JPH09137760A - 蓄圧式燃料噴射制御装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射制御装置

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JPH09137760A
JPH09137760A JP29557295A JP29557295A JPH09137760A JP H09137760 A JPH09137760 A JP H09137760A JP 29557295 A JP29557295 A JP 29557295A JP 29557295 A JP29557295 A JP 29557295A JP H09137760 A JPH09137760 A JP H09137760A
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injection pressure
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貞男 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄圧式燃料噴射制御装置において、演算遅れ
や電気的な遅れによってて燃料噴射圧力が不足し、レス
ポンス不良となってしまう。 【解決手段】 燃料噴射圧力設定手段102は燃料噴射
量Qとエンジン回転数Neから基本燃料噴射圧力PB
設定し、過渡運転状態判定手段104がアクセル開度θ
の変化からエンジンが過渡状態であると判定したときに
は、燃料噴射圧力補正手段105は基本燃料噴射圧力P
B に過渡運転状態判定手段104の出力に応じて設定さ
れる加圧値ΔPを加算して補正燃料噴射圧力PA を設定
し、燃料噴射圧力制御手段106は基本燃料噴射圧力P
B あるいは補正燃料噴射圧力PA に基づいて燃料ポンプ
109を制御し、燃料噴射時期制御手段107は燃料噴
射時期Tに基づいて蓄圧式ユニットインジェクタ108
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧式ユニットイ
ンジェクタを用いて燃料噴射を制御する蓄圧式燃料噴射
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に一般的なディーゼルエンジン用蓄
圧式燃料噴射装置の概略構成を示す。
【0003】図8に示すように、蓄圧式ユニットインジ
ェクタ14において、エンジン11には各気筒の燃焼室
に対して高圧の燃料を噴射する燃料噴射ノズル12が配
設されており、各燃料噴射ノズル12には電磁弁13が
装着されている。従って、この燃料噴射ノズル12から
エンジン11への燃料噴射は、この電磁弁13の開閉に
よって制御されるようになっている。
【0004】各燃料噴射ノズル12はそれぞれ電磁弁1
3を介して蓄圧器14に接続されており、この電磁弁1
3が開弁しているときは、蓄圧器14内の燃料が燃料噴
射ノズル12に供給され、この燃料噴射ノズル12から
エンジン11へ噴射される。そのため、この蓄圧器14
にはエンジンの運転状態に応じて予め設定された高圧力
の燃料が貯留されている。即ち、蓄圧器14には供給配
管15及びチェック弁16を介して高圧燃料を供給可能
な高圧ポンプ17が接続され、この高圧ポンプ17は低
圧ポンプ18を介して燃料タンク19に接続されてい
る。そして、この高圧ポンプ17は吐出量制御装置20
を有し、エンジンの図示しないクランク軸に連動して駆
動することで、所望の燃料を蓄圧器14に供給できる。
【0005】また、エンジンコントロールユニット(E
CU、以下、コントローラと称する。)21は前述の電
磁弁13と吐出量制御装置20を制御可能となってい
る。また、このコントローラ21にはエンジン回転数セ
ンサ22及びアクセル開度センサ23、蓄圧器14内の
燃料圧力を検知する圧力センサ24、並びに必要に応じ
たエンジンの運転状態に影響を及ぼす吸気圧、吸気温、
燃料温度等の補助情報の検出装置26が接続されてお
り、各種の情報を入力して燃料噴射制御を行う。
【0006】ここで、上述した蓄圧式ユニットインジェ
クタの作動態様を簡略に説明する。まず、低圧ポンプ1
8によって燃料タンク19から供給された低圧の燃料
は、エンジンのクランク軸に連動して駆動される高圧ポ
ンプ17によって高圧に加圧されて蓄圧器14に供給さ
れる。各種の情報にに基づくエンジンの運転状態に応じ
て、コントローラ21から吐出量制御装置20に指令が
出力され、この吐出量制御装置20によって蓄圧器14
内の燃料圧力が予め高圧力に制御される。一方、蓄圧器
14内の燃料圧力を示す信号が圧力センサ24からコン
トローラ21にフィードバックされる。
【0007】そして、エンジンの運転状態に応じて予め
設定された時間後に、コントローラ21の駆動指令が電
磁弁13に出力されると、この電磁弁13が開弁され、
蓄圧器24内の高圧燃料が各電磁弁13を通って燃料噴
射ノズル12に供給され、この燃料噴射ノズル12から
エンジン11へ噴射される。
【0008】このようなディーゼルエンジン用蓄圧式燃
料噴射装置において、燃料噴射量Qはエンジン回転数N
eとアクセル開度θとに基づいて、また、燃料噴射圧力
P及び燃料噴射時期Tはそれぞれエンジン回転数Neと
燃料噴射量Qとに基づいてコントローラ21が演算して
設定している。従って、コントローラ21はこの燃料噴
射圧力Pに基づき吐出量制御装置20を制御し、燃料噴
射量Q及び燃料噴射磁気Tに基づいて電磁弁13を制御
し、必要量の燃料を必要圧力で必要時期に噴射する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに設定された燃料噴射圧力P及び燃料噴射量Qに基づ
いてコントローラ21はこれらの指令値を吐出量制御装
置20に出力して作動させているが、ここで演算遅れや
電気的遅れが発生し、吐出量制御装置20を設定された
燃料噴射圧力Pに基づいて作動させることができない。
【0010】図9にスロットル開度とエンジン回転数と
燃料噴射圧力との関係を表すグラフを示す。この図9の
グラフに示すように、ドライバがアクセルペダルを踏み
込むと、スロットル開度θが大きくなって噴射量が増
し、エンジン回転数Neが上昇すると共に、吐出量制御
装置20の作動に燃料噴射圧力Pが上昇する。ところ
が、ここで各種の演算処理や電気的処理に遅れが発生
し、燃料噴射圧力Pにおいて、指令値に対して実際の値
に時間的な遅れが生じ、且つ、燃料噴射圧力Pにも不足
圧力が生じてしまう。すると、エンジン回転数Neが充
分に上昇せず、レスポンス不良となってしまい、また、
黒煙の排出量も増大してしまうという問題があった。
【0011】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、演算や電気的な遅れを考慮して燃料噴射圧力の
指令値を設定することで、エンジン性能低下を防止した
蓄圧式燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置は、高圧燃料を貯
留する蓄圧室と、該蓄圧室内の燃料圧を設定燃料圧に調
節可能な燃料供給手段と、前記蓄圧室と燃料噴射ノズル
との間に設けられて該燃料噴射ノズルからの燃料の噴射
時期及び噴射量を制御する燃料噴射制御弁と、エンジン
の運転状態として少なくとも乗員により操作されるアク
セルペダルの位置を検出する運転状態検出手段と、該運
転状態検出手段により検出された前記アクセルペダルの
位置変化に基づいて前記エンジンが過渡状態であるかど
うかを判定する過渡運転状態判定手段と、前記運転状態
検出手段の出力に応じて基本燃料噴射圧力を設定する燃
料噴射圧力設定手段と、前記過渡運転状態判定手段によ
り前記エンジンが過渡状態であると判定されたときに前
記燃料噴射圧力設定手段により設定された基本燃料噴射
圧力に該過渡運転状態判定手段の出力に応じて設定され
る補正量を加算して補正燃料噴射圧力を設定する燃料噴
射圧力補正手段と、前記燃料噴射圧力設定手段により設
定された基本燃料噴射圧力あるいは前記燃料噴射圧力補
正手段により設定された補正燃料噴射圧力に基づいて前
記燃料供給手段及び前記燃料噴射制御弁をそれぞれ制御
する燃料噴射制御手段とを具えたことを特徴とするもの
である。
【0013】従って、運転状態検出手段はエンジンの運
転状態として少なくとも乗員により操作されるアクセル
ペダルの位置を検出し、過渡運転状態判定手段はこのア
クセルペダルの位置変化に基づいてエンジンが過渡状態
であるかどうかを判定し、一方、燃料噴射圧力設定手段
は運転状態検出手段の出力に応じて基本燃料噴射圧力を
設定し、過渡運転状態判定手段によりエンジンが過渡状
態であると判定されたときには燃料噴射圧力設定手段が
設定した基本燃料噴射圧力に過渡運転状態判定手段の出
力に応じて設定される補正量を加算して補正燃料噴射圧
力を設定し、燃料噴射制御手段は基本燃料噴射圧力ある
いは補正燃料噴射圧力に基づいて燃料供給手段を制御す
ることで、エンジンの過渡時に演算や電気的な遅れが発
生しても、基本燃料噴射圧力に補正量を加算した補正燃
料噴射圧力を指令値とするので、レスポンス不良となっ
たり、黒煙の排出量が増大することもない。
【0014】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射圧力補正手段は、前記過渡運転状
態判定手段の出力に応じて設定される補正期間にわたっ
て前記補正量を加算して補正燃料噴射圧力を設定するこ
とを特徴とするものである。
【0015】従って、エンジンが過渡状態の間にわたっ
て適切な補正量が基本燃料噴射圧力に加算されて補正燃
料噴射圧力が設定されることとなる。
【0016】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射圧力補正手段は、前記補正期間の
終了時の補正燃料噴射圧力を最終燃料噴射補正圧力とし
て記憶すると共に、前記燃料噴射制御手段は、前記補正
期間が経過した後に前記燃料噴射圧力設定手段により設
定される基本燃料噴射圧力が前記最終燃料噴射補正圧力
を越えるまで前記記憶された最終燃料噴射圧力に基づき
前記燃料供給手段を制御することを特徴とするものであ
る。
【0017】従って、エンジンが過渡状態が終わった後
も、燃料噴射圧力は滑らかに変化して制御されることと
なる。
【0018】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射圧力補正手段は、前記基本燃料噴
射圧力に前記補正量を加算して設定した補正燃料噴射圧
力に対し、その上限値となる制限燃料噴射圧力を有する
ことを特徴とするものである。
【0019】従って、基本燃料噴射圧力に補正量を加算
した補正燃料噴射圧力が過剰な圧力となることが防止さ
れる。
【0020】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記過渡運転状態判定手段は、前回の前記アク
セルペダルの位置と今回のアクセルペダルの位置との偏
差値が予め設定された所定の過渡偏差値を越えたときに
前記エンジンが過渡状態であると判定することを特徴と
するものである。
【0021】従って、エンジンの過渡状態を簡単、且
つ、確実に検出することができる。
【0022】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射圧力補正手段は、前記過渡運転状
態判定手段により検出された前記アクセルペダルの位置
の偏差値に応じて、前記補正量及び前記補正期間を設定
することを特徴とするものである。
【0023】従って、エンジンの過渡状態に適応した補
正量及び補正期間を設定することができる。
【0024】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射制御手段は、前記過渡運転状態判
定手段により検出された前記アクセルペダルの位置の偏
差値が、前記過渡偏差値より小さな偏差値として設定さ
れた基準偏差値以下となったとき、前記基本燃料噴射圧
力に基づき前記燃料供給手段を制御することを特徴とす
るものである。
【0025】従って、基本燃料噴射圧力となるまで除々
に減圧して燃料供給手段を制御することができる。
【0026】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記補正燃料噴射圧力と前記基本燃料噴射圧力
との圧力差に応じて設定される補正減圧値を前記補正燃
料噴射圧力から減算した減圧補正燃料噴射圧力に基づき
徐々に減圧することを特徴とするものである。
【0027】従って、基本燃料噴射圧力となるまで除々
に減圧して燃料供給手段を制御することができる。
【0028】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
おいて、前記運転状態検出手段が、変速機のシフト位置
を検出すると共に、前記燃料噴射圧力補正手段は、前記
過渡運転状態判定手段の出力、過渡状態と判定されたと
きのシフト位置の出力に応じて前記補正量を設定するこ
とを特徴とするものである。
【0029】従って、エンジンの運転状況に応じた補正
燃料噴射圧力を設定して燃料噴射圧力を速やかに上昇さ
せることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0031】図1に本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃
料噴射制御装置の制御ブロック、図2及び図3にこの蓄
圧式燃料噴射制御装置において燃料噴射圧力を設定する
ための制御フローチャート、図4に燃料噴射圧力を設定
するための制御タイムチャート、図5に補正燃料噴射圧
力を説明するための概略を示す。
【0032】蓄圧式燃料噴射制御装置は、図1に示すよ
うに、ディーゼルエンジンにおいて、エンジンの運転状
態、即ち、エンジン回転数Neとアクセル開度θとに基
づいて燃料噴射量Qを設定する燃料噴射量設定手段10
1と、エンジン回転数Neとこの燃料噴射量Qとに基づ
いて基本燃料噴射圧力PB を設定する燃料噴射圧力設定
手段102と、同じくエンジン回転数Neと燃料噴射量
Qとに基づいて燃料噴射時期Tを設定する燃料噴射時期
設定手段103と、アクセルペダルの位置(アクセル開
度θ)変化に基づいてエンジンが過渡状態であるかどう
かを判定する過渡運転状態判定手段104とを有し、燃
料噴射圧力補正手段105はこの過渡運転状態判定手段
104によりエンジンが過渡状態であると判定されたと
きに、燃料噴射圧力設定手段102により設定された基
本燃料噴射圧力PB に過渡運転状態判定手段104の出
力に応じて設定される補正量としての加圧値ΔPを加算
して補正燃料噴射圧力PA を設定し、燃料噴射圧力制御
手段106は設定された基本燃料噴射圧力PB あるいは
補正燃料噴射圧力PA に基づいて燃料ポンプを制御し、
また、燃料噴射時期制御手段107は燃料噴射時期設定
手段103により設定された燃料噴射時期Tに基づいて
蓄圧式ユニットインジェクタ108を制御している。
【0033】更に、燃料噴射量制御手段110は、燃料
噴射時期設定手段103により設定された燃料噴射時期
T、及び燃料噴射量設定手段101により設定された燃
料噴射量Qに基づき、燃料噴射終了時期を制御してい
る。本実施例においては、別途、燃料噴射量制御手段1
10を設けて燃料噴射終了時期を制御しているが、これ
に限定されるものではなく、燃料噴射時期設定手段によ
って燃料噴射開始時期、並びに噴射期間を設定しても良
い。なお、この蓄圧式ユニットインジェクタ108は従
来の技術で説明したものと同様であるため、説明は省略
する。
【0034】ここで、上述した本実施例の蓄圧式燃料噴
射制御装置において、燃料噴射圧力補正手段105によ
り補正燃料噴射圧力PA を設定する方法について、図2
及び図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0035】図2及び図3に示すように、ステップS1
において、アクセル開度θ及び燃料噴射両Qを読み込む
と共に前回のアクセル開度θをθi-1 として、また今回
のアクセル開度θをθi として書き換える。ステップS
2において、今回のアクセル開度θi 、及び燃料噴射両
Qから基本燃料噴射圧力PB を算出する。更に、ステッ
プS3では、今回のアクセル開度θi から前回のアクセ
ル開度θi-1 を減算して今回のアクセル開度偏差Δθi
を算出する。そして、ステップS4にて、算出した今回
のアクセル開度偏差Δθi が、ゼロを超えているか
(正)かどうか、即ち、加速状態にあるかどうかを判定
し、加速状態にあればステップS5に移行する。ここ
で、今回のアクセル開度偏差Δθi が加速判定係数Kよ
りも大きいかどうかを判定し、大きければステップS6
に移行し、加速フラグFA =1かどうか判定し、FA
1でなければステップS7に移行し、加速フラグFA
A =1として設定すると共に加速補正時間用の計時タ
イマT、及び後に説明する減速フラグFB をリセット
し、この後のステップで基本燃料噴射圧力PB に対する
加速補正値ΔP、及びその補正期間としての加速補正時
間tを設定する処理を行う。
【0036】ステップS8では、加速補正値ΔP、及び
加速補正時間tについて、それぞれ図示しないマップか
らアクセル開度偏差Δθi の大きさに応じた値を読み込
み、加圧補正値ΔP、及び加圧補正時間tとして設定す
ると共にそれぞれの値を記憶する。ステップS9では、
基本燃料噴射圧力PB に加圧補正値ΔPを加算して補正
燃料噴射圧力PA を算出し、さらにステップS10に
て、この加圧正値ΔPの加算毎に算出された補正燃料噴
射圧力PA を今回の補正燃料噴射圧力PAiとして更新記
憶する。そしてステップS11にて、計時タイマTの前
回までの時間T0に所定の処理時間ΔTを加算する。
【0037】ステップS12では、更新記憶された今回
の補正燃料噴射圧力PAi、及び上限値となる制限燃料噴
射圧力PL に対して所定圧力だけ低い許容最大燃料噴射
圧力PS を読み込み、ステップS13において、今回の
補正燃料噴射圧力PAiが前記許容最大燃料噴射圧力PS
より小さいかどうかを判定し、小さければ、ステップS
14で今回の補正燃料噴射圧力PAiを燃料噴射圧力Pの
指令値とし、ステップS15にて高圧ポンプ17の吐出
量制御装置20の制御を行う。また、ステップS13に
おいて、今回の補正燃料噴射圧力PAiが前述の許容最大
燃料噴射圧力P S と等しいか、あるいは大きいと判定さ
れると、ステップS16で許容最大燃料噴射圧力PS
燃料噴射圧力Pの指令値とし、ステップS15にて高圧
ポンプ17の吐出量制御装置20の制御を行う。
【0038】ところで、ステップS6において、加速フ
ラグFA がFA =−1であれば、即ち、前回までの処理
において、ステップS5にてアクセル開度偏差Δθi
加速判定係数Kよりも大きいと判定され、且つ加速補正
値ΔP、及び加圧補正時間tが設定されている状態であ
れば、ステップS17に移行し、計時タイマTが加速補
正時間tに等しいか、あるいは加圧補正時間Tを越えた
かどうか判定され、加圧補正時間tに達していなければ
ステップS9に進み、前述と同様な処理が繰り返され
る。
【0039】また、ステップS17において、計時タイ
マTが加圧補正時間tに等しいか、あるいは加圧補正時
間tを越えていると判定されると、ステップS18に進
み、今回のアクセル開度θi と燃料噴射量Qとから算出
された基本燃料噴射圧力PB、及び加圧補正値ΔPの加
算毎に算出された補正燃料噴射圧力PA を更新記憶した
今回の補正燃料噴射圧力PAi(即ち、加圧補正時間tの
終了時の補正燃料噴射圧力を記憶した最終燃料噴射補正
圧力)を読み込む。そして、ステップS19にて、基本
燃料噴射圧力PB が、加圧補正時間tを越えた状態で保
持固定されている今回の補正燃料噴射圧力PAiに等しい
か、あるいは今回の補正燃料噴射圧力P Aiを越えている
か判定し、今回の補正燃料噴射圧力PAiよりも小さけれ
ば、ステップS12、及びステップS13に移り前述と
同様の処理、即ち、補正燃料噴射圧力PAiが適正な圧力
か否か判定され、適正な圧力でなければ適切な圧力に設
定する処理が行われる。
【0040】一方、ステップS19にて、基本燃料噴射
圧力PB が、今回の補正燃料噴射圧力PAiに等しいか、
あるいは今回の補正燃料噴射圧力PAiを越えていると判
定されると、ステップS20において、加速フラグ
A 、加圧補正値ΔP、及び計時タイマTをリセット
し、ステップS23に移り基本燃料噴射圧力PB を燃料
噴射圧力Pの指令値とし、同様にステップS15にて高
圧ポンプ17の吐出量制御装置20の制御を行う。
【0041】また、ステップS4にて、算出した今回の
アクセル開度偏差Δθi が、ゼロ以下(ゼロ、あるいは
負)であれば、即ち、定常走行状態か、あるいは減速状
態にあると判定し、ステップS21に移行し加速フラグ
A がFA =1か否か判定される。ここで、加速フラグ
A がFA =1であると判定されると、ステップS24
に移行し、加速フラグFA 、及び計時タイマTをリセッ
トし、更に減速フラグFB がFB =1に設定される。
【0042】ここで、加速フラグFA がFA =1である
と、言い換えれば、前回までの処理において、スロット
ル偏差ΔθIが加速判定係数Kよりも大きいと判定さ
れ、基本燃料噴射圧力PB に加圧補正値ΔPを加算し
て補正燃料噴射圧力PA を算出し、補正燃料噴射圧力P
A を今回の補正燃料噴射圧力PAiとしているか、あるい
は、計時タイマTが設定された加圧補正時間tを越え
て、基本燃料噴射圧力P B が今回の補正燃料噴射圧力P
Ai(最終燃料噴射補正圧力)を越えたか判定している状
態を示すものである。そして、このような定常走行状態
か、あるいは減速状態にあるときに、基本燃料噴射圧力
B に対して加圧補正されている今回の補正燃料噴射圧
力PAiを燃料噴射圧力Pの指令値とし、高圧ポンプ17
の吐出量制御装置20を制御すると、今回の補正燃料噴
射圧力PAiが、現在のアクセル開度θi 及び燃料噴射量
Qから算出された基本燃料噴射圧力PB に対して高圧と
なることとなり、速やかに基本燃料噴射圧力PB に戻す
必要があるが、そこでスップS25において、今回の補
正燃料噴射圧力PAiと基本燃料噴射圧力PB との圧力差
に応じて設定される補正減圧値ΔP’を算出すると共に
記憶する。そして、今回の補正燃料噴射圧力PAiを基本
燃料噴射圧力PB に戻す際にドライバに違和感を与えな
いように、今回の補正燃料噴射圧力PAiを徐々に減圧す
る処理を以下のステップで説明する。
【0043】ステップS26において、今回の補正燃料
噴射圧力PAiから補正減圧値ΔP’を減算して減圧用補
正燃料噴射圧力PD を算出し、さらに次ぎのステップS
27にて、この補正減圧値ΔP’の減算毎に算出された
減圧用補正燃料噴射圧力PDを新たに今回の補正燃料噴
射圧力PAiとして更新記憶する。そしてステップS28
にて、基本燃料噴射圧力PB 、及び今回の補正燃料噴射
圧力PAiを読み込み、ステップS29にて、今回の補正
燃料噴射圧力PAiが、基本燃料噴射圧力PB に等しい
か、あるいは基本燃料噴射圧力PB を下回っているか判
定し、今回の補正燃料噴射圧力PAiが基本燃料噴射圧力
B を越えていれば、ステップS30に移り、今回の補
正燃料噴射圧力PAiを燃料噴射圧力Pの指令値として、
ステップS15にて高圧ポンプ17の吐出量制御装置2
0の制御を行う。
【0044】そして、ステップS29にて、今回の補正
燃料噴射圧力PAiが、基本燃料噴射圧力PB に等しい
か、あるいは基本燃料噴射圧力PB を下回っていると判
定されると、ステップS31において、減速フラグ
B 、及び補正減圧値ΔP’をリセットし、ステップS
23で基本燃料噴射圧力PB を燃料噴射圧力Pの指令値
とし、同様に、ステップS15にて高圧ポンプ17の吐
出量制御装置20の制御を行う。
【0045】また、ステップS21において、加速フラ
グFA がFA =0であれば、現在、燃料噴射圧力が加圧
補正されていない運転状態であるとして、ステップS2
2に進む。ステップS22では、減速フラグFB がFB
=1か否か(即ち、アクセル開度偏差Δθi がゼロ以下
(ゼロ、あるいは負)であり、且つ今回の補正燃料噴射
圧力PAiから補正減圧値ΔP’を減算して減圧用補正燃
料噴射圧力PD を算出している最中か否か)を判定し、
B =1であればステップS26に移り、記憶されてい
る今回の補正燃料噴射圧力PAiから補正減圧値ΔP’を
減算して減圧用補正燃料噴射圧力PD を算出する処理を
繰り返す。また、FB =0であれば、ステップS23に
移り、基本燃料噴射圧力PB を燃料噴射圧力Pの指令値
とし、ステップS15にて高圧ポンプ17の吐出量制御
装置20の制御を行う。
【0046】更に、ステップS5において、今回のアク
セル開度偏差Δθi が加速判定係数Kに等しいか、ある
いは小さいとステップS32に移行し、加速フラグFA
がF A =1か否か判定され、ここで、加速フラグFA
A =1であると判定されると、更にステップS33に
移行し、計時タイマTが加圧補正時間tに等しいか、あ
るいは加圧補正時間tを越えていると判定されると、ス
テップS17と同様にステップS18に進み、一方、ス
テップS33において、計時タイマTが、加圧補正時間
tに達していなければステップS17と同様に、ステッ
プS9に進み、基本燃料噴射圧力PB に加圧補正値ΔP
を加算して補正燃料噴射圧力PA を算出すると同様な処
理が繰り返される。また、ステップS32において、加
速フラグFA がFA =0であると判定されると、ステッ
プS22に進み、減速フラグFBがFB =1であればス
テップS26に移り、記憶されている今回の補正燃料噴
射圧力PAiから補正減圧値ΔP’を減算して減圧用補正
燃料噴射圧力PD を算出する処理を繰り返す。また、F
B =0であれば、ステップS23に移り、基本燃料噴射
圧力PB を燃料噴射圧力Pの指令値とし、ステップS1
5にて高圧ポンプ17の吐出量制御装置20の制御を行
う。
【0047】また、図4のタイムチャートを用いて具体
的に説明する。
【0048】図4に示すように、ドライバが時間ta
アクセルペダルを踏み込んで、アクセル開度θが上昇す
ると、加速開始を検出して加速フラグFA が立ち、エン
ジン回転数も上昇する。このとき、前述したように、基
本燃料噴射圧力PB に対する加圧値ΔP1 が算出されて
補正燃料噴射圧力PA が設定されると共に、その加圧時
間t1 が設定される。そして、ドライバは時間tb にて
加速をやめ、時間tcで再びアクセルペダルを踏み込ん
で、スロットル開度θが上昇すると、加速開始を検出し
て加速フラグFA が立ち、エンジン回転数も上昇する。
【0049】続いて、ドライバが時間td にて加速をや
め、時間te でアクセルペダルを戻してからまた時間t
f でアクセルペダルを踏み込むと、スロットル開度θが
下降して再び上昇するので、この時間tf で加速開始を
検出して加速フラグFが立つ。そして、基本燃料噴射圧
力PB に対する加圧値ΔP3 が算出されて補正燃料噴射
圧力PA が設定されると共に、その加圧時間t3 が設定
される。
【0050】なお、加速開始を検出して基本燃料噴射圧
力PB に対する加圧値ΔPを算出して補正燃料噴射圧力
A を設定すると共にその加圧時間tを設定するとき、
図5(a)に示すように、補正燃料噴射圧力PA が上限値
となる制限燃料噴射圧力PLに対して所定圧力だけ低い
許容最大燃料噴射圧力PS が設定されており、仮に補正
燃料噴射圧力PA がこれを越えるとキャンセルされ、許
容最大燃料噴射圧力P S が指令値となる。そして、設定
された加圧補正時間t中に、スロットル偏差Δθi がゼ
ロ、または負とならなければ、加圧時間tの終了時の補
正燃料噴射圧力PA が最終燃料噴射圧力として記憶さ
れ、この加圧時間tが経過した後には基本燃料噴射圧力
B がこの最終燃料噴射圧力を越えるまで記憶された最
終燃料噴射圧力が燃料噴射圧力Pとして設定されるよう
になっている。そして、これらの制御は、前述したステ
ップS1〜S19、S22の処理に相当する。また、図
5(b)に示すものは、設定された加圧補正時間t中
に、スロットル偏差Δθi がゼロ、または負となった場
合の制御を示すもので、ステップS1〜S4,S20〜
S29の処理に相当するものである。
【0051】図6に本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃
料噴射制御装置の変形例を表す制御フローチャート、図
7に補正燃料噴射圧力を説明するための概略を示す。な
お、図6の制御フローチャートは、前述した図2及び図
3の制御フローチャートにおけるステップS6〜ステッ
プS12、及びステップS17〜ステップS20におけ
る処理の流れの変形例である。
【0052】前述の制御にあっては、加圧補正時間tを
越えた状態で、エンジン回転数及び燃料噴射量に基づき
設定される基本燃料噴射圧力PB が、補正燃料噴射圧力
Aiと等しいか、あるいは、越えるまで、今回の補正燃
料噴射圧力PAiを保持固定するように制御しているが、
図6に示す変形例では、加圧補正値ΔP、及び加圧補正
時間tについて、それぞれ図示しないマップからアクセ
ル開度偏差Δθi の大きさに応じた値を読み込むと共
に、その読み込んだ値のうち少なくとも一方を図示しな
い変速機のシフト位置に応じて修正して、加圧補正値Δ
P、及び加圧補正時間tとして設定するものである。
【0053】例えば、変速機のシフト位置が、1速、2
速等の比較的低速段では、減速比の関係上エンジン回転
数が上昇し易く、そのエンジン回転の上昇に伴い燃料噴
射圧力も速やかに上昇するが、一方、例えば、変速機の
シフト位置が、5速、6速、またはそれ以上の比較的高
速段では、エンジン回転数が上昇し難く、その結果燃料
噴射圧力が上昇するまでにやや遅れが生じる場合が想定
される。従って、以下に説明する変形例では、補正燃料
噴射圧力PA が、一時的に制限燃料噴射圧力P L を越え
るように、加圧補正値ΔP、及び加圧補正時間tを設定
すると共に、加圧補正時間tの期間中の補正燃料噴射圧
力PA が、制限燃料噴射圧力PL を越える範囲で、補正
燃料噴射圧力PA を許容最大燃料噴射圧力PS にて保持
することによって、指令値に対する実際の基本燃料噴射
圧力PB を速やかに上昇させることができるものであ
る。
【0054】以下、図6の制御フローチャートに基づい
て詳細に説明する。前述した図2及び図3のフローチャ
ートのステップS5で、今回のアクセル開度偏差Δθi
が加速判定係数Kよりも大きいかどうかを判定し、大き
ければステップS106に以降し、加速フラグFA がF
A =1かどうかを判定し、FA =1でなければステップ
S107に以降し、加速フラグFA をFA =1と設定す
ると共に加速補正時間用の計時タイマT、後に説明する
補正フラグFC 、及び減速フラグFB をリセットし、こ
の後のステップで基本燃料噴射圧力PB に対する加圧補
正値ΔP、及びその補正期間としての加圧補正時間t
を、今回のアクセル開度偏差Δθi 、及び変速機のシフ
ト位置TSPに基づき設定する処理を行う。
【0055】ステップS108では、今回のアクセル開
度偏差Δθi 、及び変速機のシフト位置TSPをそれぞれ
読み込む。そして、ステップS109では、加圧補正値
ΔP及び加圧補正時間tについて、それぞれ図示しない
マップからアクセル開度偏差Δθi の大きさに応じた値
を読み込むと共に、その読み込んだ値のうち少なくとも
一方を図示しない変速機のシフト位置TSPに応じて修正
して、加圧補正値ΔP及び加圧補正時間tとして設定す
るものである。
【0056】即ち、例えば、変速機のシフト位置T
SPが、1速、2速等の比較的定速段では、減速比が大き
い関係上エンジン回転数が上昇し易いため、加圧補正値
ΔPを読み込んだ値に対してやや低く設定すると共に、
加圧補正時間tも同様に読み込んだ値に対してやや短く
設定する。一方、例えば、変速機のシフト位置TSPが5
速、6速、またはそれ以上の比較的高速段では、減速比
が小さい関係上エンジン回転数が上昇し難くなるため、
加圧補正値ΔPを読み込んだ値に対して大きく設定する
共に、加圧補正時間tも同様に読み込んだ値に対してや
や長く設定すると共にそれぞれの値を記憶する。
【0057】ステップS110では、基本燃料噴射圧力
B に加圧補正ΔPを加算して補正燃料噴射圧力PA
産出し、さらにステップS111にて、この加圧補正値
ΔPの加算毎に算出された補正燃料噴射圧力PA を今回
の補正燃料噴射圧力PAiとして更新記憶する。そしてス
テップS112にて、計時タイマTの前回までの時間T
0 に所定の処理時間ΔTを加算する。
【0058】ステップS113では、更新記憶された今
回の補正燃料噴射圧力PAi、及び燃料噴射圧力の上限値
となる制限燃料噴射圧力PL に対して所定圧力だけ低い
許容最大燃料噴射圧力PS を読み込み、ステップS11
4において、今回の補正燃料噴射圧力PAiが前記許容最
大燃料噴射圧力PS より小さいかどうかを判定し、小さ
ければ、ステップS115で今回の補正燃料噴射圧力P
Aiを燃料噴射圧力Pの指令値とする。そして、図2及び
図3のフローチャートと同様に、ステップS15にて高
圧ポンプ17の吐出量制御装置20の制御を行う。
【0059】また、ステップS114において、今回の
補正燃料噴射圧力PAiが前述の許容最大燃料噴射圧力P
S と等しいか、あるいは大きいと判定されると、ステッ
プS116で許容最大燃料噴射圧力PS を燃料噴射圧力
Pの指令値とし、図2及び図3のフローチャートと同様
に、ステップS15にて高圧ポンプ17の吐出量制御装
置20の制御を行う。
【0060】ステップS106において、加速フラグF
A がFA =1であれば、即ち、図2のフローチャートに
示すように、前回までの処理において、ステップS5に
てアクセル開度偏差Δθi が加速判定係数Kよりも大き
いと判定され、且つ加速補正値ΔP、及び加圧補正時間
tが設定されている状態であれば、ステップS117に
移行し、計時タイマTが加圧補正時間tに等しいか、あ
るいは加圧補正時間tを越えたかどうか判定され、加圧
補正時間tに達していなければステップS110に進
み、前述と同様な処理が繰り返される。
【0061】またステップS117において、計時タイ
マTが加圧補正時間tに等しいか、あるいは加圧補正時
間tを越えていると判定されると、ステップS118に
進み、修正フラグFC が、FC =1か、否か判定され
る。ステップS118において進み、修正フラグF
C が、FC =1でないと判定されると、ステップS11
9に移り、修正フラグFC を、FC =1として設定する
共に、加圧補正値ΔPを、ΔP=0として設定する。そ
して、ステップS120では、既に読み込まれた基本燃
料噴射圧力PB 、及び今回の補正燃料噴射圧力PAiとの
圧力差に応じて設定される減圧修正値ΔP”算出すると
共に記憶する。
【0062】そして、一旦、高めに設定された今回の補
正燃料噴射圧力PAiを基本燃料噴射圧力PB に戻す際に
ドライバに違和感を与えないように、今回の補正燃料噴
射圧力PAiを徐々に減圧する処理を以下のステップで説
明する。
【0063】ステップS121において、今回の補正燃
料噴射圧力PAiから減圧修正値ΔP”を減算して修正燃
料噴射圧力PC を算出し、さらに次ぎのステップS12
2にて、この減圧修正値ΔP”の減算毎に算出された修
正燃料噴射圧力PC を新たに今回の補正燃料噴射圧力P
Aiとして更新記憶する。そしてステップS123にて、
基本燃料噴射圧力PB 、及び今回の補正燃料噴射圧力P
Aiを読み込み、ステップS124にて、今回の補正燃料
噴射圧力PAiが、基本燃料噴射圧力PB に等しいか、あ
るいは基本燃料噴射圧力PB を下回っているか判定し、
今回の補正燃料噴射圧力PAiが基本燃料噴射圧力PB
越えていれば、ステップS113にいつり同様の処理を
行う。
【0064】そして、ステップS124にて、今回の補
正燃料噴射圧力PAiが、基本燃料噴射圧力PB に等しい
か、あるいは基本燃料噴射圧力PB より下回っていると
判定されると、ステップS125において、加速フラグ
A 、修正フラグFC 及び、減圧修正値ΔP”をリセッ
トし、図2及び図3のステップS23に進み、同様の処
理を行う。
【0065】そして、上述の制御フローチャートを図4
(c)に基づいて説明する。図4(c)に示すように、補正
燃料噴射圧力PA が、加圧補正時間tの期間内に、燃料
噴射圧力の上限値となる制限燃料噴射圧力PL に対して
所定圧力だけ低い圧力に設定された許容最大噴射圧力P
S を越えるように、上記加圧補正値ΔPが大きく、及び
加圧補正時間tが長く設定されると共に、加圧補正時間
tの期間内における補正燃料噴射圧力PA が、制限燃料
噴射圧力PL を超える範囲で許容最大噴射圧力PS に保
持さらた状態を示すものである。
【0066】そして、加圧補正時間tが経過すると、制
御フローチャートの処理毎に今回の補正燃料噴射圧力P
Aiから減圧修正値ΔP”が減圧され、この今回の補正燃
料噴射圧力PAiが、基本燃料噴射圧力PB に等しいか、
あるいは下回るまでのこの処理が繰り返される。この結
果、ドライバにショックや違和感を与えないようにしな
がら加速応答性を向上させることができるものである。
【0067】また、本変形例においても、乗員の減速操
作によって、アクセルペダルの開度が閉方向となり、ア
クセル開度偏差Δθがゼロ、または負となると、加圧補
正時間tの期間内にあっても、図2の制御フローチャー
トのステップS4、及びステップS21〜ステップS3
0と同様に補正燃料噴射圧力PAiが減圧補正される。
【0068】更に、本変形例においては、変速機のシフ
ト位置のみを考慮したがこれに限定されるものではな
く、加速フラグFA が設定された際のエンジン回転数を
併せて考慮(または変速機のシフト位置及びエンジン回
転数の代わりに車両の車速等考慮)して、即ち、エンジ
ン回転数が低回転域、中回転域等に応じて、例えば低回
転域では上記加速補正値ΔPを大きく、及び加圧補正時
間tを長く設定し、また中回転域では上記加圧補正値Δ
Pを小さく、及び加圧補正時間tを短く設定することに
よって、きめ細かな制御を行うことが可能となる。
【0069】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置によれば、運転状
態検出手段はエンジンの運転状態として少なくとも乗員
により操作されるアクセルペダルの位置を検出し、過渡
運転状態判定手段はこのアクセルペダルの位置変化に基
づいてエンジンが過渡状態であるかどうかを判定し、一
方、燃料噴射圧力設定手段は運転状態検出手段の出力に
応じて基本燃料噴射圧力を設定し、過渡運転状態判定手
段によりエンジンが過渡状態であると判定されたときに
は基本燃料噴射圧力に過渡運転状態判定手段の出力に応
じて設定される補正量を加算して補正燃料噴射圧力を設
定し、燃料噴射制御手段は基本燃料噴射圧力あるいは補
正燃料噴射圧力に基づいて燃料供給手段及び燃料噴射制
御弁をそれぞれ制御するようにしたので、エンジンの過
渡時に演算や電気的な遅れが発生しても、基本燃料噴射
圧力に補正量を加算した補正燃料噴射圧力が指令値とな
り、レスポンス不良となったり、黒煙の排出量が増大す
ることがなく、エンジン性能低下を防止してドライバビ
リティを向上することができる。
【0070】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、燃料噴射圧力補正手段が過渡運転状態判定手段
の出力に応じて設定される補正期間にわたって補正量を
加算して補正燃料噴射圧力を設定するようにしたので、
エンジンが過渡状態の間にわたって適切な補正量が基本
燃料噴射圧力に加算されて補正燃料噴射圧力が設定され
ることとなる。
【0071】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、燃料噴射圧力補正手段が、補正期間の終了時の
補正燃料噴射圧力を最終燃料噴射補正圧力とし、この補
正期間が経過した後に設定される基本燃料噴射圧力が最
終燃料噴射圧力を越えるまでこの最終燃料噴射圧力と設
定するようにしたので、エンジンが過渡状態が終わった
後も、燃料噴射圧力は滑らかに変化して制御されること
となり、ドライバが違和感を感じることがない。
【0072】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、燃料噴射圧力補正手段は基本燃料噴射圧力に補
正量を加算して設定した補正燃料噴射圧力に対し、その
上限値となる制限燃料噴射圧力を有するので、基本燃料
噴射圧力に補正量を加算した補正燃料噴射圧力が過剰な
圧力となることが防止され、蓄圧器の破損や燃料もれ等
を防止できる。
【0073】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、過渡運転状態判定手段は前回のアクセルペダル
の位置と今回のアクセルペダルの位置との偏差値が予め
設定された所定の過渡偏差値を越えたときにエンジンの
過渡運転状態を判定するので、エンジンの過渡状態を簡
単、且つ、確実に検出することができる。
【0074】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、燃料噴射圧力補正手段は過渡運転状態判定手段
により検出されたアクセルペダルの位置の偏差値に応じ
て補正量及び補正期間を設定するので、エンジンの過渡
状態に適応した補正量及び補正期間を設定することがで
きる。
【0075】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、燃料噴射制御手段は過渡運転状態判定手段によ
り検出されたアクセルペダルの位置の偏差値が、過渡偏
差値より小さな偏差値として設定された基準偏差値以下
となったとき、基本燃料噴射圧力に基づき燃料供給手段
を制御するようにしたので、基本燃料噴射圧力となるま
で除々に減圧して燃料供給手段を制御することができ、
今回の補正燃料噴射圧力をある勾配で減圧でき、燃料噴
射圧力は滑らかに変化されてドライバが違和感を感じる
ことがない。
【0076】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、補正燃料噴射圧力と基本燃料噴射圧力との圧力
差に応じて設定される補正減圧値を補正燃料噴射圧力か
ら減算した減圧補正燃料噴射圧力に基づき徐々に減圧す
るようにしたので、基本燃料噴射圧力となるまで除々に
減圧して燃料供給手段を制御することができ、今回の補
正燃料噴射圧力をある勾配で減圧でき、燃料噴射圧力は
滑らかに変化されてドライバが違和感を感じることがな
い。
【0077】また、本発明の蓄圧式燃料噴射制御装置に
よれば、運転状態検出手段が変速機のシフト位置を検出
すると共に、燃料噴射圧力補正手段は過渡運転状態判定
手段の出力、過渡状態と判定されたときのシフト位置の
出力に応じて補正量を設定するようにしたので、エンジ
ンの運転状況に応じた補正燃料噴射圧力を設定して燃料
噴射圧力を速やかに上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射制御
装置の制御ブロック図である。
【図2】蓄圧式燃料噴射制御装置において燃料噴射圧力
を設定するための制御フローチャートである。
【図3】蓄圧式燃料噴射制御装置において燃料噴射圧力
を設定するための制御フローチャートである。
【図4】燃料噴射圧力を設定するための制御タイムチャ
ートである。
【図5】補正燃料噴射圧力を説明するための概略図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射制御
装置の変形例を表す制御フローチャートである。
【図7】補正燃料噴射圧力を説明するための概略図であ
る。
【図8】一般的なディーゼルエンジン用蓄圧式燃料噴射
装置の概略構成図である。
【図9】スロットル開度とエンジン回転数と燃料噴射圧
力との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
12 燃料噴射ノズル 13 電磁弁(燃料噴射制御弁) 14 蓄圧器 17 高圧ポンプ 18 低圧ポンプ 20 吐出量制御装置 21 コントローラ 22 エンジン回転数センサ 23 アクセル開度センサ 42 燃料圧力センサ 101 燃料噴射量設定手段 102 燃料噴射圧力設定手段 103 燃料噴射時期設定手段 104 エンジン過渡運転状態判定手段 105 燃料噴射圧力補正手段 106 燃料噴射圧力制御手段 107 燃料噴射時期制御手段 108 蓄圧式ユニットインジェクタ 109 燃料ポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧燃料を貯留する蓄圧室と、該蓄圧室
    内の燃料圧を設定燃料圧に調節可能な燃料供給手段と、
    前記蓄圧室と燃料噴射ノズルとの間に設けられて該燃料
    噴射ノズルからの燃料の噴射時期及び噴射量を制御する
    燃料噴射制御弁と、エンジンの運転状態として少なくと
    も乗員により操作されるアクセルペダルの位置を検出す
    る運転状態検出手段と、該運転状態検出手段により検出
    された前記アクセルペダルの位置変化に基づいて前記エ
    ンジンが過渡状態であるかどうかを判定する過渡運転状
    態判定手段と、前記運転状態検出手段の出力に応じて基
    本燃料噴射圧力を設定する燃料噴射圧力設定手段と、前
    記過渡運転状態判定手段により前記エンジンが過渡状態
    であると判定されたときに前記燃料噴射圧力設定手段に
    より設定された基本燃料噴射圧力に該過渡運転状態判定
    手段の出力に応じて設定される補正量を加算して補正燃
    料噴射圧力を設定する燃料噴射圧力補正手段と、前記燃
    料噴射圧力設定手段により設定された基本燃料噴射圧力
    あるいは前記燃料噴射圧力補正手段により設定された補
    正燃料噴射圧力に基づいて前記燃料供給手段及び前記燃
    料噴射制御弁をそれぞれ制御する燃料噴射制御手段とを
    具えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射圧力補正手段は、前記過渡
    運転状態判定手段の出力に応じて設定される補正期間に
    わたって前記補正量を加算して補正燃料噴射圧力を設定
    することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料噴射圧力補正手段は、前記補正
    期間の終了時の補正燃料噴射圧力を最終燃料噴射圧力と
    して記憶すると共に、前記燃料噴射制御手段は前記補正
    期間が経過した後に前記燃料噴射圧力設定手段により設
    定される基本燃料噴射圧力が前記最終燃料噴射補正圧力
    を越えるまで前記記憶された最終燃料噴射補正圧力に基
    づき前記燃料供給手段を制御することを特徴とする請求
    項2記載の蓄圧式燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料噴射圧力補正手段は、前記基本
    燃料噴射圧力に前記補正量を加算して設定した補正燃料
    噴射圧力に対し、その上限値となる制限燃料噴射圧力を
    有することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記過渡運転状態判定手段は、前回の前
    記アクセルペダルの位置と今回のアクセルペダルの位置
    との偏差値が予め設定された所定の過渡偏差値を越えた
    ときに前記エンジンが過渡状態であると判定することを
    特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料噴射圧力補正手段は、前記過渡
    運転状態判定手段により検出された前記アクセルペダル
    の位置の偏差値に応じて、前記補正量及び前記補正期間
    を設定することを特徴とする請求項2及び3記載の蓄圧
    式燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】 前記燃料噴射制御手段は、前記過渡運転
    状態判定手段により検出された前記アクセルペダルの位
    置の偏差値が、前記過渡偏差値より小さな偏差値として
    設定された基準偏差値以下となったとき、前記基本燃料
    噴射圧力に基づき前記燃料供給手段を制御することを特
    徴とする請求項2記載の蓄圧式燃料噴射制御装置。
  8. 【請求項8】 前記補正燃料噴射圧力と前記基本燃料噴
    射圧力との圧力差に応じて設定される補正減圧値を前記
    補正燃料噴射圧力から減算した減圧補正燃料噴射圧力に
    基づき徐々に減圧することを特徴とする請求項7記載の
    蓄圧式燃料噴射制御装置。
  9. 【請求項9】 前記運転状態検出手段が、変速機のシフ
    ト位置を検出すると共に、前記燃料噴射圧力補正手段
    は、前記過渡運転状態判定手段の出力、過渡状態と判定
    されたときのシフト位置の出力に応じて前記補正量を設
    定することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102635455A (zh) * 2012-04-20 2012-08-15 大连理工大学 一种混合动力车用增压发动机惯性力矩瞬态控制方法
JP2012233487A (ja) * 2006-08-18 2012-11-29 Robert Bosch Gmbh 蓄圧器圧力目標値を決定するための方法、および、内燃機関の制御装置、および、コンピュータプログラム

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