JPH09141470A - 電子管用金属部材のレーザ溶接方法 - Google Patents

電子管用金属部材のレーザ溶接方法

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JPH09141470A
JPH09141470A JP7301015A JP30101595A JPH09141470A JP H09141470 A JPH09141470 A JP H09141470A JP 7301015 A JP7301015 A JP 7301015A JP 30101595 A JP30101595 A JP 30101595A JP H09141470 A JPH09141470 A JP H09141470A
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JP
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laser
spot diameter
welding
irradiated
laser beam
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JP7301015A
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Shozo Aoyama
省三 青山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子管用金属部材を所定の強度で溶接し、か
つ電子管を不良にする金属微粒子を発生しないレーザ溶
接方法を得ることにある。 【解決手段】 管内に配設される金属部材にレーザ光13
を照射して溶接する電子管用金属部材のレーザ溶接方法
において、金属部材に照射するレーザ光のスポット径お
よびパワー密度の少なくとも一方を変更して同一溶接箇
所に2段階以上レーザ光を照射するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陰極線管用電子
銃など、電子管用金属部材のレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子管は、管内に各種管内部材が
配設されている。その管内部材には、複数種の金属部材
を溶接して一体化されたものがある。たとえば陰極線管
の管内に配設される電子銃は、カソード、カソードを加
熱するヒータ、カソードからの電子ビームを加速、集束
する複数個の電極を備え、それらがストラップを介して
絶縁支持体により一体に固定され、かつそのヒータ、カ
ソードおよび各電極に所定の電圧を供給するために、ス
テムピンやリード線などが溶接される。このような電子
銃を構成する金属部材の溶接方法として、最近、レーザ
溶接が多く採用されている。
【0003】このレーザ溶接は、レーザ発振器から発振
されたレーザ光を集光レンズなどの光学的手段により集
光して溶接部に照射することによりおこなわれ、所定の
溶接強度が得られるようにレーザ発振器の発振出力およ
び集光レンズの位置などを調整して、所定のスポット
径、パワー密度のレーザ光を照射することによりおこな
われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子管
用金属部材のレーザ溶接は、所定の溶接強度が得られる
ように、レーザ発振器の発振出力および集光レンズの位
置などを調整して、所定のスポット径、パワー密度のレ
ーザ光を照射することによりおこなわれる。しかしこの
レーザ溶接では、溶接する金属部材の材質、厚さ、形状
などにより、溶接強度が大きく変化するため、常に所定
の溶接強度が安定に得られるようにレーザ光を調節する
ことが困難である。特に溶接しようとする2種類の金属
部材の性質や材質などの物理的特性が異なるときは、一
層の困難が伴う。
【0005】一般にこのような場合は、両金属部材を溶
かし込んで融着させるために、レーザ発振器の発振出力
を上げたり、溶接部でのレーザ光のスポット径を絞り込
んだりする。その結果、所定の溶接強度や大きさ(ナゲ
ット径)の溶接部が得られても、図4に示すように、溶
接部1の表面の凹凸が大きくなり、かつ直径数ミクロン
ないし数十ミクロン程度の多数の金属微粒子2が発生
し、この多数の金属微粒子2が溶接部1の中心部3cや
外周部2p付近に付着する。そしてこの金属微粒子2
が、その後電子管の製造工程で加わる加熱や振動などに
より剥落し、たとえば陰極線管では、耐電圧不良、蛍光
面欠点、電極間タッチなどの不良発生の原因となるとい
う問題がある。
【0006】このような問題を解決するため、従来は溶
接する金属部材の材質、厚さ、形状などに応じて、レー
ザ発振器の発振出力や溶接部でのレーザ光のスポット径
などの溶接条件を自動または手動で微調整できるように
しているが、このような手段のみでは、十分な対応が得
られない。
【0007】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、電子管用金属部材に対して、容易
に所定の溶接強度が得られ、かつ電子管を不良にする金
属微粒子などの発生しないレーザ溶接方法を得ることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】電子管の管内に配設され
る金属部材に発振されたレーザ光を照射して溶接する電
子管用金属部材のレーザ溶接方法において、金属部材に
照射するレーザ光のスポット径およびパワー密度の少な
くとも一方を変更して同一溶接箇所に2段階以上レーザ
光を照射するようにした。
【0009】また、上記電子管用金属部材のレーザ溶接
方法において、先に照射するレーザ光のスポット径に対
してその後照射するレーザ光のスポット径を大きくし
た。
【0010】さらに、先に照射するレーザ光のスポット
径に対してその後照射するレーザ光のスポット径を10
〜50%大きくした。
【0011】さらにまた、レーザ発振器の発振出力を変
更することなく光学的手段により先に照射するレーザ光
のスポット径に対してその後照射するレーザ光のスポッ
ト径を大きくした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。
【0013】図1にその一形態であるカラー受像管用電
子銃の電子ビーム放出端側に位置するコンバーゼンス・
カップに弾性体からなるバルブスペーサを取付けるレー
ザ溶接方法を示す。そのコンバーゼンス・カップとバル
ブスペーサとは、組成の異なるステンレス鋼からなる。
このコンバーゼンス・カップとバルブスペーサの溶接
は、コンバーゼンス・カップ10の外側壁の所定位置に
バルブスペーサ11を密着して配置し、YAGレーザ発
振器12から放出されるレーザ光13を集光レンズ14
で集光し、コンバーゼンス・カップ10とバルブスペー
サ11の密着部に照射することによりおこなわれる。
【0014】特にこの実施の形態では、そのコンバーゼ
ンス・カップ10とバルブスペーサ11との密着部にレ
ーザ光13を2段階に分けて照射することによりおこな
われる。すなわち、図2(a)および(b)に折線1
6,17で示すように、照射開始から時間t1 までの第
1段階では、集光レンズの位置およびレーザ発振器の発
振出力を調節して、従来のレーザ溶接と同程度のスポッ
ト径およびパワー密度でレーザ光を照射して、所定の溶
接強度の溶接をおこなう。ついで、時間t1 から時間t
2 の第2段階では、図1に破線で示したように集光レン
ズ14を動かして、その位置を調整し、スポット径を第
1段階でのスポット径よりも10〜50%大きくして、
上記第1段階で溶接した溶接部に照射する。この場合、
溶接部に照射されるレーザ光のパワー密度は、第1段階
でのパワー密度よりも、スポット径を大きくした分だけ
低下する。
【0015】このように2段階に分けてレーザ光13を
照射すると、従来のレーザ溶接で発生した金属微粒子を
なくすことができる。すなわち、従来のレーザ溶接と同
程度のスポット径およびパワー密度でレーザ光13を照
射する第1段階では、従来のレーザ溶接と同様に、溶接
部の中心部や周辺部に多数の金属微粒子が発生するが、
ついでおこなわれる第1段階よりもスポット径が大き
く、かつパワー密度の低いレーザ光13の照射によっ
て、図3に示すように、第1段階の溶接で生じた中心部
20c や周辺部20p の金属微粒子を溶着してなくし、
かつ溶接部19の表面を図4に示した溶接部にくらべて
平坦にすることができる。その結果、従来、電子管の製
造工程で金属微粒子が脱落するために生じた耐電圧不
良、蛍光面欠点、電極間タッチなどの不所望な不良が防
止される。
【0016】しかも上記方法によれば、レーザ発振器の
発振出力を変更することなく、第2段階で照射するレー
ザ光13のパワー密度を下げられるので、装置を複雑に
することなく、かつ溶接に要する時間を長引かせること
なく、所望の溶接をおこなうことができる。
【0017】また第2段階で照射するレーザ光13のス
ポット径を第1段階でのスポット径よりも、10〜50
%大きくすると、第1段階の溶接で溶接部19の中心部
や周辺部に生じた金属微粒子をほぼ完全に溶着でき、従
来発生した金属微粒子の脱落を防止することができる。
【0018】なお、図3(b)に示したd1 は第1段階
での溶接部径、d2 は第2段階での溶接部径である。
【0019】実際に14インチ・カラーディスプレイ管
用電子銃のコンバーゼンス・カップとバルブスペーサと
の溶接に適用し、電子銃の各電極を一体に固定している
絶縁支持棒の中央部を、ナイロン棒で50Gの加速度で
100回タッピングし、そのとき脱落した直径10μm
以上の金属微粒子の個数を、従来のレーザ溶接方法で溶
接した場合と比較して表1に示す。
【0020】この電子銃では、コンバーゼンス・カップ
の外側壁に3個のバルブスペーサが取付けられ、その各
バルブスペーサは2点で溶接され、3個のバルブスペー
サが6個の溶接部で溶接されている。表1は、このよう
な電子銃10個からの脱落金属微粒子の個数である。
【0021】
【表1】 この表1に示したように、この発明の方法により溶接す
ると、電子銃1個当り、バルブスペーサから発生する金
属微粒子の個数が従来のレーザ溶接方法による電子銃1
個当りの発生個数12.6個に対して0.3個と、約1
/40に減少した。さらにバルブスペーサ以外のスプラ
ッシュ(金属微粒子)を0とすることができた。このこ
とは、陰極線管の耐電圧特性に悪影響を及ぼす直径10
μm 以下の金属微粒子も、この実施の形態の方法により
溶接すると少なくなることを意味し、脱落金属微粒子に
よる陰極線管の特性、品位の低下を大幅に向上できるこ
とを示している。
【0022】なお、上記実施の形態では、2段階に分け
て溶接をおこなったが、レーザ光のスポット径やパワー
密度を調整して2段階以上に分けて溶接することは、任
意である。
【0023】また、上記実施の形態では、カラー受像管
用電子銃のコンバーゼンス・カップにバルブスペーサを
取付ける場合について説明したが、この発明は、それ以
外の電子銃部品の溶接にも適用できる。またカラー受像
管用電子銃以外の電子銃部品の溶接、さらには各種電子
管の金属部材の溶接に適用できる。
【0024】
【発明の効果】電子管の管内に配設される金属部材に照
射するレーザ光のスポット径およびパワー密度の少なく
とも一方を変更して同一溶接箇所に2段階以上レーザ光
を照射し、さらには、先に照射するレーザ光のスポット
径に対してその後照射するレーザ光のスポット径を大き
くし、さらには、先に照射するレーザ光のスポット径に
対してその後照射するレーザ光のスポット径を10〜5
0%大きくすると、金属微粒子を溶着してなくし、かつ
溶接部の表面を、従来のレーザ溶接の溶接部にくらべて
平坦化できる。それにより、従来、電子管の製造工程で
金属微粒子が脱落するために生じた耐電圧不良、蛍光面
欠点、電極間タッチなどの不所望な不良を防止できる。
【0025】また、レーザ発振器の発振出力を変更する
ことなく光学的手段により先に照射するレーザ光のスポ
ット径に対してその後照射するレーザ光のスポット径を
大きくすることにより、第2段階以後に照射するレーザ
光のパワー密度を下げることができ、装置を複雑にする
ことなく、かつ溶接に要する時間を長引かせることな
く、所望の溶接をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるカラー受像管用
電子銃のコンバーゼンス・カップにバルブスペーサを取
付けるレーザ溶接方法を説明するための図である。
【図2】図2(a)および(b)はそれぞれ上記レーザ
溶接方法におけるレーザ光のスポット径およびパワー密
度を説明するための図である。
【図3】図3(a)は上記レーザ溶接方法により溶接さ
れた溶接部の状態を示す平面図、図3(b)はそのB−
B線での断面図である。
【図4】図4(a)は従来のレーザ溶接方法による溶接
部の状態を示す平面図、図4(b)はそのB−B線での
断面図である。
【符号の説明】
10…コンバーゼンス・カップ 11…バルブスペーサ 12…レーザ発振器 13…レーザ光 14…集光レンズ 19…溶接部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子管の管内に配設される金属部材にレ
    ーザ光を照射して溶接する電子管用金属部材のレーザ溶
    接方法において、 上記金属部材に照射するレーザ光のスポット径およびパ
    ワー密度の少なくとも一方を変更して同一溶接箇所に2
    段階以上レーザ光を照射することを特徴とする電子管用
    金属部材のレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 先に照射するレーザ光のスポット径に対
    してその後照射するレーザ光のスポット径を大きくする
    ことを特徴とする請求項1記載の電子管用金属部材のレ
    ーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】 先に照射するレーザ光のスポット径に対
    してその後照射するレーザ光のスポット径を10〜50
    %大きくすることを特徴とする請求項2記載の電子管用
    金属部材のレーザ溶接方法。
  4. 【請求項4】 レーザ発振器の発振出力を変更すること
    なく光学的手段により先に照射するレーザ光のスポット
    径に対してその後照射するレーザ光のスポット径を大き
    くすることを特徴とする請求項2ないし3記載の電子管
    用金属部材のレーザ溶接方法。
JP7301015A 1995-11-20 1995-11-20 電子管用金属部材のレーザ溶接方法 Pending JPH09141470A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009218183A (ja) * 2008-03-13 2009-09-24 Sony Corp アノードパネルの製造方法
JP2011167768A (ja) * 1998-06-30 2011-09-01 Jyoti Mazumder レーザクラッディング装置及び方法
JP2020199525A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 スズキ株式会社 レーザスポット溶接方法
JP2021137831A (ja) * 2020-03-03 2021-09-16 スズキ株式会社 レーザスポット溶接方法

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