JPH09150407A - 芳香性古紙ボード - Google Patents

芳香性古紙ボード

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JPH09150407A
JPH09150407A JP31240595A JP31240595A JPH09150407A JP H09150407 A JPH09150407 A JP H09150407A JP 31240595 A JP31240595 A JP 31240595A JP 31240595 A JP31240595 A JP 31240595A JP H09150407 A JPH09150407 A JP H09150407A
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JP
Japan
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board
waste paper
pulp
aromatic
thermoplastic
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Application number
JP31240595A
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English (en)
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
Katsushi Sakano
賀津士 坂野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Buffer Packaging (AREA)
  • Making Paper Articles (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙解繊物を主成分とし、強度、成型性、緩
衝性に優れ、しかも臭気のない古紙ボードを提供する。 【解決手段】 乾式で解繊した古紙解繊物と、熱可塑性
微細繊維および香料入りマイクロカプセルを乾式で混合
後、該熱可塑性微細繊維の融点以上の温度で加熱するこ
とにより、該熱可塑性微細繊維の一部あるいは全部を融
解し、古紙パルプ同士を接着してボードを得るか、ある
いは香料入りマイクロカプセルを乾式で混合せずに、ボ
ード作製後に香料入りマイクロカプセル分散液を塗工、
含浸させて得られる古紙ボードである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、芳香性を有する
古紙を主原料とするボードに関するものであり、物品の
破損、傷つけ、つぶれなどを防止する目的で使用される
緩衝材、防音材、断熱材、保温材さらに熱処理による成
型もできる古紙ボードとして広範囲な使用が可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】 工場、商店、オフィス、一般家庭等か
ら排出される多量の古紙は、環境保護および資源の有効
活用の観点から、近年その利用分野、利用方法の拡大が
急務となっている。従来古紙は紙、板紙の原料の一つと
して多く利用されてきたが、近年更なる古紙回収率の向
上が求められている。再生紙以外の古紙の用途として、
パルプモールドがあり、ポリ塩化ビニルのパックの代替
品として今後需要の伸びも期待できるが、全ての古紙が
使用できるわけではないこと、コストが高いなどの問題
もあり、これだけで古紙利用率が満足なレベルまで向上
できるとは限らない。また緩衝材として多く使用されて
いる発泡スチロールの代替品として古紙のボード(マッ
ト)がある。この古紙ボード(マット)は、使用される
古紙の種類に制限がなくすべての古紙が使用可能である
ばかりか、使用量も多く、古紙回収率向上に対する最も
適している商品として期待できる。しかし古紙中に残存
する印刷インキ、薬剤などの臭気が原因で、作製した古
紙ボードの使用用途に制限を受ける場合もあり、その改
良が望まれていた。
【0003】古紙を原料とする乾式で製造される古紙ボ
ードは、例えば特公昭52−20588号公報、特公昭
55−5417号公報、特開平4−263924号公
報、特開平5−246465号公報、特開平6−639
10号公報などに開示された方法があり、目的に応じて
ボードの厚さ、目付、密度などを変化させて使用され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記臭気
の問題を解決することにより、強度、熱処理による成型
性、緩衝性に優れていると同時に、香り徐放性を備えた
芳香性古紙ボードを提供することを目的とする。芳香性
を与えるために、芳香剤を含浸、塗工などで古紙ボード
に含有させる方法が考えられるが、香料と呼ばれる物質
は揮発性が強く、ボード製作時の加熱段階で香料が揮発
しやすく、またボード内に残存している香料があっても
長期の芳香性が得られない。発明者らは、これらの問題
を解決すべく鋭意研究した結果、芳香剤をマイクロカプ
セル化して古紙ボードに含有させることで、上記欠点を
解決できるものと考え、芳香剤をマイクロカプセル化し
て古紙ボードに含有させるのに最適な製造方法を見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は、水を用いず
に古紙を乾式解繊した古紙パルプと熱可塑性微細繊維を
主成分として、乾式で混合して得られる繊維集合体を加
熱により接着してなる古紙ボードに、香料入りマイクロ
カプセルを含有させることを特徴とする芳香性古紙ボー
ドである。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明に使用する古紙は、パル
プ繊維を主体として形成されたものであれば特に限定さ
れるものではないが、例えば新聞紙、雑誌、本、ダンボ
ール、板紙、上質紙、チラシ、パンフレット、包装用紙
等の古紙を使用することができる。解繊処理前の古紙の
水分が、2〜15%、好ましくは2.5〜12%の範囲
であるのが好ましい。古紙の水分が、2%未満の場合、
シートが硬くなり、乾式での解繊時にボードの製造に適
さない微細パルプ成分が増加するばかりでなく、低水分
の為に、静電気の帯電が著しく、作業性を低下させるな
どの問題もあり好ましくない。逆に、古紙の水分が15
%を越えると乾式での解繊が、不十分になり、紙片やパ
ルプフロックが存在しやすくなるばかりでなく、古紙ボ
ード製造時の加熱処理工程で、トラブル発生の原因とな
るなどの問題もあり好ましくない。
【0007】本発明では水を用いず空気中で解繊される
古紙が使用されるが、解繊の方法としては通常のドライ
パルプ製造装置や乾式レファイナーなど特に限定され
ず、古紙はシュレッダー等の断裁装置や破砕装置で、解
繊前に事前に粗砕しても良い。本発明に使用可能な熱可
塑性樹脂の微細繊維は、ポリエチレンやポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは
これらの樹脂の共重合物を短繊維状に加工したもの、ま
たは上記樹脂の2種以上を同時に紡糸した、いわゆるサ
イドバイサイドタイプや、シースコアタイプの複合繊維
を短繊維状に加工したものであり、これらの1種以上を
使用することが可能である。特に、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂より製造される繊維
が好ましい。
【0008】熱可塑性微細繊維の重量平均繊維長は、
0.2〜15mmの範囲、好ましくは0.3〜5mmの
範囲である。重量平均繊維長が0.2mm未満の場合
は、作製した古紙ボードの強度が低下するため好ましく
ない。逆に重量平均繊維長が15mmを越えるとパルプ
中の熱可塑性樹脂微細繊維の分散が不均一になり、好ま
しくない。熱可塑性樹脂の微細繊維の重量平均繊維長
は、JIS P8207に示された装置を用い、TAP
PI T233に示された方法で測定することが可能で
ある。古紙パルプと熱可塑性微細繊維の合計絶乾重量に
対する熱可塑性微細繊維の絶乾重量の割合が5〜40
%、好ましくは10〜30の範囲とする。熱可塑性繊維
の絶乾重量の割合が5%未満では作成した古紙ボードの
強度が弱く、40%を越えると古紙ボードが硬くなりす
ぎて好ましくない。
【0009】本発明に使用可能な香料入りマイクロカプ
セルの製造方法としてはコアセルベーション法、界面重
合法、in-situ法などを用いることができる。耐熱性、
徐放性などに優れる芳香性マイクロカプセルで、圧縮し
ても壊れないマイクロカプセルが最適であることはもち
ろんである。香料物質含有マイクロカプセルとしては、
ゼラチン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、
尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体
を壁膜とするものが好ましく、耐熱性、耐圧性に優れる
合成樹脂を壁膜とするものが好ましく、取り分けメラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂を壁膜とするものが好まし
い。
【0010】本発明で使用する香料としては、各種公知
のものが適用でき、例えば脂肪族、芳香族、脂環式また
はテルペン系の各種ケトン類;大環状ケトン類;脂肪
族、芳香族またはテルペン系の各種アルデヒド類;脂肪
族酸または芳香族酸のエステル類;テルペン系炭化水素
類;アルコール;フェノールおよびその誘導体;環状エ
ーテル類;合成ムスク類などが挙げられ、具体的には例
えば下記が例示される。
【0011】(1)脂肪族ケトン類:2−ヘプタノン、
3−オクタノン、2−ウンデカノンなど。(2)芳香族
ケトン類:p−メチルアセトフェノン、アニシルアセト
ン、ベンジリデンアセトン、p−メトキシアセトフェノ
ン類など。(3)脂環式ケトン類:α−イロン、β−イ
ロン、γ−イロン、α−ダマセノン、β−ダマセノン、
α−ダマスコン、β−ダマスコン、γ−ダマスコン、テ
アスピロンなど。(4)テルペン系ケトン類:メント
ン、カルボン、プレゴンなど。(5)大環状ケトン類:
ムスコン、アンブレットリド、シクロヘキサデカリドな
ど。(6)脂肪族アルデヒド類:2,6−ノナジエナー
ル、テトラデカナール、メリデカナール、ノナナールな
ど。(7)芳香族アルデヒド類:シンナムアルデヒド、
α−アミルシンナムアルデヒド、α−ヘキシルシンナム
アルデヒド、シクラメンアルデヒドなど。(8)テルペ
ン系アルデヒド類:シラトール、シトロネラール、シト
ロネリルオキシアセトアルデヒドなど。(9)脂肪族酸
エステル類:ギ酸ゲラニル、ギ酸フェニルエチル、酢酸
ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸L−メンチン、酢酸シン
ナミル、酢酸ボルニル、酢酸テルビニルなど。(10)
芳香族酸エステル類:安息香酸メチル、安息香酸エチ
ル、安息香酸イソアミル、ケイ皮酸エチルなど。(1
1)テルペン系炭化水素類:α−ピネン、β−ピネン、
カンフェン、リモネンなど。(12)アルコール類:リ
ナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ベンジルア
ルコール、γ−フェニルプロピルアルコールなど。(1
3)フェノールおよびその誘導体:p−メチルアニソー
ル、アネトール、サフロール、エチル−β−ナフチルエ
ーテル類など。(14)環状エーテル類:ローズオキサ
イド、オキサイドケトン、1,8−ジネオールなど。
(15)合成ムスク:ムスクキシレン、ムスクケトン、
ムスクアンブレット、モスケンなど。もちろん、これら
の香料は2種類以上を混合して使用することもできる。
【0012】香料入りマイクロカプセルの芯物質として
は、上記香料の他に、必要に応じて更に疎水性媒体、紫
外線吸収剤、酸化防止剤などの各種助剤を添加すること
ができる。疎水性媒体としては、植物油類、鉱物油類、
芳香族系炭化水素類、アルコール類、有機酸類、エステ
ル類、有機リン化合物、エーテル類、アミド類、ケトン
類、カーボネート類などが例示できる。尚、香料入りマ
イクロカプセルにおける膜剤の配合量は香料や膜剤の種
類によって変わり一概に言えないが、通常香料100重
量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜100
重量部である。膜材の配合量が1部未満だとカプセル膜
の強度がなくボード成型の圧力でマイクロカプセルが壊
れ易く、200部を越えるとカプセル膜が厚くなり、香
料の徐放性が著しく低下するため好ましくない。
【0013】叉、香料入りマイクロカプセルの平均粒子
径は、使用方法或いは膜剤の種類などによって変わり一
概に言えないが、通常0.5〜50μm、好ましくは1
〜10μmである。平均粒子径が0.5μm未満だと、
古紙ボード(マット)製造時、パルプ内に留まり難く、
50μmを越えるマイクロカプセルを使用した場合、古
紙ボード(マット)内での接着性が著しく低下し、弱い
衝撃などで、古紙ボード(マット)表面からマイクロカ
プセルが脱落し易く好ましくない。本発明に使用される
香料入りマイクロカプセルの形態は粉体、水分散液どち
らでも良いが、粉体の場合は古紙パルプ及び熱可塑性微
細繊維に混合、水分散液の場合は古紙ボード(マット)
に印刷、塗工、含浸などの方法が好ましい。
【0014】本発明は、ボード表面からのパルプ微細繊
維の欠落防止の目的で繊維ボード表面層に水系叉は非水
系の樹脂などを塗布乾燥することもできる。水系叉は非
水系の樹脂としては、澱粉、カゼイン、ロジン等の天然
高分子、ニトロセルロース、アセチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニル
アルコール、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−酢
ビ共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合
体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等
の合成高分子が挙げられる。形態としては溶液接着剤、
エマルジョン系接着剤、感圧接着剤、再湿性接着剤、ホ
ットメルト型接着剤、フィルム状接着剤、重縮合型無溶
剤接着剤に分かれる。
【0015】塗布方法としては、ブレード、エアーナイ
フ、ロール、リバースロール、ゲートロール、ロッド、
グラビヤ、スライド、ディプ、カーテン、ファウンテ
ン、押出し等の塗工及びスプレー方式、含浸、サイズプ
レス方式等各種方式を用いることができ、併用も可能で
ある。中でもロール、ロッド、グラビヤ塗工、含浸及び
スプレーが好ましい。上記香料入りマイクロカプセル
を、上記水系の樹脂に混合して塗工、含浸させる方法を
とると効率がよく、好ましい。
【0016】またボード作製または再成型のための加熱
方法としては公知のヤンキーシリンダー、カウンターフ
ロー、インピンジメント(高速エアキャップ式、トンネ
ル式)、エアスルー、エアフローティング、赤外線、マ
イクロ波、誘導加熱等が有るが、特に限定されない。用
途に応じて乾燥と同時に圧力をかける加熱加圧方法でも
よい。この場合、熱プレスまたは熱キャレンダー掛けが
好ましく、多段叉は併用で使用しても良い。加熱は得ら
れる古紙ボードが焦げない程度であれば温度及び処理時
間は特に限定しない。また圧力についてはキスタッチ程
度でも効果はあるが、ボード成型に要した圧力より若干
大きめが好ましい。さらにリン系、ハロゲン系、無機系
の難燃剤なども、ボードに混合、塗布することができ
る。
【0017】本発明においては、製品である古紙ボード
の強度と成型性を向上させるために、古紙パルプ中に繊
維の長い針葉樹パルプ、麻パルプ、反毛、落綿、ぼろぎ
れ、ラシャ、裁落、ポリエステル繊維、アクリル繊維、
ポリアシド繊維、不織布などの解繊物を配合することも
可能である。使用する針葉樹パルプは、特に限定するも
のではないが、例えば針葉樹材をクラフト法、ソーダ
法、ポリサルファイト法等で蒸解した化学パルプ、また
は、グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械
パルプを晒若しくは未晒の状態で、単独でまたは混合し
て使用することができ、好ましくは未使用のパルプの方
が良い。
【0018】ボードの製法としては以下の方法が一般的
である。例えば古紙パルプと熱可塑性微細繊維と粉体状
の香料入りマイクロカプセルを原料とし、加熱処理に先
立ち、乾式でエアーや機械的な攪拌等により均一に混合
し、移動するベルト状搬送用支持体上に積層し、加熱処
理装置へ移送する方法を取る場合、古紙パルプと熱可塑
性微細繊維と粉体状の香料入りマイクロカプセルは混合
繊維積層体を上下から通気性の搬送用支持体で挟んでも
よいし、熱伝導性の高い、金属ベルト等ではさんで搬送
しても良い。加熱装置としては、混合繊維積層体中の熱
可塑性微細繊維の溶融が可能であれば、特に限定するも
のではなく、例えば、熱風炉やマイクロウエーブ等が使
用できる。熱風炉の場合には、古紙パルプや熱可塑性微
細繊維の飛散を防止するために、搬送用支持体の下から
吸引しておくことが好ましい。加熱装置の加熱温度は、
260℃を越えないことが好ましい。加熱温度が260℃を越
えると、パルプ繊維の炭化や発火の恐れがあり好ましく
ない。
【0019】加熱装置により熱可塑性樹脂微細繊維の融
点以上に加熱された古紙パルプおよび熱可塑性樹脂微細
繊維の混合繊維積層体は、加熱装置内あるいは加熱装置
を出た後で、プレスロール等の加圧装置によって加圧さ
れ、所望の厚さおよび密度のボードを得ることができ
る。
【0020】一方、古紙パルプと熱可塑性微細繊維と粉
体状の香料入りマイクロカプセルの混合繊維を加熱機能
を有するプレス機で熱プレスすることによっても、上記
方法と同様に古紙ボードを得ることが可能である。即
ち、均一に混合された混合パルプと熱可塑性微細繊維と
粉体状の香料入りマイクロカプセルの混合繊維を、所望
の古紙ボードの厚さと同じ厚さのスペーサーを置いた、
熱プレスの試料保持側(下側)のプレス板の上に積層
し、該熱可塑性微細繊維の融点以上の温度で熱プレスす
ることによって、上記方法と同様に古紙ボードを作製す
ることができるのである。この場合、熱プレスの加熱温
度は、260℃を越えないことが好ましい。加熱温度が260
℃を越えると、パルプ繊維の炭化や発火の恐れがあり、
好ましくない。プレス成型時の圧力は、混合繊維の積層
体をスペーサーの厚みまで圧縮できる圧力であれば良
く、特に限定するものではない。即ち、圧力を高くして
も、スペーサーが存在することにより、スペーサーの厚
み以下に混合繊維の積層体が潰されることは無い。
【0021】上記方法等により得られる古紙ボードの密
度は0.01〜1.0g/cm3、好ましくは0.05〜
0.5g/cm3の範囲であることが好ましい。作成した古
紙ボードの密度が0.01g/cm3より小さいと、ボード
の強度が低下する為、好ましくなく、逆に、ボードの密
度が1.0g/cm3を越えると、作成したボードが密にな
り過ぎ、芳香性能が低下するため、好ましくない。
【0022】本発明によるボードは、すべての古紙をそ
の原料とすることが可能であるため、著しく廃棄物の有
効利用が可能となるばかりか、使用後のボードも再度、
粗砕、微細解繊して古紙ボードの原料として使用可能で
ある。また廃棄する場合でも土中への埋設により、微生
物による分解が可能であり、焼却処理する場合でも、有
毒ガスの発生が無い、環境に極めて優しい資材である。
本発明により、このような利点を有する古紙ボードは、
製造工程でのバインダーの飛散による作業環境の悪化が
ほとんど無く、製造中にフェノールやホルマリン等の有
害物質の発生無しに、安定かつ容易に製造することが可
能となり、熱成型、打ち抜き、貼合せ等、必要に応じて
種々加工されて、芳香性のある緩衝材、断熱、保温材等
として使用することができる。
【0023】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるもので
はない。尚、以下の実施例において、部および%は、特
に指定がない場合には、全て重量部および重量%であ
る。 実施例1 「香料入り粉体マイクロカプセルの調整」エチレン−無
水マレイン酸共重合体(商品名:EMA−31,モンサ
ント社製)の3.0%水溶液200部に20%NaOH
水溶液を添加してPHを4.8として液を75℃に昇温
した後、更にメチル化メチロールメラミン(商品名:サ
イメル350,三井東圧化学製)を固形分で60部添加
混合して水性媒体とした。この水性媒体にメントン10
0部を乳化して平均粒子径を3.0μmとした後、この
系に攪拌下0.1N−硫酸を徐々に添加してPHを3.
8に調整し、その後系の温度を95℃に昇温し、95℃
下で3時間反応させてマイクロカプセル分散液を得た。
【0024】続いて、メチル化メチロールメラミン(商
品名:サイメル350,三井東圧化学製)の10%水溶
液50部を95℃の上記マイクロカプセル分散液中に強
力攪拌しながら滴下した後、95℃下で1時間反応させ
て増粘状態のカプセル分散液を得た。更に、この分散液
に酸性亜硫酸ソーダ20部を添加し、30分後分散液を
吸引濾過し、更にペーストを蒸発乾固して粉体カプセル
を得た。新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、T
YPE FR-160)を用いて粗砕後、さらにパルプ粉砕機(瑞
光鉄工(株)製、TYPE P-270)を用いて乾式で解繊し、
長さ加重平均長さは1.07mmの古紙パルプ(解繊物とも言
う)を得た。得られた古紙パルプと乾式で解繊され乾燥
された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商
品名SWP、E990)を、古紙パルプ/合成パルプ=80/20
部の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合パル
プを得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長
は1.6mmであった。
【0025】この混合パルプに上記の香料入り粉体マイ
クロカプセル5部添加し、再度ミキサーで軽く混合し、
芳香性混合パルプを得た。次に、該混合解繊物を8mmの
高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精
機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、10kgf/c
2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、ボードを作製
した。得られた古紙ボードの密度は0.10g/cm3であ
り、坪量は1000g/m2であった。
【0026】実施例2 実施例1において、多分岐状合成パルプ(三井石油化学
(株)製、商品名SWP、E990)を高接着性複合繊維(チ
ッソ(株)製、商品名EKC)に置き換え、古紙パルプ/
合成パルプ=80/10部の割合になるように混合する以外
は同様にしてボードを得た。得られた古紙ボードの密度
は0.10g/cm3であり、坪量は1000g/m 2であった。
【0027】実施例3 実施例1において古紙パルプ/合成パルプ=80/20部の
ところを、古紙パルプ/麻パルプ/合成パルプ=70/10/
20とする以外は同様にしてボードを得た。得られた古紙
ボードの密度は0.10g/cm3であり、坪量は1000g/m2
であった。
【0028】実施例4 実施例1において粉体の香料入り粉体マイクロカプセル
5部を使用せずにボードを作製し、作製したボードに対
して、5%酸化澱粉水溶液100部に対し上記メントン
入り粉体マイクロカプセル20部混合した水溶液をスプ
レーでほぼ均一に吹き付け、さらに10kgf/cm2の圧力
を掛けた状態で170℃の温度を1分間保持することで表面
乾燥したボードを得た。得られた古紙ボードの密度は0.
10g/cm 3であり、坪量は1000g/m2であった。
【0029】比較例1 実施例4において粉体のメントン入り粉体マイクロカプ
セル5部使用するところを、マイクロカプセル化してい
ないメントン5部を使用する以外は実施例4と同様にし
てボードを得た。得られた古紙ボードの密度は0.10g/c
3であり、坪量は1000g/m2であった。
【0030】試験方法 (1)古紙解繊物の、長さ加重平均長さ:バルメット・
オートメーション社製、カヤーニ繊維長測定機(FS-20
0)を用いて測定。 (2)熱性微細繊維の平均繊維長:JIS P8207
にしめされた装置を用い、TAPPI T233に示さ
れた方法で測定。 (3)坪量:JIS P8126に示された方法を用いて測定。 (4)密度:JIS P8118に示された方法を用いて測定。 (5)引張強度:JIS P8113に示された方法を用いて測
定。
【0031】(6)L型成型性:L型金具2枚にサンプ
ルを曲げて挟み、更にしゃこ万力で挟んで固定し、17
0℃で10分間保持したものにつき、L型成型品を以下
の5段階で評価した。 5・・・成型後の戻りや曲げ部分のひび割れが全くなく良
好である。 4・・・成型性が良好である。 3・・・成型性が普通である。 2・・・成型後に戻りがあり、ひび割れも目立つ。 1・・・成型性が全く無い。 (7)芳香性:50℃,80%の恒温恒湿機にサンプル
を60日放置し、その後取り出して臭いを調べる。 ○・・ 臭いがある。 △・・・少し臭いがある。 ×・・・臭いがほとんど無い。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により製造される芳香性古紙ボー
ドは古紙ボードの臭気の問題が解決され、古紙の新たな
用途を提供するものである。従来から使用されているポ
リスチレン発泡体等に比較して燃焼エネルギーが低く、
有毒ガスの発生もなく、土中へ埋設した場合には土中の
微生物で容易に分解し、更に使用済みのボードはパルプ
原料として容易に再利用も可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 81/107 D04H 1/54 Z D04H 1/54 D06M 23/12 D06M 23/12 B65D 81/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を用いずに古紙を乾式解繊した古紙パ
    ルプと熱可塑性微細繊維を主成分として、乾式で混合し
    て得られる繊維集合体を加熱により接着してなる古紙ボ
    ードに、香料入りマイクロカプセルを含有させることを
    特徴とする芳香性古紙ボード。
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