JPH09140949A - 香りを使った玩具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】香り発生部１と、組み合わせたとき見えない部
位に香り発生部と相補的な結合を為す構造を有する３か
らなる、香りを用いた、香り当てを楽しむ。 【解決手段】香りを識別記号として用い、香り発生部
（Ａ）と（Ａ）と相補的に結合する香りの識別の特徴を
形状として記号化した識別部（Ｂ）とからなり、且つ、
結合状態においては香りの識別の特徴を表す形状が外観
的に判らない構造を有する玩具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は情緒教育などに有用
な、玩具に関し、更に詳しくは、香りを識別記号とする
ことを特徴とする玩具に関する。

【０００２】

【従来の技術】香りを楽しみ、香りをゲームの手段とし
て用いることは古くから行われてきたことである。例え
ば、香道に於ける源氏香等はその良い例である。又、香
りの効用も近年明らかにされたように、精神をリラック
スさせたり、発想を豊かにさせたり、免疫を増強させた
り等注目すべきものが多い。従って、香りを遊びのアイ
テムにする事は情緒の教育にとって好ましいものである
ことは容易に想像がつく。又、遊びの持っている大きな
効用の一つに、頭を柔軟にさせ、発想を豊かにさせるこ
とがあり、遊びに香りの要素を取り入れることによりこ
の効用を増強することが期待できる。

【０００３】しかしながら、遊びのアイテムの歴史を振
り返るに、香りを利用したものはきわめて希であり、上
記の香道や木製の玩具で木の香りを楽しむぐらいしか存
在しない。これは、香りの発生とその質のコントロール
が困難であること、香りの解釈が難しく万人が共通の基
盤を持ちにくいこと、香りの素材が身近に存在しないこ
となどが原因となり、香りを主題とした、手軽に遊べる
玩具が提供されなかったためである。即ち、香りは教育
上優れたアイテムである為、香りを主題として、手軽に
遊べる玩具の出現が待ち望まれていた。

【０００４】一方、香りを識別記号として用い、香り発
生部（Ａ）と（Ａ）と相補的に結合する香りの識別の特
徴を形状として記号化した識別部（Ｂ）とからなり、且
つ、結合状態においては香りの識別の特徴を表す形状が
外観的に判らない構造を有する玩具は全く知られていな
かった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況を踏まえて為されたものであり、手軽に遊べる香りを
主題とした玩具を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑みて、本
発明者は手軽に遊べる香りを主題とした玩具の設計開発
研究を重ねた結果、その様な玩具として、香り発生部
（Ａ）と（Ａ）と相補的に結合する香りの識別の特徴を
形状として記号化した識別部（Ｂ）とからなり、且つ、
結合状態においては香りの識別の特徴を表す形状が外観
的に判らないことを特徴とする玩具を完成させた。以
下、本発明について詳細に説明する。

【０００７】（１）本発明の玩具の構造 本発明の玩具は３つの部分より成り立つ。即ち、１）香
り発生部（Ａ）と２）（Ａ）と相補的に結合する香りの
識別の特徴を形状として記号化した識別部（Ｂ）と３）
（Ａ）の内部に収納されている、香料含浸ユニットの３
つの部分である。ここで、（Ａ）は内部に香料含浸ユニ
ットを収納する部分を有し、且つ、その上部に香料含浸
ユニットから揮散する香気を放出する構造を有する。
又、その底部は（Ｂ）と結合する様になっており、且
つ、その結合部は（Ａ）の底部と（Ｂ）の上部が相補的
な凹凸構造をとっている。形状としては、（Ａ）と
（Ｂ）が結合した状態で手で扱いやすいものであれば特
段の限定はないが、円柱状、立方体、半球状、人や動物
の形を模したもの等が例示でき、これらの内で最も好ま
しいものは立方体である。本発明の玩具はこの様な構造
を有し、（Ａ）と（Ｂ）とが結合した状態では外見上で
は区別がつかない、結合部の相補的構造が異なる複数の
ものを用意して、異なった香りの香料含浸ユニットを収
納し、（Ｂ）部にその組成を記載して、（Ａ）の香りを
嗅いでその組成を示した（Ｂ）を選び出し、（Ａ）と
（Ｂ）を組み合わせて、（Ａ）と（Ｂ）が巧く組み合わ
されれば、正解であるという様に遊ぶことができる。こ
の様な構造をとることにより、例えば、源氏香等のよう
に、香を会の人に回して、その香りの組み合わせを当て
る場合などに比べて、香りの順番などの混同が無く、正
解と不正解が客観的に、正確に、且つ、不公正無く判
る。本発明の玩具の大きさは、（Ａ）と（Ｂ）を組み合
わせた状態で手軽に扱える程度で、且つ、十分な香りを
楽しめるだけの香りの発生部の大きさが確保できる程度
であれば限定はなく、具体的には例えば、組み合わせた
ものが立方体の形状であるとするならば、一辺が１．５
ｃｍ〜１０ｃｍぐらいが好ましく、更に好ましくは、３
ｃｍ〜６ｃｍである。又、（Ａ）の香り発生部には香料
含浸ユニット収納部より揮散する香りを外へ放出する例
えば編み目の様な構造を装着することが必要である。本
発明の玩具を構成する材料は、通常玩具で用いられてい
るものであれば特段の限定を受けずに用いることがで
き、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリエチレ
ン等の合成樹脂、木材、ステンレスやアルミニウムなど
の金属或いはこれらの複合材料等が例示できる。

【０００８】（２）香料含浸ユニット 香料含浸ユニットは、香料を含浸したもので香料含浸ユ
ニット収納部に収納しうる構造をとっている。香料その
ものを香料含浸ユニットに収納するものも本発明の玩具
に属するが、多くの香料が液体であるため、本発明にお
いては香料含浸ユニットは、固体に香料成分を含浸せし
めたものが好ましい。この様な固体としては、例えば、
固形パラフィン等の固体炭化水素化合物を溶融し香料成
分を混ぜ冷却固化して得られたもの、シリカゲルボール
のような多孔質吸着体に香料成分を含浸したもの、スチ
レンボールに香料成分を含浸したもの、香料成分を例え
ばゼラチンのようなものでカプセル化したもの、ゼラチ
ンなどのゲルに香料を含浸させたものなどが例示でき
る。これらの内最も好ましいものは香料を含浸したスチ
レンボールである。このものはあらかじめ作成したスチ
レンボールを香料組成物に浸漬すれば容易に得られる。
何れの素材の含浸ユニットにしても形状は表面積が容量
に対して最も小さい球状が好ましい。大きさは直径２ｍ
ｍ〜１０ｍｍが好ましく、更に３ｍｍ〜７ｍｍが好まし
い。この様なユニットを用いることにより、香料成分が
揮散してしまったときに、このユニットを詰め替えるこ
とにより、再び使うことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態並びに実施例】

実施例１ 図１に示す様な構造の玩具を作成した。図１の玩具の断
面図は図２に示す。即ち、図１、２の１の部分は香り発
生部（Ａ）であり、香料組成物収納部を有し、香料を含
浸させたポリスチレンボール２ｂを収納している。図
１、３の３の部分は（Ａ）の底部と相補的に結合する５
の結合部を有している。含浸させる香料としてはベルガ
モット、ガルバナム、アルデヒド、ジャスミン、ロー
ズ、サンダル、バルサム、ムスクを用意した。これら
は、市販のものを用いた。含浸はスチレンボールを２４
時間浸漬して行った。それぞれのボールを予め用意した
相補的な結合部の凹凸が異なる９種の玩具の香料収納部
に収納した。結合部の凹凸は、図４に於いて、ベルガモ
ットでは（あ）と（イ）が、ガルバナムでは（あ）と
（ロ）が、アルデヒドでは（あ）と（ハ）が、ジャスミ
ンでは（あ）と（ニ）が、ローズでは（あ）と（ホ）
が、サンダルでは（あ）と（ヘ）が、バルサムでは
（あ）と（ト）が、ムスクでは（あ）と（イ）と
（ホ）、モスでは（あ）と（イ）と（ト）がそれぞれ相
補的な凹凸になるような構造のものを用意した。これら
以外のの部分は凹凸をつけず平面のままにした。又それ
ぞれの（Ｂ）部の裏には香料名を記した。これらの玩具
の大きさは（Ａ）と（Ｂ）を組み合わせたとき一辺が５
０ｍｍの立方体になるようにつくられている。この玩具
の遊び方は、（Ａ）部と（Ｂ）部を別々にし、（Ａ）部
はそのまま並べて、（Ｂ）部は香料名を記してある裏面
を表に向けて並べ、（Ａ）部を取り、匂いを嗅ぎその香
料名と思われる香料名が記してある（Ｂ）部を取り、こ
の（Ａ）部と（Ｂ）部がうまくかみ合わされば、正解
で、この組み合わせのものが獲得できるという様にし
て、獲得数を競って遊ぶものである。

【００１０】

【作用】本発明の玩具の作用は、香料の香りを楽しみな
がら、手を使い遊ぶことにより、手と頭等の身体の使用
に対して、香料の好ましい作用を最大限に及ぼすことが
できることにある。香料の作用としては、既に、知覚促
進作用、発想促進作用、思考促進作用、免疫促進作用、
精神のリラックス作用などが知られている。又、遊びの
効用としては、心身のリフレッシュ、頭の柔軟化と発想
力の増強、知能の育成等が知られており、本発明の玩具
はこれら香りの有する作用と遊びの有する作用の相乗効
果により、発想、知能を育成増強させ、心身をリフレッ
シュさせ、健康を増進する作用を有する。又、遊びなが
ら嗅覚及び思考回路を刺激するので、脳の全分野にわた
って活性化する事ができる。

【発明の効果】本発明によれば、手軽に遊べる香りを主
題とした玩具を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の玩具の実施例の構造を表す図であ
る。

【図２】 本発明の玩具の実施例の（Ａ）部分の断面の
構造を表す図である。

【図３】 本発明の玩具の実施例の（Ｂ）部分の断面の
構造を表す図である。

【図４】 相補的な凹凸部の一例を示す図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 香りを被識別記号とすることを特徴とす
   る玩具。
2. 【請求項２】 香り発生部（Ａ）と（Ａ）と相補的に結
   合する香りの識別の特徴を形状として記号化した識別部
   （Ｂ）とからなり、且つ、結合状態においては香りの識
   別の特徴を表す形状が外観的に判らないことを特徴とす
   る、請求項１記載の玩具。
3. 【請求項３】 相補的な結合部が突起と溝であり、且
   つ、この突起又は溝が香りの識別の特徴を表すものであ
   る、請求項１又は２の何れかに記載の玩具。
4. 【請求項４】 香り発生部が、香料保持体とそれを収納
   する構造を備えていることを特徴とする、請求項１〜３
   の何れか一項に記載の玩具。
5. 【請求項５】 香料保持体が香料含浸ビーズである、請
   求項１〜４の何れか一項に記載の玩具。