JPH09141019A - 濾過乾燥装置及び濾過乾燥装置用の攪拌翼 - Google Patents

濾過乾燥装置及び濾過乾燥装置用の攪拌翼

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JPH09141019A
JPH09141019A JP7300102A JP30010295A JPH09141019A JP H09141019 A JPH09141019 A JP H09141019A JP 7300102 A JP7300102 A JP 7300102A JP 30010295 A JP30010295 A JP 30010295A JP H09141019 A JPH09141019 A JP H09141019A
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JP
Japan
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stirring blade
drying
cake
filter
filtration
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JP7300102A
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English (en)
Inventor
Masahiro Maeno
正尋 前野
Hitoshi Hirai
等 平井
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Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Shinko Pantec Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーキへの伝熱性が良好で、効率よくケーキ
の乾燥が行え、且つ経済的に製造、稼働することが可能
な濾過乾燥装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 濾過乾燥装置本体1 の内部に縦設された
上下移動及び回転自在に形成された回転軸5 と、該回転
軸5 に取り付けられ且つ濾過されたケーキを乾燥時に攪
拌する攪拌翼2 と、濾過乾燥装置本体1 の内部を加熱す
る加熱手段を有し、且つ該加熱手段によって加熱しなが
らケーキの乾燥を行う濾過乾燥装置において、前記攪拌
翼2 が、前記回転軸5 の乾燥時の回転方向に向かって低
くなるように傾斜されている上面板2aと、濾過乾燥装置
本体1 の底面側に位置する下面板2bと、該正回転方向の
後方側に位置する側面板2cとからなり、前記上面板2aと
下面板2bのなす角度が鋭角である三角柱状に形成され、
且つ該攪拌翼2 の内部には乾燥時に加熱媒体を導入可能
に設けられた中空部21を具備することを解決手段として
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原液等を濾過し、
さらに濾過後の固形分であるケーキ等の洗浄、乾燥等を
攪拌翼によって攪拌しながら行う濾過乾燥装置及び濾過
乾燥装置用の攪拌翼の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スラリー状の原液を内部で濾過
し、該濾過後に残留する水分等を含む固形状のケーキを
乾燥して排出するための濾過乾燥装置として、濾過後の
乾燥を装置本体の外面から濾室内を加熱するもの等が知
られている。
【0003】このような濾過乾燥装置として一般的に使
用されているものとしては、例えば以下のようなものが
ある。即ち、濾過乾燥装置本体の内部の密封された濾室
内に原液を導入した後、濾室内を加圧し、或いは濾室下
部に設けられた濾材下面側から真空吸引することによっ
て濾過した後、攪拌翼によってケーキ上面に発生するク
ラックを除去するため攪拌翼を回転させながら展延を行
い、濾過を効果的ならしめ、濾材を通された濾液を排出
口から排出する。
【0004】さらに、該攪拌翼を前記展延の場合と逆の
方向に回転させながらケーキを洗浄し、その後攪拌翼を
回転させたまま上下方向にも移動させながら固形状のケ
ーキを攪拌しつつ、濾過乾燥装置本体の外面に設けられ
た加熱ジャケット内にスチーム等の加熱媒体を導入し
て、装置本体の外部から濾室内を加熱して、ケーキを乾
燥粉末として濾過乾燥装置本体から排出するものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置本体の外部に設けられた加熱ジャケットによっ
て加熱する場合に、加熱面が該濾過乾燥装置本体の加熱
ジャケットが設けられた周壁部分のみであり、ケーキの
内部まで効率よく加熱することができず、熱伝導率が悪
いものであった。
【0006】このような問題点を解決するための濾過乾
燥装置としては、例えば特公平4−26883号公報に
記載された図6に示すような濾過乾燥装置40がある。即
ち、攪拌翼42の下方に中空の櫛歯41を延設して、該櫛歯
41の中空部43にスチーム等の加熱媒体を導入して、該櫛
歯41をケーキの内部に差し込んだ状態で攪拌することに
よってケーキ内部まで効率よく熱を伝えるものが知られ
ている。
【0007】しかし、このような櫛歯41をケーキ内部に
差し込んだ状態で攪拌翼42を回転させる場合には、櫛歯
41によって回転時の抵抗が大きくなり、回転軸45の回転
トルクが大きく、その結果モーターを大型化する必要が
あり不経済であった。
【0008】また、このような櫛歯41を複数攪拌翼42に
設けることや、さらにこの櫛歯41を中空に形成して加熱
媒体を導入するような攪拌翼42は、構造が複雑化し、そ
のため製造コスト等が高くなるという問題もあった。
【0009】さらに、櫛歯41は下方へ延設されているた
め、内部に加熱媒体としてのスチームを通した場合に、
循環経路が複雑で下端部でスチームが凝縮しやすく加熱
媒体を全体に循環させることが困難であった。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、ケーキへの伝熱性が良好で、
効率よくケーキの乾燥が行え、且つ経済的に製造、稼働
することが可能な濾過乾燥装置を提供することを課題と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(構成)本発明は、このような課題を解決するために、
濾過乾燥装置と、該濾過乾燥装置用の攪拌翼についてな
されたもので、濾過乾燥装置としての特徴は、濾過乾燥
装置本体1 の内部に縦設された上下移動及び回転自在に
形成された回転軸5 と、該回転軸5 に取り付けられ且つ
濾過されたケーキを乾燥時に攪拌する攪拌翼2 と、濾過
乾燥装置本体1 の内部を加熱する加熱手段を有し、且つ
該加熱手段によって加熱しながらケーキの乾燥を行う濾
過乾燥装置において、前記攪拌翼2 が、前記回転軸5 の
乾燥時の回転方向に向かって低くなるように傾斜されて
いる上面板2aと、濾過乾燥装置本体1 の底面側に位置す
る下面板2bと、該正回転方向の後方側に位置する側面板
2cとからなり、前記上面板2aと下面板2bのなす角度が鋭
角である三角柱状に形成され、且つ該攪拌翼2 の内部に
は乾燥時に加熱媒体を導入可能に設けられた中空部21を
具備することにある。
【0012】また、攪拌翼としての特徴は、濾過乾燥装
置本体1 の内部に縦設された上下移動及び回転自在に形
成された回転軸5 に取り付けられ、且つ濾過乾燥装置本
体1の内部を加熱手段によって加熱しながら乾燥する際
に、濾過されたケーキを攪拌する濾過乾燥装置用の攪拌
翼において、前記回転軸5 の乾燥時の回転方向に向かっ
て低くなるように傾斜されている上面板2aと、濾過乾燥
装置本体1 の底面側に位置する下面板2bと、該正回転方
向の後方側に位置する側面板2cとからなり、前記上面板
2aと下面板2bのなす角度が鋭角である三角柱状に形成さ
れ、且つ内部には乾燥時に加熱媒体を導入可能に設けら
れた中空部21を具備することにある。
【0013】(作用)すなわち上記のように本発明で
は、攪拌翼2 が、前記回転軸5 の乾燥時の回転方向に向
かって低くなる上面板2aと、濾過乾燥装置本体1 の底面
側に位置する下面板2bと、該正回転方向の後方側に位置
する側面板2cとからなり、上面板2aと下面板2bのなす角
度が鋭角である三角柱状に形成され、該攪拌翼2 の内部
には乾燥する時に加熱媒体を導入可能に設けられた中空
部21を具備するため、乾燥工程時には該攪拌翼2 自体が
該中空部21に導入される加熱媒体によって加熱手段とし
て働き、該攪拌翼2 に接するケーキ内部にも効率よく熱
を伝えることができる。
【0014】また、上面板2aが乾燥時の攪拌翼2 の回転
方向に向かって低くなるように傾斜しており、且つ該上
面板2aと下面板2bとのなす角度が鋭角であるため、攪拌
翼2によってケーキを攪拌する場合に、ケーキを良好に
掻き取り該上面板2aの上側にケーキが乗りやすく、該攪
拌翼2 の表面がケーキに接触することによってケーキを
より一層効率よく加熱することができる。
【0015】さらに、攪拌翼2 が乾燥時の回転方向に向
かって低くなるような傾斜面が形成され、且つ上面板2a
と下面板2bとのなす先端部が鋭角である三角柱状である
ため、回転時の抵抗が少なく、回転トルクを小さくで
き、該回転軸を回転させる駆動手段への負荷を減少させ
ることができる。
【0016】さらに、攪拌翼2の構成が単純であるため
製造も容易であり、特に、加熱媒体の循環経路として攪
拌翼2の中空部21内に加熱媒体を通道するパイプ8 を設
け、該パイプを加熱媒体の回収手段とした場合には、加
熱媒体の循環経路も簡単な構成から形成することがで
き、加熱媒体が循環経路の一部に溜まって回収すること
が困難であるということがない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
について図面に従って説明する。先ず、濾過乾燥装置の
構成について説明する。図1に示す1は、ベル型ハウジ
ング形状の濾過乾燥装置本体で、該濾過乾燥装置本体1
内部中央には回転モーター等の駆動手段4によって回転
され、また油圧シリンダ等の昇降装置3により昇降自在
に形成され且つ外周にベローズ24が被嵌された回転軸5
が上下方向に配され、該回転軸5の先端には攪拌翼2が
取り付けられている。
【0018】11は、前記濾過乾燥装置本体1内部に原液
を導入する原液導入口で、12は乾燥後の粉体を排出する
粉体排出口である。また13は濾過乾燥装置本体1内の底
面上に配設された布や金網等の濾材であり、さらに15
は、濾過乾燥装置本体1の外周壁に設けられた加熱ジャ
ケットで、該加熱ジャケット内には加熱媒体としてのス
チームが導入される。
【0019】前記攪拌翼2は、図2(イ)に示すように
前記回転軸5の周囲に3本取り付けられており、該攪拌
翼2は図2(ロ)に示すように、3枚の板体2a,2b,2cか
ら内部に中空部21を有する三角柱状に形成されている。
【0020】該攪拌翼2は、3枚の板体2a,2b,2cのうち
の上側に位置する上面板2aが、図2(イ)に示す正回転
時、即ち乾燥工程時の回転方向に向かって、低くなるよ
うな斜面として形成されている。また、該上面板2aと、
底面側に位置する底面板2bのなす角度αは45°であ
り、また底面板2bと残りの側面板2cとのなす角度は90
°の直角二等辺三角形になるように形成されている。
【0021】さらに、各攪拌翼2の回転方向側の下端部
には、所定間隔に掻き取爪16が設けられ、さらに各攪拌
翼2の先端部にも濾過乾燥装置本体1の内周壁部のケー
キを掻き取るためのスクレーパー17が取り付けられてい
る。また、各攪拌翼2は、図3に示すように底面板2cが
水平になるように回転軸5に取り付けられている。
【0022】また、前記回転軸5の上部には、加熱媒体
としてのスチームを導入するスチーム導入口6aが設けら
れている。7は、上端部が該スチーム導入口6aに接続さ
れた回転軸5内部に上下方向に設けられたスチーム通道
路で、該スチーム通道路7の内側の回転軸5の中央部に
はスチーム排出路10が設けられている。
【0023】さらにスチーム通道路7の下端部は、図3
に示すように攪拌翼2の内の中空部21に接続されてい
る。
【0024】また、図2(イ)(ロ)及び図3に示す8
は、攪拌翼2内の中空部21に攪拌翼2の先端側から回転
軸5との取り付け側まで延設されて、先端側が攪拌翼2
の中空部21に開放されているスチームドレンパイプで、
該スチームドレンパイプ8の回転軸5側の一端は、前記
回転軸5内部のスチーム排出路10の下端部に接続されて
おり、該スチーム排出路10は攪拌翼2内の中空部21内に
開放されたスチームを回転軸5の上部に設けられたスチ
ーム排出口6bから排出すべくスチームドレンパイプ8と
スチーム排出口6bとを連結するように形成されている。
9は、前記スチームドレンパイプ8を支持すべくスチー
ムドレンパイプ8の先端側に2本ずつ設けられたスチー
ムドレンパイプ用サポートである。
【0025】また回転軸5の底面には、攪拌翼2が接触
しない回転軸5の下面に位置するケーキを掻き取るべく
掻き取爪18が取り付けられている。さらに19は、濾過乾
燥装置本体1の下蓋部の略中央部に形成された濾液排出
口である。
【0026】次に、上記の構成からなる濾過乾燥装置20
によってスラリー状の原液を濾過乾燥する場合について
説明する。
【0027】まず、原液導入口11から原液を濾過乾燥装
置本体1内部に導入する。そして、濾過乾燥装置本体1
の内部を加圧状態にし、或いは濾材13の下方から真空吸
引して原液を濾過する。濾材13を通過した濾液は濾過乾
燥装置本体1の底面部の濾液排出口19から濾過乾燥装置
本体1の外へ排出される。
【0028】さらに、濾過された後のケーキの表面を回
転軸5を図2(イ)に示す逆方向Bに回転させながらな
だらかに展延する。
【0029】次に、濾過及び展延によって水分がある程
度除去されて固形状になったケーキを乾燥させるため
に、前記加熱ジャケット15内部に加熱媒体としてのスチ
ームを導入して、濾過乾燥装置本体1内部を側面から加
熱すると同時に、回転軸5を展延の際と逆の正方向Aに
回転させながら上下方向に昇降させ、該攪拌翼2によっ
てケーキを攪拌する。このように攪拌翼2を回転及び昇
降させることによって、前記攪拌翼2に取り付けられた
掻き取り爪16やスクレーパー17、及び回転軸5の下面に
設けられた掻き取爪18によって、濾過乾燥装置本体1内
のケーキが掻き取られながら攪拌される。
【0030】これと同時に、前記スチーム導入口6aから
加熱媒体としてのスチームを導入して、該スチームは回
転軸5内のスチーム通道路7を通って下方へ通道され、
さらに攪拌翼2内部の中空部21に移送される。
【0031】このようにスチームによって攪拌翼2自体
が加熱されているため、攪拌翼2も加熱手段として働
き、加熱ジャケット15による濾過乾燥装置本体1の外面
からの加熱と両方の加熱手段によってケーキの乾燥が良
好に行われる。
【0032】さらに、図4に示す乾燥時の回転方向、即
ち、正方向Aに向かって低くなっている攪拌翼2の上面
板2aがケーキの抵抗を少なくし、回転トルクが小さくて
済み前記回転手段4への負荷が軽減する。また、上面板
2aがこのような傾斜面であるため、該上面板2aの上側に
ケーキがのりやすく、加熱されている攪拌翼2の上面板
2aの上を移動されてさらに側面板2cから落とされること
によってケーキが攪拌翼2表面に接触する時間が長く、
より効率よくケーキは加熱乾燥される。
【0033】このようにして、濾過、乾燥されたケーキ
は、水分を除去された状態で粉体排出口12から濾過乾燥
装置本体1の外部へ排出される。また、このように粉体
を排出する前に、完全にケーキを乾燥し終えた乾燥工程
の終了後に、前記スチーム排出口6bからスチームの代わ
りに冷却水等の冷却媒体を導入して、該冷却水を回転軸
5及び攪拌翼2内の中空部21内に導入しながら粉体を攪
拌することによって排出する粉体の熱を除去することも
できる。
【0034】この時、加熱媒体であるスチームを回収し
て別の媒体を導入するために前記スチーム排出口6bから
スチーム排出路10内部を吸引することで、該スチーム排
出路10に接続されたスチームドレンパイプ8の先端から
攪拌翼の中空部21内に導入されたスチームを回収し、ス
チーム排出路10を通って回転軸5の上部まで移送してス
チーム排出口6bから外部にスチームを排出することがで
きる。
【0035】このように、一本のスチームドレンパイプ
8で攪拌翼2内のスチーム等の加熱媒体を良好に回収す
ることができ、加熱媒体の循環経路が単純な構成である
ため容易且つ確実に加熱媒体を回収することができ、装
置の稼働をスムースに行える。
【0036】尚、上記実施の形態では、攪拌翼2の形状
を上面板2aと底面板2bのなす角度が45°の直角2等辺
三角形に形成し、底面板2bが水平になるように回転軸5
にとりつけたが、例えば図5に示すように、上面板2aと
水平面のなす角度αが45°で、且つ底面板2bと水平面
のなす角度βが15°以下、好ましくは5乃至10°程
度の傾斜を有するように回転軸5に取り付けられた攪拌
翼2であってもよい。このような攪拌翼2の場合には、
乾燥工程の回転方向と逆方向Bに攪拌翼2を回転させる
展延工程において、進行方向の後方側の攪拌翼2の下端
部によってケーキ表面が均されることになり、展延が容
易になるという利点がある。
【0037】また、上面板2aと水平面のなす角度は45
°に限らず、30乃至50°の範囲内であればよく、さ
らには上面板2aと下面板2bのなす角度が鋭角であれば上
面板2aと水平面のなす角度がこのような角度であること
は条件ではない。但し、掻き取りや混合のし易さや、回
転トルクを効果的に低減させることを考慮すると、上面
板2aと水平面のなす角度が30乃至50°の範囲、好ま
しくは35乃至45°の範囲に形成されることが最適で
ある。
【0038】さらに、上記実施の形態では攪拌翼2内部
の中空部21、及び該中空部21に設けられたスチームドレ
ンパイプ8とから攪拌翼2内部に加熱媒体を通道する手
段を構成したが、このようなスチームドレンパイプ8を
設けることは条件ではない。
【0039】また、上記実施の形態では加熱媒体として
スチームを導入したが、加熱媒体はこれに限定されるも
のではなく、スチームの他に温水や熱媒油等を使用して
もよい。このスチームの代わりの加熱媒体として温水を
使用した場合には、上記実施の形態のスチームの循環経
路と逆に温水を循環させる。即ち、スチーム排出口6bか
ら温水を回転軸5の中央部に形成されたスチーム排出路
10に導入し、該スチーム排出路10の下端部からスチーム
ドレンパイプ8内に温水を流通させ、該スチームドレン
パイプ8の先端側から攪拌翼2の中空部21内に温水を導
入する。該温水を回収する場合にもスチームと逆に回収
され、即ち、攪拌翼2の中空部21から前記スチーム通道
路7を通り、濾過乾燥装置本体1の上部のスチーム導入
口6aから温水を回収する。
【0040】このように温水等の液体を加熱媒体として
使用した場合に、スチームと逆の循環経路とするのは、
スチームの場合には、攪拌翼2の中空部21に導入されて
いる間に中空部21の下部にスチームが凝縮したドレンが
たまり、この下部に溜まったドレンを確実に回収するた
めに下方位置に回収手段を設けた方が回収効率がよく、
逆に液体の加熱媒体である温水や熱媒油の場合には、ス
チームと逆の循環経路にすることが好ましいためであ
る。
【0041】このように加熱媒体の種類に応じて、スチ
ームドレンパイプ8は回収手段として使用することも、
導入手段として使用することもできる。さらに、このよ
うなスチームドレンパイプ8を設けることは条件ではな
いが、ドレンパイプ8を加熱媒体の導入、回収手段とし
て攪拌翼2内に設けた場合には、単純な構成で且つ攪拌
翼2の内部に確実に加熱媒体を導入することができ、ま
た加熱媒体の回収も容易であるという利点がある。
【0042】その他、濾過乾燥装置本体1や駆動手段4
及び濾材13の材質、形状等は本発明の範囲内で任意に設
計変更可能である。
【0043】
【実施例】上記実施の形態で示した濾過乾燥装置を使用
した場合の回転トルク、又は乾燥時間について、以下に
さらに具体的に述べる。
【0044】(第1実施例)上記実施の形態の攪拌翼
と、従来例で示した櫛歯型の攪拌翼をそれぞれ、装置本
体の代替としての上下移動自在の実験槽に使用して、洗
浄、展延、掻取、乾燥の各工程を行い測定した回転トル
クの対比について説明する。
【0045】〔洗浄〕使用するスラリー状の原液は、炭
酸カルシウム粉体30kgに水40kgを混入したもの
を使用した。また、各攪拌翼の高さは濾布面より10m
m上位となるように実験槽に固定し、回転軸の回転数を
10rpm又は30rpmとして回転トルクを測定し
た。尚、この時の原液面の高さは実験槽底面から約25
0mmの高さで、炭酸カルシウム粉体は嵩密度1.4g
/cm3 、平均粒度300μmのものを使用した。
【0046】〔展延〕洗浄に使用した原液を500mm
Hgの減圧下で濾過し、外見上ほぼ水分がなくなったと
思われた段階で、回転軸を10rpmの回転数で回転さ
せつつ、攪拌翼の高さがケーキの上面より20mmの位
置に実験槽に固定した場合、及びその位置で実験槽を5
mm/min、10mm/minのそれぞれの速度で昇
降させた場合について回転トルクを測定した。この時の
ケーキの高さは約90mmであった。
【0047】〔掻取〕上記展延工程と同様の減圧濾過後
のケーキを使用して、回転軸を10rpmの回転数で回
転させつつ、攪拌翼の高さがケーキの上面より52mm
の下位の位置に実験槽を固定した場合、85mmの下位
の位置に固定した場合、及びその各位置で実験槽を5m
m/min、10mm/min、20mm/minのそ
れぞれの速度で昇降させた場合について回転トルクを測
定した。この時のケーキの高さは約90mmであった。
【0048】〔乾燥〕実験槽に上記炭酸カルシウム粉体
30kgを投入し、次いで水を2kgづつ4回に分けて
添加して実際の乾燥工程で使用するケーキに近い状態に
したものを、攪拌翼の高さが濾布面より10mm上にな
るように実験槽を固定し、回転軸を10rpmの回転数
で回転させつつ、最終的に添加した水を8kg添加した
段階で回転トルクを測定した。
【0049】〔排出〕実験槽に上記炭酸カルシウム30
kgのみを投入し、攪拌翼の高さが濾布面より10mm
上になるように実験槽を固定し、回転軸を10rpmの
回転数で回転させつつ、回転トルクを測定した。
【0050】尚、以上各工程での回転方向は、展延時以
外は上記実施の形態で示したような正方向、即ち本発明
の攪拌翼の上面板が進行方向に向かって低くなるような
方向で回転され、展延時には逆方向に回転される。以上
の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、上記実施の形態
の三角柱状の回転翼を使用したときの回転トルクは、逆
方向に回転させる展延時以外はすべて比較例の櫛歯型の
攪拌翼回転トルクに比して低い値を示した。
【0053】(第2実施例)次に、上記実施の形態にお
いて示した三角柱状の攪拌翼の内部に加熱媒体としての
スチームを導入した攪拌翼Aと、同様の攪拌翼にスチー
ムを導入しない攪拌翼Bとで上記実施例1の乾燥工程を
行い、その乾燥時間の対比を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】表2からも明らかなように、ケーキが所定
の乾燥状態(0.6WT%)になるまでの乾燥時間は、
攪拌翼内部にスチームを導入した場合には9時間で到達
し、同じ形態の攪拌翼でスチームを導入しなかった場合
の20時間に比して半分以下の時間で同じ乾燥状態にす
ることができた。
【0056】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、乾燥時には攪
拌翼の内部に加熱媒体を導入することができるため、該
攪拌翼自体を伝熱面として、ケーキを攪拌しながら内部
まで効率よく加熱して短時間で且つ良好に乾燥させるこ
とができる。しかも、ケーキの攪拌時の回転トルクを低
減させることができ、さらには簡易な構造からなる攪拌
翼であるため、製造、稼働を経済的に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過乾燥装置の概略断面図。
【図2】(イ)は攪拌翼を示す断面図、(ロ)は(イ)
のX−X線端面図。
【図3】濾過乾燥装置の要部拡大断面図。
【図4】攪拌翼の使用状態を示す側面図。
【図5】他の実施の形態の攪拌翼の使用状態を示す側面
図。
【図6】従来の濾過乾燥装置の概略断面図。
【符号の説明】
1 濾過乾燥装置本体 2 攪拌翼 5 回転軸 7 スチーム通道路 8 スチームドレンパイプ 10 スチーム排出路 21 中空部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過乾燥装置本体(1) の内部に縦設され
    た上下移動及び回転自在に形成された回転軸(5) と、該
    回転軸(5) に取り付けられ且つ濾過されたケーキを乾燥
    時に攪拌する攪拌翼(2) と、濾過乾燥装置本体(1) の内
    部を加熱する加熱手段を有し、且つ該加熱手段によって
    加熱しながらケーキの乾燥を行う濾過乾燥装置におい
    て、前記攪拌翼(2) が、前記回転軸(5) の乾燥時の回転
    方向に向かって低くなるように傾斜されている上面板(2
    a)と、濾過乾燥装置本体(1) の底面側に位置する下面板
    (2b)と、該正回転方向の後方側に位置する側面板(2c)と
    からなり、前記上面板(2a)と下面板(2b)のなす角度が鋭
    角である三角柱状に形成され、且つ該攪拌翼(2) の内部
    には乾燥時に加熱媒体を導入可能に設けられた中空部(2
    1)を具備することを特徴とする濾過乾燥装置。
  2. 【請求項2】 前記攪拌翼(2) の上面板(2a)と水平面の
    なす角度が30乃至50°である請求項1に記載の濾過
    乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記攪拌翼(2) の中空部(21)に、前記加
    熱媒体を内部に通導可能なパイプ(8) が攪拌翼(2) の取
    り付け側から先端側に亘って設けられている請求項1又
    は請求項2に記載の濾過乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記パイプ(8) が、攪拌翼(2) の中空部
    (21)に導入された加熱媒体の回収手段である請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の濾過乾燥装置。
  5. 【請求項5】 濾過乾燥装置本体(1) の内部に縦設され
    た上下移動及び回転自在に形成された回転軸(5) に取り
    付けられ、且つ濾過乾燥装置本体(1) の内部を加熱手段
    によって加熱しながら乾燥する際に、濾過されたケーキ
    を攪拌する濾過乾燥装置用の攪拌翼において、前記回転
    軸(5) の乾燥時の回転方向に向かって低くなるように傾
    斜されている上面板(2a)と、濾過乾燥装置本体(1) の底
    面側に位置する下面板(2b)と、該正回転方向の後方側に
    位置する側面板(2c)とからなり、前記上面板(2a)と下面
    板(2b)のなす角度が鋭角である三角柱状に形成され、且
    つ内部には乾燥時に加熱媒体を導入可能に設けられた中
    空部(21)を具備することを特徴とする濾過乾燥装置用の
    攪拌翼。
  6. 【請求項6】 前記上面板(2a)と水平面のなす角度が3
    0乃至50°である請求項5に記載の濾過乾燥装置用の
    攪拌翼。
  7. 【請求項7】 前記攪拌翼(2) の中空部(21)に、前記加
    熱媒体を内部に通導可能なパイプ(8) が攪拌翼(2) の取
    り付け側から先端側に亘って設けられている請求項5又
    は請求項6に記載の濾過乾燥装置用の攪拌翼。
  8. 【請求項8】 前記パイプ(8) が、攪拌翼(2) の中空部
    (21)に導入された加熱媒体の回収手段である請求項5乃
    至請求項7のいずれかに記載の濾過乾燥装置用の攪拌
    翼。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2251073A1 (de) * 2009-05-06 2010-11-17 FIMA Maschinenbau GmbH Filtertrockner und Verfahren zum Betrieb des Filtertrockners
CN106621909A (zh) * 2016-12-19 2017-05-10 江西宜人家食品有限公司 一种食品加热搅拌桶主体装置
CN114602230A (zh) * 2022-03-16 2022-06-10 合肥通用机械研究院有限公司 一种气吹撬动式残留滤饼清除组件

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