JPH09153479A - 半導体のエッチング方法 - Google Patents

半導体のエッチング方法

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JPH09153479A
JPH09153479A JP31203295A JP31203295A JPH09153479A JP H09153479 A JPH09153479 A JP H09153479A JP 31203295 A JP31203295 A JP 31203295A JP 31203295 A JP31203295 A JP 31203295A JP H09153479 A JPH09153479 A JP H09153479A
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etching
semiconductor
solution
substrate
etching solution
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JP31203295A
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English (en)
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Yasukazu Iwasaki
靖和 岩崎
Takatoshi Noguchi
隆利 野口
Norihiko Kiritani
範彦 桐谷
Makiko Katou
真希子 加藤
Makoto Uchiyama
誠 内山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ・ピラミッドの無い平坦なエッチング
面が得られると共に、補償パターンのサイズを小さく抑
さえることができ、さらには高歩留まりで、高いスルー
プットを有し、量産性が高く、コストを低減できる電解
エッチング方法を提供する。 【解決手段】被処理半導体基板と対極とをエッチング液
に浸漬し、電圧を印加することによってエッチングを行
なう半導体の電解エッチング方法において、上記半導体
基板をエッチング液に浸漬し、電圧を引加せずにエッチ
ングする第1の工程と、上記第1の工程を施した後の上
記半導体基板に電圧を引加して電解エッチングを行なう
第2の工程と、の少なくとも2段のエッチング工程を有
することを特徴とする半導体のエッチング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の電解
エッチング方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電解エッチング技術によって製造される
デバイスの一例として、半導体加速度センサについて図
15に従って説明する。図15において、300はp型
基板、301はn型エピタキシャル層である。302は
p型基板300から形成された重り、303はn型エピ
タキシャル層301から形成された梁、304はp型基
板300から形成されたフレームである。また、305
はスリットであり、梁303をn型エピタキシャル層3
01からどのように切り出して形成するかを定める。図
15では重り302を鋏むように2本形成されており、
重り302が2本の対向して配置された梁303により
フレーム304に接続された、いわゆる両持ち梁構造と
なっている。なお、スリット305の形状や数により、
片持ち梁構造や4本梁構造が構成される。
【0003】半導体加速度センサは、梁303でフレー
ム304に吊られている重り302が、図15の上下方
向の加速度により変位し、その変位から加速度を検出す
る。重り302の変位の検出方法としては、梁303上
に設けられたピエゾ抵抗により、梁303の応力を検出
する手法や、重り302の底面と対向するように設けら
れた電極と重り302の底面とで構成されるコンデンサ
の電気容量の変化より検出する方法などが用いられる。
【0004】このような重り302、フレーム304お
よび梁303は、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ
異方性エッチング液を用いた電解エッチングと呼ばれる
技術により、p型基板300を裏面からエッチングし、
p型基板300のバルク部306を除去すると共に、n
型エピタキシャル層301との接合界面でエッチングを
電気化学的に停止させることによって形成される。
【0005】なお、半導体圧力センサも、構造、製造方
法ともに良く似ている。図15において、重り302と
スリット305とを形成しなければ、n型エピタキシャ
ル層301のダイアフラムが形成される。そして圧力に
よるダイアフラムのたわみを、ダイアフラム上に設けら
れたピエゾ抵抗によって検出し、ダイアフラムの応力を
検出することによって圧力を検出する。
【0006】次に、電解エッチングについて、図16に
従って説明する。図16において、エピタキシャル基板
30は{100}面を主面とするp型シリコン基板30
0とn型エピタキシャル層301から構成されている。
p型シリコン基板300は、例えば厚さが600μm
で、比抵抗が10Ωcmであり、n型エピタキシャル層
301は、例えば厚さが10μmで、比抵抗が2Ωcm
である。上記エピタキシャル基板30の主面にシリコン
酸化膜33を、裏面にシリコン酸化膜34を形成する。
エピタキシャル基板30の裏面、すなわちエッチング主
面のシリコン酸化膜34はp型シリコン基板31をエッ
チングしない領域のみを残して他は除去する。また37
は重り302を形成するための裏面マスクである。
【0007】上記の構造体をエッチング液1に浸漬し、
対電極35が陰極、n型エピタキシャル層301が陽極
となるように電源36を接続する。なお、2はエッチン
グ槽、3はマグネチック・スターラ・バー、4はヒー
タ、5は温度計、6は冷却管である。
【0008】p型シリコン基板300のシリコン酸化膜
34に覆われていない部位がp型シリコン基板31の厚
さに比べて充分大きいと、エッチングはn型エピタキシ
ャル層32に達するまで進み、n型エピタキシャル層3
01がエッチング液1に接触すると、陽極酸化によりn
型エピタキシャル層300のエッチング表面、すなわち
pn接合界面にシリコン酸化膜が形成され、エッチング
が停止する。
【0009】なお、エピタキシャル基板30の主面に
は、一般的に回路、配線等が形成されるので、樹脂等に
よりエッチング液から保護されるのが一般的である。例
えばHorinouchiらの論文“Technical Digest of The 9t
h Sensor Symposium, pp.19〜22, 1990”には、コーテ
ィング・レジンを用いて強アルカリ性のエッチング液か
ら配線を保護している例が記載されている。
【0010】また、基準となる電極とポテンシオスタッ
トを用いて、高精度にn型エピタキシャル層32の電位
制御を行なう、いわゆる3電極法については、例えば
“Journal of Electro−chemical Society, vol.177,
p.959, 1970”に記載されている。
【0011】また、抱水ヒドラジンはシリコン酸化膜を
殆ど犯さないという優れたエッチング特性を有してお
り、深いエッチングを行なう場合であっても薄いシリコ
ン酸化膜をマスク材として用いることができる。また抱
水ヒドラジンは、自然酸化膜でさえマスクとして作用し
てしまうため、自然酸化膜を前以て弗酸等により溶解除
去する必要がある。以下、抱水ヒドラジンによるエッチ
ング工程の前には、この自然酸化膜を前以て弗酸等によ
り溶解除去する工程を必ず行なうものとし、この前処理
工程については記載しないものとする。
【0012】また、このような電解エッチングを行なう
装置は、標準的なIC製造プロセスに用いる半導体製造
装置とは異なり、半導体製造装置メーカから供給されて
はおらず、使用者が試作することが一般的であり、高価
にならざるを得ない。しかも、上記の電解エッチング法
で代表される、所謂バルクマイクロマシーニングでは、
半導体基板の厚さ程度の深いエッチングを行なうため
に、長いエッチング時間を必要とし、高いスループット
が得られず、従って本工程のコストを押し上げてしまう
という問題があった。
【0013】次に、重り302を形成するための裏面マ
スク37について説明する。図17は、裏面マスクの形
状と重りの底面の形状を示す図であり、(A)は裏面マ
スクの形状、(B)と(C)は重りの形状を示す。図1
7(A)に示したように、裏面マスク37の形状を四角
形にした場合、電解エッチング工程後の重りの底面の形
状は、四角形とはならない。すなわち、裏面マスクの凸
状コーナにエッチング速度の速い結晶面が現われ、それ
が横方向からエッチングされてしまうというサイドエッ
チング現象により、エッチング後の重りの底面の形状
は、マスクパターンとは異なった形状となる。重りの形
状は、裏面マスク37のサイズに比べてエッチング深さ
が浅い場合、図17(B)に示したように、{311}
面等の高次の結晶面で構成された側面38によって面取
りされた凸状コーナー39と{111}面で構成された
側面40からなる形状になる。なお、図17(B)では
裏面マスクを除去して示している。
【0014】さらにエッチングが深くなると、上記の
{111}面で構成された側面40は{311}面等の
高次の結晶面で構成された側面38によって完全に面取
りされ、ついには消滅する。この時、重りの底面は、図
17(C)に示すように、8角形になっている。
【0015】上記の現象に対処するために、補償パター
ンと呼ばれる、凸状コーナにサイドエッチングを考慮し
たマスクパターンを付与する。この補償パターンは、主
面のエッチング速度に比べてサイドエッチング速度が大
きいエッチング液ほど、大きなサイズを必要とする。エ
ッチング液のうち、例えば抱水ヒドラジンは、シリコン
酸化膜を殆ど犯さないという優れたエッチング特性を有
しており、基板の厚さ程度の深いエッチングを行なう場
合であっても薄いシリコン酸化膜をマスク材として用い
ることができ、しかもサイドエッチング速度が小さいと
いう優れたエッチング特性を有している。
【0016】しかし、抱水ヒドラジンによるシリコン単
結晶基板のエッチング面は平坦にならず、例えば{10
0}面を主面とするシリコン単結晶基板を用いた場合の
エッチング面には、{111}面から構成される無数の
四角錐のマイクロ・ピラミッド(以下、MPと略記す
る)が現われて、平坦面が得られず、そのためチップ歩
留まりを減ずるだけでなく、場合によってはエッチング
そのものが殆ど停止してしまい、ウエハ歩留まりをも減
じてしまうという問題点があった。このような問題は、
半導体加速度センサのように、高精度の梁を形成する場
合には、特に由々しき問題であった。
【0017】一方、エッチング面にMPの発生しないエ
ッチング液として、本出願人は、抱水ヒドラジンに水酸
化カリウムで代表される金属水酸化物の水溶液を添加し
たエッチング液を発明し、既に出願(特願平7−602
59号:未公開)している。一般的にMPの発生しない
エッチング液は、主面のエッチング速度に比べてサイド
エッチング速度が大きい傾向にあり、補償パターンのサ
イズをなるべく抑さえることのできるエッチング方法が
切望されている。
【0018】また補償パターンは、エッチング深さが深
いほど、従って基板の厚さが厚いほど、大きなサイズを
必要とする。半導体基板のサイズのトレンドに従って、
3、4、5、6、8そして12インチと大口径化される
と共に、基板の厚さも厚くなってきた。それに伴い、大
型化する補償パターンのためだけにチップ面積が増大
し、チップ単価を押し上げてしまうので、補償パターン
のサイズをなるべく抑さえることのできるエッチング方
法が切望されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き従来技術の問題を解決するためになされたものであ
り、MPの無い平坦なエッチング面が得られると共に、
補償パターンのサイズを小さく抑さえることができ、さ
らには高歩留まりで、高いスループットを有し、量産性
が高く、コストを低減できる電解エッチング方法を提供
することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らの実験によ
り、(1)n型エピタキシャル層301とp型シリコン
基板300との間の接合が完全でリーク電流が流れなけ
れば、p型シリコン基板300のシリコン酸化膜34に
覆われていない部位のエッチング特性は、無バイアスの
状態でp型シリコン基板をエッチングした場合と全く同
等であり、無バイアス下のエッチングをしているに過ぎ
ないこと、(2)抱水ヒドラジン等によって生成してし
まった上記MPを、MPの発生しないエッチング液によ
って溶解除去・消滅できること、を発見するに至った。
なお、この発見には、n型エピタキシャル層301とp
型シリコン基板300との間を、ウエハレベルで、pn
接合分離によって電気的に絶縁されている状態に修復す
ることのできる、という本発明らの先行発明(特願平6
−319809号:未公開)が大きく寄与している。
【0021】本発明は、上記の知見に基づいて行なわれ
たものであり、特許請求の範囲に記載するような構成を
とる。すなわち、請求項1に記載の発明においては、エ
ッチングを、無バイアス下で行なう第1の工程(プリ・
エッチング工程)と、電圧を印加しつつ行なう第2の工
程(ファイナル・エッチング工程)との、2段階の構成
としている。
【0022】上記のように、プリ・エッチング工程とフ
ァイナル・エッチング工程との2段階の構成としたこと
により、設備投資費や人件費まで含めた工程コストを低
減し、ひいては製造する半導体デバイスのコストを低減
することが出来る。また、電解エッチング工程に、エッ
チング液ないしは反応生成物が引火・爆発性を有する場
合では、リスクを低減することが出来る。また、プリ・
エッチング工程と、ファイナル・エッチング工程とを、
異なったエッチング特性を有するエッチング液で行なう
場合には、製造工程のプロセス設計の自由度の向上、同
一のマスクから異なった最終形状を制御して製造するこ
とや同一マスクより異なった特性の半導体デバイスのシ
リーズを製造すること、デバイス特性のトリミング性の
向上、また半導体デバイスの開発期間の短縮、消費原材
料費まで含めた、製造する半導体デバイスのコストの低
減をもたらす。またプリ・エッチング工程を速いエッチ
ング速度のエッチング液ないしは条件で行なう場合で
は、スループットの向上、製造する半導体基板1枚当り
の処理時間の低減、装置の専有時間の減少および人件費
まで含めた工程コストの低減、製造する半導体デバイス
のコストの低減をもたらす。また、プリ・エッチング工
程をファイナル・エッチング工程等の他の工程で使用済
みのエッチング液を用いた場合、エッチング液の単位体
積当りの半導体基板の処理枚数の増加、工程で消費する
原材料費の低減、従って製造する半導体デバイスのコス
トの低減をもたらす。
【0023】次に、請求項2に記載の発明においては、
請求項1に記載の構成において、電圧を引加せずにエッ
チングする第1の工程(プリ・エッチング工程)とし
て、サイドエッチングの遅いエッチング液を用いた工程
としている。このように構成したことにより、補償パタ
ーン・サイズの縮小化、従ってチップサイズの縮小化、
半導体基板1枚当りのチップ数の増加、製造する半導体
デバイスのコストの低減をもたらす。
【0024】次に、請求項3に記載の発明においては、
請求項2に記載の構成において、上記サイドエッチング
の遅いエッチング液が、抱水ヒドラジンからなる構成と
している。このように構成したことにより、酸化膜をエ
ッチングマスクとして用いることが出来、製造する半導
体デバイスの製造工程数を減少させることが出来る。
【0025】次に、請求項4に記載の発明においては、
請求項1に記載の構成において、電圧を印加しながら行
なう第2の工程(ファイナル・エッチング工程)を、エ
ッチング主面を平滑化せしめるエッチング液を用いた工
程としたものである。このように構成したことにより、
製造する半導体デバイスの歩留まりの向上、ひいては製
造する半導体デバイスのコストの低減をもたらす。
【0026】次に、請求項5に記載の発明においては、
請求項1に記載の構成において、上記第2の工程を、エ
ッチング中に引火するおそれのない程度に引火点が高い
エッチング液もしくは引火しないエッチング液を用いた
工程としている。このように構成したことにより、電圧
を印加して行なうファイナル・エッチング工程のリスク
の低減させることが出来る。
【0027】次に、請求項6に記載の発明においては、
請求項1に記載の構成において、第1の工程および第2
の工程を、上記半導体基板の複数を同時に処理する工程
としたものである。このように構成したことにより、ス
ループットの大幅な向上、製造する半導体基板1枚当り
の処理時間の大幅な低減、これらは設備投資費や人件費
まで含めた工程コストの低減、ひいては製造する半導体
デバイスのコストの低減をもたらす。
【0028】次に、請求項7に記載の発明においては、
請求項4または請求項5に記載の構成において、上記第
2の工程に使用するエッチング液が、少なくともヒドラ
ジン(N24)、水酸化カリウム(KOH)および水
(H2O)の3成分を含む組成であり、かつ、上記水酸
化カリウム(KOH)が、少なくとも0.3wt%以上
含まれる組成としている。このように構成したことによ
り、ファイナル・エッチング工程を行なう際に、自然酸
化膜を除去する前処理工程を削減することが出来、従っ
て工程コストの低減、ひいては製造する半導体デバイス
のコストを低減することが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて本発
明を説明する。図1は、本発明のエッチング方法で製造
するデバイスの一例であり、半導体圧力センサの断面図
を示す。まず、(A)に示すごときエピタキシャル基板
30を準備する。このエピタキシャル基板30は{10
0}面を主面とするp型シリコン基板300とn型エピ
タキシャル層301から構成されている。p型シリコン
基板300は、例えば厚さが600μmで、比抵抗が1
0Ωcmであり、n型エピタキシャル層301は、例え
ば厚さが10μmで、比抵抗が2Ωcmである。上記エ
ピタキシャル基板30の主面にシリコン酸化膜33を、
裏面にシリコン酸化膜34を形成する。エピタキシャル
基板30の裏面、すなわちエッチング主面のシリコン酸
化膜34はp型シリコン基板300をエッチングしない
領域のみを残して他は除去する。
【0030】次に、(B)に示すごとく、上記(A)の
構造体を、抱水ヒドラジンをエッチング液とし、エッチ
ング液の温度80℃にて、後述する図2のエッチング装
置を用いて、エッチング底面101がpn接合界面10
0の近傍にくるまで深く(例えば580μmの深さま
で)無バイアス下でエッチングする。このプリ・エッチ
ング工程は、上記エピタキシャル基板30の裏面のみの
処理工程となるため、上記エピタキシャル基板30の主
面をSiN膜あるいは樹脂によって保護しても良いし、
或いは上記エピタキシャル基板30の主面にエッチング
液が触れないように液シールを行なう治具に納めて行な
ってもよい。
【0031】次に、(C)に示すごとく、上記(B)の
構造体を、飽和KCl水溶液を支持電解質として添加し
た抱水ヒドラジンをエッチング液とし、エッチング液の
温度80℃にて、前記図16で説明したエッチング装置
を用いて、電解エッチングを行い、エッチング底面10
2をpn接合界面で電気化学的に停止させる。
【0032】また、プリ・エッチング工程を行なう図2
のエッチング装置の構成を説明すると、1はエッチング
液、2はエッチング槽、3はマグネチック・スターラ・
バー、4はヒータ、5は温度計、6は冷却管である。
【0033】次に、本実施の形態における効果を従来方
法と比較しながら説明する。まず、(A)の構造体を1
回の電解エッチングで直ちに(C)の構造体へと加工す
る従来の方法において、電解エッチング装置(図16)
を使用する専有時間TECE,con(min)は、エピタキ
シャル基板30のpn接合界面までの厚さDp n(μm)
と電解エッチング工程でのエッチング主面のエッチング
速度vECE(μm/min)を用いて、下記(数1)式
で示される。
【0034】
【数1】
【0035】例えば、p型シリコン基板31の厚さが6
00μmであり、電解エッチング液は支持電解質として
飽和KCl水溶液を添加した抱水ヒドラジンであり、エ
ッチングの操作温度が80℃であり、エッチング速度は
装置依存性が大きいが、我々の実験装置では、およそ
1.7μm/minである、という場合であれば、電解
エッチング工程に要する時間は、約350minであ
り、電解エッチング工程でのオーバーエッチング時間や
ウエハのセッティング時間を考慮すると、ウエハ1枚当
たり、約6時間以上も高価な電解エッチング装置を専有
することになる。
【0036】次に、本発明のエッチング方法を用いた場
合には、電解エッチング装置(ファイナル・エッチング
工程のみ)の専有時間TECE,imp(min)は、プリ・
エッチングする深さDpri(μm)を用いて、下記(数
2)式で示される。
【0037】
【数2】
【0038】上記(数2)式から判るように、プリ・エ
ッチングする深さが深ければ深いほど、専有時間T
ECE,impは線形に減少する。例えば、厚さが600μm
のp型シリコン基板31に対して580μmのプリ・エ
ッチングを行なった場合、専有時間TECE,impは約12
minに過ぎず、電解エッチング工程でのオーバーエッ
チング時間やウエハのセッティング時間を考慮しても、
ウエハ1枚当たりの高価な電解エッチング装置の専有時
間は、30分にも満たない。反面、プリ・エッチング工
程を行なうエッチング装置(図2)の専有時間T
pri(min)は、下記(数3)式で示される。
【0039】
【数3】
【0040】この場合には、約340minとなるが、
無バイアスであるから、標準的なウエットエッチング装
置で良く、しかも高精度の装置である必要もなく、従っ
て高価な電解エッチング装置を専有する時間を極端に短
くできる本発明は、マイクロマシーニング工程の設備投
資額を含めた工程コストを下げることができる。
【0041】また、電解エッチング装置の専有時間を短
くできるので、エッチング液あるいは反応生成物が引火
・爆発性を有する場合では、そのリスクを低減すること
ができる。事実、本発明者らは、抱水ヒドラジンを用い
た従来の長時間行なう電解エッチングにおいて、発生し
た水素ガスに引火し、白金対極を焼損するという事例を
経験している。
【0042】また電解エッチング装置の専有時間が極端
に短いということは、エッチング液中に溶解するシリコ
ンの量も極端に少なくなり、従ってエッチング液の劣化
が遅く、多数のシリコン基板を処理することができる。
例えば、開口部の1辺がLmask、p型シリコン基板の厚
さ(pn接合界面まで)がDpnの圧力センサを形成する
場合を考える。このとき圧力センサのダイアフラムの1
辺Ldiaは、下記(数4)式で与えられる。
【0043】
【数4】
【0044】また、従来の方法で電解エッチング工程で
のエッチング液中に溶解するシリコンの体積Vconは、
下記(数5)式で与えられる。
【0045】
【数5】
【0046】また、本発明の方法により、深さDpri
でプリ・エッチングを行なう場合、プリ・エッチング工
程でのエッチング液中に溶解するシリコンの体積Vpri
は、プリ・エッチング工程の速度vpri(μm/mi
n)を用いて、下記(数6)式で与えられる。
【0047】
【数6】
【0048】したがって、本発明のファイナル・エッチ
ング工程でエッチング液中に溶解するシリコンの体積V
finは、上記(数5)式と(数6)式との差、すなわち
下記(数7)式で示される。
【0049】
【数7】
【0050】図3は、p型シリコン基板の厚さDpnが6
00μmのときの、VfinのVconに対する比率%をD
priの関数として示した図である。図3において、基板
厚さの2/3にあたる400μmをプリ・エッチングす
ると、ファイナル・エッチング工程にてエッチング液中
に溶解するシリコンの体積が約1/10、同じく500
μmをプリ・エッチングすると約1/100となるの
で、電解エッチング液はそれぞれ約10倍、約100倍
長寿命となることがわかる。
【0051】支持電解質として飽和KCl水溶液を添加
した抱水ヒドラジンを電解エッチングに用いたとき、1
回の電解エッチングで加工する従来の方法では、シリコ
ン基板を2枚処理しただけでエッチング液は劣化し、エ
ッチング面の荒れやエッチング速度の均一性の低下か
ら、もはや使用することは困難であった。本発明によれ
ば、ウエハの主たる部分をエッチングするプリ・エッチ
ング工程でのエッチング面の荒れやエッチング速度の均
一性の低下というスペックを緩めることができるため、
エッチング液の単位体積当りの処理量を増やすことがで
き、場合によってはファイナル・エッチング工程で使用
済みのエッチング液をプリ・エッチング工程に利用する
こともできる。従ってマイクロマシーニング工程におけ
る消費薬剤費を含めた工程コストをさらに下げることが
できる。
【0052】またプリ・エッチング工程において、例え
ばエッチング温度を高温とし、速いエッチング速度で一
気にプリ・エッチングすることができ、従ってマイクロ
マシーニング工程に要する時間を短縮し、さらに工程コ
ストを下げることができる。例えば、抱水ヒドラジンに
よるシリコン基板の{100}面のエッチング速度v
(100)(μm/min)は、装置依存性があるが、我々
の実験装置に対する実験式は、エッチング液の温度をT
として、下記(数8)式で示される。
【0053】
【数8】
【0054】このときエッチング反応の見かけの活性化
エネルギーは、7.97kcal/molである。したがって約
20℃温度を上げることによって、約2倍のエッチング
速度が得られ、エッチングに要する時間が約半分にな
る。
【0055】水酸化カリウム水溶液を使用した場合、例
えば岸らによって解説(岸ら、Siの異方性エッチング
におけるマイクロピラミッドの抑制法、真空、第29
巻、第2号、p.85〜91、1986)された文献に
よれば、エッチング反応の見かけの活性化エネルギー
が、13.7kcal/molと大きいので、エッチング速度へ
の温度の効果はさらに大きい。
【0056】また、エッチング速度を定める重要なパラ
メータとして、温度の他に流動や濃度がある。これらの
パラメータ依存性は、用いるエッチング液系によって異
なり、また装置依存性が大きいエッチング液系もあり、
装置パラメータまで含めると、エッチング速度の速いプ
リ・エッチング工程を行なうために、さまざまな手段を
こうじることができる。
【0057】また、エッチング速度を増加させる手段と
しては、エッチング液に他の成分化学種を添加する方法
であってもよい。添加する化学種としては、エッチング
反応の触媒、エッチング反応の負触媒のクエンチング
剤、特異吸着の阻止剤など、エッチング液系によりさま
ざまである。
【0058】一般的に、エッチング速度の速い条件のエ
ッチングでは、その見返りとして、エッチング面の面荒
れ、うねりあるいは面内均一性などの他のエッチング特
性が低下する。エッチング液の劣化においても同様であ
る。それでも、プリ・エッチングのエッチング工程での
緩いスペックを満たせば用いることができる。このスペ
ックが、どこまで緩められるのかは製造する半導体デバ
イスによって異なる。例えば半導体圧力センサの製造プ
ロセスであれば、{111}面を側面とし、pn接合界
面を上面とし、基板裏面のマスク開口部を底面とする台
形をエッチング除去するにすぎず、プリ・エッチングの
エッチングと割り切ってしまって良い。また、例えば半
導体加速度センサの製造プロセスであれば、エッチング
除去する上記台形の中に、重りとして残す部位があるた
め、プリ・エッチング工程での面荒れやうねりは無視で
きるが、面内の不均一性は、最終的に形成される重りの
重さに作用し、すなわちセンサ感度のバラツキとなって
現われるために、面内の均一性のスペックに関しては、
大きく緩めることは出来ない。
【0059】以上、説明してきたように、本実施の形態
においては、ウエハの主たる部分をエッチングするプリ
・エッチング工程に用いるエッチング液と、ファイナル
・エッチング工程に用いるエッチング液とを、異なった
エッチング特性を有するエッチング液、すなわちエッチ
ング液の化学種が異なる例はもちろん、同じエッチング
液であっても温度、濃度あるいは流動条件といったプロ
セス条件が異なる例、あるいは使用済みのエッチング液
にてプリ・エッチング工程を行ない、劣化していないエ
ッチング液にてファイナル・エッチング工程を行なう例
も含めて、異なったエッチング特性を有するエッチング
液とすることにより、マイクロマシーニング工程の設備
投資、使用薬液等の消費原材料費、人件費あるいは処理
時間といったコストを大幅に低減することができる。
【0060】次に、ウエハの主たる部分をエッチングす
るプリ・エッチング工程を、ウエハの複数枚を同時に行
なう、いわゆるバッチ式処理を行なう例について説明す
る。前記図1(A)で説明した構造体を複数個用意し、
それらをウエハカセットにセットし、抱水ヒドラジンを
エッチング液とし、エッチング液の温度80℃にて、図
2で説明したエッチング装置を用いて、エッチング底面
101がpn接合界面の近傍にくるまで深く(例えば5
80μmの深さまで)無バイアス下でエッチングする。
このプリ・エッチング工程に引き続き、上記構造体を、
飽和KCl水溶液を支持電解質として添加した抱水ヒド
ラジンをエッチング液とし、エッチング液の温度80℃
にて、図16で説明したエッチング装置を用いて、電解
エッチングを行い、エッチング底面102をpn接合界
面で電気化学的に停止させる(ファイナル・エッチング
工程)。
【0061】図1(A)の構造体の夫々を、図1(C)
の構造体へと、1回の電解エッチングで加工する従来の
方法のスループットは、例えば、p型シリコン基板20
1の厚さが500μmであり、n型エピタキシャル層3
2の厚さが10μmであり、電解エッチング液が、支持
電解質として飽和KCl水溶液を添加した抱水ヒドラジ
ンであり、エッチングの操作温度が80℃という場合で
あれば、エッチングに要する時間は、約294minで
あり、ウエハ1枚当たりの処理時間は約5時間であっ
た。
【0062】一方、本実施の形態の方法で、ウエハ1枚
当たりの処理時間Twafer(min)は、プリ・エッチ
ング工程で一括して処理する枚数をWpri(枚)、ファ
イナル・エッチング工程のエッチング速度をvfin(μ
m/min)とすれば、下記(数9)式で与えられる。
【0063】
【数9】
【0064】バッチ式で行なうプリ・エッチング工程を
抱水ヒドラジンで行なうこととし、エッチングの操作温
度が80℃であり、エッチング速度は装置依存性が大き
いが、およそ1.7μm/minである場合における、
waferのDpri依存性を図4に示し、TwaferのWpri
存性を図5に示す。図4、図5から、TwaferはDpri
大きいほど線形に減少し、Wpriが多いほど指数関数的
に減少することがわかる。
【0065】さらにファイナル・エッチング工程をバッ
チ式で多数枚同時に処理しても良い。この場合、(数
9)式の右辺第1項が第2項よりも大きい上記の例では
約30倍ため、プリ・エッチング工程を多数枚同時に処
理するのに比べると、その効果は大きくはない。
【0066】実際的には、ウエハ面内のエッチングの均
一性の問題から、DpriをいくらでもDpnに近づけられ
る訳ではない。我々のプリ・エッチング工程用の実験装
置では、ウエハ面内のエッチング均一性が±1%以下で
あったので、プリ・エッチング工程で残り20μm程度
までエッチングすることに問題はなく、また標準的なカ
セットの25枚を1バッチで処理することができる。こ
の場合、ウエハ1枚当たりの処理時間は、前記(数9)
式から、およそ25分で事足りることが判る。純粋にエ
ッチングに要する時間だけの比較であるが、従来の方法
に比べて10倍以上にスループットが向上している事が
わかる。実際には、オーバーエッチングの時間やウエハ
を装置にセットする時間も必要であるが、シリコン基板
を貫通するような長いエッチング時間に比べると、これ
らの時間は短い。さらに、本発明者らは、ウエハの着脱
をワンタッチで行なうことのできる電解エッチング方法
を発明(本発明と同日出願の予定)しており、上記方法
によれば、ウエハを装置にセットする時間を、殆ど無視
することができる。なお、上記の新規な電界エッチング
方法は、特殊な治具にウェハを装着し、その治具を用い
て電解エッチング装置に着脱するようにしたものであ
り、ウエハを装置にセットする時間を極端に短縮するこ
とが出来ると共に、着脱の手間を大幅に減少させること
が出来、しかもウェハの設置位置の再現性を向上させる
ことが出来るので、エッチングの再現性を向上させるこ
とが出来るものである。
【0067】また、前段の無バイアスエッチングと後段
の電解エッチングとを並行して同時に行なえることも、
スループットの向上に寄与する。仮に従来の方法で、電
解エッチング装置を2台並行して操作した場合のスルー
プットも、本発明の方法で前段と後段の装置を1台づつ
並行操作する方法に全くかなわない。もし半導体装置の
生産量が増加して設備投資が必要となった場合、それが
従来の方法での電解エッチング装置を10台近くも増設
する必要性であった場合でも、本発明の方法であれば、
安価な無バイアスエッチング装置を増設し、電解エッチ
ング装置は1台増設するだけですむ。電解エッチング装
置は高額であるから、その台数を極力減らせる本発明の
方法は、設備投資額を極めて減少させることができる。
【0068】次に、本発明の第2の実施の形態を、図6
に示す半導体圧力センサを例として説明する。本実施の
形態は、ファイナル・エッチング工程に用いるエッチン
グ液として、出願人が既に出願(特願平7−60259
号:未公開)した、抱水ヒドラジンに水酸化カリウムで
代表される金属水酸化物の水溶液を添加したエッチング
液を用いた例である。
【0069】まず、図6(A)に示すごときエピタキシ
ャル基板30を用意する。このエピタキシャル基板30
の構成を説明すると、300がp型シリコン基板、30
1がn型エピタキシャル層、33および34がシリコン
酸化膜である。
【0070】次に、図6(B)に示すごとく、上記構造
体を、図2で説明したエッチング装置により、エッチン
グ液として抱水ヒドラジンを使用し、p型シリコン基板
300とn型エピタキシャル301の接合界面の近傍ま
で深くエッチングを行なう(プリ・エッチング)。な
お、図6(B)において、40はアルカリ異方性エッチ
ング特有の{111}面で構成されるエッチング側壁、
21はエッチング底面である。エッチング底面21は、
{100}面からなる底面22と、{111}面で構成
されるエッチング側壁40に接続する緩やかな斜面23
から構成され、しかも無数のマイクロ・ピラミッド(以
下、MP)24が発生している。なお、50がダイアフ
ラムとなる部分である。
【0071】次に、図6(C)に示すごとく、上記
(B)の構造体を、抱水ヒドラジンと、20wt%のK
OH水溶液とを、容量比5:4で混合したエッチング液
をエッチング液とし、エッチング液の温度80℃にて、
図2で説明したエッチング装置を用いて、電解エッチン
グを行い、エッチング底面21をpn接合界面で電気化
学的に停止させる(ファイナル・エッチング工程)。こ
の工程にて、上記のMP24が消滅し、平坦なエッチン
グ停止面52が得られ、従って高精度のダイアフラムが
形成された。このエッチング液では、自然酸化膜程度の
酸化膜は溶解除去されるので、自然酸化膜を除去する前
処理は不要である。
【0072】本実施の形態では、電解エッチング工程で
あるファイナル・エッチング工程に、引火点が高い(エ
ッチング中に引火するおそれのない程度に高い)或いは
引火しないエッチング液を使用していること、およびプ
リ・エッチング工程に抱水ヒドラジンを使用している
が、このときは無バイアスであることから、抱水ヒドラ
ジンを用いて1回の電解エッチングで加工する従来の方
法よりも安全である。
【0073】次に、MPの消滅する機構について考察す
る。まず、我々の実験装置における、抱水ヒドラジンお
よび抱水ヒドラジンに水酸化カリウムで代表される金属
水酸化物の水溶液を添加したエッチング液(本出願人の
出願に係る特願平7−60259号)のエッチング速度
の面方位依存性を図7に示す。この例は、80℃におい
て、抱水ヒドラジンと20wt%KOH水溶液とを、容
量比5:4で混合したエッチング液の例である。
【0074】ここでは{100}面に投影したエッチン
グ速度、すなわちアンダーエッチング速度を記載した。
MPを生成する抱水ヒドラジンに比べると、MPの発生
しない上記特願平7−60259号のエッチング液の方
が、面指数の高次の面、特に{311}面のアンダーエ
ッチング速度で大きいことがわかる。
【0075】或るエッチング工程Aを行なった後に発生
しているMPが(111)面から構成されているとし、
一辺をLMP(μm)とすれば、高さは(1/√2)・L
MP(μm)で与えられる。平坦面をエッチングした際に
MPの発生の認められないエッチング液を用いて、エッ
チング工程Aで発生したMPを消滅させるエッチング工
程Bを考える。エッチング工程Bにおいて、{100}
面のエッチング速度をv{100}(μm/min)とすれ
ば、エッチング開始後tdis(min)には、(10
0)面がv{100}・tdis(μm)だけ後退する。MPの
高さはv{100}・tdis(μm)、1辺は√2・v{100}
・tdis(μm)だけ増大する。最も速いアンダーエッ
チング速度を有する{311}面のエッチングにより、
エッチング工程Bにおいて、MPの頂点から順次この増
大したMPが消滅するとすれば、下記(数10)式に示
すようになる。
【0076】
【数10】
【0077】(数10)式において、v{311}は{31
1}面のエッチングを{100}面に投影したエッチン
グ速度であり、いわゆるアンダーエッチング速度(ラテ
ラルエッチング速度、あるいはサイドエッチング速度)
のことである。従って、エッチング工程Bに用いるエッ
チング液のMPを消滅させることのできる能力P
disは、単位時間で消滅できるMPが大きい程、あるい
は単位大きさのMPを速く消滅できる程、大きな値とな
る下記(数11)式の関数で定義することができる。
【0078】
【数11】
【0079】従ってエッチング底面の進行する速度v
{100}に比べて、アンダーエッチング速度v{311}が大き
いほど、MPを消滅させる能力が大きいと言える。P
disが大きな負の値であれば、エッチング工程Aで発生
したMPを、もはや消滅させることが出来ないと考えら
れる。
【0080】我々の実験装置での80℃における、上記
特願平7−60259号のエッチング液の{311}面
のアンダーエッチング速度と{100}面のエッチング
速度との比を図8に示し、上記(数11)式で定義した
disを図9に示す。
【0081】抱水ヒドラジン(図では、混合比5:0に
対応)に比べ、上記特願平7−60259号のエッチン
グ液はMPを消滅する能力の高いことが理解できる。こ
こでPdisが負になってしまっているのは、MPの消滅
するエッチングモードが、MPの頂点からのみ{31
1}面のラテラルエッチングのみによって消滅する、と
いう最も簡単なモデルを採用したことによるものであ
り、実際には多数の頂点から多数の面方位のエッチング
によって消滅すると考えられ、従って実際よりも負側に
シフトしたPdis値を見積っていると考えられる。
【0082】次に、本発明の第3の実施の形態を、半導
体加速度センサを例として説明する。まず、図16に示
したエピタキシャル基板30を用意する。再度構成を説
明すると、300がp型シリコン基板、301がn型エ
ピタキシャル層、33および34がシリコン酸化膜であ
る。37が重り302を形成するための裏面マスクであ
り、補償パターンについては後述する。
【0083】次に、エピタキシャル基板30を、図2で
説明したエッチング装置により、エッチング液として抱
水ヒドラジンを使用し、p型シリコン基板300とn型
エピタキシャル301の接合界面の近傍まで深くエッチ
ングを行なう(プリ・エッチングエッチング)。形状
は、図6と図17に示したように、{311}面等の高
次の結晶面で構成された側面、アルカリ異方性エッチン
グ特有の{111}面で構成されるエッチング側壁、
{100}面からなる底面、{111}面で構成される
エッチング側壁に接続する緩やかな斜面、そして無数の
MPから構成されている。
【0084】次に、上記構造体を、抱水ヒドラジンと、
20wt% KOH水溶液とを、容量比5:4で混合し
たエッチング液をエッチング液とし、エッチング液の温
度80℃にて、図16で説明したエッチング装置を用い
て、電解エッチングを行い、エッチング底面をpn接合
界面で電気化学的に停止させる(ファイナル・エッチン
グ工程)。この工程にて、上記のMP24が消滅し、平
坦なエッチング停止面52が得られ、従って高精度の梁
が形成された。
【0085】次に、本実施の形態における補償パターン
について説明するが、まず、従来の1回の電解エッチン
グによって加工する場合から説明する。図10(A)に
補償パターンの例を示す。この例は、底面の凸状コーナ
部分に小さな正方形を補償パターンとして重ねたもので
あり、例えば文献「“CornerUndercutting in Anisotro
pically Etched Isolation Contours”,M.M.Abu-Zeid,
J. Electrochem.Soc., vol.131, No.9, pp2138〜2142,
1984」に記載されている。この補償パターンを用いた場
合の補償パターンのサイズLcom(μm)を概算する。
pn接合界面までのシリコン基板の厚さDpn(μm)と
すれば、エッチング終了までに要する時間tetch(mi
n)は、下記(数12)式で与えられる。
【0086】
【数12】
【0087】このエッチング工程により、最も速いサイ
ドエッチング速度を有する面によるサイドエッチング
が、補償パターンの最外周の点から始まり、エッチング
終了時にちょうど補償パターンに対応する部位が消失し
たとすると、最も速いサイドエッチング速度を有する面
のサイドエッチング速度をv{i}と、上記面と{10
0}面との交わる線と<110>軸との成す角θiとを
用いて、下記(数13)式の関係が成立する。
【0088】
【数13】
【0089】上記(数12)式と(数13)式からt
etchを消去すれば、下記(数14)式が得られる。
【0090】
【数14】
【0091】上記(数14)式から判るように、基板が
厚いほど、サイドエッチング速度と主面のエッチング速
度との比が大きいほど、大きな補償パターンを必要とす
る。
【0092】図10(B)は他の補償パターンの例であ
る。この例は、底面の凸状コーナ部分に棒状のパターン
を補償パターンとして付与したものであり、例えば文献
「“半導体センサ用シリコン結晶異方性エッチング技術
の開発”,島之江ら,TOYOTATechnical Review, vol.4
2, No.2, p68〜75, Nov, 1992」に記載されている。こ
の補償パターンを用いた場合の補償パターンのサイズL
com(μm)は、前記と同様に、下記(数15)式で与
えられる。
【0093】
【数15】
【0094】この場合にも前記と同様に、基板が厚いほ
ど、サイドエッチング速度と主面のエッチング速度との
比が大きいほど、大きな補償パターンを必要とする。ま
た、補償パターンの形状により、補償パターンのサイズ
を小さくできるエッチング液の序列は異なる。
【0095】上記(数14)式から算出した、図10
(A)に示した補償パターンを用いた場合の補償パター
ンのサイズLcomとシリコン基板の厚さDpnとの関係を
図11に示し、同様に(数15)式から算出した、図1
0(B)に示した補償パターンを用いた場合の例を図1
2に示す。抱水ヒドラジンは80℃とし、このとき最も
速いサイドエッチング速度の面は{311}面でθi
26.5°、{311}面のサイドエッチング速度と
{100}面のエッチング速度の比は0.56としてい
る。また、前記特願平7−60259号のエッチング液
の例として、抱水ヒドラジンと20wt% KOH水溶
液とを、容量比5:4で混合したエッチング液とし、液
温は80℃、このとき最も速いサイドエッチング速度の
面は{311}面でθiは26.5°、{311}面のサ
イドエッチング速度と{100}面のエッチング速度の
比は0.56としている。また、TMAHは上記島之江
らの文献より、最も速いサイドエッチング速度の面は
{211}面でθiは18.5°とし、{211}面のサ
イドエッチング速度と{100}面のエッチング速度の
比は1.45と推算した値を用いている。
【0096】図11および12から、MPの発生しない
エッチング液は、MPの消滅機構の考察で述べたことか
ら推察されるように、高次の面のラテラルエッチング速
度が速いという傾向にあることがわかる。このようなエ
ッチング液を使用し、従来のように1回の電解エッチン
グ工程で加工する方法では、大きな補償パターンを必要
とする。例えば抱水ヒドラジン程度のサイドエッチング
量であれば、3mm□で設計できる半導体加速度センサ
が、MPの発生しないエッチング液では、さらに500
μmずつ大きな補償パターンのためにサイズアップし、
5mm□と面積が2.8倍になり、ウエハ1枚当りのチ
ップの取り数が、2.8分の1に減少し、従ってチップ
コストが2.8倍になってしまう。抱水ヒドラジン程度
のサイドエッチング量であれば、チップを小さく設計で
き、チップコストを低減できるはずだが、実際には前述
したように、MPが発生する問題があり、従来の方法で
半導体加速度センサを効率良く製造することは、極めて
困難である。
【0097】その点、本実施の形態に示すエッチング方
法にあっては、電解エッチングに実質的に供する時間を
極めて短くできるため、補償パターンを小さくすること
ができ、しかもMPのない最終エッチング面が得られ
る。例えば、図10(A)に示した補償パターンを用い
た場合の本発明における補償パターンのサイズL
com,impは、プリ・エッチング工程での最も速いサイド
エッチング速度v{i},priと主面のエッチング速度v
{100},pri、およびファイナル・エッチング工程での最
も速いサイドエッチング速度v{i},finと主面のエッチ
ング速度v{100},finとを用いて、下記(数16)式で
与えられる。
【0098】
【数16】
【0099】同様に、図10(B)に示した補償パター
ンを用いた場合の本発明における補償パターンのサイズ
com,impは、下記(数17)式で与えられる。
【0100】
【数17】
【0101】上記(数16)式および(数17)式で算
出されるLcom,impとDpriとの関係を、図10(A)、
(B)に示した補償パターンを用いた場合の例として図
13に示す。なお、上記の例は、Dpnを500μmと
し、プリ・エッチングのエッチング液として抱水ヒドラ
ジンを、ファイナル・エッチング工程のエッチング液と
して5:4液を、それぞれ80℃で使用した場合であ
る。
【0102】図13において、Dpriが0μmでの補償
パターンのサイズが、MPの発生しないエッチング液を
使用して従来の1回の電解エッチングで加工を行なう場
合に必要とする補償パターンのサイズに対応する。いず
れの補償パターンにおいても、プリ・エッチングのエッ
チングで深くエッチングするほど必要とする補償パター
ンが線形に減少して行き、450(μm)もプリ・エッ
チングのエッチングを行なえば、サイドエッチングの小
さな抱水ヒドラジンを用いて1回の電解エッチングで加
工を行なう場合に必要とする補償パターンのサイズと大
差のないことがわかる。つまり、本発明によれば、抱水
ヒドラジンと異なり、MPのないエッチング停止面が得
られるのみならず、抱水ヒドラジンの場合に必要とする
補償パターンと同程度の補償パターンのサイズで済むと
いう効果が得られる。このことは、半導体基板のサイズ
のトレンドに従って、3、4、5、6、8そして12イ
ンチと大口径化されるにつれ、基板の厚さも厚くなって
きている現状から、大きな意味を持っている。
【0103】なお、図10(A)に示した補償パターン
のサイズには限界があり、補償パターン同志が重なって
しまうサイズが限界のサイズである。すなわち、下記
(数18)に示すようになる。
【0104】
【数18】
【0105】次に、(数16)式と(数17)式から、
pnを500μmとし、プリ・エッチングのエッチング
液として抱水ヒドラジンを、ファイナル・エッチング工
程のエッチング液として5:4液を、それぞれ80℃で
使用した本実施の形態の場合と、5:4液を80℃で使
用し従来の1回の電解エッチングで加工を行なう場合と
における、シリコン基板の厚さ(Dpn)と重りを形成す
るための裏面マスクのサイズ(Lmas)との関係を、図
14に示す。
【0106】図14から基板が厚くなるにつれ、補償パ
ターンが大型化し、小さな重りが作成できなくなる傾向
がわかる。図14中の領域Bは、従来の1回の電解エッ
チングで加工を行なう場合では形成不可能であり、本実
施の形態によって形成できる領域である。また、図14
中の領域Aは、従来の1回の電解エッチングで加工を行
なう場合でも、本実施の形態によっても形成できる領域
である。図14から本発明によって製造できる領域の方
が遥かに広く、それだけ設計の自由度が高いことがわか
る。
【0107】なお、これまでの説明では、抱水ヒドラジ
ンを、エッチング底面に無数のMPが生成するが、サイ
ドエッチングの小さなエッチング液系の例として示し、
また5:4液とTMAHとを、サイドエッチング速度は
速いが、MPを生成しない、または消滅せしめるエッチ
ング液の例として取り上げたものであるが、本発明がこ
れらの組み合わせに限定されるものではない。なお、プ
リ・エッチング工程に、酸化膜を殆ど侵さない抱水ヒド
ラジンを用いた場合には、ファイナル・エッチング工程
では処理時間が短いため、水酸化カリウム水溶液等の酸
化膜を或る程度侵食するエッチング液を使用する場合で
あっても、裏面マスクとして酸化膜を用いることができ
る。
【0108】以上、本発明の実施の形態の説明は、エッ
チング液として抱水ヒドラジンを主として用いている
が、これに限定されるわけではなく、他のアルカリ異方
性エッチング液、すなわちLiOH、NaOH、KOH、
RbOH或いはCsOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶
液、無水ヒドラジン、NH2OH、TMAH(テトラ・
メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)で代表さ
れるNR4OH(Rはアルキル基)、EDP(エチレン
ジアミン−ピロカテコール−水)といった種々のアルカ
リ異方性エッチング液のみならず、フッ酸系のエッチン
グ液でもよい。またこれらのエッチング液に他の成分、
例えば界面活性剤やアルコールが添加されていても良
い。
【0109】また、これまでの説明においては、n型エ
ピタキシャル層に電圧を印加し、エッチング反応をpn
接合界面にて電気化学的に停止させる電解エッチング方
法を例として行なったが、これに限定されるわけではな
く、シリコン基板の陽極酸化によるポーラスシリコンの
形成でも良く、種々の電気化学的処理工程に適用するこ
とができる。
【0110】また、プリ・エッチング工程と、ファイナ
ル・エッチング工程とを連続して行なう例を説明してき
たが、これに限定されるわけではなく、プリ・エッチン
グ工程とファイナル・エッチング工程との間に他の工程
を行なってもよい。また、プリ・エッチングのエッチン
グ工程を1段で行なっているが、これに限定されるわけ
ではなく、多段で行なってもよい。
【0111】また、これまでの説明では、シリコン半導
体を例として行なったが、これに限定される訳ではな
く、ガリウム砒素で代表される化合物半導体であっても
良いし、場合によっては金属あるいはシリサイドでもよ
い。或いはその他の半導体や場合によっては水晶との複
合体であっても良い。
【0112】
【発明の効果】以上説明したごとく、請求項1に記載の
発明においては、設備投資費や人件費まで含めた工程コ
ストを低減し、ひいては製造する半導体デバイスのコス
トを低減することが出来る。また、電解エッチング工程
に、エッチング液ないしは反応生成物が引火・爆発性を
有する場合では、電解エッチング工程の時間を低減し、
リスクを低減できる。また、プリ・エッチング工程と、
ファイナル・エッチング工程とを、異なったエッチング
特性を有するエッチング液で行なう場合には、製造工程
のプロセス設計の自由度を向上させることができ、ま
た、同一のマスクから異なった最終形状を制御して製造
することができ、従って同一マスクより異なった特性の
半導体デバイスのシリーズを製造することも、あるいは
デバイス特性をトリミングすることもできる。また、半
導体デバイスの開発期間を短縮するのみならず、開発お
ける消費原材料費まで含めた、製造する半導体デバイス
のコストをさらに低減することが出来る。また、プリ・
エッチング工程を速いエッチング速度のエッチング液な
いしは条件で行なう場合では、スループットが向上し、
従って製造する半導体基板1枚当りの処理時間を低減
し、装置の専有時間を減少し、人件費まで含めた工程コ
ストをさらに低減し、ひいては製造する半導体デバイス
のコストをさらに低減することが出来る。また、プリ・
エッチング工程をファイナル・エッチング工程等の他の
工程で使用済みのエッチング液を用いた場合には、エッ
チング液の単位体積当りの半導体基板の処理枚数を増加
せしめ、工程で消費する原材料費を低減し、従って製造
する半導体デバイスのコストをさらに低減することが出
来る、等の多くの効果が得られる。
【0113】また、請求項2に記載の発明においては、
上記の効果に加えて、必要な補償パターンのサイズを小
さくでき、従ってチップサイズを減少させ、半導体基板
1枚当りのチップ数を増加せしめ、製造する半導体デバ
イスのコストをさらに低減することが出来る、という効
果が得られる。
【0114】また、請求項3に記載の発明においては、
上記の効果に加え、ファイナル・エッチング工程に水酸
化カリウム水溶液等の酸化膜を侵食するエッチング液を
使用する場合であっても、SiN膜等を用いることな
く、酸化膜をエッチングマスクとして用いることがで
き、製造する半導体デバイスの製造工程数を減少せし
め、製造する半導体デバイスのコストをさらに低減する
ことが出来る、という効果が得られる。
【0115】また、請求項4に記載の発明においては、
上記の効果に加えて、MP等の凸凹のないエッチング底
面が得られ、従って製造する半導体デバイスの歩留まり
を向上せしめ、ひいては製造する半導体デバイスのコス
トをさらに低減することが出来る、という効果が得られ
る。
【0116】また、請求項5に記載の発明においては、
上記の効果に加えて、電圧を印加して行なうファイナル
・エッチング工程のリスクを低減できる。すなわちプリ
・エッチング工程におけるエッチング液ないしは反応生
成物が引火・爆発性を有する場合であっても、この工程
は電圧を印加せずに行なえるため、リスクを低減でき
る、という効果が得られる。
【0117】また、請求項6に記載の発明においては、
上記の効果に加えて、スループットが大幅に向上し、従
って製造する半導体基板1枚当りの処理時間を大幅に低
減することにより、設備投資費や人件費まで含めた工程
コストをさらに低減し、ひいては製造する半導体デバイ
スのコストをさらに低減することが出来る、という効果
が得られる。
【0118】また、請求項7に記載の発明においては、
上記の効果に加えて、ファイナル・エッチング工程を行
なう際の、自然酸化膜を除去する前処理が不要になり、
従って工程コストを低減し、ひいては製造する半導体デ
バイスのコストをさらに低減することが出来る、という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング方法で製造するデバイスの
一例であり、半導体圧力センサの断面図。
【図2】プリ・エッチングを行なうエッチング装置の一
実施の形態を示す断面図。
【図3】p型シリコン基板の厚さDpnが600μmのと
きの、VfinのVconに対する比率%をDpriの関数とし
て示した特性図。
【図4】TwaferのDpri依存性を示す特性図。
【図5】TwaferのWpri依存性を示す特性図。
【図6】本発明のエッチング方法で製造するデバイスの
他の一例であり、半導体圧力センサの断面図。
【図7】エッチング速度の結晶面方位依存性を示す特性
図。
【図8】エッチング液の組成とエッチング速度比との関
係を示す特性図
【図9】エッチング液の組成とMP消滅力との関係を示
す特性図。
【図10】補償パターンの一例を示す平面図。
【図11】基板の厚さと補償パターンのサイズとの関係
を示す特性図。
【図12】基板の厚さと補償パターンのサイズとの関係
を示す特性図。
【図13】プリ・エッチングの深さと補償パターンのサ
イズとを対比した特性図。
【図14】裏面マスクのサイズと基板の厚さとの関係を
示す特性図。
【図15】半導体加速度センサの構造を示す図であり、
(A)平面図、(B)は(A)のP−P断面図、(C)
は(A)のQ−Q断面図、(D)は底面図。
【図16】電解エッチングを行なうエッチング装置の断
面図。
【図17】裏面マスクと重りの形状を示す平面図。
【符号の説明】
1…エッチング液 2…エッチ
ング槽 3…マグネチック・スターラ・バー 4…ヒータ 5…温度計 6…冷却管 21…エッチング底面 22…{1
00}面からなる底面 22…エッチング側壁40に接続する緩やかな斜面 24…マイクロ・ピラミッド(MP) 30…エピ
タキシャル基板 33、34…シリコン酸化膜 35…白金
電極 36…電源 37…裏面
マスク 38…{311}面等の高次の結晶面で構成された側面 39…{311}面等の高次の結晶面で構成された側面
38によって面取りされた凸状コーナ 40…{111}面で構成された側面 50…ダイ
アフラム 52…エッチング停止面 100…pn
接合界面 101、102…エッチング底面 300…p
型基板 301…n型エピタキシャル層 302…p型基板300から形成された重り 303…n型エピタキシャル層301から形成された梁 304…p型基板300から形成されたフレーム 3
05…スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 真希子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 内山 誠 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理半導体基板と対極とをエッチング液
    に浸漬し、電圧を印加することによってエッチングを行
    なう半導体の電解エッチング方法において、 上記半導体基板をエッチング液に浸漬し、電圧を引加せ
    ずにエッチングする第1の工程と、 上記第1の工程を施した後の上記半導体基板に電圧を引
    加して電解エッチングを行なう第2の工程と、の少なく
    とも2段のエッチング工程を有することを特徴とする半
    導体のエッチング方法。
  2. 【請求項2】上記第1の工程は、サイドエッチングの遅
    いエッチング液を用いて行なうことを特徴とする請求項
    1に記載の半導体のエッチング方法。
  3. 【請求項3】上記第1の工程で使用するサイドエッチン
    グの遅いエッチング液は、抱水ヒドラジンからなること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体基板のエッチング
    方法。
  4. 【請求項4】上記第2の工程は、エッチング主面を平滑
    化せしめるエッチング液を用いて行なうことを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体のエッチング方法。
  5. 【請求項5】上記第2の工程は、エッチング中に引火す
    るおそれのない程度に引火点が高いエッチング液もしく
    は引火しないエッチング液を用いて行なうことを特徴と
    する請求項1に記載の半導体のエッチング方法。
  6. 【請求項6】上記第1の工程および第2の工程は、上記
    半導体基板の複数を同時に処理する工程であることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体のエッチング方法。
  7. 【請求項7】上記第2の工程で使用するエッチング液
    は、少なくともヒドラジン(N24)、水酸化カリウム
    (KOH)および水(H2O)の3成分を含む組成であ
    り、かつ、上記水酸化カリウム(KOH)が、少なくと
    も0.3wt%以上含まれる組成であることを特徴とす
    る請求項1、請求項4または請求項5の何れかに記載の
    半導体のエッチング方法。
JP31203295A 1995-03-20 1995-11-30 半導体のエッチング方法 Pending JPH09153479A (ja)

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US08/617,215 US5804090A (en) 1995-03-20 1996-03-18 Process for etching semiconductors using a hydrazine and metal hydroxide-containing etching solution

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005079382A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Seiko Epson Corp エッチング装置

Cited By (1)

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