JPH09144768A - 低圧用ワンタッチ・ジョイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡略な構造により、形状の小型化および操作
の簡便化を図る。 【解決手段】 プラグ１３の挿口１５は、先端部を軸心
方向に沿って複数の揺動片１９に分割形成し、揺動片１
９の外周面に径方向に突出する断面円弧状の突起部２０
を周面に沿って形成してなり、ソケット１４の受口１７
は、内周面に軸心方向で突起部２０を係止する断面円弧
状の溝部２４を周面に沿って形成してなり、受口１７の
内周面ないしは挿口１５の外周面の何れかに環状溝２２
を形成し、この環状溝２２内に位置して受口１７の内周
面と挿口１５の外周面との間をシールするＯリング２３
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、下水や廃水を膜分
離処理する浸漬型膜分離装置に係り、浸漬型膜分離装置
を構成する複数の膜カートリッジのそれぞれとヘッダー
（集水管）とを連通するチューブの中間ジョイントとし
て使用する低圧用ワンタッチ・ジョイントに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図４に示すように、下水や廃水を
膜分離処理する浸漬型膜分離装置１は、下部ケーシング
２の内部に散気装置３が配置してあり、上部ケーシング
４の内部に複数の膜カートリッジ５が上下方向に沿っ
て、かつ適当間隔をあけて平行に配列してある。各膜カ
ートリッジ５は、膜を透過した処理水を取り出すため
に、導水チューブ６を介してヘッダー７に連通してい
る。導水チューブ６は、可撓性を有し樹脂等の材質によ
り形成してあり、途中に中間ジョイント８が介装してあ
る。各膜カートリッジ５を取り出すときには、中間ジョ
イント８において結合を解除する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいては、吸引ポンプ等により導水チューブ６を通して
膜カートリッジ５に吸引負圧を作用させて駆動圧力とし
ての膜間差圧を発生させていたので、中間ジョイント８
の結合部における内外差圧も比較的大きなものとなり、
この圧力下において完全な止水性を確保するためには、
中間ジョイント８の構造が複雑なものとならざるを得な
かった。このため、中間ジョイント８は、形状が大きく
なるとともに、操作が煩雑となる問題があり、ましてや
隣接し合う膜カートリッジ５の間隔が８mm程度の狭い間
隔であることから、中間ジョイント８の結合・解除の操
作を行うことに手間の係る問題があった。また、廃水等
は腐食性を有するので、中間ジョイント８に金属製のば
ね等を使用すると、腐食して中間ジョイント８の機能が
損壊する恐れがあった。

【０００４】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、簡略な構造により、形状の小型化および操作の簡便
化を図った低圧用ワンタッチ・ジョイントを提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の低圧用ワンタッチ・ジョイントは、低
圧流体が流通するチューブの途中において継手を構成す
るものであって、相互に嵌合し合うプラグとソケットか
らなり、ソケットは、先端側に形成した受口と、基端側
に形成したチューブに対する接続口とを有し、プラグ
は、先端側に形成した挿口と、基端側に形成したチュー
ブに対する接続口とを有し、挿口は、先端部を軸心方向
に沿って複数の揺動片に分割形成しており、揺動片の外
周面に径方向に突出する突起部を周面に沿って有し、受
口は内周面に軸心方向で突起部を係止する溝部を周面に
沿って有し、突起部と溝部の少なくとも何れか一方は離
脱時に突起部を揺動片の付勢力に抗して径方向の内側に
導く案内面を有し、受口の内周面ないしは挿口の外周面
の何れかに環状溝を形成し、この環状溝内に位置して受
口の内周面と挿口の外周面との間をシールするＯリング
を備えたものである。

【０００６】ここで、突起部と溝部は断面円弧状をな
し、突起部の外周面および溝部の内周面が案内面を形成
するものである。ここで、プラグおよびソケットは、そ
れぞれ耐食性樹脂材により一体成形したものである。

【０００７】上記した構成により、接続作業は、ソケッ
トの受口にプラグの挿口を挿入するだけでよい。このと
き、挿口の先端部の各揺動片が径方向に撓んで縮径する
状態で、揺動片の突起部が受口の内周面上を摺動し、ソ
ケットとプラグが完全に接合する状態において揺動片が
弾性により径方向外側に復動し、突起部が溝部に嵌合す
る。接合状態においては、ソケットの溝部とプラグの突
起部とが軸心方向で相互に係止し合い、揺動片が自身の
弾性力において突起部が溝部から抜け出ることを阻止す
ることにより、ソケットとプラグの抜止がなされる。ま
た、チューブを通ってプラグおよびソケットに流入する
流体は低圧下において流通するので、Ｏリングによって
ソケットの内周面とプラグの外周面の間を十分にシール
することができる。

【０００８】離脱作業時には、プラグとソケットを強制
的に分離する方向に適当な力を加えるだけでよい。この
とき、突起部は案内面に案内されて揺動片の弾性力に抗
して径方向の内側に変位して溝部から抜け出し、プラグ
とソケットが分離する。

【０００９】また、突起部と溝部が断面円弧状をなすこ
とにより、プラグとソケットに分離方向に力を加わえる
状態において、突起部と溝部の双方の案内面は初期時に
抜け出し方向に対してほぼ垂直な部位にて相互に当接し
て強い抵抗性を示すが、抜け出し始めると、突起部の円
弧状の案内面上を溝部の開口周縁部が摺動することによ
り抵抗性が小さくなる。よって、大きな抜け出し抵抗性
と容易な分離性を具現することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１〜図３において、低圧用ワンタ
ッチ・ジョイント１１は、水頭で２〜３ｍの低圧流体が
流通するチューブ１２の途中において継手を構成するも
のであって、耐食性樹脂材により一体成形した嵌合し合
うプラグ１３およびソケット１４からなる。

【００１１】プラグ１３は、先端側に挿口１５が形成し
てあり、基端側にチューブ１２に対する接続口１６が形
成してある。ソケット１４は、先端側に受口１７が形成
してあり、基端側にチューブ１２に対する接続口１８が
形成してある。

【００１２】挿口１５は、先端部が軸心方向に沿って複
数の揺動片１９に分割形成してあり、揺動片１９の外周
面に径方向に突出する断面円弧状の突起部２０が周面に
沿って形成してある。挿口１５は、基端部に各揺動片１
９を保持する胴部２１を有し、胴部２１に形成した環状
溝２２に受口１７の内周面と挿口１５の外周面との間を
シールするＯリング２３を保持している。受口１７は、
内周面の奥端に断面円弧状の溝部２４が周面に沿って形
成してあり、溝部２４は軸心方向で突起部２０を係止す
る。

【００１３】以下、上記構成における作用を説明する。
接続作業を行う時には、ソケット１４の受口１７にプラ
グ１３の挿口１５を挿入するだけでよい。このとき、挿
口１５の先端部の各揺動片１９が径方向に撓んで縮径す
る状態で、揺動片１９の突起部２０が受口の内周面上を
摺動し、ソケット１４とプラグ１３が完全に接合する状
態において揺動片１９が弾性により径方向外側に復動
し、突起部２０が溝部２４に嵌合する。

【００１４】接合状態においては、ソケット１４の受口
１７の溝部２４とプラグ１３の揺動片１９の突起部２０
とが軸心方向で相互に係止し合い、揺動片１９が自身の
弾性力において突起部２０が溝部２４から抜け出ること
を阻止することにより、ソケット１４とプラグ１３の抜
止がなされる。また、チューブ１２を通ってプラグ１３
およびソケット１４に流入する流体は低圧下において流
通するので、Ｏリング２３によってソケット１４の内周
面とプラグ１３の外周面の間を十分にシールすることが
できる。

【００１５】離脱作業時には、プラグ１３とソケット１
４を強制的に分離する方向に適当な力を加えるだけでよ
い。このとき、突起部２０が円弧状の外周面において溝
部２４の円弧状の内周面に案内され、揺動片１９が弾性
力に抗して縮径し、突起部２０が溝部２４から抜け出
て、プラグ１３とソケット１４が分離する。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、受
口に挿口を挿入するだけで揺動片の突起部と受口の溝部
とが人為的な力を要することなく自然に嵌合して接合作
業が完了する。また、ソケットとプラグが離間する方向
に適当な力を加えるだけで突起部と受口の溝部とが人為
的な力を要することなく自然に離脱して離脱作業が完了
する。また、低圧流体であるがために、ソケットの内周
面とプラグの外周面との間のシールは、Ｏリングによっ
て十分に果たすことができる。よって、操作の簡便化と
構造の簡略化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態における低圧用ワンタッチ・
ジョイントの断面図である。

【図２】同実施形態におけるソケットの斜視図である。

【図３】同実施形態におけるプラグの斜視図である。

【図４】従来の膜分離装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１１ 低圧用ワンタッチ・ジョイント １２ チューブ １３ プラグ １４ ソケット １５ 挿口 １７ 受口 １６，１８ 接続口 １９ 揺動片 ２０ 突起部 ２１ 胴部 ２２ 環状溝 ２３ Ｏリング ２４ 溝部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 清司 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目２番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 谷田 昌大 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目２番47号 株式会社クボタ内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 低圧流体が流通するチューブの途中にお
   いて継手を構成するものであって、相互に嵌合し合うプ
   ラグとソケットからなり、ソケットは、先端側に形成し
   た受口と、基端側に形成したチューブに対する接続口と
   を有し、プラグは、先端側に形成した挿口と、基端側に
   形成したチューブに対する接続口とを有し、 挿口は、先端部を軸心方向に沿って複数の揺動片に分割
   形成しており、揺動片の外周面に径方向に突出する突起
   部を周面に沿って有し、受口は内周面に軸心方向で突起
   部を係止する溝部を周面に沿って有し、突起部と溝部の
   少なくとも何れか一方は離脱時に突起部を揺動片の付勢
   力に抗して径方向の内側に導く案内面を有し、受口の内
   周面ないしは挿口の外周面の何れかに環状溝を形成し、
   この環状溝内に位置して受口の内周面と挿口の外周面と
   の間をシールするＯリングを備えたことを特徴とする低
   圧用ワンタッチ・ジョイント。
2. 【請求項２】 突起部と溝部は断面円弧状をなし、突起
   部の外周面および溝部の内周面が案内面を形成すること
   を特徴とする請求項１記載の低圧用ワンタッチ・ジョイ
   ント。