JPH091537A - プレキャストコンクリート製品成形用鉄筋緊張装置 - Google Patents

プレキャストコンクリート製品成形用鉄筋緊張装置

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JPH091537A
JPH091537A JP7173887A JP17388795A JPH091537A JP H091537 A JPH091537 A JP H091537A JP 7173887 A JP7173887 A JP 7173887A JP 17388795 A JP17388795 A JP 17388795A JP H091537 A JPH091537 A JP H091537A
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JP
Japan
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joint ring
collar
plate
inclined surface
reinforcing bar
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Application number
JP7173887A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujishiro
誠 藤代
Yoshiharu Hosoda
由晴 細田
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Toyota Kihan KK
Original Assignee
Toyota Kihan KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジョイントリングの強度を高めることなく、
ジョイントリングの変形を防止し、これによって均一の
プレストレスを導入すること。 【構成】 型枠内に配置される鉄筋の緊張装置(20)
はジョイントリング(26)と、鉄筋(24)に連結さ
れるプレート(28)と、緊張板(30)とを備える。
ジョイントリングは複数のセクションからなり、各セク
ションが内方へ突出する第1のつば(50)と第2のつ
ば(52)とを有する。第1のつばの第2のつばに対向
する面(51)は、傾斜面であって第1のつばの外周か
ら内方へ離れるにつれて第2のつばに近づくように傾斜
する傾斜面として形成され、第2のつばの第1のつばに
対向する面(53)は、同様な傾斜面として形成されて
いる。プレートと緊張板とはそれぞれ前記傾斜面に密接
する傾斜面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレキャストコンクリ
ートパイルのような実質的に円筒状のプレキャストコン
クリート製品を成形する際に型枠内に配置する鉄筋を緊
張し、これによってプレキャストコンクリート製品にプ
レストレスを導入できる緊張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プレキャストコンクリートパイルを成形
する際、型枠内に配置した複数の鉄筋を緊張する装置が
提案されている(実公昭59-16181号公報)。この緊張装
置は、両端に半径方向の内方に突出するつばを有する、
前記型枠内に配置される複数割りのジョイントリング
と、前記鉄筋に連結され、前記ジョイントリングの一方
のつばに掛けられるプレートと、前記ジョイントリング
の他方のつばに掛けられる緊張板とを備える。
【0003】プレキャストコンクリートパイルを成形す
るとき、複数の鉄筋の一方の端部を型枠の一方の端部に
固定すると共に、複数の鉄筋の他方の端部をプレートに
連結し、ジョイントリングをプレートと緊張板とにそれ
ぞれ掛け渡し、型枠の他方の端部に配置する緊張板に緊
張荷重を付加する。この緊張荷重はジョイントリングか
らプレートを経て複数の鉄筋に個別荷重として分配さ
れ、個々の鉄筋を緊張する。この状態で型枠内にコンク
リートを投入して成形し、その後、養生してプレストレ
スが導入されたプレキャストコンクリートパイルができ
上がる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記緊張装置では、緊
張板を経てジョイントリングに20〜670tonの荷重を付加
する。その結果、図6の仮想線で示すように、ジョイン
トリング10が中立点Nを中心として半径方向の外方へ
向けて湾曲するように変形することがある。この変形に
よって2つのつば11、12が広がり過ぎると、ジョイ
ントリング10のつばの付け根近傍が塑性変形したり、
破壊したりして、安定したプレストレスの導入が難しく
なり、またジョイントリング10の再使用ができなくな
る。特に、前記塑性変形や破壊は、鉄筋13に連結され
ているプレート14を掛けるつば11の付け根近傍に起
こる傾向がある。
【0005】本発明の目的は、ジョイントリングの強度
を高めることなく、ジョイントリングの塑性変形や破壊
を防止し、これによって安定したプレストレスを導入で
きる、プレキャストコンクリート製品成形用鉄筋緊張装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プレキャスト
コンクリート製品の成形のために型枠内に配置される鉄
筋の緊張装置である。全体に筒状を呈するジョイントリ
ングが前記型枠内に滑動可能に配置される。前記ジョイ
ントリングは、複数のセクションを周方向に合せて形成
され、各セクションが径方向の内方へ突出する第1のつ
ばと第2のつばとを軸線方向の両端にそれぞれ有する。
前記第1のつばの前記第2のつばに対向する面は、傾斜
面であって前記第1のつばの外周から内方へ離れるにつ
れて前記第2のつばに近づくように傾斜する傾斜面とし
て形成され、前記第2のつばの前記第1のつばに対向す
る面は、前記第1のつばの前記傾斜面と同様な傾斜面ま
たは前記ジョイントリングの軸線に直交する直交面とし
て形成される。前記緊張装置は、さらに、前記鉄筋に連
結されるプレートであって前記ジョイントリングの前記
第1のつばの前記傾斜面に密接する傾斜面を有し、前記
第1のつばに掛けられるプレートと、前記ジョイントリ
ングの前記第2のつばの前記傾斜面または前記直交面に
密接する傾斜面または直交面を有し、前記第2のつばに
掛けられる緊張板とを備える、
【0007】請求項2に記載の発明では、全体に円筒状
を呈するジョイントリングが前記型枠内に滑動可能に配
置される。前記円筒状のジョイントリングは、複数の円
弧状のセクションを円周方向に合せて形成され、各セク
ションが半径方向の内方へ突出するつばを軸線方向の両
端にそれぞれ有する。これらつばの互いに対向する面
は、それぞれ傾斜面であって前記つばの外周から内方へ
離れるにつれて互いに対向するつばに近づくように傾斜
する傾斜面として形成される。この場合、鉄筋に連結さ
れるプレートは、前記ジョイントリングの一方のつばの
前記傾斜面に密接する傾斜面を有し、緊張板は、前記ジ
ョイントリングの他方のつばの前記傾斜面に密接する傾
斜面を有する。
【0008】
【作用および効果】緊張板を経てジョイントリングに荷
重を付加するとき、ジョイントリングの少なくとも1つ
のつばが特殊な形態の傾斜面を有することから、ジョイ
ントリングを外方へ向けて変形させる荷重成分が小さく
なり、結局、曲げモーメントが小さくなる。
【0009】鉄筋に連結されるプレートを掛けるつばが
前記傾斜面を有するため、この傾斜面を有するつばを含
むジョイントリングの部分に働く曲げモーメントが小さ
くなり、前記傾斜面を有するつばの塑性変形または破壊
を防止することができる。このことと、鉄筋が連結され
るプレートが前記傾斜面に密接する傾斜面を有するた
め、ジョイントリングからプレートへ荷重が均一に伝達
されることから、安定したプレストレスを鉄筋に導入す
ることができる。
【0010】ジョイントリングの強度を高めたり、材質
を変えたりすることなく、ジョイントリングに特殊な形
態の傾斜面を設けるだけで、ジョイントリングの塑性変
形を防止できる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、ジョイン
トリングの2つのつばがそれぞれ傾斜面を有することか
ら、ジョイントリングに働く曲げモーメントによる変形
をさらに小さくすることができる。これによって、つば
の塑性変形を防止し、安定したプレストレスの導入が一
層容易になる。
【0012】
【実施例】鉄筋の緊張装置20は、詳細断面を示す図1
を参照するに、プレキャストコンクリート製品の成形の
ために型枠22内に配置される鉄筋24を緊張するもの
であって、ジョイントリング26と、鉄筋24に連結さ
れるプレート28と、緊張板30とを備える。
【0013】型枠22は、全体の縦断面状態を示す図3
および横断面状態を示す図4を参照するに、2つの半円
筒状の第1型32と第2型34とからなり、これらを合
せて円筒状に形成されている。第1型32および第2型
34それぞれの外周で互いに他と接する部位には、軸線
Cに沿って一対のフランジ36、38が取り付けられて
おり、さらに、第1型32および第2型34の円周方向
に複数のタイヤ40、42がそれぞれ取り付けられてい
る。第1型32と第2型34との合せ面33は軸線Cを
通る円筒の直径上に位置するが、第1型32に取り付け
た一対のフランジ36と第2型に取り付けた一対のフラ
ンジ38との合せ面37は前記直径上からわずかに偏っ
て位置する。
【0014】図示の実施例の型枠22は遠心成形に用い
られるものであり、両合せ面33、37が一致すると、
成形時にコンクリートがこれら合せ面間の間隙を通って
外部へ漏れる。これを避けるために合せ面33、37の
位置をずらしてある。
【0015】第1型32に取り付けたタイヤ40と第2
型34に取り付けたタイヤ42とは、それぞれ半円形で
あり、第1型32と第2型34とを組み付けて対向する
フランジ36、38をボルト止めするとき円形となる。
これらタイヤ40、42を成形時にローラ(図示せず)
に載せ、そのローラのうちの少なくとも1つを駆動して
型枠22を回転させる。
【0016】ジョイントリング26は、型枠22内に滑
動可能に配置されるもので、全体に筒状を呈しており、
複数のセクションを周方向に合せて形成されている。ジ
ョイントリング26は、型枠22の内側面に接するよう
に型枠22内に配置されるため、結局、型枠22の形状
と同じ形状を有することとなる。図示の実施例では、ジ
ョイントリング26は、円周方向に180 °にわたってい
る、2つの半円筒状のセクション44、46からなり、
これらセクション44、46を円周方向に合せて円筒状
に形成されている。ジョイントリング26は、円周方向
に120 °にわたる3つのセクション、または円周方向に
90°にわたる4つのセクションなど、複数のセクション
で形成することができる。
【0017】ジョイントリング26の2つのセクション
44、46は、ジョイントリング26の軸線Cを含む仮
想面で切断した断面において同じ形状を有する。図2に
は、セクション44の断面を示してある。セクション4
4は、半径方向の内方Aへ突出する第1のつば50と第
2のつば52とを軸線方向の両端にそれぞれ有する。第
1のつば50の第2のつば52に対向する面51は、傾
斜面であって第1のつば50の外周から内方Aへ離れる
につれて第2のつば52に近づくように傾斜する傾斜面
として形成されている。一方、第2のつば52の第1の
つば50に対向する面53は、傾斜面であって第2のつ
ば52の外周から内方Aへ離れるにつれて第1のつば5
0に近づくように傾斜する傾斜面として形成されてい
る。その結果、面51、53は、ジョイントリング26
の軸線C(図1)を含む仮想面で切断した断面におい
て、内方Aへ向けて先細の形態になっている。
【0018】前記軸線Cに直交する仮想垂直面Pに対す
る面51の傾斜角αと、仮想垂直面Pに対する面53の
傾斜角βとは、傾斜の向きが異なる同じ大きさにするこ
ともでき、また異なる大きさにすることもできる。傾斜
角α、βの大きさは、後述するベクトル図を参照して定
めうる。傾斜角α、βの大きさが同じであれば、ジョイ
ントリング26の設置の方向性がなくなるため、第1の
つば50に後述するプレート28を掛け、第2のつば5
2に緊張板30を掛ける他、その逆、すなわち第1のつ
ば50に緊張板30を掛け、第2のつば52にプレート
28を掛けることもできる。
【0019】つば50の傾斜角αとつば52の傾斜角β
との大きさが異なる態様の特殊な例では、一定の大きさ
の傾斜角αに対し、傾斜角β=0、すなわち第2のつば
52の面53がジョイントリング26の軸線Cに直交す
る仮想垂直面Pと平行である面、換言すると、軸線Cに
直交する直交面とすることができる。この場合、つば5
0にプレート28を掛け、つば52に緊張板30を掛け
るようにする。これは、プレート28には後述するよう
に複数の鉄筋24が連結されるため、つば50の広がり
が鉄筋24への不均一荷重の原因となることから、つば
50の広がりを防止する必要があるのに対し、緊張板3
0ではつば52が若干広がっても、緊張板30からつば
52に伝達される荷重の均一、不均一に実質的に影響が
ないことによる。
【0020】プレート28は環状に形成されており、ジ
ョイントリング26の第1のつば50の傾斜面51に密
接する傾斜面56を外周に有し、第1のつば50に掛け
られる。傾斜面56は、傾斜面51と同じ大きさの傾斜
角を有する。プレート28には複数の鉄筋24が連結さ
れる。図示の実施例では、プレート28の傾斜面56よ
りも半径方向の内方に、円周方向に所定の間隔をおいて
複数の貫通穴58が開けられている。プレート28は、
貫通穴58に通したボルト60を継ぎ手金物62のねじ
穴にねじ込んで継ぎ手金物62に固定され、継ぎ手金物
62を介して鉄筋24に連結されている。継ぎ手金物6
2は、プレキャストコンクリート製品の骨組みとなる鉄
筋かごの長手方向に伸びる鉄筋24に固着されている。
【0021】緊張板30は実質的に円形であり、ジョイ
ントリング26の第2のつば52の面53の傾斜面また
は直交面に密接する傾斜面または直交面を有し、第2の
つば52に掛けられる。図示の実施例では、ジョイント
リング26の第2のつば52の面53は傾斜面であり、
緊張板30はつば52の傾斜面53に密接する傾斜面6
6を外周に有する。傾斜面66は、傾斜面53と同じ大
きさの傾斜角を有する。緊張板30の中央のボスにはテ
ンションバー70の端部がねじ込まれ、ロックナット7
2によって緩みが防止されている。
【0022】型枠22の一方の端部には口金74が着脱
可能に取り付けられている。口金74の中央には貫通穴
76が開けられており、テンションバー70が貫通穴7
6に通されている。口金74の外周部に肩部が形成さ
れ、この肩部が型枠22の端板78に嵌合され、口金7
4の半径方向の移動が阻止されている。口金74から外
部へ突出するテンションバー70の部分に外ねじ80が
設けられている。外ねじ80にワッシャ82を嵌め込
み、ナット84をねじ込む。その結果、ナット84はワ
ッシャ82を介して口金74に密接され、テンションバ
ー70を経て緊張板30に緊張力を付与する。
【0023】型枠22の他方の端部には、図3に示すよ
うに、緊張板30を経て加わる荷重の反力を受ける定着
板86が着脱可能に取り付けられている。定着板86は
環状のもので、外周部に肩部を有し、この肩部が型枠2
2の端板88に嵌合され、定着板86の半径方向の移動
が阻止されている。定着板86には円周方向に所定の間
隔をおいて複数の貫通穴が開けられている。これら貫通
穴にそれぞれボルトを通して、継ぎ手金物90のねじ穴
にねじ込み、定着板86と継ぎ手金物90とが連結され
ている。継ぎ手金物90は、鉄筋かごの長手方向に伸び
る鉄筋24に固着されている。
【0024】鉄筋緊張装置20の使用に当たって、型枠
22の下型である第2型34にジョイントリング26の
一方のセクション46を配置し、セクション46のつば
52に緊張板30を掛け、テンションバー70、口金7
4、ナット84などは常に下型に装着した状態に保持す
る。
【0025】型枠作業に先立ち、鉄筋かごの組立場にお
いて、鉄筋かごの一方の端部の継ぎ手金物62をプレー
ト28に固定し、鉄筋かごの他方の端部の継ぎ手金物9
0を定着板86に固定する。この際、継ぎ手金物62と
プレート28との間にのろ止め板92を配置し、成形時
にコンクリートがジョイントリング26の方へ流れない
ようにする。鉄筋かごを型枠22の下型に上方より差し
込み、プレート28の傾斜面56をセクション46のつ
ば50の傾斜面51に掛ける。その後、セクション44
をセクション46の上に被せ、プレート28の傾斜面5
6をセクション44のつば50の傾斜面51に掛け、緊
張板30の傾斜面66をセクション44のつば52の傾
斜面53に掛ける。その後、上型となる第1型32を配
置してフランジ36、38をボルト締めし、ナット84
をねじ込んでテンションバー70を介して緊張板30を
引っ張り、ジョイントリング26およびプレート28を
介して鉄筋24に引っ張り荷重を付与する。これによっ
て成形の準備が完了する。鉄筋をこの状態に保持して、
それ自体公知の方法、たとえば遠心力成形方法でコンク
リートを成形する。
【0026】成形後の離型作業に際して、引っ張り荷重
が小さいとき、継ぎ手金物90と定着板86とを固定し
ているボルトを緩めて定着板86を取り外し、コンクリ
ート製品に応力を導入する。また、引っ張り荷重が大き
いとき、ナット84を緩めてコンクリート製品に応力を
導入する。そして、上型である第1型を取り外してコン
クリートパイルを下型である第2型から取り出す。その
後、製品仕上げ場において、継ぎ手金物62とプレート
28とを固定しているボルトを緩めて、プレート28を
取り外し、プレート28と定着板86とは、鉄筋かごの
組立場へ送って再使用する。
【0027】ジョイントリング26は、緊張板30から
引っ張り荷重を受け、この荷重をプレート28を介して
鉄筋24に伝達するが、鉄筋24が定着板86によって
型枠22に固定されているため、鉄筋24から荷重の反
力を受ける。このことと、ジョイントリング26が内方
へ突出している2つのつば50、52によって荷重を受
けることから、結局、ジョイントリングは荷重によっ
て、図6に仮想線で示したように、軸線方向の長さの中
央の点、すなわち中立点Nを中心として、一方の半部分
が時計方向となり、他方の半部分が反時計方向となるよ
うに半径方向の外方へ向けて湾曲するように変形する。
【0028】いま、図5の(a)に示すように、ジョイ
ントリング26に荷重Fが加わるとき、荷重の作用点B
から中立点Nまでの垂直距離Lと、前記荷重Fとの積で
与えられる曲げモーメントM=FLによってジョイント
リング26の半部分は変形する。荷重Fの先端から、作
用点Bと中立点Nとを結ぶ直線BNに平行に直線DEを
引き、作用点Bから直線DEに垂線を下ろすと、この垂
線の長さは荷重Fの分力F1 となる。したがって、前記
曲げモーメントMは、作用点Bから中立点Nまでの実距
離L1 と、分力F1 との積で与えられる曲げモーメント
1 =F11に等しい。ここで、<BDEをθ1 とす
ると、 F1 =Fsinθ1 である。
【0029】図5の(a)、(b)に示すように、つば
50(他方のつばについても解析は同じ)の傾斜面51
がジョイントリングの軸線に直交する仮想垂直面Pに対
して傾斜角θ2 で傾斜していると、傾斜面51には荷重
Fによる分力F2 が発生する。この分力は傾斜面51を
半径方向の内方へ押し出すように働くため、分力F1
は逆向きであり、その大きさは、 F2 =Fsinθ2 である。傾斜面51と分力F1 の向きとがなす角度θ3
は(θ1 −θ2 )であるから、分力F2 の分力F1 方向
の分力F3 は、 F3 =F2 cos(θ1 −θ2 ) =Fsinθ2 cos(θ1 −θ2 ) となる。
【0030】したがって、ジョイントリングのつば50
に傾斜面51を設けた結果、ジョイントリングを変形さ
せる、荷重Fの外向きの分力fは、 f=F1 −F3 =Fsinθ1 −Fsinθ2 cos(θ1 −θ2 ) となる。式中の第2項の値は正であるから、傾斜面が
ある場合の分力fは、傾斜面がない場合の分力F1 より
小さくなる。したがって、傾斜面がある場合の曲げモー
メントfL1 は、傾斜面がない場合の曲げモーメントF
11 より小さい。これによって、ジョイントリングの
変形を防止し、つば50が広がるのを防止することがで
きる。
【0031】式中のθ1 は、ジョイントリング26の
長さが定まると一定に定まる。これに対して、傾斜角θ
2 は、任意の値をとる変数である。そのため、式中の
第2項は、傾斜角θ2 の大きさによって任意の値とな
る。この第2項を傾斜角θ2 について微分し、第2項の
値が極大となる条件を当てはめると、 2θ2 −θ1 =π/2 が得られる。したがって、傾斜角θ2 を(π/4+θ1
/2)に定めるとき、式で与えられる分力fは最小と
なり、ジョイントリングの変形を最小にすることができ
る。
【0032】たとえば、θ1 =13°、θ2 =5°とす
ると、式から、f=0.139 Fが得られる。これに対
し、従来のように傾斜角θ2 =0°では、f′=0.225
Fとなり、結局、傾斜角θ2 =5°とした例では、fは
約38%小さくなっていることが分る。この分力fが小さ
くなったことは、それだけ大きな引っ張り荷重を付加で
きることであるから、たとえば高張力鋼でジョイントリ
ングを形成しなくても、大きなプレストレスを鉄筋に導
入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレキャストコンクリート製品成
形用鉄筋緊張装置の実施例を示す、軸線を含む面で切断
した断面図である。
【図2】図1に示した鉄筋緊張装置に使用したジョイン
トリングのセクションの拡大断面図である。
【図3】図1に示した鉄筋緊張装置を組み込んだ型枠を
示す、軸線を含む面で切断した断面図である。
【図4】図3の4−4線で切断した断面図である。
【図5】本発明に係る鉄筋緊張装置の作用を示す模式図
で、(a)は全体を示し、(b)は部分の詳細を示す。
【図6】従来のジョイントリングに生ずる変形を示す模
式図である。
【符号の説明】
20 鉄筋緊張装置 22 型枠 24 鉄筋 26 ジョイントリング 28 プレート 30 緊張板 44、46 セクション 50、52 つば 51、53 面(傾斜面) 56、66 傾斜面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレキャストコンクリート製品の成形の
    ために型枠内に配置される鉄筋の緊張装置であって、 前記型枠内に滑動可能に配置される全体に筒状を呈する
    ジョイントリングであって複数のセクションを周方向に
    合せて形成され、各セクションが径方向の内方へ突出す
    る第1のつばと第2のつばとを軸線方向の両端にそれぞ
    れ有し、前記第1のつばの前記第2のつばに対向する面
    は、傾斜面であって前記第1のつばの外周から内方へ離
    れるにつれて前記第2のつばに近づくように傾斜する傾
    斜面として形成され、前記第2のつばの前記第1のつば
    に対向する面は、前記第1のつばの前記傾斜面と同様な
    傾斜面または前記ジョイントリングの軸線に直交する直
    交面として形成されたジョイントリングと、 前記鉄筋に連結されるプレートであって前記ジョイント
    リングの前記第1のつばの前記傾斜面に密接する傾斜面
    を有し、前記第1のつばに掛けられるプレートと、 前記ジョイントリングの前記第2のつばの前記傾斜面ま
    たは前記直交面に密接する傾斜面または直交面を有し、
    前記第2のつばに掛けられる緊張板とを備える、プレキ
    ャストコンクリート製品成形用鉄筋緊張装置。
  2. 【請求項2】 プレキャストコンクリート製品の成形の
    ために型枠内に配置される鉄筋の緊張装置であって、 前記型枠内に滑動可能に配置される全体に円筒状を呈す
    るジョイントリングであって複数の円弧状のセクション
    を円周方向に合せて形成され、各セクションが半径方向
    の内方へ突出するつばを軸線方向の両端にそれぞれ有
    し、これらつばの互いに対向する面は、それぞれ傾斜面
    であって前記つばの外周から内方へ離れるにつれて互い
    に対向するつばに近づくように傾斜する傾斜面として形
    成されたジョイントリングと、 前記鉄筋に連結されるプレートであって前記ジョイント
    リングの一方のつばの前記傾斜面に密接する傾斜面を有
    し、前記一方のつばに掛けられるプレートと、 前記ジョイントリングの他方のつばの前記傾斜面に密接
    する傾斜面を有し、前記他方のつばに掛けられる緊張板
    とを備える、プレキャストコンクリート製品成形用鉄筋
    緊張装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012141399A1 (ko) * 2011-04-14 2012-10-18 Kong Jung Ho 원구와 말구가 개선된 콘크리트 전주제작 장치 및 이를 이용한 전주의 제작방법

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WO2012141399A1 (ko) * 2011-04-14 2012-10-18 Kong Jung Ho 원구와 말구가 개선된 콘크리트 전주제작 장치 및 이를 이용한 전주의 제작방법

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