材101はニッケル表面処理を施し
た鉄からなっているので、半導体レーザ素子1の発光位
置から接合面105までの光軸方向の長さを7.57mmとす
る。 (B):第1鏡筒保持部材102はアルミニウムからなっ
ているので、コリメータレンズ2の光軸方向の位置から
接合面105までの光軸方向の長さを7.43mmとする。
【0073】次に、上記光源装置Aの主走査方向の構成
に基づいて副走査方向の構成を決定する。図14は、第
1実施形態に係るレーザ走査光学装置の副走査方向断面
の屈折力配置を示す模式図である。図中、Sは半導体レ
ーザ素子1の光源(発光点)、fcはコリメータレンズ2の
焦点距離、f1はシリンドリカルレンズ4の焦点距離、f2
はシリンドリカルレンズ5の焦点距離、fはシリンドリ
カルレンズ4,5(シリンドリカルレンズ群12)の合成
焦点距離、fSは走査レンズ群13とシリンドリカルレン
ズ24との副走査方向の合成焦点距離、Pはポリゴンミ
ラー6の偏向面、Iは感光体ドラム25の被走査面25
aである。また、Lは半導体レーザ素子1とコリメータ
レンズ2との間隔を表し、dはシリンドリカルレンズ
4,5の面間隔、S2'はシリンドリカルレンズ5の像側
面から偏向面Pまでの距離、ΔLBSは副走査方向におい
てスポット径が最小となる位置の被走査面Iからの光軸
方向の誤差(光源Sから遠くなる方向を正とする。)を表
す。さらに、偏向面Pから被走査面Iまでの光学系倍率
をβとする。
【0074】副走査方向の各焦点距離の値のうち、fSは
面倒れ補正に対する感度や被走査面I上での所望のスポ
ット径から決定される。また、第1実施形態の場合、β
=-0.73としている。したがって、副走査方向において
は、β=-0.73となるfSに対して整合するとともに、全系
の副走査方向の焦点距離変化を補償するように、シリン
ドリカルレンズ4,5の屈折力を決定すればよい。
【0075】このレーザ走査光学装置の副走査方向にお
ける、環境温度の変化に対する被走査面I上でのスポッ
ト径の変動要因には、半導体レーザ素子1とコリメータ
レンズ2との間隔変動の他に、レーザ光源(半導体レ
ーザ素子1)の発振波長の変動による、コリメータレン
ズ2,走査レンズ群13(走査レンズ7,8)及びシリン
ドリカルレンズ24での軸上色収差の変動,コリメー
タレンズ2の屈折力の変動,走査レンズ群13の屈折
力の変動,シリンドリカルレンズ群12(シリンドリ
カルレンズ7,8)の屈折力の変動,レーザ光源の発
振波長の変動による、シリンドリカルレンズ群12での
軸上色収差の変動、がある。レーザ走査光学装置を具体
化するにあたっては、副走査方向において、これらの6
つの要因を図15に示すように組み合わせる。つまり、
上記及びが適切な値となるようにシリンドリカルレ
ンズ4,5の形状を決定し、半導体レーザ素子1とコリ
メータレンズ2との間隔変動と上記〜の変動とを合
成した変動が、上記及びによって相殺されるように
設計する。
【0076】表5に、主走査方向について決定された光
源装置Aにおいて、環境温度の変動量ΔTを20℃とし
たときの、ΔLBSに対する各変動要因(つまり、変動要因
〜,半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2との
間隔変動)の寄与と、変動要因のすべての寄与を合計し
た総和ΣΔLBS、の副走査方向における計算結果を示
す。ただし、表5に示すΔLBSの計算にあたっては、表
6に示す各硝材の線膨張係数α,屈折率の温度変化率dn
/dTの値を用い、温度変動によるレンズ形状の変化は、
相似関係を保持しながら行われるものと仮定している。
したがって、各面の曲率半径は、表6に示す線膨張係数
αに環境温度の変動量ΔTを乗じて計算されている。ま
た、半導体レーザ素子1の温度変化による発振波長変化
率dλ/dTとして、dλ/dT=0.23nm/degを用いている。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】表5の計算結果から分かるように、図14
に示す屈折力配置では、環境温度が20℃変化すると、
スポット径が最小となる位置は、副走査方向において1.
256mmだけ半導体レーザ素子1から離れる方向に変化す
る。そこで、環境温度が20℃変化する際に、シリンド
リカルレンズ4,5によってΔLBS=-1.256mm程度となる
ようにシリンドリカルレンズ4,5の屈折力を設計すれ
ば、副走査方向における温度補償が達成されることにな
る。
【0080】例えば、BK7からなる正レンズをシリン
ドリカルレンズ4として用い、AC(樹脂)からなる負レ
ンズをシリンドリカルレンズ5として用いた場合、fSの
値と整合しつつΔLBS=-1.256mm程度となるシリンドリカ
ルレンズ4,5の屈折力の組み合わせは、表7に示すよ
うに複数解存在する。
【0081】
【表7】
【0082】このうち、例えばf1=30,f2=-16の場合につ
いてΔLBSを計算すると、表8に示すようになる。ただ
し、表8に示すΔLBSの計算にあたっては、表6に示す
各硝材の線膨張係数α,屈折率の温度変化率dn/dTの値
を用い、温度変動によるレンズ形状の変化は、相似関係
を保持しながら行われるものと仮定している。したがっ
て、各面の曲率半径は、表6に示す線膨張係数αに環境
温度の変動量ΔTを乗じて計算されている。また、半導
体レーザ素子1の温度変化による発振波長変化率dλ/dT
として、dλ/dT=0.23nm/degを用いている。
【0083】
【表8】
【0084】以上のようにして、ΣΔLBS=-1.234が得ら
れる。副走査方向においては、この値と表5に示すΣΔ
LBS=1.256とが相殺されるため、環境温度の変動が20
℃の場合のトータルのΣΔLBSは、以下に示すように非
常に小さな値となる。したがって、環境温度が変動して
も光学系全体の焦点距離が変化しない具体的なレーザ走
査光学装置は、以上説明したように設計可能である。 ΣΔLBS(total)=1.256+(-1.234) =0.022(mm)
【0085】《第2実施形態(図16〜図21)》次に、
本発明に係る第2実施形態を説明する。図16は第2実
施形態に係るレーザ走査光学装置の上面図であり、図1
7はそのレーザ走査光学装置を正面側から見たときの縦
断面図である。このレーザ走査光学装置は、前記第1実
施形態に係る光源装置Aと同一構成の光源装置A,シリ
ンドリカルレンズ群205,ポリゴンミラー206,走
査レンズ群210,自由曲面レンズ211,ミラー21
2,感光体ドラム213等を備えている。
【0086】光源装置Aは、前述したようにレーザビー
ムを射出する半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2
とを、内部に保持している。シリンドリカルレンズ群2
05は、副走査方向にのみ正の屈折力を有するシリンド
リカルレンズ203と、プラスチックを材料とし副走査
方向にのみ負の屈折力を有するシリンドリカルレンズ2
04とからなっている。走査レンズ群210は、負の屈
折力を有する走査レンズ207と、正の屈折力を有する
走査レンズ208と、正の屈折力を有する走査レンズ2
09とからなっている。自由曲面レンズ211は、プラ
スチックを材料とし副走査方向にのみ正の屈折力を有し
ている。感光体ドラム213は、被走査面213aとな
る感光体表面を備えている。
【0087】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置
は、第1実施形態に係るレーザ走査光学装置と同様に、
概略、光源装置Aから射出されたレーザビームがポリゴ
ンミラー206によって偏向され、感光体ドラム213
上を走査する構成となっている。第1実施形態に係るレ
ーザ走査光学装置と第2実施形態に係るレーザ走査光学
装置との相違点としては、光源装置Aが1つである
点,半導体レーザ素子1の発光位置が、コリメータレ
ンズ2の焦点位置からわずかにずれて配置されており、
コリメータレンズ2からは収束光が射出される点,走
査レンズ群210が3枚のレンズからなる点,感光体
ドラム213側に配置されるシリンドリカルレンズ21
1が、副走査方向には屈折力を有しない拡張トーリック
面で定義される自由曲面レンズである点、が挙げられ
る。
【0088】表9に、第2実施形態を構成している光学
系(半導体レーザ素子1のウィンドウガラスから被走査
面213aまでの光学系)のコンストラクションデータ
を示す。ただし、表9に示すコンストラクションデータ
において、Si(i=1,2,3…)は半導体レーザ素子1側から
数えてi番目の面Si、riy(i=1,2,3…)は半導体レーザ素
子1側から数えてi番目の面Siの主走査方向の曲率半
径、riz(i=1,2,3…)は半導体レーザ素子1側から数えて
i番目の面Siの副走査方向の曲率半径、di(i=1,2,3…)は
半導体レーザ素子1側から数えてi番目の軸上面間隔、N
i(i=1,2,3…)は半導体レーザ素子1側から数えてi番目
のレンズの波長780nmの光線に対する屈折率、である。
【0089】
【表9】
【0090】表9のコンストラクションデータにおい
て、*印が付された面S4(コリメータレンズ2の像側面)
は、軸対称非球面で構成された面であることを示し、非
球面の面形状を表わす次の式(AS)で定義されるものとす
る。また、表10に、面S4の非球面係数Ai及び2次曲線
パラメータεの値を示す。
【0091】
【数1】
【0092】但し、式(AS)中、 X :光軸方向の基準面からの変位量、 Y :光軸に対して垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 ε:2次曲線パラメータ、 Ai:i次の非球面係数 である。
【0093】
【表10】
【0094】表9のコンストラクションデータにおい
て、s印が付された面S5,S8は、副走査方向にのみ屈折力
を有するシリンドリカル面であることを示す。また、表
9のコンストラクションデータにおいて、+印が付され
た面S20は、拡張トーリック面で構成された面であるこ
とを示し、拡張トーリック面の面形状を表す以下の一般
式(TA)で定義されるものとする。式(TA)中のκ,ρ,A
は、式(TB),(TC),(TD)でそれぞれ表され、式(TD)中のa
i,jについては、a0,0≡0,ai,1≡0,a1,j≡0であ
る。ただし、以下の式(TA)〜(TD)は、3次元空間座標
(x:光軸方向,y:主走査方向,z:副走査方向)において定義
されているものとする。
【0095】
【数2】
【0096】上記拡張トーリック面は、基準zトーリッ
ク面に2次元的な付加項A(y,z)を加えたものとして得
られる。ここで、主走査断面における曲線を主曲線、副
走査断面における曲線をプロファイル曲線とすると、
Κ,cはそれぞれ面頂点での主曲線方向,プロファイル
曲線方向の曲率(正確には、それぞれΚ+2a0,2,c+2
2,0)を表し、μ,εはそれぞれ主曲線方向,プロファ
イル曲線方向の2次曲線パラメータを表す。これらのパ
ラメータの値を表11に示す。
【0097】
【表11】
【0098】また、自由曲面レンズ211は、通常のシ
リンドリカルレンズとは異なり、主走査方向について対
称軸を有している。第2実施形態に係るレーザ走査光学
装置では、この自由曲面レンズ211の対称軸を、走査
レンズ群210の光軸から主走査方向の上流側へ150mm
ずらせて配置している。このように配置することによ
り、走査レンズ群210で発生する像面湾曲の非対称性
(つまり、主走査方向の上流側と下流側との非対称性)を
補正することができる。
【0099】表9に示す光学系を備えた第2実施形態の
レーザ走査光学装置において、環境温度が20℃から4
0℃まで変化した場合のシミュレーション結果を、表1
2に示す。ただし、そのシミュレーション結果は、主走
査方向及び副走査方向のスポット径が最小となる位置
を、被走査面213aを基準としてmm単位で表したもの
である。
【0100】
【表12】
【0101】図18は、第2実施形態に係るレーザ走査
光学装置の主走査方向断面の屈折力配置を示す模式図で
ある。図中、Sは半導体レーザ素子1の光源(発光点)、
fcはコリメータレンズ2の焦点距離、fMは走査レンズ群
210の主走査方向の焦点距離、Pはポリゴンミラー2
06の偏向面、Iは感光体ドラム213の被走査面21
3aである。この主走査断面での屈折力配置は、被走査
面Iでの所望の画像性能から決定される。また、Lは半
導体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間隔を表
し、Dは偏向面Pからコリメータレンズ2が形成する仮
想像点位置(物点)OPまでの距離、ΔLBMは主走査方向
においてスポット径が最小となる位置の被走査面Iから
の光軸方向の誤差(ただし、光源Sから遠くなる方向を
正とする。)を表す。
【0102】このレーザ走査光学装置の主走査方向にお
ける、環境温度の変化に対する被走査面I上でのスポッ
ト径の変動要因には、第1実施形態の場合と同様、半導
体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間隔変動の他
に、レーザ光源(半導体レーザ素子1)の発振波長の変
動による、コリメータレンズ2及び走査レンズ群210
(走査レンズ207,208,209)での軸上色収差の
変動,コリメータレンズ2の屈折力の変動,走査レ
ンズ群210の屈折力の変動、がある。レーザ走査光学
装置を具体化するにあたっては、主走査方向において、
これらの4つの要因を図19のように組み合わせる。つ
まり、半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間
隔変動によって、上記〜の変動が相殺されるように
計算して光源装置Aを設計する。
【0103】表13に、焦点距離fcが15mmのコリメータ
レンズ2を用い、環境温度の変動量ΔTを20℃とした
ときの、ΔLBMに対する各変動要因〜の寄与と、変
動要因〜のすべての寄与を合計した総和ΣΔLBM、
の主走査方向における計算結果を示す。ただし、表13
に示すΔLBMの計算にあたっては、表14に示す各硝材
の線膨張係数α,屈折率の温度変化率dn/dTの値を用
い、温度変動によるレンズ形状の変化は、相似関係を保
持しながら行われるものと仮定している。したがって、
各面の曲率半径は、表14に示す線膨張係数αに環境温
度の変動量ΔTを乗じて計算されている。また、半導体
レーザ素子1の温度変化による発振波長変化率dλ/dTと
して、dλ/dT=0.23nm/degを用いている。
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】表13の計算結果から分かるように、図1
8に示す屈折力配置では、環境温度が20℃変動する
と、スポット径が最小となる位置は、主走査方向におい
て1.9137mmだけ半導体レーザ素子1から離れる方向に変
化する。そこで、環境温度が20℃変化する際に、半導
体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間隔変動によ
ってΔLBM=-1.9137mm程度となるように光源装置Aを設
計すれば、主走査方向における温度補償が達成されるこ
とになる。
【0107】第2実施形態においても第1実施形態の場
合と同様の計算を行い、加重平均線膨張係数αMを求め
ると、以下の値が計算される。 αM=16.75×10-6
【0108】この値αMを前述の式(1)に代入して、第2
実施形態に係る光源装置Aに対してxを求めると、以下
の値が導出される。 x=7.37
【0109】したがって、第2実施形態に係る光源装置
Aにおいて、半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2
との間隔Lが16.5mmのときに、加重平均線膨張係数αM
の値をαM=16.75×10-6とするには、アルミニウムを材
料とする部材を7.37mmとし、鉄を材料とする部材を9.13
mmとすればよいことが分かる。つまり、第2実施形態に
係る光源装置Aでは、2つの部材の接合位置を以下の
(C),(D)のように決定すれば、主走査方向における各部
材の配置が決定される。 (C):レーザ保持部材101はニッケル表面処理を施し
た鉄からなっているので、半導体レーザ素子1の発光位
置から接合面105までの光軸方向の長さを9.13mmとす
る。 (D):第1鏡筒保持部材102はアルミニウムからなっ
ているので、コリメータレンズ2の光軸方向の位置から
接合面105までの光軸方向の長さを7.37mmとする。
【0110】次に、上記光源装置Aの主走査方向の構成
に基づいて副走査方向の構成を決定する。図20は、第
2実施形態に係るレーザ走査光学装置の副走査方向断面
の屈折力配置を示す模式図である。図中、Sは半導体レ
ーザ素子1の光源(発光点)、fcはコリメータレンズ2の
焦点距離、f1はシリンドリカルレンズ203の焦点距
離、f2はシリンドリカルレンズ204の焦点距離、fは
シリンドリカルレンズ203,204(シリンドリカル
レンズ群205)の合成焦点距離、fSは走査レンズ群2
10と自由曲面レンズ211との副走査方向の合成焦点
距離、Pはポリゴンミラー206の偏向面、Iは感光体
ドラム213の被走査面213aである。また、Lは半
導体レーザ素子1とコリメータレンズ2との間隔を表
し、dはシリンドリカルレンズ203,204の面間
隔、S2'はシリンドリカルレンズ204の像側面から偏
向面Pまでの距離、Dは偏向面Pからコリメータレンズ
2が形成する仮想像点位置(物点)OPまでの距離、ΔLB
Sは副走査方向においてスポット径が最小となる位置の
被走査面Iからの光軸方向の誤差(光源Sから遠くなる
方向を正とする。)を表す。さらに、偏向面Pから被走
査面Iまでの光学系倍率をβとする。
【0111】副走査方向の各焦点距離の値のうち、fSは
面倒れ補正に対する感度や被走査面I上での所望のスポ
ット径から決定される。第2実施形態の場合も第1実施
形態と同様に、fSに対して整合するとともに、全系の副
走査方向の焦点距離変化を補償するように、シリンドリ
カルレンズ203,204の屈折力を決定すればよい。
【0112】このレーザ走査光学装置の副走査方向にお
ける、環境温度の変化に対する被走査面I上でのスポッ
ト径の変動要因には、半導体レーザ素子1とコリメータ
レンズ2との間隔変動の他に、レーザ光源(半導体レ
ーザ素子1)の発振波長の変動による、コリメータレン
ズ2,走査レンズ群210(走査レンズ207,20
8,209)及びシリンドリカルレンズ211での軸上
色収差の変動,コリメータレンズ2の屈折力の変動,
走査レンズ群210の屈折力の変動,シリンドリカ
ルレンズ群205(シリンドリカルレンズ203,20
4)の屈折力の変動,レーザ光源の発振波長の変動に
よる、シリンドリカルレンズ群205での軸上色収差の
変動、がある。レーザ走査光学装置を具体化するにあた
っては、副走査方向において、これらの6つの要因を図
21に示すように組み合わせる。つまり、上記及び
が適切な値となるようにシリンドリカルレンズ203,
204の形状を決定し、半導体レーザ素子1とコリメー
タレンズ2との間隔変動と上記〜の変動とを合成し
た変動が、上記及びによって相殺されるように設計
する。
【0113】表15に、主走査方向について決定された
光源装置Aにおいて、環境温度の変動量ΔTを20℃と
したときの、ΔLBSに対する各変動要因(つまり、変動要
因〜,半導体レーザ素子1とコリメータレンズ2と
の間隔変動)の寄与と、変動要因のすべての寄与を合計
した総和ΣΔLBS、の副走査方向における計算結果を示
す。ただし、表15に示すΔLBSの計算にあたっては、
表16に示す各硝材の線膨張係数α,屈折率の温度変化
率dn/dTの値を用い、温度変動によるレンズ形状の変化
は、相似関係を保持しながら行われるものと仮定してい
る。したがって、各面の曲率半径は、表16に示す線膨
張係数αに環境温度の変動量ΔTを乗じて計算されてい
る。また、半導体レーザ素子1の温度変化による発振波
長変化率dλ/dTとして、dλ/dT=0.23nm/degを用いてい
る。
【0114】
【表15】
【0115】
【表16】
【0116】表15の計算結果から分かるように、図2
0に示す屈折力配置では、環境温度が20℃変動する
と、スポット径が最小となる位置は、副走査方向におい
て2.5633mmだけ半導体レーザ素子1から離れる方向に変
化する。そこで、環境温度が20℃変化する際に、シリ
ンドリカルレンズ203,204によってΔLBS=-2.563
3mm程度となるようにシリンドリカルレンズ203,2
04の屈折力を設計すれば、副走査方向における温度補
償が達成されることになる。
【0117】例えば、BK7から成る正レンズをシリン
ドリカルレンズ204として用い、アモルファスポリオ
レフィン(樹脂)からなる負レンズをシリンドリカルレン
ズ203として用いた場合、fSの値と整合しつつΔLBS=
-2.5633mm程度となるシリンドリカルレンズ203,2
04の屈折力の組み合わせは、表17に示すように複数
解存在する。
【0118】
【表17】
【0119】このうち、例えばf1=30,f2=-30の場合につ
いてΔLBSを計算すると、表18に示すようになる。た
だし、表18に示すΔLBSの計算にあたっては、表16
に示す各硝材の線膨張係数α,屈折率の温度変化率dn/d
Tの値を用い、温度変動によるレンズ形状の変化は、相
似関係を保持しながら行われるものと仮定している。し
たがって、各面の曲率半径は、表16に示す線膨張係数
αに環境温度の変動量ΔTを乗じて計算されている。ま
た、半導体レーザ素子1の温度変化による発振波長変化
率dλ/dTとして、dλ/dT=0.23nm/degを用いている。
【0120】
【表18】
【0121】以上のようにして、ΣΔLBS=-2.5613が得
られる。副走査方向においては、この値と表15に示す
ΣΔLBS=2.5633とが相殺されるため、環境温度の変動が
20℃の場合のトータルのΣΔLBSは、以下に示すよう
に非常に小さな値となる。したがって、環境温度が変動
しても光学系全体の焦点距離が変化しない具体的なレー
ザ走査光学装置は、以上説明したように第2実施形態に
ついても設計可能である。 ΣΔLBS(total)=2.5633+(-2.5613) =0.020(mm)
【0122】《第3実施形態(図22)》次に、本発明に
係る第3実施形態を説明する。図22は、第3実施形態
に係るレーザ走査光学装置の画像書き込み光学系を示す
斜視図である。このレーザ走査光学装置の光学系は、半
導体レーザ素子301,鏡筒302,フォーカシングレ
ンズ303,シリンドリカルレンズ304,折り返しミ
ラー305,ポリゴンミラー306(第1実施形態に用
いられているものと同じ。),走査レンズ群309(第1
実施形態に用いられているものと同じ。),シリンドリ
カルレンズ310,ミラー311,感光体ドラム31
2、等を備えている。
【0123】レーザビームを射出する半導体レーザ素子
301と、内部にコリメータレンズ(図示せず)を保持す
る鏡筒302とは、前述した第1実施形態に係る光源装
置Aと同一の光源装置Aを構成しており、前記保持部材
101〜103で保持されている。シリンドリカルレン
ズ304は、副走査方向にのみ正の屈折力を有してい
る。走査レンズ群309は、負の屈折力を有する走査レ
ンズ307と正の屈折力を有する走査レンズ308とか
らなっている。シリンドリカルレンズ310は、副走査
方向にのみ正の屈折力を有している。感光体ドラム31
2は、被走査面312aとなる感光体表面を備えてい
る。
【0124】また、フォーカシングレンズ303は、光
軸方向に移動可能なベース板313上に取り付けられて
いる。このベース板313の側面にはラック313aが
形成されており、ステッピングモータ315の軸に設け
られているピニオンギア314と噛合している。ステッ
ピングモータ315が回転すると、ピニオンギア314
が回転し、ラック313aを介してフォーカシングレン
ズ303が光軸方向に移動する。この機構によって、フ
ォーカシングレンズ303を光軸方向に移動させること
ができる。
【0125】ステッピングモータ315は、フォーカシ
ングレンズ駆動制御部350と接続されている。フォー
カシングレンズ駆動制御部350は、演算部351から
の制御信号によって制御され、演算部351が出力する
信号に基づいて、ステッピングモータ315に駆動パル
スを出力する。また、演算部351には、設定温度に相
当する電圧値及びこの電圧値が変化した場合のフォーカ
シングレンズ303の移動量を格納した記憶部353
と、温度に応じた電圧値を出力する温度センサ352と
が接続されている。
【0126】以上の構成において、半導体レーザ素子3
01から射出されたレーザビームは、鏡筒302内に保
持されているコリメータレンズと、フォーカシングレン
ズ303とによって平行光束とされた後、副走査方向に
ついてはシリンドリカルレンズ304の作用によって、
ポリゴンミラー306の偏向面上で主走査方向に長さを
有する線状となる。
【0127】シリンドリカルレンズ304によってポリ
ゴンミラー306の偏向面近傍で副走査方向に一旦集光
されたレーザビームは、ポリゴンミラー306の偏向面
が矢印a方向(図22)に回転することによって、主走査
方向(矢印b方向)に偏向される。ポリゴンミラー306
の偏向面で偏向されたレーザビームは、走査レンズ群3
09によって主走査方向に集光される。また、走査レン
ズ群309と感光体ドラム312との間に配設されてい
る、副走査方向に正の屈折力を有するシリンドリカルレ
ンズ310によって、レーザビームは副走査方向に集光
される。以上のようにして、レーザビームは感光体ドラ
ム312上で結像することになる。そして、主走査はポ
リゴンミラー306の回転によって行われ、副走査は感
光体ドラム312が矢印c方向(図22)へ回転すること
によって行われる。
【0128】ところで、演算部351は、温度センサ3
52からの温度に応じた電圧出力を、所定のタイミング
で取り込む。演算部351は、この検出電圧と、記憶部
353に格納されている設定温度の電圧値と、を比較す
る。比較した結果、温度が変動していれば、演算部35
1は、更に記憶部353に格納されているフォーカシン
グレンズ移動量を取り込み、そして、フォーカシングレ
ンズ駆動制御部350に出力する。フォーカシングレン
ズ駆動制御部350は、フォーカシングレンズ303の
移動量に対応したパルスを発生させ、ステッピングモー
タ315を回転させる。その結果、温度変化に応じてフ
ォーカシングレンズ303が光軸方向に移動し、全体の
焦点距離が補正される。
【0129】このフォーカシング補正は、どのようなタ
イミングで行ってもよい。例えば、1ライン主走査する
ごとに行ってもよく、所定のライン数を主走査するごと
に行ってもよい。また、ラック313aとピニオンギア
314のピッチを非常に小さくすれば、画像形成中にフ
ォーカシング補正を行うことも可能である。このように
第3実施形態によれば、温度変化があっても、フォーカ
シングレンズ303を光軸方向に移動させることによっ
て、全系の焦点距離を補正することができる。なお、予
め温度変化に対するフォーカシングレンズ303の移動
補正量を記憶部353に格納することができるのは、温
度変化に対する光源装置Aの焦点距離の変化が予想可能
だからである。つまり、第3実施形態においても、光源
装置Aの焦点距離の変化が再現性よく発生するため、容
易にフォーカシング補正を行うことができるのである。
【0130】以上説明したように、第1〜第3実施形態
に係るレーザ走査光学装置においては、その光源装置
が、同種の材料からなる鏡筒と鏡筒保持手段とをコリメ
ータレンズの光軸に対して平行な面内で接合し、異種の
材料からなる鏡筒保持手段とレーザ保持手段とをコリメ
ータレンズの光軸に対して垂直な面内で接合した構成と
なっているため、これらの部材が熱膨張したときに、異
種の材料間の接合面で線膨張率の違いにより生じる滑り
やズレが、コリメータレンズの光軸方向に現れない。し
たがって、レーザ光源とコリメータレンズとの間の距離
は温度変化に伴って再現性よく変化し、その結果現れる
レーザ走査光学装置全体の焦点距離の変化を正確に予測
できるため、その焦点距離の変化を正確に補正すること
ができる。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た光源装置によれば、コリメータレンズの光軸に平行な
面を介して鏡筒を保持する鏡筒保持手段が、鏡筒と同種
の材料からなっているため、レーザ光源とコリメータレ
ンズとの間の距離が温度変化に対して再現性よく変化す
る。また、請求項2に記載した光源装置によれば、異種
の材料からなるレーザ保持手段と鏡筒保持手段とが、コ
リメータレンズの光軸に垂直な面を介して接合されてい
るため、レーザ光源とコリメータレンズとの間の距離が
温度変化に対して再現性よく変化する。
【0132】また、請求項3に記載したレーザ走査光学
装置は、請求項1に記載した光源装置と同様にレーザ光
源とコリメータレンズとの間の距離が温度変化に対して
再現性よく変化するので、温度変化に対する光学系全体
の焦点距離の変化を、補正手段によって容易に補正する
ことができる。また、請求項4に記載したレーザ走査光
学装置は、請求項2に記載した光源装置と同様にレーザ
光源とコリメータレンズとの間の距離が温度変化に対し
て再現性よく変化するので、温度変化に対する光学系全
体の焦点距離の変化を、補正手段によって容易に補正す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の画像
書き込み光学系を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置を示す
上面図である。
【図3】第1実施形態に係る光源装置及びその周辺部分
の構成を示す部分拡大図である。
【図4】第1実施形態のレーザ走査光学装置に適用可能
な1/2波長板の配置例を模式的に示す配置図である。
【図5】第1実施形態のレーザ走査光学装置に用いられ
ているシリンドリカルレンズ群の取り付け構造を示す部
分拡大図である。
【図6】第1実施形態に係る光源装置を示す正面図であ
る。
【図7】第1実施形態に係る光源装置を示す上面図であ
る。
【図8】第1実施形態に係る光源装置を示す側面図であ
る。
【図9】第1実施形態に係る光源装置を示す分解斜視図
である。
【図10】第1実施形態に係る光源装置を模式的に示す
概略構成図である。
【図11】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の主
走査断面における屈折力配置を示す図である。
【図12】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の主
走査方向における焦点距離の温度補償の考え方を示す模
式図である。
【図13】接合された2つの異なる材料のサイズと線膨
張係数との関係を模式的に示す図である。
【図14】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の副
走査断面における屈折力配置を示す図である。
【図15】第1実施形態に係るレーザ走査光学装置の副
走査方向における焦点距離の温度補償の考え方を示す模
式図である。
【図16】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置を示
す上面図である。
【図17】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置を正
面側から見たときの縦断面図である。
【図18】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置の主
走査断面における屈折力配置を示す図である。
【図19】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置の主
走査方向における焦点距離の温度補償の考え方を示す模
式図である。
【図20】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置の副
走査断面における屈折力配置を示す図である。
【図21】第2実施形態に係るレーザ走査光学装置の副
走査方向における焦点距離の温度補償の考え方を示す模
式図である。
【図22】第3実施形態に係るレーザ走査光学装置の画
像書き込み光学系を示す斜視図である。
【図23】従来の光源装置を模式的に示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1,1’,301:半導体レーザ素子(レーザ光源) 2,2’:コリメータレンズ 101,111:レーザ保持部材(レーザ保持手段) 102:第1鏡筒保持部材(鏡筒保持手段) 102a:V溝 103:第2鏡筒保持部材(鏡筒保持手段) 103a:凹溝 112:鏡筒保持部材(鏡筒保持手段) 104,113,302:鏡筒 105,114:接合面 115:接触面 A,B:光源装置 6,206,306:ポリゴンミラー(偏向器) 7,8,207,208,209,307,308:走
査レンズ(結像光学系) 13,210,309:走査レンズ群(結像光学系) 4,5,203,204:シリンドリカルレンズ(補正
手段) 12,24,205:シリンドリカルレンズ群(補正手
段) 211:自由曲面レンズ(補正手段) 303:フォーカシングレンズ(補正手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを射出するレーザ光源と、 前記レーザビームを略平行光束とするコリメータレンズ
    と、 前記コリメータレンズを保持する鏡筒と、 前記鏡筒と同種の材料からなり、前記コリメータレンズ
    の光軸に平行な面を介して前記鏡筒を保持する鏡筒保持
    手段と、を備えたことを特徴とする光源装置。
  2. 【請求項2】 レーザビームを射出するレーザ光源と、 前記レーザビームを略平行光束とするコリメータレンズ
    と、 前記コリメータレンズを保持する鏡筒と、 前記鏡筒を保持する鏡筒保持手段と、 前記鏡筒保持手段とは異種の材料からなり、前記コリメ
    ータレンズの光軸に垂直な面を介して前記鏡筒保持手段
    と接合されるとともに、前記レーザ光源を保持するレー
    ザ保持手段と、を備えたことを特徴とする光源装置。
  3. 【請求項3】 レーザビームを射出するレーザ光源と、
    前記レーザビームを略平行光束とするコリメータレンズ
    と、前記コリメータレンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒
    と同種の材料からなり、前記コリメータレンズの光軸に
    平行な面を介して前記鏡筒を保持する鏡筒保持手段と、
    を有する光源装置と、 前記光源装置から射出されたレーザビームを被走査面上
    に偏向走査する偏向器と、 レーザビームを被走査面上に結像させる結像光学系と、 前記レーザ光源とコリメータレンズとの間隔変化による
    被走査面上での結像状態の変化を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ走査光学装置。
  4. 【請求項4】 レーザビームを射出するレーザ光源と、
    前記レーザビームを略平行光束とするコリメータレンズ
    と、前記コリメータレンズを保持する鏡筒と、前記鏡筒
    を保持する鏡筒保持手段と、前記鏡筒保持手段とは異種
    の材料からなり、前記コリメータレンズの光軸に垂直な
    面を介して前記鏡筒保持手段と接合されるとともに、前
    記レーザ光源を保持するレーザ保持手段と、を有する光
    源装置と、 前記光源装置から射出されたレーザビームを被走査面上
    に偏向走査する偏向器と、 レーザビームを被走査面上に結像させる結像光学系と、 前記レーザ光源とコリメータレンズとの間隔変化による
    被走査面上での結像状態の変化を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ走査光学装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008300591A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Brother Ind Ltd 光源装置、露光装置および画像形成装置
US7525561B2 (en) 2002-07-02 2009-04-28 Ricoh Company, Ltd. Optical scanner and image forming apparatus
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JP2014157178A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Mitsubishi Electric Corp 円筒型光部品の固定構造及びその固定方法

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