JPH09152222A - ケミカルヒートポンプ - Google Patents

ケミカルヒートポンプ

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JPH09152222A
JPH09152222A JP7335842A JP33584295A JPH09152222A JP H09152222 A JPH09152222 A JP H09152222A JP 7335842 A JP7335842 A JP 7335842A JP 33584295 A JP33584295 A JP 33584295A JP H09152222 A JPH09152222 A JP H09152222A
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JP
Japan
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refrigerant
absorption
heat pump
absorbing
section
Prior art date
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Pending
Application number
JP7335842A
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English (en)
Inventor
Shinya Obara
伸哉 小原
Mitsuru Sato
充 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Equos Research Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP7335842A priority Critical patent/JPH09152222A/ja
Publication of JPH09152222A publication Critical patent/JPH09152222A/ja
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02B30/52Heat recovery pumps, i.e. heat pump based systems or units able to transfer the thermal energy from one area of the premises or part of the facilities to a different one, improving the overall efficiency
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二組の別体のヒートポンプの組合せを必要と
せず、一つの反応容器内で、連続して作動することが可
能で、装置全体が複雑でなく、コンパクトなケミカルヒ
ートポンプを提供する。 【解決手段】 密閉容器4内に、作動媒体としての冷媒
を吸収し且つ蒸発することができる冷媒部1と、吸収容
量が異なるように吸収剤を担持させた2個の独立して設
けた吸収部を配置する。各配置は、吸収容量の多い吸収
部を第1吸収部2として冷媒部1に近い位置に配置し、
吸収容量の少ない吸収部を第2吸収部3として冷媒部1
に遠い位置に配置する。冷媒として2種以上の冷媒混合
物を用い、この密閉容器4内で、冷媒部1、第1吸収部
2、第2吸収部3との相互間で、冷媒の蒸発、吸収、脱
離、凝縮を冷媒の種類毎に交互に継続して行わせること
によって、冷媒部1、第1吸収部2、第2吸収部3で発
生する温度差を熱交換部位において熱交換して温熱、冷
熱として常時取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空調シス
テムに利用可能なコンパクトな車両搭載用のケミカルヒ
ートポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用空調システムには、エン
ジンの駆動力によりコンプレッサーによって圧縮された
冷媒ガスを、コンデンサーにおいて走行風やファンによ
って冷却、液化し、得られた液状の冷媒をエバポレータ
ーにて気化し、この気化の際に熱を大量に奪い冷却を行
う、圧縮式ヒートポンプによる冷凍サイクルが用いられ
ていた(例えば、特開平2−189223号公報参
照)。
【0003】ところが、前記従来の圧縮式ヒートポンプ
による冷凍サイクルでは冷媒を圧縮するための、コンプ
レッサーが不可欠であるため、エンジンから奪われるコ
ンプレッサーの駆動力が多大なものとなり、これが燃費
の低下の主な原因となっていた。特に、より強力な冷却
能力が必要とされる夏期には、冷媒の圧縮能力を高く設
定するため、著しい燃費低下の傾向がみられた。
【0004】一方、このような圧縮式ヒートポンプによ
る冷凍サイクルにおいては、冷媒として、フロンガスが
使用されていたため、フロンガスによる大気汚染が問題
となっていた。
【0005】上記のような問題に鑑みて、近年では圧縮
式ヒートポンプに代わって、冷媒蒸気を吸収剤に吸収さ
せ(発熱反応)、冷媒蒸気を発生する(吸熱反応)際の
潜熱を利用して外気温を下げるという、化学反応を応用
した吸収式ヒートポンプ(ケミカルヒートポンプ)が着
目されている。
【0006】この吸収式ヒートポンプの原理を、図1
(冷凍モード)及び図2(再生モード)に示す2個の反
応容器71,72を途中にバルブ73を介した連結パイ
プ74により連結した吸収式ヒートポンプモデルにより
次に説明する。第I反応容器71に収容した吸収剤を
A、第II反応容器72に収容した吸収剤をB、蒸気発生
物質をCとし、物質の相変化の状態を示すため液体又は
固体を(s)、気体を(g)とする。まず、反応系内を
減圧状態として、蒸気発生物質C(s)を吸収している
吸収剤A(s)から蒸気発生物質C(g)を発生させ、
蒸気発生物質C(g)を吸収剤B(s)に吸収させる。
蒸気発生物質C(g)を吸収剤B(s)に吸収させる発
熱反応の反応式は下記の式(1)に、また蒸気発生物質
C(g)を発生させる吸熱反応の式は下記の式(2)に
よって表される。
【0007】
【化1】
【0008】上記原理の吸収式ヒートポンプを、特に自
動車用冷房として適用することを考えると、自動車排熱
(排気ガス、エンジン冷却水からの)をヒートポンプの
収熱用(濃縮、脱着等)の熱源、すなわち熱エネルギー
を化学エネルギーに変換してヒートポンプの駆動源とし
て利用できるため、自動車における熱エネルギーの収支
において無駄が少なく整合性が良く、既に、エンジン排
ガスの熱を利用した吸収式冷凍機として提案されている
(特開平1−239354号公報参照)。
【0009】このような吸収式ヒートポンプの特徴とし
ては、まず、上記式(1)及び式(2)で示されるよう
に、冷媒ガス(熱媒体)を吸収剤に吸着させ、また吸収
剤から蒸発させることによって、発熱反応や吸熱反応を
生じさせ、その冷媒ガスは、容易に移動させることがで
きるので、即ち、エネルギーを物質の形で保存し、移動
させることができ、エネルギー損失が僅かであるという
利点を有する。また、冷媒ガス(熱媒体)の移動は、圧
力(濃度)差によって行うことができるので、コンプレ
ッサー等の外部動力を積極的に必要としないという利点
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平1−239
354号公報に記載された吸収式冷凍機では、蒸発した
冷媒は吸収器に入り吸収溶液に吸収されて、希釈された
吸収液(吸収剤)となり、次いでこの希釈された吸収液
は溶液ポンプで再生器に送られて溶液中の冷媒を蒸発す
る工程が行われているが、吸収液が吸収工程において専
用の吸収器で及び再生工程において再生器で処理され、
その処理のタイミング毎に吸収液の移動がなされてお
り、そのために、吸収式冷凍機全体として複雑で且つ装
置規模が大きくなるという問題があった。
【0011】本発明者らはこのような問題点を解決する
ために、冷媒圧縮用コンプレッサーが不要で、ヒートポ
ンプ用駆動電源が不要で、ラジエータの小型化が可能な
低燃費型の自動車用空調装置に利用でき、且つ、自動車
等の限られたスペースで、コンパクトな装置構成とする
ことができる吸収式冷凍機を提供することを目的とし、
冷凍モード時には蒸発器に、且つ再生モード時には凝縮
器に切り替わることができる第I反応容器と、再生モー
ド時には再生器に、且つ冷凍モード時には吸収器に切り
替わることができる第II反応容器からなるケミカルヒー
トポンプを二組コンパクトに組合せ、エンジンの冷却に
使用されたエンジン冷却水の排熱を利用して作動させる
吸収式冷凍機を既に出願している(特願平7−3021
18号)。
【0012】本発明者らの先の出願発明では、蒸気発生
物質(作動媒体又は冷媒)と吸収剤とのペアーによって
作動する一組のケミカルヒートポンプが冷凍(熱交換に
より冷風発生)と再生(熱交換により温風発生)の運転
が交互に行なわれているため、連続して冷房あるいは暖
房運転を行うためにはどうしても二組のケミカルヒート
ポンプが必要であった。そのため車両搭載用の吸収式冷
凍機を小型軽量化する目的及び燃費削減効果の目的をよ
り高度に達成するためには、さらなる改良が望まれてい
た。
【0013】そこで本発明は、二組の別体のヒートポン
プの組合せを必要とせず、一つの反応容器内で、連続し
て作動することが可能で、装置全体が複雑でなく、コン
パクトな車両搭載型ケミカルヒートポンプを提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明のケミカルヒートポンプは、密閉容器
内に、作動媒体としての冷媒を吸収し且つ蒸発すること
ができる冷媒部、並びに吸収容量が異なるように種類及
び担持量を変えて、或いは同種類であっても担持量を変
えて吸収剤を担持させた2個の独立した吸収部を配置
し、吸収容量の相対的に多い吸収部を第1吸収部として
前記冷媒部に近い位置に配置し、吸収容量の相対的に少
ない吸収部を第2吸収部として前記冷媒部に遠い位置に
配置し、冷媒として2種類以上の沸点の異なる冷媒の混
合物を用い、前記密閉容器内における、前記冷媒部、第
1吸収部、及び第2吸収部の相互間で、冷媒の蒸発、吸
収、脱離、凝縮を冷媒の種類毎に交互に継続して行わせ
ることによって、前記冷媒部、第1吸収部、及び第2吸
収部で発生する温度差を熱交換部位において熱交換して
温熱及び冷熱として常時取得できるように構成したこと
を特徴とする。
【0015】したがって、第1吸収部に担持される吸収
剤の単位重量当りの吸収容量は第2吸収部に担持される
吸収剤のそれに比べて同等或いは優れたものが選択さ
れ、第1吸収部に担持される吸収剤の担持量は、第2吸
収部に担持される吸収剤の担持量に比べて多くする。
【0016】本発明のケミカルヒートポンプにおいて
は、冷媒部は密閉容器内の底部に配置され、前記第1吸
収部は該冷媒部より高い位置に配置され、前記第2吸収
部は該第1吸収部よりもさらに高い位置に配置されてい
ることを特徴とする。
【0017】本発明のケミカルヒートポンプの第1吸収
部及び第2吸収部には、吸収した冷媒を加熱して脱離す
るために、エンジンの冷却に利用されたエンジン冷却水
(以下、エンジン冷却水という)を加熱媒体として利用
できる加熱装置が配置されており、エンジン冷却水によ
り、冷媒が吸収している第1吸収部及び第2吸収部を加
熱することにより、冷媒を脱離させて再生処理をスター
トさせることができる。
【0018】本発明のケミカルヒートポンプの前記熱交
換部位には、該熱交換部位の周囲の密閉容器外側に車外
外気(以下、単に外気という)と熱交換できる通風路が
配置されており、該通風路に外気を通風することによ
り、冷媒部、第1吸収部、及び第2吸収部で発生する温
度差を熱交換して、温熱及び冷熱として取得することが
できる。
【0019】本発明のケミカルヒートポンプにおいて
は、沸点の異なる2種類以上の冷媒の混合液が用いられ
ているので、各冷媒の蒸発温度の違い、蒸気圧の違いに
より、冷媒部、第1吸収部、及び第2吸収部の相互間
で、冷媒の蒸発、吸収、脱離、凝縮を冷媒の種類毎に交
互に継続して行わせることができる。
【0020】本発明のケミカルヒートポンプは、外部よ
りエンジン冷却水で各吸収剤に吸収されている冷媒を熱
交換により加熱して脱離し、また車内に導入する外気又
は車内循環における車内内気(以下、単に内気という)
で熱交換して各吸収剤を冷却することにより、一つの密
閉空間内において冷凍モードと再生モードを常時並行さ
せて運転させ、且つ冷凍モードと再生モードを切り替え
ながら連続して運転させることができる。
【0021】即ち、冷凍モードの開始時点では、冷媒部
と吸収部において圧力差が最大となっているので、この
圧力差を解消するように、冷媒部から蒸発した冷媒蒸気
が吸収部へ吸収されることにより冷凍モードが進行す
る。次いで、冷凍モード状態にある吸収部をエンジン冷
却水で加熱することにより、該吸収部に吸収されていた
冷媒が脱離し、脱離した冷媒蒸気が別の吸収部又は冷媒
部へ吸収或いは凝縮して吸収されることにより再生モー
ドに切り替わる。沸点等の種類の異なる冷媒を混合した
混合冷媒を使用した場合には、同時に再生モードと冷凍
モードが進行するので、これらの操作を切り替えて連続
して運転することができる。
【0022】本発明のケミカルヒートポンプは、密閉反
応容器内において第2吸収部と冷媒部との間に第1吸収
部が位置しているので、冷媒を吸収している第2吸収部
をエンジン冷却水で加熱することにより脱離される冷媒
蒸気は、冷媒部に吸収されるのではなく、第2吸収部と
の距離が短い第1吸収部に吸収される。また、本発明の
ケミカルヒートポンプは、第1吸収部に担持される吸収
剤の量を第2吸収部に比べて相対的に多くしているの
で、その吸収容量は相対的に多くなり、第2吸収部から
脱離した冷媒蒸気を吸収するに充分なものとなる。 次
いで、冷媒を吸収した第1吸収部をエンジン冷却水で加
熱すると、第2吸収部は冷凍モードに寄与しているた
め、脱離した冷媒蒸気は優先的に冷媒部に吸収される。
【0023】このように再生モードは第2吸収部−第1
吸収部、或いは第1吸収部−冷媒部の間で交互に進行
し、第1吸収部、第2吸収部、冷媒部の各間における距
離の最短となる組合せで常に行われる。このため、再生
モードは、冷凍モードに比べて、冷媒の移動距離(作動
距離)が短いので、仕事量が少くなり、冷凍モードより
速く完了する。
【0024】再生モードの開始は、冷凍モード時に各吸
収部をエンジン冷却水にて加熱することにより行うこと
ができ、再生モードに切り替わるので、第1吸収部が冷
媒を吸着脱離する反応サイクルと第2吸収部が冷媒を吸
着脱離する反応サイクルは、吸着、脱離の順を異にして
同じ周期で進行する。再生モードに切り換えるタイミン
グは担持体の温度をモニターすることにより行うことが
できる。
【0025】本発明のケミカルヒートポンプは一つの密
閉容器内で、冷凍モードと再生モードを並行させて運転
でき、しかも切り替えながら連続的に運転できるので、
コンパクトで効率のよいヒートポンプとして自動車等の
車両搭載に好適である。しかしながら、本発明のケミカ
ルヒートポンプは、車両搭載のみに限定されず、種々の
熱機器へ適用が可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】図3〜図6は本発明のケミカルヒ
ートポンプの作動サイクルを模式的に示す原理図であ
り、冷媒(作動媒体)として2種類を使用した場合のも
のを示す。図3〜図6に基づいて、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0027】図3〜図6において、1は、複数の冷媒を
収容し、該冷媒から発生する冷媒蒸気を排出し、且つ凝
縮した冷媒蒸気を回収することができる冷媒部である。
この冷媒部1は、冷媒を蒸発させ且つ冷媒蒸気が凝縮し
て液体となったときに吸収する能力を有する材料が使用
され、このような性質を有する材料には通気性のある吸
水シートが用いられる。本発明で使用される吸水シート
としては、保水性繊維により抄造した紙、不織布、或い
は製織した織物等、或いは、保水性高分子物質と繊維
(保水性又は非保水性繊維)とを混合して抄造したもの
でもよい。その保水性繊維或いは保水性高分子物質の材
料には、合成高分子系材料、セルロース系材料、澱粉系
材料、アルギン酸系材料等が挙げられる。吸水シートの
通気性を十分に確保する目的のためには、吸水シートを
通気性且つ水浸透性の外装材で包むことが望ましい。
【0028】2は、該冷媒部1とは空間的に分離されて
上方に配置され、冷媒蒸気を吸収し、且つ吸収した冷媒
を蒸発させることができる第1吸収剤21をその周囲に
担持した第1吸収部であり、後記する第2吸収部3に比
べて相対的に第1吸収剤21の担持量が多く、そのため
吸収容量が大きい。第1吸収部2は、その上部に位置す
る後記する第2吸収部3と前記冷媒部1との相互作用を
均一に行なうことができる位置に配置せねばならず、第
1吸収部2を複数個配置する場合には、前記相互作用が
均等になるように配置する。
【0029】第1吸収部2は、内管22と外管23を有
する二重管であり、内管22の内側と、内管22と外管
23との間には流路が形成されている。該内管22の周
囲から該外管23へ向かう放射方向であって、且つ内管
22と外管23の間の流路を塞がないように、多数の熱
伝導フィン24が両管を連結しており、第1吸収部2は
熱伝導性のよい材料で構成される。その内管22はその
内部にエンジンの冷却に利用された水(以下、単にエン
ジン冷却水という)が通過でき第1吸収部2を加熱する
ようになっており、また、内管22と外管23との間の
流路には、外気又は内気が通過でき第1吸収部2と熱交
換が行われるようになっている。
【0030】3は、第1吸収部2と空間的に分離されて
その上方に配置され、冷媒蒸気を吸収し、且つ吸収した
冷媒を蒸発させることができる第2吸収剤31をその周
囲に担持した第2吸収部であり、前記した第1吸収部2
に比べて相対的に吸収剤の担持量が少なく、そのため吸
収容量が小さい。第2吸収部3の内部にはエンジン冷却
水を通過させて第2吸収部3を熱交換により加熱するこ
とができる加熱管32が設けられている。このような熱
交換できる加熱管32には、フィンチューブを使用する
ことができる。
【0031】前記した冷媒部1、第1吸収部2、第2吸
収部3は、密閉容器4内に収容され、密閉容器4内は減
圧状態(0.001〜0.1気圧)となっている。冷媒
部1は密閉容器4の底部に密着して設けられており、該
冷媒部1周囲における密閉容器4の外側に、冷媒部1と
熱交換できるように、外気又は内気が通風できる通風路
5,6が設けられており、該通風路5,6において、冷
媒部1の液熱と外気とを熱交換するための熱伝導性の中
断フィン11,12が設けられている。中断フィン1
1,12は、フィンを個別に分断することにより、平均
熱伝導率を増大させるものである。中断フィン11,1
2の形状は、種々の形状が適用可能であり、例えば、フ
ラットフィン、ステアフィン、スリットフィン、ルーバ
ーフィン、スーパースリットフィン、ワッフルスリット
フィン等が挙げられる。
【0032】冷媒部1はほぼ2分割されており、一方の
冷媒部1には冷媒蒸気の凝縮を促すための熱伝導性の凝
縮用フィン13が密閉容器4内に前記中断フィン11と
連続又は連結して設けられている。
【0033】さらに第2吸収部3は、密閉容器4の外側
に設けた通風路7に通風した外気又は内気と熱交換でき
るように、密閉容器4の上部に密着して設けられてい
る。
【0034】本発明で吸収剤とは、一般に吸着剤と言わ
れているものも含み、前記第1吸収剤21及び第2吸収
剤31には、その材料として例えば、活性炭、ゼオライ
ト、塩化カルシウム、活性アルミナ、シリカゲル、アル
ミナシリカ、金属多孔体等を用いることができる。これ
らの吸収剤の1種又は2種以上を担体(例えば、モノリ
ス担体や、ペレット担体等)上に担持させて用いるか、
成形して用いることができる。前記モノリス担体には、
コーディェライト等のセラミックスや、耐熱性金属薄板
を積層したものを用いることができる。
【0035】図3〜図6に基づき、第1吸収剤21とし
てゼオライトを用い、第2吸収剤31として活性炭を用
い、混合冷媒として水−メタノール混合溶液を用いた場
合を例にして、本発明のケミカルヒートポンプの作動サ
イクルを次に説明する。
【0036】冷媒部1に対して第2吸収部3より近い距
離に配置されており且つその吸収容量が第2吸収部3と
比べて相対的に大きい第1吸収部と、冷媒(又は冷媒部
1)間における冷媒の吸脱着により作動する熱可逆サイ
クルをメインサイクルと呼び、また、冷媒部1に対して
第1吸収部2より遠い距離に配置されており且つその吸
収容量が第1吸収部2と比べて相対的に小さい第2吸収
部3と、冷媒(又は冷媒部1)間における冷媒の吸脱着
により作動する熱可逆サイクルをサブサイクルと呼ぶ。
【0037】A段階:図3は、冷媒(又は冷媒部1)と
活性炭を担持した第2吸収部3との間のサブサイクルで
メタノールが作動媒体として作用する冷凍モードが行わ
れており、且つ冷媒(又は冷媒部1)とゼオライトを担
持した第1吸収部2との間のメインサイクルで水が作動
媒体として作用する再生モードが行われているA段階の
様子を示す。
【0038】図7は、図3のA段階について、第1吸収
部2、第2吸収部3、冷媒における圧力(logP)と
温度(1/T)の関係を示すP−Tグラフであり、曲線
aは第1吸収部、曲線bは第2吸収部、曲線cは水、及
び曲線dはメタノールの各P−T曲線である。
【0039】図7に示すように、サブサイクルにおいて
は、前段階の終了時に、活性炭(第2吸収部)−メタノ
ール(冷媒部)間では、ほぼ平衡温度、及び圧力差(P
H −PL )は、ほぼ最大となっている。したがって、こ
の圧力差を平衡化するように、図7の曲線b及び曲線d
の矢印の方向に冷凍モードが、外部から駆動力がない状
況において、自動的に開始し、進行する。即ち、吸水シ
ートからなる冷媒部1からメタノールが蒸発し、メタノ
ール蒸気が、このメタノール蒸気と圧力差の生じている
活性炭からなる第2吸収部3へ優先的に吸収される。
【0040】このサブサイクルと並行してメインサイク
ルにおいては、ゼオライト(第1吸収部2)−水間で再
生モードが開始し、進行する。即ち、このメインサイク
ルにおける再生モードの開始は、ゼオライトをエンジン
冷却水で加熱してゼオライトに吸着されていた水を蒸発
させることにより行う。蒸発された水は、凝縮用フィン
13により凝縮し、吸水シートからなる冷媒部1に吸収
される。この再生モードの初期の段階では、この再生モ
ードの直前の冷凍モードの最終段階において第1吸収部
2のゼオライトは高温に、冷媒部1の水は低温となって
いるので、この再生モードにおいてはこれらの間の温度
差を平衡化するように、図7の曲線a及び曲線cの各矢
印の方向に反応が進む。
【0041】メインサイクルの再生モードにおいては、
水吸収部位の冷媒部1では、発熱反応が行われるので、
この冷媒部1の外側空間に外気を流通させて熱交換する
ことにより温風を得ることができ、一方、第1吸収部2
においてはゼオライトから水の脱離により吸熱反応が行
われるので、内管22内へエンジン冷却水を導入して潜
熱を吸収させる。
【0042】また、サブサイクルの冷凍モードにおいて
は、メタノール蒸発部位の冷媒部1では、吸熱反応が行
われるので、この冷媒部1の外側空間に外気を流通させ
て熱交換することにより冷風を得ることができ、一方、
第2吸収部3においてはメタノールの吸収により発熱反
応が行われるので、この第2吸収部3の外側空間に外気
を流通させて潜熱吸収を行い、外気に熱供与することか
らなる熱交換により温風を得ることができる。
【0043】第2吸収部3における活性炭に比して、第
1吸収部2におけるゼオライトの担持量は多く、しかも
冷媒部1からの距離も近いため、メインサイクルの冷凍
モード(活性炭側)に比して、サブサイクルの再生モー
ド(ゼオライト側)の反応は速いため、早期に終了す
る。しかし、サブサイクルの冷凍モード(活性炭側)は
緩慢に進行するため、このサブサイクルの再生モードの
終了時点においても完了せずに継続して進行する。
【0044】B段階:図4は、冷媒(又は冷媒部1)と
ゼオライトを担持した第1吸収部2との間のメインサイ
クルでメタノールが作動媒体として作用する冷凍モード
が行われており、且つゼオライトを担持した第1吸収部
2と活性炭を担持した第2吸収部3との間でメタノール
が作動媒体として作用する再生モードが行われているB
段階の様子を示す。
【0045】図8は、図4のB段階について、第1吸収
部2、第2吸収部3、冷媒における圧力(logP)と
温度(1/T)の関係を示すP−Tグラフであり、曲線
aは第1吸収部、曲線bは第2吸収部、曲線cは水、及
び曲線dはメタノールの各P−T曲線であり、各曲線の
矢印で示した方向に反応が進む。なお、メタノールの曲
線dにおける下向きの矢印は冷媒部1から第1吸収部2
へ作用するメタノールを示し、上向きの矢印は第2吸収
部3から第1吸収部2へ作用するメタノールを示す。
【0046】B段階の開始は、第2吸収部3の活性炭を
密閉容器4の外部からエンジン冷却水での加熱により熱
交換して行い、この加熱で前記A段階でのサブサイクル
の冷凍モードが再生モードに切り替わり、第2吸収部3
の活性炭よりメタノールが脱離する。このサブサイクル
の再生モードにより、活性炭より脱離したメタノール
は、本来は冷媒部1に吸収されるべきものであるが、吸
着距離が冷媒部1より短い第1吸収部2のゼオライトに
吸収され、第1吸収部2において発熱が生ずる。
【0047】一方、前記A段階において、サブサイクル
における冷凍モードが進行中であり、冷媒部1よりメタ
ノールの蒸発がなされていたので、B段階に切り替えら
れた時点から、この冷媒部1より蒸発されるメタノール
は、第2吸収部3より距離の短い第1吸収部2のゼオラ
イトに吸収されて発熱が生じ、前記A段階におけるサブ
サイクルの冷凍モードがメインサイクルにおける冷凍モ
ードに切り替わる。
【0048】したがって、第1吸収部2で発生した熱
は、第1吸収部2の内管22内に外気を通して潜熱とし
て吸収されることにより、温風を得ることができる。ま
た、冷媒部1においては、前記A段階と同様に、この冷
媒部1の外側空間に外気を流通させて熱交換することに
より冷風を得ることができる。
【0049】C段階:図5は、冷媒(又は冷媒部1)と
ゼオライトを担持した第1吸収部2との間のメインサイ
クルでメタノールが作動媒体として作用する再生モード
が行われており、且つ冷媒(又は冷媒部1)と活性炭を
担持した第2吸収部3との間のサブサイクルで水が作動
媒体として作用する冷凍モードが行われているC段階の
様子を示す。
【0050】図9は、図5のC段階について、第1吸収
部2、第2吸収部3、冷媒における圧力(logP)と
温度(1/T)の関係を示すP−Tグラフであり、曲線
aは第1吸収部、曲線bは第2吸収部、曲線cは水、及
び曲線dはメタノールの各P−T曲線であり、各曲線の
矢印で示した方向に反応が進む。
【0051】図9に示すように、サブサイクルにおいて
は、活性炭(第2吸収部)−水間で圧力差があるのでこ
れを平衡化するように、図9の曲線b及び曲線dの矢印
の方向に冷凍モードが自動的に開始し、進行する。即
ち、吸水シートからなる冷媒部1から水が蒸発し、水蒸
気が活性炭からなる第2吸収部3へ吸収される。
【0052】このサブサイクルと並行してメインサイク
ルにおいては、ゼオライト(第1吸収部2)−メタノー
ル間で再生モードが開始し、進行する。即ち、このメイ
ンサイクルにおける再生モードの開始は、ゼオライトを
エンジン冷却水で加熱してゼオライトに吸着されていた
メタノールを蒸発させることにより行う。蒸発されたメ
タノールは凝縮し、吸水シートからなる冷媒部1に吸収
される。この再生モードの初期の段階では、この再生モ
ードの直前の冷凍モードの最終段階において第1吸収部
2のゼオライトは高温に、冷媒(又は冷媒部1)のメタ
ノールは低温となっているので、この再生モードにおい
てはこれらの間の温度差を平衡化するように、図9の曲
線a及び曲線dの各矢印の方向に反応が進む。
【0053】メインサイクルの再生モードにおいては、
メタノール吸収部位の冷媒部1では、発熱反応が行われ
るので、この冷媒部1の外側空間に外気を流通させて熱
交換することにより温風を得ることができ、一方、第1
吸収部2においてはゼオライトからメタノールの脱離に
より吸熱反応が行われるので、内管22内へエンジン冷
却水を導入して潜熱を吸収させる。
【0054】また、サブサイクルの冷凍モードにおいて
は、水蒸発部位の冷媒部1では、吸熱反応が行われるの
で、この冷媒部1の外側空間に外気を流通させて熱交換
することにより冷風を得ることができ、一方、第2吸収
部3においては水の吸収により発熱反応が行われるの
で、この第2吸収部3の外側空間に外気を流通させて潜
熱吸収を行い、外気に熱供与することからなる熱交換に
より温風を得ることができる。
【0055】第2吸収部3における活性炭に比して、第
1吸収部2におけるゼオライトの担持量は多く、しかも
冷媒部1からの距離も近いため、メインサイクルの冷凍
モード(活性炭側)に比して、サブサイクルの再生モー
ド(ゼオライト側)の反応は速いため、早期に終了す
る。しかし、サブサイクルの冷凍モード(活性炭側)は
緩慢に進行するため、このサブサイクルの再生モードの
終了時点においても完了せずに継続して進行する。
【0056】D段階:図6は、冷媒(又は冷媒部1)と
ゼオライトを担持した第1吸収部2との間のメインサイ
クルで水が作動媒体として作用する冷凍モードが行われ
ており、且つゼオライトを担持した第1吸収部2と活性
炭を担持した第2吸収部3との間で水が作動媒体として
作用する再生モードが行われているD段階の様子を示
す。
【0057】図10は、図6のD段階について、第1吸
収部2、第2吸収部3、冷媒における圧力(logP)
と温度(1/T)の関係を示すP−Tグラフであり、曲
線aは第1吸収部、曲線bは第2吸収部、曲線cは水、
及び曲線dはメタノールの各P−T曲線であり、各曲線
の矢印で示した方向に反応が進む。なお、水の曲線cに
おける下向きの矢印は冷媒部1から第1吸収部2へ作用
する水を示し、上向きの矢印は第2吸収部から第1吸収
部へ作用する水を示す。
【0058】D段階の開始は、第2吸収部3の活性炭を
エンジン冷却水での加熱により熱交換して行い、この加
熱で前記C段階でのサブサイクルの冷凍モードが再生モ
ードに切り替わり、第2吸収部3の活性炭より水が脱離
する。このサブサイクルの再生モードにより、活性炭よ
り脱離した水は、本来は冷媒部1に吸収されるべきもの
であるが、吸着距離が冷媒部1より短い第1吸収部2の
ゼオライトに吸収され、発熱が生ずる。
【0059】一方、前記C段階において、サブサイクル
における冷凍モードが進行中であり、冷媒部1より水の
蒸発がなされていたので、D段階に切り替えられた時点
から、この冷媒部1より蒸発される水は、第2吸収部3
より距離の短い第1吸収部2のゼオライトに吸収されて
発熱が生じ、前記C段階におけるサブサイクルの冷凍モ
ードがメインサイクルにおける冷凍モードに切り替わ
る。
【0060】したがって、第1吸収部2で発生した熱
は、第1吸収部2の内管22内に外気を通して潜熱とし
て吸収されることにより、温風を得ることができる。ま
た、冷媒部1においては、前記C段階と同様に、この冷
媒部1の外側空間に外気を流通させて熱交換することに
より冷風を得ることができる。
【0061】上記A段階〜D段階のメインサイクル及び
サブサイクルについて、上記に説明した冷媒の種類、状
態変化、熱移動、熱交換形態等を一覧にして次の表1に
示す。
【0062】
【表1】
【0063】上記表1のA段階→B段階→C段階→D段
階のサイクルの切り替えの実施の一形態として以下の
(1)の方法及び(2)の方法がある。活性炭とゼオラ
イトの各吸収剤を担持する担体自体及び冷媒蒸気の凝縮
部位(例えば、凝縮用フィンが設けられている冷媒固定
シートの表面)にそれぞれ温度センサを設置する。一般
的に冷凍モードにおいては冷媒蒸気と吸収剤との間が、
次第に等圧状態になるように進行するのに対して、再生
モードにおいては、その後半では冷媒蒸気と吸収剤間
が、次第に等温状態になるように進行する。そこで、再
生モードの終了時に両者の温度が室温(20−35℃)
に到達し、平衡状態になることから、再生モードになる
吸収剤の温度を主にモニターしてサイクルの切り替えを
行う。
【0064】(1)の方法:ゼオライトが再生モードに
なる場合(A段階及びC段階)は再生モード起動時にお
いてエンジン冷却水によって一旦加熱されて昇温する
が、ゼオライトに吸収されていた冷媒が脱離を開始する
と脱離反応が吸熱反応であるため、次第に吸収剤温度は
低下し、やがて室温に到達して平衡状態となる。また一
方、エンジン冷却水によるゼオライトの加熱を停止する
タイミングは、脱離した冷媒蒸気(メタノール又は水)
がもとの冷媒固定シート(メタノール+水)への凝縮が
開始する時点である。すなわち、凝縮用フィンの付いて
いる側の冷媒固定シートの表面の温度をモニターしてお
いて、凝縮による発熱によって温度上昇が認められた時
点で、エンジン冷却水による加熱を停止する。
【0065】A段階よりB段階、或いはC段階よりD段
階への切り替えは、ゼオライトの温度と凝縮側の冷媒の
温度がほぼ室温に安定した時点をメインサイクルの再生
モードの終了時点とみなし、冷凍モードがまだ終了して
いない活性炭をエンジン冷却水にて加熱することによ
り、B段階或いはD段階が開始する。
【0066】(2)の方法:活性炭が再生するサブサイ
クルの再生モード(B段階及びD段階)において、活性
炭から脱離した冷媒蒸気は冷媒固定シートに吸収される
のではなく、活性炭から冷媒固定シート迄の距離より短
い位置に配置されているゼオライトに吸収される。厳密
に表現すると、一旦、活性炭から蒸発(吸熱)した後
に、ゼオライトに吸収(発熱)される。この現象は冷凍
モードにおける冷媒固定シートからゼオライトへの冷媒
蒸気の吸収(発熱)と同時進行しているため、ゼオライ
トの温度はB段階開始時より上昇する。したがって、B
段階及びD段階においては、活性炭の温度のみをモニタ
ーし、温度低下が認められるまでエンジン冷却水による
加熱を継続する。温度低下が認められた時点で前記エン
ジン冷却水による加熱を停止し、温度低下の後に室温で
安定した時点をサブサイクルの再生モード終了時とみな
し、エンジン冷却水にてゼオライトの加熱を開始するこ
とで、B段階がC段階に、或いは、D段階がA段階に切
り替わる。
【0067】図11は、本発明のケミカルヒートポンプ
を車両搭載型に適用した実施例を示し、前記A段階の状
態におけるケミカルヒートポンプの内部構造を分解的に
示した斜図であり、図3の原理図に対応するものであ
る。
【0068】図12は、本発明のケミカルヒートポンプ
の車両搭載型空調システムの外観斜視図を示す。51は
ケミカルヒートポンプ部である。車外からの外気は外気
導入口52から、或いは車内循環の内気は内気導入口5
3から導入され、プレフィルター54により清浄化さ
れ、ブロワ55により、ケミカルヒートポンプ部51に
導入される。一方、エンジン冷却水は、エンジン冷却水
導入管60によりケミカルヒートポンプ部51に導入さ
れ、エンジン冷却水排出管61より排出される。これら
の外気又は内気の導入、及びエンジン冷却水の導入は、
前記A段階〜D段階に従ったタイミングにより行われ、
前記ケミカルヒートポンプ部51で熱交換される。熱交
換された内気又は外気は、空気清浄用フィルター56を
通過した後、デフロスタ57から或いはサイド連絡管5
8を通じてサイド排出口(図示せず)から、冷風または
温風として排出される。また、熱交換されない内気又は
外気は排気口59から排出される。
【0069】本発明の上記車両搭載型ケミカルヒートポ
ンプにおいて、エンジン冷却水の循環、及び外気或いは
内気の送風に使用される循環機やファンのエネルギーと
してソーラーエネルギーを利用したものにすると、ファ
ン電力が削減可能となり、ケミカルヒートポンプ全体と
して省エネとなる。このような目的のために、車のルー
フやボンネット上にソーラー電池を設けてもよい。
【0070】〔実験例〕メタノール100gと水50g
からなる混合液を密閉容器に入れ、常圧下(760mm
Hg)でヒーターで加熱することにより、混合液の蒸発
を行った。蒸発したメタノール蒸気と水蒸気について各
々凝縮させて各蒸発量を測定した。その結果を、図13
に縦軸に重量比(%)、横軸に時間(分)をとり、メタ
ノール蒸気の重量比と水蒸気の重量比の曲線をグラフと
して示した。
【0071】図13によれば、メタノール蒸気重量比曲
線と水蒸気重量比曲線は、逆のパターンを示しているの
で、密閉空間内に吸収剤を存在させれば、片方の液体が
作動媒体(冷媒)として優先的に働き、且つその作動媒
体が時間経過に伴いもう一方の液体にその優先的作用が
変換されることがわかる。
【0072】即ち、このグラフを先に説明したA段階、
B段階、C段階、D段階にあてはめてみれば、加熱当初
は混合液からは水よりも沸点の低いメタノールが優先的
に蒸発しA段階、B段階が進行することが理解される。
次いで、メタノール蒸気重量比曲線と水蒸気重量比曲線
が交差した後は、水が優先的に蒸発し、C段階及びD段
階が進行することが理解される。
【0073】なお、冷媒を水を含んだ混合液とすること
で凝固点降下により氷点が0℃未満になり、ヒートポン
プとして冬期利用が可能である。例えば、水とメタノー
ルの混合液では、氷点が約−50℃までに低下するた
め、寒冷地においても冬期使用が可能となる。
【0074】
【発明の効果】本発明のケミカルヒートポンプは、ヒー
トポンプ用駆動電源が不要で、ラジエータの小型化が可
能な低燃費型の自動車用空調装置に利用でき、且つ、自
動車等の限られたスペースで、コンパクトな装置構成と
することができる。
【0075】本発明は一つの密閉容器内に、冷媒部、第
1吸収部、第2吸収部を配置し、沸点の異なる複数の冷
媒を作動媒体としているので、混合冷媒における各冷媒
の蒸気圧の違いにより、冷媒部、第1吸収部、及び第2
吸収部の相互間で、冷媒の蒸発、吸収、脱離、凝縮を冷
媒の種類毎に交互に継続して行わせることができ、連続
運転が可能である。
【0076】本発明のケミカルヒートポンプの第1吸収
部及び第2吸収部には、吸収した冷媒を加熱して脱離す
るために、エンジン冷却水を加熱媒体として加熱する加
熱装置が配置されているので、冷媒を吸収している第1
吸収部及び第2吸収部をエンジン冷却水で加熱すること
により、冷媒を脱離させて再生処理をスタートさせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸収式(ケミカル)ヒートポンプの原理を示
し、その冷凍モードを示す。
【図2】吸収式(ケミカル)ヒートポンプの原理を示
し、その再生モードを示す。
【図3】本発明のケミカルヒートポンプの作動サイクル
を模式的に示す原理図であり、冷媒と活性炭を担持した
第2吸収部との間のサブサイクルでメタノールが作動媒
体として作用する冷凍モードが行われており、且つ冷媒
とゼオライトを担持した第1吸収部との間のメインサイ
クルで水が作動媒体として作用する再生モードが行われ
ているA段階の様子を示す。
【図4】本発明のケミカルヒートポンプの作動サイクル
を模式的に示す原理図であり、冷媒とゼオライトを担持
した第1吸収部との間のメインサイクルでメタノールが
作動媒体として作用する冷凍モードが行われており、且
つゼオライトを担持した第1吸収部と活性炭を担持した
第2吸収部との間でメタノールが作動媒体として作用す
る再生モードが行われているB段階の様子を示す。
【図5】本発明のケミカルヒートポンプの作動サイクル
を模式的に示す原理図であり、冷媒とゼオライトを担持
した第1吸収部との間のメインサイクルでメタノールが
作動媒体として作用する再生モードが行われており、且
つ冷媒(又は冷媒部)と活性炭を担持した第2吸収部と
の間のサブサイクルで水が作動媒体として作用する冷凍
モードが行われているC段階の様子を示す。
【図6】本発明のケミカルヒートポンプの作動サイクル
を模式的に示す原理図であり、冷媒とゼオライトを担持
した第1吸収部との間のメインサイクルで水が作動媒体
として作用する冷凍モードが行われており、且つゼオラ
イトを担持した第1吸収部と活性炭を担持した第2吸収
部との間で水が作動媒体として作用する再生モードが行
われているD段階の様子を示す。
【図7】図3のA段階について、第1吸収部、第2吸収
部、冷媒における圧力(logP)と温度(1/T)の
関係を示すP−Tグラフである。
【図8】図4のB段階について、第1吸収部、第2吸収
部、冷媒における圧力(logP)と温度(1/T)の
関係を示すP−Tグラフである。
【図9】図5のC段階について、第1吸収部、第2吸収
部、冷媒における圧力(logP)と温度(1/T)の
関係を示すP−Tグラフである。
【図10】図6のD段階について、第1吸収部、第2吸
収部、冷媒における圧力(logP)と温度(1/T)
の関係を示すP−Tグラフである。
【図11】本発明の車両搭載型ケミカルヒートポンプの
内部構造を分解的に示した斜図であり、A段階をより具
体的な装置において示す。
【図12】本発明の車両搭載型ケミカルヒートポンプの
空調システムの外観斜視図を示す。
【図13】実験例における、縦軸に重量比(%)、横軸
に時間(分)をとったメタノール蒸気の重量比と水蒸気
の重量比曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 冷媒部 2 第1吸収部 3 第2吸収部 4 密閉容器 5,6,7 通風路 11,12 中断フィン 13 凝縮用フィン 21 第1吸収剤 22 内管 23 外管 24 熱伝導フィン 31 第2吸収剤 32 加熱管 51 ケミカルヒートポンプ部 52 外気導入口 53 内気導入口 54 プレフィルター 55 ブロワ 56 空気清浄用フィルター 57 デフロスタ 58 サイド連絡管 59 排気口 60 エンジン冷却水導入管 61 エンジン冷却水排出管 71 第I反応容器 72 第II反応容器 73 バルブ 74 連結パイプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)密閉容器内に、作動媒体としての
    冷媒を吸収し且つ蒸発することができる冷媒部、並びに
    吸収容量が異なるように吸収剤を担持させた2個の独立
    して設けた吸収部を配置し、 (2)吸収容量の相対的に多い吸収部を第1吸収部とし
    て前記冷媒部に近い位置に配置し、吸収容量の相対的に
    少ない吸収部を第2吸収部として前記冷媒部に遠い位置
    に配置し、 (3)冷媒として2種類以上の冷媒の混合物を用い、前
    記密閉容器内における、前記冷媒部、第1吸収部、及び
    第2吸収部の相互間で、冷媒の蒸発、吸収、脱離、凝縮
    を冷媒の種類毎に交互に継続して行わせることによっ
    て、前記冷媒部、第1吸収部、及び第2吸収部で発生す
    る温度差を熱交換部位において熱交換して温熱及び冷熱
    として常時取得できるように構成したことを特徴とする
    ケミカルヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 前記冷媒部は密閉容器内の底部に配置さ
    れ、前記第1吸収部は前記冷媒部より高い位置に配置さ
    れ、前記第2吸収部は前記第1吸収部よりもさらに高い
    位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の
    ケミカルヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 前記第1吸収部及び第2吸収部には、吸
    収した冷媒を加熱して脱離するために、エンジンの冷却
    に利用されたエンジン冷却水を加熱媒体として利用でき
    る加熱装置が配置されることを特徴とする請求項1記載
    のケミカルヒートポンプ。
  4. 【請求項4】 前記熱交換部位には、車外外気又は車内
    内気と熱交換できる通風路が配置されていることを特徴
    とする請求項1記載のケミカルヒートポンプ。
  5. 【請求項5】 前記冷媒は沸点の異なる2種類以上の液
    体の混合液であることを特徴とする請求項1記載のケミ
    カルヒートポンプ。
  6. 【請求項6】 前記第1吸収部及び前記第2吸収部に担
    持される吸収剤は、ゼオライト、アルミナシリカ繊維、
    シリカゲル、多孔性炭素繊維、活性炭、塩化カルシウ
    ム、活性アルミナ、金属多孔体の群から選ばれた少なく
    とも1種類或いは2種類以上の組み合わせによる集合体
    であることを特徴とする請求項1記載のケミカルヒート
    ポンプ。
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