JP2004045989A - 投影型表示装置及びその表示駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整する。
【解決手段】複数の画素の光の出射を制御して画像を表示するマイクロミラー素子１１と、光源１４の光を光源レンズ系１６によりマイクロミラー素子１１に投射する光源系１２と、マイクロミラー素子１１の出射光を投影レンズ系２１により光束を拡大して投影する投影系１３と、光源系１２の光路中に設けられ、透過光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択配置するカラーホイール１７と、カラーホイール１７のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中にはマイクロミラー素子１１でそのカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、透明フィルタ選択中にはマイクロミラー素子１１での光の出射時間を可変調整するカラーホイール制御部２２、時分割駆動回路２３及びカラーシーケンス制御回路２４とを備える。
【選択図】 図１
【解決手段】複数の画素の光の出射を制御して画像を表示するマイクロミラー素子１１と、光源１４の光を光源レンズ系１６によりマイクロミラー素子１１に投射する光源系１２と、マイクロミラー素子１１の出射光を投影レンズ系２１により光束を拡大して投影する投影系１３と、光源系１２の光路中に設けられ、透過光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択配置するカラーホイール１７と、カラーホイール１７のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中にはマイクロミラー素子１１でそのカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、透明フィルタ選択中にはマイクロミラー素子１１での光の出射時間を可変調整するカラーホイール制御部２２、時分割駆動回路２３及びカラーシーケンス制御回路２４とを備える。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば反射型表示素子を用いた投影型表示装置及びその表示駆動方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近時、反射型の液晶表示素子や、一般にＤＭＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｃｒｏｍｉｒｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ）と略称されるマイクロミラー素子等の反射型表示素子を用いた投影型表示装置が開発され、市販化されている。
【０００３】
この種の投影型表示装置でカラー画像を表示させるために、例えば同一円周上に例えばＲ，Ｇ，Ｂの３原色のカラーフィルタを配置したカラーホイールと称される分光機構を光路上に配置したものが考えられている。
【０００４】
この投影型表示装置では、上記カラーホイールを定速回転させ、その時点で投影光路上に配置されているカラーフィルタの色に同期してその色成分に対応した画像データを反射型表示素子に順次表示させることで、結果として複数の色成分画像が時分割表示させることにより、人間の目には合成されたカラー画像が見えるようになるものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記投影型表示装置は光路中に常に原色のカラーフィルタを介在させるため、得られる投影画像は光源の光量に比してどうしても光量の落ちたものとなる。
【０００６】
しかしながらこの種の投影型表示装置では、使用状況によっては画像の色再現性にも増して、まず投影する画像の明るさが第１に要求されることも多く、上記カラーホイールを使用している限り、そのような要求には光源の光量を増加するしかなく、それに伴なって発生する熱や消費電力の増大が問題となる。
【０００７】
そこで、上記Ｒ，Ｇ，Ｂの３原色のカラーフィルタに加えて、透明のフィルタを同一円周上に配置したカラーホイールを用い、透明フィルタが光路上にあるときには一切の画像を表示せずに光源からの光を全透過させることで、投影画像の明るさを向上させるようにしたものも考えられている。
【０００８】
しかしながら、このようなカラーホイールを用いた場合、そのカラーホイールを構成するカラーフィルタの各色成分と透明フィルタは固定的な割合で同一円周上に配置されているので、得られる画像の明るさと色再現性のバランスも一定である。
【０００９】
そのため、特に画像の明るさよりも色再現性を重視した画像を投影したい場合や、反対に、色再現性は二の次で、とにかく明るい画像を投影したい場合等に対応することはできない。
【００１０】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能な投影型表示装置及びその表示駆動方法を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構と、このフィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整する表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【００１２】
このような構成とすれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能となる。
【００１３】
請求項２記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、複数の表示モードに対応し、その時点で設定されている表示モードによって上記表示素子での光の出射時間を切換調整することを特徴とする。
【００１４】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して投影させることができる。
【００１５】
請求項３記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、上記透明フィルタ選択中の上記表示素子での光の出射時に輝度信号に対応した画像を表示することを特徴とする。
【００１６】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、単に明るいだけでなくコントラストの高い画像を投影表示させることができる。
【００１７】
請求項４記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記フィルタ機構は、複数の色成分からなるカラーフィルタと透明フィルタとを同一円周上に配置したカラーホイール及びその回転駆動機構でなることを特徴とする。
【００１８】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、カラーフィルタの各色成分と透明フィルタが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイールを一定の速度で回転させる場合であっても、任意に必要な画像の明るさを調整することができる。
【００１９】
請求項５記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、上記フィルタ機構の透明フィルタのみを選択して、上記表示素子で輝度信号に対応した画像を表示させる白黒表示モードを有することを特徴とする。
【００２０】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００２１】
請求項６記載の発明は、複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構とを有する投影型表示装置の表示駆動方法であって、上記フィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整することを特徴とする。
【００２２】
このような方法とすれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整させることが可能となる。
【００２３】
【発明の実施の形態】
以下本発明をマイクロミラー素子（ＤＭＤ）とカラーホイールを用いた投影型反射装置に適用した実施の一形態について図面を参照して説明する。
【００２４】
同図で、この表示装置１０は、マイクロミラー素子１１と、このマイクロミラー素子１１に光を投射する光源系１２と、マイクロミラー素子１１からの出射光を図示しないスクリーンに投影する投影系１３とを光学系の主構成要素として有している。
【００２５】
上記マイクロミラー素子１１は、１つ１つの画素を、縦横の幅がそれぞれ１０［μｍ］〜２０［μｍ］の極薄金属片（例えばアルミニウム片）からなるマイクロミラーにより形成されたものであり、これらのマイクロミラーを行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、各画素に対応するマイクロミラーの傾きを個々に切換えて上記投影系１３への光の出射を制御することにより画像を表示する。
【００２６】
上記光源系１２は、光源１４と、この光源１４の出射側に配置されたガラスロッド１５と、このガラスロッド１５からの出射光を上記マイクロミラー素子１１に投射する光源レンズ系１６と、上記ガラスロッド１５と光源レンズ系１６との間に配置されたカラーホイール１７とからなっている。
【００２７】
光源１４は、高輝度の白色光を出射する、例えば超高圧水銀灯等の光源ランプ１８と、この光源ランプ１８からの出射光を光路前方に向けて集光反射するリフレクタ１９とからなっている。
【００２８】
ガラスロッド１５は、上記マイクロミラー素子１１の表示エリアの形状に合致した断面形状を有する透明角棒または内面全体に反射膜が設けられた角筒からなっており、その一端面が入射端面とされ、他端面が出射端面とされて、透過光が内面で反射、拡散することにより、出射光の光量分布を均一なものとしている。
【００２９】
上記カラーホイール１７は、上記光源１４からの出射光（白色光）を、複数の色、例えばＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の３原色部分と透明部分とにより適宜分光するために設けられている。
【００３０】
図２は、このカラーホイール１７の正面図であり、このカラーホイール１７には、Ｒ，Ｇ，Ｂの各カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂと透明フィルタ１７ｔとを同一円周上に並べて設けた円板状の回転板からなっている。
【００３１】
このカラーホイール１７は、その回転により上記カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂと透明フィルタ１７ｔが順次上記ガラスロッド１５の出射端面の後方を通過するように、回転中心をマイクロミラー素子１１への投射光路の側方にずらして配置されており、モータ２０によって回転駆動される。
【００３２】
上記光源レンズ系１６は、図では１群１枚のレンズで表現しているが、実際にはレンズ収差を小さくするために複数枚のレンズを組合せて構成するもので、この光源レンズ系１６は、上記カラーホイール１７を挟んでガラスロッド１５の出射側に配置されている。
【００３３】
また、上記投影系１３は、上記光源レンズ系１６と同様に図では１群１枚のレンズで表現しているが、実際にはレンズ収差を小さくするために複数枚のレンズを組合せて構成する投影レンズ系２１からなっており、この投影レンズ系２１は、そのレンズ光軸をマイクロミラー素子１１の正面方向に出射した反射光（複数のマイクロミラーにより正面方向に反射された光）の光束の軸線に一致させてマイクロミラー素子１１の前方に配置されている。
【００３４】
なお、上記モータ２０は、カラーホイール制御部２２の駆動制御に基づいてカラーホイール１７を定速回転し、あるいはカラーホイール１７を所定の回転角度位置で停止させる。
【００３５】
カラーホイール制御部２２は、時分割駆動回路２３から与えられるタイミング信号に同期してモータ２０を駆動制御する。
【００３６】
時分割駆動回路２３は、カラーシーケンス制御回路２４から送られてくる表示モード信号に従い、上記カラーホイール制御部２２にタイミング信号を与える一方で、ここでは図示しない映像処理系の回路から与えられるＲＧＢの各色成分毎の映像信号に基づき、加えて該ＲＧＢの各映像信号に対するマトリックス演算を行なうことで白黒画像表示用の輝度（Ｙ）信号を生成し、ＲＧＢの各色成分毎の映像信号及び輝度信号を時分割で連続するように上記マイクロミラー素子１１へ供給して、各画像を表示させる。
【００３７】
上記カラーシーケンス制御回路２４は、その時点で選択されている表示モード、具体的には段階的に画像の明るさを指示するための表示モード信号を時分割駆動回路２３に送出する。
【００３８】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【００３９】
図３は、光源系１２の光路上にあるカラーホイール１７の回転位置と時分割駆動回路２３がマイクロミラー素子１１で表示させる各色成分毎の画像との対応を示すものであり、ここではＲＧＢの各色成分毎の画像表示用にそれぞれ１フィールドと、白黒画像用の輝度信号の１フィールドで合計４フィールドにより１フレーム分の画像を１／３０［秒］で表示するものとする。
【００４０】
したがって、１フィールド当たりの表示時間は１／１２０［秒］となるが、マイクロミラー素子１１の応答速度は充分に高く、データの書込みに要する時間は無視できるほどにごく僅かであるので、ここでは説明を容易にするためにあえてほぼ１フィールド、１／１２０［秒］の時間をそのまま画像表示に使えるものとして説明する。
【００４１】
しかるに、図３（１）に示す如くカラーホイール１７を３０［ｒｐｍ］の定速で回転させることで、１フレーム期間中にＲフィルタ１７ｒ、Ｇフィルタ１７ｇ、Ｂフィルタ１７ｂ、及び透明フィルタ１７ｔの順序で１フィールド期間ずつ光路上に位置するように１回転させるものとする。
【００４２】
これに同期して時分割駆動回路２３では、上記Ｒフィルタ１７ｒが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（２）に示すようにマイクロミラー素子１１でＲ画像を表示させ、続く上記Ｇフィルタ１７ｇが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（３）に示すようにマイクロミラー素子１１でＧ画像を表示させ、次の上記Ｂフィルタ１７ｂが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（４）に示すようにマイクロミラー素子１１でＢ画像を表示させる。
【００４３】
そして、透明フィルタ１７ｔが光路上にある１フレーム期間中の最後の１フィールド期間にあっては、時分割駆動回路２３はカラーシーケンス制御回路２４からの表示モードに従った表示時間だけ図３（５）に示すようにマイクロミラー素子１１で輝度（Ｙ）画像を表示させ、同フィールド内の残る時間はマイクロミラー素子１１の全画素を一括制御してその出射光が投影系１３に至らないようにしている。
【００４４】
同図（５）では、この輝度信号を表示させる時間と表示させない時間のデューティ比を１／２として示しているが、そのデューティ比は図中の矢印ＩＩＩにも示す如くカラーシーケンス制御回路２４からの表示モード信号に応じて任意に可変調整できるものとする。
【００４５】
図４は、輝度画像を表示する時間を３ビット、８段階に渡って調整できるものとし、これと合せて輝度画像の表示を全く行なわない場合も含め、全９段階に分けて第４フィールドでの輝度画像の表示時間を調整可能な様子を示している。
【００４６】
いうまでもなく、図４（ａ）に示す、１フィールド期間中ずっと輝度画像を表示する場合が、１フレーム全体に渡っても明るい画像を表示できる。その反面、１フレーム中の４分の１は輝度信号による白黒表示のみであり、人間の目で見た場合のカラー画像としての色度は大幅に落ちるものと思われる。
【００４７】
反対に、図４（ｉ）に示す、１フィールド期間中全く輝度信号を表示せず、投影系１３への光の出射を行なわない場合は、１フレームに渡って表示される画像が最も暗くなるが、その反面、輝度信号による白黒表示を全く行なっていないため、人間の目で見た場合のカラー画像の色再現性は、時分割駆動回路２３に与えられるＲＧＢ信号に対して最も忠実なものとなる。
【００４８】
このように、１フレーム期間中の、輝度信号に基づいた最も明るい白黒表示を行なう時間を任意に可変調整することで、カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂの各色成分と透明フィルタ１７ｔとが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイール１７を定速回転させる場合であっても、この投影型表示装置１０のユーザの要求に柔軟に対応し、必要に応じて画像の明るさを調整することが可能となる。
【００４９】
したがって、例えばこの投影型表示装置１０にユーザが切換操作可能な明るさ調整スイッチを設け、そのスイッチの操作状態により上記カラーシーケンス制御回路２４が時分割駆動回路２３へ出力する表示モード信号を切換設定できるものとすれば、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して画像を投影させることができる。
【００５０】
なお、上記実施の形態では、１フレーム中の最後のフィールドである第４フィールドにおいて、時分割駆動回路２３が生成した輝度信号をマイクロミラー素子１１で表示するものとして説明したが、単に上記図４で示した時間幅を調整するものとして、上記第４フィールドではマイクロミラー素子１１の全画素で投影系１３へ光を反射させる白色画面を投影表示させるものとすれば、表示される画像のコントラストは低下するものの、より明るい画像を表示させることができる。
【００５１】
また、上記カラーホイール１７の透明フィルタ１７ｔを光源系１２の光路上で固定させるものとしてモータ２０によるカラーホイール１７の回転を一時的に停止させ、併せて時分割駆動回路２３は輝度信号のみをマイクロミラー素子１１に与えて表示させるものとすれば、光源１４での発光光量をフルに活かして充分明るい白黒画像を表示させることができるもので、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００５２】
さらに、上記実施の形態では、反射型の表示素子としてマイクロミラー素子１１を用いるものとして説明したが、マイクロミラー素子１１は例えば１秒間に例えば５万回程度のオン／オフの書換え動作が可能であるほど高速駆動が可能であり、データ書込みに要するのための時間はごく僅かであるので、上記図３及び図４ではあえてデータ書込みにほとんど時間を要しないものとして説明した。
【００５３】
しかしながら、本発明は反射型表示素子としてマイクロミラー素子に限定するものではなく、例えば反射型液晶表示パネルを使用することも考えられるので、その場合には、データ書込みと液晶物質が書込まれたデータに応答するまでの時間等を考慮した駆動方法を採ることが必要となる。
【００５４】
さらには、表示素子として、入射光を反射する際に画像を形成する反射型表示素子に限らず、入射光を透過する過程で画像を形成して出射する、例えば透過型液晶表示パネルなどの透過型表示素子を使用する事も考えられる。
【００５５】
また、上記実施の形態では、白色光源に対する分光手段としてカラーホイール１７を用いることとしたが、カラーホイール１７に代えて、例えば回折格子を利用して特定の波長光を選択可能なホログラムレンズを多重配置したものを用いるなど、フィルタ機構は他にも考え得る。
【００５６】
加えて、光源自体を例えばＲＧＢ各色の波長光で発光するＬＥＤ（発光ダイオード）などの特定波長光を選択して発光可能なものとし、これらの光源を選択的あるいは同時に発光駆動することにより、特定の波長光あるいは白色光を得られるものとすれば、フィルタ機構は有していないものの、機能的には同様の効果を奏することができる。
【００５７】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【００５８】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも１つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも１つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【００５９】
【発明の効果】
請求項１記載の発明によれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能となる。
【００６０】
請求項２記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して投影させることができる。
【００６１】
請求項３記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、単に明るいだけでなくコントラストの高い画像を投影表示させることができる。
【００６２】
請求項４記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、カラーフィルタの各色成分と透明フィルタが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイールを一定の速度で回転させる場合であっても、任意に必要な画像の明るさを調整することができる。
【００６３】
請求項５記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００６４】
請求項６記載の発明によれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る投影型表示装置の構成を示す図。
【図２】図１のカラーホイールの構成を例示する正面図。
【図３】同実施の形態に係るカラーホイールの回転位置に対応した各画像の表示タイミングを示すタイミングチャート。
【図４】同実施の形態に係る輝度（Ｙ）画像表示期間中の表示時間の調整幅を示す図。
【符号の説明】
１０…投影型表示装置
１１…マイクロミラー素子
１２…光源系
１３…投影系
１４…光源
１５…ガラスロッド
１６…光源レンズ系
１７…カラーホイール
１７ｂ…Ｂフィルタ
１７ｇ…Ｇフィルタ
１７ｒ…Ｒフィルタ
１７ｔ…透明フィルタ
１８…光源ランプ
１９…リフレクタ
２０…モータ
２１…投影レンズ系
２２…カラーホイール制御部
２３…時分割駆動回路
２４…カラーシーケンス制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば反射型表示素子を用いた投影型表示装置及びその表示駆動方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近時、反射型の液晶表示素子や、一般にＤＭＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｃｒｏｍｉｒｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ）と略称されるマイクロミラー素子等の反射型表示素子を用いた投影型表示装置が開発され、市販化されている。
【０００３】
この種の投影型表示装置でカラー画像を表示させるために、例えば同一円周上に例えばＲ，Ｇ，Ｂの３原色のカラーフィルタを配置したカラーホイールと称される分光機構を光路上に配置したものが考えられている。
【０００４】
この投影型表示装置では、上記カラーホイールを定速回転させ、その時点で投影光路上に配置されているカラーフィルタの色に同期してその色成分に対応した画像データを反射型表示素子に順次表示させることで、結果として複数の色成分画像が時分割表示させることにより、人間の目には合成されたカラー画像が見えるようになるものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記投影型表示装置は光路中に常に原色のカラーフィルタを介在させるため、得られる投影画像は光源の光量に比してどうしても光量の落ちたものとなる。
【０００６】
しかしながらこの種の投影型表示装置では、使用状況によっては画像の色再現性にも増して、まず投影する画像の明るさが第１に要求されることも多く、上記カラーホイールを使用している限り、そのような要求には光源の光量を増加するしかなく、それに伴なって発生する熱や消費電力の増大が問題となる。
【０００７】
そこで、上記Ｒ，Ｇ，Ｂの３原色のカラーフィルタに加えて、透明のフィルタを同一円周上に配置したカラーホイールを用い、透明フィルタが光路上にあるときには一切の画像を表示せずに光源からの光を全透過させることで、投影画像の明るさを向上させるようにしたものも考えられている。
【０００８】
しかしながら、このようなカラーホイールを用いた場合、そのカラーホイールを構成するカラーフィルタの各色成分と透明フィルタは固定的な割合で同一円周上に配置されているので、得られる画像の明るさと色再現性のバランスも一定である。
【０００９】
そのため、特に画像の明るさよりも色再現性を重視した画像を投影したい場合や、反対に、色再現性は二の次で、とにかく明るい画像を投影したい場合等に対応することはできない。
【００１０】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能な投影型表示装置及びその表示駆動方法を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構と、このフィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整する表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【００１２】
このような構成とすれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能となる。
【００１３】
請求項２記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、複数の表示モードに対応し、その時点で設定されている表示モードによって上記表示素子での光の出射時間を切換調整することを特徴とする。
【００１４】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して投影させることができる。
【００１５】
請求項３記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、上記透明フィルタ選択中の上記表示素子での光の出射時に輝度信号に対応した画像を表示することを特徴とする。
【００１６】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、単に明るいだけでなくコントラストの高い画像を投影表示させることができる。
【００１７】
請求項４記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記フィルタ機構は、複数の色成分からなるカラーフィルタと透明フィルタとを同一円周上に配置したカラーホイール及びその回転駆動機構でなることを特徴とする。
【００１８】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、カラーフィルタの各色成分と透明フィルタが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイールを一定の速度で回転させる場合であっても、任意に必要な画像の明るさを調整することができる。
【００１９】
請求項５記載の発明は、上記請求項１記載の発明において、上記表示制御手段は、上記フィルタ機構の透明フィルタのみを選択して、上記表示素子で輝度信号に対応した画像を表示させる白黒表示モードを有することを特徴とする。
【００２０】
このような構成とすれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００２１】
請求項６記載の発明は、複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構とを有する投影型表示装置の表示駆動方法であって、上記フィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整することを特徴とする。
【００２２】
このような方法とすれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整させることが可能となる。
【００２３】
【発明の実施の形態】
以下本発明をマイクロミラー素子（ＤＭＤ）とカラーホイールを用いた投影型反射装置に適用した実施の一形態について図面を参照して説明する。
【００２４】
同図で、この表示装置１０は、マイクロミラー素子１１と、このマイクロミラー素子１１に光を投射する光源系１２と、マイクロミラー素子１１からの出射光を図示しないスクリーンに投影する投影系１３とを光学系の主構成要素として有している。
【００２５】
上記マイクロミラー素子１１は、１つ１つの画素を、縦横の幅がそれぞれ１０［μｍ］〜２０［μｍ］の極薄金属片（例えばアルミニウム片）からなるマイクロミラーにより形成されたものであり、これらのマイクロミラーを行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、各画素に対応するマイクロミラーの傾きを個々に切換えて上記投影系１３への光の出射を制御することにより画像を表示する。
【００２６】
上記光源系１２は、光源１４と、この光源１４の出射側に配置されたガラスロッド１５と、このガラスロッド１５からの出射光を上記マイクロミラー素子１１に投射する光源レンズ系１６と、上記ガラスロッド１５と光源レンズ系１６との間に配置されたカラーホイール１７とからなっている。
【００２７】
光源１４は、高輝度の白色光を出射する、例えば超高圧水銀灯等の光源ランプ１８と、この光源ランプ１８からの出射光を光路前方に向けて集光反射するリフレクタ１９とからなっている。
【００２８】
ガラスロッド１５は、上記マイクロミラー素子１１の表示エリアの形状に合致した断面形状を有する透明角棒または内面全体に反射膜が設けられた角筒からなっており、その一端面が入射端面とされ、他端面が出射端面とされて、透過光が内面で反射、拡散することにより、出射光の光量分布を均一なものとしている。
【００２９】
上記カラーホイール１７は、上記光源１４からの出射光（白色光）を、複数の色、例えばＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の３原色部分と透明部分とにより適宜分光するために設けられている。
【００３０】
図２は、このカラーホイール１７の正面図であり、このカラーホイール１７には、Ｒ，Ｇ，Ｂの各カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂと透明フィルタ１７ｔとを同一円周上に並べて設けた円板状の回転板からなっている。
【００３１】
このカラーホイール１７は、その回転により上記カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂと透明フィルタ１７ｔが順次上記ガラスロッド１５の出射端面の後方を通過するように、回転中心をマイクロミラー素子１１への投射光路の側方にずらして配置されており、モータ２０によって回転駆動される。
【００３２】
上記光源レンズ系１６は、図では１群１枚のレンズで表現しているが、実際にはレンズ収差を小さくするために複数枚のレンズを組合せて構成するもので、この光源レンズ系１６は、上記カラーホイール１７を挟んでガラスロッド１５の出射側に配置されている。
【００３３】
また、上記投影系１３は、上記光源レンズ系１６と同様に図では１群１枚のレンズで表現しているが、実際にはレンズ収差を小さくするために複数枚のレンズを組合せて構成する投影レンズ系２１からなっており、この投影レンズ系２１は、そのレンズ光軸をマイクロミラー素子１１の正面方向に出射した反射光（複数のマイクロミラーにより正面方向に反射された光）の光束の軸線に一致させてマイクロミラー素子１１の前方に配置されている。
【００３４】
なお、上記モータ２０は、カラーホイール制御部２２の駆動制御に基づいてカラーホイール１７を定速回転し、あるいはカラーホイール１７を所定の回転角度位置で停止させる。
【００３５】
カラーホイール制御部２２は、時分割駆動回路２３から与えられるタイミング信号に同期してモータ２０を駆動制御する。
【００３６】
時分割駆動回路２３は、カラーシーケンス制御回路２４から送られてくる表示モード信号に従い、上記カラーホイール制御部２２にタイミング信号を与える一方で、ここでは図示しない映像処理系の回路から与えられるＲＧＢの各色成分毎の映像信号に基づき、加えて該ＲＧＢの各映像信号に対するマトリックス演算を行なうことで白黒画像表示用の輝度（Ｙ）信号を生成し、ＲＧＢの各色成分毎の映像信号及び輝度信号を時分割で連続するように上記マイクロミラー素子１１へ供給して、各画像を表示させる。
【００３７】
上記カラーシーケンス制御回路２４は、その時点で選択されている表示モード、具体的には段階的に画像の明るさを指示するための表示モード信号を時分割駆動回路２３に送出する。
【００３８】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【００３９】
図３は、光源系１２の光路上にあるカラーホイール１７の回転位置と時分割駆動回路２３がマイクロミラー素子１１で表示させる各色成分毎の画像との対応を示すものであり、ここではＲＧＢの各色成分毎の画像表示用にそれぞれ１フィールドと、白黒画像用の輝度信号の１フィールドで合計４フィールドにより１フレーム分の画像を１／３０［秒］で表示するものとする。
【００４０】
したがって、１フィールド当たりの表示時間は１／１２０［秒］となるが、マイクロミラー素子１１の応答速度は充分に高く、データの書込みに要する時間は無視できるほどにごく僅かであるので、ここでは説明を容易にするためにあえてほぼ１フィールド、１／１２０［秒］の時間をそのまま画像表示に使えるものとして説明する。
【００４１】
しかるに、図３（１）に示す如くカラーホイール１７を３０［ｒｐｍ］の定速で回転させることで、１フレーム期間中にＲフィルタ１７ｒ、Ｇフィルタ１７ｇ、Ｂフィルタ１７ｂ、及び透明フィルタ１７ｔの順序で１フィールド期間ずつ光路上に位置するように１回転させるものとする。
【００４２】
これに同期して時分割駆動回路２３では、上記Ｒフィルタ１７ｒが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（２）に示すようにマイクロミラー素子１１でＲ画像を表示させ、続く上記Ｇフィルタ１７ｇが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（３）に示すようにマイクロミラー素子１１でＧ画像を表示させ、次の上記Ｂフィルタ１７ｂが光路上にある１フィールド期間全体にわたって図３（４）に示すようにマイクロミラー素子１１でＢ画像を表示させる。
【００４３】
そして、透明フィルタ１７ｔが光路上にある１フレーム期間中の最後の１フィールド期間にあっては、時分割駆動回路２３はカラーシーケンス制御回路２４からの表示モードに従った表示時間だけ図３（５）に示すようにマイクロミラー素子１１で輝度（Ｙ）画像を表示させ、同フィールド内の残る時間はマイクロミラー素子１１の全画素を一括制御してその出射光が投影系１３に至らないようにしている。
【００４４】
同図（５）では、この輝度信号を表示させる時間と表示させない時間のデューティ比を１／２として示しているが、そのデューティ比は図中の矢印ＩＩＩにも示す如くカラーシーケンス制御回路２４からの表示モード信号に応じて任意に可変調整できるものとする。
【００４５】
図４は、輝度画像を表示する時間を３ビット、８段階に渡って調整できるものとし、これと合せて輝度画像の表示を全く行なわない場合も含め、全９段階に分けて第４フィールドでの輝度画像の表示時間を調整可能な様子を示している。
【００４６】
いうまでもなく、図４（ａ）に示す、１フィールド期間中ずっと輝度画像を表示する場合が、１フレーム全体に渡っても明るい画像を表示できる。その反面、１フレーム中の４分の１は輝度信号による白黒表示のみであり、人間の目で見た場合のカラー画像としての色度は大幅に落ちるものと思われる。
【００４７】
反対に、図４（ｉ）に示す、１フィールド期間中全く輝度信号を表示せず、投影系１３への光の出射を行なわない場合は、１フレームに渡って表示される画像が最も暗くなるが、その反面、輝度信号による白黒表示を全く行なっていないため、人間の目で見た場合のカラー画像の色再現性は、時分割駆動回路２３に与えられるＲＧＢ信号に対して最も忠実なものとなる。
【００４８】
このように、１フレーム期間中の、輝度信号に基づいた最も明るい白黒表示を行なう時間を任意に可変調整することで、カラーフィルタ１７ｒ，１７ｇ，１７ｂの各色成分と透明フィルタ１７ｔとが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイール１７を定速回転させる場合であっても、この投影型表示装置１０のユーザの要求に柔軟に対応し、必要に応じて画像の明るさを調整することが可能となる。
【００４９】
したがって、例えばこの投影型表示装置１０にユーザが切換操作可能な明るさ調整スイッチを設け、そのスイッチの操作状態により上記カラーシーケンス制御回路２４が時分割駆動回路２３へ出力する表示モード信号を切換設定できるものとすれば、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して画像を投影させることができる。
【００５０】
なお、上記実施の形態では、１フレーム中の最後のフィールドである第４フィールドにおいて、時分割駆動回路２３が生成した輝度信号をマイクロミラー素子１１で表示するものとして説明したが、単に上記図４で示した時間幅を調整するものとして、上記第４フィールドではマイクロミラー素子１１の全画素で投影系１３へ光を反射させる白色画面を投影表示させるものとすれば、表示される画像のコントラストは低下するものの、より明るい画像を表示させることができる。
【００５１】
また、上記カラーホイール１７の透明フィルタ１７ｔを光源系１２の光路上で固定させるものとしてモータ２０によるカラーホイール１７の回転を一時的に停止させ、併せて時分割駆動回路２３は輝度信号のみをマイクロミラー素子１１に与えて表示させるものとすれば、光源１４での発光光量をフルに活かして充分明るい白黒画像を表示させることができるもので、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００５２】
さらに、上記実施の形態では、反射型の表示素子としてマイクロミラー素子１１を用いるものとして説明したが、マイクロミラー素子１１は例えば１秒間に例えば５万回程度のオン／オフの書換え動作が可能であるほど高速駆動が可能であり、データ書込みに要するのための時間はごく僅かであるので、上記図３及び図４ではあえてデータ書込みにほとんど時間を要しないものとして説明した。
【００５３】
しかしながら、本発明は反射型表示素子としてマイクロミラー素子に限定するものではなく、例えば反射型液晶表示パネルを使用することも考えられるので、その場合には、データ書込みと液晶物質が書込まれたデータに応答するまでの時間等を考慮した駆動方法を採ることが必要となる。
【００５４】
さらには、表示素子として、入射光を反射する際に画像を形成する反射型表示素子に限らず、入射光を透過する過程で画像を形成して出射する、例えば透過型液晶表示パネルなどの透過型表示素子を使用する事も考えられる。
【００５５】
また、上記実施の形態では、白色光源に対する分光手段としてカラーホイール１７を用いることとしたが、カラーホイール１７に代えて、例えば回折格子を利用して特定の波長光を選択可能なホログラムレンズを多重配置したものを用いるなど、フィルタ機構は他にも考え得る。
【００５６】
加えて、光源自体を例えばＲＧＢ各色の波長光で発光するＬＥＤ（発光ダイオード）などの特定波長光を選択して発光可能なものとし、これらの光源を選択的あるいは同時に発光駆動することにより、特定の波長光あるいは白色光を得られるものとすれば、フィルタ機構は有していないものの、機能的には同様の効果を奏することができる。
【００５７】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【００５８】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも１つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも１つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【００５９】
【発明の効果】
請求項１記載の発明によれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整することが可能となる。
【００６０】
請求項２記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、簡易な切換操作により必要な明るさの画像を選択して投影させることができる。
【００６１】
請求項３記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、単に明るいだけでなくコントラストの高い画像を投影表示させることができる。
【００６２】
請求項４記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、カラーフィルタの各色成分と透明フィルタが固定的な割合で同一円周上に配置されたカラーホイールを一定の速度で回転させる場合であっても、任意に必要な画像の明るさを調整することができる。
【００６３】
請求項５記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の作用に加えて、色再現性が全く必要ない、明るさのみを重視した画像を投影表示させる場合にも対応できる。
【００６４】
請求項６記載の発明によれば、ユーザの要求に柔軟に対応し、画像の明るさを任意に調整させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る投影型表示装置の構成を示す図。
【図２】図１のカラーホイールの構成を例示する正面図。
【図３】同実施の形態に係るカラーホイールの回転位置に対応した各画像の表示タイミングを示すタイミングチャート。
【図４】同実施の形態に係る輝度（Ｙ）画像表示期間中の表示時間の調整幅を示す図。
【符号の説明】
１０…投影型表示装置
１１…マイクロミラー素子
１２…光源系
１３…投影系
１４…光源
１５…ガラスロッド
１６…光源レンズ系
１７…カラーホイール
１７ｂ…Ｂフィルタ
１７ｇ…Ｇフィルタ
１７ｒ…Ｒフィルタ
１７ｔ…透明フィルタ
１８…光源ランプ
１９…リフレクタ
２０…モータ
２１…投影レンズ系
２２…カラーホイール制御部
２３…時分割駆動回路
２４…カラーシーケンス制御回路
Claims (6)
- 複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、
光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、
上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、
上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構と、
このフィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整する表示制御手段と
を具備したことを特徴とする投影型表示装置。 - 上記表示制御手段は、複数の表示モードに対応し、その時点で設定されている表示モードによって上記表示素子での光の出射時間を切換調整することを特徴とする請求項１記載の投影型表示装置。
- 上記表示制御手段は、上記透明フィルタ選択中の上記表示素子での光の出射時に輝度信号に対応した画像を表示することを特徴とする請求項１記載の投影型表示装置。
- 上記フィルタ機構は、複数の色成分からなるカラーフィルタと透明フィルタとを同一円周上に配置したカラーホイール及びその回転駆動機構でなることを特徴とする請求項１記載の反射型投影装置。
- 上記表示制御手段は、上記フィルタ機構の透明フィルタのみを選択して、上記表示素子で輝度信号に対応した画像を表示させる白黒表示モードを有することを特徴とする請求項１記載の反射型投影装置。
- 複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有し、入射した光を反射または透過して出射すると共に、上記複数の画素での光の出射を制御して画像を表示する表示素子と、光源からの光を光源系レンズにより上記表示素子に投射する光源系と、上記表示素子からの出射光を投影系レンズにより光束を拡大して投影する投影系と、上記光源系または投影系の光路中に設けられ、透過光または反射光の色成分を制限するカラーフィルタと全く制限しない透明フィルタとを該光路に選択的に配置可能なフィルタ機構とを有する投影型表示装置の表示駆動方法であって、
上記フィルタ機構のカラーフィルタと透明フィルタとを循環的に選択駆動すると共に、これに同期してカラーフィルタ選択中には上記表示素子でその選択しているカラーフィルタの色成分に対応した画像を表示させ、上記透明フィルタ選択中には上記表示素子での光の出射時間を可変調整する
ことを特徴とする投影型表示装置の表示駆動方法。
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