JPH09137495A

JPH09137495A - 真空式汚水収集設備

Info

Publication number: JPH09137495A
Application number: JP28156695A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Watanabe; 俊幸渡辺; Nobuyuki Yamashita; 信行山下; Toshiyuki Negishi; 利幸根岸
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 1995-09-12
Filing date: 1995-10-30
Publication date: 1997-05-27

Abstract

(57)【要約】【課題】上流側真空下水管内の下水をそれよりも高位
の下流側真空下水管に揚水するための手段として水中ポ
ンプを用いているので、保守点検ができず、もって設備
費の高騰を招く。【解決手段】本発明においては、上流側真空配管と、
それより上位に配設された下流側真空配管と、各真空配
管に負圧を発生させる真空発生手段とを有する真空式汚
水収集装置において、上流側真空配管と下流側真空配管
との間に汚水貯留タンクを接続し、汚水貯留タンクと下
流側真空配管との間にタンク内の汚水を揚水する圧送ポ
ンプを設置すると共に、下流側真空配管にエアロック防
止用吸気管を設けるという、技術的手段を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭や各種施設か
ら排出される汚水を真空を利用して収集する真空式汚水
収集設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】真空式汚水設備は、図２、図３に示すよ
うに、家庭１０からの汚水を貯留する集水桝１１と、集
水桝１１中に設置された真空弁１２と、真空ポンプ１３
を連接した真空タンク１４と、真空弁１２と真空タンク
１４を連結した真空配管１５とを有する。真空配管１５
は、真空タンク１４を設置したステーション２０から数
百乃至数千ｍに及びそれに沿って多数の真空弁１２が設
置される。

【０００３】各家庭から排出された汚水は、地中の自然
流下管１６を通って地下の集水桝１１に流れ込む。汚水
が一定量溜ると真空弁１２のコントローラ（図示せず）
が作動し、真空弁１２が開いて、吸い込み管１７から吸
い込まれ、真空弁１２を介して地中に埋設した分岐真空
配管１８を通じて真空配管１５に吸い込まれ、続いて吸
い込み管１７から空気が吸い込まれ、真空弁１２を介し
て分岐真空配管１８を経て真空配管１５に吸い込まれ
る。真空配管１５に流入した空気は膨張し、汚水と空気
の混相流となってステーション２０の真空タンク１４に
集められる。真空タンク１４に集められた空気は真空ポ
ンプ１３により排出され、真空タンク１４内の真空度は
所定値に維持される。真空タンク１４に溜った汚水は、
圧送ポンプ１９によって例えば汚水処理場に送られる。

【０００４】上述した真空式汚水収集設備においては、
その送水可能範囲では、真空配管の終端で真空度が−
２.５ｍＡｑの負圧以上とする必要がある。真空弁は最
低−２.５ｍＡｑの作動圧が必要となるからである。ま
た通常真空ポンプは概略最低−６ｍＡｑの真空度で運転
されるから、真空配管中に許容されるトータルロスは−
３.５ｍＡｑが限度となる。ところがこのような真空式
汚水収集設備において上り勾配地形では、真空配管を繰
返し立ち上げ、汚水の揚水を行うことが必要となる。真
空吸引では、多数の真空配管立ち上げ部が存在すると、
立ち上げによるリフトロスが増大しトータルロスも増大
するので、送水可能範囲が狭くなってしまう。

【０００５】そこで低地側に埋設された上流側真空下水
管の末端にマンホールを設けてそこに水中ポンプを設置
し、このマンホールと高地側に埋設された下流側真空下
水管との間に通水管を配置すると共に、両真空下水管を
通気管で連結するようにした真空式下水道が提案されて
いる（特開平４−２５８４２７号参照）。この真空式下
水道によれば、水中ポンプで上流側真空下水管内の下水
をそれよりも高位の下流側真空下水管内に揚水するの
で、上り勾配地形では、揚程によるリフトロス増加を防
止することができ、汚水搬送可能範囲の拡大を図ること
ができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平４
−２５８４２７号に開示された構造では実用上いくつか
の改良すべき点が残されている。すなわちこの真空式下
水道では、上流側真空下水管内の下水をそれよりも高位
の下流側真空下水管に揚水するための手段として水中ポ
ンプを使用しかつこの水中ポンプは真空容器（マンホー
ル）内に設置されるので、実質上保守点検作業を行えな
いという問題がある。このためバックアップのために水
中ポンプを必要台数よりも多く設置することが必要とな
り、設備費の高騰を招来する。

【０００７】したがって本発明の目的は、大掛りな工事
を伴わずに真空配管のリフトロス増加を防止することの
できる真空式汚水収集設備を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、上流側真空配管と、それより上
位に配設された下流側真空配管と、前記各真空配管に負
圧を発生させる真空発生手段とを有する真空式汚水収集
装置において、前記上流側真空配管と前記下流側真空配
管との間に汚水貯留タンクを接続し、前記汚水貯留タン
クと前記下流側真空配管との間に前記汚水貯留タンク内
の汚水を揚水する圧送ポンプを設置すると共に、前記下
流側真空配管に、圧送ポンプによる揚水後に吸気する吸
気管を接続する、という技術的手段を採用した。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、上流側真空下水管と、
この真空下水管よりも高位に埋設された下流側真空下水
管と、各真空下水管に負圧を発生させる真空発生手段と
を有する真空式汚水収集設備であって、前記両真空下水
管の間に、例えば次のような揚水手段を設けることを要
点とする。この揚水手段は、両真空下水管の間に形成さ
れたピット内に設置された汚水貯留タンクに接続された
圧送ポンプを含む。この圧送ポンプは、汚水貯留タンク
の水位に応じて弁手段（電動弁、電磁弁等）を開閉する
ことにより上流側真空配管へ揚水することが可能とな
る。

【００１０】

【実施例】以下本発明の詳細を添付図面により説明す
る。図１は本発明の一実施例に係る真空式汚水収集装置
の要部を示す概略構成図であり、図２，３と同一部分は
同一の参照符号で示す。図１において、１は大地の低地
側（Ｇ，Ｌ）に埋設された上流側真空配管であり、汚水
発生源（図示せず）からの汚水を集める集水桝１１内に
設置された真空弁１２に接続されている（図２参照）。
大地の高地側には下流側真空配管２が埋設され、この真
空配管は、真空ステーション２０の真空タンク１４に接
続されている（図２参照）。

【００１１】上流側真空配管１の終端と下流側真空配管
２の始端は、両真空配管の間に設けられたピット３内に
設置された、真空状態にある汚水貯留タンク４と連通し
ている。ピット３内には圧送ポンプ５が設置され、圧送
ポンプ５は仕切弁６を有する圧送引抜き管７を介して汚
水貯留タンク４に接続されかつ電動弁８ａを有する圧送
吐出管９を介して下流側真空配管２に接続されている。
圧送吐出管９と下流側真空配管２の接続部の下流側には
電動弁８ｂがそして上流側には電磁弁８ｃを介して吸気
管３０が設けられている。３１は制御ユニットであり、
汚水貯留タンク４内に設置された水位レベル計４１から
の信号に基いて各種弁の開閉及び圧送ポンプ５の起動と
停止を制御するように構成されている。上記の真空式汚
水収集設備によれば、汚水は次のようにして上流側真空
配管から下流側真空配管に搬送される。まず電動弁８ａ
と電磁弁８ｃを閉じかつ電動弁８ｂを開いて、汚水貯留
タンク４内の水位を”Ｌ”レベル以下まで下げる（初期
状態）。次に上流側真空配管１から汚水が流入して、汚
水貯留タンク４内の水位が”Ｈ”レベルまで上昇する
と、電動弁８ａを開きかつ電動弁８ｂを閉じると共に圧
送ポンプ５を起動する。次いで貯留タンク４内の水位
が”Ｌ”レベル以下になると、圧送ポンプ５が停止し、
エアロックを防止するために、電動弁８ａを閉じかつ電
磁弁８ｃを開いて、下流側真空配管２内にエアを取り込
んだ後、電磁弁８ｃを閉じかつ電動弁８ｂを開いて初期
状態に戻す。このように上記の装置によれば、上流側真
空配管内の汚水を圧送ポンプにより下流側真空配管に揚
水するので、下流側真空配管が上流側真空配管より高位
にあっても、リフトロスが発生せず、もって送水可能範
囲を拡げることができる。本発明では、特に揚水手段
（圧送ポンプ）をピット内に設けて陸上ポンプとするの
で、保守点検が容易であり、必要以上の数のポンプを設
置することが不要となる。また本発明は、上記実施例に
限らず、河川を横断して真空配管を敷設する場合にも適
用することができる。すなわち上流側真空配管を河川部
で立ち上げて横断する場合に、上流側真空配管と立ち上
げ部（下流側真空配管に相当する）との間に上述した揚
水手段を設ければよい。

【００１２】

【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば、簡
単な構造を付加するのみで、真空配管の立ち上げによる
リストロス増加を防止することができ、もって送水可能
範囲を拡げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る真空式汚水収集設備の
要部を示す概略構成図である。

【図２】真空式汚水収集設備の基本構成を説明するため
の図である。

【図３】図２の要部を示す一部断面正面図である。

【符号の説明】

１上流側真空配管、２下流側真空配管、３ピ
ット、４汚水貯留タンク、５圧送ポンプ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上流側真空配管と、それより上位に配設
された下流側真空配管と、前記各真空配管に負圧を発生
させる真空発生手段とを有する真空式汚水収集装置にお
いて、前記上流側真空配管と前記下流側真空配管との間
に汚水貯留タンクを接続し、前記汚水貯留タンクと前記
下流側真空配管との間に前記汚水貯留タンク内の汚水を
揚水する圧送ポンプを設置すると共に、前記下流側真空
配管に、圧送ポンプによる揚水後に吸気する吸気管を接
続したことを特徴とする真空式汚水収集設備。