JPH09142561A - テープカセットの収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 差込みフラップの長さが長い収納ケースでも
差込みフラップが片手で挿入可能な収納ケースを提供す
る。 【解決手段】 テープカセットの収納ケース３０は、ブ
ックケース状箱体の背表紙側の一面を開閉蓋にし、この
開閉蓋をヒンジに連続した蓋フラップ１１と、この蓋フ
ラップ１１から延出して箱体に差し込まれる差し込みフ
ラップ１２とから構成し、この差し込みフラップ１２を
差し込み方向に二等辺三角形をした凸形状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープカセットの
収納ケースの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、オーディオ・ビデオ等のテープカ
セットやフロッピーディスク等は、プラスチック、紙の
ケースに収納して保護している。磁気テープや磁気ディ
スク等の記録媒体は、塵埃の付着、傷付き等により記録
の喪失や誤記録等が発生するようになる。それ故、収納
ケースはテープカセットやフロッピーディスク等をその
運搬や保存に対して保護する構造になっている。

【０００３】図１２は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの素材板を示す平面図である。図中、１００は素材
板、１０１はその側面板、１０２は背面板、１０３は正
面板、１０４は天面外フラップ、１０５は底面外フラッ
プ、１０６は天面内フラップ、１０７は底面内フラッ
プ、１０８は天面耳フラップ、１０９は底面耳フラッ
プ、１１０は差し込みフラップ１１１付きの蓋フラップ
である。なお、側面板１０１の縁の中央部に指掛け用切
り欠き１１２を設ける。

【０００４】又、１１３、１１４、１１５は側面板１０
１と背面板１０２、天面内フラップ１０６、底面内フラ
ップ１０７との間の折曲用罫線、１１６、１１７、１１
８は背面板１０２と正面板１０３、天面耳フラップ１０
８、底面耳フラップ１０９との間の折曲用罫線、１１
９、１２０、１２１は正面板１０３と蓋フラップ１１
０、天面外フラップ１０４、底面外フラップ１０５との
間の折曲用罫線、１２２は蓋フラップ１１０の本体と差
し込みフラップ１１１との間の折曲用罫線である。な
お、１２３は側面板１０１の縁、１２４は差し込みフラ
ップ１１１の縁である。

【０００５】このような素材板１００は大きな紙または
プラスチック製平板から一度に多数打ち抜き、素材板毎
に各折曲用罫線１１３、１１４、１１５、１１６、１１
７、１１８、１１９、１２０、１２１、１２２を施して
製作する。そこで、素材板１００を製函機に投入し、折
り曲げを行ないながら対応するフラップ１０４、１０
６、１０８同士、１０５、１０７、１０９同士を適宜重
畳し、接着して天面板１２５、底面板１２６を形成する
と、図１３に示すようなテープカセットの収納ケース１
３０が完成する。

【０００６】図１３は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの蓋開き状態を示す斜視図である。運搬や保存時に
は、ケース１３０の内部にテープカセットを収納した
後、蓋フラップ１１０の本体で開口部１３１を閉じ、差
し込みフラップ１１１を内部に挿入する。開口部１３１
が閉じられているため、塵埃が侵入せず、テープカセッ
トが抜け落ちない。

【０００７】図１４は、図１２の変形例を示す平面図で
ある。図１４では図１２と同一の機能を持つ各部には、
同一の符号を付して説明を省略する（以下同様）。図
中、１４０は素材板、１４１は側面板１０１と天面外フ
ラップ１０４との間の折曲用罫線である。素材板１４０
は、図１２の素材板１００と同様に筋押しを行なって各
折曲用罫線を施して製作する。そして、素材板１４０を
折り曲げを行ないながら対応するフラップ１０５、１０
７同士を適宜重畳し、底面板１２６を形成すると、図１
５に示すようなテープカセットの収納ケース１４５が完
成する。

【０００８】図１５は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの蓋開き状態を示す斜視図である。テープカセット
の収納ケース１４５は、図１３の収納ケース１３０と異
なり、差し込みフラップ１１１付きの蓋フラップ１１０
が正面板１０３の両側に付設され、開口部１３１，１３
１が両側にある。両開口部１３１，１３１のいずれかよ
りテープカセットを収納した後、両方の蓋フラップ１１
０，１１０の本体で両開口部１３１，１３１を閉じ、両
差し込みフラップ１１１，１１１を内部に挿入する。２
つの開口部１３１，１３１が閉じられているため、塵埃
が侵入せず、テープカセットが抜け落ちない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】図１６は、従来のテー
プカセットの収納ケースに対するテープカセットの挿入
状態を示す斜視図である。図中、１２３は開口部１３１
の縁（側面板１０１の縁）、１２４は差し込みフラップ
１１１の縁、Ｌは差し込みフラップ１１１の長さ、Ｔは
テープカセットである。

【００１０】図１７は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの差し込みフラップの挿入状態を示す斜視図であ
る。図１６のごとく、テープカセットＴを収納ケース１
３０の中に開口部１３１を介して挿入し、図１７のごと
く、差し込みフラップ１１１を折曲用罫線１１９、１２
２で折り曲げながら差し込みフラップ１１１の略中央部
に親指を掛け、差し込みフラップ１１１を内側に押込み
ながら挿入する。

【００１１】図１８は、図１７のＤ矢視図である。図
中、L0は差し込みフラップ１１１の挿入長さであり、
ａ、ｃは縁１２４が縁１２３に対して外側（図で左側）
になる部分の寸法、ｂは縁１２４が縁１２３に対して内
側（図で右側）になる部分の寸法、Ｆは親指による押込
みの力、ｍは縁１２４の撓み量である。差し込みフラッ
プ１１１を挿入する場合、図１８のごとく、親指で押し
た時差し込みフラップ１１１は、厚み、ヤング率、曲げ
剛性等にもよるが、押した部分とその両端では撓み方が
異なってくる。

【００１２】即ち、差し込みフラップ１１１は親指によ
る押込みの力Ｆを受けて、撓み量ｍが発生するため、差
し込みフラップ１１１の挿入長さL0が長くなると開口部
１３１の縁１２３に対して差し込みフラップ１１１の縁
１２４は、寸法ｂの範囲で開口部１３１の内側に入る
が、寸法ａ、寸法ｃの範囲では開口部１３１の縁１２３
の外側にあり、縁１２３に対して寸法ａ、寸法ｂの接点
及び寸法ｂ、寸法ｃの接点で当り、挿入は不可となる。

【００１３】図１９は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの差し込みフラップを押込んだ時の状態を示す側面
図である。図で（ａ）は差し込みフラップの縁が押込み
の力を受けて撓んだ状態を示し、（ｂ）は収納ケースの
中にテープカセットが隙間を開けて収まった状態を示
す。図中、ｓはテープカセットＴと収納ケース１３０の
側面板１０１又は正面板１０３との間の隙間である。図
１８の場合、更に押込みの力Ｆを大きくし差し込みフラ
ップ１１１の寸法ａ部、寸法ｃ部を開口部１３１内に入
れることは可能であるが、図１９のごとく、収納ケース
１３０の中にテープカセットＴが入っているため、撓み
量ｍ＞隙間ｓとなり、押込みの力Ｆを加えた部分がテー
プカセットＴに当り、挿入は不可となる。

【００１４】∴ 撓み量ｍ≦隙間ｓ 上記の条件をクリヤーできない形状の場合、親指１本で
差込みができない状況にあるため、無理やり押込んで収
納ケース１３０を破損する恐れがある。収納ケース１３
０の奥行寸法をテープカセットＴの奥行寸法より大きく
とれば、差込みフラップ１１１の縁１２４を押込みの力
Ｆを加えることにより寸法ａ、寸法ｃの範囲も開口部１
３１の内側に入れることができ、縁１２４の撓みがあっ
ても、差込みフラップ１１１の挿入は可能となる。しか
し、収納ケース１３０の奥行寸法をテープカセットＴの
奥行寸法より大きくとると、収納後収納ケース１３０の
中でテープカセットＴががたついて、テープカセットＴ
に擦過傷が付き、記録内容の喪失、誤記録等の悪影響が
発生するおそれがある。

【００１５】図２０は、従来のテープカセットの収納ケ
ースの差し込みフラップの挿入方法を示す斜視図であ
る。上記問題を解決するため、図２０のごとく、差込み
フラップ１１１の両端を両手の２本の親指で押込む必要
があるが、収納ケース１３０を持っている状態が不安定
なため、収納ケース１３０が落下し、収納されているテ
ープカセットＴと収納ケース１３０が破損する恐れがあ
る。

【００１６】本発明の目的は、差込みフラップの長さが
長い収納ケースでも差込みフラップが片手で挿入可能な
収納ケースを提供することにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１のテープカセットの収納ケースは、ブック
ケース状箱体の背表紙側の一面を開閉蓋にしたテープカ
セットの収納ケースにおいて、前記開閉蓋はヒンジに連
続した蓋本体と、この蓋本体から延出して前記箱体に差
し込まれる差し込みフラップとからなり、この差し込み
フラップが差し込み方向に凸形状であることを特徴とす
る。

【００１８】上記テープカセットの収納ケースでは、差
し込みフラップを箱体に差込むとき、差し込みフラップ
が差し込み方向に凸形状であるので、挿入箇所が１ヵ所
になるため、差込みフラップ両端が撓みを受けずに挿入
が可能となる。たとえ、差込みフラップ両端が撓んで
も、差し込みフラップが凸形状であるので、この凸形状
に案内されるように徐々に両端が挿入されて行く。

【００１９】請求項２のテープカセットの収納ケース
は、請求項１記載の凸形状が三角形状であることを特徴
とする。上記テープカセットの収納ケースでは、差し込
みフラップの凸形状が三角形状であるので、形状が単純
であり、差し込みフラップの挿入が容易である。

【００２０】請求項３のテープカセットの収納ケース
は、請求項１記載の凸形状の少なくとも一部が弧状であ
ることを特徴とする。上記テープカセットの収納ケース
では、差し込みフラップの凸形状の少なくとも一部が弧
状であるので、差し込みフラップを箱体に差込む時、差
し込みフラップが箱の開口部の縁に引っ掛からず、極め
てスムーズに入って行く。

【００２１】請求項４のテープカセットの収納ケース
は、請求項１記載の凸形状が多角形状であることを特徴
とする。上記テープカセットの収納ケースでは、差し込
みフラップの凸形状が多角形状であるので、差し込みフ
ラップを箱体に差込む時、差し込みフラップが箱の開口
部の縁に引っ掛からず、スムーズに入って行く。

【００２２】請求項５のテープカセットの収納ケース
は、請求項１、請求項２、請求項３又は請求項４記載の
差し込みフラップの両端に差し込み方向に平行なストレ
ート辺を形成し、このストレート辺に凹部又は凸部を形
成し、この凹部又は凸部を前記箱体に設けた凸部又は凹
部に嵌合可能に構成したことを特徴とする。上記テープ
カセットの収納ケースでは、差し込みフラップの両端の
ストレート辺に形成した凹部又は凸部が、箱体に設けた
凸部又は凹部に嵌合するので、箱体に差込まれた差し込
みフラップが確実に固定される。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず、本発明を適用したテープカ
セットの収納ケースの第１実施例について説明する。図
１は、本発明を適用したテープカセットの収納ケースの
第１実施例用素材板を示す平面図である。図１の中で
（ａ）は素材板の全体を示し、（ｂ）〜（ｄ）は差し込
みフラップの変形例を示す。図１（ａ）中、１は素材
板、２はその側面板、３は背面板、４は正面板、５は天
面外フラップ、６は底面外フラップ、７は天面内フラッ
プ、８は底面内フラップ、９は天面耳フラップ、１０は
底面耳フラップ、１１は差し込みフラップ１２付きの蓋
フラップである。なお、側面板２の縁の中央部に指掛け
用切り欠き１３を設ける。

【００２４】又、１４、１５、１６は側面板２と背面板
３、天面内フラップ７、底面内フラップ８との間の折曲
用罫線、１７、１８、１９は背面板３と正面板４、天面
耳フラップ９、底面耳フラップ１０との間の折曲用罫
線、２０、２１、２２は正面板４と蓋フラップ１１、天
面外フラップ５、底面外フラップ６との間の折曲用罫
線、２３は蓋フラップ１１の本体と差し込みフラップ１
２との間の折曲用罫線である。

【００２５】なお、２４は側面板２の縁、２５は差し込
みフラップ１２の縁、Ｈは差し込みフラップ１２の幅、
h1は差し込みフラップ１２の両端に形成された差し込み
方向に平行なストレート辺の長さ、Ｌは差し込みフラッ
プ１２の長さ、θは縁２５が折曲用罫線２３に平行な線
となす角度である。差し込みフラップ１２の形状は、差
し込み方向に縁２５の略中心で角度θ分だけ傾斜させた
凸形状、即ち底辺の寸法がＬで、両底角がθである二等
辺三角形をしている。このように、素材板１は差し込み
フラップ１２の形状が単純であり、差し込みフラップ１
２の挿入が容易である。差し込みフラップ１２の先端の
位置は上記したように縁２５の略中心にあるだけでな
く、図１（ｂ）、（ｃ）のごとく、図１８のｂの範囲内
であればどこにあってもよい。また、図１（ｄ）のごと
く、差し込みフラップ１２の先端を半径Rの円弧状にし
てもよい。

【００２６】このような素材板１は大きなプラスチック
製平板から一度に多数打ち抜き、素材板毎に熱プレスに
より筋押しを行なって各折曲用罫線１４、１５、１６、
１７、１８、１９、２０、２１、２２、２３を施して製
作する。そこで、素材板１を製函機に投入し、折り曲げ
を行ないながら対応するフラップ５、７、９同士、６、
８、１０同士を適宜重畳し、接着して天面板３１、底面
板３２を形成すると、図２に示すようなテープカセット
の収納ケース３０が完成する。

【００２７】図２は、本発明を適用したテープカセット
の収納ケースの第１実施例の蓋開き状態を示す斜視図で
ある。図中、３０はテープカセットの収納ケース、２は
側面板、１１は差し込みフラップ１２付きの蓋フラッ
プ、３１は天面板、３２は底面板、３３は開口部であ
る。運搬や保存時には、収納ケース３０の内部にテープ
カセットを収納した後、蓋フラップ１１の本体で開口部
３３を閉じ、差し込みフラップ１２を内部に挿入する。
開口部３３が閉じられているため、塵埃が侵入せず、テ
ープカセットが抜け落ちない。

【００２８】図３は、本発明を適用したテープカセット
の収納ケースの差し込みフラップの挿入状態を示す斜視
図である。図示しないテープカセットを収納ケース３０
の中に開口部を介して挿入し、図３のごとく、差し込み
フラップ１２を折曲用罫線２０、２３で折り曲げながら
差し込みフラップ１２の略中央部に親指を掛け、差し込
みフラップ１２を内側に押込みながら挿入する。

【００２９】図４は、図３のＥ矢視図である。差し込み
フラップ１２を挿入する場合、図４のごとく、親指で押
した時差し込みフラップ１２は、その先端形状が前述の
ように、差し込み方向に縁２５の略中心で角度θ分だけ
傾斜させた二等辺三角形をしている。即ち、図１８のご
とく差し込みフラップ１２は親指による押込みの力Ｆを
受けて、撓み量ｍが発生するが、仮に寸法ａ、寸法ｃの
範囲があったとしても、差し込みフラップ１２の縁２５
は先細りのテーパ形状をしているので、差し込みフラッ
プ１２の先端を一旦開口部３３の内に入れれば、このテ
ーパ形状がガイドになり、そのまま差し込むだけで容易
に挿入することができる。

【００３０】次に、本発明を適用したテープカセットの
収納ケースの第２実施例について説明する。図５は、本
発明を適用したテープカセットの収納ケースの第２実施
例用素材板を示す平面図である。図５の中で（ａ）は素
材板の全体を示し、（ｂ）は差し込みフラップの変形例
を示す。図５（ａ）中、３５は素材板、３６は差し込み
フラップ、３７は蓋フラップ１１の本体と差し込みフラ
ップ３６との間の折曲用罫線、３８は差し込みフラップ
３６の縁である。第２実施例用素材板３５は、第１実施
例用素材板１と大部分が同じであるが、差し込みフラッ
プ３６の縁３８が円弧状である点で異なる。差し込みフ
ラップ３６の縁３８は上記したように円弧の半径（R ）
を１つにするだけでなく、図５（ｂ）のごとく、異なる
半径、例えばR1、R2、R3の円弧の組合せでもよい。

【００３１】素材板３５を折り曲げて成形したテープカ
セットの収納ケースの第２実施例は図示しないが、この
収納ケースは第１実施例の収納ケース３０と同様に、内
部にテープカセットを収納した後、開口部を閉じれば塵
埃が侵入せず、テープカセットが抜け落ちない。上記収
納ケースでは、差し込みフラップの凸形状が円弧状であ
るので、差し込みフラップを箱体に差込む時、差し込み
フラップが箱の開口部の縁に引っ掛からず、極めてスム
ーズに入って行く。

【００３２】次に、本発明を適用したテープカセットの
収納ケースの第３実施例について説明する。図６は、本
発明を適用したテープカセットの収納ケースの第３実施
例用素材板を示す平面図である。図６の中で（ａ）は素
材板の全体を示し、（ｂ）は差し込みフラップの変形例
を示す。図６（ａ）中、４０は素材板、４１は差し込み
フラップ、４２は蓋フラップ１１の本体と差し込みフラ
ップ４１との間の折曲用罫線、４３は差し込みフラップ
４１の縁である。第３実施例用素材板４０は、第１実施
例用素材板１と大部分が同じであるが、差し込みフラッ
プ４１の縁４３がその略中心で角度θ分ずつ段階的に傾
斜させた凸形状、即ち多角形状である点で異なる。差し
込みフラップ４１の縁４３は上記したように多角形状で
あるだけでなく、図６（ｂ）のごとく、多角形の角部を
半径R の円弧状にしてもよい。

【００３３】素材板４０を折り曲げて成形したテープカ
セットの収納ケースの第３実施例は図示しないが、この
収納ケースは第１実施例の収納ケース３０と同様に、内
部にテープカセットを収納した後、開口部を閉じれば塵
埃が侵入せず、テープカセットが抜け落ちない。上記収
納ケースでは、差し込みフラップの凸形状が多角形状で
あるので、差し込みフラップを箱体に差込む時、差し込
みフラップが箱の開口部の縁に引っ掛からず、スムーズ
に入って行く。

【００３４】次に、本発明を適用したテープカセットの
収納ケースの第４実施例について説明する。図７は、本
発明を適用したテープカセットの収納ケースの第４実施
例用素材板を示す平面図である。図中、４５は素材板で
ある。第４実施例用素材板４５は、第１実施例用素材板
１と若干異なり、側面板２の両側に縁２４，２４を、正
面板４の両側に差し込みフラップ１２付きの蓋フラップ
１１，１１を有する。２つの差し込みフラップ１２，１
２の先端形状は、差し込み方向に縁２５，２５の略中心
で角度θ分だけ傾斜させた凸形状、即ち底辺の寸法がＬ
で、両底角がθである二等辺三角形をしている。このよ
うに、素材板４５は差し込みフラップ１２の先端形状が
単純であるので、差し込みフラップ１２の挿入が容易で
ある。

【００３５】素材板４５を折り曲げて成形したテープカ
セットの収納ケースの第４実施例は図示しないが、この
収納ケースは両側に開口部と差し込みフラップ付きの蓋
フラップとを有する。テープカセットを収納ケースの中
にいずれかの開口部を介して挿入し、２つの差し込みフ
ラップを内側に挿入し、２つの開口部を閉じれば塵埃が
侵入せず、テープカセットが抜け落ちない。上記収納ケ
ースでは、差し込みフラップの凸形状が二等辺三角形状
であるので、形状が単純であり、差し込みフラップの挿
入が容易である。また、両側に開口部を有するので、テ
ープカセットをいずれの開口部からも挿入することがで
きて便利である。

【００３６】さて、第１〜第４実施例では差し込みフラ
ップの凸形状が種々の形をしたものについて説明してき
たが、凸形状がシャープになる、即ち先細りの程度が大
きくなるほど、差し込みフラップの挿入は容易になる
が、例えば図１のごとく、θを大きくするとh1が小さく
なり、差し込みフラップのロック力が小さくなり蓋が開
いてしまう恐れがある。この状態を改善するため、改善
案を次の第５実施例で説明する。

【００３７】図８は、本発明を適用したテープカセット
の収納ケースの第５実施例用素材板を示す平面図であ
る。図中、５０は素材板、５１は図８のＡ部のごとく、
折曲用罫線１５（１６）から天面内フラップ７（底面内
フラップ８）側に突設する凸部、５２は図９のように差
し込みフラップ１２の両端に形成されたストレート辺、
５３は図８のＢ部のごとく、ストレート辺５２に形成さ
れた凹部である。第５実施例用素材板５０は、第１実施
例用素材板１と大部分が同じであるが、差し込みフラッ
プ１２の両端に差し込み方向に平行なストレート辺５
２，５２を形成し、このストレート辺５２，５２に凹部
５３，５３を形成し、この凹部５３，５３と嵌合する凸
部５１，５１を天面内フラップ７（底面内フラップ８）
に設けた点で異なる。

【００３８】図９は、図８のＡ部、Ｂ部の要部拡大平面
図である。素材板５０が各折曲用罫線で谷折り（山折
り）されるとすれば、凸部５１は紙面裏側（表側）から
筋押しを施して紙面表側（裏側）に突出させて形成す
る。図の（ａ）のごとく、凸部５１を折曲用罫線１５
（１６）から天面内フラップ７（底面内フラップ８）側
にＴ字状に延出して凸部５１ａにしてもよいし、図の
（ｂ）のごとく、凸部５１を折曲用罫線１５（１６）を
横断するように天面内フラップ７（底面内フラップ８）
側から側面板２側にかけて十字状に設けて凸部５１ｂに
してもよい。ストレート辺５２に形成された凹部５３は
図の（ｃ）のごとく、ストレート辺５２から差し込みフ
ラップ１２側に半円状（半径Ｒ）に切り欠かれている。

【００３９】前記凸部５１の縁２４からの距離は、凹部
５３の折曲用罫線２３からの距離と略同じである。本実
施例では、天面内フラップ７（底面内フラップ８）に凸
部５１、差し込みフラップ１２に凹部５３を設けたが、
同じ位置に天面内フラップ７（底面内フラップ８）に凹
部、差し込みフラップ１２に凸部を設けてもよい。

【００４０】図１０は、本発明を適用したテープカセッ
トの収納ケースの第５実施例の蓋閉め状態を示す正面図
である。前記素材板５０を折り曲げて第５実施例のテー
プカセットの収納ケース５５を成形する。図示しないテ
ープカセットを収納ケース５５の中に開口部を介して挿
入し、図のごとく、差し込みフラップ１２を内側に挿入
し蓋を閉じる。

【００４１】図１１は、図１０のＣ部の要部拡大断面図
である。図のごとく、テープカセット収納ケース５５は
蓋を閉じると、差し込みフラップ１２に形成された凹部
５３が天面板３１の内面に形成された凸部５１に嵌合す
る。この嵌合により、箱体に差込まれた差し込みフラッ
プが確実に固定される。いうまでもなく、この収納ケー
ス５５は塵埃が侵入せず、テープカセットが抜け落ちな
い。そして、差し込みフラップ１２は、その先端形状が
二等辺三角形をしているので、挿入は容易である。

【００４２】

【発明の効果】本発明は上記構成により、次の効果を発
揮する。請求項１のテープカセットの収納ケースは、差
し込みフラップが差し込み方向に凸形状であるので、差
し込みフラップを箱体に差込むとき、挿入箇所が先端部
１ヵ所になるため、差込みフラップ両端が撓みを受けず
に片手で容易に挿入することができる。

【００４３】請求項２のテープカセットの収納ケース
は、差し込みフラップの凸形状が三角形状であるので、
形状が単純であり、差し込みフラップの挿入が容易であ
る。

【００４４】請求項３のテープカセットの収納ケース
は、差し込みフラップの凸形状の少なくとも一部が弧状
であるので、差し込みフラップを箱体に差込む時、差し
込みフラップが箱の開口部の縁に引っ掛からず、極めて
スムーズに入れることができる。万一、差し込みフラッ
プの一部が開口部の縁に引っ掛かったとしても、弧の案
内作用でフラップは開口部内に円滑に挿入し、フラップ
を閉じることができる。

【００４５】請求項４のテープカセットの収納ケース
は、差し込みフラップの凸形状が多角形状であるので、
差し込みフラップを箱体に差込む時、差し込みフラップ
が箱の開口部の縁に引っ掛からず、スムーズに入れるこ
とができる。

【００４６】請求項５のテープカセットの収納ケース
は、差し込みフラップの両端のストレート辺に形成した
凹部又は凸部が、箱体に設けた凸部又は凹部に嵌合する
ので、箱体に差込まれた差し込みフラップを確実に固定
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したテープカセットの収納ケース
の第１実施例用素材板を示す平面図

【図２】同テープカセットの収納ケースの第１実施例の
蓋開き状態を示す斜視図

【図３】同テープカセットの収納ケースの差し込みフラ
ップの挿入状態を示す斜視図

【図４】図３のＥ矢視図

【図５】本発明を適用したテープカセットの収納ケース
の第２実施例用素材板を示す平面図

【図６】本発明を適用したテープカセットの収納ケース
の第３実施例用素材板を示す平面図

【図７】本発明を適用したテープカセットの収納ケース
の第４実施例用素材板を示す平面図

【図８】本発明を適用したテープカセットの収納ケース
の第５実施例用素材板を示す平面図

【図９】図８のＡ部、Ｂ部の要部拡大平面図

【図１０】本発明を適用したテープカセットの収納ケー
スの第５実施例の蓋閉め状態を示す正面図

【図１１】図１０のＣ部の要部拡大断面図

【図１２】従来のテープカセットの収納ケースの素材板
を示す平面図

【図１３】同テープカセットの収納ケースの蓋開き状態
を示す斜視図

【図１４】図１０の変形例を示す平面図

【図１５】従来のテープカセットの収納ケースの蓋開き
状態を示す斜視図

【図１６】従来のテープカセットの収納ケースに対する
テープカセットの挿入状態を示す斜視図

【図１７】従来のテープカセットの収納ケースの差し込
みフラップの挿入状態を示す斜視図

【図１８】図１７のＤ矢視図

【図１９】従来のテープカセットの収納ケースの差し込
みフラップを押込んだ時の状態を示す側面図

【図２０】従来のテープカセットの収納ケースの差し込
みフラップの挿入方法を示す斜視図

【符号の説明】

１１…蓋フラップ、１２、３６、４１、…差し込みフラ
ップ、３０、５５…収納ケース、３１…天面板、３２…
底面板、５１…凸部、５２…ストレート辺、５３…凹
部。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブックケース状箱体の背表紙側の一面を
   開閉蓋にしたテープカセットの収納ケースにおいて、前
   記開閉蓋はヒンジに連続した蓋本体と、この蓋本体から
   延出して前記箱体に差し込まれる差し込みフラップとか
   らなり、この差し込みフラップが差し込み方向に凸形状
   であることを特徴とするテープカセットの収納ケース。
2. 【請求項２】 前記凸形状が三角形状であることを特徴
   とする請求項１記載のテープカセットの収納ケース。
3. 【請求項３】 前記凸形状の少なくとも一部が弧状であ
   ることを特徴とする請求項１記載のテープカセットの収
   納ケース。
4. 【請求項４】 前記凸形状が多角形状であることを特徴
   とする請求項１記載のテープカセットの収納ケース。
5. 【請求項５】 前記差し込みフラップの両端に差し込み
   方向に平行なストレート辺を形成し、このストレート辺
   に凹部又は凸部を形成し、この凹部又は凸部を前記箱体
   に設けた凸部又は凹部に嵌合可能に構成したことを特徴
   とする請求項１、請求項２、請求項３又は請求項４記載
   のテープカセットの収納ケース。