JPH09145552A - スピン限界検出装置及びスピン防止装置 - Google Patents

スピン限界検出装置及びスピン防止装置

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JPH09145552A
JPH09145552A JP7301243A JP30124395A JPH09145552A JP H09145552 A JPH09145552 A JP H09145552A JP 7301243 A JP7301243 A JP 7301243A JP 30124395 A JP30124395 A JP 30124395A JP H09145552 A JPH09145552 A JP H09145552A
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yaw
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勝宏 浅野
Masaru Sugai
賢 菅井
Shigenobu Okada
重信 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タイヤのグリップ状態、ドリフトアウト及びス
ピンに対する危険度を簡単、高応答、かつ高精度で検出
する。 【解決手段】加振ヨーモーメント発生手段28は、車両
をヨーイング運動モデルの固有角周波数ω1で加振する
ために、前輪転舵装置20に固有角周波数ω1の正弦波
信号を与え、かつ後輪転舵装置22に前輪転舵装置20
に与える正弦波信号に対して位相が180度異なる固有
角周波数ω1の正弦波信号を与える。加振応答検出手段
30は、車両に加えられた加振ヨーモーメントに対して
応答したヨーレイトの共振成分を検出する。共振特性演
算手段32は、加振ヨーモーメント発生手段28で転舵
した前後輪の転舵量の振幅に対する加振応答検出手段3
0で検出されたヨーレイトの共振成分の振幅の比を求
め、この比からヨーイング運動モデルの共振特性を推定
し、スピンやドリフトアウトの危険度を判定し警報装置
36によって警報する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピン限界検出装
置及びスピン防止装置に係り、特に、ヨーイング振動モ
デルの共振特性から車両全体の接地状態を総合的に推定
するスピン限界検出装置、及びこのスピン限界検出装置
を利用してスピンを防止するスピン防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輪と路面との間の摩擦係数を測定し、
この摩擦係数に基づいて制御を行う技術として、特開平
4−230472号公報に開示された電子制御パワース
テアリング装置が知られている。
【0003】特開平4−230472号公報に開示され
た摩擦係数の測定方法は、コントローラからソレノイド
バルブへ加振信号を入力することにより、例えば後輪を
±1mm相当の舵角、周波数2Hzで周期的に転舵し、
この周期的な転舵により後輪に発生したコーナリングフ
ォースやセルフアライニングトルクに対する反力をロー
ドセル等の反力センサにより検出し、検出された反力の
値に基づいてコーナリングパワーやセルフアライニング
パワーを演算する。そして、これらのパワーと路面摩擦
係数との関係に基づいた演算結果により路面摩擦係数を
計測するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の測定方法の場合、後輪の路面摩擦係数は検出できる
が、ドリフトアウトやスピンに対する危険度がどの程度
に達しているのか等、車両全体としての走行限界に対す
る余裕度を判定することができない、という問題があ
る。
【0005】また、この余裕度を判定するためには、前
輪にも路面摩擦係数を検出する手段を設け、さらに前
輪、後輪の路面摩擦係数から車両全体の状態を推定する
手段を設ける必要がある。そのため、システムが複雑に
なり、コンパクト性、経済性、信頼性の面で不利であ
る。
【0006】さらに、4輪操舵車でなければ適用でき
ず、またコーナリングフォースやセルフアライニングト
ルクに対する反力をロードセル等の反力センサにより直
接検出しているため、路面からの外乱の影響を受けやす
く、検出精度、検出感度の面でも不利である。
【0007】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、その目的は、路面からの外乱が多い環境下で走行
している車両において、タイヤのグリップ状態、ドリフ
トアウト、及びスピンに対する危険度を簡単、高応答、
かつ高精度で検出し、ドライバへの警報、さらには走行
安定化制御への応用を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピン限界検出装置は、車体からなる慣性
体と、タイヤおよび懸架系からなるヨー回転軸回りの捻
ればね要素と、を含むヨーイング運動振動系における慣
性体に、ヨーイング運動振動系の固有角周波数で微小振
動するヨーモーメントを加えて慣性体を微小加振する加
振ヨーモーメント発生手段と、ヨーイング運動振動系の
状態量から加振ヨーモーメント発生手段の微小加振によ
り生じた応答成分を検出する加振応答検出手段と、ヨー
イング運動振動系の共振特性を演算し、共振特性から車
体のスピン限界状態を検出する共振特性演算手段と、を
備えている。
【0009】また、本発明のスピン防止装置は、上記の
スピン限界検出装置と、操舵角から目標ヨーレイトを演
算する目標ヨーレイト演算手段と、目標ヨーレイトと実
ヨーレイトとの差及び前記スピン限界検出装置で演算さ
れたヨーイング運動振動系の共振特性に基づいてスピン
を判定し、アンチスピンモーメントを発生するアンチス
ピンモーメント発生手段と、を備えている。
【0010】まず、車両のヨーイング運動振動系のモデ
ルを導出して、そのモデルを基にして本発明の原理を説
明する。
【0011】4輪車の左右輪の横滑り角が等しいと仮定
しかつ車体のロールを無視すれば、車両の運動を前後2
輪の2輪車モデルで取り扱うことができ、車両運動を記
述する運動方程式は次のようになる。
【0012】 MvV{(dβ/dt)+γ}=2Cf+2Cr・・・(1) Iz(dγ/dt)=2LfCf−2LrCr ・・・(2) ここで、Mvは車両の慣性質量、Vは車速、Cfは前輪
コーナリングフォース、Crは後輪コーナリングフォー
ス、Izはヨーイングモーメント、Lfは車両重心点と
前輪車軸との間の距離、Lrは車両重心点と後輪車軸と
の間の距離、βは車両重心点の横滑り角、γはヨー角速
度(ヨーレイト)、tは時間である。
【0013】一方、前輪のコーナリングパワーをKf、
後輪のコーナリングパワーをKr、前輪の横滑り角をβ
f、後輪の横滑り角をβr、実操舵角をδとすると、前
後輪のコーナリングフォースCf、Crは、次のように
表される。
【0014】 Cf=−Kfβf=−Kf{β+(Lfγ/V)−δ}・・・(3) Cr=−Krβr=−Kr{β−(Lrγ/V)}・・・(4) ここで、前後輪のコーナリングフォースCf、Crは、
いずれも前後輪の横滑り角βf、βrに対して図1のよ
うな飽和特性を示す。
【0015】式(3)、式(4)を式(1)、式(2)
に代入することにより、水平面内の車両運動を記述する
基本的な運動方程式である、次の式(5)、(6)が得
られる。
【0016】 MvV(dβ/dt)+2(Kf+Kr)β +{MvV+2(LfKf−LrKr)/V}γ=2Kfδ ・・・(5) 2(LfKf−LrKr)β+Iz(dγ/dt) +2(Lf2 Kf+Lr2 Kr)γ/V=2LfKfδ ・・・(6) ここで、ヨーイング運動について考察するには、基本的
には式(6)の運動方程式を考えればよい。このヨーイ
ング運動の入力は、図2で示すように各タイヤ10、1
2に発生するヨーモーメント成分Yf,Yrである。こ
の各タイヤに発生するヨーモーメント成分をまとめて表
現すると図3のような1つの摩擦要素14で表された路
面モデルで表現できる。
【0017】この図3のモデルにおいて、車体慣性質量
Mvと路面との間に存在するタイヤ及びサスペンション
の各変形を考慮し、タイヤ及びサスペンションを捻れば
ね要素で近似すれば、図4に示すように摩擦要素14と
捻ればね要素16とを直列接続したモデルとなり、この
系の運動方程式は次のようになる。
【0018】 Iz(dγ/dt)=−Kcθ ・・・(7) ただし、Kcはばね定数、θは車両のヨーイング運動の
回転軸回りの回転角であり、Kcθは次の式(8)で表
されるタイヤ及びサスペンションからなる捻ればね要素
の復元力を示している。なお、式(7)の左辺は、車両
のヨーイング運動に対する慣性力を示している。
【0019】 −Kcθ=−2(LfKf−LrKr)β −2(Lf2 Kf+Lr2 Kr){γ−(dθ/dt)}/V +2LfKfδ ・・・(8) ここで、式(8)の右辺第1項は、車体横滑りによって
生じる前輪と後輪とのコーナリングフォースの差、すな
わち、車体横滑りに起因したヨーモーメントを、右辺第
2項は、ヨーイング運動に対する路面からの抗力を、右
辺第3項は、入力項で実操舵角により発生するヨーモー
メントを示している。
【0020】次に、図4のモデルにおいてヨーイング運
動の回転軸回りに車体を微小振幅で加振させる微小加振
モーメントを加えた時のモデルについて考える。ある動
作点において、加える微小加振モーメントをΔfm、そ
の時の各変数γ、θ、βのある動作点からの微小変位を
Δγ、Δθ、Δβ、前輪の横滑り角βfのある動作点か
らの微小変位をΔβfで表すと、式(7)、(8)より
次の式(9)、(10)が導かれる。
【0021】 Iz{d(γ+Δγ)/dt}=−Kc(θ+Δθ) ・・・(9) −Kc(θ+Δθ) =−2(LfKf−LrKr)β −2(LfKf−LrKr)Δβ −2(Lf2 Kf+Lr2 Kr){γ−(dθ/dt)}/V −2(Lf2 Kf+Lr2 Kr){Δγ−(dΔθ/dt)}/V +2Lf{Kf+(∂Kf/∂βf)Δβf)δ+Δfm ・・・(10) なお、ここでは微小変位Δγ、Δθ、Δβの2次以上の
項は無視している。また、KfとKrは、前後輪の動作
点回りの横滑り角微小変化に対するコーナリングパワー
で、動作点におけるコーナリングフォースの傾きに相当
する。
【0022】次に、Δβ、Δβfは微小加振モーメント
Δfmにより直接的には影響しないこと、またその係数
が小さいことから、Δβ、Δβfに関する項を無視し、
式(7)、式(8)を考慮して動作点回りの運動方程式
を求めると次のようになる。
【0023】 Iz(dΔγ/dt)=−KcΔθ ・・・(11) −KcΔθ =−2(Lf2 Kf+Lr2 Kr){Δγ−(dΔθ/dt)}/V +Δfm ・・・(12) ここで、式(11)より式(12)のΔθを消去すれば
次式が得られる。
【0024】 2Iz(Lf2 Kf+Lr2 Kr)(d2 Δγ/dt2 )/VKc +Iz(dΔγ/dt) +2(Lf2 Kf+Lr2 Kr)Δγ/V =Δfm ・・・(13) したがって、微小加振モーメントからヨーレイトまでの
伝達関数は、次の式(14)の2次遅れ系
【0025】
【数1】 となり、固有角周波数は ωn=√(Kc/Iz) ・・・(15) 減衰係数は
【0026】 ζ=V√(Iz)/{4(Lf2 Kf+Lr2 Kr)√(Kc)} ・・・(16) となる。これが、ヨーイング運動の回転軸回りに微小加
振モーメントを加えた時のヨーイング運動振動系のモデ
ルである。
【0027】次に、上記ヨーイング運動振動系のモデル
を基に本発明の原理について説明する。式(16)にお
いて、Kf、Krは、式(10)で述べたように、動作
点回りの横滑り角微小変化に対する前後輪のコーナリン
グパワーを示しており、動作点におけるコーナリングフ
ォースの傾きに相当する。
【0028】コーナリングフォースCf、Crは横滑り
角に対して図1のような飽和特性を示すので、コーナリ
ングパワーKf、Krは横滑り角が小さいときには原点
におけるコーナリングパワー、いわゆる、コーナリング
スチフネスと略一致する。
【0029】一方、コーナリングフォースCf、Crが
飽和するに従い、コーナリングパワーKf、Krは減少
し、飽和時には0になる。
【0030】なお、タイヤのグリップ力はコーナリング
フォースCf、Crの飽和と共に低下するので、コーナ
リングパワーKf、Krは、タイヤのグリップ状態をも
示している。すなわち、コーナリングパワーKf、Kr
が共にコーナリングスチフネスに近い値を示す時は、タ
イヤが路面に対ししっかりグリップしていることを示し
ている。これに対し、略0になった時には、僅かな外乱
でスピンが発生するような危険な状態にあることを示し
ている。
【0031】一方、ヨーイング運動振動系の減衰係数
は、式(16)よりコーナリングパワーKf、Krが大
きい時には小さくなり、また、コーナリングパワーK
f、Krが小さい時には大きくなるので、コーナリング
パワーKf、Krに対して反比例的に変化することが分
かる。一方、2次遅れ系の減衰係数は、図5に示すよう
に、固有角周波数におけるゲイン(図では分かり易くす
るため正規化して示している)に大きな影響を与える。
すなわち、減衰係数が小さい値の時にはゲインは大き
く、微小加振モーメントに対してヨーレイトは共振特性
を示し、大きく振動する。これに対し、減衰係数が大き
くなると微小加振モーメントに対してヨーレイトは共振
特性を示さなくなり、ほとんど振動しなくなる。
【0032】したがって、ヨーイング振動モデルが固有
角周波数において共振特性を示しているときは、タイヤ
はグリップ状態にあることを示しており、また、共振特
性が減少するときは、タイヤのグリップ力が低下してい
ることを示している。すなわち、共振特性を検出すれば
タイヤのグリップ状態、言い換えれば、スピンやドリフ
トアウトの危険度が判定できることになる。
【0033】本発明は、上記原理を利用したものでヨー
イング運動振動系の慣性体を、このヨーイング運動振動
系の固有角周波数のヨーモーメントで微小加振したとき
の共振特性からタイヤグリップ状態、すなわちスピン限
界状態を検出するものである。このヨーイング運動振動
系は、車両が走行する対象によって異なるが、車両が路
面上を走行するときには、車体からなる慣性体と、タイ
ヤおよび懸架系からなるヨー回転軸回りの捻ればね要素
と、路面とによって構成されることになる。
【0034】本発明では、ヨーイング運動の回転軸回り
にヨーイング振動モデルの固有角周波数で加振したヨー
モーメントを加え、この加えたヨーモーメントに対して
応答したヨーレイトの共振成分を検出するのが好まし
い。そして、この場合には、加振成分に対して応答した
共振成分の比により共振特性を演算し、この比が大きけ
ればタイヤはグリップ状態にあると判断し、逆にこの比
が小さければグリップ力が減少している、すなわち、ス
ピンやドリフトアウトの危険度が増していると判断す
る。
【0035】なお、加振成分に対する応答した共振成分
の比(振動ゲインと呼ぶことにする)と、タイヤのグリ
ップ状態との対応関係は、システムの諸元が決まれば一
意的に定まるものであるため、計算または実測により予
め求めておき、走行時には振動ゲインからその対応関係
に基づき危険度を判定する。
【0036】慣性体は、車輪を微小転舵することにより
微小加振することができる。この場合には、前輪と後輪
とを逆位相で微小転舵すると効果的である。
【0037】また、フライホイールと捻ればねとから成
る回転振動系を設け、この回転振動系の持続振動の反作
用により、またはフライホイールを設け、このフライホ
イールに対してトルク加振した反作用により、慣性体を
微小加振するようにしてもよい。
【0038】このように、本発明では、各輪の接地状態
を個別に検出するのではなく、ヨーイング振動モデルの
共振特性から車両全体の接地状態を総合的に推定するの
で、システム構成が簡単で演算量も少ない。したがっ
て、経済的にも有利で信頼性も高い。また、得られた結
果も、その時点の車両運動の安全度合い(スピンやドリ
フトアウトの危険度)を直接示しており、極めて高応答
でかつ有効な警報情報となる。
【0039】また、ヨーイング振動モデルの固有各周波
数成分で加振しそれに応答した固有角周波数成分のみを
検出するのでホワイトノイズ的に発生する路面外乱の影
響も受けにくく、さらに、共振減少を利用しているので
感度が高いといったメリットもある。その結果、検出精
度も高くなる。
【0040】操舵角から目標ヨーレイトを演算し、この
目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの差及び上記スピン限
界検出装置で演算されたヨーイング運動振動系の共振特
性に基づいてスピンを判定し、アンチスピンモーメント
を発生すれば、車両の走行安定性を高めることができ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)前後輪をアクティブに転舵する装
置を用いてタイヤの接地状態を推定し、スピンやドリフ
トアウトの危険度を判定して警報する第1の実施の形態
について説明する。
【0042】図6は、第1の実施の形態のシステム構成
を示したものである。車両の前輪側車軸には前輪2輪を
同じ方向に転舵する前輪転舵装置20が取り付けられ、
後輪側車軸には後輪2輪を同じ方向に転舵する後輪転舵
装置22が取り付けられている。これらの転舵装置は4
輪操舵装置に利用されている転舵装置を使用することが
できる。ヨーイング運動の回転中心にはヨーレイトを検
出するヨーレイトセンサ24が取り付けられている。ま
た、車両には車速を検出する車速センサ34が取り付け
られている。
【0043】前輪転舵装置20、後輪転舵装置22、ヨ
ーレイトセンサ24、車速センサ34は、マイクロコン
ピュータで構成された制御装置26に接続されている。
また、制御装置26にはブザー等で構成された警報装置
36が接続されている。マイクロコンピュータは、CP
U、後述する制御ルーチンのプログラムを記憶したRO
M、及びRAMを含んで構成されている。
【0044】この制御装置26を機能ブロックで表す
と、加振ヨーモーメント発生手段28、加振応答検出手
段30、及び共振特性演算手段32で表すことができ
る。
【0045】加振ヨーモーメント発生手段28は、車両
をヨーイング運動モデルの固有角周波数ω1で加振する
ための加振ヨーモーメントを発生するために、前輪転舵
装置20に固有角周波数ω1の正弦波信号を与えると共
に、後輪転舵装置22に前輪転舵装置20に与える正弦
波信号に対して位相が180度異なる固有角周波数ω1
の正弦波信号を与え、前輪と後輪とを逆位相で微小転舵
する。
【0046】加振応答検出手段30は、加振ヨーモーメ
ント発生手段28によって車両に加えられた加振ヨーモ
ーメントに対して応答したヨーレイトの共振成分を検出
する。
【0047】共振特性演算手段32は、加振ヨーモーメ
ント発生手段28で転舵した前後輪の転舵量の振幅に対
する加振応答検出手段30で検出されたヨーレイトの共
振成分の振幅の比を求め、この比からヨーイング運動モ
デルの共振特性を推定し、タイヤのグリップ力の低下度
合い、すなわち、スピンやドリフトアウトの危険度を判
定し警報装置36によって警報する。
【0048】すなわち、加振ヨーモーメント発生手段2
8により微小転舵した前後輪の転舵の振幅に対して発生
する加振ヨーモーメントの振幅は、タイヤのグリップ力
の低下と共に減少する。また、加えた加振ヨーモーメン
トの振幅に対してその応答として発生するヨーレイトの
共振成分の振幅は、ヨーイング運動モデルの共振特性か
らタイヤのグリップ力の低下と共に減少する。したがっ
て、転舵振幅に対するヨーレイト振幅は、タイヤのグリ
ップ力の低下と共に単調に減少する。このため、微小転
舵の振幅に対するヨーレイトの共振成分の振幅の比から
タイヤのグリップ力の低下度合いが判断できる。
【0049】そこで、共振特性演算手段32では、微小
転舵の振幅に対するヨーレイトの共振成分の振幅の比か
らグリップ力低下度合いを判定し、判定結果をスピンや
ドリフトアウトの危険度として警報する。なお、微小転
舵振幅に対するヨーレイトの共振成分の振幅の比と、グ
リップ力低下度合いとの対応関係は、システムの諸元が
決まれば一意的に定まるので、予め計算、若しくは実測
により求めてマップを作成しておき、走行時にはマップ
に基づきオンラインで危険度を判定する。
【0050】次に図7を参照して制御装置26の加振ヨ
ーモーメント発生手段28、加振応答検出手段30、及
び共振特性演算手段32によって実行される制御ルーチ
ンについて説明する。この制御ルーチンはイグニッショ
ンスイッチオンで起動され、ステップ100において車
速が所定値以上か否かが判断される。車速が所定値以
上、すなわちドリフトアウトやスピンが発生する可能性
がある車速で走行しているときには、ステップ102に
おいて上記で説明したように、前輪と後輪とを逆位相で
微小転舵する。
【0051】次のステップ104では、ヨーレイトセン
サ24出力に基づいて車両に加えられた加振ヨーモーメ
ントに対して応答したヨーレイトの共振成分を検出す
る。
【0052】次のステップ106では、前後輪の微小転
舵量とヨーレイトの共振成分の振幅との比(ヨーレイト
の共振成分の振幅/前後輪の微小転舵量)の逆数をスピ
ンやドリフトアウトの危険度として求め、ステップ10
8において求めた危険度が予め設定した所定値以上か否
かを判断する。そして、危険度が所定値以上のときは、
スピンやドリフトアウトの危険性があるためステップ1
10において警報装置36から警報を発生する。
【0053】ステップ112では、イグニッションスイ
ッチがオフになったか否かを判断し、イグニッションス
イッチオフの場合にはこのルーチンを終了する。
【0054】なお、上記では危険度を(前後輪の微小転
舵量/ヨーレイトの共振成分の振幅)の逆数で求めた
が、この比自体を用いてもよい。
【0055】以上説明したように、本実施の形態では、
各輪の接地状態を個別に検出するのではなく、ヨーイン
グ振動モデルの共振特性から車両全体の接地状態を総合
的に推定しているので、システム構成が簡単でかつ演算
量も少なくなる。
【0056】したがって、経済的に有利で信頼性も高く
なる。また、得られた結果も、その時点の車両運動の安
全度(スピンやドリフトアウトの危険度)を直接示して
おり、極めて高応答でかつ有効な警報情報となる。
【0057】また、ヨーイング振動モデルの固有角周波
数成分で加振し、この加振に応答した共振成分、すなわ
ち固有角周波数成分のみを検出するのでホワイトノイズ
的に発生する路面外乱の影響も受け難く、さらに、共振
現象を利用しているので感度が高い、というメリットも
ある。その結果、検出精度も高くなる。
【0058】さらに、本実施の形態では、前後輪をヨー
イング振動モデルの固有角周波数で逆位相で微小転舵す
ることにより加振ヨーモーメントを発生させており、こ
の場合、タイヤのグリップ力の低下と共に発生する加振
ヨーモーメントも減少するため、転舵の振幅とヨーレイ
トの振幅との比は相乗的に大きく変化することになる。
したがって、検出感度はさらに向上する。
【0059】なお、本実施の形態では、4輪全てを使用
して加振ヨーモーメントを発生させているが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば、4輪の内、1
輪のみ、2輪のみ、または3輪のみを転舵して、同様に
加振ヨーモーメントを発生させてもよい。この場合にも
ヨーイング運動振動系は上記と同様の共振特性を示すの
で本発明を実現できる。この場合、加振効率が減少する
とか、横力成分が発生するなどの問題があるものの、シ
ステムはより簡単になり経済性、信頼性の面で有利にな
る。 (第2の実施の形態)次に、フライホイールと捻ればね
から構成され、かつ固有角周波数がヨーイング振動モデ
ルの固有角周波数と等しい振動系を利用して、ヨーモー
メントを加振する第2の実施の形態について説明する。
【0060】図8は、第2の実施の形態のシステム構成
を示している。車体のヨーイング運動回転中心には、回
転中心回りに回転可能にフライホイール40の回転軸の
一端が摩擦の少ないベアリングを介してルーフ側に取り
付けられ、フライホイール40の回転軸の他端は捻れば
ね42を介してフロア側に固定されている。
【0061】また、フライホイール40の回転軸の一端
には、加振モーメント発生手段28によってフライホイ
ール40をヨーイング運動回転中心回りに微小回転する
ための駆動装置44の出力軸が連結されている。駆動装
置44としては、トルク制御の容易なモータ等が好まし
い。
【0062】ここで、フライホイール40と捻ればね4
2からなる振動系の固有角周波数は、ヨーイング振動モ
デルの固有角周波数と等しくなるよう設計されている。
なお、その他の構成については第1の実施の形態と同様
であるので説明を省略する。
【0063】このシステムにおいて、加振ヨーモーメン
ト発生手段28は、フライホイール40と捻ればね42
とから成る振動系が持続的に微小往復回転振動するよう
に、駆動装置44を制御してフライホイール40に加振
トルクを与える。このとき、車体には振動系の回転振動
の反作用として加振ヨーモーメントが発生する。
【0064】一方、加振応答検出手段30は、加振ヨー
モーメント発生手段28により車両に加えられたヨーモ
ーメントに対して応答したヨーレイトの共振成分を検出
する。
【0065】共振特性演算手段32は、加振応答検出手
段30で検出されたヨーレイトの共振成分と、加振ヨー
モーメント発生手段28で回転振動させた振動系の回転
振動振幅との比を求め、この比からヨーイング運動系の
共振特性を推定しタイヤのグリップ力の低下度合い、す
なわち、スピンやドリフトアウトの危険度を判定し警報
装置36によって警報する。
【0066】上記構成において、加振ヨーモーメント発
生手段28により加振した振動系の回転振幅とその振動
の反作用として車体に作用する加振ヨーモーメントとは
比例関係にある。一方、発生した加振ヨーモーメントに
対しその応答として発生するヨーレイトの共振成分の振
幅は、ヨーイング運動系の共振特性に基づいて、タイヤ
のグリップ力の低下と共に減少する。したがって、フラ
イホイールと捻ればねとから成る振動系の回転振幅に対
するヨーレイト振幅は、タイヤのグリップ力の低下と共
に減少することになり、回転振動振幅に対するヨーレイ
ト共振成分振幅の比からタイヤのグリップ力低下度合い
が判断できる。
【0067】そこで、共振特性演算手段32では、回転
振動の振幅とヨーレイトの共振成分の振幅と比からグリ
ップ力低下度合いを判定し、判定結果をスピンやドリフ
トアウトの危険度として警報する。なお、この振幅比と
グリップ力低下度合いとの対応関係は、予め車両諸元か
ら計算、若しくは実測によりマップとして求めておき、
走行時にはこのマップに基づきオンラインでスピンやド
リフトアウトの危険度を判定し警報する。
【0068】なお、本実施の形態の制御ルーチンは第1
の実施の形態の制御ルーチンと同様であるので説明を省
略する。
【0069】このように、本実施の形態では、各輪の接
地状態を個別に検出するのではなく、ヨーイング振動系
の共振特性から車両全体の接地状態を総合的に推定する
のでシステム構成が簡単で演算量も少なくなる。したが
って、経済的に有利で信頼性も高くなる。また、得られ
た結果も、その時点の車両運動の安全度(スピンやドリ
フトアウトの危険度)を直接示しており、極めて高応答
でかつ有効な警報情報となる。また、ヨーイング振動系
の固有角周波数成分で加振しそれに応答した固有角周波
数成分のみを検出しているので、ホワイトノイズ的に発
生する路面外乱の影響も受け難く、さらに、共振現象を
利用しているので感度が高いといったメリットもある。
その結果、検出精度も高くなる。
【0070】さらに、本実施例では、回転振動系を加振
しその反作用により加振ヨーモーメントを発生させてい
るので、加振トルクは、必ずしも正弦波状である必要は
なく、持続振動が減少した時に間欠的にステップ状の加
振トルクを加えるだけでも十分である。そのため、加振
ヨーモーメント発生手段の構成が簡単になり、かつ制御
も容易になる、という効果が得られる。
【0071】なお、本実施の形態では、フライホイール
のみを設け、駆動装置によって微小往復回転させて加振
するようにしてもよい。 (第3の実施の形態)次に、フライホイールを駆動した
ときの反作用を利用して、車両をヨーイング振動系の固
有角周波数でヨーモーメント運動の軸回りに加振し、ス
ピン時に、安定化のためのヨーモーメントを発生する第
3の実施の形態について説明する。
【0072】図9は、第3の実施の形態のシステム構成
を示すものであり、車体のヨーイング運動の回転中心に
は、フライホイール40の回転軸の両端が摩擦の少ない
ベアリングを介して車体のルーフ側とフロア側とに取り
付けられている。フライホイール40の回転軸には、ト
ルク制御の容易なモータ等で構成された駆動装置44の
出力軸が連結されている。また、車体のヨーイング運動
の回転中心にはヨーレイトセンサ24が取り付けられて
いる。そして、ステアリングの操舵角より前輪の操舵角
を検出する操舵角センサ50がステアリングコラムに取
り付けられている。
【0073】マイクロコンピュータで構成された制御装
置26は、第1の実施形態と同様に機能ブロックで表さ
れており、第1の実施形態と同様の機能ブロックには同
一符号を付して説明を省略するが、本実施の形態では目
標ヨーレイト演算手段52及びアンチスピンモーメント
発生手段54が新たに設けられている。
【0074】操舵角センサ50は、検出された操舵角に
1次フィルター処理を施すことにより目標ヨーレイトを
演算する目標ヨーレイト演算手段52に接続されてい
る。この目標ヨーレイト演算手段52はアンチスピンモ
ーメント発生手段54に接続され、アンチスピンモーメ
ント発生手段54はヨーレイトセンサ24、駆動装置4
4及び共振特性演算手段32に接続されている。
【0075】このシステムにおいて、加振ヨーモーメン
ト発生手段28は、駆動装置44を制御し、ヨーイング
運動系の固有角周波数でフライホイール40に加振トル
クを正逆転方向に与える。このとき、車体にはフライホ
イールに加えた加振トルクの反作用としてヨーイング運
動の回転軸回りに微小振動する加振ヨーモーメントが発
生する。
【0076】加振応答検出手段30は、加振ヨーモーメ
ント発生手段28により車両に印加された加振ヨーモー
メントに対して応答したヨーレイトの共振成分を検出す
る。
【0077】共振特性演算手段32は、加振応答検出手
段30で検出されたヨーレイトの共振成分の振幅と、加
振ヨーモーメント発生手段28で発生した加振ヨーモー
メントの振幅との比を求め、この比からヨーイング運動
モデルの共振特性を推定し、タイヤのグリップ力の低下
度合い、すなわち、スピンやドリフトアウトの危険度を
判定し警報装置36を介して警報する。
【0078】上記構成において、加振ヨーモーメント発
生手段28によりフライホイール40に加えた加振トル
クとこの加振トルクの反作用として車体に発生した加振
ヨーモーメントとは一致する。一方、発生した加振ヨー
モーメントの振幅に対しその応答として発生するヨーレ
イトの共振成分の振幅は、ヨーイング運動系の共振特性
に従い、タイヤのグリップ力の低下と共に減少する。し
たがって、加振トルクの振幅に対するヨーレイトの共振
成分の振幅の比からタイヤのグリップ力低下度合いが判
断できる。
【0079】そこで、共振特性演算手段32では、加振
トルクの振幅とヨーレイトの共振成分の振幅との比から
グリップ力低下度合いを判定し、判定結果をスピンやド
リフトアウトの危険度として警報する。なお、この振幅
比とグリップ力低下度合いとの対応関係は、予め車両諸
元から計算、若しくは実測によりマップとして求めてお
き、走行時にはこのマップに基づきオンラインでスピン
やドリフトアウトの危険度を判定し警報する。
【0080】また、フライホイールを駆動した時の反作
用は、スピン時のアンチスピンモーメントとしても利用
できる。そこで、アンチスピンモーメント発生手段54
は、目標ヨーレイト演算手段52からの目標ヨーレイト
とヨーレイトセンサ24で検出した実ヨーレイトとから
ヨーレイト誤差を求めると共に、共振特性演算手段32
からスピンやドリフトアウトの危険度を入力する。すな
わち、スピンやドリフトアウトの危険度が高くかつヨー
レイト誤差が大きい場合には、スピン状態と判定し、フ
ライホイールを駆動してアンチスピンモーメントを反作
用として発生させて実ヨーレイトを目標ヨーレイトに追
従させる。
【0081】次に、図10を参照して制御装置26の各
手段により実行される制御ルーチンを説明する。なお、
図10において図7と対応する部分には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0082】スピンやドリフトアウトの危険度が高いた
め警報を発生した後、次のステップ114では目標ヨー
レイト演算手段52により操舵角センサ50で検出され
た操舵角に1次フィルター処理を施すことにより目標ヨ
ーレイトを演算し、ステップ116ではヨーレイトセン
サ24で検出した実ヨーレイトを取り込む。
【0083】ステップ118において目標ヨーレイトと
実ヨーレイトとの差であるヨーレイト誤差を演算する。
そして、ヨーレイト誤差が所定値以上の場合、すなわち
スピンやドリフトアウトの危険度が高く(ステップ10
8)、かつ、ヨーレイト誤差が大きい場合には、スピン
状態と判定し、アンチスピンモーメント発生手段54で
フライホイールを駆動してアンチスピンモーメントを反
作用として発生させる。これによって、スピンやドリフ
トアウトを打ち消す方向のモーメントが発生し、車両の
走行安定性が高まる。
【0084】このように、本実施の形態では、各輪の接
地状態を個別に検出するのではなく、ヨーイング振動モ
デルの共振特性から車両全体の接地状態を総合的に推定
するのでシステム構成が簡単で演算量も少なくなる。し
たがって、経済的に有利で信頼性も高くなる。また、得
られた結果も、その時点の車両運動の安全度(スピンや
ドリフトアウトの危険度)を直接示しており、極めて高
応答でかつ有効な警報情報となる。また、ヨーイング振
動モデルの固有角周波数成分で加振しそれに応答した固
有角周波数成分のみを検出するので、ホワイトノイズ的
に発生する路面外乱の影響も受け難く、さらに、共振現
象を利用しているので感度が高いといったメリットもあ
る。その結果、検出精度も高くなる。
【0085】さらに、本実施の形態では、加振ヨーモー
メントを発生させるためのフライホイールをアンチスピ
ンモーメントを発生するための手段として利用している
ので、特別な装置を付加することなくアンチスピン制御
が実現できる。そのため、スピンの警報からスピンの抑
制制御までのシステムの構成が簡単で、かつ制御も容易
になる、という効果が得られる。
【0086】なお、上記では式(11)〜式(16)及
び図4のモデルを使用して本発明を説明したが、これら
は近似モデルの1つであり、本発明はこれらのモデルを
使用する場合に限定されるものではなく、より複雑な近
似モデル、または、より簡単な近似モデルを使用して
も、共振現象を表現できれば本発明を実現できるもので
ある。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスピン限
界検出装置及びスピン防止装置によれば、ヨーイング振
動モデルの共振特性から車両全体の接地状態を総合的に
推定するので、システム構成が簡単で演算量も少なくな
り、経済的にも有利で信頼性が高いスピン限界検出装置
及びスピン防止装置を提供できる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーナリングフォースと横滑り角との関係を示
す線図である。
【図2】ヨーイング運動の入力を説明するための概略図
である。
【図3】摩擦要素で表された路面モデルを示す概略図で
ある。
【図4】タイヤ及びサスペンションを捻ればね要素で近
似したモデルを示す概略図である。
【図5】2次遅れ系の減衰係数と固有角周波数における
ゲインとの関係を示す線図である。
【図6】第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態の制御ルーチンを示す流れ図
である。
【図8】第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】第3の実施の形態の制御ルーチンを示す流れ
図である。
【符号の説明】
24 ヨーレイトセンサ 40 フライホイール 42 捻じればね 44 駆動装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体からなる慣性体と、タイヤおよび懸架
    系からなるヨー回転軸回りの捻ればね要素と、を含むヨ
    ーイング運動振動系における慣性体に、ヨーイング運動
    振動系の固有角周波数で微小振動するヨーモーメントを
    加えて慣性体を微小加振する加振ヨーモーメント発生手
    段と、 ヨーイング運動振動系の状態量から加振ヨーモーメント
    発生手段の微小加振により生じた応答成分を検出する加
    振応答検出手段と、 ヨーイング運動振動系の共振特性を演算し、共振特性か
    ら車体のスピン限界状態を検出する共振特性演算手段
    と、 を含むスピン限界検出装置。
  2. 【請求項2】加振ヨーモーメント発生手段は、車輪を微
    小転舵することにより慣性体を微小加振することを特徴
    とする請求項1記載のスピン限界検出装置。
  3. 【請求項3】加振ヨーモーメント発生手段は、前輪と後
    輪とを逆位相で微小転舵することにより慣性体を微小加
    振することを特徴とする請求項1記載のスピン限界検出
    装置。
  4. 【請求項4】加振ヨーモーメント発生手段は、フライホ
    イールと捻ればねとから成る回転振動系を備え、該回転
    振動系の持続振動の反作用により慣性体を微小加振する
    ことを特徴とする請求項1記載のスピン限界検出装置。
  5. 【請求項5】加振ヨーモーメント発生手段は、フライホ
    イールを備え、該フライホイールに対してトルク加振し
    た反作用により慣性体を微小加振することを特徴とする
    ことを特徴とする請求項1記載のスピン限界検出装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の
    スピン限界検出装置と、 操舵角から目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト演
    算手段と、 目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの差及び前記スピン限
    界検出装置で演算されたヨーイング運動振動系の共振特
    性に基づいてスピンを判定し、アンチスピンモーメント
    を発生するアンチスピンモーメント発生手段と、 を含むスピン防止装置。
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