JPH09136510A - スタッドレス空気入りタイヤ - Google Patents

スタッドレス空気入りタイヤ

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JPH09136510A
JPH09136510A JP7297102A JP29710295A JPH09136510A JP H09136510 A JPH09136510 A JP H09136510A JP 7297102 A JP7297102 A JP 7297102A JP 29710295 A JP29710295 A JP 29710295A JP H09136510 A JPH09136510 A JP H09136510A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上において相反する駆動・制動特性と操縦
安定性とを両立させる。 【解決手段】 トレッド12を3層構造とし、キャップ
ゴム30のゴム硬度を62°、硬ゴムシート28のゴム
硬度を90°、ベースゴム26のゴム硬度を60°とす
る。ベルト側に硬度の低いゴムが配置されているので、
発熱が少ない。周方向主溝14及びラグ溝16の底部近
傍やサイプ20の底部近傍に硬度の高い硬ゴムシート2
8が配置されているので、底部の表層からの亀裂が発生
し難く、ブロック欠けやトレッド剥離故障を防止でき
る。トレッド12の表層に軟らかいゴムを配置している
ので、踏面が氷雪路面上に存在する微妙な凹凸によくな
じみ、接地性の向上が図られ、駆動・制動に有効とな
る。サイプ20が形成されているにもかかわらず硬ゴム
シート28の存在によりブロック状陸部18の剛性が確
保されるので、駆動・制動特性と操縦安定性とが両立す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に氷雪路上での
走行性能に優れるスタッドレス空気入りタイヤに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤの使用が禁止されたのに
伴い、より優れたスタッドレスタイヤを求めて、トレッ
ドに関する種々の改良がなされてきた。
【0003】氷雪上を走行するスタッドレスタイヤのト
レッドは、複数の周方向に延びる主溝(3〜5本)と、
これらの主溝と交わる多数のラグ溝によって区別したブ
ロックタイプの陸部とし、また氷上性能を向上させるに
は、上記陸部に多数のサイプを設け、陸部のエッジ成分
を増加させることが有用である。
【0004】しかしながら、氷上での駆動・制動特性を
向上させるために、陸部を横断する横向きサイプを多数
設けると、陸部のエッジ成分は増加するものの、ブロッ
ク全体の剛性が低下し、特に高内圧、高荷重のもとで使
用されるトラック・バス用のような重荷重用タイヤにお
いては、ブロック欠けが生じ易い。
【0005】一方、乗用車用タイヤの場合は、コーナリ
ング時にサイプにより細区分された陸部要素の倒込みが
生じ、その結果、実接地面積が減少することによる、操
縦安定性の低下を招くこととなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点に
対して、硬度の高いトレッドゴムを用いて改良すること
が可能であるが、トレッドゴム全体に硬度の高いゴムを
適用すると、トレッド全体の発熱性が極端に悪化してし
まう。
【0007】また従来用いられている、トレッド表層ゴ
ムとその内方に硬度の違うゴム層を配置する方法が考え
られるが、トレッド表層に硬いゴム及びトレッド内方に
軟らかいゴムを配置した場合には、溝底部やサイプ底部
の表層からの亀裂が発生し易く、ついにはブロック欠け
やトレッド剥離故障により、早期に寿命を迎えることと
なる。
【0008】一方、トレッド表層に軟らかいゴム及びト
レッド内方に硬いゴムを配置した場合には、氷雪路面上
に存在する微妙な凹凸によくなじみ、それによる接地性
の向上が駆動・制動に有効ではあるが、特に高速道路で
の走行を含む場合には、上記のようなトレッド全体を硬
いゴムを適用した場合よりは少しは向上するが、タイヤ
の負荷・転動時においてトレッド部で一番発熱するベル
ト層に硬いゴムが隣接するため、発熱性が悪化してしま
うことは免れない。
【0009】本発明は、発熱性、ブロック欠けやトレッ
ド剥離性能を低下させずに、トレッドのブロック部の剛
性を向上でき、その結果、特に氷上において相反する駆
動・制動特性と操縦安定性を両立させることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、1対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカ
ーカスのクラウン部外周にベルトとトレッドを順次配置
し、前記トレッドにサイプを有する複数のブロック状陸
部を備えたスタッドレス空気入りタイヤであって、前記
トレッドは少なくとも3層で隣接するゴム層の硬度が異
なり、トレッド表層のゴム層と最内層のゴム層との間に
はトレッド表層のゴム層に比してJISスプリング硬さ
(A型)で10°〜60°大きいゴム層が配置されてい
ることを特徴としている。
【0011】次に請求項1に記載のスタッドレス空気入
りタイヤの作用を説明する。本発明のスタッドレス空気
入りタイヤでは、トレッド表層に軟らかいゴムが配置さ
れ、その内方に硬いゴムが配置されているので、トレッ
ド表層の軟らかいゴムが氷雪路面上に存在する微妙な凹
凸によくなじんで接地性が向上し、大きな駆動力及び制
動力を得ることができる。
【0012】また、中間層の硬いゴムがブロック状陸部
のブロック剛性を高めるので、ブロック状陸部の倒れ込
みを抑制して操縦安定性を確保することができ、また、
ブロック欠けを防止することができる。
【0013】溝底部に硬いゴムが対応しないので、溝底
部の表層からの亀裂が発生し難く、ブロック欠けやトレ
ッド剥離故障を防止することができる。
【0014】さらに、本発明のスタッドレス空気入りタ
イヤでは、硬いゴムの内方でトレッド部で一番発熱する
ベルト層に隣接して軟らかいゴムが配置されるのでタイ
ヤの負荷・転動時の発熱を抑えることができる。
【0015】ここでの、JISスプリング硬さ(A型)
の測定方法は、タイヤを構成するゴム部材にて同一形状
の試験片を作成し、JIS K 6301に準拠して測
定したものをいう。
【0016】上記のように、トレッド表層のゴム層に比
してJISスプリング硬さ(A型)で10°〜60°大
きいゴム層をトレッド表層のゴム層内方に隣接して配置
することとしたのは、トレッド表層のゴム層に比してJ
ISスプリング硬さ(A型)で10°より小さいと剛性
を充分向上できなく、また、JISスプリング硬さ(A
型)で60°より大きいと、トレッド表層ゴム層とその
内方の硬ゴムとの間にて大きな剪断歪が生じて、剥離が
生じてしまうことが判明したためである。
【0017】その上、サイプの配置方法によって、中間
層の硬ゴムのタイヤ半径方向の位置や厚さ、また、ブロ
ック内での両端部・中心部の剛性の調整をも適宜するこ
とが可能である。
【0018】また、トレッドは4層以上のゴム層から構
成されていても良く、何れの場合もトレッド表層のゴム
層と最内層の上のゴム層は軟らかく、両者の間に位置す
るゴム層が硬い。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスタッドレス空気入りタイヤにおいて、上記トレッド
表層のゴム層のJISスプリング硬さ(A型)が、乗用
車用タイヤの場合には35°〜55°、重荷重用タイヤ
の場合には50°〜70°であることを特徴としてい
る。
【0020】次に請求項2に記載のスタッドレス空気入
りタイヤの作用を説明する。トレッド表層のゴム層のJ
ISスプリング硬さ(A型)を、乗用車用タイヤの場合
に35°〜55°、重荷重用タイヤの場合に50°〜7
0°としたのは、前記数値より硬すぎると氷雪路面上に
存在する微妙な凹凸によくなじまずに接地性が悪化し、
またブロック欠けやトレッド剥離性能も低下するからで
ある。
【0021】一方、前記数値より軟らかすぎると、中間
層の硬ゴムを配置しても、トレッド部全体のブロック部
の剛性を充分向上できないからである。
【0022】なお、LS、LVタイヤ等は、実質的にP
Sタイヤに準じ、小型トラック用のLTタイヤ等は実質
的にTBタイヤに順ずる。
【0023】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は請求項2に記載のスタッドレス空気入りタイヤにお
いて、上記トレッドの最内層のゴム層におけるJISス
プリング硬さ(A型)が、トレッド表層のゴム層に比し
て同等もしくは15°以内の範囲で硬いことを特徴とし
ている。
【0024】次に請求項3に記載のスタッドレス空気入
りタイヤの作用を説明する。トレッドの最内層のゴム層
におけるJISスプリング硬さ(A型)を、トレッド表
層のゴム層に比して15°以内の範囲で硬いことまたは
同等としたのは、前記数値より硬すぎると発熱性が悪化
するからである。一方軟らかすぎると、中間層の硬ゴム
を配置しても、トレッド部全体のブロック部の剛性を充
分向上できないからである。
【0025】なお、中間層の硬ゴムのタイヤ半径方向の
厚さは、発熱性の観点より3mm以下であることが好ま
しく、シート状の薄いものも含む。
【0026】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下に本発明のスタッドレス空気入
りタイヤの第1の実施形態を図1及び図2にしたがって
説明する。
【0027】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
はトラック・バス用であり、その骨格は、例えば、スチ
ールコードを、タイヤの赤道面と実質状直交する向きに
配列したプライの1枚、または小数枚からなるラジアル
カーカスを両サイドウォール間に配置し、このラジアル
カーカスのクラウン部周上に、スチールコード等の非伸
長性コードを赤道面に対し浅い角度で傾斜配列した層の
複数枚、通常4枚を、それらのコードが交差するように
重ね合わせている。なお、ラジアルカーカスは1対のビ
ードコア間にトロイド状をなして跨がっており、ベルト
層のタイヤ径方向外側にはトレッドが配置されている。
【0028】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
は、図1に示すように、左右一対のサイドウォール(図
示せず)に跨がる円筒状のトレッド12に、複数の周方
向主溝14と複数のラグ溝16によって区画された、ブ
ロック状陸部18を複数備えている。
【0029】ブロック状陸部18は、一方の周方向主溝
14に面した一端18Aから他方の周方向主溝14に向
かってほぼ軸方向(矢印A方向)に沿って延び、このブ
ロック状陸部18を軸方向に3つの領域に分けたときの
中央領域22と他方の周方向主溝14側の端部領域24
との境界付近で終端しているサイプ20と、このサイプ
20とは所定寸法離間して他方の周方向主溝14に面し
た一端18Bから一方の周方向主溝14に向かってほぼ
軸方向に沿って延びて中央領域22と一方の周方向主溝
14側の端部領域24との境界付近で終端しているサイ
プ20と、を備えている。なお、サイプ20は、周方向
主溝14よりも浅く形成されている。
【0030】これにより、ブロック状陸部18は、周方
向主溝14に面する端縁部が2分され、中央部が3つの
等しい長さの陸部要素に細区分されている。
【0031】ここで、ブロック状陸部18の端部領域2
4のタイヤ軸方向に沿った方向の端部領域幅WS は、ブ
ロック状陸部18のタイヤ軸方向に沿った方向の全幅W
の1/9〜1/3、従って、中央領域22のタイヤ軸方
向に沿った方向の中央領域幅WC は、ブロック状陸部1
8のタイヤ軸方向に沿った方向の全幅Wの1/3〜7/
9とすることが好ましい。
【0032】また、本実施形態のトレッド12は、図2
に示すように、タイヤ半径方向内側からベースゴム2
6、硬ゴムシート28、キャップゴム30とされた3層
構造となっている。
【0033】ここで、硬ゴムシート28は、ブロック状
陸部18のブロック剛性を高めるために、ブロック状陸
部18の内方に凸状に入り込んでいる。さらに本実施形
態では、硬ゴムシート28が周方向主溝14とサイプ2
0との中間部、サイプ20とサイプ20との中間部で山
型状に盛り上がっており、周方向主溝14及びラグ溝1
6(図2では図示せず)、更にサイプ20の各底部に近
接している。なお、キャップゴム30のゴム硬度(JI
Sスプリング硬さ(A型))は62°、硬ゴムシート2
8のゴム硬度は90°、ベースゴム26のゴム硬度は6
2°である。
【0034】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
では、トレッド12の中間層に硬度の高い硬ゴムシート
28が配置され、ベルト側に硬度の低いゴムが配置され
ているので、負荷・転動時の発熱が少ない。
【0035】また、周方向主溝14及びラグ溝16の底
部に硬度の高い硬ゴムシート28がないから底部の表層
からの亀裂が発生し難く、ブロック欠けやトレッド剥離
故障を防止できる。
【0036】さらに、トレッド12の表層に軟らかいゴ
ムを配置しているので、踏面が氷雪路面上に存在する微
妙な凹凸によくなじみ、接地性の向上が図られ、駆動・
制動に有効である。
【0037】また、サイプ20が形成されているにもか
かわらずブロック状陸部18の剛性が確保されるので、
トラック・バス用のような重荷重用タイヤにおいてはブ
ロック欠けを防止することができ、乗用車用タイヤにお
いてはコーナリング時にサイプ20により細区分された
陸部要素の倒込みが抑制されるので、操縦安定性が確保
される。 [第2の実施形態]以下に本発明の適用されたスタッド
レス空気入りタイヤの第2の実施形態を図3にしたがっ
て説明する。なお、第1の実施形態途同一構成に関して
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
はトラック・バスであり、タイヤ赤道面側のブロック状
陸部18と、ショルダー側のブロック状陸部18とで
は、内部構造が異なっている。本実施形態では、タイヤ
赤道面側に配置されるブロック状陸部18は、前記第1
実施形態のブロック状陸部18と同様の構造であるが、
ショルダー側に配置されるブロック状陸部18は、硬ゴ
ムシート28がキャップゴム30の厚さ方向中間部に位
置しており、周方向主溝14とサイプ20との中間部、
サイプ20とサイプ20との中間部で山型状に盛り上が
っている。
【0039】このため、本実施形態では、タイヤ赤道面
側に配置されるブロック状陸部18よりもショルダー側
に配置されるブロック状陸部18の剛性が高くされてい
る。
【0040】なお、キャップゴム30のゴム硬度は60
°、硬ゴムシート28のゴム硬度は90°、ベースゴム
26のゴム硬度は62°である。
【0041】このように、ショルダー側に配置されるブ
ロック状陸部18の剛性を高めることにより、偏摩耗性
が向上する(ヒール・アンド・トゥ摩耗し難い。)。 [第3の実施形態]以下に本発明の適用されたスタッド
レス空気入りタイヤの第3の実施形態を図4及び図5に
したがって説明する。なお、第1の実施形態途同一構成
に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0042】図4に示すように、本実施形態のスタッド
レス空気入りタイヤはトラック・バス用であり、ブロッ
ク状陸部18のタイヤ周方向中間部にブロック状陸部1
8を横断するサイプ20が設けられている。
【0043】本実施形態のトレッド12は、図4に示す
ように、タイヤ半径方向内側からベースゴム26、硬ゴ
ムシート28、キャップゴム30とされた3層構造とな
っており、周方向主溝14とサイプ20との中間部で山
型状に盛り上がっている。本実施形態では、キャップゴ
ム30のゴム硬度が60°、硬ゴムシート28のゴム硬
度が90°、ベースゴム26のゴム硬度が62°であ
る。
【0044】ここで、硬ゴムシート28の厚さは、両側
の周方向主溝14に挟まれる領域では薄く、両側の周方
向主溝よりもタイヤ幅方向外側(ショルダー側)では厚
くなっている。これにより、本実施形態のスタッドレス
空気入りタイヤでは、ショルダー側のブロック状陸部1
8がタイヤ赤道面CL側のブロック状陸部18よりも剛
性が高くなっている。本実施形態のスタッドレス空気入
りタイヤでは、タイヤの成形工程において、生のベース
ゴム26の幅方向中央部に薄手の生の硬ゴムシート28
を貼り付け、その両側に厚手の生の硬ゴムシート28を
貼り付けてタイヤを形成している。
【0045】なお、本実施形態のスタッドレス空気入り
タイヤもショルダー側に配置されるブロック状陸部18
の剛性が高められているので、偏摩耗性が向上する(ヒ
ール・アンド・トゥ摩耗し難い。)。
【0046】なお、上記実施形態では、厚さの異なる複
数枚の硬ゴムシート28を用いてショルダー側のブロッ
ク状陸部18とタイヤ赤道面側のブロック状陸部18と
のブロック剛性を変えたが、タイヤ赤道面側からショル
ダー側に向かって厚みが増加する1枚の硬ゴムシート2
8を用いても良く、これも同様にショルダー側のブロッ
ク剛性を高めることができる。 [第4の実施形態]以下に本発明の適用されたスタッド
レス空気入りタイヤの第4の実施形態を説明する。
【0047】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
はトラック・バス用であり、トレッド12が第3の実施
形態と同様な3層構造(図参照)であるが、各々のゴム
の硬度が異なっている。本実施形態のスタッドレス空気
入りタイヤでは、キャップゴム30のゴム硬度が60
°、硬ゴムシート28のゴム硬度が90°、ベースゴム
26のゴム硬度が60°である。 [第5の実施形態]以下に本発明のスタッドレス空気入
りタイヤの第5の実施形態を図6にしたがって説明す
る。なお、前述の実施形態と同一構成に関しては同一符
号を付し、その説明は省略する。
【0048】本実施形態のスタッドレス空気入りタイヤ
は乗用車用であり、トレッド12以外の構造は通常のラ
ジアルタイヤと同様の構造である。
【0049】図6に示すように、本実施形態のスタッド
レス空気入りタイヤのブロック状陸部18には、中央領
域22と端部領域24との境界付近で終端する6本のサ
イプ20を備え、ブロック状陸部18は、周方向主溝1
4に面する端縁部が4分され、中央部が8つの等しい長
さの陸部要素に細区分されている。
【0050】また、本実施形態のトレッド12は、図7
に示すように、タイヤ半径方向内側からベースゴム2
6、硬ゴムシート28、キャップゴム30とされた3層
構造となっている。
【0051】ここで、硬ゴムシート28は、周方向主溝
14とサイプ20との中間部、サイプ20とサイプ20
との中間部で山型状に盛り上がっている。
【0052】なお、キャップゴム30のゴム硬度は50
°、硬ゴムシート28のゴム硬度は85°、ベースゴム
26のゴム硬度は60°である。 [試験例]本発明の効果を確かめるために、本発明の適
用されたトラック・バス用の実施例タイヤ1種及び比較
例タイヤ3種を用い(サイズ11R22.5)、氷上制
動テスト、ブロック欠けテスト、ウエット性能テストを
行い、また、グルーブクラックの発生について調査し
た。
【0053】さらに、本発明の適用された乗用車用の実
施例タイヤ1種及び比較例タイヤ3種を用い(185/
70R13)、氷上制動テスト、ウエット性能テスト、
操縦安定性テストを行い、また、グルーブクラックの発
生について調査した。 (試験方法) 氷上制動テスト:テストタイヤを実車に装着し、氷結し
た特設コース上を20km/hの速度で走行中に急ブレーキ
をかけ(ロック状態)、その地点から停止地点までの距
離を測定した。
【0054】ブロック欠けテスト:実車にてアスファル
ト舗装路を平均時速60km/hで20000km走行し、ブ
ロック欠けの有無を目視にて調べた。
【0055】グルーブクラックテスト:実車にてアスフ
ァルト舗装路を平均時速60km/hで20000km走行
し、亀裂の有無を目視にて調べた。
【0056】ウエット性能テスト:ウエット路面をテス
トドライバーが運転し、フィーリングにより評価した。
【0057】操縦安定性テスト:乾燥路をテストドライ
バーが運転し、フィーリングにより評価した。
【0058】トラック・バス用のスタッドレス空気入り
タイヤのテスト結果は以下の表1に、乗用車用のスタッ
ドレス空気入りタイヤのテスト結果は以下の表2に示
す。
【0059】次に、テストに用いたトラック・バス用の
スタッドレス空気入りタイヤの説明をする。
【0060】実施例タイヤ1:図1及び図2に示す構造
のスタッドレス空気入りタイヤである。
【0061】比較例タイヤ1:サイプ20の配置は図4
に示すスタッドレス空気入りタイヤと同一であるが、図
8に示すように、硬ゴムシート28が設けられていない
点で相違する。なお、キャップゴム30のゴム硬度は6
0°、ベースゴム26のゴム硬度は62°である。
【0062】比較例タイヤ2:サイプ20の配置は図1
に示すスタッドレス空気入りタイヤと同一であるが、図
9に示すように硬ゴムシート28が設けられていない点
で相違する。なお、キャップゴム30のゴム硬度は60
°、ベースゴム26のゴム硬度は62°である。
【0063】比較例タイヤ3:サイプ20の配置は図1
に示すスタッドレス空気入りタイヤと同一であるが、図
10に示すように硬ゴムシート28がブロック表面及び
サイプ20の溝壁に沿って設けられている点で相違す
る。なお、硬ゴムシート28のゴム硬度は90°、キャ
ップゴム30のゴム硬度は60°、ベースゴム26のゴ
ム硬度は62°である。
【0064】なお、実施例タイヤ1及び比較例タイヤ1
〜3の各タイヤは、トレッド12(ブロック状陸部1
8)以外の構造は全て同一である。また、各タイヤのブ
ロック状陸部18の寸法は、タイヤ幅方向に沿った方向
の全幅Wが30mm、タイヤ周方向に沿った方向の長さL
が23mmである。また、周方向主溝14の溝深さは20
mm、ラグ溝16の溝深さは15mmである。一方、サイプ
20の深さは10mm、サイプ20のサイプ幅は0.5m
m、サイプ20の長さは24mmである。
【0065】次に、テストに用いた乗用車用のスタッド
レス空気入りタイヤの説明をする。 実施例タイヤ2:図6及び図7に示す構造のスタッドレ
ス空気入りタイヤである。
【0066】比較例タイヤ4:図11に示すように、ブ
ロック状陸部18は、中央領域22と端部領域24との
境界付近で終端する4本のサイプ20を備え、ブロック
状陸部18は、周方向主溝14に面する端縁部が3分さ
れ、中央部が6つの等しい長さの陸部要素に細区分され
ている。また、トレッド12は、図12に示すように、
ベースゴム26とキャップゴム30との2層構造となっ
ている。なお、キャップゴム30のゴム硬度は50°、
ベースゴム26のゴム硬度は60°である。
【0067】比較例タイヤ5:サイプ20の配置は図6
に示すスタッドレス空気入りタイヤと同一であるが、図
13に示すように硬ゴムシート28が設けられていない
点で相違する。なお、キャップゴム30のゴム硬度は5
0°、ベースゴム26のゴム硬度は60°である。
【0068】比較例タイヤ6:サイプ20の配置は図6
に示すスタッドレス空気入りタイヤと同一であるが、図
14に示すように硬ゴムシート28がブロック表面及び
サイプ20の溝壁に沿って設けられている点で相違す
る。なお、硬ゴムシート28のゴム硬度は85°、キャ
ップゴム30のゴム硬度は50°、ベースゴム26のゴ
ム硬度は60°である。
【0069】なお、実施例タイヤ2及び比較例タイヤ4
〜6の各タイヤは、トレッド12(ブロック状陸部1
8)以外の構造は全て同一である。
【0070】各タイヤのブロック状陸部18の寸法は、
タイヤ幅方向に沿った方向の全幅Wが20mm、タイヤ周
方向に沿った方向の長さLが25mmである。また、周方
向主溝14の溝深さは10mm、ラグ溝16の溝深さは1
0mmである。一方、サイプ20の深さは7mm、サイプ2
0のサイプ幅は0.3mm、サイプ20の長さは16mmで
ある。
【0071】
【表1】
【0072】氷上ブレーキ性能の欄の数値は、測定値を
逆数に変換し、比較例1を基準とする指数で示してお
り、数値が大きい程氷上ブレーキ性能に優れる。
【0073】なお、( )内は、摩耗して表層の硬ゴ
ムが無くなった場合の値である。ウエット性能の欄の数
値は、比較例タイヤ1を基準とする指数で示しており、
数値の大きいものほどウエット性能に優れていることを
示す。
【0074】
【表2】
【0075】氷上ブレーキ性能の欄の数値は、測定値を
逆数に変換し、比較例4を基準とする指数で示してお
り、数値が大きい程氷上ブレーキ性能に優れる。
【0076】なお、( )内は、摩耗して表層の硬ゴ
ムが無くなった場合の値である。ウエット性能の欄の数
値は、比較例タイヤ4を基準とする指数で示しており、
数値の大きいものほどウエット性能に優れていることを
示す。
【0077】操縦安定性能の欄の数値は、比較例タイヤ
4を基準とする指数で示しており、数値の大きいものほ
ど操縦安定性能に優れていることを示す。
【0078】上記試験の結果から、本発明の適用された
乗用車用のスタッドレス空気入りタイヤは氷上の駆動・
制動特性と操縦安定性とを両立できることが証明され
た。また、本発明の適用されたトラック・バス用のスタ
ッドレス空気入りタイヤは、氷上の駆動・制動特性が向
上できると共にブロック欠けを防止できることが証明さ
れた。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
スタッドレス空気入りタイヤは上記の構成としたので、
発熱性、ブロック欠けやトレッド剥離性能を低下させず
に、トレッドのブロック部の剛性を向上でき、乗用車用
の場合には特に氷上において相反する駆動・制動特性と
操縦安定性とを両立でき、重荷重を負担するトラック・
バス用の場合には氷上の駆動・制動特性を向上できると
共にブロック欠けを防止できる、という優れた効果を有
する。
【0080】請求項2に記載のスタッドレス空気入りタ
イヤは上記の構成としたので、ブロック状陸部が氷雪路
面上に存在する微妙な凹凸によくなじみ、氷上性能を最
も向上させることができる、という優れた効果を有す
る。
【0081】また、請求項3に記載の発明は上記の構成
としたので、ブロック状陸部の剛性を向上しつつ発熱を
確実に抑えることができる、という優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るスタッドレス空気入りタ
イヤのトレッドの平面図である。
【図2】図1に示すブロック状陸部の2−2線断面図で
ある。
【図3】第2の実施形態に係るスタッドレス空気入りタ
イヤのブロック状陸部のタイヤ周方向断面図である。
【図4】第3の実施形態に係るスタッドレス空気入りタ
イヤのブロック状陸部の平面図である。
【図5】図4に示すブロック状陸部の5−5線断面図で
ある。
【図6】第5の実施形態に係るスタッドレス空気入りタ
イヤのブロック状陸部の平面図である。
【図7】図6に示すブロック状陸部の7−7線断面図で
ある。
【図8】比較例タイヤ1のブロック状陸部のタイヤ周方
向断面図である。
【図9】比較例タイヤ2のブロック状陸部のタイヤ周方
向断面図である。
【図10】比較例タイヤ3のブロック状陸部のタイヤ周
方向断面図である。
【図11】比較例タイヤ4のブロック状陸部の平面図で
ある。
【図12】図11に示すブロック状陸部の12−12線
断面図である。
【図13】比較例タイヤ5のブロック状陸部のタイヤ周
方向断面図である。
【図14】比較例タイヤ6のブロック状陸部のタイヤ周
方向断面図である。
【符号の説明】
12 トレッド 18 ブロック状陸部 20 サイプ 26 ベースゴム 28 硬ゴムシート 30 キャップゴム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビードコア間にトロイド状をなし
    て跨がるカーカスのクラウン部外周にベルトとトレッド
    を順次配置し、前記トレッドにサイプを有する複数のブ
    ロック状陸部を備えたスタッドレス空気入りタイヤであ
    って、 前記トレッドは少なくとも3層で隣接するゴム層の硬度
    が異なり、トレッド表層のゴム層と最内層のゴム層との
    間にはトレッド表層のゴム層に比してJISスプリング
    硬さ(A型)で10°〜60°大きいゴム層が配置され
    ていることを特徴とするスタッドレス空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記トレッド表層のゴム層のJISスプ
    リング硬さ(A型)が、乗用車用タイヤの場合には35
    °〜55°、重荷重用タイヤの場合には50°〜70°
    であることを特徴とする請求項1に記載のスタッドレス
    空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 上記トレッドの最内層のゴム層における
    JISスプリング硬さ(A型)が、トレッド表層のゴム
    層に比して同等もしくは15°以内の範囲で硬いことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のスタッドレス空気入
    りタイヤ。
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