JPH09138359A - 色分離装置及びこれを用いたディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、安定した動作で、光を複数の色
成分に分離し、時分割で出射することができる色分離装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 この発明の色分離装置は、光源１と、こ
の光源からの光の進行方向を時分割で複数の異なる方向
に出射する微小ミラー・アレイ２１、２２と、この微小
ミラー・アレイ２１、２２からの光を入射するカラーフ
ィルタ３Ｒ、３Ｇ、３Ｂと、このカラーフィルタ３Ｒ、
３Ｇ、３Ｂからの光を合成する手段（５１、５２）とで
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、光を複数の色成
分に分離し、時分割で出射する色分離手段とそれを用い
たカラー映像の表示に適したディスプレイ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】投写型ディスプレイ装置とし、液晶パネ
ル板の一面側から光を照射して、その透過光をそれぞれ
赤色、緑色及び青色のカラーフィルタを通し、投射レン
ズで拡大してスクリーン上に結像させる液晶方式の投写
型ディスプレイ装置が知られている。

【０００３】しかしながら、上記ディスプレイ装置にお
いては、液晶パネル板を用いているため、光の透過率が
低く、表示映像を高輝度化するという点でまだまだ不十
分である。特に、画素の寸法を小さくして解像度を上げ
る場合には、開口率が小さくなり、光の利用率が一層悪
くなるという問題があった。

【０００４】そこで、微小ミラー・アレイを画素に応じ
て平面状に配置し、各々のミラー素子の反射を利用した
鏡面反射型光変調器を映像源に用いてカラー映像を拡大
投影するプロジェクタ装置が提案されている。

【０００５】上記プロジェクタ装置の構成を図７に示
す。図７に示すプロジェクタ装置は、映像源として鏡面
反射型光変調器６を１個用いたものであり、この１個の
鏡面反射型光変調器６を使ってカラー表示を実現するた
めに、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３色の画像を時
分割で表示する。そして、光源１からでた光は高速で回
転、例えば、６０Ｈｚで回転する円盤型のカラーフィル
タ９を通って、鏡面反射型光変調器６に与えられる。こ
の円盤型カラーフィルタ９を回転させることで、白色光
の光がＲ、Ｇ、Ｂの３原色に分離される。このカラーフ
ィルタ９で色分離された各色の光が時分割で画像が表示
される鏡面反射型光変調器６に与えられ、鏡面反射型光
変調器６のミラー素子で反射した光が投射レンズ７に入
射され、拡大されてスクリーン８上に映像が表示され
る。このように、このプロジェクタ装置は、各色が時分
割で出射され、各色の光が鏡面反射型光変調器６に照射
されたときに対応する映像を表示し、投射レンズ７から
スクリーン８上に結像されるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プロジェクタ装置においては、３原色に色を分離する色
分離装置として、円盤型カラーフィルタを用いて、この
カラーフィルタを高速回転させて色を分離している。こ
のため、この装置においては、カラーフィルタを高速回
転させるためのモーターなどの機構部品を必要とするの
で、動作が不安定になりやすいとともに、消費電力も多
くなるという問題があった。

【０００７】この発明は、上記の事情を鑑みてなされた
ものであり、安定した動作で、光を複数の色成分に分離
し、時分割で出射することができる色分離装置を提供
し、更にそれを用いたディスプレイ装置を提供すること
を目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の色分離装置
は、光源と、この光源からの光の進行方向を時分割で複
数の異なる方向に出射する光出射手段と、この光出射手
段からの光を入射するカラーフィルタと、このカラーフ
ィルタからの光を合成する手段とで構成される。

【０００９】この発明によれば、時分割で光出射手段を
動作させることにより、光の進行方向が変わり、複数の
カラーフィルタの方向に時分割で光が出射される。

【００１０】分離された光はカラーフィルタを通過した
後、再び合成されて、時分割で出射される。このよう
に、この発明によれば、安定した動作で、光を複数の色
成分に分離し、時分割で出射する色分離装置が得られ
る。

【００１１】前記カラーフィルタをダイクロイックミラ
ーで構成することができる。

【００１２】また、この発明において、カラーフィルタ
としてダイクロイックミラーを用いれば、それぞれ必要
な光のみ透過し、不必要な光は反射して光源に戻り、光
源のリフレクタで反射されて再利用され、出射光を明る
くすることができる。

【００１３】前記光出射手段として、微小ミラー・アレ
イを用いると良い。

【００１４】微小ミラー・アレイはトランジスタのオン
／オフ制御で容易に光の反射方向を変化させることがで
き、安定した動作と、低消費電力化が図れる。

【００１５】この発明のディスプレイ装置は、映像デー
タに応じて時分割で変調される映像変調手段を備え、こ
の映像変調手段に前記色分離装置を用いて光を照射させ
ることを特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。図１は、この発明の第
１の実施の形態の原理を示す模式図である。

【００１７】図１に示す第１の実施の形態は、光源１よ
り出射される光を３色に分離する例であり、光源１と、
この光源からの光の進行方向を時分割で２方向に反射し
て出射する光出射手段２１、２２を備える。この光出射
手段２１、２２は、上（ｕｐ）と、下（ｄｏｗｎ）の２
方向に安定状態を有するように構成されており、光出射
手段２１がｄｏｗｎの状態の時には、光源１からの光を
ミラー４１の方向に出射し、ミラー４１から第３のカラ
ーフィルタ３３にその光が入射される。

【００１８】また、光出射手段２１がｕｐの状態の時に
は、光源１からの光が光出射手段２２の方向に出射す
る。光出射手段２２は、ｕｐの状態の時には、光源１か
らの光を第１のカラーフィルタ３１の方向に出射し、ｄ
ｏｗｎの状態の時には、第２のカラーフィルタ３２に出
射する。

【００１９】第１のカラーフィルタ３１からの光はミラ
ー４２からダイクロイックミラー５１、５２を通り、ま
た第２のフィルタ３２からの光はダイクロイックミラー
５１で反射され、そして、ダイクロイックミラー５２を
通り、更に、第３のフィルタ３３からの光はダイクロイ
ックミラー５２で反射され、それぞれ出射光として合成
して出力される。

【００２０】上記したように、光の進行方向を時分割で
２方向に出射する光出射手段２１、２２の出射方向をｕ
ｐ、ｄｏｗｎとすると、それぞれ図２に示すようタイム
シーケンスで動作させれば、３つのカラーフィルタ３
１、３２、３３の方向に時分割で均等に光が出射され
る。

【００２１】分離された光はカラーフィルタ３１、３
２、３３を通過した後、ミラー４１、４２及びダイクロ
イックミラー５１、５２により再び合成されて、時分割
で出射される。

【００２２】上記光出射手段２１、２２は、ｕｐと、ｄ
ｏｗｎの２方向に安定状態を有するように構成できる装
置であればよく、このような装置としては、微小ミラー
・アレイを用いることができる。この微小ミラー・アレ
イは可動の微小ミラー素子をアレイ状に配置したもので
あり、ミラーを動かす為の電極やトランジスタがミラー
の下に配置されている。そしてトランジスタのオン／オ
フ制御により、ミラーの傾きを変化させるものである。
図３に、光出射手段２１、２２として微小ミラー・アレ
イを用いたこの発明の第２の実施の形態を示す。

【００２３】図３は、この発明の第２の実施の形態を示
す模式図であり、光源１より出射される光をＲ、Ｇ、Ｂ
の３色に分離する例である。

【００２４】ランプ及びリフレクタからなる光源１と、
この光源１からの光の進行方向を時分割で２方向に反射
して出射する光出射手段としての微小ミラー・アレイ２
１、２２を備える。この微小ミラー・アレイ２１、２２
は、ｕｐと、ｄｏｗｎの２方向に安定状態を有するよう
に構成されており、微小ミラー・アレイ２１がｄｏｗｎ
の状態の時には、光源１からの光をミラー４１の方向に
出射し、ミラー４１から青色（Ｂ）のカラーフィルタ３
Ｂにその光が入射される。

【００２５】また、微小ミラー・アレイ２１がｕｐの状
態の時には、光源１からの光が微小ミラー・アレイ２２
の方向に出射する。微小ミラー・アレイ２２は、ｕｐの
状態の時には、光源１からの光を緑色（Ｇ）のカラーフ
ィルタ３Ｇの方向に出射し、ｄｏｗｎの状態の時には、
赤色（Ｒ）のカラーフィルタ３Ｒに出射する。

【００２６】カラーフィルタ３Ｇからの光はミラー４２
からダイクロイックミラー５１、５２を通り、またフィ
ルタ３Ｒからの光はダイクロイックミラー５１で反射さ
れ、そして、ダイクロイックミラー５２を通り、更に、
フィルタ３Ｂからの光はダイクロイックミラー５２で反
射され、それぞれ出射光として合成して出力される。な
お、ダイクロイックミラー５１は赤色（Ｒ）のみを反射
しそれ以外の光を透過する性質のもので、ダイクロイッ
クミラー５２は青色（Ｂ）のみを反射しそれ以外の光を
透過する性質のものである。

【００２７】上述したように、光の進行方向を時分割で
２方向に出射する微小ミラー・アレイ２１、２２の出射
方向をｕｐ、ｄｏｗｎとすると、微小ミラー・アレイ２
１、２２をそれぞれ図４のようなタイムシーケンスで動
作させれば、３つのカラーフィルタ３Ｇ、３Ｒ、３Ｂの
方向に時分割で均等に光が出射される。

【００２８】分離された光はカラーフィルタ３Ｇ、３
Ｒ、３Ｂを通過した後、ミラー４１、４２及びダイクロ
イックミラー５１、５２により再び合成されて、時分割
で出射される。

【００２９】また、この発明においてカラーフィルタ３
Ｒ、３Ｇ、３Ｂとしてダイクロイックミラーを用いれ
ば、それぞれ必要な光のみ透過し、不必要な光は反射し
て光源１に戻り、光源のリフレクタで反射されて再利用
される。この効果により出射光が明るくなる。

【００３０】図５は、この発明の第３の実施の形態の原
理を示す模式図である。図５に示す実施の形態では、光
源１より出射される光を３色に分離する例で、光出射手
段２３は、３方向に安定状態を有するように構成されい
る。この光出射手段２３としては、３方向に安定状態を
有する微小ミラーアレイを用いることができる。

【００３１】この第３の実施の形態は、図５に示すよう
に、光源１と、光の進行方向を時分割で３方向に出射す
る光出射手段２３と、カラーフィルタ３１、３２、３３
と、ミラー４１、４２及びダイクロイックミラー５１、
５２より構成される光を合成する手段よりなる。光源１
からでた光は、光を分離する光出射手段２３により時分
割で各カラーフィルタ３１、３２、３３の方向に選択さ
れて出射される。

【００３２】分離された光はそれぞれカラーフィルタ３
１、３２、３３を通過した後、ミラー４１、４２及びダ
イクロイックミラー５１、５２により再び合成されて、
時分割で出射される。

【００３３】図６は、図３に示すこの発明の第２の実施
の形態の色分離装置と映像源として鏡面反射型光変調器
を用いたディスプレイ装置である。色分離装置から出射
された光の色に対応する映像を鏡面反射型光変調器６に
表示するようになっている。この１個の鏡面反射型光変
調器６を使ってカラー表示を実現するために、鏡面反射
型光変調器６では、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３
色の画像を時分割で表示する。そして、光源１からでた
光は微小ミラー・アレイ２１、２２で時分割的にカラー
フィルタ３Ｇ、３Ｒ、３Ｂを通り、３原色に分離され
る。このカラーフィルタ９で色分離された各色の光がミ
ラー４１、４２、及びダイクロイックミラー５１、５２
で合成され、時分割で画像が表示される鏡面反射型光変
調器６に与えられる。そして、色分離されて出射された
色に対応する映像を変調する鏡面反射型光変調器６のミ
ラー素子で反射した光が投射レンズ７に入射され、拡大
されてスクリーン８上に映像が表示される。このよう
に、各色が時分割で出射され、各色の光が鏡面反射型光
変調器６に照射されたときに対応する映像を表示し、投
射レンズ７からスクリーン８上に結像されるようになっ
ている。

【００３４】なお、上記実施の形態のいずれにおいて
も、微小ミラー・アレイ２１、２２の制御は、図４に示
すタイムシーケンス以外にも考えられ、特に限定するも
のではない。

【００３５】また、上記の実施の形態においては、映像
源として鏡面反射型光変調器を用いたが、映像源として
は時分割で映像が表示できるものであればよく、鏡面反
射型光変調器に限定するものではない。

【００３６】

【発明の効果】以上に説明したように、この発明による
色分離装置は、モーター等による機械的な動作部分がな
いため、動作が安定で、光を複数の色成分に分離し、時
分割で出射することができる。

【００３７】また、微小ミラー・アレイを光出射手段と
して用いた場合には、トランジスタのオン／オフ制御に
より光の出射方向を偏向できるので、安定した動作と低
消費電力化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態の原理を示す模式
図である。

【図２】この発明の第１の実施の形態の原理における光
の進行方向を時分割で複数の方向に出射する光出射手段
の動作のタイムシーケンスである。

【図３】この発明の第２の実施の形態の原理を示す模式
図である。

【図４】この発明の第２の実施の形態の原理における光
の進行方向を時分割で複数の方向に出射する光出射手段
の動作のタイムシーケンスである。

【図５】この発明の第３の実施の形態の原理を示す模式
図である。

【図６】この発明の色分離手段を用いたディスプレイ装
置の原理を示す模式図である。

【図７】従来のディスプレイ装置の原理を示す模式図で
ある。

【符号の説明】

１ 光源 ２１、２２ 光出射手段（微小ミラー・アレイ） ３１、３２、３３、３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ カラーフィルタ ４１、４２ ミラー ５１、５２ ダイクロイックミラー ６ 鏡面反射型光変調器 ７ 投射レンズ ８ スクリーン ９ カラーフィルタ

【手続補正書】

【提出日】平成７年１２月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２１】分離された光はカラーフィルタ３１、３
２、３３を通過した後、ミラー４２及びダイクロイック
ミラー５１、５２により再び合成されて、時分割で出射
される。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２８】分離された光はカラーフィルタ３Ｇ、３
Ｒ、３Ｂを通過した後、ミラー４２及びダイクロイック
ミラー５１、５２により再び合成されて、時分割で出射
される。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３３】図６は、図３に示すこの発明の第２の実施
の形態の色分離装置と映像源として鏡面反射型光変調器
を用いたディスプレイ装置である。色分離装置から出射
された光の色に対応する映像を鏡面反射型光変調器６に
表示するようになっている。この１個の鏡面反射型光変
調器６を使ってカラー表示を実現するために、鏡面反射
型光変調器６では、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３
色の画像を時分割で表示する。そして、光源１からでた
光は微小ミラー・アレイ２１、２２で時分割的にカラー
フィルタ３Ｇ、３Ｒ、３Ｂを通り、３原色に分離され
る。このカラーフィルタ３Ｇ、３Ｒ、３Ｂで色分離され
た各色の光がミラー４２、及びダイクロイックミラー５
１、５２で合成され、時分割で画像が表示される鏡面反
射型光変調器６に与えられる。そして、色分離されて出
射された色に対応する映像を変調する鏡面反射型光変調
器６のミラー素子で反射した光が投射レンズ７に入射さ
れ、拡大されてスクリーン８上に映像が表示される。こ
のように、各色が時分割で出射され、各色の光が鏡面反
射型光変調器６に照射されたときに対応する映像を表示
し、投射レンズ７からスクリーン８上に結像されるよう
になっている。

【手続補正４】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正内容】

【図６】

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源と、この光源からの光の進行方向を
   時分割で複数の異なる方向に出射する光出射手段と、こ
   の光出射手段からの光を入射するカラーフィルタと、こ
   のカラーフィルタからの光を合成する手段よりなる色分
   離装置。
2. 【請求項２】 前記カラーフィルタをダイクロイックミ
   ラーで構成したことを特徴とする請求項１に記載の色分
   離装置。
3. 【請求項３】 前記光出射手段が微小ミラー・アレイで
   あることを特徴とする請求項１または２に記載の色分離
   装置。
4. 【請求項４】 映像データに応じて時分割で変調される
   映像変調手段を備え、この映像変調手段に請求項１ない
   し３のいずれかに記載の色分離装置を用いて光を照射さ
   せることを特徴とするディスプレイ装置。