JPH09147646A - 繊維強化複合素線の製造方法 - Google Patents
繊維強化複合素線の製造方法Info
- Publication number
- JPH09147646A JPH09147646A JP32832795A JP32832795A JPH09147646A JP H09147646 A JPH09147646 A JP H09147646A JP 32832795 A JP32832795 A JP 32832795A JP 32832795 A JP32832795 A JP 32832795A JP H09147646 A JPH09147646 A JP H09147646A
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- Japan
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- aluminum
- wire
- fiber
- fiber reinforced
- wires
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繊維強化複合素線の繊維体積率を大きくし
て、これによって造られた電線の弛度を少なくする。 【解決手段】 円形状に配置された複数個のボビン７か
ら送り出されたプリフォームワイヤ３は捻回された状態
で電気炉１２に導入されるようニップル４に導かれる。
プリフォームワイヤ３には粉末噴出装置１４によりアル
ミ粉末１３が塗布され、これは電気炉内で溶融されプリ
フォームワイヤ間を強固に接着する。一体化された複数
本のプリフォームワイヤはダイス５を通過して芯線６と
して形成され、その後、連続押出工程によりアルミ被覆
され繊維強化複合素線となる。塗布によるアルミ量は微
量であるので繊維体積率の大きな繊維強化複合素線が得
られる。またプリフォームワイヤが撚られているので曲
げ特性が良い。
て、これによって造られた電線の弛度を少なくする。 【解決手段】 円形状に配置された複数個のボビン７か
ら送り出されたプリフォームワイヤ３は捻回された状態
で電気炉１２に導入されるようニップル４に導かれる。
プリフォームワイヤ３には粉末噴出装置１４によりアル
ミ粉末１３が塗布され、これは電気炉内で溶融されプリ
フォームワイヤ間を強固に接着する。一体化された複数
本のプリフォームワイヤはダイス５を通過して芯線６と
して形成され、その後、連続押出工程によりアルミ被覆
され繊維強化複合素線となる。塗布によるアルミ量は微
量であるので繊維体積率の大きな繊維強化複合素線が得
られる。またプリフォームワイヤが撚られているので曲
げ特性が良い。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、架空送電線用繊維
強化電線に使用される繊維強化複合素線の製造方法に関
する。
強化電線に使用される繊維強化複合素線の製造方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】繊維強化複合素線は、アルミ又はアルミ
合金材料に長尺のＳｉＣ繊維を、あるいはこれにセラミ
ックスの短繊維又はウィスカーを複合した素線（プリフ
ォームワイヤ）の複数本から構成され、架空送電線用繊
維強化電線の製造に使用される。従来知られている繊維
強化複合素線の製造方法の一例を図４で説明する。ボビ
ン７から送り出された複数本のプリフォームワイヤ３
は、ニップル４に案内され、アルミ、アルミ合金の溶湯
を入れたるつぼ１内に導かれる。溶湯中にはワイヤ束を
絞るガイド８が設置され、複数のプリフォームワイヤ３
はここを通って一体化され、ダイス５を通過することに
より所定の径の芯線６として形成される。この後、連続
押出加工により芯線の外周にアルミ等の被覆が行われ繊
維強化複合素線が製造される。図５は他の例を示したも
ので、ボビン７より送り出された複数本のプリフォーム
ワイヤ３は、ニップル４に案内され恒温槽９に導かれ
る。恒温槽９は内部を所定の雰囲気及びヒータ２による
所定温度に保持されており、この内部に配置されたロー
ラーダイス１０を通過する過程で複数本のプリフォーム
ワイヤ３は圧延され一体化されダイス５を通って所定の
径の芯線６として形成され、ボビン１１に巻き取られ
る。その後、連続押出加工により芯線の外周にアルミ等
の被覆が行われ繊維強化複合素線が製造される。
合金材料に長尺のＳｉＣ繊維を、あるいはこれにセラミ
ックスの短繊維又はウィスカーを複合した素線（プリフ
ォームワイヤ）の複数本から構成され、架空送電線用繊
維強化電線の製造に使用される。従来知られている繊維
強化複合素線の製造方法の一例を図４で説明する。ボビ
ン７から送り出された複数本のプリフォームワイヤ３
は、ニップル４に案内され、アルミ、アルミ合金の溶湯
を入れたるつぼ１内に導かれる。溶湯中にはワイヤ束を
絞るガイド８が設置され、複数のプリフォームワイヤ３
はここを通って一体化され、ダイス５を通過することに
より所定の径の芯線６として形成される。この後、連続
押出加工により芯線の外周にアルミ等の被覆が行われ繊
維強化複合素線が製造される。図５は他の例を示したも
ので、ボビン７より送り出された複数本のプリフォーム
ワイヤ３は、ニップル４に案内され恒温槽９に導かれ
る。恒温槽９は内部を所定の雰囲気及びヒータ２による
所定温度に保持されており、この内部に配置されたロー
ラーダイス１０を通過する過程で複数本のプリフォーム
ワイヤ３は圧延され一体化されダイス５を通って所定の
径の芯線６として形成され、ボビン１１に巻き取られ
る。その後、連続押出加工により芯線の外周にアルミ等
の被覆が行われ繊維強化複合素線が製造される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】図４に示したような溶
融Ｄｉｐ法で製造された繊維強化複合素線の繊維体積率
（Ｖｆ）は、現状では最高で約２０％である。また、図
５に示すような圧延ロールによって製造する方法は、プ
リフォームワイヤ間の接着に問題があるため実用的でな
い。繊維を使用しない鋼心アルミ撚り線（ＡＣＳＲ）と
比較して弛度を半減するためにはＶｆ≧３０％が必要で
あり、従来方法による繊維強化複合素線を使用した場合
には、こうした要請に対応することができない。本発明
は、繊維体積率（Ｖｆ）が３０％以上あり、さらに、曲
げ特性の優れた繊維強化複合素線の製造方法を提供する
ことを目的とする。
融Ｄｉｐ法で製造された繊維強化複合素線の繊維体積率
（Ｖｆ）は、現状では最高で約２０％である。また、図
５に示すような圧延ロールによって製造する方法は、プ
リフォームワイヤ間の接着に問題があるため実用的でな
い。繊維を使用しない鋼心アルミ撚り線（ＡＣＳＲ）と
比較して弛度を半減するためにはＶｆ≧３０％が必要で
あり、従来方法による繊維強化複合素線を使用した場合
には、こうした要請に対応することができない。本発明
は、繊維体積率（Ｖｆ）が３０％以上あり、さらに、曲
げ特性の優れた繊維強化複合素線の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【０００４】
（１）Ｖｆ≧３０％を達成するために、アルミ又はアル
ミ合金に長尺繊維を複合した複数本のプリフォームワイ
ヤ間の接着は、アルミ粉末又はこれにニッケル粉末を含
むものを塗布し、その後、アルミの融点（660 ℃）以上
の温度に設定された電気炉を通すことで行う。 （２）また、曲げ特性のすぐれた繊維強化複合素線を得
るために、複数本のプリフォームワイヤにアルミ粉末又
はこれにニッケル粉末を含むものを塗布した後、撚って
から強固に接着して芯線を形成する。 （３）これら芯線の外周には、連続押出装置を使ってア
ルミ等が被覆され、繊維強化複合素線が製造される。
ミ合金に長尺繊維を複合した複数本のプリフォームワイ
ヤ間の接着は、アルミ粉末又はこれにニッケル粉末を含
むものを塗布し、その後、アルミの融点（660 ℃）以上
の温度に設定された電気炉を通すことで行う。 （２）また、曲げ特性のすぐれた繊維強化複合素線を得
るために、複数本のプリフォームワイヤにアルミ粉末又
はこれにニッケル粉末を含むものを塗布した後、撚って
から強固に接着して芯線を形成する。 （３）これら芯線の外周には、連続押出装置を使ってア
ルミ等が被覆され、繊維強化複合素線が製造される。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明を図１により説明する。円
形状に配置された複数個のボビン７から送り出されたア
ルミ又はアルミ合金にＳｉＣの長尺繊維を複合したプリ
フォームワイヤ３は、軸線の回りにボビンが回転するこ
とにより捻回された状態で管状の電気炉１２に導入され
るようニップル４に導かれる。プリフォームワイヤ３は
電気炉１２に導入される前に、プリフォームワイヤ間の
接着を強固に行うためのアルミ粉末１３を、粉末噴出装
置１４によって塗布される。電気炉１２はヒータ２によ
りアルミの融点である660 ℃以上に加熱される。したが
って、電気炉に導入された複数本のプリフォームワイヤ
３は、塗布されたアルミ粉末が融けた状態で相互に接着
が行われ、ダイス５により所望の外径に仕上げられ、芯
線６としてボビン１１に巻き取られる。その後、芯線の
外周には連続押出装置によりアルミ被覆が施され、アル
ミ被覆繊維強化複合素線となる。接着に要するアルミ粉
末は、Ｄｉｐ法で付着してくるアルミと比較して微量で
すむために、多数本のプリフォームワイヤの複合が可能
となり、連続押出装置によりアルミ被覆を施した繊維強
化複合素線においてＶｆ≧３０％が達成される。図２
は、本発明の方法によって製造されたアルミ被覆繊維強
化複合素線の断面図を示したもので、従来のアルミＤｉ
ｐ法により製造されたアルミ被覆繊維強化複合素線の断
面図を示した図３と比較して、包含されるプリフォーム
ワイヤの数が多く、したがって高繊維体積率（Ｖｆ）が
達成されていることがわかる。付着させるアルミ粉末
は、高温での引張特性を改善するためにアルミ粉末にニ
ッケルを微量（６〜８重量％）添加したものでも良い。
形状に配置された複数個のボビン７から送り出されたア
ルミ又はアルミ合金にＳｉＣの長尺繊維を複合したプリ
フォームワイヤ３は、軸線の回りにボビンが回転するこ
とにより捻回された状態で管状の電気炉１２に導入され
るようニップル４に導かれる。プリフォームワイヤ３は
電気炉１２に導入される前に、プリフォームワイヤ間の
接着を強固に行うためのアルミ粉末１３を、粉末噴出装
置１４によって塗布される。電気炉１２はヒータ２によ
りアルミの融点である660 ℃以上に加熱される。したが
って、電気炉に導入された複数本のプリフォームワイヤ
３は、塗布されたアルミ粉末が融けた状態で相互に接着
が行われ、ダイス５により所望の外径に仕上げられ、芯
線６としてボビン１１に巻き取られる。その後、芯線の
外周には連続押出装置によりアルミ被覆が施され、アル
ミ被覆繊維強化複合素線となる。接着に要するアルミ粉
末は、Ｄｉｐ法で付着してくるアルミと比較して微量で
すむために、多数本のプリフォームワイヤの複合が可能
となり、連続押出装置によりアルミ被覆を施した繊維強
化複合素線においてＶｆ≧３０％が達成される。図２
は、本発明の方法によって製造されたアルミ被覆繊維強
化複合素線の断面図を示したもので、従来のアルミＤｉ
ｐ法により製造されたアルミ被覆繊維強化複合素線の断
面図を示した図３と比較して、包含されるプリフォーム
ワイヤの数が多く、したがって高繊維体積率（Ｖｆ）が
達成されていることがわかる。付着させるアルミ粉末
は、高温での引張特性を改善するためにアルミ粉末にニ
ッケルを微量（６〜８重量％）添加したものでも良い。
【０００６】
（１）溶融Ｄｉｐ法により作製した繊維強化複合素線と
異なり、本方法では接着に要するアルミが微量ですむた
めに、多数本のプリフォームワイヤの複合が可能とな
り、したがって、アルミ被覆を施した繊維強化複合素線
において繊維体積率（Ｖｆ）≧３０％を達成することが
できる。 （２）Ｖｆ≧３０％であれば鋼心アルミ撚り線（ＡＣＳ
Ｒ）と比較して弛度が半減され都市部に架線される送電
線の要求性能を充分満足させることができる。 （３）プリフォームワイヤが撚られているために、曲げ
特性の優れた繊維強化複合素線を実現することができ
る。
異なり、本方法では接着に要するアルミが微量ですむた
めに、多数本のプリフォームワイヤの複合が可能とな
り、したがって、アルミ被覆を施した繊維強化複合素線
において繊維体積率（Ｖｆ）≧３０％を達成することが
できる。 （２）Ｖｆ≧３０％であれば鋼心アルミ撚り線（ＡＣＳ
Ｒ）と比較して弛度が半減され都市部に架線される送電
線の要求性能を充分満足させることができる。 （３）プリフォームワイヤが撚られているために、曲げ
特性の優れた繊維強化複合素線を実現することができ
る。
【図１】本発明による繊維強化複合素線の製造方法の一
例を示す概略図。
例を示す概略図。
【図２】本発明の方法により製造した繊維強化複合素線
の断面図。
の断面図。
【図３】従来方法により製造した繊維強化複合素線の断
面図。
面図。
【図４】従来の繊維強化複合素線の製造方法の一例を示
す概略図。
す概略図。
【図５】従来の繊維強化複合素線の製造方法の他の例を
示す概略図。
示す概略図。
１ るつぼ １０ ローラーダイス ２ ヒータ １１ ボビン ３ プリフォームワイヤ １２ 電気炉 ４ ニップル １３ アルミ粉末 ５ ダイス １４ アルミ粉末噴出
装置 ６ 芯線 ７ ボビン ８ ガイド ９ 電気炉
装置 ６ 芯線 ７ ボビン ８ ガイド ９ 電気炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 隆行 茨城県日立市川尻町４丁目10番１号 日立 電線株式会社豊浦工場内 (72)発明者 長野 宏治 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 黒田 洋光 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内
Claims (4)
- 【請求項１】 アルミ又はアルミ合金と長尺繊維とから
なる複数本のプリフォームワイヤを、これにアルミ粉末
を塗布した後、アルミの融点以上に加熱した電気炉を通
過させることにより、複数本のプリフォームワイヤを相
互に強固に接着して芯線としたことを特徴とする繊維強
化複合素線の製造方法。 - 【請求項２】 アルミ粉末に微量のニッケル粉末を添加
したことを特徴とする請求項１記載の繊維強化複合素線
の製造方法。 - 【請求項３】 複数本のプリフォームワイヤにアルミ粉
末又はこれにニッケル粉末を含むものを塗布した後、撚
ってから相互に強固に接着して芯線としたことを特徴と
する請求項１又は２記載の繊維強化複合素線の製造方
法。 - 【請求項４】 複数本のプリフォームワイヤを相互に強
固に接着して形成した芯線の外周に、連続押出工程によ
りアルミを被覆したことを特徴とする請求項１又は２又
は３記載の繊維強化複合素線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32832795A JPH09147646A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 繊維強化複合素線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32832795A JPH09147646A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 繊維強化複合素線の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09147646A true JPH09147646A (ja) | 1997-06-06 |
Family
ID=18208999
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32832795A Pending JPH09147646A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 繊維強化複合素線の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09147646A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7131308B2 (en) | 2004-02-13 | 2006-11-07 | 3M Innovative Properties Company | Method for making metal cladded metal matrix composite wire |
-
1995
- 1995-11-22 JP JP32832795A patent/JPH09147646A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7131308B2 (en) | 2004-02-13 | 2006-11-07 | 3M Innovative Properties Company | Method for making metal cladded metal matrix composite wire |
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