JPH09142852A - 高純度合成石英ガラス粉の製造方法、並びに高純度合成石英ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

高純度合成石英ガラス粉の製造方法、並びに高純度合成石英ガラス成形体の製造方法

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JPH09142852A
JPH09142852A JP31081795A JP31081795A JPH09142852A JP H09142852 A JPH09142852 A JP H09142852A JP 31081795 A JP31081795 A JP 31081795A JP 31081795 A JP31081795 A JP 31081795A JP H09142852 A JPH09142852 A JP H09142852A
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glass powder
gel
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Akihiro Takazawa
彰裕 高澤
Shoji Oishi
昭二 大石
Fumiya Ishikawa
文矢 石川
Yasuo Tanabe
康雄 田▲邉▼
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度の合成石英を得る。 【解決手段】 ゾル−ゲル法により得られたシリカゲル
粉末を、少なくとも表面が合成樹脂より成る篩を用いて
分級した後、加熱して無孔化することを特徴とする高純
度合成石英ガラス粉の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン単結晶引き
上げ用るつぼ、各種ガラス製治具等半導体製造分野、L
SI封止材等半導体関連分野、光ファイバー、EP−R
OM等超高純度光学ガラス等の超高純度石英ガラス製品
の原料として好適な石英ガラス粉及びその製造方法、並
びにこれを用いた石英ガラス成形体に関する。
【0002】近年、光通信分野、半導体産業等に使用さ
れるガラス製品については、その純度に関し非常に厳し
い管理が行われている。このような高純度のガラスを得
るに際し、従来、天然石英を粉砕して得た天然石英粉を
溶融することにより製造されていたが、天然石英は良質
のものであっても種々の金属不純物を含んでおり、純
度、均一性の面から十分満足し得るものではなかった。
このため特に純度を向上する手段として、四塩化ケイ素
を酸水素炎の中で分解して発生した煤を基体に付着・成
長させ、得られた煤の固まりを加熱して透明化しブロッ
ク状の石英ガラスを得、このブロックを粉砕して合成石
英ガラス粉を得る酸水素炎煤法がある。しかしながら、
酸水素炎煤法は気相反応であるため多くのエネルギーを
要し、効率が悪いという欠点を有している。このような
問題点を解決する方法として、例えば金属アルコキシド
等の有機金属化合物を原料としてシリカゾルを生成し、
これをゲル化して更に粉砕、乾燥、焼成等の工程を経て
ガラスとする、いわゆるゾル−ゲル法による合成石英ガ
ラス粉の製造が注目されている。ゾル−ゲル法は液相反
応であるため、低エネルギー・高効率で生産が可能であ
る上に、充分に精製した原料を用いることによってある
程度は純度の高い石英ガラスとすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゾル−
ゲル法による合成石英ガラス粉の製造を工業的に行うに
は、様々な問題がある。第一に、工業的な実施に際して
は、ゲル化反応を行うのに大容量の反応容器、例えばコ
ニカルブレンダー等を用いることになる。そして、工業
的な実施に際しては余分な後工程は望ましくないため、
反応容器内で、予めある程度の硬さを有するゲルとなる
まで硬化反応を進行させるのが望ましい。すなわち、ゲ
ルがすっかり流動性を失う程にゲル化を進行させる。一
方、このような、反応容器内で巨大な一塊となったゲル
を、まず反応容器から取り出し、溶融してガラス体を得
るのに最適な粒径にまで細分化するのであるが、これら
一連の操作を不純物を混入させることなく、しかも効率
的に行う必要がある。まず巨大な一塊のゲルを粗粉砕す
る方法として、例えばコニカルブレンダー等、回転可能
な反応容器内でゲル化を行い、ゲル化後容器内を真空引
きしてから容器を回転してゲルを粗粉砕する方法(特開
平5−201717号公報)が提案されている。また、
この塊状のゲルの細分化方法として、ゲルの乾燥をあま
り進行させずに、水分含有量の多い状態で細分化を行う
こと、かかる細分化に適した粉砕装置も提案されている
(特開平4−27445号公報)。しかしながら、これ
ら従来の細分化方法により得られた粉末状ゲルは、いず
れも実際に製品として溶融成形工程に供することができ
る粒度に比べて、非常に小さな微粉や大きな粒子、ある
いは微粉の凝集した造粒物が多量に含まれている。この
ような状態のまま焼成を行うと、特に微粉については、
粒子の凝集・固着が生じやすい上、微粉の混入により、
粒子間の隙間が密になり焼成時に粉体の下層部で発生す
る水蒸気やCO2 が蓄圧され、突沸して、粉体が焼成用
のルツボから吹きこぼれ、満足な焼成を行うことができ
ない。又、合成石英ガラス粉の製造において、最もコス
トのかかる、焼成工程において、製品である合成石英ガ
ラス粉としては本来不要である微粉を、製品粒度の粉末
と共に焼成することは、工業的に不利である。一方、製
品粒度に比べて非常に大きな粒子や、微粒子の凝集体が
焼成時に混入していると、残留カーボンが抜けにくく、
黒色異物となり易い。この黒色異物は溶融した際に、C
OやCO2 となり、発泡の原因となるが、このような泡
を含んだ石英ルツボ等では、高温使用時の寸法安定性
や、単結晶引き上げ時に泡が弾けて液面揺動が生じ、結
晶欠陥になる等の問題がある。また、光ファイバー等の
用途においても、強度低下、断線の原因、光信号伝達の
障害となる場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ゾル−ゲル法により合成
石英ガラス粉を製造するに際し、特定方法で分級したゲ
ルを焼成することにより、上記問題点を解決できること
を見いだし本発明に到達した。すなわち本発明は、ゾル
−ゲル法により得られたシリカゲル粉末を、少なくとも
表面が合成樹脂より成る篩を用いて分級した後、加熱し
て無孔化することを特徴とする高純度合成石英ガラス粉
の製造方法、等にある。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるゾル−ゲル法とは、ケイ素アルコキシド
等の有機ケイ素化合物を原料としてシリカゾルを生成
し、これをゲル化して更に乾燥、焼成等の工程を経てガ
ラスとする、液相反応による合成石英ガラス粉の製造方
法をいう。用いられる原料として、ケイ素のアルコキシ
ド、塩、酸化物等のケイ素化合物を加水分解してシリカ
ゾルとし、更にこれをシリカゲルとする加水分解法、及
びヒュームドシリカ等を水に分散してシリカゾルとし、
更にこれをシリカゲルとするコロイド分散法の二つが主
な方法であるが、本発明はこれらに限られず、要するに
液相からゲルを生成する工程であれば適用できる。た
だ、これらのうち、加水分解法が、より好ましい。これ
は、コロイド分散法の場合、ヒュームドシリカの作成自
体に高温を要すること、作成時に炉壁の煉瓦等耐熱材料
から微量の金属酸化物等が揮発し不純物として混入する
ことがあり、純度に問題が生ずる場合のあること、およ
び得られたゲルの物性が加水分解法に比べればやや劣
り、得られる砂状合成シリカの歩留りも落ちること等の
理由による。
【0006】また、加水分解法のうち、原料としてケイ
素アルコキシドを用いるのが最も好ましい。これは、副
生物がアルコールのみであるため容器等の腐食の問題が
なく、また簡単に留去できるので好適であり、更には原
料の精製により得られる合成石英の高純度化を図るのが
容易であるためである。尚、ケイ素アルコキシドを得る
に際しては、金属ケイ素とアルコールとを反応させる方
法、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素とアルコールと
を反応させる方法、ケイ素水酸化物または酸化物とアル
コールとを反応させる方法、エステル交換、アルコール
交換反応、アルキルシリコン水素化物とケトンとの反応
による方法等があり、条件、目的等により適宜選択でき
るが、これらのうち特に金属ケイ素とアルコールとを反
応させる方法は、塩素その他の発生による容器等の腐
食、他の副生物の分離回収といった問題もなく好適であ
る。
【0007】ケイ素アルコキシドの種類は、炭素数1〜
4のアルコキシ基、即ちメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちでも
メトキシ基またはエトキシ基が好ましい。また、その数
は2個以上であることが好ましく、モノマーあるいはオ
リゴマーを用いることができる。
【0008】具体的には、テトラメトキシシラン、ジメ
トキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられ
るが、これらのうちケイ素原子に直接結合したアルキル
基を有さないテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン
等を用いた場合、得られる合成石英ガラス粉の黒色異物
発生及び溶融成形時の発泡を防ぐことができ、より好ま
しい。
【0009】加水分解反応は公知の方法に従ってアルコ
キシドと水を反応させることにより行われる。この際、
必要に応じて相溶性のあるアルコール類やエーテル類、
ケトン類等の有機溶媒を混合してもよい。アルコールと
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等が、
エーテル類としてはジエチルエーテル等が、ケトン類と
してはアセトン等が挙げられる。
【0010】ただし、加水分解反応の進行につれてアル
コキシドに結合していたアルコキシ基が、アルコールと
して遊離するためゲル化する以前に反応液が均一な状態
となる場合、すなわち、加水分解速度の大きいアルコキ
シ基(例えばメトキシ基)を有するような原料の場合、
アルコールの添加を行わなくとも実際上支障なく運転で
きる。
【0011】触媒として塩酸、酢酸、フッ酸、硫酸のよ
うな酸、アンモニア水のようなアルカリ等を用いること
もできる。加水分解に使用する水は、目的物である砂状
合成シリカを高純度に保持するには使用される水に同伴
して反応液中に持ち込まれる不純物を極力少量にするこ
とが必要であるため、超純水等を用いるのが好ましい。
【0012】水の添加量は、加水分解反応が進行する量
であれば特に制限されないが、実際上は理論的に必要な
量よりも過剰に加えることが多くかつ、ゲル化に要する
時間および粗粉砕に要する時間等を適正な範囲とするた
めに、アルコキシド対水のモル比を1:2〜1:10、
望ましくは1:3〜1:8、特に望ましくは1:4〜
1:7の範囲とするのが実用的である。極端に水が多い
とゲル化に長時間を要するばかりでなく、たとえゲル化
してもゲルが粉砕行程に適する硬度となるまでに時間が
かかったり場合によっては過剰に加えた水を蒸発させな
ければならない他後述する乾燥工程に時間がかかる等の
不都合が生ずる。また水が少なすぎると加水分解が充分
進まず従ってゲル化も充分行われない。
【0013】加水分解反応は、アルコキシドと水との均
一溶液が形成された時点以降にほぼ終了する。次いで加
水分解反応終了後は溶液がゲル化し一体化するまで静止
する。加水分解反応及びゲル化の条件は用いられる原料
によって異なるが、通常20〜80℃の温度下、常圧の
圧力条件下であわせて20分〜10時間程度である。
【0014】加水分解物をゲル化させるには、加熱すれ
ば直ちにゲルを得ることができるが、常温で放置しても
数時間でゲル化するので、加温の程度を調節することに
よってゲル化時間を調整することができる。
【0015】こうして得られたゲルは、通常含液率70
重量%以上(湿量水準)のウェットゲルである。このウ
ェットゲルを、100〜200℃、真空又は不活性ガス
中で加熱して乾燥する。容器の外側のジャケットに蒸気
を供給する等の手段を採ることもできる。例えば廻転加
熱法(筒状体内で転動加熱する方法、特開平6−191
825)、コニカルドライヤー等の回転攪拌機で攪拌す
る方法(特開平6−340412)の他、反応槽内を減
圧にして揮発成分を除去する方法等があり、条件、目的
に応じて適宜選択すればよい。ゲルを水性溶媒で洗浄し
た後乾燥する、容器のアルカリ洗浄を行ってから乾燥す
る(特開平6−340411)等、前処理の後乾燥する
こともできる。一般に、含液率30重量%以下、好まし
くは通常、1〜10重量%程度にまで乾燥して分級を行
うことにより本発明の目的を最も効果的に達成する。こ
の範囲の含液率であれば、分級時の篩からの不純物混入
や、ゲル粒子同士の凝集・固着が最も効果的に抑えられ
る。
【0016】分級の程度は、10〜2,000μm、好
ましくは100〜5,000μm、最も好ましくは50
0〜1,000μmの範囲に粒度調整を行うとよい。1
0μm未満の粒子が混入すると、これが他の粒子間の空
隙部に入り込み、密充填となって、焼成時に発生する水
蒸気がスムーズに系外に排出されず、粉体内部蓄圧さ
れ、ひいては、突沸、粉体の吹きこぼれが発生しやすく
なり、好ましくない。また、2,000μmより大きな
粒子が混入すると、焼成時にカーボン分が完全に酸化さ
れずに未燃カーボンとして、粒子内部に閉じ込められ易
く、黒色異物となり易い。黒色異物は、溶融成形時にC
O,CO2 ガスとなって、発泡の原因となるため、好ま
しくない。
【0017】分級に用いる篩は、少なくとも表面が合成
樹脂から成るものである。ここで表面とは篩の使用状態
において表出している部分をいう。すなわち分級される
ゲルと接触する部分を指す。篩の少なくとも表面が合成
樹脂から成っておればよいが、表面から数μ〜1mm程
度は合成樹脂から成っていれば、得られる製品の不純物
混入防止の効果が一層上がるので、好ましい。
【0018】ここで用いることのできる合成樹脂は、特
に制限されるものではないが、少なくとも使用温度等の
使用条件で安定に形状を保つものであればよい。例え
ば、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン(「テフロン」:
商標)、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタアクリル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ガラス充填ポリスチレン樹脂、ABS
ポリマー、ポリアセタール、塩素化ポリエーテル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が挙げ
られる。
【0019】これらのうち、ナイロン、ポリ四フッ化エ
チレン、フッ素樹脂、ガラス充填ポリスチレン樹脂、塩
化ビニリデン樹脂は、強度が大きく、望ましい。また、
ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂は、使用可能温度が割合に高く、乾燥工程を経
て間もなく70℃以上となることもあるゲルを直ちに分
級する場合にも用いることができる。これらのうちナイ
ロンまたはテフロンは、安価でもあるので、更に好適で
ある。
【0020】なお、篩のうち網目の部分は金属製の網目
を合成樹脂で被覆することもできるが、網目自体を合成
樹脂製のものとすれば、製造が容易である上に、得られ
る製品の不純物混入防止の効果も一層上がり、好まし
い。例えばナイロン製網目を用いれば、安価かつ容易に
篩を作製できる上に、得られる製品の不純物混入防止の
効果が大きく、仮に万一不純物としてナイロン成分が混
入したとしても次の焼成工程で気化し、除去することが
できる。
【0021】また、篩の枠の内側部分については、金属
製、木製等の枠を、例えばテフロン等フッ素樹脂等のラ
イニングを施す等の手段により、表面から数μ〜数mm
程度、好ましくは数百μm〜数mm程度を合成樹脂とす
れば、篩の作製も簡単で、分級の際の振動による衝撃に
も耐え、望ましい。このような構造の篩を用いてゲルを
分級することにより、焼成時の突沸、吹きこぼれ等を防
ぐことができ、生産性が大幅に向上する。その上得られ
た合成石英粉には製品として不要である微粉や粗大粒子
が除去されており、しかも分級工程により金属不純物が
混入することもないので、これを溶融して得られるガラ
ス成形体は、泡、金属不純物の混入が極めて抑えられた
ものである。
【0022】篩の形態は特に限定されず、通常の振動
篩、篩振盪機、ローテックススクリーン、ソニックシフ
ター等、いずれも用いることができる。これらの篩を2
段構造とし、篩上にオーバーサイズ品、篩下に微粉等ア
ンダーサイズ品を各々回収し、中間から製品を取出すこ
ともできる。また、篩下部よりタッピングポール等で衝
撃を与え網の目詰まりを防ぎ分級を促進することもでき
る。この場合は、これらを硬質ウレタンゴム、天然ゴム
等、金属不純物等の混入の恐れのない材質とするのが、
より好ましい。分級時の振動数は、特に制限されない
が、好ましくは800〜400rpm、特に好ましくは
1000〜3000rpm程度が実用的である。振動数
があまり小さいと分級に時間がかかるためである。振幅
もまた、特に制限されないが、好ましくは縦方向に0.
7〜4mm、特に好ましくは1.5〜2mm程度、横方
向に1.5〜9mm、特に好ましくは3.0〜4.5m
m程度が実用的である。ただし、これらの値は用いる篩
の大きさ、ゲルの状態、篩への供給料によっても多少異
なるので、これらに鑑みて適宜選択すればよい。なお、
上記の条件であれば、網径500〜700mm、目開き
50〜1000μmの篩に対し、1時間当たり50kg
以上のゲルを処理することも可能であり、特に効率的で
ある。
【0023】以上のようにして分級を経たシリカゲル粉
末を、焼成して無孔化し、合成石英ガラス粉とする。焼
成方法は、常法により、1000〜1300℃で行うこ
とができる。竪型移動装置により焼成したり(特開平5
−17123号公報)、酸素濃度30vol%以上と
し、黒色異物を減少させたり、水蒸気ガスの導入により
OH基含有量を制抑したりすることもできる。例えば、
乾燥器の取出し口の所に篩を設け、篩を通過した乾燥ゲ
ルが、焼成炉に直接投下される構造等により、一連のプ
ロセス全体を簡便に進めていくこともできる。焼成炉
は、竪型炉、ロータリーキルン等、特に限定されること
なく常法によるものが使用できる。
【0024】上記の合成石英ガラス粉末は常法に従っ
て、溶融成形することにより各種のシリカガラス成形体
を製造することができる。特に磁選を行い金属異物を更
に低減してから成形することもできる。成形は適宜の公
知法により例えば板状、管状、インゴット状等の種々の
形状に成形・固体することにより行なわれる。シリカガ
ラス粉末の溶融方法は、一般に真空溶融が採用され、温
度として1800〜2300℃で、昇温期間を含めて2
0〜30時間かけて溶融すればよい。
【0025】なお、ゲル粉末の焼成及び溶融は連続的に
行なうこともできるし、断続的に、即ち、ゲル粉末を焼
成して冷却、取得したシリカガラス粉末を、加熱溶融す
ることもできる。また、溶融に先立ち、予め合成石英ガ
ラス粉を分級することができる。この際、篩として、ゲ
ルの分級に用いたものと同様の構造のものを用いること
により、得られるガラス成形体への不純物混入を防ぐこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。
【0027】〔実施例1〕攪拌槽に、テトラメトキシシ
ランとこれに対して5倍当量の水を仕込み、30℃の温
度で1時間攪拌し、加水分解反応によって均一なゾル溶
液を得た。さらに、これを塩化ビニル製のバットに移
し、24時間放置して、ゲル化させた。このゲルを、1
40℃の真空乾燥機を用いて12時間乾燥を行なった
後、ロールミルを用いて粉砕し、図1に示す篩振盪機を
用いて125〜500μmの粒子径に粒度調整を行なっ
た。図1中、1はステンレス製枠、2はテフロンライニ
ング、3は網、4はウレタン製タッピングボール、5は
テフロン製タッピングボール受け、6は天然ゴム製パッ
キン、7はボルト、8はナット、9はステンレス製網枠
抑えである。こうして分級したシリカガラス粉末50k
gずつを、550mmφ×430mmHの石英ルツボ1
0個に仕込み、これを間口2×2m、奥行5mの電気炉
内にセットした。そして、200℃/Hrの昇温速度で
1200℃まで昇温し、その温度で20時間保持した。
自然冷却後、ルツボ、及び、粉体の状態を調べたとこ
ろ、粉体の吹きこぼれは全く見られず、焼成品として得
られた合成石英ガラス粉の全量を回収することが出来
た。この時の回収量は、410kgであり、合成石英ガ
ラス粉の粒度は、100〜400μmに収縮していた。
また、合成石英ガラス粉100gを採取し、この中の黒
色異物の数を目視により数えたところ皆無であった。
【0028】この合成石英ガラス粉の金属不純物含有量
を、Na,K,Liは原子吸光法により、その他の元素
についてはICP(Inductive Couple
dPlazma)法により測定した。Al、Ca、C
r、Cu、Na、K、Li、Mg、Mn、Tiのいずれ
も10ppb以下、Feは30ppb以下であった。こ
の合成石英ガラス粉末をモリブデン製の100mmφ×
200mmの容器につめ真空溶融炉に入れ1×10-5
orr、1800℃の条件で30時間かけて溶融した。
この結果、外観上透明なシリカガラスインゴットができ
た。目視によれば発泡は皆無であった。
【0029】
【発明の効果】本発明により、不純物、泡の発生共に極
めて抑えられた合成石英ガラス成形体、及びその原料と
なる合成石英ガラス粉を、非常に効率よく製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いた篩振盪機
【符号の説明】
1 ステンレス製枠 3 網 4 ウレタン製タッピングボール 5 テフロン製タッピングボール受け 9 ステンレス製網枠抑え
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田▲邉▼ 康雄 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱化学株式会社新規事業開発室内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾル−ゲル法により得られたシリカゲル
    粉末を、少なくとも表面が合成樹脂より成る篩を用いて
    分級した後、加熱して無孔化することを特徴とする高純
    度合成石英ガラス粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂がポリ四フッ化エチレンである
    請求項1記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリカゲル粉末の含液率が30重量%以
    下である請求項1又は2記載の合成石英ガラス粉の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 含液率が30重量%を超えるシリカゲル
    を1000μm以下に粉砕し、100〜200℃に加熱
    することにより含液率30重量%以下とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリカゲル粉末がケイ素アルコキシドの
    加水分解で得られたものである請求項1〜4のいずれか
    に記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
  6. 【請求項6】 ケイ素アルコキシドに、3〜8モル倍量
    の水を添加して加水分解を行うことを特徴とする請求項
    5記載の合成石英ガラス粉の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法に
    より得られた合成石英ガラス粉を溶融することを特徴と
    する石英ガラス成形体の製造方法。
JP31081795A 1995-11-29 1995-11-29 高純度合成石英ガラス粉の製造方法、並びに高純度合成石英ガラス成形体の製造方法 Pending JPH09142852A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005060217A (ja) * 2003-07-25 2005-03-10 Fuso Chemical Co Ltd シリカゾル及びその製造方法
JP2019182694A (ja) * 2018-04-05 2019-10-24 三菱ケミカル株式会社 合成シリカガラス粉

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