JPH09150449A - 中空成形品の成形方法 - Google Patents

中空成形品の成形方法

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JPH09150449A
JPH09150449A JP25714596A JP25714596A JPH09150449A JP H09150449 A JPH09150449 A JP H09150449A JP 25714596 A JP25714596 A JP 25714596A JP 25714596 A JP25714596 A JP 25714596A JP H09150449 A JPH09150449 A JP H09150449A
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JP
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parison
pin
cooling
mold
synthetic resin
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Application number
JP25714596A
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Inventor
Kenji Hasegawa
建司 長谷川
Hidenori Ono
秀則 小野
Daizo Tabuchi
大三 田淵
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の中空成形品に対しても適用可能で、簡
単な装置で、製造される中空成形品の外観や強度に対す
る信頼性を損なうことなく、従来よりその冷却時間を短
縮化でき、効率的な中空成形品の成形方法を提供する。 【解決手段】 分割金型1内の合成樹脂製パリソン6の
外部から刺した第1のピン10より、該パリソン内7に
流体(賦形用ガス)を導入して該パリソン6を賦形し、
該パリソン6の外部から刺した第2のピン13より、該
パリソン内7に冷却用流体を導入して該パリソン6を冷
却し、この冷却と同時あるいはこの冷却後に、前記第1
のピン10と前記第2のピン13のどちらか一方あるい
は両方より、該パリソン内7の冷却用流体を排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空成形品の成形方
法に関し、特に、この中空成形品成形時の冷却を、均一
にかつ短い時間で行うことができる中空成形品の成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に中空成形品の成形時における冷却
は、金型面側すなわちこの中空成形品の外部面のみに対
して行われるため、この中空成形品全体を冷却するため
には長時間を要し、この冷却時間は、全成形工程時間の
60〜80%を占めている。近年成形品の大型化に伴
い、この冷却時間の短縮化が特に求められ、その生産性
の向上と生産コストの低減を目的として、以下のような
方法が提案されている。
【0003】すなわち、多数個の金型を用いて順次成形
することによって中空成形品1個あたりの見かけ上の成
形時間を短くしたり、まだ中空成形品が十分に冷却され
ていない時点で、冷却用金型を用いて冷却したり、空気
や冷却用液体(冷媒)を中空成形品に吹き付けて冷却す
る方法などが行われている。また、特公平6−365号
公報には、パリソンの上下からピンを挿入して、このピ
ンから冷却用液体(冷媒)を導入して冷却する方法が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
多数個の金型を用いる方法においては、中空成形品を成
形時に移動する必要があり、大型の中空成形品の場合、
移動のための装置が必要となり不経済である。また、中
空成形品が十分に冷却されていない時点で冷却用金型を
用いて冷却する方法は、冷却用金型が新たに必要であ
る。さらに、空気や冷却用液体(冷媒)を中空成形品に
吹き付けて冷却する方法においては、中空成形品の形状
によって吹き付け装置の位置を変えなければならず、中
空成形品の変形防止のための固定用治具が必要であった
りする場合があり不経済である。
【0005】また、上述のパリソンの上下からピンを挿
入して、このピンから冷却用液体(冷媒)を導入して冷
却する方法は、冷却時間短縮化の効果はあるものの、中
空成形品の形状によっては、前記ピンの挿入が難しい場
合があり、全ての中空成形品の形状に対応できるもので
はない。このようにピンの挿入が難しい形状の中空成形
品に、無理にこのピンを挿入すると、中空成形品に必要
以上に大きな孔が開いてしまい、中空成形品の冷却後に
この孔を十分に塞ぐ必要が生じるという問題を有してい
る。また、たとえこの孔を塞いだとしても、この孔が大
きいことから、外観が損なわれたり、この孔を塞いだ部
分の強度に対する信頼性が損なわれたりすることが起こ
りやすい。特にこの信頼性は、自動車の燃料タンクのよ
うな重要保安部品などにおいては、重大な問題となる場
合がある。
【0006】本発明においては、中空成形品の成形方法
において、大型の中空成形品に対しても適用可能で、成
形に必要な装置以外の高価な装置を必要とせず、また、
中空成形品の外観や強度に対する信頼性を損なうことな
く、従来よりその冷却を均一にかつ冷却時間を短縮化で
き、効率的な中空成形品の成形方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は以下のような
中空成形品の成形方法によって解決される。すなわち、
金型内の合成樹脂製パリソンの外部から刺したピンよ
り、合成樹脂製パリソン内に冷却用流体を導入し、該合
成樹脂製パリソンを冷却することにより、効率的に、短
時間で前記合成樹脂製パリソンを冷却することができ
る。また、金型内の合成樹脂製パリソンの外部から刺し
た第1のピンより、該合成樹脂製パリソン内に流体を導
入して該合成樹脂製パリソンを賦形し、該合成樹脂製パ
リソンの外部から刺した第2のピンより、該合成樹脂製
パリソン内に冷却用流体を導入して該合成樹脂製パリソ
ンを冷却することもできる。また、金型内の合成樹脂製
パリソンの外部から刺した第1のピンより、該合成樹脂
製パリソン内に流体を導入して該合成樹脂製パリソンを
賦形し、該合成樹脂製パリソンの外部から刺した第2の
ピンより、該合成樹脂製パリソン内に冷却用流体を導入
して該合成樹脂製パリソンを冷却し、この冷却と同時あ
るいはこの冷却後に、前記第1のピンと前記第2のピン
のどちらか一方あるいは両方より、該合成樹脂製パリソ
ン内の冷却用流体を排出することにより、冷却の役目を
終えた冷却用流体を容易に排出することができる。ま
た、金型内の合成樹脂製パリソンの外部から刺した第1
のピンより、該合成樹脂製パリソン内に流体を導入して
賦形し、前記合成樹脂製パリソンの外部より刺した第2
のピンより冷却用流体を導入して冷却し、この冷却と同
時あるいはこの冷却後に、前記合成樹脂製パリソン外部
から刺した第3のピンより、該合成樹脂製パリソン内の
冷却用流体を排出すると、さらに容易に、かつ十分に前
記冷却用流体の排出を行うことができるようになり、中
空成形品の連続的な成形が容易となる。また、上述のい
ずれかの中空成形品の成形方法において、冷却用流体の
重量は中空成形品(合成樹脂製パリソン)の重量の0.
05〜10倍とすると、合成樹脂製パリソンの冷却を十
分に行うことができ、好ましい。また、合成樹脂製パリ
ソン内に導入する冷却用流体の圧力は、該合成樹脂製パ
リソン内部の圧力よりも0.5〜9kgf/cm2 高く設定す
ることによって、該合成樹脂製パリソン内への冷却用流
体の導入をスムーズに行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、流体とは、ガ
ス、液体、液体およびガスの他、液体と寒冷剤などの流
動性を有するものを包含するものである。また、冷却用
流体とは前記流体を冷却用として使用するものをいい、
気体、液体、その混合物などを包含するものである。図
1、2は、本発明の中空成形品の成形方法の一例におけ
る成形初期の状態を示したものである。この図1、2に
基づいて、この中空成形品の成形方法に用いる装置につ
いて説明する。図1において、冷却用ジャケット付きの
分割金型1を構成する第1の金型2と第2の金型4は、
開いた状態になっており、中空成形ダイコア5より下方
に合成樹脂がチューブ状に押し出され、その先端をプリ
ピンチ板8によって内部に空気が含まれるように封止さ
れてパリソン6が形成され、前記第1の金型2と第2の
金型4に挟まれている。また、これら第1の金型2と第
2の金型4の内側には、キャビティ9aが形成されるよ
うになっている(図2参照)。
【0009】前記第1の金型2のキャビティ面の中央部
付近にはピン13Aが設けられている。このピン13A
は、油圧、空気圧などによって作動するピストンシリン
ダー16Aによって前進と後退とが行われ、前記パリソ
ン6を刺して冷却用流体の導入ができるようになってい
る。また、前記ピン13Aはガス導入管14Aと液体導
入管15Aとを具備し、このガス導入管14Aより冷却
用ガスなどが導入され、この液体導入管15Aより冷却
用液体(冷媒)として水などの液体などが導入され、こ
れら冷却用流体が前記ピン13Aより放出されるように
なっている。
【0010】つぎに、図1、2にしたがって、この中空
成形品の成形方法について、具体的に説明する。まず、
図1のように、第1の金型2と第2の金型4は開いた状
態とし、第1の金型2に設けられたピン13Aを後退さ
せておき、その先端が金型キャビティ面9bより突出し
ないようにしておく。つぎに、加熱して溶融した合成樹
脂を、押出機によって中空成形ダイコア5よりチューブ
状に押し出してパリソン6とし、このパリソン内部7に
空気を閉じこめるようにして、プリピンチ板8によって
その端を封止する。
【0011】この後、図2のように第1の金型2と第2
の金型4を閉め始める。このとき、中空成形ダイコア5
の吹き込み口(図示せず)より空気などの流体(賦形用
ガス)を導入し、パリソン内部7に閉じこめられた空気
などのガスによって、パリソン6外部が金型キャビティ
面9bに軽く接触した状態になるように賦形する。この
第1の金型2と第2の金型4が完全に閉じた状態になる
前に、ピン13Aを、ピストンシリンダー16Aによっ
て前進させて、パリソン6の外部よりパリソン6を刺
す。
【0012】ついで、前記パリソン内部7に、前記ピン
13Aに設けられたガス導入管14Aおよび液体導入管
15Aにより、パリソン内部7の圧力、すなわち、流体
(賦形用ガス)導入時の圧力より高い圧力で冷却用ガス
および冷却用液体(冷媒)などの冷却用流体を導入す
る。この冷却用流体は、前記ガス導入管14Aおよび液
体導入管15Aを通って、ピン13Aの内部で混合さ
れ、このピン13A先端部分に設けられた複数の微細な
噴射孔から霧状となってパリソン内部7に放射状に放出
され、パリソン6が冷却される。
【0013】ついで、前記冷却用流体の導入を停止して
パリソン6の冷却を終了した後、前記ピン13Aを前記
ピストンシリンダー16Aによって後退させて、成形開
始時の位置、すなわち、金型キャビティ面9bよりその
先端が突出しない位置にもどす。つぎに、前記第1の金
型2と前記第2の金型4を開いて、前記パリソン6を取
り出し、中空成形品の製品とする。この際パリソン内部
7の下部には、前記パリソン6冷却時に導入した冷却用
液体が残っているが、この液体は任意の方法で排出すれ
ばよく、後の工程中や、この製品に付属具を組み付ける
際に排出してもよい。また、可能であれば、前記ピン1
3Aによる冷却用流体の導入後に、このピン13Aから
排出することもできる。さらに、前記パリソン6を分割
金型1から取りだした後に、その下部に、適宜孔を設
け、この孔からチューブなどを挿入し、パリソン内部7
の圧力を利用して排出したり、屈曲管などのサイフォン
を利用したりして排出することもできる。
【0014】上述の中空成形品の成形方法においては、
溶融した樹脂を、押出機によって中空成形ダイコア5よ
りチューブ状に押し出してパリソン6とし、このパリソ
ン内部7に空気を閉じこめるようにして、プリピンチ板
8によってその端を封止している。このパリソン6の端
を封止するのは、このパリソン6が第1の金型2と第2
の金型4のキャビティ面に軽く接することができる程度
の空気がパリソン内部7に閉じこめられる状態であれ
ば、パリソン6が中空成形ダイコア5より1ショット押
し出された後でもよいし、その一部分が押し出されたと
きでもよい。また、パリソン6としては、以下のような
ものを用いることもできる。すなわち、この中空成形品
の成形前に、合成樹脂を長尺のパイプ状に押出成形によ
って成形し、これを所定の寸法に切断し、再加熱して分
割金型1に挟んでパリソン6とすることもできる。ま
た、射出成形などの他の成形方法によって形成したパリ
ソン6を用いることもできるし、2枚の加熱されたシー
トを分割金型1に挟むことによってパリソン6とするこ
ともできる。さらに、パリソン6作成前の合成樹脂の溶
融温度や、パリソン6作成時の温度、および、次の段階
であるこのパリソン内部7に流体(賦形用ガス)を導入
するときのこのパリソン6の温度は、合成樹脂の種類や
成形条件などに応じて、適宜に設定することができる。
【0015】前記ピン13Aは、その先端に鋭角部分を
有しており、パリソン6に容易に刺すことができるよう
になっている。また、その先端部分には複数の微細な噴
射孔が形成され、冷却用ガスおよび冷却用液体(以下ま
とめて冷却用流体という)が、それぞれ前記パリソン内
部7に向かって放射状に放出される。このようにして、
パリソン6がパリソン内部7から均一に冷却されるよう
になっている。また、前記ピン13Aをパリソン6の外
部から刺すタイミングは、パリソン6の賦形完了前、完
了後のいずれでもよい。さらに、流体(賦形用ガス)を
導入するのと並行して、このピン13Aから冷却用流体
を導入することもできる。
【0016】上述の流体(賦形用ガス)の圧力は任意に
設定することができるが、通常2〜10kgf/cm2とし、
好ましくは5〜7kgf/cm2とする。この圧力が2kgf/cm2
未満であると、前記パリソン6の賦形に時間がかかるの
に加えて、製品の外観不良が発生することがある。ま
た、この圧力が10kgf/cm 2を越えると、前記パリソン
6が破れてしまったり、前記分割金型1の締め付け圧力
を高くしなければならないため、装置的な改良を必要と
したりする場合があり、好ましくない。この流体(賦形
用ガス)の導入速度は、中空成形品の大きさによって任
意に設定することができる。また、賦形時間や、この流
体(賦形用ガス)の温度は、中空成形品の大きさなどの
条件によって任意に設定することができる。また、前記
流体(賦形用ガス)の導入を行う際の分割金型1の温度
は、任意に設定することできる。
【0017】上述の冷却用流体は、冷却用ガスを必ずし
も必須ではなく、冷却用液体(冷媒)のみを用いてパリ
ソン6を冷却することもできる。しかし、冷却用ガスと
冷却用液体(冷媒)とを同時に導入することにより、こ
の冷却用液体(冷媒)を霧状にしてを放出することがで
き、パリソン6が均一に冷却されるので、冷却用ガスと
冷却用液体(冷媒)とを導入することが好ましい。ま
た、この冷却用液体(冷媒)とともに、例えば氷のよう
な液体の凝固物を導入すると、冷却効率が高まるという
効果も得られる。この冷却用流体の温度は、目的によっ
て任意に設定することができるが、上述の流体(賦形用
ガス)導入時のパリソン6の温度よりも低くする必要が
ある。特に冷却用液体(冷媒)の温度は、0〜60℃、
さらに好ましくは0℃〜室温とする。また、その導入速
度および冷却時間は、中空成形品の大きさなどによって
任意に設定することができる。冷却前の前記分割金型1
の温度も、任意に設定することができるが、必要があれ
ばこの分割金型1外部を冷却水によって冷却してもよ
い。このパリソン6の冷却後、このパリソン6を分割金
型1から取り出す温度は、目的に応じて、任意に設定で
きる。
【0018】前記パリソン内部7に導入する冷却用流体
の圧力は、前記パリソン内部7の圧力よりも0.1kgf/
cm2以上、好ましくは0.5〜9kgf/cm2、さらに好まし
くは0.5〜6kgf/cm2高いことが望ましい。この圧力
が0.1kgf/cm2未満であると、この冷却用流体の導入
を十分 に行うことができない。また、この圧力が9kgf
/cm2を越えると、通常の金型を 長時間使用した際に、
その強度が低下したり、金型の型締め能力を高くしなけ
ればならなくなる場合がある。
【0019】前記パリソン内部7に導入される冷却用液
体(冷媒)の重量は、製造する中空成形品の重量の0.
05倍以上、好ましくは0.05〜10倍、より好まし
くは0.05〜20倍、さらに好ましくは0.1〜10
倍、より好ましくは0.5〜8倍であるように設定す
る。0.05倍未満であると十分な冷却効果が得られ
ず、20倍を越えると、この冷却用液体(冷媒)の導入
時間が長くなり、総合的に成形サイクルが長くなり、好
ましくない。成形サイクルを考慮すると実質的には10
倍を越えない範囲とする。
【0020】本発明の他の実施態様を図3〜8に示す。
この図3〜8は、第1のピン10と第2のピン13を設
け、第1のピン10から賦形用の流体(賦形用ガス)を
導入して賦形すると同時あるいはこの賦形後に、第2の
ピン13から冷却用流体を導入する方法である。
すなわち、図3に示すように第1の金型2のキ
ャビティ面に、ガス導入管14、液体導入管15、およ
びピストンシリンダー16を具備する第2のピン13を
設けてこの第2のピン13より導入される冷却用流体に
よって冷却し、この冷却と同時あるいは冷却後に、冷却
の役目を終えた冷却用流体を、前記第1のピン10と第
2のピン13の一方または両方から迅速かつ容易に排出
する方法である。
【0021】この第1のピン10および第2のピン13
を設けた場合の中空成形品の成形方法の一例について、
図3〜8に基づいて、以下に説明する。まず、図3に示
した成形工程初期の段階においては、第1の金型2およ
び第2の金型4を開いた状態と、第1のピン10および
第2のピン13はピストンシリンダー12、16によっ
て後退させておき、それらの先端が金型キャビティ面9
bより突出しない状態としておく。ついで、図4に示し
たように、前記第1の金型2と第2の金型4を閉め始
め、前記第1のピン10を前進させて、パリソン6の外
部からパリソン6に刺し、この第1のピン10に設けら
れた流体導入管11から空気などの流体(賦形用ガス)
をパリソン内部7に導入し、パリソン6の賦形を行う。
この賦形完了後、図5に示したように、前記第2のピン
13をピストンシリンダー16によって前進させて、パ
リソン6の外部からこのパリソン6に刺す。
【0022】この第2のピン13をパリソン6に刺すの
とほぼ同時に、図6に示したようにパリソン内部7に、
前記第2のピン13に設けられたガス導入ピン14と液
体導入ピン15とから空気と水などの冷却用流体を、上
述のパリソン内部7の圧力、すなわち、流体(賦形用ガ
ス)の導入時の圧力より高い圧力で導入する。このと
き、同時に、前記第1のピン10より、所定の圧力で、
前記パリソン内部7の圧力を保ちつつ、前記パリソン内
部7から冷却の役目を終えた冷却用流体を連続的に排出
する。このようにすると、冷却の役目を終えた冷却用流
体(冷却用ガスおよび液体26)は、前記パリソン6外
部に排出され、常に新たに導入される冷却用流体による
冷却を行うことができるので、その冷却効果が最大限に
引き出されることになる。ついで、上述の液体導入管1
5からの冷却用液体(冷媒)の導入のみを停止し、引き
続きガス導入管14からの冷却用ガスの導入と前記排出
操作を並行して所定時間行い、液体26を十分に排出す
る。
【0023】このようにしてパリソン6を冷却した後、
図7に示したように前記第1のピン10と第2のピン1
3とを前記ピストンシリンダー12、16によって後退
させて、成形開始時の位置にもどす。つぎに、図8に示
したように第1の金型2と第2の金型4を開いて前記パ
リソン6を取り出し、中空成形品の製品27とする。図
9は、上述の中空成形品の成形方法の例の成形サイクル
を、タイミングチャートに示したものである。
【0024】上述の排出操作は、パリソン6の冷却時に
並行して行われることが冷却効率上最も良い方法である
が、これに限定することはなく、前記図1、2に示した
方法と同様にしてパリソン6を分割金型1から取り出し
た後に、残った液体26を排出することもできる。ま
た、第2のピン13からの冷却用液体の導入を停止した
後、前記第1のピン10と第2のピン13の一方あるい
は両方から前記液体26を排出することもできる。
【0025】前記第2のピン13を前進させて、パリソ
ン6に刺す時期は特に限定することはなく、前記第1の
ピン10と同時でもよいし、上述のようにこの第1のピ
ン10を刺した後、時間差を設けて刺してもよい。ま
た、前記第1のピン10から流体(賦形用ガス)を導入
するのと並行して、前記第2のピン13から冷却用流体
を導入することもできる。これら第1のピン10と第2
のピン13をパリソン6に刺す時期に時間差を設けるか
否かは、中空成形品の形状や、これら第1のピン10と
第2のピン13の設置位置によって判断される。例え
ば、図10は、大型燃料タンクのように、製品形状や設
計上、第1のピン10と第2のピン13の設置位置が限
定される場合の例を示したものであり、パリソン6の賦
形前の状態を、第2の金型4側から見たものである。こ
のようにパリソン6の賦形前の段階では、第2のピン1
3が、パリソン6に刺すことができない位置に配置され
ている場合でも、パリソン6の賦形後、すなわち前記第
1のピン10を刺す時期と時間差を設けて、この第2の
ピン13をパリソン6に刺すことによって、十分に対応
することができる。
【0026】図11および図12は、本発明の他の実施
態様を示したものである。すなわち、分割金型1内のパ
リソン6に、その外部より刺した第1のピン10、第2
のピン13、第3のピン20を設け、この第1のピン1
0より流体(賦形用ガス)を導入して賦形すると同時あ
るいはこの賦形後に、前記第2のピン13より冷却用流
体を導入してパリソン6を冷却し、この冷却と同時ある
いこの冷却後に、前記第3のピン20より前記流体(賦
形用ガス)と冷却用流体を排出する方法である。すなわ
ち、この第3のピン20より冷却の役目を終えた冷却用
流体の排出が効率よく、かつ十分に行われ、常に前記第
2のピン13より導入される新しい冷却用流体の効率よ
い冷却効果が引き出される。この方法によれば、より効
率よく冷却用流体の排出を行うことができるため、連続
的に成形することが容易となる。
【0027】図11は、第1の金型2と第2の金型4と
の合接下部に第3のピン20を設けた場合の例を示した
もので、図12は、第2の金型4の側方下部に第3のピ
ン20を設けた例を示したものである。この方法による
中空成形品の成形は、例えば、以下のようにして行われ
る。すなわち、上述の図3〜8に示した方法と同様にし
て第1のピン10から空気などの流体(賦形用ガス)を
導入して賦形を行った後、第2のピン13と第3のピン
20とを、それぞれピストンシリンダー16、20aに
よって前進させて、パリソン6の外部からこのパリソン
6に刺す。そして、この第2のピン13と第3のピン2
0とをパリソン6に刺すのとほぼ同時に、パリソン内部
7に前記第2のピン13から冷却用流体を、このパリソ
ン内部7の圧力より高い圧力で導入する。
【0028】この冷却用流体の導入と同時に、前記第3
のピン20を介し、この第3のピンに設けられた流体排
出管20b、20cより所定の圧力で、前記パリソン内
部7の圧力を保ちつつ、前記パリソン内部7から流体を
連続的に排出する。このとき前記第1のピン10からも
同時に流体の排出を行ってもよい。ついで、上述の第2
のピン13からの冷却用液体(冷媒)の導入のみを停止
し、引き続き冷却用ガスの導入と前記排出操作を並行し
て所定時間行い、液体26を十分に排出する。この後、
前記第1のピン10、第2のピン13、第3のピン20
を後退させ、分割金型1より前記パリソン6を取り出し
て製品27とする。
【0029】前記第3のピン20を前進させて、パリソ
ン6に刺す時期は特に限定することはなく、前記第1の
ピン10と第2のピン13の一方または両方と同時でも
よいし、これらと時間差を設けて刺してもよい。また、
流体の排出は、前記第3のピン20のみから行ってもよ
いし、この第3のピン20からの排出操作と同時あるい
は別々に、第1のピン10と、冷却用流体導入終了後の
第2のピン13の一方あるいは両方から行うこともでき
る。
【0030】前記第1のピン10、第2のピン13は目
的とする中空成形品の大きさや形状によって種々異なる
が、それぞれ分割金型1(第1の金型2または第2の金
型4)の任意の位置に複数本設置することもできる。こ
れらの設置位置は、これらを前進させてパリソン6の外
部からパリソン6に刺すことができ、製品27に影響の
ない位置であれば特に限定することはない。例えば、図
3に示したように必ずしも金型の同じ側に設ける必要は
なく、第1の金型2の任意の位置に複数本の第1のピン
10を設け、第2の金型4の任意の位置に複数本の第2
のピン13を設けることもできる。また、第1の金型2
と第2の金型4のそれぞれに、第1のピン10と第2の
ピン13とを複数本ずつ設けることもできる。また、こ
の分割金型1は二分割の金型であるが、四分割の金型を
用いる場合、この四分割の金型を構成する4つの金型
に、第1のピン10と第2のピン13を、それぞれ設け
てもよい。前記第3のピン20の位置や本数は特に限定
されないが、分割金型1の下部付近に設けることによっ
て、特に冷却用液体(冷媒)の排出が効率的に行われ
る。
【0031】前記第1のピン10、第2のピン13、第
3のピン20は、上述のピン13Aと同様に、パリソン
6外部からパリソン6に容易に刺すことができるよう
に、その先端に鋭角部分を有すると共に、ピストンシリ
ンダー12、16、20aによって前進と後退が行われ
るようになっている。また、1本または2本以上の流体
を導入または排出する管(図中符号11、14、15、
20b、20c)を有し、流体を速やかに放出あるいは
排出することができるように、内部抵抗が極力ないよう
になっている。
【0032】上述の中空成形品の成形方法においては、
分割金型1のキャビティ9a内のパリソン6の外部より
刺したピン13Aあるいは第2のピン13より冷却用流
体を導入してパリソン6を冷却することによって冷却を
行うことができる。すなわち、前記冷却用流体がパリソ
ン内部7に速やかに行き渡り、パリソン6を均一に効率
よく短時間に冷却することができるので、この冷却時間
を短縮化でき、成形サイクルが短縮され、コストの低減
を図ることができる。また、分割金型1のキャビティ9
a内のパリソン6の外部より刺した第1のピン10より
流体(賦形用ガス)を導入してパリソン6の賦形を行
い、さらに第2のピン13より冷却用流体を導入してパ
リソン6を冷却することによって賦形と冷却とを行うこ
とができる。さらに、前記パリソン6の冷却時に、パリ
ソン6に刺した第1のピン10と第3のピン20のどち
らか一方あるいは両方より冷却の役目を終えた冷却用流
体を排出することにより、大量の冷却用流体をこのパリ
ソン内部7に行き渡らせることができ、より冷却効率を
向上させることができ、この冷却時間を従来法による冷
却時間の1/2〜1/4程度にすることができる。ま
た、流体排出用の第3のピン20を設けることによっ
て、さらに効率的、かつ十分に排出操作を行うことがで
き、連続的な成形が容易となる。また、短時間で十分に
冷却できるので、中空成形品の収縮率のばらつきを小さ
くすることができ、変形が少なく寸法安定性に優れ、そ
の内部容積が均一な中空成形品を安定して製造すること
ができる。
【0033】また、上述の方法はいずれもピン13Aあ
るいは、第1のピン10、第2のピン13、第3のピン
20を、パリソン6の外部からこのパリソン6に刺すの
で、色々な形状の中空成形品に対して応用可能である。
さらに、これらピン13A、第1のピン10、第2のピ
ン13、第3のピン20によるパリソン6の開孔は小さ
なものであるので、塞ぐ必要があれば簡単に塞ぐことが
でき、かつこれらピン13A、第1のピン10、第2の
ピン13、第3のピン20の設置位置は任意に設定でき
るので、製品27の強度に対して影響のない位置とすれ
ば、後に製品27の外観を損ねたり、その強度に対する
保安安全性の信頼性を失ったりする心配がない。
【0034】また、ピンチオフのヒケがないことから
も、応力の集中がなく、均一の強度をもつ中空成形品の
製品27を製造できると共に、さらに寸法も均一な製品
27を製造できる。さらに、成形中に、パリソン6の移
動を必要としないので大型の中空成形品に対しても適用
可能である。また、それぞれ流体を導入排出することが
できる1本以上の管を有するピン13Aあるいは、第1
のピン10、第2のピン13、第3のピン20以外に特
別な装置を必要しない点で経済的である。
【0035】また、必要に応じて、中空成形品表面に張
り付ける材料を、パリソン6外部と、第1の金型2およ
び第2の金型4の少なくとも一方との間に挿入して、一
度にこの材料の張り付けと中空成形品の成形を行うこと
もできる。この場合、前記パリソン6外部はこの材料を
介して第1の金型2および第2の金型4に接することに
なるが、これ以外は上述と同様にして中空成形品の成形
を行うことができる。このとき、上述の材料が、前記パ
リソン6と第1の金型2および第2の金型4とに接した
状態となってから、上述の冷却用流体の導入による冷却
を開始する。また、必要があれば、この材料がパリソン
6と接する面に接着剤を塗布してもよい。
【0036】このように、中空成形品表面に張り付ける
材料としては、シート状など各種形状のものを用いるこ
とができる。シート状材料としては、布、皮および、樹
脂などから形成された連続気泡構造をもつスポンジ、多
孔性または非多孔性のシート、フィルムなどがあげられ
る。上述の布としては、合成繊維、天然繊維、ガラス繊
維、無機繊維などからなる織布、不織布などが用いら
れ、上述の皮としては、合成皮革、天然皮革などが用い
られる。上述のスポンジ、シートおよびフィルムを形成
する材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、レー
ヨン、セルロース、炭素繊維各種などを、1種類または
2種類以上組み合わせて用いることができる。また、同
種または異種の樹脂からなる層を多層化して用いること
もできる。
【0037】ところで、上述のように、本発明におい
て、流体とは、ガス、液体、液体およびガスの他、液体
と寒冷剤などの流動性を有するものを包含するものであ
る。また、冷却用流体とは前記流体を冷却用として使用
するものをいい、気体、液体、その混合物などを包含す
るものである。上述の中空成形品の製造方法において
は、賦形のために流体(賦形用ガス)を用い、冷却のた
めに冷却用ガスと冷却用液体(冷媒)のどちらか一方ま
たは両方を用いているが、これらに限るわけではなく、
流体として定義される、液体、ガス、液体およびガスの
他、流動性を有するものであれば任意に用いることがで
きる。前記流体(賦形用ガス)と冷却用ガスとは特に区
別する必要はなく任意のものを用いることができる。例
えば空気、窒素、酸素、炭酸ガスなどがあげられるが、
経済性、安全性、入手の容易さなどから空気が好まし
い。また、冷却用液体(冷媒)として効果的な液体とし
ては、例えば、水(水または氷水)、液化窒素、液化炭
酸ガス、各種有機溶媒などがあげられるが、水が最も好
ましい。水を用いると、比熱により高い冷却効果が得ら
れ、中空成形品の収縮率が小さくなり、コストも低くお
さえることができる。
【0038】前記パリソン6を形成する合成樹脂は、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など特に限定することはない
が、熱可塑性樹脂が好ましく、例えばポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリカーボネートなどがあげられる。前記ポリ
オレフィンの例としては、プロピレン単独重合体、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン
−α−オレフィンブロック共重合体、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(例えば
線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、分岐
状低密度ポリエチレンなど)、エチレンとα−オレフィ
ン(例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセンなど)または他のコモノマー(例えば酢酸ビ
ニル、無水マレイン酸など)の1種類以上とを共重合さ
せたものなどがあげられる。前記合成樹脂は、1種類あ
るいは2種類以上を混合して用いることができる。必要
に応じて、エチレン−プロピレン共重合体エラストマ
ー、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマ
ーなどを混合して用いてもよい。また、無機物、結晶核
剤、安定剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料などの添
加剤を、その目的によって添加したものを用いることも
できる。
【0039】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を実施例を示して詳しく説明
する。原料合成樹脂として、密度0.954g/cm3、M
FR5.0g/10分(温度190℃、荷重21.6k
g、JIS K7610準拠)の高密度ポリエチレンを
用い、図3〜8に示した中空成形品の成形方法にしたが
って、縦250mm、横200mm、高さ100mmの
直方体直方体で、その体積は5リットルであり、重量は
1.0kgである中空成形品を成形した。
【0040】まず、図3に示したように、冷却用ジャケ
ット付きの分割金型1を構成する第1の金型2と第2の
金型4とを開いた状態としておき、200℃に溶融した
上述の高密度ポリエチレンを、押出機によって、外径8
0mmの中空成形ダイコア5よりチューブ状に押し出し
てパリソン6とし、このパリソン内部7に空気を閉じこ
めるようにして、プリピンチ板8によってその端を封止
した。このときパリソン6の膜厚は約15mmであっ
た。この後、図4に示したように第1の金型2と第2の
金型4を閉め始めると、前記パリソン内部7に閉じこめ
られた空気によって、このパリソン6外部は、金型キャ
ビティ面9bに軽く接触した状態となるが、これら第1
の金型2と第2の金型4が完全に閉じた状態になる前
に、ピストンシリンダー12によって内径7mmのノズ
ルを有する第1のピン10を前進させて、前記パリソン
6に刺した。この第1のピン10の流体導入管11よ
り、流体(賦形用ガス)として、このパリソン内部7に
6kgf/cm2の圧力で空気を導入しつつ、前記第1の金型
2と前記第2の金 型4を閉め、賦形時間10秒でパリ
ソン6を賦形した。このとき第1の金型2と第2の金型
4の温度は22℃であった。また、第2のピン13は、
この賦形終了後、図5に示したように、第2のピン13
をピストンシリンダー16によって前進させ、パリソン
6に刺した。
【0041】つぎに図6のように、前記パリソン内部7
に、前記第2のピン13のガス導入管14および液体導
入管15より、圧力6.5kgf/cm2の空気(冷却用ガ
ス)と、冷却用液体(冷媒)として水圧7kgf/cm2の水
との混合冷却用流体を導入して冷却を行い、一方、前記
第1のピン10から圧力3kgf/cm2で、前記パリソン内
部7より冷却用流体(空気および水)を排出した。上述
の冷却用流体の導入を30秒行った後、水の導入のみを
停止し、このパリソン内部7に残溜した水を排出しつ
つ、30秒間空気のみによる冷却を行い、合計60秒の
冷却を行った。この空気の導入を停止すると同時に、前
記水と空気の排出を停止した。このとき導入した水の量
は、2.3kg、すなわち、この中空成形品の重量の2.
3倍であった。
【0042】この後、図7のように、前記第1のピン1
0と前記第2のピン13とを前記ピストンシリンダー1
2、16によって後退させて、成形開始時の位置にもど
し、ついで、図8のように、前記第1の金型2と前記第
2の金型4を開いて、前記パリソン6を取り出し、中空
成形品の製品27とし、この製品27の平均温度、収縮
率、内容積、外観について評価し、結果を表1に示した
(表1に示した平均温度はサーモグラフィによってその
表面の10点について測定した温度の平均をとったもの
である。収縮率は縦方向の値を測定した。また、内容積
は、中空成形品内部に水を入れて測定し、外観は目視に
よるものである。)。
【0043】(実施例2〜6)上述の実施例1におい
て、空気のみによる冷却時間を代えて中空成形品を成形
した。空気のみの冷却時間と合計の冷却時間は、それぞ
れ、15秒、合計45秒(実施例2);60秒、合計9
0秒(実施例3);90秒、合計120秒(実施例
4);120秒、合計150秒(実施例5);150
秒、合計180秒(実施例6)とした。評価結果を表1
にあわせて示した。
【0044】(比較例1)上述の実施例1において、パ
リソン内部7からの冷却を行わず、空気による賦形が終
了した時点で、第1の金型2と第2の金型4からはず
し、放置してパリソン6を冷却した。このときの冷却時
間は60秒であった。評価結果を表1に示した。 (比較例2〜4)比較例1の冷却時間をかえて、120
秒(比較例2)、180秒(比較例3)、240秒(比
較例4)とした。評価結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】(評価結果)表1に示されるように、実施
例1〜4の冷却時間と、これらとほぼ同様の平均温度が
得られてる比較例2〜4の冷却時間を比較すると、本発
明に係る実施例では、冷却時間が1/2〜1/3に短縮
されていることがわかる。また、実施例4〜6において
は、その冷却時間は比較例4よりも短いが、比較例4の
平均温度より低い温度にまで十分に冷却されていること
がわかる。また、実施例1〜6の中空成形品の外観は良
好で、内容積もほぼ均一なものが得られている。これに
対して比較例1、2では、冷却時間は実施例1、4とそ
れぞれ同じであるが、変形が発生しており、内容積のば
らつきが大きい。 また、冷却時間が同じである実施例
1と比較例1、実施例4と比較例2、実施例6と比較例
3の収縮率を比較すると、明らかに本発明に係る実施例
では、収縮が起こりにくいことがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の中空成形品
の成形方法においては、金型キャビティ内の合成樹脂製
パリソンにその外部から刺した1本以上のピンより流体
を導入して、このパリソンを冷却、あるいは賦形および
冷却するので、パリソン内部からパリソンを冷却するこ
とができ、冷却時間を短縮化でき、成形サイクルが大幅
に短くなり、コストの削減を図ることができる。さら
に、冷却と同時に金型キャビティ内の合成樹脂製パリソ
ンにその外部から刺した1本以上のピンより流体を排出
すれば、より冷却効率を向上させることができ、従来法
によるこのパリソンの冷却時間を1/2〜1/4に短縮
することができる。また、この中空成形品の成形方法
は、種々の複雑な形状の中空成形品に対しても適応可能
で、ピンによるパリソンの開孔も小さいので、中空成形
品の外観が損なわれず、その強度においても安全性の高
いものとすることができる。さらに大規模な装置を必要
とせず、冷却時間が短いため、収縮率のばらつきがな
く、寸法安定性に優れ、内容積が均一な中空成形品を安
定して製造することができる。また、ピンチオフのヒケ
がないことからも、応力の集中がなく、均一の強度をも
つ中空成形品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1本のピンを用いた中空成形品の成
形方法の一例の工程を示した図である。
【図2】 本発明の1本のピンを用いた中空成形品の成
形方法の一例の工程を示した図である。
【図3】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図4】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図5】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図6】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図7】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図8】 本発明の第1のピンと第2のピンを用いた中
空成形品の成形方法の例の工程を示した図である。
【図9】 図3〜8に示した中空成形品の成形方法の成
形サイクルをタイミングチャートに示した図である。
【図10】 本発明の中空成形品の成形方法の例におい
て、第1のピンおよび第2のピンの配置位置が限定され
る場合のパリソンの賦形前の状態を、第2の金型側から
見た状態を示した図である。
【図11】 本発明の第1のピン、第2のピンおよび第
3のピンを用いた中空成形品の成形方法の例の工程を示
した図である。
【図12】 本発明の第1のピン、第2のピンおよび第
3のピンを用いた中空成形品の成形方法の例の工程を示
した図である。
【符号の説明】
1・・・分割金型 2・・・第1の金型 4・・・第2の金型 5・・・中空成形ダイコア 6・・・パリソン 7・・・パリソン内部 8・・・プリピンチ板 9a・・・キャビティ 9b・・・金型キャビティ面 10・・・第1のピン 11・・・流体導入管 12・・・ピストンシリンダー 13・・・第2のピン 13A・・・ピン 14・・・ガス導入管 14A・・・ガス導入管 15・・・液体導入管 15A・・・液体導入管 16・・・ピストンシリンダー 16A・・・ピストンシリンダー 20・・・第3のピン 20a・・・ピストンシリンダー 20b・・・流体排出管 20c・・・流体排出管 26・・・液体 27・・・製品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内の合成樹脂製パリソンの外部から
    刺したピンより、該合成樹脂製パリソン内に冷却用流体
    を導入し、該合成樹脂製パリソンを冷却することを特徴
    とする中空成形品の成形方法。
  2. 【請求項2】 金型内の合成樹脂製パリソンの外部から
    刺した第1のピンより、該合成樹脂製パリソン内に流体
    を導入して該合成樹脂製パリソンを賦形し、該合成樹脂
    製パリソンの外部から刺した第2のピンより、該合成樹
    脂製パリソン内に冷却用流体を導入して該合成樹脂製パ
    リソンを冷却することを特徴とする中空成形品の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 金型内の合成樹脂製パリソンの外部から
    刺した第1のピンより、該合成樹脂製パリソン内に流体
    を導入して該合成樹脂製パリソンを賦形し、該合成樹脂
    製パリソンの外部から刺した第2のピンより、該合成樹
    脂製パリソン内に冷却用流体を導入して該合成樹脂製パ
    リソンを冷却し、この冷却と同時あるいはこの冷却後
    に、前記第1のピンと前記第2のピンのどちらか一方あ
    るいは両方より、該合成樹脂製パリソン内の冷却用流体
    を排出することを特徴とする中空成形品の成形方法。
  4. 【請求項4】 金型内の合成樹脂製パリソンの外部から
    刺した第1のピンより、該合成樹脂製パリソン内に流体
    を導入して賦形し、前記合成樹脂製パリソンの外部より
    刺した第2のピンより冷却用流体を導入して冷却し、こ
    の冷却と同時あるいはこの冷却後に、前記合成樹脂製パ
    リソン外部から刺した第3のピンより、該合成樹脂製パ
    リソン内の冷却用流体を排出することを特徴とする中空
    成形品の成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の中
    空成形品の成形方法において、冷却用流体の重量は中空
    成形品の重量の0.05〜10倍であることを特徴とす
    る中空成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の中
    空成形品の成形方法において、合成樹脂製パリソン内に
    導入する冷却用流体の圧力は、該合成樹脂製パリソン内
    部の圧力よりも0.5〜9kgf/cm2 高いことを特徴とす
    る中空成形品の成形方法。
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