JPH09152525A - 光ファイバセンサ用コネクタ - Google Patents

光ファイバセンサ用コネクタ

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JPH09152525A
JPH09152525A JP31318695A JP31318695A JPH09152525A JP H09152525 A JPH09152525 A JP H09152525A JP 31318695 A JP31318695 A JP 31318695A JP 31318695 A JP31318695 A JP 31318695A JP H09152525 A JPH09152525 A JP H09152525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減し、製造費用を低減すること
のできる光ファイバセンサ用コネクタを提供する。 【解決手段】 発光側の光ファイバと受光側の光ファイ
バとの間で授受されるビームを移動体が横断するとき、
この移動体を検出するセンサに用いられるコネクタに透
明なプラグ52と黒色のソケット53とを設ける。プラ
グ52には、発光側の光ファイバが固定される第1の固
定部56と、受光側の光ファイバが固定される第2の固
定部57を区切る溝58を形成する。ソケット53に
は、発光用のLEDと受光用のPDIとを固定すると共
に、プラグ52が嵌合される嵌合空間65を形成する。
嵌合空間65には、プラグ52の溝に差し込まれ、第1
の固定部56と第2の固定部57との間を光学的に遮断
する仕切板66を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば消音ピア
ノや自動演奏ピアノなどの鍵の位置検出に用いて好適な
光ファイバセンサに用いられるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、消音演奏が可能な消音ピアノ
が知られている。このような消音ピアノは、押鍵しても
ハンマシャンクによる打弦を阻止する機構を備えてお
り、打弦による演奏の代わりに、鍵やハンマの動作をセ
ンサにより検出して、押鍵に対応した音高、発音タイミ
ングおよび音量を有する楽音を電子的に発生する。そし
て、演奏者は、このようにして発生した楽音を、例えば
ヘッドホン等により聴くことによって、近隣者に迷惑を
掛けずに演奏の練習を行うことができる。
【0003】このような鍵やハンマを検出するセンサと
して、光ファイバセンサが使用されている。光ファイバ
センサは、発光側の光ファイバと受光側の光ファイバと
を備え、発光側の光ファイバの先端から出射したビーム
を受光側の光ファイバの先端で受光させる光路を有して
いる。発光側の光ファイバには、発光ダイオード等の発
光素子によってビームが入射され、受光側の光ファイバ
からの出射光は、フォトダイオード等の受光素子に受光
され、この受光素子が受光側の光ファイバを伝播する光
の強度に対応した大きさの電圧を出力するようになって
いる。これにより、鍵等に取り付けたシャッタが光路を
横断してビームを遮るとき、このシャッタの変位を検出
することが可能である。消音ピアノにおいては、多数の
鍵やハンマの動作を検出するため、複数の発光側および
受光側の光ファイバが用いられている。
【0004】従来、上記のビームの授受を行わせるた
め、発光側の光ファイバと発光素子は、発光側のコネク
タで接続され、受光側の光ファイバと受光素子は、受光
側のコネクタで接続されていた。各コネクタは、光ファ
イバが固定されるプラグと、素子が固定されるソケット
とを備え、プラグをソケットに装着すると、光ファイバ
の端面が、これに対応する素子に対向するようにされて
いる。そして、複数の発光素子および複数の受光素子を
設け、各素子に各々複数の光ファイバを対向させると共
に、1つの発光素子に対向する複数の発光側光ファイバ
を複数の異なる受光素子に対向する受光側光ファイバに
対向させることにより、マトリクスを構成し、部品数の
削減を図っている。
【0005】このとき光ファイバのプラグへの取付け
は、プラグに設けられた複数のファイバ貫通孔のそれぞ
れに数本の光ファイバを結束して挿入し、光ファイバの
端部をファイバ貫通孔から突出させ、それから接着剤で
固定することにより行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、発光側と受光側とで別個のコネクタを使用する
場合にあっては、部品点数が多いという問題があった。
また、プラグとソケットとの取付け工程や、コネクタを
基板へ取り付ける工程に時間がかかっていた。これらの
問題は、光ファイバセンサの製造費用を上昇させる要因
となっていた。
【0007】また、複数の光ファイバを結束して一つの
ファイバ貫通孔に挿入し、ここから突出させた場合、結
束した光ファイバの端部が分離しやすく、端部を揃えて
切断しにくい。このままでは、ファイバの光軸と素子と
がずれて、ファイバと素子との間のビームの損失が増加
してしまうため、一旦、光ファイバを接着した後、光フ
ァイバの端部の周囲の壁部を光ファイバごと凹状にえぐ
って、光ファイバの端部をプラグの内部に保持持するよ
うにしている。しかしながら、そのような加工を光ファ
イバに施すと、光ファイバの切断面が滑らかになりにく
い上に、切断面と受発光素子との間に隙間が生じる。加
えて、そのような切断作業を高い精度で行うのは難し
い。したがって、この切断面を光ファイバの出射面また
は入射面として利用すると、光の透過率が低下してしま
い、やはりビームの損失が増加してしまっていた。
【0008】この発明は前記の事情を考慮してなされた
ものであり、部品点数を削減し、製造費用を低減するこ
とのできる光ファイバセンサ用コネクタを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明に係る光ファイバセンサ用コネクタにあっ
ては、複数の発光側の光ファイバと複数の受光側の光フ
ァイバとを備え、発光側の光ファイバの先端から出射し
たビームを受光側の光ファイバの先端で受光し、移動体
が前記ビームを遮るとき、この移動体を検出する光ファ
イバセンサに用いられるコネクタであって、前記複数の
発光側と受光側の光ファイバの基端部が固定される透明
または半透明のプラグと、前記プラグが嵌合される嵌合
空間が形成されていると共に、前記発光側の光ファイバ
の基端に向けビームを発光する発光素子と、前記受光側
の光ファイバの基端から出射されるビームを受光する受
光素子とが固定されるソケットとを備え、前記プラグ
に、前記発光側の光ファイバが固定される第1の固定部
と、前記受光側の光ファイバが固定される第2の固定部
と、これら第1の固定部と第2の固定部を区切る溝とが
設けられ、前記嵌合空間には、前記溝に差し込まれ、前
記第1の固定部と第2の固定部との間を光学的に遮断す
る仕切板が設けられたことを特徴としている。
【0010】この構成においては、一つのソケットに発
光素子と受光素子とを固定し、一つのプラグに発光側の
光ファイバと受光側の光ファイバを固定する。そして、
ソケットに形成された嵌合空間にプラグを嵌合すること
により、一つのコネクタで、発光素子が発光側の光ファ
イバの端面に対向し、受光素子が受光側の光ファイバの
端面に対向し、光ファイバと素子との間のビームの授受
が可能となる。したがって、部品点数を削減し、製造費
用を低減することが可能になる。ここで、光ファイバと
プラグとの固定には光硬化型接着剤を使用して、接着作
業を効率よく行うために、プラグは透明または半透明と
されている。この発明による構成では、プラグの第1の
固定部と第2の固定部とを区切る溝に、嵌合空間に設け
た仕切板を差し込むことにより、プラグが透明または半
透明であっても、第1の固定部と第2の固定部との間が
光学的に遮断される。すなわち、発光素子から発光側の
光ファイバに与えるべき光が漏れても、受光側の光ファ
イバにこれが伝達されて受光素子で受光されてしまうこ
とがなく、検出精度の低下を防止することが可能とな
る。
【0011】また、前記発光素子および受光素子が接続
される回路が設けられた基板に係合可能、かつ前記ソケ
ットと係合可能なソケットベースを設け、前記ソケット
ベースに前記発光素子および受光素子の端子が貫通する
端子貫通孔を複数形成し、前記端子貫通孔の前記素子側
の断面積を大きくするとよい。この構成では、ソケット
ベースを基板に係合させる一方で、発光素子および受光
素子をソケットに固定した状態で、これら素子の端子を
ソケットベースの端子貫通孔に貫通させながら、ソケッ
トをソケットベースに係合させる。これにより、多数の
素子の端子を円滑に基板上の回路に接続させることが可
能であり、組立作業の能率を上昇させることができる。
【0012】また、この発明に係る光ファイバセンサ用
コネクタは、光ファイバセンサを構成する複数の光ファ
イバの基端部が固定されるプラグと、前記プラグが嵌合
される嵌合空間が形成されていると共に、前記光ファイ
バとのビームの授受を行う光学素子が固定されるソケッ
トとを設け、前記プラグに、複数の光ファイバの基端を
一括して挿入するファイバ貫通孔を形成すると共に、前
記ファイバ貫通孔の光ファイバ端面側に、このファイバ
貫通孔の周縁部をなす凸部を突設したことを特徴とする
ものであってもよい。この構成では、複数の光ファイバ
をプラグに一括して貫通させて、凸部からその端部を突
出させた状態で、光ファイバをプラグに固定する。そし
て、凸部の先端ごと、光ファイバの端部を切断すると、
端部がそれぞれバラバラに分離することもなく、光ファ
イバの切断面が平滑となり、ビームの入射または出射を
行う端面として使用するのに好ましい状態となる。すな
わち、光ファイバの端面が平滑になり、透過率が向上し
て、ビームを高い効率で利用することが可能となる。さ
らに、このように凸部を形成して、凸部の先端と光ファ
イバの端面とを面一にすることにより、光ファイバと素
子とを接近させ、両者の間を伝達されるビームの損失を
低減させることができる。
【0013】さらに、この構成において、前記プラグを
透明または半透明とし、前記ソケットは遮光性を有する
ものとし、さらに、前記ソケットに、前記プラグを前記
嵌合空間に嵌合すると前記凸部が嵌合される凹部と、こ
の凹部に連通しその断面積が前記ファイバ貫通孔の断面
積とほぼ同一の連通孔を形成し、この連通孔を通じて、
前記光ファイバと前記素子との間をビームが伝達される
ようにするとよい。この構成では、ファイバ貫通孔とほ
ぼ同一の大きさの連通孔を通じて、前記光ファイバと前
記素子との間をビームが伝達されるから、たとえば受光
側の光ファイバから出射したビームが受光素子側に到達
した後、受光素子側で乱反射した光が前記凸部を通じて
プラグ側に漏れるのを防ぐことができるので、受光素子
側で乱反射してプラグ側に戻る光量がほとんどなくな
る。したがって、戻った光が透明または半透明なプラグ
内でさらに乱反射して、他の受光側の光ファイバに影響
を与えるのがほとんどなくなる。また、発光素子から
は、一旦連通孔を通じて、発光側の光ファイバにビーム
を伝達することになるので、発光素子から出射されるビ
ームが、前記凸部を通じてプラグ側に漏れるのを防ぐこ
とができ、発光側の光ファイバの端面にのみ入射させる
ことができる。
【0014】なお、この発明に係るコネクタは、光ファ
イバセンサの各種部品を取り付けるブラケットに接着さ
れるようにすると好ましい。これによれば、たとえば、
ネジによってブラケットに取り付ける場合に比べて、取
付作業の効率を向上させることが可能であると同時に、
取付作業に伴う費用も低減することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
1:実施形態の構成 以下、図面を参照してこの発明の一実施形態について説
明する。本実施形態の光ファイバセンサは、消音ピアノ
の鍵の動作タイミングおよび速度を求めるために用いら
れる。ただし、後述のように、鍵により作動されるハン
マの動作タイミングおよび速度を求めるために用いても
よい。
【0016】1−1:キーの構成 まず、図1は実施形態に係る光ファイバセンサを備えた
消音ピアノの一つの鍵の構成を示す側面図である。この
図に示すように、鍵321は、押鍵により中筬29のバ
ランスピン29aを中心にして、ピン28aをガイドと
して、図の二点鎖線で示すエンド位置まで反時計回りに
回動するようになっている。そして、離鍵すると、鍵3
21は、実線で示されるレスト位置まで復帰するように
なっている。このような構成は、ピアノの88鍵のそれ
ぞれに対して同一である。
【0017】一方、鍵321の前筬28と中筬29の間
の自由端付近の下(裏面)側には、鍵321の長手方向
と平行に、矩形板のシャッタ30が取り付けられてい
る。シャッタ30の近傍には、光ファイバセンサ31が
配置されている。光ファイバセンサ31は、棚板33に
取り付けられた箱状のブラケット40上に固定されてい
る。
【0018】1−2:光ファイバセンサの構成 図2は、光ファイバセンサ31の構成を拡大して示す側
面図であり、図3は、その下面図である。これらの図を
参照し、まず、光ファイバセンサ31の構成を説明す
る。図3には、隣接する3つの鍵の動作を検出する3組
の光ファイバセンサ31が示されている。符号41は、
ブラケット40に形成された長孔であり、長孔41内で
は、前記のシャッタ30が上下(紙面の垂直方向)に移
動可能になされている。各光ファイバセンサ31は、発
光側の光ファイバ42から、長孔41付近つまりシャッ
タ30が横断可能な区域を通過して、受光側の光ファイ
バ47に至る光路50を有している。
【0019】発光側の光ファイバ42および受光側の光
ファイバ47は、共にアクリルにフッ素樹脂をコーティ
ングして形成された同質のものである。発光側の光ファ
イバ42の図示しない端部には、発光ダイオードが接続
され、これにより一定輝度のビームが光ファイバ42内
を伝播させられる。また、受光側の光ファイバ47の図
示しない端部には、フォトダイオードが接続され、光フ
ァイバ47から出射した光の強度に対応した大きさの電
圧を出力するようになっている。これらの発光ダイオー
ドおよびフォトダイオードは、ブラケット40の外面に
取り付けられたコネクタに取り付けられている。コネク
タの詳細については後述する。
【0020】符号43,48は、ファイバサポートであ
る。ファイバサポート43,48は、発光側の光ファイ
バ42または受光側の光ファイバ47をブラケット40
上に固定するものであり、光ファイバ42,47と同質
のアクリルからなる。各ファイバサポート43または4
8には、嵌合孔が形成され、ここに光ファイバ42また
は47が挿入されて接着されている。なお、図3におい
て、符号43aは、ファイバサポート43の底面に一体
成形され、ブラケット40に嵌合される凸部である。同
様の凸部は、受光側のファイバサポート48にも形成さ
れている。
【0021】また、長孔41,41の間には、センサヘ
ッド45,46が配置されている。センサヘッド45,
46は、共にアクリルから形成された同形、同大のもの
であり、斜面を反射面45b,46bとする直角二等辺
三角形柱状をなすプリズム体をその反射面45b,46
bが互いに直角をなすように一体化し、これらプリズム
体どうしが連続する面に凸面をなすレンズ45a,46
aが形成されて構成されている。
【0022】発光側の光ファイバ42から出射して発光
側レンズ44から放射状に出射されるビームは、センサ
ヘッド45で側方に向けて反射される。この場合におい
て、一つのビームがセンサヘッド45の前記の二つの反
射面45bによって二つに分割され、センサヘッド45
の両側に向けて出射させられる。なお、センサヘッド4
5には、発光側レンズ44から出射するビームを平行光
にして、反射面45bに向かわせるレンズ45aが一体
に形成されている。これにより、センサヘッド45から
出射するビームも平行光となる。
【0023】図2および図3に示すように、センサヘッ
ド45は、縦長であり、発光側レンズ44から放射状に
出射されたビームのうち、発光側センサヘッド45の正
面断面より外側の部分はカットされて、反射面45bに
は到達せず、両側の出射面45cから出射するビーム
は、それぞれ片方の反射面45bを正面に投影したのと
断面形状および大きさが等しくなる。図2においてドッ
トを付した部分が、ビームの出射する区域に相当する。
すなわち、センサヘッド45から出射したビームの断面
形状は矩形となる。
【0024】センサヘッド45から出射したビームは、
長孔41の真下を通過しセンサヘッド46に到達する。
このビームは、センサヘッド46の反射面46bによっ
て内面反射され、受光側レンズ49に向けて出射させら
れる。この場合において、センサヘッド46は、隣接す
る両側のセンサヘッド45から二つのビームを二つの反
射面46bによって受光側レンズ49に向けて出射す
る。
【0025】ただし、本実施形態では、発光側の光ファ
イバ42を短い周期で繰り返し発光させると共に、隣り
合う発光側の光ファイバ42では、発光タイミングが異
なるように制御する。これにより、受光側の光ファイバ
47に接続されたフォトダイオードでは、どのタイミン
グで受光したかによって、どちらの光ファイバ42から
のビームを検出しているのかが明確に区別されるように
なっている。したがって、隣接するシャッタ30のどち
らの変位を検出しているのか混同することはない。
【0026】なお、センサヘッド46には、平行光であ
るセンサヘッド45からのビームを受光側レンズ49に
向けて収束させるレンズ46aが一体に形成されてい
る。受光側のファイバサポート48には、さらにこのビ
ームを収束し、受光側の光ファイバ47で入射させる受
光側レンズ49が一体に突設されている。
【0027】このように、光ファイバセンサ31は、発
光側の光ファイバ42から出射したビームを発光側セン
サヘッド45で分岐し、受光側センサヘッド46で反射
させて、受光側の光ファイバ47に入射させる光路50
を有している。そして、発光側センサヘッド45と受光
側センサヘッド46との間の光路50をシャッタ30が
横断すると、受光側の光ファイバ47に入射する光の量
が変化し、受光側の光ファイバ47に接続されたフォト
ダイオードにより、この変化を検出することが可能にな
っている。
【0028】なお、図2において、符号45dは、セン
サヘッド45に一体成形されたベースであり、このベー
ス45dはブラケット40に嵌合される凸部45eを有
する。図3では、簡略化のため、ベース45dは省略さ
れている。同様のベースは、受光側センサヘッド46に
も形成されている。
【0029】1−3:コネクタの概略構成 図4は、光ファイバセンサ31が設けられたブラケット
40およびこの発明に係る光ファイバセンサ用コネクタ
(以下、「コネクタ」と称する)51を示す平面図であ
る。図1および図4に示すように、ブラケット40は開
口部を有し、コネクタ51は、ブラケット40の開口部
に支持されている。図4において、符号55は、前記の
発光ダイオード(以下、「LED」と称する)およびフ
ォトダイオード(「PDI」と称する)に接続される電
気回路を設けた基板を示す。なお、図4では、多数ある
光ファイバ42,47、ファイバサポート43,48等
のうち、一部のみを示す。
【0030】図5は、コネクタ51の下面図であり、図
6は側面図である。これらの図に示すように、コネクタ
51は、プラグ52と、ソケット53と、ソケットベー
ス54とを備える。プラグ52には、消音ピアノの多数
の鍵321の検出用に多数設けられた発光側の光ファイ
バ42および受光側の光ファイバ47の基端部の全てが
固定される。このプラグ52は、ブラケット40に固定
されている。
【0031】ソケット53には、発光側の光ファイバ4
2の基端に向けビームを発する全てのLEDおよび受光
側の光ファイバ47の基端から出射されるビームを受光
するPDIが装着されている。このソケット53には、
プラグ52が嵌合され、これらが嵌合されると、光ファ
イバ42とLED、および光ファイバ47とPDIとが
対向させられるようになっている。ソケットベース54
には、前記の基板55が固定されている。
【0032】1−4:プラグの構成 次に、図7はプラグ52の下面図、図8は図7のVIII-V
III線矢視断面図、図9はプラグ52の側面図である。
これらの図を参照して、プラグ52の構成を説明する。
プラグ52は、透明な樹脂製の薄い長板状の部材であっ
て、発光側の光ファイバ42が固定される第1の固定部
56と、受光側の光ファイバ47が固定される第2の固
定部57とが設けられている。プラグ52のほぼ中央に
は、プラグ52の幅方向に沿って溝58が形成され、こ
の溝58により第1の固定部56と第2の固定部57と
が区切られている。
【0033】プラグ52の一側縁部には、断面コ字状の
フランジ59が形成されている。図7および図9に示す
ように、このフランジ59の溝59aは、プラグ52の
両端部にまで回り込むように形成されている。この溝5
9aには、ブラケット40の一側壁が嵌入されており、
両者の間は接着剤によって固定されている。なお、前記
の溝58は、プラグ52のほぼ全幅にわたって形成され
ており、第1の固定部56と第2の固定部57とは、フ
ランジ59だけによって結合されている。
【0034】さて、プラグ52には、幅方向に沿って、
光ファイバ42または47が挿入されるファイバ貫通孔
60が形成されている。ここで、第1の固定部56に
は、ファイバ貫通孔60が12本形成され、第2の固定
部57にはファイバ貫通孔60が8本形成されている。
各ファイバ貫通孔60のフランジ59側には、ほぼV字
形の案内溝61が形成されている。案内溝61は、プラ
グ52の側縁部側ほど広くされており、これによって、
光ファイバ42または47のファイバ貫通孔60への挿
入が容易になされている。
【0035】また、プラグ52の厚さ方向には、各ファ
イバ貫通孔60の中央位置にまで達する注入孔63が形
成されている。光ファイバ42または47をファイバ貫
通孔60に挿入した後、注入孔63を通して接着剤を注
入する。この接着剤が硬化すると、光ファイバ42,4
7は、プラグ52に固定される。ここで使用される接着
剤は、光硬化型接着剤であり、プラグ52が透明にされ
ているのは、接着作業を効率よく行うためである。
【0036】また、プラグ52には、フランジ59と反
対側の側縁部に、凸部62が形成されている。ファイバ
貫通孔60は、それぞれ凸部62を貫通している。すな
わち、凸部62は、ファイバ貫通孔60の周縁部をなし
ている。この実施形態において、一つのファイバ貫通孔
60には、複数の光ファイバ42または47の基端が結
束された状態で一括して挿入固定される。そして、凸部
62の先端ごと光ファイバ42,47の端部を切断して
しまう。これにより、切断された凸部62の先端と光フ
ァイバ42,47の端面とは、面一になされている。な
お、図7において、符号64は、プラグ52をソケット
53にネジ止めするための貫通孔を示す。
【0037】1−5:ソケットの構成 次に、図10はソケット53の平面図、図11は下面
図、図12は図10のXIIーXII矢視図である。ソケット
53は、黒色の樹脂製であって、薄く長い箱状の部材で
ある。これにより、ソケット53は遮光性を有してい
る。これらの図に示すように、ソケット53は、プラグ
52が装着される嵌合壁部65aと、LEDが装着され
るLED装着部70と、PDIが装着されるPDI装着
部71とから構成されている。
【0038】1−5−1:嵌合壁部の構成 嵌合壁部65aには、一側縁部に向けて開口した細長い
断面矩形の空間である嵌合空間65が形成されている。
嵌合空間65のほぼ中央には、遮光性を有する黒色の樹
脂製の仕切板66が配置され、これが嵌合壁部65aに
一体形成されている。これにより嵌合空間65は、第1
の嵌合部67と第2の嵌合部68に区分されている。
【0039】図5に示すように、ソケット53の第1の
嵌合部67には、プラグ52の第1の固定部56が挿入
され、第2の嵌合部68には、第2の固定部57が挿入
される。これにより、第1の固定部56に挿入固定され
た発光側の光ファイバ42の束(図7参照)が、第1の
嵌合部67内で整列され、第2の固定部57に固定され
た受光側の光ファイバ47の束が、第2の嵌合部68内
で整列される。
【0040】また、プラグ52を嵌合空間65に嵌合す
る際、嵌合空間65に設けられた仕切板66が、第1の
固定部56と第2の固定部57を二分する溝58に差し
込まれるようになっている。この仕切板66によって、
プラグ52の第1の固定部56と第2の固定部57の間
が遮断され、両者の間のクロストークが防止される。
【0041】図13は図12のXIII-XIII線矢視断面
図、図15は図12のXV-XV線矢視断面図である。これ
らの図に示すように、嵌合空間65の奥には、座ぐり孔
65bが形成されている。プラグ52をソケット53に
装着すると、これらの座ぐり孔65bに、プラグ52の
凸部62が嵌入されるようになっている。これにより、
発光側の光ファイバ42の束の端面は、第1の嵌合部6
7にある座ぐり孔65bに位置させられ、受光側の光フ
ァイバ47の束の端面は、第2の嵌合部68にある座ぐ
り孔65bに位置させられる。
【0042】また、嵌合壁部65aの外側面には、ソケ
ットベース54への取付用の円筒部79が突設されてい
る。これらの円筒部79は、プラグ52の貫通孔64に
合致する位置に設けられ、各円筒部79には、ネジ孔6
9が形成されている。図12に示すように、各ネジ孔6
9は、嵌合空間65に連通している。ネジ孔69とプラ
グ52の貫通孔64には、ネジが挿通され、これによっ
てプラグ52とソケット53は固定されるようになって
いる。また、円筒部79とは反対側の外側面には、その
ネジの頭が嵌入する皿もみ孔69aが形成されている。
【0043】1−5−2:LED装着部の構成 図12に示すように、LED装着部70とPDI装着部
71は、嵌合壁部65aに連なるように形成され、嵌合
壁部65aの全体厚さよりも肉厚になされている。図1
0および図11に示すように、LED装着部70は、嵌
合空間65の第1の嵌合部67に対応する位置に設けら
れている。そして、LED装着部70において、第1の
嵌合部67とは反対側の側面70aから、第1の嵌合部
67と連通するLED挿入孔72が複数(実施形態では
12本)形成されている。各LED挿入孔72には、一
個ずつLEDが挿入され、これにより各LEDは、プラ
グ52の第1の固定部56に固定されて、第1の嵌合部
67に配置された発光側の光ファイバ42の束の端面を
照射可能になっている。
【0044】図13および図14に示すように、LED
挿入孔72は、LEDの胴部が配置される断面の大きい
胴部配置部72aと、その奥に形成されLEDの頂部が
配置される断面の小さい頂部配置部72bとからなる。
頂部配置部72bは断面円形に形成されている一方、胴
部配置部72aの断面はほぼ円形であるが、一部が平面
状にされている。そして、この平面部分には、LED挿
入孔72の深さ方向に沿って突条72cが延在させられ
ている。突条72cは、わずかな断面積を有するように
形成されており、LEDをLED挿入孔72に挿入する
際に、この突条72cを押し潰すことによって、LED
が容易にぐらつかないように固定されるようになってい
る。
【0045】そして、頂部配置部72bと、第1の嵌合
部67との間には、ファイバ貫通孔60とほぼ同じかわ
ずかに大きな直径の連通孔74が形成され、これにより
内部のLEDの発する光が、ファイバ貫通孔60の周縁
部をなす凸部62を通して、第1の固定部56の内部に
漏れることなく、座ぐり孔65bにある発光側の光ファ
イバ42の束の端面だけに届くようになっている。な
お、第1の嵌合部67に座ぐり孔65bを設けて、ここ
に凸部62が配置されるようにしたのは、発光側の光フ
ァイバ42の端面と、LEDの頂部との距離を短くし、
LEDの発するビームが発光側の光ファイバ42に入射
するまでの損失を減少させるためである。
【0046】さらに、LED装着部70の側面70aに
は、各LEDの有する二本の端子が配置される端子配置
溝75が形成されている。本実施形態では、胴部から端
子が直角に折り曲げられたLEDを使用し、LEDをL
ED挿入孔72に挿入する際に、二本の端子を端子配置
溝75に嵌め込むようにする。
【0047】1−5−3:PDI装着部の構成 また、図10および図11に示すように、PDI装着部
71は、嵌合空間65の第2の嵌合部68に対応する位
置に設けられている。そして、PDI装着部71におい
て、第2の嵌合部68とは直交する方向に、PDI挿入
孔73が複数(実施形態では8つ)形成されている。各
PDI挿入孔73には、一個ずつPDIが挿入される。
【0048】図15に示すように、PDI挿入孔73
は、第2の嵌合部68の座ぐり孔65bに同軸に形成さ
れ、ファイバ貫通孔60とほぼ同じかわずかに大きな直
径の連通孔76によって、第2の嵌合部68に連通して
いる。これにより各PDIは、プラグ52の第2の固定
部57に固定されて、ファイバ貫通孔60の周縁部とな
る凸部62を通して第2の固定部57の内部にプラグ5
2の外部から入り込んだ散乱光等を受光することなく、
第2の嵌合部68に配置された受光側の光ファイバ47
の束の端面からのビームだけを受光可能になっている。
なお、第2の嵌合部68にも座ぐり孔65bを設けて、
ここに凸部62が配置されるようにしたのは、受光側の
光ファイバ47の端面と、PDIの受光面との距離を短
くし、受光側の光ファイバ47の発するビームがPDI
に受光されるまでの損失を減少させるためである。
【0049】図17は、図15のXVII-XVII線矢視断面
図である。同図に示すように、PDI挿入孔73は、ほ
ぼ矩形状であり、連通孔76と反対側の底面には、突条
77が形成されている。突条77は、わずかな断面積に
形成されており、PDIをPDI挿入孔73に挿入する
際に、この突条77を押し潰すことによって、PDIが
容易にぐらつかないように固定されるようになってい
る。
【0050】また、PDI装着部71の側面には、ソケ
ットベース54と共に基板55へ取り付けるための円筒
部80が突設されている。さらに、ソケット53には、
その長手方向に沿って、LED装着部70およびPDI
装着部71にわたる突条78が形成されている。各PD
I挿入孔73は、突条78の範囲内で外側に開口してい
る。また、図11に示すように、円筒部80とLED装
着部70において、突条78には、ネジ孔81が形成さ
れている。
【0051】なお、本実施形態では、12個のLEDで
12束の発光側の光ファイバ42を照射し、8束の受光
側の光ファイバ47から8個のPDIで受光するように
しているが、各束を構成する発光側の光ファイバ42は
消音ピアノの1オクターブおきの隣り合う鍵321の方
向に光ビームを供給し、各束を構成する受光側の光ファ
イバ47は消音ピアノの1オクターブ中の隣り合う2つ
の鍵321の方向から光ビームを供給される。そして、
12個あるLEDの発光タイミングをずらしておくこと
により、PDIが受光するタイミングによってどの鍵3
21の動作を検出したのかが把握されるようになってい
る。
【0052】1−6:ソケットベースの構成 図18はソケットベース54を示す平面図であり、図1
9は図18のXIX-XIX線矢視断面図である。ソケットベ
ース54は、黒色の樹脂製の薄板状の部材であり、遮光
性を有している。ソケットベース54の一面には、ソケ
ット53の突条78に嵌合可能な溝82が形成されてい
る。
【0053】ソケットベース54の他方の面には、係合
具85,86,87が突設されている(図5および図6
参照)。図6および図19に示すように、各係合具8
5,86,87は、一対のくさび片から構成され、基板
55に形成された孔に差込まれると、抜き取ることがで
きないようにされている。コネクタ51を組み立てる際
には、係合具85,86,87によって、ソケットベー
ス54を基板55上に固定し、ソケットベース54の溝
82にソケット53の突条78を嵌合させる。
【0054】また、ソケットベース54の側端には、ソ
ケット53を基板55に固定する際に、傾かないように
円板状の座部83が形成されている。また、ソケットベ
ース54の反対側の側端には、貫通孔88が形成された
円環部84が形成されている。さらに、溝82の内側底
面にも、貫通孔88が形成されている。ソケットベース
54の溝82にソケット53の突条78を嵌合させる
と、ソケット53の円筒部80は、円環部84に当接さ
れ(図5および図11参照)、ソケット53の円筒部7
9は、座部83に当接され、ソケット53のネジ孔81
は、貫通孔88に合致する。この状態で、ソケット53
と基板55は、中間にソケットベース54を挟み込んだ
状態でネジ止めを行うことが可能とされる。なお、ネジ
孔69にねじこまれるネジは、貫通孔64を貫通し、プ
ラグ52とソケット53とを固定する役割をも果たす。
【0055】さて、ソケットベース54は、幅の広いL
EDベース部90と、幅の狭いPDIベース部91とを
有している。LEDベース部90は、ソケット53のL
ED装着部70に係合され、PDIベース部91は、P
DI装着部71に係合される部分である。LEDベース
部90には、ソケット53に固定されたLEDの端子が
挿通される端子貫通孔90aが複数(実施形態では8
対)形成されている。また、PDIベース部91の溝8
2の範囲内には、ソケット53に固定されたPDIの端
子が挿通される端子貫通孔91aが複数(実施形態では
12対)形成されている。
【0056】各端子貫通孔90a,91aは、ソケット
53に対面する面から奥に向けて狭くなるテーパ状にさ
れており、これによって、ソケット53をソケットベー
ス54に係合させる際、ソケット53に固定されたLE
DおよびPDIの端子が端子貫通孔90a,91aに挿
通されやすくなっている。また、ソケットベース54の
PDIベース部91は、ソケット53にソケットベース
54が係合すると、全てのPDI挿入孔73を閉じる蓋
として機能する。
【0057】2:コネクタの組立手順 次に、このコネクタの組立手順について説明する。ま
ず、プラグ52のフランジ59に形成された溝59a
に、ファイバサポート43,47、センサヘッド45,
46等が取り付けられたブラケット40の一側壁を嵌入
し、両者の間を接着剤によって固定する。次に、複数本
の発光側の光ファイバ42を結束した光ファイバ束を1
2本準備すると共に、複数本の受光側の光ファイバ47
を結束した光ファイバ束を8本準備する。そして、発光
側の光ファイバ42の束をプラグ52の第1の固定部5
6側のファイバ貫通孔60に挿通し、受光側の光ファイ
バ47の束をプラグ52の第2の固定部57側のファイ
バ貫通孔60に挿通する。この際には、案内溝61側か
らファイバ束を挿通し、凸部62からその先端をわずか
に突出させておく。
【0058】次に、注入孔63を通じて、光硬化型接着
剤を注入し、これを硬化させて光ファイバ束とプラグ5
2とを固定する。そして、凸部62の先端ごと、プラグ
52の座ぐり孔65bに嵌まり込む長さだけ残して、わ
ずかに光ファイバ束の端部を切削し、光ファイバ束の端
面を平滑化する。
【0059】また、ソケット53に12本形成されたL
ED挿入孔72には、それぞれLEDを挿入し、LED
の端子を端子配置溝75に嵌入する。この際に、LED
挿入孔72に形成された前記の突条72cが押し潰され
て、LEDはLED挿入孔72内で固定される。ソケッ
ト53に8本形成されたPDI挿入孔73には、それぞ
れPDIを挿入する。この際に、PDI挿入孔73に形
成された突条77が押し潰されて、PDIはPDI挿入
孔73内で固定される。
【0060】他方、ソケットベース54の係合具85,
86,87を基板55に形成された孔に差込むことによ
り、ソケットベース54を基板55に固定する。そし
て、ソケット53に固定されたLEDの端子およびPD
Iの端子をソケットベース54の端子貫通孔90a,9
1aに挿通しながら、ソケットベース54の溝82にソ
ケット53の突条78を嵌め込み、基板55の裏側から
ソケット53のネジ孔81にネジをねじ込むことによ
り、ソケット53とソケットベース54を基板55に固
定する。このように、各端子が端子貫通孔90a,91
aに挿通されると、基板55上に形成された電気回路に
端子が接続され、LEDでの発光およびPDIによる光
の電圧変換が可能とされる。そして、溝82に突条78
を嵌め込むことにより、PDI挿入孔73が塞がれ外部
からの光の侵入が防止される。
【0061】次に、ソケット53に形成された嵌合空間
65にプラグ52を嵌合し、ソケット53の皿もみ孔6
9aから貫通孔64を通り、ソケット53のネジ孔69
にネジを螺合させることにより、プラグ52とソケット
53を固定する。これにより、コネクタ51が完成す
る。
【0062】3:実施形態の作用・効果 上記の実施形態においては、複数のLEDとPDIが固
定された一つのソケット53に、発光側の光ファイバ4
2と受光側の光ファイバ47とが固定されたプラグ52
を嵌合することにより、一つのコネクタ51で、LED
が発光側の光ファイバ42の端面に対向し、PDIが受
光側の光ファイバ47の端面に対向し、光ファイバと素
子との間のビームの授受が可能となる。したがって、部
品点数を削減し、これに伴い製造費用を大幅に低減する
ことが可能になる。
【0063】そして、プラグ52をソケット53に嵌合
する際に、プラグ52の第1の固定部56と第2の固定
部57とを区切る溝58に、ソケット53の嵌合空間6
5に設けた仕切板66を差し込むことにより、プラグ5
2が透明または半透明であっても、第1の固定部56と
第2の固定部57との間のクロストークが防止される。
すなわち、LEDから発光側の光ファイバ42に与える
べき光が漏れても、受光側の光ファイバ47にこれが伝
達されて受光素子で受光されてしまうことがなく、検出
精度の低下を防止することが可能となる。
【0064】さらに、仕切板66は、プラグ52をソケ
ット53に嵌合する際に、第1の固定部56と第2の固
定部57との間に差し込まれるから、特別な作業が不要
であり、コネクタ51の組立作業を複雑化する必要は全
くない。
【0065】また、プラグ52に凸部62を形成したこ
とにより、前記のように、凸部62の先端ごと、光ファ
イバ42または47の束の端部を切断するだけで、光フ
ァイバの束の切断面を平滑にし、切断面での透過率を向
上させることができる。この場合、プラグの切断部分が
少なくなり、切断中に光ファイバ42または47にかか
る力の変動を少なくすることができるからである。した
がって、光ファイバの端面でビームの損失が低減され、
ビームを高い効率で利用することが可能となる。加え
て、切断作業も容易になる。さらに、凸部62を設け、
ソケット53に形成した座ぐり孔65bにこれらの凸部
62を嵌合させることにより、プラグ52の他の部分よ
りも、光ファイバの束の端面をLEDまたはPDIに接
近させ、両者の間を伝達されるビームの損失を低減させ
ることができる。
【0066】さらに、ソケット53に座ぐり孔65bと
連通する連通孔74,76を形成し、LEDからは連通
孔74を通じて発光側の光ファイバ42のみにビームが
伝達され、受光側の光ファイバ47のみから連通孔76
を通じてPDIにビームが伝達されるようにしている。
そして、ソケットベース54のPDIベース部91は、
ソケット53にソケットベース54が係合すると、全て
のPDI挿入孔73を閉じる蓋として機能する。このた
め、たとえば受光側の光ファイバ47から出射したビー
ムがPDIに到達した後、PDI挿入孔73内で乱反射
しても、隣のPDIに光が漏れることはない。さらに、
連通孔74,76は、ファイバ貫通孔60とほぼ同じ大
きさになっているため、LEDから出射したビームが透
明なプラグ52の凸部62を通じて、プラグ52内に入
り込むことはなく、受光側の光ファイバ47から出射し
たビームがPDIの表面で反射し、凸部62を通して、
受光側の光ファイバ47側に戻る光量がほとんどなくな
る。したがって、戻った光が透明なプラグ52内でさら
に乱反射して、他の受光側の光ファイバ47に影響を与
えることはない。
【0067】さらに、この実施形態では、組立の際に、
ソケットベース54を基板に固定し、LEDおよびPD
Iをソケット53に固定した状態で、これら素子の端子
をソケットベース54の端子貫通孔90a,91aに貫
通させながら、ソケット53をソケットベース54に係
合させる。前記のように、端子貫通孔90a,91a
は、ソケット53に対面する面から奥に向けて狭くなる
テーパ状にされている。また、ソケット53には端子配
置溝75が設けられており、端子が位置決めされる。こ
れにより、多数のLEDやPDIの端子を手間取ること
なく、容易に基板55上の電気回路に接続させることが
可能である。
【0068】また、プラグ52の溝59aにブラケット
40の側壁を接着し、コネクタ51をブラケット40に
固定するようにしたことにより、たとえば、ネジによっ
てブラケット40に取り付ける場合に比べて、取付作業
の効率を向上させることが可能であると同時に、製造費
用も削減することができる。
【0069】3:変更例 上記の実施形態では、プラグ52は透明にされている
が、半透明であってもよい。また、上記の実施形態は、
消音ピアノの鍵321に取り付けたシャッタ30を検出
し、鍵321の挙動を把握するものであるが、これに限
ることなく、楽器であるか否かを問わず、他の移動体の
検出にも、この光ファイバセンサは応用可能であり、コ
ネクタもまた応用可能である。たとえば、消音ピアノに
あっては、鍵321で駆動されるハンマシャンクによる
打弦が阻止されるようになっているが、ハンマシャンク
を打弦途中まで移動可能にし、その挙動を把握すること
によって、鍵321の挙動データと併せて、より忠実な
楽音の発生を行わせる場合があり、前記の光ファイバセ
ンサおよびコネクタをこのハンマシャンクの動作検出に
利用することも可能である。また、演奏時の演奏情報を
採取して記憶し、この記憶した演奏情報に基づき自動演
奏を行う自動演奏ピアノに対しても適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光ファイバセンサ用コネクタの部品点数を削減し、
製造費用を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る光ファイバセン
サを備えた消音ピアノの一つの鍵の構成を示す側面図で
ある。
【図2】 同光ファイバセンサの構成を示す側面図であ
る。
【図3】 同光ファイバセンサの構成を示す下面図であ
る。
【図4】 同光ファイバセンサが設けられたブラケット
およびこの発明の一実施形態に係る光ファイバセンサ用
コネクタを示す平面図である。
【図5】 同光ファイバセンサ用コネクタの下面図であ
る。
【図6】 同光ファイバセンサ用コネクタの側面図であ
る。
【図7】 同光ファイバセンサ用コネクタを構成するプ
ラグの下面図である。
【図8】 図7のVIII-VIII線矢視断面図である。
【図9】 同プラグの側面図である。
【図10】 同光ファイバセンサ用コネクタを構成する
ソケットの平面図である。
【図11】 同ソケットの下面図である。
【図12】 図10のXIIーXII矢視図である。
【図13】 図12のXIII-XIII線矢視断面図である。
【図14】 図13のXIV-XIV線矢視断面図である。
【図15】 図12のXV-XV線矢視断面図である。
【図16】 図12のXVI-XVI線矢視断面図である。
【図17】 図15のXVII-XVII線矢視断面図である。
【図18】 同光ファイバセンサ用コネクタを構成する
ソケットベースの平面図である。
【図19】 図18のXIX-XIX線矢視断面図である。
【符号の説明】
30 シャッタ(移動体)、31 光ファイバセンサ、
40 ブラケット、42 発光側の光ファイバ、43
ファイバサポート、45 発光側センサヘッド、46
受光側センサヘッド、47 受光側の光ファイバ、48
受光側のファイバサポート、50 光路、51 光フ
ァイバセンサ用コネクタ(コネクタ)、52 プラグ、
53 ソケット、54 ソケットベース、55 基板、
56 第1の固定部、57 第2の固定部、58 溝、
60 ファイバ貫通孔、62 凸部、65 嵌合空間、
65a 嵌合壁部、65b 座ぐり孔(凹部)、66
仕切板、67 第1の嵌合部、68 第2の嵌合部、7
0 LED装着部、71PDI装着部、72 LED挿
入孔、74,76 連通孔、75 端子配置溝、73
PDI挿入孔、85,86,87 係合具、90 LE
Dベース部、90a 端子貫通孔、91 PDIベース
部、91a 端子貫通孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発光側の光ファイバと複数の受光
    側の光ファイバとを備え、発光側の光ファイバの先端か
    ら出射したビームを受光側の光ファイバの先端で受光
    し、移動体が前記ビームを遮るとき、この移動体を検出
    する光ファイバセンサに用いられるコネクタであって、 前記複数の発光側と受光側の光ファイバの基端部が固定
    される透明または半透明のプラグと、 前記プラグが嵌合される嵌合空間が形成されていると共
    に、前記発光側の光ファイバの基端に向けビームを発光
    する発光素子と、前記受光側の光ファイバの基端から出
    射されるビームを受光する受光素子とが固定されるソケ
    ットとを備え、 前記プラグに、前記発光側の光ファイバが固定される第
    1の固定部と、前記受光側の光ファイバが固定される第
    2の固定部と、これら第1の固定部と第2の固定部を区
    切る溝とが設けられ、 前記嵌合空間には、前記溝に差し込まれ、前記第1の固
    定部と第2の固定部との間を光学的に遮断する仕切板が
    設けられたことを特徴とする光ファイバセンサ用コネク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記発光素子および受光素子が接続され
    る回路が設けられた基板に係合可能、かつ前記ソケット
    と係合可能なソケットベースを備え、前記ソケットベー
    スに前記発光素子および受光素子の端子が貫通する端子
    貫通孔を複数形成し、前記端子貫通孔の前記素子側の断
    面積を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の光
    ファイバセンサ用コネクタ。
  3. 【請求項3】 光ファイバセンサを構成する複数の光フ
    ァイバの基端部が固定されるプラグと、 前記プラグが嵌合される嵌合空間が形成されていると共
    に、前記光ファイバとのビームの授受を行う光学素子が
    固定されるソケットとを設け、 前記プラグに、複数の光ファイバの基端を一括して挿入
    するファイバ貫通孔を形成すると共に、前記ファイバ貫
    通孔の光ファイバ端面側に、このファイバ貫通孔の周縁
    部をなす凸部を突設したことを特徴とする光ファイバセ
    ンサ用コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記プラグは透明または半透明であり、
    前記ソケットは遮光性を有し、さらに、前記ソケット
    に、前記プラグを前記嵌合空間に嵌合すると前記凸部が
    嵌合される凹部と、この凹部に連通しその断面積が前記
    ファイバ貫通孔の断面積とほぼ同一の連通孔を形成し、
    この連通孔を通じて、前記光ファイバと前記素子との間
    をビームが伝達されるようにしたことを特徴とする請求
    項3に記載の光ファイバセンサ用コネクタ。
  5. 【請求項5】 光ファイバセンサの各種部品を取り付け
    るブラケットに接着されることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の光ファイバセンサ用コネク
    タ。
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