JPH09143381A - キノフタロン系色素化合物 - Google Patents

キノフタロン系色素化合物

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JPH09143381A
JPH09143381A JP30921895A JP30921895A JPH09143381A JP H09143381 A JPH09143381 A JP H09143381A JP 30921895 A JP30921895 A JP 30921895A JP 30921895 A JP30921895 A JP 30921895A JP H09143381 A JPH09143381 A JP H09143381A
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JP
Japan
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acid
compound
formula
quinophthalone
compd
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JP30921895A
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English (en)
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Yukichi Murata
勇吉 村田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にプラスチックなどの着色に適したキノフ
タロン系色素化合物を提供する。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、Xは水素原子又は臭素原子を表わし、Yは有機
及び無機の酸化合物を表わす)の分子間造塩構造を有す
るキノフタロン系色素化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なキノフタロン
系色素化合物に関する。更に詳しくは、耐光性、耐熱性
等の諸堅牢性に優れており、塗料用、印刷インキ用の
他、特に各種のプラスチック等の着色剤に好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックの着色に使用できる
キノフタロン系の色素化合物としては、キノリンイエロ
ー等の油溶性染料があったが、一般に耐光性、耐熱性等
が劣っていた。そして、プラスチックの着色に使用する
色素には、樹脂に対する溶解性や分散性は勿論、耐熱
性、耐昇華性、耐薬品性の他、得られた着色品に対する
色調の解明性、耐光性、耐移行性が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来よりも
耐光性、耐熱性等の諸堅牢性に優れた黄色系の色素化合
物を提供しようとするものである。そして特に、樹脂の
着色剤として使用した際に、色素の耐移行性(耐ブリー
ディング性、耐ブルーミング性)にも優れた色素化合物
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式
(1)で表わされる分子間造塩構造を有するキノフタロ
ン系色素化合物に関する。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Xは水素原子又は臭素原子を表わ
し、Yは有機もしくは無機の酸を表わす)
【0007】
【発明の実施の態様】本発明に於いて、Yで表わされる
有機の酸としては各種のカルボン酸、スルホン酸、ホス
ホン酸、ホスフィン酸などが挙げられ、又、無機の酸と
しては塩酸、硫酸、燐酸などが挙げられる。カルボン酸
は、RCOOH(Rはアルキル基又はアリール基を表わ
す)で示されるものが好適だが、その具体例としては、
炭素数1〜30の脂肪酸類;安息香酸、p−メチル安息
香酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカル
ボン酸のような芳香族カルボン酸類が挙げられる。スル
ホン酸は、RSO3 H(Rはアルキル基又はアリール基
を表わす)で示されるものが好適だが、その具体例とし
ては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などの脂肪
族スルホン酸類;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスル
ホン酸などの芳香族スルホン酸類が挙げられる。ホスホ
ン酸及びホスフィン酸の具体例としてはフェニルホスホ
ン酸、フェニルホスフィン酸などが挙げられる。
【0008】本発明において、Yとしては、好ましくは
HCl(塩酸)、RCOOH、RSO3 H(Rは前記定
義の通り)である。本発明の前示一般式(1)で表わさ
れる色素化合物は、例えば以下の方法で製造することが
できる。即ち、下記一般式(2)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Xは前示一般式(1)の場合と同
じ意味を表わす)で表わされるキノフタロン系化合物の
カルボキシル基を公知の方法により、不活性有機溶媒
中、クロル化剤で酸クロライドとし、下記一般式(3)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Xは前示一般式(1)の場合と同
じ意味を表わす)で表わされる酸クロライドを得、次
に、下記構造式(4)
【0013】
【化5】
【0014】で表わされる4−アミノ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンと、脱酸剤の存在下不活性有
機溶媒中で加熱下反応させることにより、下記一般式
(5)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、Xは前示一般式(1)の場合と同
じ意味を表わす)で表わされる化合物を得、次いでこの
化合物に有機或いは無機の酸を有機溶媒中或いは、水中
で作用させ、塩を形成することにより目的の前記一般式
(1)の色素化合物を得ることができる。
【0017】前示一般式(5)の化合物を製造するため
の脱酸剤としては、有機及び無機の塩基性化合物が用い
られるが、ピリジン、炭酸ソーダ、炭酸カリウムなどが
好適である。又、溶媒としては、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、
キノリン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ンなどを用いることができるが、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼンなどが特に好適である。反応温度としては
50〜200℃の範囲で実施できるが、100〜180
℃の範囲が好適である。反応生成物の取り出しは、反応
終了後、冷却し、析出する結晶を濾過し、メタノール、
水などで洗浄すれば良い。反応終了、冷却後、結晶の析
出が不十分な場合にはメタノールを添加することによ
り、結晶の析出を促進することができる。この際取り出
した結晶は、前示一般式(5)の構造の化合物とその塩
酸塩との混合物になっているので、取り出した結晶を更
に、メタノールに懸濁し、苛性ソーダ、酢酸ソーダなど
のアルカリを加えて処理することにより、塩酸を遊離さ
せた後、次の各種の酸との反応工程に使用するのが好ま
しい。
【0018】酸との造塩反応に用いる溶媒としてはN,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど
が適している。反応温度は通常、20〜30℃で可能で
あるが、反応促進のため更に150℃程度迄加熱しても
良い。反応生成物の取り出しは、反応終了後、冷却し、
析出する結晶を濾過し、メタノール、水などで洗浄すれ
ば良い。結晶の析出が不十分な場合には水添加すること
が有効である。本発明の色素化合物は耐熱性、耐光性が
非常に優れ、又、各種のプラスチック中での耐移行性が
優れているため、プラスチック用の着色剤として好適で
ある。
【0019】本発明の化合物を樹脂用着色剤として使用
する場合、樹脂としてはポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレノキサイド、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性
樹脂を挙げることができる。本発明の色素化合物は特に
はポリオレフィン類の着色に優れている。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 下記式(A)
【0021】
【化7】
【0022】で表わされるキノフタロン系色素化合物
8.2gをo−ジクロロベンゼン70mlに仕込み、
N,N−ジメチルホルムアミド0.5gを添加して70
℃に加熱し、チオニルクロライド4.8gを滴下した
後、90〜100℃で4時間反応した。反応終了後、室
温まで冷却し、ヘキサン70mlを加え、析出した結晶
を濾過し、ヘキサンで洗浄し酸クロライドを得た。
【0023】上で得た酸クロライドをo−ジクロロベン
ゼン100mlに仕込み、4−アミノ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン4.7gとピリジン10ml
を加え、150〜155℃で5時間反応後、室温まで冷
却し、析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄した。
得られた結晶をメタノール300mlに仕込み、酢酸ソ
ーダ5gを添加し、還流下、1時間処理し、室温まで冷
却後、析出した結晶を濾過して回収し、該結晶を水洗後
乾燥し、黄色の結晶7.1gを得た。この物のマススペ
クトルの親イオンピークは549及び551を示し、元
素分析結果は下記の通りで、下記構造式(B)の化合物
の計算値と一致した。
【0024】 元素分析結果 C(%) H(%) N(%) 分析値 61.0 5.1 7.5 計算値 61.1 5.1 7.6 C28H28N3O4Br1
【0025】
【化8】
【0026】上記の化合物(B)3gをN−メチルピロ
リドン50ml中に仕込み、濃塩酸5mlを添加し、室
温で3時間攪はんした後、水50mlを加え、結晶を濾
過後、水洗、乾燥し、黄色結晶2.8gを得た。この物
のマススペクトルの親イオンピークは549及び551
を示し、上記化合物(B)と同じであったが、元素分析
結果は下記の通りで、目的の下記構造式(C)の化合物
の計算値と一致した。 C(%) H(%) N(%) 分析値 57.0 5.0 7.2 計算値 57.3 4.9 7.2 C28H29N3O4Br1Cl1
【0027】
【化9】
【0028】また、この色素化合物(C)の吸収スペク
トルを測定したところ、ジメチルホルムアミド(DM
F)中の最大吸収波長(λmax )が400nmであっ
た。
【0029】実施例2 実施例1で得られた化合物(B)1gとステアリン酸
0.53gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに
仕込み、140〜145℃で1時間溶解攪はんした後、
室温まで冷却し、水100mlを加え、析出した結晶を
濾過して回収し、該結晶を水洗後乾燥し、黄色結晶1.
3gを得た。この物のマススペクトルの親イオンピーク
は549及び551を示し、上記化合物(B)と同じで
あったが、元素分析結果は下記の通りで、下記構造式
(D)の化合物の計算値と一致した。 C(%) H(%) N(%) 分析値 66.0 7.7 4.8 計算値 66.2 7.7 5.0 C46H64N3O6Br1
【0030】
【化10】
【0031】また、この色素化合物(D)の吸収スペク
トルを測定したところ、λmax (inDMF)は400
nmであった。
【0032】実施例3 実施例1で得られた化合物(B)2gとp−トルエンス
ルホン酸1水和物0.72gをN−メチルピロリドン5
0mlに仕込み、140〜145℃で1時間溶解攪はん
した後、室温まで冷却し、水100mlを加え、析出し
た結晶を濾過して回収し、該結晶を水洗、乾燥し、黄色
結晶2.5gを得た。この物のマススペクトルの親イオ
ンピークは549及び551を示し、上記化合物(B)
と同じであったが、元素分析結果は下記の通りで、下記
構造式(E)の化合物の計算値と一致した。 C(%) H(%) N(%) 分析値 58.1 4.9 5.8 計算値 58.2 5.0 5.8 C35H36N3O7S1Br1
【0033】
【化11】
【0034】また、この色素化合物(E)の吸収スペク
トルを測定したところ、λmax (inDMF)は400
nmであった。
【0035】(参考例及び参考比較例)実施例1で合成
した色素化合物(C)0.05gをポリプロピレン樹脂
(商品名:BC−3G、三菱化学株式会社製品)100
gに混合し、220℃で処理した後、押出機を用いて着
色ペレットを作製した。このペレットを射出成形機で2
20℃×2分間で成形し、着色成形板を得た。得られた
着色板は鮮明な黄色を示し、耐光性、耐移行性が優れて
いた。又、射出成形の際280℃で10分間滞留させ
て、形成した着色板の色調は220℃×2分間で成形し
た着色板と同じ、色調を示し、色素の熱分解による変色
は無く、優れた耐熱性を示した。
【0036】尚、耐移行性の試験は、以下の方法により
耐ブリーディング性及び耐ブルーミング性を試験した結
果、いずれも汚染用グレースケール(JIS L080
5)で5級と判定された。 耐ブリーディング性:上記の着色板を無色のポリプロピ
レン樹脂板及び軟質塩ビ樹脂板(DOP20%含有)で
挟み、70℃で24時間、100g/cm2 の荷重を加
え、それぞれの樹脂の色素による汚染の程度を評価し
た。 耐ブルーミング性:上記の着色板を70℃で24時間処
理した後、着色板表面を白布で拭き、白布の色素による
汚染の程度を評価した。 また、実施例1で合成した色素化合物(C)のかわり
に、下記構造式(F)
【0037】
【化12】
【0038】で表わされる色素(CI Solvent
Yellow 114)0.05gを用いて上記の方
法で着色成形板の作製、着色成形板の耐移行性の試験を
実施した。その結果ポリプロピレン樹脂に対する耐ブリ
ーディング性は2級、軟質塩ビ樹脂に対する耐ブリーデ
ィング性は1級、耐ブルーミング性は2級であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は鮮明な黄色を呈する新規なキノ
フタロン系の色素化合物であって、油溶染料として公知
の有機溶剤、種々のプラスチック、金属はく、油脂、ワ
ックス、石けん、化粧品等の着色、塗料、印刷インキ、
ボールペン用インキ等の着色剤として使用できる。特に
プラスチック、中でもポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィンの着色用に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる分子間造
    塩構造を有するキノフタロン系色素化合物。 【化1】 (式中、Xは水素原子又は臭素原子を表わし、Yは有機
    もしくは無機の酸を表わす)
  2. 【請求項2】 請求項1に於いてYがHClであるキノ
    フタロン系色素化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1に於いてYがRCOOH(Rは
    アルキル基又はアリール基を表わす。)であるキノフタ
    ロン系色素化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1に於いてYがRSO3 H(Rは
    アルキル基又はアリール基を表わす。)であるキノフタ
    ロン系色素化合物。
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