JPH0915241A - 安定化された酵素標識抗体 - Google Patents
安定化された酵素標識抗体Info
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- JPH0915241A JPH0915241A JP16535595A JP16535595A JPH0915241A JP H0915241 A JPH0915241 A JP H0915241A JP 16535595 A JP16535595 A JP 16535595A JP 16535595 A JP16535595 A JP 16535595A JP H0915241 A JPH0915241 A JP H0915241A
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Abstract
製方法、並びにこの経時安定性に優れた酵素標識抗体を
用いた免疫学的測定方法及び該方法に用いるキットを提
供すること。 【構成】 抗体に、N−サクシンイミジル−(4−ヨー
ドアセチル)−アミノベンゾエート又はスルホサクシン
イミジル−(4−ヨードアセチル)−アミノベンゾエー
トからなる架橋剤を用いてペルオキシダーゼを結合させ
て酵素標識抗体を調製する際に、前記抗体としてメルカ
プト基を有する、あるいは予めメルカプト基を導入して
おいたものを用い、これに前記架橋剤側のメルカプト基
と反応し得る基を反応させてこれらを結合し、また、前
記ペルオキシダーゼのアミノ基に対して前記架橋剤側の
アミノ基に反応し得る基を反応させてこれらを結合させ
ることで酵素標識抗体を得る。
Description
素標識抗体、その調製方法、該酵素標識抗体を用いた免
疫学的測定方法及び該方法に用いるキットに関する。
体を調製するに際しては、抗体の標識方法について重要
なポイントが幾つかある。即ち、標識によって酵素や抗
体の活性が損なわれないこと、酵素と抗体の結合(架
橋)が安定していること、標識抗体としての経時安定性
に優れていること等である。
方法が知られているが、それらは大別すると三つに分類
することができる。すなわち、酵素と抗体を結合する
ために標識に用いる酵素に対する抗体を使用する方法、
酵素や抗体以外の蛋白分子を介して標識を行う方法、
そして架橋剤を用いて有機化学的結合により酵素と抗
体を結合する方法である。
1つであるSIAB法は、架橋剤としてのN−スクシン
イミジル−(4−ヨードアセチル)−アミノベンゾエー
ト(以下SIABと略称する)あるいはSIABのスル
ホン化された化合物であるスルホスクシンイミジル−
(4−ヨードアセチル)−アミノベンゾエート(以下ス
ルホン化SIABと略称する)側のアミノ基と反応し得
る基(例えばN−スクシンイミド基)と抗体側のアミノ
基を反応させた後、β-ガラクトシダーゼの様なSH基
含有酵素或いはその他のSH導入酵素を架橋させること
により酵素標識抗体を得る方法である(例えば、Biotec
hniques 148,(1983)、特開昭55-34087号公報等
参照)。特開昭55-34087号公報には、上記方法
は標識効率が高く、得られた酵素標識抗体の非特異吸着
が少ないことが報告されている。
7号公報に記載のような、抗体と架橋剤との結合を抗体
のアミノ基を利用して行い、また標識用酵素と架橋剤と
の結合を酵素のメルカプト基を利用して行う抗体の酵素
標識方法では、得られた酵素標識抗体の経時安定性が不
十分であるという欠点があり、そのため経時安定性の改
良された酵素標識抗体の出現が望まれていた。
標識抗体及びその調製方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、この経時安定性に優れた酵素標識抗体
を用いた免疫学的測定方法及び該方法に用いるキットを
提供することにある。
解決すべく鋭意研究を行なった結果、特開昭55−34
087号公報にSIABのスクシンイミド基に標識酵素
のアミノ基を反応させてこれらを結合した場合には収率
の低下や特異性の欠如といった問題が生じることが記載
されているにも拘らず、標識酵素と抗体のSIABに結
合させる位置を従来の方法とは逆に入れ換えることで、
その経時安定性が格段に改善されることを見い出し、本
発明を完成した。
を架橋剤を介して結合させた酵素標識抗体であって、下
記式(1):
ダーゼを表わす。]で表わされる構造を有することを特
徴とする。なお、上記式(1)において、−NH−はP
ODに由来し、−S−は抗体に由来する。
AB又はスルホン化SIABであり、これを用いてメル
カプト基を有する抗体とペルオキシダーゼを架橋結合さ
せることで本発明の酵素標識抗体を得ることができる。
としては、架橋剤としてのSIAB又はスルホン化SI
ABとの結合に利用するメルカプト(−SH)基を有す
るものが用いられる。抗体が−SH基を有するものでな
い場合は、これにメルカプト基を常法により導入して用
いれば良い。また、所望の抗原との反応性を有する抗体
のFab'フラグメントを調製してこれを用いても良い。
体をペプシンによって分解した際に得られるF(ab')2画
分のヒンジ部のジスルフィド結合を還元し、反応性のメ
ルカプト基を有するようにしたもので、抗体の抗原との
反応性を維持したものである。具体的な調製法として
は、後述の実施例における方法を挙げることができる。
ナル抗体或いはモノクローナル抗体のどちらでもよい。
抗体の具体例としては、抗AFP抗体、抗CA19-9
抗体、抗PSA抗体、抗CA-50抗体、抗TSH抗
体、抗FSH抗体、抗PRL抗体、抗LH抗体、抗ミオ
シン軽鎖抗体、抗ミオグロビン抗体、抗CK-MB抗
体、抗HCG抗体、抗インスリン抗体に少なくとも−S
H基を導入したもの、あるいはこれら抗体のF'abフラ
グメント等を挙げることができる。
ル比は、所望の反応が得られるように設定すれば良く、
例えば、抗体1モルに対して架橋剤を2〜10モルの範
囲で用いることができる。
おける−S−CH2−からなる結合を得ることができる
条件で行われる。この反応は、例えば、適当な緩衝液等
の反応媒体中で、7.5〜8.5の範囲内のpH条件で
行うことができる。反応は、例えば4〜37℃の範囲温
度で行うことができる。
ペルオキシダーゼ(以下、PODと略記する)は植物由
来のものであればよいが、なかでも西洋わさびPODが
好ましい。
ル比はPODの1モルに対して架橋剤が10モル以上で
あれば良い。PODと架橋剤との反応は、以下に示すよ
うに、PODの有するアミノ基を利用して、PODと架
橋剤側の(スルホ)スクシンイミド基との置換反応によ
って上記式(1)中の−NH−を介した結合が得られる
ように行われる。
の範囲内のpHにおいて行うことができる。なお、pH
範囲の下限は7.5が、その上限は8.5がより好まし
い。反応は、例えば4〜37℃の範囲温度で行うことが
できる。
びスルホン化SIABの中では、スルホン化SIABは
SIABに比して水溶性が良好であるので、酵素標識抗
体の生成効率がより高いという利点がある。
定法、発光免疫測定法等における抗体と結合し得る物質
の検出段階に好適に利用できる。
た抗原に試料を反応させて、試料中に該抗原に対する標
的抗体が存在するかどうかを検定する場合、固定化した
抗原と試料との反応後に、これに本発明の酵素標識抗体
(抗体部分は標的抗体を抗原とする抗体からなる)を反
応させて、抗原−標的抗体−酵素標識抗体からなる複合
体を形成させて、この複合体を標識酵素を利用した呈色
反応で検出する。また、競合法や2抗体サンドイッチ法
などの他の手法においても、同様に酵素標識抗体の抗体
部分と結合する物質の検出段階に本発明の酵素標識抗体
が利用できる。
の酵素標識抗体と、それを用いた免疫学的測定方法に用
いられる試薬及び/または器具を含むセットである。例
えば、上記の構成の酵素標識抗体溶液と、(1)標識酵
素による発色反応を生じさせるために必要な試薬類、
(2)検出対象としての抗原または抗体の標準溶液、
(3)検出対象としての抗原や抗体と、酵素標識抗体と
の反応に必要な試薬類や器具(例えば、反応用プレー
ト、試験管等)、(4)検出対象としての抗原又は抗体
を捕獲するための固相に固定している抗体または抗原試
薬の1種以上を組合せてキットを形成することができ
る。
に具体的に説明する。 実施例1 (スルホン化SIABを用いたPOD標識Fab'化マウ
ス抗TSHモノクローナル抗体の調製)IgクラスがI
gGに属するマウス抗TSHモノクローナル抗体(以
下、抗TSH抗体と略す)3mgを0.1Mクエン酸緩
衝液(pH4.5)1mlに加えて溶解した。これに1
%ペプシン溶液を0.35ml添加し、37℃、3.5
時間反応させた。反応物をゲル濾過カラムクロマトグラ
フィー(TSKgelG3000SW、東ソー(株)
製)で分離精製し、F(ab')2画分を回収した。得られた
F(ab')2画分に最終濃度が0.01Mになるように2−
メルカプトエチルアミンを添加した後、37℃で1.5
時間反応させた。反応後、反応物を脱塩処理して抗TS
H抗体Fab'フラグメントの溶液(溶媒:0.05Mリ
ン酸緩衝液:pH6.5、0.1M NaCl、2mM
EDTA)を得た。
液(pH7.0)を0.3ml加えて溶解した。これに
2mg/mlの濃度にスルホン化SIABを含有する溶
液0.3ml添加した後、室温で1時間反応させた。反
応後、反応物の脱塩処理を行って、4−ヨードアセチル
−アミノベンゾエート・POD複合体の溶液(溶媒:
0.05Mリン酸緩衝液:pH6.5、0.1M Na
Cl、2mM EDTA)を得た。
ート・POD複合体と、先の操作で得られたTSH抗体
Fab'フラグメントを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
5)中で直ちに混合し、4℃で16時間反応させた。反
応後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー(TSKge
lG3000SW)で分離精製を行い、POD標識Fa
b'化抗TSH抗体を調製した。
Hモノクローナル抗体の調製)比較のために、SIAB
を用いた酵素標識抗体の調製の従来法の例として、抗体
とスルホン化SIABとを、抗体のアミノ基を利用して
結合し、また、スルホン化SIABとPODを、POD
のメルカプト基を利用して結合することにより酵素標識
抗体を調製した。
酸緩衝液(pH7.0)0.3mlに加え溶解した。こ
れに2mg/mlの濃度のスルホン化SIAB溶液を
0.3ml添加し、室温で1時間反応させた後、反応物
を脱塩処理して4−ヨードアセチル−アミノベンゾエー
ト・抗TSH抗体複合体の溶液(溶媒:0.05Mリン
酸緩衝液:pH6.5、0.1M NaCl、2mM
EDTA)を得た。
H7.0)を0.3ml加え溶解した。これにS-アセ
チルメルカプトコハク酸無水物2mgをジメチルホルム
アミド50μlに溶解した液を加えた。この混合液を2
5℃、30分間インキュベーションした。次に500m
Mヒドロキシルアミンと10mM EDTAを含む10
0mM トリス−塩酸緩衝液0.2mlを加えてpH
7.0に調整した。この混合液を30℃、4分間静置し
た後、脱塩処理してメルカプト基を導入したPOD(S
H化POD)の溶液(溶媒:0.05Mリン酸緩衝液:
pH6.5、0.1M NaCl、2mM EDTA)
を得た。
ードアセチル−アミノベンゾエート・抗TSH抗体複合
体を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)中で直ちに混
合し、4℃で16時間反応させた後、ゲル濾過カラムク
ロマトグラフィーで分離精製を行い、POD標識抗TS
H抗体を調製した。
−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−
シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCCと略
記する)とした場合の例として、POD標識Fab'化マ
ウス抗TSHモノクローナル抗体を調製した。
TSH抗体の溶液を調製した。
液(pH7.0)を0.3ml加え溶解した。これに1
00mg/ml SMCC・ジメチルホルムアミド溶液
を0.03ml添加し、室温で1時間反応させた後、反
応物を脱塩してマレイミド基導入PODの溶液(溶媒:
0.05Mリン酸緩衝液:pH6.5、0.1M Na
Cl、2mM EDTA)を得た。
ド基導入PODを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)
中で直ちに混合し、4℃で16時間反応させた後、ゲル
濾過カラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、PO
D標識Fab'化抗TSH抗体を調製した。
−スクシンイミジル−3−(2’−ピリジルジチオ)プ
ロピオレート(SPDPと略記する)とした場合の例と
して、POD標識Fab'化マウス抗TSHモノクローナ
ル抗体を調製した。
TSH抗体溶液を調製した。
液(pH7.0)を0.3ml加え溶解した。これに5
0mg/ml SPDP・ジメチルホルムアミド溶液を
0.03ml添加し、室温で1時間反応させた後、反応
物を脱塩処理してピリジルジスルフィド基導入POD溶
液(溶媒:0.05Mリン酸緩衝液:pH6.5、0.
1M NaCl、2mM EDTA)を得た。
ジスルフィド基導入PODを0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.0)中で直ちに混合し、4℃で16時間反応させ
た後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーで分離精製を
行い、POD標識Fab'化抗TSH抗体を調製した。
SH抗体の酵素活性及び反応性の測定)実施例1、比較
例1〜3で得られた酵素標識抗体の安定性を調べるため
に、抗体溶液を一定期間室温にて保存した後、下記の方
法により酵素活性の変化及び抗体の抗原との反応性の変
化を測定した。 (1)酵素活性の経時変化 酵素活性の測定は以下の測定法で行った。反応容器とし
て用意したプラスチックチューブに、西洋ワサビPOD
標識抗TSH抗体溶液(40ng/ml)を10μl加
え、37℃で5分間インキュベーションした。その後、
TMBZ・過酸化水素水溶液500μlを加え、さらに
37℃で2分間及び5分間インキュベーション後、1N
硫酸1mlにて反応を停止し、450nmにおける吸光
度を測定し、次式Iにより本品1μg当たりの酵素活性
を測定した。
後の酵素標識抗体を用いて上記の方法で測定した吸光度
について、保存後のものの吸光度を、保存前のものの吸
光度を100とした時の相対値として表すことで評価し
た。得られた結果を表1に示す。
1)の標識酵素の活性値の低下率は極めて低く、標識酵
素の活性は安定に保持されることが判明した。また、ス
ルホン化SIABを用いた従来の酵素標識抗体調製法で
得られた酵素標識抗体(比較例1)、或いはSIAB以
外の架橋剤を用いた調製法で得られた酵素標識抗体(比
較例2、3)においても実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。 (2)抗体の反応性の経時変化 抗体の抗原との反応性については、酵素免疫測定法の原
理を用いて以下の通り行った。反応容器としてのプラス
チックチューブに抗TSH抗体固定化磁性微粒子懸濁液
(1.0mg/ml)50μlと標準溶液(TSH濃
度:40μIU/ml)80μlを加え、37℃で5分
間インキュベーションした。続いて西洋ワサビPOD標
識抗TSH抗体50μlを加え、37℃で5分間インキ
ュベーションした。その後、磁石により磁性微粒子を集
積させた後、洗浄液にて洗浄操作を3回行い、TMBZ
・過酸化水素水溶液300μlを加え、さらに37℃で
5分間インキュベーション後、1N硫酸1mlにて反応
を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。
保存前及び保存後の酵素標識抗体を用いて上記の方法で
測定した吸光度について、保存後のものの吸光度を、保
存前のものの吸光度を100とした時の相対値として表
すことで評価した。得られた結果を表2に示す。
応性の経時的な減少幅は、先の表1に示された標識酵素
の活性値の減少幅とほぼ同じであり、抗体の抗原との反
応性は安定に維持されていることがわかる。すなわち、
本発明の酵素標識抗体は経時安定性に優れるものであっ
た。
体調製法で得られた抗体(比較例1)、或いはSIAB
以外の架橋剤を用いた調製法で得られた抗体(比較例
2、3)においては、先の表1に示すように標識酵素の
活性自体は安定であるにも拘らず、吸光度の減少率は実
施例1よりも大きく。これらの比較例で得た酵素標識抗
体の経時安定性が不十分であった。
た。その他、測定に必要な試薬を調製し、表3に示すT
SH免疫学的測定用キットを構成した。次に、本キット
を用いたTSHの測定を以下のようにして行った。
体結合磁性微粒子懸濁液50μlとTSH標準溶液或い
は検体80μlを加え、37℃で5分間インキュベーシ
ョンした。西洋ワサビPOD標識抗TSH抗体溶液50
μlを加え、37℃で5分間インキュベーションした。
その後、磁石により磁性微粒子を集積させた後、洗浄液
にて洗浄操作を3回行った。洗浄の終わった試料に発色
液38mlと酵素基質液200μlの混合液300μl
を加え、更に37℃で5分間インキュベーションした。
その後、反応停止液(1N硫酸溶液)1mlを添加して
反応を停止し、得られた反応液の450nmにおける吸
光度を測定した。図1にTSH測定用標準溶液の検量線
を示した。
ギ抗β2ミクログロブリンポリクローナル抗体の調製)
ウサギ抗β2ミクログロブリンポリクローナル抗体(以
下抗β2MG抗体と略す)3mgを0.1Mクエン酸緩
衝液(pH4.5) 1mlに加えて溶解した。これに
1%ペプシン溶液を0.35ml添加し、37℃で16
時間反応させた。反応物をゲル濾過カラムクロマトグラ
フィー(TSKgel G3000SW)で分離精製
し、F(ab')2画分を回収した。得られたF(ab')2画分に
最終濃度が0.01Mとなるように2−メルカプトエチ
ルアミンを添加した後、37℃で1.5時間反応させ
た。反応後、反応物を脱塩処理して抗β2MG抗体Fab'
フラグメントの溶液(溶媒:0.05Mリン酸緩衝液:
pH6.5、0.1M NaCl、2mM EDTA)
を得た。
液(pH7.0)を0.3ml加え溶解した。これに2
mg/mlの濃度のスルホン化SIAB溶液を0.3m
l添加した後、室温で1時間反応させた。反応後、反応
物を脱塩処理して4−ヨードアセチル−アミノベンゾエ
ート・POD複合体の溶液(溶媒:0.05Mリン酸緩
衝液:pH6.5、0.1M NaCl、2mM ED
TA)を得た。
ート・POD複合体に、先の操作で得た抗β2MG抗体
Fab'フラグメントを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)中で直ちに混合し、4℃で16時間反応させた。反
応後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー(TSKge
l G3000SW)で分離精製を行い、POD標識Fa
b'化抗β2MG抗体を調製した。
ミクログロブリンポリクローナル抗体の調製)比較のた
めに、SIABを用いた酵素標識抗体の調製の従来法の
例として、抗体とスルホン化SIABとを、抗体のアミ
ノ基を利用して結合し、また、スルホン化SIABとP
ODを、PODのメルカプト基を利用して結合すること
により酵素標識抗体を調製した。
ン酸緩衝液(pH7.0) 0.3mlに加え溶解し
た。これに2mg/mlの濃度のスルホン化SIAB溶
液を0.3ml添加し、室温で1時間反応させた後、反
応物を脱塩処理して4−ヨードアセチル−アミノベンゾ
エート・抗β2MG抗体複合体の溶液(溶媒:0.05
Mリン酸緩衝液:pH6.5、0.1M NaCl、2
mM EDTA)を得た。
H化PODとを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)中
で直ちに混合し、4℃で16時間反応させた後、ゲル濾
過カラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、POD
標識抗β2MG抗体を調製した。
MCCとした場合の例として、POD標識Fab'化ウサ
ギ抗β2ミクログロブリンポリクローナル抗体を調製し
た。
MG抗体溶液を調製し、更に比較例2と同様にマレイミ
ド基導入POD溶液を調製した。
ド基導入PODを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)
中で直ちに混合し、4℃で16時間反応させた後、ゲル
濾過カラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、PO
D標識Fab'化抗β2MG抗体を調製した。
PDPとした場合の例として、POD標識Fab'化ウサ
ギ抗β2ミクログロブリンポリクローナル抗体を調製し
た。
MG抗体溶液を調製し、更に比較例3と同様にピリジル
ジスルフィド基導入POD溶液を得た。
ジスルフィド基導入PODとを0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.5)中で直ちに混合し、4℃で16時間反応
させた後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーで分離精
製を行い、POD標識Fab'化抗β2MG抗体を調製し
た。
SH抗体の酵素活性及び反応性の測定)実施例3、比較
例4〜6で得られたPOD標識(Fab'化)抗β2MG抗
体の安定性を調べるために、抗体溶液を一定期間室温に
て保存した後、下記の方法により酵素活性の変化及び抗
体の抗原との反応性の変化を測定した。 (1)酵素活性の経時変化 酵素活性の測定は試験例1と同様の操作で行った。但
し、西洋ワサビPOD標識抗TSH抗体溶液の代わりに
西洋ワサビPOD標識抗β2MG抗体溶液を用いた。保
存前及び保存後の抗体を用いた場合の吸光度を測定し、
結果を保存前抗体を用いた場合の吸光度を100とした
時の相対値として表した(表4)。
性値は、SIABを用いた従来の酵素標識抗体調製法で
得られた抗体、或いはSIAB以外の架橋剤を用いた調
製法で得られた抗体の活性値とほぼ同様であった。
り行った。反応容器としてプラスチックチューブを用い
た。このチューブに抗β2MG抗体固定化磁性微粒子懸
濁液(1.0mg/ml)100μlと標準溶液(β2
ミクログロブリン濃度:2000ng/ml)5μlを
加え、37℃で5分間インキュベーションした。磁石に
より磁性微粒子を集積させた後、洗浄液にて洗浄を行っ
た。続いて西洋ワサビPOD標識抗β2MG抗体100
μlを加え、37℃で5分間インキュベーションした。
その後、上記要領にて洗浄操作を3回行い、TMBZ・
過酸化水素水溶液300μlを加え、さらに37℃で5
分間インキュベーション後、1N硫酸1mlにて反応を
停止し、450nmにおける吸光度を測定した。保存前
及び保存後の抗体を用いた場合の吸光度を測定し、結果
を保存前抗体を用いた場合の吸光度を100とした時の
相対値として表した(表5)。
は、SIABを用いた従来の酵素標識抗体調製法で得ら
れた抗体、或いはSIAB以外の架橋剤を用いた調製法
で得られた抗体の反応性と比べて経時的減少が少なく、
本発明の酵素標識抗体は、経時安定性に優れていること
がわかった。
した。その他測定に必要な試薬を調製し、表6に示すβ
2MG免疫学的測定用キットを構成した。本キットを用
いたβ2MGの測定は以下のようにして行う。
抗体結合磁性微粒子懸濁液100μlとβ2MG標準溶
液或いは検体5μlを加え、37℃で5分間インキュベ
ーションする。磁石により磁性微粒子を集積させた後、
洗浄液により洗浄を行う。西洋ワサビPOD標識抗β2
MG抗体溶液100μlを加え、37℃で5分間インキ
ュベーションする。その後上記要領で3回洗浄を行う。
洗浄の終わった試料に発色液38mlと酵素基質液20
0μlの混合液300μlを加え、更に37℃で5分間
インキュベーションする。その後、反応停止液(1N硫
酸溶液)1mlを添加して反応を停止し、得られた反応
液の450nmにおける吸光度を測定する。図2にβ2
MG測定用標準溶液の検量線を示した。
性を有するため、該酵素標識抗体を用いると免疫学的測
定の結果について優れた再現性が得られる。
学的測定用キットは長期間保存可能であるため大変経済
的である。
る。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 抗体に標識酵素を架橋剤を介して結合さ
せた酵素標識抗体において、下記式(1): 【化1】 [上記式(1)中、Abは抗体を、PODはペルオキシ
ダーゼを表わす。]で表わされる構造を有することを特
徴とする酵素標識抗体。 - 【請求項2】 前記抗体がFab'フラグメントである請
求項1に記載の酵素標識抗体。 - 【請求項3】 前記抗体が、予めメルカプト基が導入さ
れたものである請求項1または2に記載の酵素標識抗
体。 - 【請求項4】 抗体に、N−スクシンイミジル−(4−
ヨードアセチル)−アミノベンゾエート又はスルホスク
シンイミジル−(4−ヨードアセチル)−アミノベンゾ
エートからなる架橋剤を用いて標識酵素を結合させるこ
とにより下記式(1): 【化2】 [上記式(1)中、Abは抗体を、PODはペルオキシ
ダーゼを表わす。]で表わされる構造を有する酵素標識
抗体を調製する方法において、(a)前記抗体としてメ
ルカプト基を有するものを用い、該メルカプト基と、前
記架橋剤のヨードアセチル基とを反応させることでこれ
らを結合する過程と、(b)前記標識酵素をそのアミノ
基を利用して、前記架橋剤のスクシンイミド基またはホ
スホスクシンイミド基と置換することでこれらを結合す
る過程とを有することを特徴とする酵素標識抗体の調製
方法。 - 【請求項5】 前記抗体がFab'フラグメントである請
求項4に記載の酵素標識抗体の調製方法。 - 【請求項6】 前記抗体が、予めメルカプト基が導入さ
れたものである請求項4または5に記載の酵素標識抗体
の調製方法。 - 【請求項7】 試料と、請求項1〜3のいずれかに記載
の酵素標識抗体を反応させる過程と、該試料中に抗原が
含まれる場合に形成される抗原−酵素標識抗体コンプレ
ックスを、該抗体に結合させた標識酵素を利用して検出
する過程とを有することを特徴とする免疫学的測定方
法。 - 【請求項8】 請求項4に記載の酵素標識抗体と、該酵
素標識抗体を用いた免疫学測定法に必要な試薬を有する
ことを特徴とする免疫学測定用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16535595A JP3516526B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 安定化された酵素標識抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16535595A JP3516526B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 安定化された酵素標識抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0915241A true JPH0915241A (ja) | 1997-01-17 |
JP3516526B2 JP3516526B2 (ja) | 2004-04-05 |
Family
ID=15810798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16535595A Expired - Lifetime JP3516526B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 安定化された酵素標識抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3516526B2 (ja) |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16535595A patent/JP3516526B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP3516526B2 (ja) | 2004-04-05 |
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