JPH09145009A - 気水分離器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気発生器の気水分離器セパレータで水・蒸
気混合流体を水と蒸気に完全に分離すること。 【解決手段】 セパレータ内筒（１１）内下部に旋回ベ
ーンを設け、同セパレータ内筒の上部内壁に２段の衝突
板を配し、それら衝突板の下方に近接するセパレータ内
筒壁にスリット孔（１７）を開ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気発生器の気水
分離器に適用されるセパレータの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の気水分離器のセパレータ構
造の一例を示す縦断面図である。１段目セパレータ内筒
（０１）内の水・蒸気混合流体（０７）は、旋回ベーン
（０４）によって遠心分離され、水は外壁に押し出され
る。外壁の水（０８）は、１段目セパレータ外筒（０
２）と１段目セパレータ内筒（０１）の隙間から排出さ
れる。また分離された蒸気（０９）は、１段目オリフィ
ス（０３）を通過して２段目セパレータ内筒（０５）に
入る。ここで再度１段目セパレータと同様に遠心分離さ
れ、水と蒸気に分離される。水は２段目セパレータ内筒
（０５）と２段目セパレータ外筒（０６）のすき間から
流出して気水分離される。蒸気はさらに図示しない湿分
分離器へ送られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】蒸気発生器に適用され
る気水分離器の性能を向上させるための手法のひとつと
して、水と蒸気の混合流体（湿り蒸気）を水と空気に完
全分離することが必要である。しかし前記した従来の気
水分離器では、セパレータ内で水と蒸気が完全に分離さ
れず、液相ラインに蒸気が混合している。したがって液
体での伝熱性能が悪い。

【０００４】本発明は、水・蒸気混合流体を完全に分離
し液相のみ循環させて、伝熱性能を向上させようとする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来の
課題を解決するために、蒸気発生器に適用される気水分
離器において、セパレータ内筒内下部に旋回ベーンを設
けるとともに、同セパレータ内筒の上部内壁に複数段の
衝突板を取付け、かつそれら衝突板の下方に近接する上
記セパレータ内筒壁にスリット孔を開けたことを特徴と
する気水分離器を提案するものである。

【０００６】本発明では、旋回ベーンをセパレータ内筒
内の下部に設けたので、水・蒸気混合流体中の水は遠心
力によって外壁に押し出される。また、セパレータ内筒
の上部内壁に複数段の衝突板を取付け、その下方に近接
してスリット孔を開けたので、遠心分離された水はスリ
ット孔から排出される。このように、混合流体から遠心
分離された水は、セパレータ内筒とセパレータ外筒の隙
間から排出されやすくなり、水と蒸気を完全に分離する
ことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の第１形態を
示す縦断面図である。本実施形態では、水・蒸気混合流
体（０７）は、入口管（１３）を通過し旋回ベーン（１
４）によって遠心分離される。遠心分離された水（０
８）は、１段目衝突板（１５）に当たり、セパレータ内
筒（１１）のスリット孔（１７）を通って、セパレータ
内筒（１１）とセパレータ外筒（１２）のすき間から排
出される。また、充分に分離しきらない水・蒸気混合流
体（０７）は、さらに旋回上昇して２段目衝突板（１
６）によって再度スリット孔（１７）から水（０８）の
みが排出される。ここで蒸気（０９）は、波板ダクト
（１９）より放出される。また、上段オリフィス（１
８）は、流路を絞ることによってスリット孔（１７）か
ら水が出やすくしたものである。

【０００８】なお、衝突板（１５），（１６）は、ほぼ
円錐状の皿型で、遠心分離された水（０８）をスリット
孔（１７）に向かい易くしている。またセパレータ内の
衝突板の頂角は、約１２０度位が適当と考えられる。

【０００９】図２は本発明の実施の第２形態を示す縦断
面図である。本実施形態でも、水・蒸気混合流体（０
７）は、入口管（２３）を通過し旋回ベーン（２４）に
よって遠心分離される。遠心分離された水（０８）は、
１段目衝突板（２５）に当たりセパレータ内筒（２１）
のスリット孔（２７）を通って、セパレータ内筒（２
１）とセパレータ外筒（２２）のすき間から排出され
る。また充分に分離しきらない水・蒸気混合流体（０
７）は、さらに旋回上昇して２段目衝突板（２６）によ
って再度スリット孔（２７）から水（０８）のみが排出
される。ここで蒸気（０９）は、波板ダクト（２９）よ
り放出される。また、上段オリフィス（２８）は、流路
を絞ることによってスリット孔（２７）から水が出やす
くしたものである。

【００１０】本実施形態の衝突板（２５），（２６）
は、前記第１実施形態の衝突板（１５），（１６）と形
状が異なる。本実施形態の衝突板（２５），（２６）の
内径は、セパレータ内筒（２１）の内径の約１／２が最
適と推定される。

【００１１】

【発明の効果】本発明においては、セパレータ内筒に衝
突板を設けるので、水が排出されやすい。また、衝突板
を複数段設けることによって水の排出効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施の第１形態を示す縦断面図
である。

【図２】図２は本発明の実施の第２形態を示す縦断面図
である。

【図３】図３は従来の気水分離器のセパレータの一例を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

（０１） １段目セパレータ内筒 （０２） １段目セパレータ外筒 （０３） １段目オリフィス （０４） 旋回ベーン （０５） ２段目セパレータ内筒 （０６） ２段目セパレータ外筒 （０７） 水・蒸気混合流体（湿り蒸気） （０８） 水 （０９） 蒸気 （１１），（２１） セパレータ内筒 （１２），（２２） セパレータ外筒 （１３），（２３） 入口管 （１４），（２４） 旋回ベーン （１５），（２５） １段目衝突板 （１６），（２６） ２段目衝突板 （１７），（２７） スリット孔 （１８），（２８） 上段オリフィス （１９），（２９） 波板ダクト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸気発生器に適用される気水分離器にお
   いて、セパレータ内筒内下部に旋回ベーンを設けるとと
   もに、同セパレータ内筒の上部内壁に複数段の衝突板を
   取付け、かつそれら衝突板の下方に近接する上記セパレ
   ータ内筒壁にスリット孔を開けたことを特徴とする気水
   分離器。