JPH09152153A - 局所清浄空間 - Google Patents
局所清浄空間Info
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- JPH09152153A JPH09152153A JP33595095A JP33595095A JPH09152153A JP H09152153 A JPH09152153 A JP H09152153A JP 33595095 A JP33595095 A JP 33595095A JP 33595095 A JP33595095 A JP 33595095A JP H09152153 A JPH09152153 A JP H09152153A
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Abstract
きシリコンウェハなどといった絶縁体物品に発生する静
電気を容易かつ瞬時に除去できる手段を提供する。 【解決手段】 クリーンルーム2の内部をパーティショ
ン3を用いて区画して形成される局所清浄空間1であっ
て、局所清浄空間1内に物品を搬入するための開口4、
及び/または局所清浄空間1内から物品を搬出するため
の開口5がパーティション3に設けられており、局所清
浄空間1内を加湿する加湿手段9と、局所清浄空間内の
粒子状物質aを除去するための空気清浄手段10とを備
えている。
Description
内部を局所的に区画して形成されるクリーンブースやク
リーンベンチなどといった局所清浄空間に関する。本発
明の局所清浄空間は、例えばLCD(液晶ディスプレ
イ)を製造するためのクリーンルームにおいて、ガラス
基板(LCD基板)等に代表される絶縁体物品に発生す
る静電気を速やかに除去しながら種々の処理を行うため
の空間として好適である。更にまた、本発明の局所清浄
空間は、絶縁膜付きシリコンウェハに発生する静電気を
除去して処理を行うための空間としても好適である。
おいて、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティ
ブマトリクス液晶ディスプレイ(AM−LCD)が使用
されている。AM−LCDの量産は、ガラス基板上にア
モルファスシリコン、絶縁体、導電体などの各種薄膜を
堆積し、パターン加工してTFTや液晶駆動用の表示電
極や配線を形成するTFT工程、TFT基板とカラーフ
ィルタ(CF)基板とを位置合わせして重ね、隙間に液
晶を注入するパネル工程、パネル周辺に駆動回路ICを
接続しバックライトなどを実装するモジュール工程から
なる。
とは極めて重要である。LCDと類似の製造工程を有す
るものにLSIがあるが、LCDの基板材料は絶縁性の
ガラスであり、これはLSIの基板材料であるシリコン
単結晶(半導体)と比べて静電気による帯電が遥かに生
じやすく、パーティクルの吸着や、堆積膜の絶縁破壊を
招きやすい。従って、LCDを製造する上で静電気を除
去することは、LSI製造の場合に比べて遥かに重要
で、LCD製造における静電気の除去は歩留まり確保の
ための最大の課題になっている。
て、次のような課題を有している。すなわち、第1に、
LCDの基板形状は角型で、大きく、重いことから、バ
ッチ処理が困難であり、搬送などの取扱いも難しい。第
2に、線幅、線間隔などのパターン加工精度はLSIに
比べて一桁緩いものの、シリコン基板の数倍に及ぶ広い
面積での加工の均一性が必要である。第3に、歩留まり
の概念が相違する。すなわち、LSIの1MDRAMに
相当する10型クラスのTFT−LCDでは一枚のガラ
ス基板上にパネル二枚分しか面付けできず、歩留まりは
0%、50%、100%の3値しかとりえない。これ
は、LSIが1枚のシリコン基板上に数百チップを配置
できるのとは対照的である。
上でLCD製造における静電気対策を確立するための手
段として、コロナ放電を利用した各種のイオナイザが従
来開示されている。また最近では、帯電物体の周囲雰囲
気の空気に軟X線を照射してその空気を電離イオン化
し、帯電を中和する方法も開発されている。これら従来
の除電の原理は、いずれも空気を電離して(コロナ、軟
X線を問わない)発生する空気イオンで帯電電荷を中和
するものである。
においてコロナ放電を利用した液晶用イオナイザを既に
出願している。この特願平5−88172号のイオナイ
ザによれば、搬送装置上を運ばれてくる大型ガラス基板
の帯電を、3秒間で全面にわたってムラなく一様に90
%以上除電することが可能である。
電装置は、帯電体近傍に軟X線を照射して空気を電離
し、発生する空気イオンのうち、帯電と逆極性のイオン
をクーロン力によって帯電体に吸収し、帯電を除去する
ものである。かかる除電装置は、コロナ放電方式のイオ
ナイザでは不可欠とされる、発生イオンを放電極から帯
電物体まで搬送するための気流を必要としないといった
特徴がある。また、コロナ放電方式のイオナイザは帯電
物体にイオンが到達するまでの搬送中に正負イオンが結
合・中和し、イオン濃度が減衰するが、軟X線を利用し
た除電装置は、帯電物体近傍の空気を直接電離するた
め、電離直後の高濃度イオンが、減衰することなく帯電
物体に到達するので、コロナ放電方式よりも除電時間が
大幅に短いといった特徴がある。
式のイオナイザは空気イオンを気流で搬送するため、気
流速度によっては除電の対象となる帯電物体周辺の雰囲
気をかき乱し、清浄度があまり高くないクリーンルーム
内で使用した場合、周囲表面に沈着したゴミが舞い上っ
て、液晶基板表面を汚す心配がある。
線は薄い空気層によってもたやすく吸収されるものの、
作業者の被曝を完全に防止するために照射空間全体を厚
み1〜2mmの塩ビ板等で覆う必要がある。従って、軟
X線を利用した除電装置では、液晶パネルを遮蔽板で覆
われた閉空間内部で除電するので、クリーンルーム全体
の清浄化に加え、この閉空間を清浄化させる必要が新た
に生じる。このため軟X線を利用した除電装置は、液晶
基板をクリーンルーム内の清浄空気に対して開放状態で
搬送できるといった、従来形式の搬送面での有利性が失
われてしまう。
X線を利用した除電装置のいずれによっても、剥離帯電
とその瞬間に起こる素子の絶縁破壊を防止することは不
可能である。なぜならば、例えば大型ガラス基板の搬送
装置においては、ガラス基板がコンベアベルト上に搭載
され搬送された後、搬送アームの吸着チャックによって
コンベアベルト上から持ち上げられるが、コンベアベル
ト上に搭載されて搬送されている途中で、ガラス面とベ
ルト面がわずかでも擦れ合うと、ガラス面は正に、ベル
ト面は負に帯電する。搬送中はそれら異符号に帯電した
面は密着しているので、見かけ上は互いに中和した状態
にあるが、吸着チャックでガラス基板をコンベアベルト
上から持ち上げられて両面が分離すると、剥離帯電によ
って瞬時にガラス基板の厚み方向に正帯電に起因する電
界が現れ、ガラス基板上に形成された素子が絶縁破壊を
起こしてしまう。
X線を利用した除電装置のような空気イオンによって帯
電を中和するものは、剥離帯電によってガラス基板に生
じた帯電を除去するのに0.5秒〜数秒を要し、剥離帯
電発生後のミリセカンドオーダの時間内に起こる素子の
絶縁破壊防止には役立たない。更に、ガラス基板に生じ
た帯電を空気イオンを利用して中和しようとする場合
は、例えばガラス基板の一方の面に空気イオンを吸着さ
せると、剥離帯電によってガラス基板の他方の面に生じ
た帯電とは異なる極性の帯電がガラス基板の一方の面に
生じる。電界はガラス基板内部にのみ収束するので、見
かけ上、帯電は中和されたようになるが、基板内部の素
子の劣化や液晶分子の配向ムラの原因となる。
X線を利用した除電装置のいずれも、装置一台当たりの
除電可能な範囲は限定されているので、液晶パネルを製
造するクリーンルーム内において帯電が発生する可能性
のある箇所が複数ある場合は、それらの全てに除電装置
をそれぞれ設置しなければならない。従って、コストが
上昇し、メンテナンスも煩雑となる。
板や絶縁膜付きシリコンウェハなどといった絶縁体物品
に発生する静電気を容易かつ瞬時に除去できる手段を提
供することを目的としている。
に、本発明の請求項1に基づいて構成された局所清浄空
間は、クリーンルームの内部をパーティションを用いて
区画して形成される局所清浄空間であって、局所清浄空
間内に物品を搬入するための開口、及び/または局所清
浄空間内から物品を搬出するための開口がパーティショ
ンに設けられており、局所清浄空間内を加湿する加湿手
段と、局所清浄空間内の粒子状物質を除去するための空
気清浄手段とを備えていることを特徴としている。
項2に記載したように、局所清浄空間内の粒子状物質を
除去するための空気清浄手段を送風手段と粒子濾過手段
から構成するようにしても良く、また、請求項3に記載
したように、局所清浄空間内の温度を調節する調温手段
を備えるようにしても良く、また、請求項4に記載した
ように、局所清浄空間から空気を排気する排気手段を備
えるようにしても良く、更にまた、請求項5に記載した
ように、局所清浄空間に空気を給気する給気手段を備え
るようにしても良い。
この局所清浄空間内に処理空間を形成し、空気清浄手段
によって粒子状物質を除去した空気を該処理空間内に供
給する構成としても良い。その場合、請求項7に記載し
たように、処理空間内に供給される空気が整流となるよ
うに構成することが好ましい。
て、局所清浄空間内に物品を搬入するための開口、及び
/または局所清浄空間内から物品を搬出するための開口
の外側に筒体を延設しても良い。
ラス基板(LCD基板)を用いて種々の研究、考察を積
み重ねた。その結果、紫外線・オゾン洗浄によって表面
付着物(特に有機物)を除去したガラス表面の抵抗は、
洗浄前の抵抗よりもかなり低くなるが、さらにその清浄
表面の周囲の相対湿度を増加することで表面抵抗を著し
く低下することができる、といった知見を得た。そして
本出願人は、この知見をもとに、先に特願平5−240
676号及び特願平5−292683号において、清浄
ガラス基板と接触する基板支持面を接地しながら、高い
相対湿度雰囲気中で同基板を搬送して剥離帯電を除去す
る手段を開示した。本発明も、先の出願と同様にこの知
見を利用しているが、本発明ではクリーンルーム内に形
成した局所清浄空間の内部を加湿手段を用いて高い相対
湿度とすることにより、絶縁体物品などに発生する静電
気を容易かつ瞬時に除去することを特徴としている。な
お、空気中の湿度が極端に大きい場合(相対湿度80%
以上)には、物体表面の静電荷が直接空気中に漏洩する
といった、いわゆる「気中漏洩」による静電荷の減衰現
象がおきる。本発明の局所清浄空間においては、その内
部の相対湿度を80%以上の高い値にすることによっ
て、この気中漏洩を利用して絶縁体物品などの表面抵抗
を低下させることが可能となる。
の相対湿度を増すことによって絶縁体物品などの表面の
帯電を著しく減衰できる理由は、絶縁体物品表面の水の
吸着量が増加すると表面抵抗値が減少することに起因す
る。例えば、ガラス基板の主成分であるSiO2原子は
孤立電子対を持ち、水分子のHと水素結合しやすいた
め、ガラス表面に水分子層が形成されやすい。また、基
板支持部の接触面によく使用されるセラミックス素材の
SiO2、SiN、Al2O3などはいずれも孤立電子対
を有するOやN原子を含んでおり、かような絶縁性セラ
ミックス面も水分子のHと水素結合して、その表面に水
分子層を形成し易い性質を持つ。なお、TFT−LCD
の製造工程においては、ガラス基板上に薄膜電極、絶縁
膜などを形成して複数層の電極を絶縁膜で保護すること
が行われ、TFT−LCD工程のなかで絶縁膜を形成す
る工程の占める割合は大きいが、これらの絶縁膜はSi
N、SiO2、Al2O3、Ta2O5等であり、これら絶
縁膜質のOやN原子も、SiO2のO原子と同様に孤立
電子対を持つことを考慮すれば、このような絶縁膜付き
ガラス基板に対しても、相対湿度が増すと、その表面の
水の吸着量が増加するので、その表面抵抗値を減少させ
ることができる。そして、ガラス基板などの帯電は、相
対湿度の高い雰囲気中に置かれたために表面抵抗値の下
がったガラス基板表面と、接地された基板支持部を通し
て、瞬時に接地側へ漏洩する。更に、局所清浄空間の相
対湿度を80%以上にした場合には、ガラス基板表面の
電荷の気中漏洩による減衰も効果的に作用し、ガラス基
板表面の除電をより効果的に行うことが可能となる。こ
のように、本発明によれば、クリーンルーム内に形成さ
せた局所清浄空間を相対湿度の高いものとすることによ
って、絶縁性基板などに発生する静電気を瞬時に除去す
ることが可能となる。
ンルームの内部をパーティションを用いて区画すること
により形成される。そして、区画した局所清浄空間内を
加湿手段によって加湿する。パーティションは金属、プ
ラスティック、ガラス等の剛性のもの、あるいはビニー
ル、織布等の柔軟性のもの、何れも用いることができ
る。要は、クリーンルーム内において周囲と区画された
局所空間を仕切れるものであれば足りる。
に物品を搬入するための開口と、局所清浄空間から物品
を搬出するための開口を設ける。但し、これら搬入用の
開口と搬出用の開口を兼用させる構成としても良い。こ
れら開口を介して局所清浄空間内にガラス基板などの物
品を搬入し、局所清浄空間内において所定の処理を行っ
た後、その物品を開口を介して局所清浄空間内から搬出
する。この場合、開口の外側に筒体を延設して、パーテ
ィションで仕切られた区画局所清浄空間内の加湿空気が
クリーンルーム内に漏洩する量を小さくするように構成
することが望ましい。
物品に生じた静電気を瞬時に除去できるため、この局所
清浄空間内において、例えば液晶フラットパネルディス
プレイ製造に際してのガラス基板の表面検査ラインや、
ラビング工程を行うように構成することが可能となる。
しかし、その場合は局所清浄空間内に配置された表面検
査装置や、ラビング装置、ガラス基板ハンドリングロボ
ットなどといった各種の装置から塵埃が発生して局所清
浄空間内の空気中の浮遊粒子数濃度が高くなる心配が生
ずる。この発生した塵埃をそのまま放置すると、高湿度
雰囲気中でせっかく帯電を防止しても、汚染によって製
品の歩留まり向上が望めなくなってしまう。
けるガラス基板表面の微粒子汚染を防ぐために、局所清
浄空間内の粒子状物質を除去するための空気清浄手段を
設け、局所清浄空間内の清浄度を常に高い状態に保つよ
うに構成している。この空気清浄手段は、例えば送風手
段と粒子濾過手段から構成される。粒子濾過手段には、
具体的にはHEPAフィルタ(high effici
ency particulate filter)や
ULPAフィルタ(ultra low penetr
ation air filter)などを使用し、例
えば送風機(ファン)のような送風手段を用いてフィル
タに通気し、局所清浄空間内の粒子状物質をフィルタで
捕捉して除去する。
置、ラビング装置、ガラス基板ハンドリングロボット等
の各種装置などが存在すると、換気が不十分な場合には
局所清浄空間内の温度が相当に上昇してしまう。例えば
LCD製造においては、雰囲気の温度上昇は基板の伸び
を生じさせて製造不良をもたらすため、冷却コイル(冷
却用熱交換器)のような調温手段(温度を調節する手
段)を備えることも必要になる。調温手段は例えば冷却
コイルの他任意の構成のものが使用可能であるが、調温
手段として結露の生じないドライ式コイルを使用すれ
ば、ドレイン処理が不要になるという利点がある。
手段を設けずに局所清浄空間内の温度上昇を防止する方
法もある。例えば、局所清浄空間から空気を排気すれ
ば、圧力差によって局所清浄空間排気量に相当する局所
清浄空間外のクリーンルーム雰囲気(例えば24℃の一
定温度に維持されている)が局所清浄空間内に入り込
み、局所清浄空間内雰囲気の大幅な温度上昇を避けるこ
とができる。また逆に、局所清浄空間に例えば24℃の
一定温度に維持されている局所清浄空間外のクリーンル
ーム雰囲気を給気することによっても、局所清浄空間内
における大幅な温度上昇を避けることができるようにな
る。
し、空気清浄手段によって粒子状物質を除去した空気を
該処理空間内に供給する構成とすることもできる。この
場合、処理空間内には、空気清浄手段に設けた送風手段
またはそれとは別に設けた送気手段によって局所清浄空
間内の空気を循環供給することができる。この場合、送
気手段によって処理空間内に循環供給する空気は整流で
あることが望ましい。処理空間内を整流状態とすること
によって、処理空間内で物品を処理した際に発生したゴ
ミや塵などが堆積したり、再浮遊するといった問題を解
消でき、高い清浄度で物品を処理できるようになる。但
し、局所清浄空間内全体を整流状態にできるように構成
すると設備費が高くなる。従って、局所清浄空間内に物
品を処理する処理空間を形成し、その処理空間内だけを
整流状態にできるように構成することが好ましい。そう
すれば、設備費をやすくでき、また、風量も小さくでき
るので運転コストも少なくできる。なお、処理空間の広
さ、大きさ、形状などは処理の内容に応じて適宜変更す
ればよい。
内に供給する空気を濾過するためのフィルタを設けるよ
うにしても良い。そうすれば、処理空間内において清浄
な雰囲気で物品の処理を行うことができるようになる。
特に、ULPAフィルタ(ultra low pen
etration airフィルタ)を用いて濾過した
空気を処理空間内に供給するように構成すれば、処理空
間に供給される空気中の微粒子を高精度で除塵でき、絶
縁基板等の汚染をより確実に防止することが可能とな
る。但し、フィルタの装着箇所は自由に設定できる。
基板の帯電電荷の漏洩特性にどのような影響を及ぼすか
を調べた。その実験結果を説明する。
基板のそれぞれに対してポリ塩化ビニリデンフィルムを
接触剥離させたときのガラス基板の表面電位の経時変化
を測定し、帯電電荷の漏洩特性を調べた。
無アルカリガラス(Fusion 7059)である。
その比誘電率は5.84[−]であり、その成分はSi
O2:49%、BaO:25%、B2O3:15%、Al2
O3:10%、その他:1%である。実験に使用したガ
ラス基板と剥離材料の大きさ等は、次の通りである。 ガラス基板:CORNING #7059 300mm×400mm×1.1tmm 剥離材料 :ポリ塩化ビニリデンフィルム 呉羽化学
(商品名 クレラップ)100mm×100mm
面を10分間ずつ紫外線/オゾン(UV/O3)洗浄し
た。
し、ガラス基板を載置した。ガラス基板を接地する場合
は、テフロン脚によって支持されたガラス基板の辺部に
接地したリード線をワニグチクリップで挟んで固定する
ことによって接地した。表面電位計のプローブはガラス
基板下面部に配置した。そして、ガラス基板の上面中央
部でポリ塩化ビニリデンフィルムを接触剥離したときの
ガラス基板の表面電位の経時変化を1/100秒刻みで
記録した。槽内の温度は23℃(一定)とし、相対湿度
を40%、60%、70%、80%に変えた条件下で測
定を行った。
の)ガラス基板からポリ塩化ビニリデンフィルムを接触
剥離した場合、剥離した瞬間に表面電位は最大値(以後
「瞬間最大表面電位」と称する)に達する。その後表面
電位は減衰するものの、相対湿度の値にかかわらず、接
地しない場合は何れも8kV〜9kVの表面電位が残留
した。一方、瞬間最大表面電位は相対湿度が高いほど低
下する傾向が見られた。なお、この図1においては、各
相対湿度における表面電位の経時変化を区別しやすくす
るため、剥離した瞬間の時刻をずらせて表示した。
V/O3洗浄した直後の)ガラス基板からポリ塩化ビニ
リデンフィルムを接触剥離した場合、剥離した瞬間にガ
ラス基板の瞬間最大表面電位は約23kVに達し、その
後1秒以内に約9kVにまで減衰して定常状態になっ
た。一方、相対湿度80%の雰囲気中で接触剥離した場
合、剥離した瞬間に瞬間最大表面電位は約9kV(40
%RHの時の60%減)に達したが、その後も表面電位
はほとんど減衰せず、そのまま定常状態になった。
/O3洗浄した直後の)ガラス基板からポリ塩化ビニリ
デンフィルムを接触剥離した場合、図2に示すように、
ガラス基板の表面電位は剥離した瞬間に最大となり、以
後時間が経過するにしたがって徐々に減衰した。また、
相対湿度が高くなるにつれて、瞬間最大表面電位は低下
した。例えば、相対湿度40%の雰囲気中で接触剥離し
た場合、ガラス基板の瞬間最大表面電位は約23kVで
あり、この瞬間最大表面電位値が1/10に減衰するま
での時間(以後「1/10減衰時間」という)は、約
5.1秒であった。一方、相対湿度80%の雰囲気中で
接地したガラス基板からポリ塩化ビニリデンフィルムを
接触剥離した場合は、瞬間最大表面電位は約6kV(4
0%RHのときの75%減)となり、1/10減衰時間
は約0.4秒(同93%減)であった。
大8ヶ所まで増やした場合の、電位減衰速度の変化の様
子を示す。8ヶ所を接地した場合は、1ヶ所のみを接地
した場合に比べて瞬間最大表面電位は12%減(約5k
V)となり、1/10減衰時間は62%減(約0.14
秒)であった。
ようになる。
離帯電現象に関して次のことが明かとなった。高湿度雰
囲気は、瞬間最大表面電位を低下させるとともに、帯電
電位の減衰速度を速くする効果がある。ガラス基板の接
地箇所数の増加は、帯電電位減衰速度を速くする効果が
ある。
て、接地されない清浄な(UV/O3洗浄した直後の)
ガラス基板からポリ塩化ビニリデンフィルムを接触剥離
した場合の、ガラス基板の表面電位の経時変化を示す。
図4の瞬間最大表面電位値は約12.5kVであり、こ
れは、図2の1ヶ所接地のガラス基板の60%RHにお
ける瞬間最大表面電位値(13.3kV)とほぼ等し
い。また、図4の1/10減衰時間は約0.29秒であ
り、これは、図3の3ヶ所接地のガラス基板の80%R
Hにおける1/10減衰時間(0.22秒)とほぼ等し
い。つまり、清浄なガラス基板を接地した状態で加湿雰
囲気中で除電した場合の性能は、軟X線除電の性能を十
分上回っている。
施の形態にかかる局所清浄空間を構成した。局所清浄空
間の構成例を以下に示す。
空間の構成 (1)構成例1 図5に、構成例1の局所清浄空間1の正面図を示し、図
6に、図5における概略的なA−A断面矢視図を示す。
図示のように、クリーンルーム2の内部をパーティショ
ン3を用いて区画することによって局所清浄空間1を形
成した。構成例1で作成した局所清浄空間1は、240
0×2400×2000hmm3の大きさとし、内容積は
約11m3とした。パーティション3はビニールシート
を用いた。パーティション3には、局所清浄空間1に例
えばガラス基板などの物品を搬入するための開口4と、
局所清浄空間1から物品を搬出するための開口5を設
け、開口4から開口5に向かって局所清浄空間1内を水
平に横切る搬送ライン6を形成した。この局所清浄空間
1の内部に、例えばLCD製造用の各種の製造装置8を
配置した。そして、開口4から局所清浄空間1内に搬入
した物品を製造装置8で適宜処理し、その処理した物品
を開口5から局所清浄空間1外に搬出するように構成し
た。
浄空間1内を加湿するための加湿手段9と、局所清浄空
間1内の粒子状物質aを除去するための空気清浄手段1
0を設けた。加湿手段9は、本例においては超音波加湿
器を用いたが、空気を加湿できるものであればどのよう
なものでも使用でき、その他例えば、蒸気吹き出し式の
加湿器、水噴霧式の加湿器、気化式の加湿器などを使用
しても良い。また、蒸気吹き出し式の加湿器とする場合
は、シーズヒータで水を加熱する方式の加湿器、電極間
の水をジュール熱で加熱する方式の加湿器、赤外線の輻
射熱で水を加熱する方式の加湿器、ボイラーからの蒸気
をスプレーノズルで放出する方式の加湿器など種々のも
のを適宜選択可能である。同様に、水噴霧式の加湿器と
する場合は、遠心力で霧化させる方式の加湿器、超音波
振動子で霧化させる方式の加湿器、高速空気流により霧
化させる方式の加湿器、ノズルにより霧化させる方式の
加湿器など種々のものを適宜選択可能である。同様に、
気化式の加湿器とする場合は、多量の水を空気と接触さ
せて気化させる方式の加湿器、上部に給水して濡らした
加湿材に通風して気化させる方式の加湿器、下半部を水
中に浸漬させた加湿材を回転させて通風して気化させる
方式の加湿器、毛細管現象で加湿材を濡らして通風気化
させる方式の加湿器など種々のものを適宜選択可能であ
る。
(high efficiencyparticula
te filter)やULPAフィルタ(ultra
low penetration air filt
er)などのフィルタ(粒子濾過手段)11をファン
(送風手段)12の吐き出し側に装着した構成になって
おり、ファン12の吸込側から取り入れた局所清浄空間
1内の空気を再び局所清浄空間1内に吐き出す際に粒子
状物質aをフィルタ11で捕捉して除去するようになっ
ている。また、先に説明した加湿手段9は、構成例1に
おいては、フィルタ11の下流側に装着されており、フ
ァン12によって局所清浄空間1内に清浄な空気を循環
供給する際に同時に加湿を行うようになっている。
湿度検出器13によって測定する。この湿度検出器13
によって測定した湿度をコントローラ14に入力する。
コントローラ14はその測定値に基づいて加湿手段9を
コントロールし、こうして、フィードバック制御を行う
ことにより局所清浄空間1内の湿度を目標値に近づける
ように構成されている。
構成例1と同様に、クリーンルーム21の内部をビニー
ルシートからなるパーティション22で区画した。パー
ティション22に搬入出用の開口23、24をそれぞれ
設け、構成例1と同様に、開口23から開口24に向か
って局所清浄空間20内を水平に横切る搬送ラインを形
成し、局所清浄空間20の内部には製造装置25を配置
した。局所清浄空間20の内部に超音波加湿器その他適
宜の加湿器で構成される加湿手段26を設け、局所清浄
空間20内の空気の湿度を湿度検出器27で測定してコ
ントローラ28でその測定値に基づいて加湿手段26を
フィードバック制御し、局所清浄空間20内の湿度を目
標値に近づけた。
29とファン30で構成される空気清浄手段31を局所
清浄空間20の外部に設けた。そして、吸引ダクト32
を介してファン30の吸込側に局所清浄空間20内の空
気を吸引し、その空気をファン30から吐き出す際に粒
子状物質aをフィルタ29で捕捉し、こうして得られた
清浄な空気を給気ダクト33から局所清浄空間20内に
再び戻す構成とした。
構成例1と同様に、クリーンルーム41の内部をビニー
ルシートからなるパーティション42で区画した。パー
ティション42に搬入出用の開口43、44をそれぞれ
設け、構成例1と同様に、開口43から開口44に向か
って局所清浄空間40内を水平に横切る搬送ラインを形
成し、局所清浄空間40の内部には製造装置45を配置
した。局所清浄空間40の内部には、超音波加湿器その
他適宜の加湿器で構成される加湿手段46と、ファン4
8の吐き出し側にフィルタ47を装着した構成の空気清
浄手段49を設けた。なお構成例1と同様に、加湿手段
46はフィルタ47の下流側に装着した。そして、局所
清浄空間40内の空気の湿度を湿度検出器50で測定
し、コントローラ51でその測定値に基づいて加湿手段
46をフィードバック制御し、局所清浄空間40内の湿
度を目標値に近づけた。
空間40内の温度を調節する調温手段52を局所清浄空
間40の内部に配置された空気清浄手段49の吸込側
(ファン48の吸込側)に装着した。この調温手段52
には、本例では結露の生じないドライ式コイルを使用し
た。そして、局所清浄空間40内の空気の温度を温度検
出器53で測定し、その測定値に基づいてコントローラ
ー54で二方弁55の開閉をフィードバック制御して調
温手段52に送る冷却水量を調節し、局所清浄空間40
内の温度を目標値に近づけた。
空間40の内部に空気清浄手段49が設けられたものに
ついて更に調温手段52を装着した例を説明したが、先
に構成例2(図7)において説明したような局所清浄空
間20の外部に空気清浄手段31が設けられたものにつ
いても、同様に調温手段を付加することができる。この
場合、調温手段は局所清浄空間20の内部と外部の何れ
に設置してもかまわない。
構成例1と同様に、クリーンルーム61の内部をビニー
ルシートからなるパーティション62で区画した。パー
ティション62に搬入出用の開口63、64をそれぞれ
設けて開口63から開口64に向かう搬送ラインを形成
し、局所清浄空間60の内部には製造装置65を配置し
た。局所清浄空間60の内部には、超音波加湿器その他
適宜の加湿器で構成される加湿手段66と、ファン67
の吐き出し側にフィルタ68を装着した構成の空気清浄
手段69を設けた。構成例1と同様、加湿手段66はフ
ィルタ67の下流側に装着した。そして、局所清浄空間
60内の空気の湿度を湿度検出器70で測定し、コント
ローラ71でその測定値に基づいて加湿手段66をフィ
ードバック制御し、局所清浄空間60内の湿度を目標値
に近づけた。
空間60内の空気を局所清浄空間60の外部に排気する
排気手段72を設けるようにした。この排気手段72
は、具体的にはファン73の吸込側に局所清浄空間60
内から引き出したダクト74を接続し、ファン73の稼
働によって局所清浄空間60内の空気をクリーンルーム
61内に吐き出す構成とした。なお、この構成例4を先
に構成例2(図7)で説明したような局所清浄空間20
の外部に空気清浄手段31が設けられたものについて適
用することも可能である。
す。構成例1と同様に、クリーンルーム81の内部をビ
ニールシートからなるパーティション82で区画し、パ
ーティション82に搬入出用の開口83、84をそれぞ
れ設け、開口83から開口84に向かう搬送ラインを形
成した。局所清浄空間80の内部には製造装置85を配
置した。局所清浄空間80の内部には、超音波加湿器そ
の他適宜の加湿器で構成される加湿手段86と、ファン
87の吐き出し側にフィルタ88を装着した構成の空気
清浄手段89を設けた。構成例1と同様、加湿手段86
はフィルタ88の下流側に装着した。そして、局所清浄
空間80内の空気の湿度を湿度検出器90で測定し、コ
ントローラ91でその測定値に基づいて加湿手段86を
フィードバック制御し、局所清浄空間80内の湿度を目
標値に近づけた。
空間80内に空気を給気する給気手段92を設けるよう
にした。この給気手段92は、具体的にはファン93の
吐き出し側にフィルタ(粒子濾過手段)94を装着した
構成とした。なお、フィルタ94にはHEPAフィルタ
(high efficiency particul
ate filter)やULPAフィルタ(ultr
a low penetration air fil
ter)などを用いるのが良い。そして、ファン93の
吸込側から例えば24℃の一定温度に維持されているク
リーンルーム81内の空気を吸い込み、その空気をファ
ン93から吐き出す際にフィルタ94で濾過してクリー
ンルーム81内空気中に含まれている粒子状物質を捕捉
し、こうして得られた清浄かつ一定温度の空気を給気ダ
クト95を介して局所清浄空間80内に供給する構成と
した。なお、この構成例5も先に構成例2(図7)で説
明したような局所清浄空間20の外部に空気清浄手段3
1が設けられたものについて適用することが可能であ
る。
し、図12に、図11における概略的なB−B断面矢視
図を示す。図示のように、クリーンルーム101の内部
をパーティション102を用いて区画することによって
局所清浄空間100を形成した。本例で作成した局所清
浄空間100は、1800×2400×2050hmm3
の大きさとし、内容積は8.2m3とした。パーティショ
ン102の素材にはビニールシートを用いた。パーティ
ション102には、局所清浄空間100に物品を搬入す
るための開口103と、局所清浄空間100から物品を
搬出するための開口104を設け、図12に示す如き開
口103から開口104に向かって局所清浄空間100
内を水平に横切る搬送ライン105を形成した。
間仕切り106によって区画して、物品を処理するため
の処理空間107を形成した。また、この局所清浄空間
107の内部に、例えばLCD製造用の各種の製造装置
108を配置した。そして、前記した開口103、10
4がこの処理空間107に臨むように配置し、開口10
3から処理空間107内に搬入した物品を製造装置10
8で適宜処理し、その処理した物品を開口104から処
理空間107外に搬出するように構成した。なお、本例
で作成した処理空間107は、1200×2400×1
300hmm3の大きさとした。また、間仕切り106の
素材には、パーティション102と同様に、ビニールシ
ートを用いた。
成した処理空間107の上方には、処理空間107内に
局所清浄空間100内の空気を循環供給する送気手段と
してのファンフィルタユニット(Fan Filter
Unit:以後「FFU」という)109を配設し、そ
の直下をビニールシートからなる間仕切り106で区画
することにより、処理空間107を形成した。なお、F
FUとは送気手段であるファン(送風機)と粒子濾過手
段であるフィルタ(High Efficiency
Particulate Air フィルタ等)がセッ
トになった装置を指す。本例では、合計で4台のFFU
109を処理空間107の上方全体に配置した。FFU
109は、送風機(シロッコファン)のタップを切り替
えて微・弱・中・強の4段階の風量を実現できる風量調
節手段を備えている。FFU一台当たりの主な性能仕様
は、単相200V、機外静圧10mmAqにおいて、微
風6m3/min・127W、弱風10m3/min・1
62W、中風12m3/min・182W、強風15m3
/min・216Wである。また、フィルタには、本例
では、粒径0.3μm以上の微粒子を99.999%以
上除去できる性能を有するHEPAフィルタを使用し
た。
7の空気を局所清浄空間100内に排気する排気口11
0を設け、この排気口110の外側にドライ式コイルな
どからなる調温手段111を配置した。このようにFF
U109を処理空間107の上方全体に取り付ける一方
で、処理空間107の下方に排気口110を設けること
により、処理空間107内に循環供給される空気の流れ
が上から下に向かって流れ落ちる整流状態になるように
構成した。そして、処理空間107下方の排気口110
から排気された空気を、処理空間107の外側において
局所清浄空間100内を流通させ、その空気を再び処理
空間107の上方からFFUの動力で処理空間107内
に循環供給する構成とした。このように処理空間107
の外側において局所清浄空間100内の下方をレタン空
気通路112、上方をサプライプレナム113とし、局
所清浄空間100の内部において、サプライプレナム1
13→FFU109→処理空間107→レタン空気通路
112→サプライプレナム113の順に通ずる空気の循
環路を構成した。
加湿器その他適宜の加湿器で構成される加湿手段114
を調温手段111の近傍に配置した。このように、局所
清浄空間100内に形成された空気の循環路にFFU1
09以外の送風機を設けることなく調温手段111と加
湿手段114を配置した。そして、処理空間107内の
空気の温度を温度検出器115で測定し、その測定値に
基づいてコントローラー116で二方弁117の開閉を
フィードバック制御して調温手段111に送る冷却水量
を調節し、処理空間107内に循環供給する空気の温度
を目標値に近づけた。また同様に、処理空間107内の
空気の湿度を湿度検出器118で測定し、コントローラ
119でその測定値に基づいて加湿手段114をフィー
ドバック制御し、処理空間107内に循環供給する空気
の湿度を目標値に近づけた。なお、調温手段111の冷
却能力は1100kcal/hrとし、温度検出器11
5は白金測温抵抗体とした。湿度検出器118は、静電
容量式センサ(VAISALA 133Y)とした。
す。図示のように、クリーンルーム121内をパーティ
ション122で区画形成した局所清浄空間120の内部
を更に間仕切り123によって区画し、局所清浄空間1
20内の下方を、物品を処理するための処理空間12
4、上方をサプライプレナム125に形成した。パーテ
ィション122には、処理空間124に物品を搬入する
ための開口126と、処理空間124から物品を搬出す
るための開口127を設けると共に、処理空間124の
内部に製造装置128を配置することによって、開口1
26から処理空間124内に搬入した物品を製造装置1
28で適宜処理し、その処理した物品を開口127から
処理空間124外に搬出するように構成した。
タを備えた複数のFFU130とドライ式コイルなどか
らなる調温手段131を配置し、局所清浄空間120の
内部において、サプライプレナム125→FFU130
→処理空間124→ドライコイル131→サプライプレ
ナム125の順に通ずる空気の循環路を構成した。な
お、FFU130と調温手段131は必ずしも処理空間
124の上方全体に取り付ける必要はない。なお、処理
空間124内の空気の温度を温度検出器132で測定
し、その測定値に基づいてコントローラー133で二方
弁134の開閉をフィードバック制御して調温手段13
1に送る冷却水量を調節し、処理空間124内に循環供
給する空気の温度を目標値に近づけた。
の他適宜の加湿器で構成される加湿手段135配置し
た。そして、処理空間124内の空気の湿度を湿度検出
器136で測定し、コントローラ137でその測定値に
基づいて加湿手段135をフィードバック制御し、処理
空間124内に循環供給する空気の湿度を目標値に近づ
けた。
し、図15に、図14における概略的なC−C断面矢視
図を示す。この構成例8の局所清浄空間140は、基本
的には、先に図11、12で説明した構成例6の局所清
浄空間100と全く同様の構成を備えている。よって、
図14、15に示す構成例8の局所清浄空間140にお
いて、図11、12で説明した構成例6の局所清浄空間
100と同じ構成要素については、同じ符号を付するこ
とにより詳細な説明は省略する。
は、パーティション106に設けた開口103、104
の外側に筒体141、142をそれぞれ延設した点が、
先の構成例6の局所清浄空間100と異なる。
す。構成例6と同様に、クリーンルーム151の内部を
パーティション152で区画形成した局所清浄空間15
0の内部を更に間仕切り153によって区画し、処理空
間154を形成した。パーティション153には、処理
空間154に物品を搬入するための開口155と、処理
空間154から物品を搬出するための開口156を設け
ると共に、処理空間154の内部に製造装置157を配
置することによって、開口155から処理空間154内
に搬入した物品を製造装置157で適宜処理し、その処
理した物品を開口156から処理空間154外に搬出す
るように構成した。
理空間154の上方全体にFFU158を配設し、その
直下をビニールシートからなる間仕切り153で区画し
た。そして、処理空間154の底面全体をメッシュなど
からなる排気口159に形成することにより、処理空間
154内に循環供給される空気の流れが上から下に向か
って流れ落ちる整流状態になるように構成した。そし
て、処理空間154の外側において局所清浄空間150
内の下方をレタン空気通路160、上方をサプライプレ
ナム161とした。レタン空気通路160の入口(下
方)にドライ式コイルなどからなる調温手段162を配
置した。そして、処理空間154内の空気の温度を温度
検出器163で測定し、その測定値に基づいてコントロ
ーラー164で二方弁165の開閉をフィードバック制
御して調温手段162に送る冷却水量を調節し、処理空
間154内に循環供給する空気の温度を目標値に近づけ
た。
した構成例1〜8における超音波加湿器などに相当する
ものが無く、その代わりに、局所清浄空間150下方の
レタンプレナム166に水槽167が設けてある。そし
て、レタンプレナム166において水槽167から発生
した蒸気によって空気を加湿するようになっている。こ
のように、構成例9の局所清浄空間150は、水槽16
7から発生した水蒸気によって加湿した空気を、レタン
プレナム166→ドライコイル162→レタン空気通路
160→サプライプレナム161→FFU158→処理
空間154→レタンプレナム166の順に通ずる空気の
循環路を構成している。
空間の作用 以上に示した本発明の実施の形態にかかる構成例1〜9
の局所清浄空間によれば、何れもガラス基板のような絶
縁体物品などを加湿された雰囲気で取り扱うことで、絶
縁体物品などに発生する静電気帯電の発生を抑制するこ
とができ、また同時に、局所清浄空間内に配置される各
種製造装置などにより発生した粒子状物質の付着を防止
することができる。局所清浄空間内の粒子状物質を除去
するための空気清浄手段は、構成例1(図5)に示した
ように局所清浄空間1の内部に配置しても良く、また、
構成例2(図7)に示したように局所清浄空間20の外
部に配置しても良い。
の製造装置などが存在すると、換気が不十分な場合には
局所清浄空間内の温度が相当に上昇してしまうが、構成
例3(図8)の局所清浄空間40によれば、局所清浄空
間40内の温度を調節する調温手段52を設けたことに
より、そのような局所清浄空間内の温度上昇を防止でき
るようになる。なお、この調温手段52として結露の生
じないドライ式コイルを使用すれば、ドレイン処理が不
要になるという利点がある。
手段を設けずに局所清浄空間内の温度上昇を防止する方
法もある。構成例4(図9)の局所清浄空間60によれ
ば、排気手段72によって局所清浄空間60から空気を
排気することによって生じた圧力差により、局所清浄空
間60外のクリーンルーム61雰囲気(例えば24℃の
一定温度に維持されている)が開口63、64を通じて
局所清浄空間60内に入り込むこととなるので、局所清
浄空間60内雰囲気の大幅な温度上昇を避けることがで
きる。また、構成例5(図10)の局所清浄空間80の
ように、給気手段92によって局所清浄空間80に例え
ば24℃の一定温度に維持されている局所清浄空間80
外のクリーンルーム81雰囲気を給気することによって
も同様に、局所清浄空間80内における温度上昇を防止
できる。
〜9に示したように局所清浄空間内に処理空間を形成
し、空気清浄手段によって粒子状物質を除去した空気を
その処理空間内に供給する構成としても良い。LCD基
板の如き絶縁物品はゴミや塵などの堆積や再浮遊の心配
のない、整流状態の清浄な雰囲気で処理することが望ま
しい。そのために、例えば局所清浄空間内全体を整流状
態にできるように構成すると設備費が極端に高くなって
しまう。構成例6、8、9に示したように局所清浄空間
内を部分的に仕切ることによって処理空間を形成し、そ
の処理空間内のみを整流状態にできるように構成すれ
ば、比較的設備費をやすくでき、また、処理空間内に供
給する風量も小さくできるので運転コストも少なくて済
む。
空間の形状は種々のものが考えられる。例えば、構成例
6(図11)に示したように、局所清浄空間100の内
部を間仕切り106で区画して形成した処理空間107
の外側において局所清浄空間100内の下方をレタン空
気通路112に形成し、上方をサプライプレナム113
に形成するような構成としても良いし、また、構成例7
(図13)に示したように、局所清浄空間120の内部
を間仕切り123で上下に区画することにより、局所清
浄空間120内の下方を処理空間124、上方をサプラ
イプレナム125に形成するような構成としても良い。
そして、構成例6に示したように処理空間107の外部
に加湿手段114を配置することも、また、構成例7に
示したように処理空間124の内部に加湿手段135を
配置することも、適宜自由に変更可能である。
ョンに設けられた開口を通じて物品を搬入出するため、
局所清浄空間内の湿度の高い空気が開口から外部(クリ
ーンルーム内)に漏れ出る可能性がある。この漏洩量が
あまり多いと、局所清浄空間外のクリーンルーム雰囲気
の相対湿度が増加してしまう。通常、クリーンルームの
相対湿度は作業者の快適性を考慮して40%〜45%に
保たれているから、局所清浄空間からの空気の漏洩量が
多い場合は、除湿操作が必要となり、ランニングコスト
の増加を招く。かような湿分の漏洩といった問題は、構
成例8(図14、15)の局所清浄空間140のよう
に、パーティション102の開口103、104の外側
に筒体141、142を延設することによって解消する
ことが可能である。後述するように、本発明者らは、こ
の構成例8のように開口103、104の外側に筒体1
41、142を延設することによって局所清浄空間14
0内からの高湿度空気の漏洩量を大幅に減少できること
を見い出した。なお、筒体141、142の形状は矩形
などの角筒、円筒など種々のものが採用できる。
めの加湿手段は、超音波加湿器、蒸気吹き出し式の加湿
器、水噴霧式の加湿器、気化式の加湿器などの他、例え
ば構成例9(図16)の局所清浄空間150のように、
局所清浄空間150下方に配置した水槽167から発生
した蒸気によって空気を加湿するように構成することも
できる。
空間を実際に製作し、調べた。以下にその結果を説明す
る。
清浄空間を実際に製作し、次に示す条件で処理空間内の
温度と湿度の制御性を調べた。 クリーンルーム内温湿度:22℃/45%RH 処理空間内温度設定値:22.5℃ なお、処理空間内湿度設定値は1時間おきに45%RH
→55%RH→70%RH→80%RH→60%RHと
変化させた。 開口の形状と大きさ:500mm×500mm、0.2
5m2 FFU一台当たりの風量:中風12m3/min・18
2W
示すように、相対湿度設定値の変化に対して相対湿度実
測値は1〜2分遅れで追随し、設定値の±1%RH以内
で制御できることがわかった。一方、図18に示すよう
に、温度については設定値の±0.4℃以内で制御でき
ることがわかった。
清浄空間と、構成例8(図14)で説明した局所清浄空
間を実際に作成し、パーティションの開口に筒体を延設
した場合の局所清浄空間内からの高湿度空気の漏洩量の
変化を調べた。高湿度空気の漏洩量を次式(1)で定義
し、評価した。 漏洩量 = (処理空間内絶対湿度−クリーンルーム内絶対湿度) ×(処理空間内空気がクリーンルーム内空気と入れ換わる量:換気量) …(1)
ていない構成例6の局所清浄空間を条件Aとし、開口に
筒体を取り付けた構成例8の局所清浄空間を条件Bとし
た。開口の大きさは500mm×100mm、500m
m×250mm、500mm×500mmの三種(何れ
も四角形)とし、筒体の長さは500mmとした。その
他、次に示す条件で漏洩量を評価した。 クリーンルーム内温湿度:22℃/45%RH 処理空間内温湿度:22.5℃/70%RH FFU一台当たりの風量:中風12m3/min・18
2W
す。開口面積が大きくなるほど、湿分漏洩量は増加す
る。また、湿分漏洩量は、開口に筒体を取り付ければ、
筒体がない場合に比べて約半分に抑えることができる。
なお、図19には示されていないが、筒体あり(表2の
条件B)、処理空間内の温湿度22.5℃/80%R
H、開口の大きさ0.25m2の条件における湿分漏洩
量は、0.3kg/hであった。図19から明かなよう
に、湿分漏洩量を少なくするためには、開口の大きさを
小さくするのみならず、開口に角筒や円筒などの筒体を
取り付けることが有効である。
所製造空間内において、ガラス基板の検査ライン工程と
ラビング工程を実施した。その結果、検査ライン工程に
ついては、基板搬入出用の開口に筒体を延設した場合の
開口からの水分漏洩量は0.2kg/hであり、開口に
筒体を取り付けない場合の開口からの水分漏洩量は0.
45kg/hであった。また、ラビング工程について
は、関口に筒体を取り付けた場合の開口からの水分漏洩
量は0.25kg/hであり、開口に筒体を取り付けな
かった場合の開口からの水分漏洩量は0.55kg/h
であった。開口に筒体を取り付けることによる効果が確
認できた。
縁体物品などを扱うのに最適な、静電気帯電のないかつ
清浄な雰囲気を提供できる。本発明によれば、静電気放
電(ESD:Electrostatic disch
arge)による素子の破壊や劣化がなく、かつ静電吸
着による塵粒子の付着がない良質のガラス基板を得るこ
とができるので、高品質のLCDの量産が可能になる。
べた実験結果を示す、フィルムの接触剥離時におけるガ
ラス基板の表面電位の経時変化を示すグラフ図である
(接地なし)。
電位の経時変化を示すグラフ図である。
示すグラフ図である(相対湿度80%)。
した時のガラス基板の表面電位の経時変化を示すグラフ
図である(相対湿度40%)。
る。
ある。
ある。
の経時的変化を示すグラフである。
時的変化を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 クリーンルームの内部をパーティション
を用いて区画して形成される局所清浄空間であって、 局所清浄空間内に物品を搬入するための開口、及び/ま
たは局所清浄空間内から物品を搬出するための開口がパ
ーティションに設けられており、 局所清浄空間内を加湿する加湿手段と、 局所清浄空間内の粒子状物質を除去するための空気清浄
手段と、 を備えていることを特徴とする局所清浄空間。 - 【請求項2】 局所清浄空間内の粒子状物質を除去する
ための空気清浄手段が、送風手段と粒子濾過手段から構
成される請求項1に記載の局所清浄空間。 - 【請求項3】 局所清浄空間内の温度を調節する調温手
段を備えている請求項1または2に記載の局所清浄空
間。 - 【請求項4】 局所清浄空間から空気を排気する排気手
段を備えている請求項1〜3の何れかに記載の局所清浄
空間。 - 【請求項5】 局所清浄空間に空気を給気する給気手段
を備えている請求項1〜3の何れかに記載の局所清浄空
間。 - 【請求項6】 局所清浄空間内に処理空間を形成し、空
気清浄手段によって粒子状物質を除去した空気を該処理
空間内に供給する構成とした請求項1〜5の何れかに記
載の局所清浄空間。 - 【請求項7】 処理空間内に供給される空気が整流であ
る請求項6に記載の局所清浄空間。 - 【請求項8】 局所清浄空間内に物品を搬入するための
開口、及び/または局所清浄空間内から物品を搬出する
ための開口の外側に筒体を延設した請求項1〜7の何れ
かに記載の局所清浄空間。
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Cited By (4)
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