JPH0915278A - 電気伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブ - Google Patents
電気伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブInfo
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Abstract
電気伝導度測定回路を提供すること。 【構成】 電気伝導度を測定する被検出流体に磁束回路
が閉ル−プを構成するように配設された第1及び第2の
コアと、上記第1のコアに巻かれた第1のコイルにパル
ス電圧を供給する発振器と、上記第2のコアに巻かれた
第2のコイルに誘起される電圧を位相検波する位相検波
回路と、上記第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向
に巻かれた第3及び第4のコイルを備え、この第3及び
第4のコイル、基準抵抗Rr、スイッチ手段により構成
される閉回路とから、被検出流体の電気伝導度Kc=
(S/Rr)*(Vc/Vr)として算出するようにし
ている。
Description
伝導度を自動的に計測することができる海洋デ−タ自動
測定装置に用いられる測定回路及びそのプロ−ブに関す
る。
たプロ−ブを海中に投下して自由落下させ、水温センサ
で検知された水温信号を常時伝送ワイヤを介して測量船
に伝送して、海中鉛直方向の深度に対する水温をリアル
タイムに連続的に計測する、いわゆるXBT(expendab
le bathy thermograph)という計測装置が広く知られて
いる。この測定された水温デ−タは各種気象観測デ−タ
として使用される。このXBTのプロ−ブを海中に投下
し、所定の水温デ−タを計測し終えると、プロ−ブに接
続されていた伝送ワイヤを切断し、プロ−ブもろとも海
中に投棄していた。
る上から海中の水温だけでなく海水の電気伝導度をも計
測するCTD(conductivity temperature depth)と呼
ばれる計測器が知られている。この計測器はプロ−ブに
水温センサ及び電気伝導度センサを内蔵し、このプロ−
ブを自由落下させて水温センサ及び電気伝導度センサに
より検出された水温及び電気伝導度をプロ−ブに接続さ
れたケ−ブルを介して測量船にリアルタイムに伝送し、
水温及び電気伝導度を表示あるいは印字出力するように
したものである。
伝導度を記憶しておくメモリを内蔵させ、プロ−ブを自
由落下させた後にプロ−ブを引き上げて、メモリに記憶
されているデ−タを読み出して深度に対する水温,電気
伝導度等の海洋デ−タを印字あるいは表示出力するCT
D計測器もある。
度等の海洋デ−タを測量船にケ−ブルを介して伝送する
ことができるため、リアルタイムに海洋デ−タを出力す
ることができるが、ケ−ブルを引きづって航行すること
ができないため、測量が終了するまで、測量船を停泊さ
せておく必要がある。このため、停泊に要する費用も莫
大なものとなるばかりでなく、測量に要する時間もかか
るという問題点があった。
き上げてからでないと、海洋デ−タを出力することがで
きないため、リアルタイムの海洋デ−タを検知すること
はできなかった。
ながらリアルタイムに水温及び電気伝導度等の海洋デ−
タを測定できるCTD計測器の出現が望まれていた。こ
のようなCTDはプロ−ブにワイヤ(例えば、2本の極
細電線)を接続しておき、プロ−ブを海中に投下してプ
ロ−ブが目的とする深度まで自由落下した後には、ワイ
ヤもろともプロ−ブも海中に投棄してしまうため、プロ
−ブを安価に製造する必要がある。しかし、プロ−ブの
精度も高精度を達成しうることが望まれる。そこで、そ
のように安価でしかも精度及び分解能を上げることがで
きる投捨式の海洋デ−タ自動測定装置が特開平5−18
8030号公報で知られている。
ては、電気伝導度の測定をプロ−ブの先端に配設された
電極間の抵抗を測定する、いわゆる電極方式により行っ
ていた。しかし、この電極方式では、プロ−ブを海中に
投下してから、電極面がなじむまで時間がかかるため、
海面に面した部分での電気伝導度の信頼性が落ちるとい
う問題点があった。
ため、測定値に誤差が発生するという問題があった。本
発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は電
極式のような電極面のなじみによる測定の立ち遅れを防
止し、精度良い電気伝導度を測定することができる電気
伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブを提供す
ることにある。
導度測定回路は、電気伝導度を測定する被検出流体に磁
束回路が閉ル−プを構成するように配設された第1及び
第2のコアと、上記第1のコアに巻かれた第1のコイル
にパルス電圧を供給する発振器と、上記第2のコアに巻
かれた第2のコイルに誘起される電圧を位相検波する位
相検波回路と、上記第1のコア及び第2のコアに互いに
逆方向に巻かれた第3及び第4のコイルを備え、この第
3及び第4のコイル、基準抵抗Rr、スイッチ手段によ
り構成される閉回路と、上記位相検波回路の出力を積分
する積分回路と、この積分回路の出力信号をそれぞれサ
ンプルホ−ルドする第1及び第2のサイプルホ−ルド回
路と、上記スイッチ手段を所定周期でオフからオンに切
り替え動作させ、このスイッチ手段のオフ期間に上記第
2のコイルに誘起される電圧を、上記パルス電圧の立ち
下がりに同期した位相で検波し、その電圧を上記積分回
路で積分し、このオフ期間が終了するまでに上記積分器
に積分された電圧をVcとして上記第1のサンプルホ−
ルド回路に保持させ、上記スイッチ手段のオン期間に上
記第2のコイルに上記第2のコイルに誘起される電圧
を、上記パルス電圧の立ち下がりに同期した位相検波
し、その電圧を上記オフ期間から累積して上記積分回路
で積分し、このオン期間が終了するまでに上記積分器に
積分された電圧をVrとして上記第2のサンプルホ−ル
ド回路に保持させ、上記被検出流体の電気伝導度Kcを
Kc=(S/Rr)・(Vc/Vr)(ただし、Sはセ
ルの形状で決まるセル定数とする)として算出する制御
手段とから構成される。
電気伝導度を測定する被検出流体に磁束回路が閉ル−プ
を構成するように第1及び第2のコアを配設すると共
に、上記第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向に巻
かれたコイルをそれぞれ設け、これらコイルと、基準抵
抗Rr、スイッチ手段により閉回路しておき、このスイ
ッチ出力を周期的にオン・オフさせ、周期的に上記基準
抵抗Rrを閉回路に組み込み、この基準抵抗Rrを組み
込んだ状態と組み込まない状態とで上記第2のコアに巻
かれたコイルに誘起される電圧に基づいて上記被検出流
体の抵抗を演算するようにしたことを特徴とする。
2の電気伝導度測定用プロ−ブは、電気伝導度測定回路
をプロ−ブの下降側先端部に内蔵させ、この先端部に設
けられた被検出流体導入用通路を中心に上記第1のコア
及び第2のコアを軸方向に離間させて配置させたことを
特徴とする。
閉ル−プを構成するように第1及び第2のコアを配設す
ると共に、第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向に
巻かれた第3及び第4のコイルを備え、この第3及び第
4のコイル、基準抵抗Rr、スイッチ手段により構成さ
れる閉回路を設け、スイッチ手段を所定周期でオフから
オンに切り替え動作させ、このスイッチ手段のオフ期間
に上記第2のコイルに誘起される電圧を、パルス電圧の
立ち下がりに同期した位相で検波し、その電圧を上記積
分回路で積分し、このオフ期間が終了するまでに上記積
分器に積分された電圧をVcとして第1のサンプルホ−
ルド回路に保持させ、上記スイッチ手段のオン期間に第
2のコイルに上記第2のコイルに誘起される電圧を、パ
ルス電圧の立ち下がりに同期した位相検波し、その電圧
をオフ期間から累積して上記積分回路で積分し、このオ
ン期間が終了するまでに積分器に積分された電圧をVr
として上記第2のサンプルホ−ルド回路に保持させ、上
記被検出流体の電気伝導度KcをKc=(S/Rr)・
(Vc/Vr)(ただし、Sはセルの形状で決まるセル
定数とする)として算出するようにしている。
て説明する。まず、図3を参照して電気伝導度測定用プ
ロ−ブの外形について説明する。図3は電気伝導度測定
用プロ−ブの外形を示す斜視図である。図3に示すよう
に、11はプロ−ブである。は先端部12がコ−ン形状
をなし、この先端部12の上に円筒形状の円筒部13が
樹脂で一対形成されている。
述する電気回路が設けられており、この電気回路から4
0msec毎に出力される電気伝導度Kcデ−タを送信する
ための極細のワイヤ14がプロ−ブ11の外部に延出さ
れている。このワイヤ14はプロ−ブ11の投入前に
は、プロ−ブ11内部において巻回されており、プロ−
ブ11が落下するに従って解けていく。このワイヤ14
の一端は電気回路に接続され、他端は計測船(図4の
S)に搭載されているパ−ソナルコンピュ−タ(図示し
ない)に接続される。
検出流体である海水を導入するための円筒状の通路15
が設けられている。この通路15はプロ−ブ11の中心
軸と直交する貫通通路16と連通している。従って、プ
ロ−ブ11が落下するに従って、矢印A方向から流入し
た海水は、通路15を介して導入され、その後に貫通路
16を介して外部に排水される。
コア17及び第2のコア18が軸方向に離間した状態で
配置されている。この状態を図5に示しておく。次に、
図1及び図2を参照してプロ−ブ14の詳細な構成につ
いて説明する。図1において、21は上部が円筒形状を
なす円筒部21aをなし、下部がコ−ン状をなすコ−ン
形状部21bをなした共に樹脂で一体構形成れたプロ−
ブ本体である。この円筒部21aには図4に示した電気
回路を搭載した基板22が収納されている。そして、こ
のプロ−ブ本体21の下部に一対形成されたコ−ン形状
部21bの軸方向に沿って被検出流体である海水を導入
するための円筒状の通路15が設けられている。さら
に、この通路15に直交する通路16が連結されてい
る。
に穴が形成されたコア収納部23が設けられている。前
述した第1のコア17は図示した下方向に開口を持ち、
しかもド−ナツ形状の磁気遮蔽部材17aに囲われるよ
うに収納されているおり、前述した第2のコア18は図
示した上方向に開口を持ち、しかもド−ナツ状に穴が形
成された磁気遮蔽部材18aに囲われるように収納され
ている。この磁気遮蔽部材17aと18aはド−ナツ状
のスペ−サ19を介して所定の距離を隔てて配置され
る。そして、コア収納部23内の上記第1のコア17、
第2のコア18、スペ−サ19、磁気遮蔽部材17a及
び18aはすべてエポキシ樹脂20が封入されている。
め少ない硼硅酸ガラス21cが装着されている。この硼
硅酸ガラス21cは通路15が開けられているコ−ン形
状部21bの素材である樹脂が温度、圧力により変形し
て、通路15の内径が変化しないようにするためであ
る。
との間には円柱状の金属より構成される錘り部材23が
内蔵される。この錘り部材23には、プロ−ブ11の軸
方向に3ケ所、電線を挿入するための貫通孔24〜26
が開けられている。図では貫通孔25,26が重なって
見えるが、水平位置では離れた位置に存在している。
7〜30で液密に固定されている。なお、32a,32
bはOリングである。さらに、コ−ン形状部21bに
は、上記した貫通孔24〜26と整合する位置に貫通孔
31a〜31cが開けられている。
〜26及び貫通孔31a〜31cを介して第1のコア1
7に巻かれる第1のコイルL1及び第2のコア18に巻
かれる第2のコイルL2及び後述する第3及び第4のコ
イルL3,L4と電気的に接続される。
ている電気回路について説明する。第1のコア17には
一次コイルとして第1のコイルL1が巻回されている。
この第1のコイルL1の一端は海水にア−スされ、その
他端には図7(A)に示す高周波パルス電圧を出力する
発振器(オシレ−タ)31が接続されている。この高周
波パルス電圧の周波数は12.8KHz である。この発振
器(オシレ−タ)31からコントロ−ラ32へ基準位相
ラインaが接続されている。
のコイルL2を構成し、基準抵抗Rrを介してから第2
のコア18を上記第1のコア17の巻き方向と反対とな
るように巻いて第4のコイルL4を構成した後、スイッ
チS1を介して閉ル−プを構成する電線33が設けられ
ている。このスイッチS1は半導体スイッチで構成され
ており、コントロ−ラ32からの制御信号bによりオン
/オフ制御されるもので、図7(H)に示すように、2
0msec毎にオン状態とオフ状態とを交互に繰り返す。こ
の基準抵抗Rrは温度補償をする必要のない基準抵抗で
あり、その等価導電率KrはKr=S/Rr(Sはセル
定数)である。
18の間を抵抗Rcを介在したル−プCLが記載されて
いるが、この抵抗Rcはプロ−ブ11の通路15に流入
した海水の等価抵抗値を示し、Rc=S/Kcである。
しての第2のコイルL2が巻回されている。この第2の
コイルL2の一端は海水にア−スされ、その他端は図7
(B)に示すような二次コイル出力Bが出力される。
段増幅を行うプリアンプ34を介して増幅される。この
プリアンプ34の出力は図7(C)に示すようにプリア
ンプ出力CとしてスイッチS2を介してオペアンプ35
とコンデンサC1、抵抗Rで構成される積分器36に入
力される。このオプアンプ35の入力と出力との間に
は、コンデンサC1に充電された電圧をリセットするた
めのスイッチS3が接続されている。
イッチで、図7(A)のオシレ−タ出力Aの立ち上がり
あるいは立ち下がりのいずれかに同期して閉じられるス
イッチである。立ち上がりに同期した場合には、“0
度”検波となり、立ち下がりに同期した場合には“18
0度”検波となる。このスイッチS2の出力は図7
(D)に示すように検波出力Dとして出力される。この
スイッチS2のオン/オフ制御は前述したコントロ−ラ
32からの制御信号cにより行われる。
制御は、コントロ−ラ32からの制御信号dにより制御
される。このスイッチS3は図7(J)に示すように、
40msec毎に1回だけオンされる。
イッチS4、バッファ37より構成されるサンプリング
ホ−ルド回路38に入力されると共に、スイッチS5,
バッファ39より構成されるサンプリングホ−ルド回路
40に入力される。
導電率出力FはコンデンサC2を介して海水にア−スさ
れる。さらに、スイッチS5とバッファ39との接続点
の標準器出力GはコンデンサC3を介して海水にア−ス
される。
の制御信号eによりオン/オフ制御されるもので、図7
(K)に示すように、図7(J)のスイッチS3が一瞬
オンされるリセットパルスPより20msec経過して、ス
イッチS1がオフからオンに切り替わる直前に一瞬オン
される。このことにより、スイッチS1がオフ(開)状
態の間に、積分器36に積分される電圧Vcをバッファ
37に保持させることができる。
からの制御信号fによりオン/オフ制御されているもの
で、図7(L)に示すように、前述したパルスPより4
0msecが経過して次のリセットパルスPが出力される直
前に、一瞬オンされる。このことにより、スイッチS1
がオフ(開)状態からオン(閉)状態に亘って、積分器
36に積分される電圧Vrをバッファ39に保持させる
ことができる。
れた電圧Vc,VrはそれぞれA/D変換器41,42
を介してデジタルデ−タに変換された後コントロ−ラ3
2に入力される。
れた電気伝導度デ−タをシリアルデ−タに変換するP/
S(パラレル・シリアル)変換回路43を介して送信回
路44が接続される。この送信回路44は40msec毎に
被検液の電気伝導度デ−タをライン14を介して測量船
Sに搭載されたパ−ソナルコンピュ−タにシリアル転送
する。
4ビットのマイクロプロセッサを中心に構成されている
もので、基準位相信号aをもとに制御信号b〜fによる
スイッチS1〜S5のオン/オフのタイミング制御の
他、A/D変換器41,42を介して入力される電圧V
c,Vr,基準抵抗Rrから被検液(つまり、通路15
の海水)の電気伝導度をKc=(S/Rr)*(Vc/
Vr)として算出している。
実施例の動作について説明する。まず、測量船Sが電気
伝導度Kcを測定する測量域に到着すると、プロ−ブ1
1を図示しないキャニスタから取り出して、コントロ−
ラ32の図示しない電源をオンさせた後、海中に投下す
る。
11内部に巻回されたワイヤ14を解きながら、自重に
より自然落下していく。ここで、プロ−ブ11内部には
金属の錘り部材23が内蔵されているため、プロ−ブ1
1はコ−ン形状部21bを下側にして自然落下する。
介して海水が流入し、貫通路16を介して左右側面に排
水される。通路15内の第1のコア17と第2のコア1
8との間にある海水の電気伝導度Kcを求めるのが、本
発明の測定回路である。
うに、20msec毎にオフ状態からオン状態への切り替え
を繰り返している。まず、スイッチS1がオフ状態にあ
る時刻t1〜時刻t2までの動作について説明する。ス
イッチS1がオフ状態にあるので、図6の電線33が閉
ル−プを構成していない。
第1のコイルL1には図7(A)に示すような波形の高
周波パルス電圧が発振器31から印加される。そして、
第1のコイルL1に印加される電圧が変化するため、第
1のコア17から第2のコア18に伝達される磁束密度
が変化する。これにより、第2のコア18に巻回されて
いる第2のコイルL2に図7(B)に示すような波形を
持つ出力電圧Bが発生する。
度Kcに比例して大きくなる。なぜなら、第1のコア1
7から第2のコア18に放射される磁束密度は第1のコ
ア17と第2のコア18に介在する媒体、つまり、通路
15に流入した海水の電気伝導度に比例して大きくなる
からである。
通路15に流入した海水の電気伝導度Kcを測定するこ
とができる。以下、図8のタイミングチャ−トをして海
水の電気伝導度Kcを計測する原理について説明する。
まず、発振器31の出力Aが図8(A)に示すようにパ
ルス的に変化すると、第2のコイルL2には同図(B)
に示すように出力Aの立上がり及び立ち下がりに同期し
た鋸歯状波が発生する。
位相が0度で正の鋸歯状波P1、位相が180度で負の
鋸歯状波P2となる。そして、第2のコイルL2の出力
Bはプリアンプ34で増幅されて図7(B)に示すよう
に出力Cとなる。
持される時刻t1〜t2までの間は位相0度で検波を行
っている。つまり、スイッチS2は発振器31の出力A
の立上がりに同期して所定時間だけ閉制御される。この
結果、積分器36には図9(C)に示すような正の鋸歯
状波P1が入力される。
積分するため、時刻t1〜t2においては時間が経過す
るに従って、積分器36の出力は図8(E)のdに示す
ようにリニアに増加する。
れる。従って、第1のコア17を1巻きして第3のコイ
ルL2を構成し、基準抵抗Rr(電気伝導度はKr)を
介してから第2のコア18を上記第1のコア17の巻き
方向と反対となるように巻いて第4のコイルL4を構成
した閉ル−プが電線33により構成される。
び第2のコア18に組み込むことにより、第2のコイル
L2の出力Bは図7(B)に示すように増加する。これ
は基準抵抗Rrの電気伝導度Krを海水の標準的な電気
伝導度Kcより大きくとっているためである。例えば、
基準抵抗Rrを188Ω以下とし、海水の抵抗を188
Ω〜無限大とするように場合、電気伝導度はその抵抗の
逆数であるので、基準抵抗Rrの電気伝導度Krは海水
の電気伝導度Kcより大きくなる。
いで、開いた状態を時刻t1から40msecである時刻t
3まで保持した場合には、積分器36には時刻t2以降
は図8(D)に示す負の鋸歯状波P2を積分することに
なるので、時刻t2で電圧Vcを出力していた積分器3
6の出力は時刻の経過とともに破線eに示すように減少
し、時刻t3では積分器36の出力は「0」Vとなる。
これは、時刻t2で位相検波を180度位相の検波に切
り替え、しかも時刻t1〜t2までの時間と時刻t2〜
t3までの時間が等しいからである。
度位相検波に切り替えると共に、スイッチS1を閉じ
て、電線33を組み込むようにしている。従って、電線
33の接続されている基準抵抗Rrの電気伝導度Krは
海水の電気伝導度Kcより大きく、しかも第3のコイル
L3と第4のコイルL4の巻き方向が逆であるため、第
2のコア18の第2のコイルL2に誘起される電圧を増
方向に変化させている。
れる電圧は直線fに示すように増加する。この間に、時
刻t2で積分器36に積分されていた電圧Vcは図8
(D)に示す負の鋸歯状波P2を積分していく。そし
て、前述したように、時刻t1〜t2間の時間と、時刻
t2〜t3までの時間とは等しいため、時刻t1〜t3
までに積分器36に入力される正の鋸歯状波P1の数と
負の鋸歯状波P2は等しくなる。従って、時刻t2にす
でに積分器36に積分されていた電圧Vcは時刻t3に
なると相殺されて「0」Vとなっている。
積分されている電圧Vrは電圧Vcには依存しない電圧
となる。言い換えると、時刻t3で積分器36に積分さ
れる電圧Vrは海水の電気伝導度Kcに全く影響されな
い基準抵抗Rrの電気伝導度Krのみに比例する一定の
電圧となる。前述したように、基準抵抗Rrとして温度
補償する必要の全くない抵抗を使用しているため、この
電圧Vrは時刻t2〜t3までの時間と基準抵抗Rrの
電気伝導度Krにより一義的に決定される。
のコア17と第2のコア18との間は、通路15に導入
された海水の電気伝導度Kcにより電気的に結合されて
いるため、第2のコア18のL2に発生する電圧Bはそ
の電気伝導度Kcに比例した電圧となる。従って、時刻
t1〜t2までに電圧Bを積分したものである時刻t2
における電圧Vcは電気伝導度Kcに比例する。
のコア17と第2のコア18との間は、通路15に導入
された海水の電気伝導度Kc及び基準抵抗Rrの電気伝
導度Krにより電気的に結合されている。
分されていた電圧Vcは時刻t3になると相殺されて
「0」Vとなっているため、時刻t3で積分器36に積
分されている電圧Vrは基準抵抗Rrの電気伝導度Kr
に比例していると考えることができる。
すると、 Kc=Kr*Vc/Vr=(S/Rr)・(Vc/Vr) …(2) となる。
第1のコア17及び第2のコア18の電磁変化率、アン
プ34の増幅率、積分器36のコンデンサC1の容量が
変化すると、電圧Vcはその影響を受けて僅かに変化す
る。しかし、電圧Vrを計測する時刻t1〜t2までの
前半部分の時間と、電圧Vcを計測する時刻t2〜t3
までの時間が等しいので、電圧Vrも前述した影響を受
けるため、第(2)式の『Vc/Vr』項の存在によ
り、電圧Vcと電圧Vrの前述した影響を相殺すること
ができる。
の電気伝導度Kcは発振器31の出力電圧A、第1のコ
ア17及び第2のコア18の電磁変化率、アンプ34の
増幅率、積分器36のコンデンサC1の容量の変化に全
く影響を受けることはない。
基準抵抗Rrの電気伝導度であるので、第(2)式で算
出された海水の電気伝導度Kcは周囲の温度に影響され
ず、しかも発振器31の出力電圧A、第1のコア17及
び第2のコア18の電磁変化率、アンプ34の増幅率、
積分器36のコンデンサC1の容量が変化したとしても
その影響を全く受けることはない。
された電圧Vcはサンプリングホ−ルド回路38に保持
され、時刻t3に積分器36に積分された電圧Vrはサ
ンプリングホ−ルド回路40に保持される。
れA/D変換器41,42を介してデジタルデ−タに変
換されてコントロ−ラ32に取り込まれる。そして、コ
ントロ−ラ32内で『Kc=(S/Rr)*(Vc/V
r)』としてその時点で通路15にある海水の電気伝導
度Kcを算出するようにしている。
t3が経過する毎、つまり40msec毎に電気伝導度Kc
を算出している。このようにして算出された電気伝導度
Kcのデ−タはP/S変換器43でシリアルデ−タに変
換されて後、送信回路44からワイヤ14を介して測量
船Sのパ−ソナルコンピュ−タに送信される。
はプロ−ブ11が海中を自然落下して、最終的にワイヤ
14が延び切って、ワイヤ14がプロ−ブ11の重さで
切断されるまで行われる。
タを受信した測量船Sのパ−ソナルコンピュ−タは自然
落下によるプロ−ブ11の水深を1/2gt2 から算出
するようにし、プロ−ブ11を投下した時刻から40ms
ec毎の水深に対する電気伝導度Kcを測定するようにし
ている。
て海水の電気伝導度を測定するようにしたので、第1及
び第2のコア17,18をエポキシ樹脂で封入しておい
ても測定上何ら影響を及ぼすことはない。
極め少ない硼硅酸ガラス22とエポキシ樹脂20であ
り、いずれも電気化学的に安定な素材であるので、海水
中で長期間使用しても電蝕その他の恐れは全くない。
22を装着させることにより、水圧や水温が変化しても
の通路15の内径を一定に保つことができる。このこと
により、測定した電気伝導度の確度を向上させることが
できる。
導度の測定装置では、電極が海水になじむまでは、電気
伝導度の測定誤差が発生していたが、本願のものでは、
第1及び第2のコイル17,18は海水とは非接触であ
るため、従来のなじみによる測定誤差の発生をなくすこ
とができる。
検液の電気伝導度を測定を温度補償をすることがなく、
電極式のような電極面のなじみによる測定の立ち遅れを
防止し、精度良い電気伝導度を測定することができる電
気伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブを提供
することができる。
法を説明するための図。
コアを示す図。
示す図。
17…第1のコア、18…第2のコア、31…発振器、
32…コントロ−ラ、33…電線、36…積分器、3
8,40…サンプリングホ−ルド回路、37,39…バ
ッファ。
度測定用プロ−ブ
伝導度を自動的に計測することができる海洋デ−タ自動
測定装置に用いられる測定回路及びそのプロ−ブに関す
る。
たプロ−ブを海中に投下して自由落下させ、水温センサ
で検知された水温信号を常時伝送ワイヤ(例えば、2本
の極細電線)を介して測量船に伝送して、海中鉛直方向
の深度に対する水温をリアルタイムに連続的に計測す
る、いわゆるXBT(expendable bathy thermograph)
という計測装置が広く知られている。この測定された水
温デ−タは重要な海象観測デ−タとして使用される。こ
のXBTのプロ−ブを海中に投下し、所定の水温デ−タ
を計測し終えると、プロ−ブに接続されていた伝送ワイ
ヤを切断し、プロ−ブもろとも海中に投棄していた。
水温だけでなく海水の電気伝導度をも計測するCTD
(conductivity temperature depth)と呼ばれる計測器
が知られている。この計測器はプロ−ブに水温センサ及
び電気伝導度センサ及び深度センサを内蔵し、このプロ
−ブをケ−ブルにより降下させ水温センサ、電気伝導度
センサ及び深度センサにより検出された水温、電気伝導
度、深度をプロ−ブに接続されたケ−ブルを介して観測
船にリアルタイムに伝送し、深度に対する水温及び電気
伝導度を表示あるいは印字出力するようにしたものであ
る。
伝導度を記憶しておくメモリを内蔵させ、プロ−ブをロ
−プ等で吊下げ降下させた後にプロ−ブを引き上げて、
メモリに記憶されているデ−タを読み出して深度に対す
る水温,電気伝導度等の海洋デ−タを印字あるいは表示
出力するCTD計測器もある。
度等の海洋デ−タを観測船にケ−ブルを介して伝送する
ことができるため、リアルタイムに海洋デ−タを出力す
ることができるが、ケ−ブルを引きづって航行すること
ができないため、観測が終了するまで、観測船を停泊さ
せておく必要がある。このため、停泊に要する費用も莫
大なものとなるばかりでなく、観測に要する時間もかか
り、専用ウインチの装備に要する費用、人員の配置等の
問題点があった。
き上げてからでないと、海洋デ−タを出力することがで
きないため、リアルタイムの海洋デ−タを検知すること
はできなかった。
ながらリアルタイムに水温及び電気伝導度等の海洋デ−
タを測定できるCTD計測器の出現が望まれていた。こ
のようなCTDはプロ−ブにワイヤ(例えば、2本の極
細電線)を接続しておき、プロ−ブを海中に投下してプ
ロ−ブが目的とする深度まで自由落下した後には、ワイ
ヤもろともプロ−ブも海中に投棄してしまうため、プロ
−ブを安価に製造する必要がある。しかし、プロ−ブの
精度も高精度を達成しうることが望まれる。そこで、そ
のように安価でしかも精度及び分解能を上げることがで
きる投捨式の海洋デ−タ自動測定装置が特開平5−18
8030号公報で知られている。
ては、電気伝導度の測定をプロ−ブの先端に配設された
電極間の抵抗を測定する、いわゆる電極方式により行っ
ていた。しかし、この電極方式では、プロ−ブを海中に
投下してから、電極面がなじむまで時間がかかるため、
海面近傍での電気伝導度測定デ−タの信頼性が落ちると
いう問題点があった。
ため、測定値にノイズ、誤差が発生するという問題があ
った。本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その
目的は電極式のような電極面のなじみによる測定の立ち
遅れを防止し、精度良い電気伝導度を測定することがで
きる電気伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブ
を提供することにある。
導度測定回路は、電気伝導度を測定する被検出液体に磁
束回路が閉ル−プを構成するように配設された第1及び
第2のコアと、上記第1のコアに巻かれた第1のコイル
にパルス電圧を供給する発振器と、上記第2のコアに巻
かれた第2のコイルに誘起される電圧を位相検波する位
相検波回路と、上記第1のコア及び第2のコアに互いに
逆方向に巻かれた第3及び第4のコイルを備え、この第
3及び第4のコイル、基準抵抗Rr、スイッチ手段によ
り構成される閉回路と、上記位相検波回路の出力を積分
する積分回路と、この積分回路の出力信号をそれぞれサ
ンプルホ−ルドする第1及び第2のサイプルホ−ルド回
路と、上記スイッチ手段を所定周期でオフからオンに切
り替え動作させ、このスイッチ手段のオフ期間に上記第
2のコイルに誘起される電圧を、上記パルス電圧の立ち
下がりに同期した位相で検波し、その電圧を上記積分回
路で積分し、このオフ期間が終了するまでに上記積分器
に積分された電圧をVcとして上記第1のサンプルホ−
ルド回路に保持させ、上記スイッチ手段のオン期間に上
記第2のコイルに上記第2のコイルに誘起される電圧
を、上記パルス電圧の立ち下がりに同期した位相検波
し、その電圧を上記オフ期間から累積して上記積分回路
で積分し、このオン期間が終了するまでに上記積分器に
積分された電圧をVrとして上記第2のサンプルホ−ル
ド回路に保持させ、上記被検出液体の電気伝導度Kcを
Kc=(S/Rr)・(Vc/Vr)(ただし、Sはセ
ルの形状で決まるセル定数とする)として算出する制御
手段とから構成される。
電気伝導度を測定する被検出液体に磁束回路が閉ル−プ
を構成するように第1及び第2のコアを配設すると共
に、上記第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向に巻
かれたコイルをそれぞれ設け、これらコイルと、基準抵
抗Rr、スイッチ手段により閉回路しておき、このスイ
ッチ出力を周期的にオン・オフさせ、周期的に上記基準
抵抗Rrを閉回路に組み込み、この基準抵抗Rrを組み
込んだ状態と組み込まない状態とで上記第2のコアに巻
かれたコイルに誘起される電圧に基づいて上記被検出液
体の電気伝導度を演算するようにしたことを特徴とす
る。
2の電気伝導度測定用プロ−ブは、電気伝導度測定回路
をプロ−ブの下降側先端部に内蔵させ、この先端部に設
けられた被検出液体導入用通路を中心に上記第1のコア
及び第2のコアを軸方向に離間させて配置させたことを
特徴とする。
閉ル−プを構成するように第1及び第2のコアを配設す
ると共に、第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向に
巻かれた第3及び第4のコイルを備え、この第3及び第
4のコイル、基準抵抗Rr、スイッチ手段により構成さ
れる閉回路を設け、スイッチ手段を所定周期でオフから
オンに切り替え動作させ、このスイッチ手段のオフ期間
に上記第2のコイルに誘起される電圧を、パルス電圧の
立ち上がりに同期した位相で検波し、その電圧を上記積
分回路で積分し、このオフ期間が終了するまでに上記積
分器に積分された電圧をVcとして第1のサンプルホ−
ルド回路に保持させ、上記スイッチ手段のオン期間に第
2のコイルに上記第2のコイルに誘起される電圧を、パ
ルス電圧の立ち下がりに同期した位相検波し、その電圧
をオフ期間から累積して上記積分回路で積分し、このオ
ン期間が終了するまでに積分器に積分された電圧をVr
として上記第2のサンプルホ−ルド回路に保持させ、上
記被検出液体の電気伝導度KcをKc=(S/Rr)・
(Vc/Vr)(ただし、Sはセルの形状で決まるセル
定数とする)として算出するようにしている。
て説明する。まず、図3を参照して電気伝導度測定用プ
ロ−ブの外形について説明する。図3は電気伝導度測定
用プロ−ブの外形を示す斜視図である。図3に示すよう
に、11はプロ−ブである。これは先端部12がコ−ン
形状をなし、この先端部12の上に円筒形状の円筒部1
3が樹脂で一対形成されている。
述する電気回路が設けられており、この電気回路から4
0msec毎に出力される電気伝導度Kcデ−タを送信する
ための極細のワイヤ14がプロ−ブ11の外部に延出さ
れている。このワイヤ14はプロ−ブ11の投入前に
は、プロ−ブ11内部において巻回されており、プロ−
ブ11が落下するに従って解けていく。このワイヤ14
の一端は電気回路に接続され、他端は計測船(図4の
S)に搭載されているパ−ソナルコンピュ−タ(図示し
ない)に接続される。
検出液体である海水を導入するための円筒状の通路15
が設けられている。この通路15はプロ−ブ11の中心
軸と直交する貫通通路16と連通している。従って、プ
ロ−ブ11が落下するに従って、矢印A方向から流入し
た海水は、通路15を介して導入され、その後に貫通路
16を介して外部に排水される。
コア17及び第2のコア18が軸方向に離間した状態で
配置されている。この状態を図5に示しておく。次に、
図1及び図2を参照してプロ−ブ14の詳細な構成につ
いて説明する。図1において、21は上部が円筒形状を
なす円筒部21aをなし、下部がコ−ン状をなすコ−ン
形状部21bをなした共に樹脂で一体構形成れたプロ−
ブ本体である。この円筒部21aには図4に示した電気
回路を搭載した基板22が収納されている。そして、こ
のプロ−ブ本体21の下部に一対形成されたコ−ン形状
部21bの軸方向に沿って被検出液体である海水を導入
するための円筒状の通路15が設けられている。さら
に、この通路15に直交する通路16が連結されてい
る。
穴が形成されたコア収納部23bが設けられている。前
述した第1のコア17は図示した下方向に開口を持ち、
しかもド−ナツ形状の磁気遮蔽部材17aに囲われるよ
うに収納されているおり、前述した第2のコア18は図
示した上方向に開口を持ち、しかもド−ナツ状に穴が形
成された磁気遮蔽部材18aに囲われるように収納され
ている。この磁気遮蔽部材17aと18aはド−ナツ状
のスペ−サ19を介して所定の距離を隔てて配置され
る。そして、コア収納部23内の上記第1のコア17、
第2のコア18、スペ−サ19、磁気遮蔽部材17a及
び18aはすべてエポキシ樹脂20が封入されている。
め少ない硼硅酸ガラス21cが装着されている。この硼
硅酸ガラス21cは通路15が開けられているコ−ン形
状部21bの素材である樹脂が温度、圧力により変形し
て、通路15の内径が変化しないようにするためであ
る。
との間には円柱状の金属より構成される錘り部材23a
が内蔵される。この錘り部材23aには、プロ−ブ11
の軸方向に3ケ所、電線を挿入するための貫通孔24〜
26が開けられている。図では貫通孔25,26が重な
って見えるが、水平位置では離れた位置に存在してい
る。
27〜30で液密に固定されている。なお、32a,3
2bはOリングである。さらに、コ−ン形状部21bに
は、上記した貫通孔24〜26と整合する位置に貫通孔
31a〜31cが開けられている。
〜26及び貫通孔31a〜31cを介して第1のコア1
7に巻かれる第1のコイルL1及び第2のコア18に巻
かれる第2のコイルL2及び後述する第3及び第4のコ
イルL3,L4と電気的に接続される。
ている電気回路について説明する。第1のコア17には
一次コイルとして第1のコイルL1が巻回されている。
この第1のコイルL1の一端は回路GNDにア−スさ
れ、その他端には図7(A)に示す高周波パルス電圧を
出力する発振器(オシレ−タ)31が接続されている。
この高周波パルス電圧の周波数は12.8KHz である。
この発振器(オシレ−タ)31からコントロ−ラ32へ
基準位相ラインaが接続されている。
のコイルL3を構成し、基準抵抗Rrを介してから第2
のコア18を上記第1のコア17の巻き方向と反対とな
るように巻いて第4のコイルL4を構成した後、スイッ
チS1を介して閉ル−プを構成する電線33が設けられ
ている。このスイッチS1は半導体スイッチで構成され
ており、コントロ−ラ32からの制御信号bによりオン
/オフ制御されるもので、図7(H)に示すように、2
0msec毎にオン状態とオフ状態とを交互に繰り返す。こ
の基準抵抗Rrは温度補償をする必要のない基準抵抗で
あり、その等価導電率KrはKr=S/Rr(Sはセル
定数)である。
18の間を抵抗Rcを介在したル−プCLが記載されて
いるが、この抵抗Rcはプロ−ブ11の通路15に流入
した海水の等価抵抗値を示し、Rc=S/Kcである。
しての第2のコイルL2が巻回されている。この第2の
コイルL2の一端は回路GNDにア−スされ、その他端
は図7(B)に示すような二次コイル出力Bが出力され
る。
段増幅を行うプリアンプ34を介して増幅される。この
プリアンプ34の出力は図7(C)に示すようにプリア
ンプ出力CとしてスイッチS2を介してオペアンプ35
とコンデンサC1、抵抗Rで構成される積分器36に入
力される。このオプアンプ35の入力と出力との間に
は、コンデンサC1に充電された電圧をリセットするた
めのスイッチS3が接続されている。
イッチで、図7(A)のオシレ−タ出力Aの立ち上がり
あるいは立ち下がりのいずれかに同期して閉じられるス
イッチである。立ち上がりに同期した場合には、“0
度”検波となり、立ち下がりに同期した場合には“18
0度”検波となる。このスイッチS2の出力は図7
(D)に示すように検波出力Dとして出力される。この
スイッチS2のオン/オフ制御は前述したコントロ−ラ
32からの制御信号cにより行われる。
制御は、コントロ−ラ32からの制御信号dにより制御
される。このスイッチS3は図7(J)に示すように、
40msec毎に1回だけオンされる。
イッチS4、バッファ37より構成されるサンプリング
ホ−ルド回路38に入力されると共に、スイッチS5,
バッファ39より構成されるサンプリングホ−ルド回路
40に入力される。
導電率出力FはコンデンサC2を介して回路GNDにア
−スされる。さらに、スイッチS5とバッファ39との
接続点の標準器出力GはコンデンサC3を介して回路G
NDにア−スされる。
の制御信号eによりオン/オフ制御されるもので、図7
(K)に示すように、図7(J)のスイッチS3が一瞬
オンされるリセットパルスPより20msec経過して、ス
イッチS1がオフからオンに切り替わる直前に一瞬オン
される。このことにより、スイッチS1がオフ(開)状
態の間に、積分器36に積分される電圧Vcをバッファ
37に保持させることができる。
からの制御信号fによりオン/オフ制御されているもの
で、図7(L)に示すように、前述したパルスPより4
0msecが経過して次のリセットパルスPが出力される直
前に、一瞬オンされる。このことにより、スイッチS1
がオフ(開)状態からオン(閉)状態に亘って、積分器
36に積分される電圧Vrをバッファ39に保持させる
ことができる。
れた電圧Vc,VrはそれぞれA/D変換器41,42
を介してデジタルデ−タに変換された後コントロ−ラ3
2に入力される。
れた電気伝導度デ−タをシリアルデ−タに変換するP/
S(パラレル・シリアル)変換回路43を介して送信回
路44が接続される。この送信回路44は40msec毎に
被検液の電気伝導度デ−タをライン14を介して測量船
Sに搭載されたパ−ソナルコンピュ−タにシリアル転送
する。
4ビットのマイクロプロセッサを中心に構成されている
もので、基準位相信号aをもとに制御信号b〜fによる
スイッチS1〜S5のオン/オフのタイミング制御の
他、A/D変換器41,42を介して入力される電圧V
c,Vr,基準抵抗Rrから被検液(つまり、通路15
の海水)の電気伝導度をKc=(S/Rr)*(Vc/
Vr)として算出している。
実施例の動作について説明する。まず、測量船Sが電気
伝導度Kcを測定する測量域に到着すると、プロ−ブ1
1を図示しないキャニスタから取り出して、コントロ−
ラ32の図示しない電源をオンさせた後、海中に投下す
る。
11内部に巻回されたワイヤ14を解きながら、自重に
より自然落下していく。ここで、プロ−ブ11内部には
金属の錘り部材23が内蔵されているため、プロ−ブ1
1はコ−ン形状部21bを下側にして自然落下する。
介して海水が流入し、貫通路16を介して左右側面に排
水される。通路15内の第1のコア17と第2のコア1
8との間にある海水の電気伝導度Kcを求めるのが、本
発明の測定回路である。
うに、20msec毎にオフ状態からオン状態への切り替え
を繰り返している。まず、スイッチS1がオフ状態にあ
る時刻t1〜時刻t2までの動作について説明する。ス
イッチS1がオフ状態にあるので、図6の電線33が閉
ル−プを構成していない。
第1のコイルL1には図7(A)に示すような波形の高
周波パルス電圧が発振器31から印加される。そして、
第1のコイルL1に印加される電圧が変化するため、第
1のコア17から第2のコア18に伝達される磁束密度
が変化する。これにより、第2のコア18に巻回されて
いる第2のコイルL2に図7(B)に示すような波形を
持つ出力電圧Bが発生する。
度Kcに比例して大きくなる。なぜなら、第1のコア1
7から第2のコア18に放射される磁束密度は第1のコ
ア17と第2のコア18に介在する媒体、つまり、通路
15に流入した海水の電気伝導度に比例して大きくなる
からである。
通路15に流入した海水の電気伝導度Kcを測定するこ
とができる。以下、図8のタイミングチャ−トをして海
水の電気伝導度Kcを計測する原理について説明する。
まず、発振器31の出力Aが図8(A)に示すようにパ
ルス的に変化すると、第2のコイルL2には同図(B)
に示すように出力Aの立上がり及び立ち下がりに同期し
た鋸歯状波が発生する。
位相が0度で正の鋸歯状波P1、位相が180度で負の
鋸歯状波P2となる。そして、第2のコイルL2の出力
Bはプリアンプ34で増幅されて図7(B)に示すよう
に出力Cとなる。
持される時刻t1〜t2までの間は位相0度で検波を行
っている。つまり、スイッチS2は発振器31の出力A
の立上がりに同期して所定時間だけ閉制御される。この
結果、積分器36には図9(C)に示すような正の鋸歯
状波P1が入力される。
積分するため、時刻t1〜t2においては時間が経過す
るに従って、積分器36の出力は図8(E)のdに示す
ようにリニアに増加する。
れる。従って、第1のコア17を1巻きして第3のコイ
ルL3を構成し、基準抵抗Rr(電気伝導度はKr)を
介してから第2のコア18を上記第1のコア17の巻き
方向と反対となるように巻いて第4のコイルL4を構成
した閉ル−プが電線33により構成される。
び第2のコア18に組み込むことにより、第2のコイル
L2の出力Bは図7(B)に示すように増加する。これ
は基準抵抗Rrの電気伝導度Krを海水の標準的な電気
伝導度Kcより大きくとっているためである。例えば、
基準抵抗Rrを188Ω以下とし、海水の抵抗を188
Ω〜無限大とするように場合、電気伝導度はその抵抗の
逆数であるので、基準抵抗Rrの電気伝導度Krは海水
の電気伝導度Kcより大きくなる。
いで、開いた状態を時刻t1から40msecである時刻t
3まで保持した場合には、積分器36には時刻t2以降
は図8(D)に示す負の鋸歯状波P2を積分することに
なるので、時刻t2で電圧Vcを出力していた積分器3
6の出力は時刻の経過とともに破線eに示すように減少
し、時刻t3では積分器36の出力は「0」Vとなる。
これは、時刻t2で位相検波を180度位相の検波に切
り替え、しかも時刻t1〜t2までの時間と時刻t2〜
t3までの時間が等しいからである。
度位相検波に切り替えると共に、スイッチS1を閉じ
て、電線33を組み込むようにしている。従って、電線
33の接続されている基準抵抗Rrの電気伝導度Krは
海水の電気伝導度Kcより大きく、しかも第3のコイル
L3と第4のコイルL4の巻き方向が逆であるため、第
2のコア18の第2のコイルL2に誘起される電圧を増
方向に変化させている。
れる電圧は直線fに示すように増加する。この間に、時
刻t2で積分器36に積分されていた電圧Vcは図8
(D)に示す負の鋸歯状波P2を積分していく。そし
て、前述したように、時刻t1〜t2間の時間と、時刻
t2〜t3までの時間とは等しいため、時刻t1〜t3
までに積分器36に入力される正の鋸歯状波P1の数と
負の鋸歯状波P2は等しくなる。従って、時刻t2にす
でに積分器36に積分されていた電圧Vcは時刻t3に
なると相殺されて「0」Vとなっている。
積分されている電圧Vrは電圧Vcには依存しない電圧
となる。言い換えると、時刻t3で積分器36に積分さ
れる電圧Vrは海水の電気伝導度Kcに全く影響されな
い基準抵抗Rrの電気伝導度Krのみに比例する一定の
電圧となる。前述したように、基準抵抗Rrとして温度
補償する必要の全くない抵抗を使用しているため、この
電圧Vrは時刻t2〜t3までの時間と基準抵抗Rrの
電気伝導度Krにより一義的に決定される。
のコア17と第2のコア18との間は、通路15に導入
された海水の電気伝導度Kcにより電気的に結合されて
いるため、第2のコア18のL2に発生する電圧Bはそ
の電気伝導度Kcに比例した電圧となる。従って、時刻
t1〜t2までに電圧Bを積分したものである時刻t2
における電圧Vcは電気伝導度Kcに比例する。
のコア17と第2のコア18との間は、通路15に導入
された海水の電気伝導度Kc及び基準抵抗Rrの電気伝
導度Krにより電気的に結合されている。
分されていた電圧Vcは時刻t3になると相殺されて
「0」Vとなっているため、時刻t3で積分器36に積
分されている電圧Vrは基準抵抗Rrの電気伝導度Kr
に比例していると考えることができる。
形すると、 Kc=Kr*Vc/Vr=(S/Rr)・(Vc/Vr) …(2) となる。
第1のコア17及び第2のコア18の電磁変化率、アン
プ34の増幅率、積分器36のコンデンサC1の容量が
変化すると、電圧Vcはその影響を受けて僅かに変化す
る。しかし、電圧Vrを計測する時刻t1〜t2までの
前半部分の時間と、電圧Vcを計測する時刻t2〜t3
までの時間が等しいので、電圧Vrも前述した影響を受
けるため、第(2)式の『Vc/Vr』項の存在によ
り、電圧Vcと電圧Vrの前述した影響を相殺すること
ができる。
の電気伝導度Kcは発振器31の出力電圧A、第1のコ
ア17及び第2のコア18の電磁変化率、アンプ34の
増幅率、積分器36のコンデンサC1の容量の変化に全
く影響を受けることはない。
基準抵抗Rrの電気伝導度であるので、第(2)式で算
出された海水の電気伝導度Kcは周囲の温度に影響され
ず、しかも発振器31の出力電圧A、第1のコア17及
び第2のコア18の電磁変化率、アンプ34の増幅率、
積分器36のコンデンサC1の容量が変化したとしても
その影響を全く受けることはない。
された電圧Vcはサンプリングホ−ルド回路38に保持
され、時刻t3に積分器36に積分された電圧Vrはサ
ンプリングホ−ルド回路40に保持される。
れA/D変換器41,42を介してデジタルデ−タに変
換されてコントロ−ラ32に取り込まれる。そして、コ
ントロ−ラ32内で『Kc=(S/Rr)*(Vc/V
r)』としてその時点で通路15にある海水の電気伝導
度Kcを算出するようにしている。
t3が経過する毎、つまり40msec毎に電気伝導度Kc
を算出している。このようにして算出された電気伝導度
Kcのデ−タはP/S変換器43でシリアルデ−タに変
換されて後、送信回路44からワイヤ14を介して測量
船Sのパ−ソナルコンピュ−タに送信される。
はプロ−ブ11が海中を自然落下して、最終的にワイヤ
14が延び切って、ワイヤ14がプロ−ブ11の重さで
切断されるまで行われる。
タを受信した測量船Sのパ−ソナルコンピュ−タは自然
落下によるプロ−ブ11の水深を1/2gt2 から算出
するようにし、プロ−ブ11を投下した時刻から40ms
ec毎の水深に対する電気伝導度Kcを測定するようにし
ている。
て海水の電気伝導度を測定するようにしたので、第1及
び第2のコア17,18をエポキシ樹脂で封入しておい
ても測定上何ら影響を及ぼすことはない。
極めて少ない硼硅酸ガラス22とエポキシ樹脂20であ
り、いずれも電気化学的に安定な素材であるので、海水
中で長期間使用しても電蝕その他の恐れは全くない。
22を装着させることにより、水圧や水温が変化しても
の通路15の内径を一定に保つことができる。このこと
により、測定した電気伝導度の確度を向上させることが
できる。
導度の測定装置では、電極が海水になじむまでは、電気
伝導度の測定誤差が発生していたが、本願のものでは、
第1及び第2のコイル17,18は海水とは非接触であ
るため、従来のなじみによる測定誤差の発生をなくすこ
とができる。
検液の電気伝導度を測定を温度補償をすることがなく、
電極式のような電極面のなじみによる測定の立ち遅れを
防止し、精度良い電気伝導度を測定することができる電
気伝導度測定回路及び電気伝導度測定用プロ−ブを提供
することができる。
法を説明するための図。
コアを示す図。
示す図。
17…第1のコア、18…第2のコア、31…発振器、
32…コントロ−ラ、33…電線、36…積分器、3
8,40…サンプリングホ−ルド回路、37,39…バ
ッファ。
Claims (3)
- 【請求項1】 電気伝導度を測定する被検出流体に磁束
回路が閉ル−プを構成するように配設された第1及び第
2のコアと、 上記第1のコアに巻かれた第1のコイルにパルス電圧を
供給する発振器と、 上記第2のコアに巻かれた第2のコイルに誘起される電
圧を位相検波する位相検波回路と、 上記第1のコア及び第2のコアに互いに逆方向に巻かれ
た第3及び第4のコイルを備え、この第3及び第4のコ
イル、基準抵抗Rr、スイッチ手段により構成される閉
回路と、 上記位相検波回路の出力を積分する積分回路と、 この積分回路の出力信号をそれぞれサンプルホ−ルドす
る第1及び第2のサイプルホ−ルド回路と、 上記スイッチ手段を所定周期でオフからオンに切り替え
動作させ、このスイッチ手段のオフ期間に上記第2のコ
イルに誘起される電圧を、上記パルス電圧の立ち下がり
に同期した位相で検波し、その電圧を上記積分回路で積
分し、このオフ期間が終了するまでに上記積分器に積分
された電圧をVcとして上記第1のサンプルホ−ルド回
路に保持させ、上記スイッチ手段のオン期間に上記第2
のコイルに上記第2のコイルに誘起される電圧を、上記
パルス電圧の立ち下がりに同期した位相検波し、その電
圧を上記オフ期間から累積して上記積分回路で積分し、
このオン期間が終了するまでに上記積分器に積分された
電圧をVrとして上記第2のサンプルホ−ルド回路に保
持させ、上記被検出流体の電気伝導度Kcを Kc=(S/Rr)・(Vc/Vr) (ただし、Sはセルの形状で決まるセル定数とする)と
して算出する制御手段とを具備したことを特徴とする電
気伝導度測定回路。 - 【請求項2】 電気伝導度を測定する被検出流体に磁束
回路が閉ル−プを構成するように第1及び第2のコアを
配設すると共に、上記第1のコア及び第2のコアに互い
に逆方向に巻かれたコイルをそれぞれ設け、これらコイ
ルと、基準抵抗Rr、スイッチ手段により閉回路してお
き、このスイッチ出力を周期的にオン・オフさせ、周期
的に上記基準抵抗Rrを閉回路に組み込み、この基準抵
抗Rrを組み込んだ状態と組み込まない状態とで上記第
2のコアに巻かれたコイルに誘起される電圧に基づいて
上記被検出流体の電気伝導度を演算するようにしたこと
を特徴とする電気伝導度測定回路。 - 【請求項3】 上記電気伝導度測定回路をプロ−ブの下
降側先端部に内蔵させ、この先端部に設けられた被検出
流体導入用通路を中心に上記第1のコア及び第2のコア
を軸方向に離間させて配置させたことを特徴とする請求
項1あるいは請求項2記載の電気伝導度測定用プロ−
ブ。
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