JPH0914252A - クランクシャフトとその硬化処理方法 - Google Patents

クランクシャフトとその硬化処理方法

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JPH0914252A
JPH0914252A JP15916395A JP15916395A JPH0914252A JP H0914252 A JPH0914252 A JP H0914252A JP 15916395 A JP15916395 A JP 15916395A JP 15916395 A JP15916395 A JP 15916395A JP H0914252 A JPH0914252 A JP H0914252A
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JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
lubricating oil
opening
laser
hardening
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP15916395A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Uchikura
正士 内倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
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Publication of JPH0914252A publication Critical patent/JPH0914252A/ja
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油通路が成されたクランクシャフトの径
を大きくすることなく、同シャフトの剛性、特に、ねじ
り疲労強度を高める硬化処理方法と、ねじり疲労強度の
高いクランクシャフトを提供する。 【構成】 このクランクシャフト1は、潤滑油通路5の
開口部7aを含む表面4aに、高周波焼入れを行なって
高周波焼入れ層8を形成し、開口部7a近傍の高周波焼
入れ層8の下部にレーザ焼入れまたはショットピーニン
グを行ない、高周波焼入れ層8の下にレーザー焼入れ層
10を形成している。レーザー焼入れ層10は、クラン
クシャフト1の回転時に、開口部7a近傍の引張応力が
かかる部位に照射されていて、同引張応力のかかる部位
に圧縮残留応力を与えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油通路が形成され
たクランクシャフトとその潤滑油通路とつながる開口部
の硬化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、エンジン内のピストンに
は、コネクチングロッドを介してクランクシャフトが接
続していて、ピストンの上下運動を回転運動に変換して
いる。このようなクランクシャフトには、強度アップの
ために、その表面に高周波焼入れ処理が施されている。
また、クランクシャフトのジャーナル部とピン部の間に
は、潤滑油通路が形成されていて、メーンベアリングの
潤滑オイルの一部をピン部に送りコネクチングロッドに
設けたベアリングを潤滑するようになっている。この潤
滑油通路は、ジャーナル部においてクランクシャフトの
回転中心に向かって略直行して設けられ、ピン部におい
て同シャフトの回転中心に対して傾斜して設けられてお
り、ジャーナル部とピン部との表面にそれぞれ開口して
いる。このように、潤滑油通路が設けられたクランクシ
ャフトでは、潤滑油通路が形成されているため、特に、
ピン部でのねじり疲労強度が低下してしまう問題があ
る。そこで、ピン部でのねじり疲労強度を上げるため
に、潤滑油通路の開口周辺にレーザー焼入れ処理を施し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の潤滑
油通路の開口部へのレーザー焼入れ処理は、クランクシ
ャフトのピン部に形成された開口部近傍全体にレーザー
光を照射しているため、開口部近傍のクランクシャフト
表面の高周波焼入れ層が軟化して、ねじり疲労強度が低
下してしまうという問題点がある。また、ピン部の潤滑
油通路は斜めに穿孔されているので、潤滑油通路の奥ま
でレーザー焼入れ処理をすることは難しく、コスト的に
も高くなってしまうという問題も抱えている。本発明
は、潤滑油通路が形成されたクランクシャフトの径を大
きくすることなく、同シャフトの強度、特に、ねじり疲
労強度を高める硬化処理方法と、ねじり強度の高いクラ
ンクシャフトを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、レ
ーザー焼入れ処理やショットピーニング処理等の表面に
圧縮残留応力を与える表面処理を、表面に高周波焼入れ
が施され潤滑油通路の開口部が表面に形成されたクラン
クシャフトにおける高周波焼入れ層を避けて、開口部内
の引張応力のかかる部位に行なった。
【0005】
【作用】本発明によると、表面に高周波焼入れが施され
潤滑油通路の開口部が表面に形成されたクランクシャフ
トにおける、潤滑油通路の開口部内の引張応力のかかる
部位に、高周波焼入れ層を避けてレーザー焼入れやショ
ットピーニング等の表面処理を行なうので、これら処理
により、開口部内の引張応力のかかる部位に圧縮残留応
力が与えられる。また、本発明では、開口部に形成され
た高周波焼入れ層の下にレーザー焼入れ部分またはショ
ットピーニング部分が形成された潤滑油通路を有するの
で、潤滑油通路の開口部近傍の疲労強度が上がる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図3に符号1で示すクランクシャフトは、高炭素鋼
等の焼入れ性の優れた材質を用い、バランスウエイト2
を一体成形された鍛造品である。クランクシャフト1に
は、図示しないベアリングに支持されるジャーナル部3
と図示しないコネクチングロッドが装着されるピン部4
とがそれぞれ複数形成されている。ジャーナル部3とピ
ン部4には、図4に示すように、潤滑油通路5を構成す
る第1穿孔部6と第2穿孔部7がそれぞれ形成されてお
り、潤滑油をジャーナル部3とピン部4とに供給可能と
なっている。第1穿孔部6の開口部6aと第2穿孔部7
の開口部7aは、それぞれジャーナル部3とピン部4の
表面3a,4aに配置されている。クランクシャフト1
は、メインの出力発生時に、矢印Aで示す方向に回転す
るようになっている。ここでのメインの出力発生時と
は、車両前進時のことを指す。
【0007】第1穿孔部6は、クランクの回転中心軸線
Oに対して略直行するよように穿設されていて、第2穿
孔部7は、第1穿孔部6に向かってピン部4から斜めに
穿設されている。これら、第1穿孔部6と第2穿孔部7
は、クランクシャフト1の表面に高周波焼入れ等の表面
処理が施される前にドリル等で穿設されている。
【0008】クランクシャフト1の表面(ここでは、ピ
ン部の表面4a)には、上述した高周波焼入れ処理によ
り、図1に示すように、高周波焼入れ層8が形成されて
いる。高周波焼入れ層8は、第2穿孔部7を挟んで左方
に位置する層厚L1が、右方に位置する層厚Lよりも厚
くなっている。これは、第2穿孔部7が表面4aに対し
て斜めに穿孔されているため、高周波焼入れ時の熱の回
り方にムラが発生するためと思われる。
【0009】開口部7aの周部は、図示しない切削工具
により面取部7bが設けられている。この面取部7bと
高周波焼入れ層8との境界部には、レーザー焼入れ装置
9からレーザー光9Aが照射され、高周波焼入れ層8の
下方にレーザー焼入れ層10を形成している。レーザー
焼入れ装置9は、図1に示すように、回転中心軸線Oに
対して開口部7aの左方側から略45°の照射角度θで
レーザー光9Aを照射するように設定されている。
【0010】このレーザー焼入れ層10は、図2に示す
ように、クランクシャフト1が矢印Aで回転するときの
応力のうち、回転中心軸線Oに対して傾斜した線X1上
における開口部7aにかかる最大引張応力部位に形成さ
れている。ここでの最大引張応力は、レーザー焼入れ層
10と対向する部位10’にもかかるが、この部位1
0’は、第2穿孔部7を挟んで左方に位置するため、こ
こではレーザ焼入れはしない。それは、左方側の高周波
焼入れ層8の層厚L1は、右方側の高周波焼入れ層8の
層厚Lよりも厚くなっているからである(図1参照)。
仮に、層厚L1が層厚Lと同等である場合、開口部7a
の近傍部位10’にもレーザー焼入れ処理を施しても良
い。
【0011】本実施例は、レーザ出力0.5kW、溶接
速度1.0m/分、窒素ガスをアシストガスとして20
dm/3分、焦点−40mm、ビーム照射時間7sec
の条件でレーザー焼入れを行なってところ、開口部7a
の高周波焼入れ層8と面取部7bとの境界部に局部的に
レーザー光9Aを照射することができ、かつ、良好なレ
ーザー焼入れ処理を施すことができた。
【0012】このように、従来のレーザー焼入れ処理と
は異なり、開口部7a近傍の高周波焼入れ層8に直接レ
ーザー光9Aを照射するのではなく、開口部7a内の高
周波焼入れの行なわれていない部位で、かつ、クランク
シャフト1の回転により引張応力がかかる部位にレーザ
ー光9Aを照射するので、引張応力のかかる部位に圧縮
残留応力が与えられる。
【0013】よって、クランクシャフト1の回転時にお
いて高周波焼入れ層8が軟化することなく、かつ、引張
応力部位を補強できるので、同シャフト1の回転時にお
ける潤滑油通路5のねじり疲労強度が向上する。従っ
て、クランクシャフト1の径を大きくしなくとも、既存
のクランクシャフトへのレーザ焼入れ処理を上述の如く
に行なうことで、同シャフト1の強度アップを図ること
ができる。このことは、機関の出力アップに伴いクラン
クシャフト1に高強度が求められる場合であっても、ク
ランクシャフト1を新たに製作しなくて済むことにな
り、部品の共通化を図れて生産コストの低減につながる
こととなる。なお、本実施例では、高周波焼入れ層8の
下方であり、かつ、引張応力のかかる開口部7a内の部
位にレーザ焼入れ処理を施したが、圧縮空気で小さな鉄
球を飛ばすショットピーニング処理を、同部位(図1に
符号10で示す部位)に施して圧縮残留応力を有するシ
ョットピーニング層を設けることでも無論構わない。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、表面に高周波焼入れが
施され潤滑油通路の開口部が表面に形成されたクランク
シャフトにおける潤滑油通路の開口部内の引張応力のか
かる部位に、高周波焼入れ層を避けてレーザー焼入れや
ショットピーニング等の表面処理を行なうことで、開口
部内の引張応力のかかる部位に圧縮残留応力を与えるこ
とができ、開口部の強度を上げることができる。また、
本発明では、開口部に形成された高周波焼入れ層の下に
レーザー焼入れ部分またはショットピーニング部分を形
成するので、潤滑油通路の開口部近傍の軟化を防止でき
る。よって、既存のクランクシャフトに本発明の表面処
理方法を施すことで、強度、特に、開口部のねじり疲労
強度が向上するので、クランクシャフトの径を大きくし
なくともクランクシャフトのねじり強度アップを図るこ
とができ、同時に、生産コストの低減も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクランクシャフトの硬
化処理部の拡大図である。
【図2】クランクシャフトに形成した開口部の一部破断
平面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すクランクシャフトの一
部破断斜視図である。
【図4】潤滑油通路の構成を示すクランクシャフトの破
断図である。
【図5】開口部近傍にかかる応力分布を示す図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 5 潤滑油通路 7a 開口部 8 高周波焼入れ層 10 レーザー焼入れ部分(ショットピ
ーニング部分)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部に高周波焼入れ層、同高周波焼入れ
    層の下にレーザー焼入れ層またはショットピーニング層
    が形成された潤滑油通路を有することを特徴とするクラ
    ンクシャフト。
  2. 【請求項2】潤滑油通路を有するクランクシャフトの上
    記潤滑油通路の開口部を含む表面に、高周波焼入れを行
    ない、上記開口部の高周波焼入れ層の下部にレーザ焼入
    れまたはショットピーニングを行なうことを特徴とする
    クランクシャフトの硬化処理方法。
JP15916395A 1995-06-26 1995-06-26 クランクシャフトとその硬化処理方法 Withdrawn JPH0914252A (ja)

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Legal Events

Date Code Title Description
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Effective date: 20020903