JPH09135818A - 携帯用電子機器 - Google Patents

携帯用電子機器

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Publication number
JPH09135818A
JPH09135818A JP7299909A JP29990995A JPH09135818A JP H09135818 A JPH09135818 A JP H09135818A JP 7299909 A JP7299909 A JP 7299909A JP 29990995 A JP29990995 A JP 29990995A JP H09135818 A JPH09135818 A JP H09135818A
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JP
Japan
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signal
pulse wave
scaling processing
portable electronic
sensor
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Withdrawn
Application number
JP7299909A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yoshizawa
秀明 吉澤
Hiroyuki Odagiri
博之 小田切
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Seiko Epson Corp
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Publication of JPH09135818A publication Critical patent/JPH09135818A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的長い時間をかけてデータのサンプリン
グを行う必要があり、かつ、外乱の影響を受けやすい携
帯用電子機器でありながら、ノイズが含まれていても、
また、外乱によって受光センサからの出力信号に突発的
な変動が生じても、脈拍数やピッチなどを支障なく表示
できる携帯用電子機器を提供すること。 【解決手段】 携帯用電子機器1において、脈波検出用
センサユニット30及び体動検出用センサ90からの出
力信号に基づいて脈拍数及びピッチを求めるデータ処理
部50には、これらのセンサからの出力信号のうち、レ
ベルが許容範囲外にある信号については一定値に変換す
るスケーリング処理手段57が構成されている。このス
ケーリング処理手段57では、センサからの出力信号が
許容範囲内であっても、低レベルの信号には高レベルの
信号よりも大きな倍率を掛けて低レベルの信号の相対レ
ベルを高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の脈波あるい
は動きなどから脈拍数あるいはピッチなどを求める携帯
用電子機器に関するものである。さらに詳しくは、携帯
用電子機器におけるデータ処理技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】血液の量の変化をセンサによって光学的
に検出し、その検出結果に基づいて脈拍数などの脈波情
報を表示する脈波計測装置についても、腕などに装着で
きる携帯用のものが案出されつつある。かかる携帯用電
子機器のデータ処理部では、図15に示すように、脈波
検出用センサユニット30Aから出力された信号は、ま
ず、脈波信号増幅回路550Aにおいて増幅された後、
A/D変換回路551Aにおいてデジタル信号に変換さ
れ、しかる後に、マイクロコンピュータ54Aを介して
脈波データ記憶部552Aに出力されるようになってい
る。かかるデータは、脈拍数の1回の表示あたり、たと
えば8Hzで16秒間サンプリングされ、計128点の
データが脈波データ記憶部552Aに記憶される。そし
て、マイクロコンピュータ54Aは、脈波データ記憶部
552Aに記憶されているデータを読み出し、周波数分
析部501AとしてFFT(高速フーリエ変換)処理を
行った後、脈波信号成分抽出部554Aとして脈波信号
成分を抽出し、この信号の周波数から脈拍数演算部55
5Aとして求めた脈拍数を液晶表示装置13Aに表示す
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる携帯用電子機器
は、携帯時に外乱に起因して、脈波検出用センサユニッ
ト30Aから出力される信号には、真の脈波信号の他に
も、振幅の大きなノイズが含まれることがあり、周波数
分析結果から、脈波信号成分を抽出できないことがある
という問題点がある。また、携帯用電子機器では、携帯
時に外乱に起因して、脈波検出用センサユニット30A
から出力された信号のレベルが突発的に変動することが
あり、かかる場合に、従来の携帯用電子機器では、以降
の処理が行えないとして、今回のデータに基づく処理を
中止し、次の16秒間に取り込んだデータに基づいて脈
拍数を演算し直す。このため、従来の携帯用電子機器で
は、携帯時には、脈拍数が表示されないことが頻繁に発
生し、たとえば、ジョギング中やマラソン中の脈拍数な
どを継続的に監視できないという問題点がある。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
比較的長い時間をかけてデータのサンプリングを行う必
要があり、かつ、外乱の影響を受けやすい携帯用電子機
器でありながら、ノイズが含まれていても、また、外乱
によって受光センサからの出力信号に突発的な変動が生
じても、脈拍数やピッチなどを支障なく表示できる携帯
用電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、各種の情報を表示するための表示部を
備える装置本体と、生体の脈波あるいは動きなどを検出
するセンサと、該センサの検出信号に基づいて前記表示
部に表示すべき情報を求めるデータ処理部とを有する携
帯用電子機器において、前記データ処理部は、前記検出
信号のうち低レベルの検出信号については相対的なレベ
ルを高めるスケーリング処理手段と、該スケーリング処
理手段から出力されたスケーリング後の信号に周波数分
析を行う周波数分析手段と、該周波数分析手段による分
析結果から前記情報を求めるための信号成分を抽出する
信号抽出手段とを備えていることを特徴とする。
【0006】本発明において、前記センサが、生体の脈
波を検出する脈波検出用センサである場合には、前記信
号抽出手段は、前記周波数分析手段による分析結果から
脈拍数を求めるための脈波信号成分を抽出するように構
成される。
【0007】また、前記センサが、生体の動きを検出す
る体動検出用センサである場合には、前記信号抽出手段
は、前記周波数分析手段による分析結果からピッチを求
めるための体動信号成分を抽出するように構成される。
【0008】本発明において、前記スケーリング処理手
段は、前記検出信号のうちレベルが所定範囲外にある検
出信号については一定値に変換するように構成されてい
ることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図面に基づいて、本発明の一実施
例を説明する。
【0010】(全体構成)図1は、本例の携帯用電子機
器の構成を示す説明図である。
【0011】図1において、本例の携帯用電子機器1
は、腕時計構造を有する装置本体10と、この装置本体
10に接続されるケーブル20と、このケーブル20の
先端側に設けられた脈波検出用センサユニット30(生
体の脈波を検出するセンサ)とから大略構成されてい
る。ケーブル20の先端側にはコネクタピース80が構
成されており、このコネクタピース80は、装置本体1
0の6時の側に構成されているコネクタ部70に対して
着脱自在である。装置本体10には、腕時計における1
2時方向から腕に巻きついてその6時方向で固定される
リストバンド12が設けられ、このリストバンド12に
よって、装置本体10は、腕に着脱自在である。脈波検
出用センサユニット30は、センサ固定用バンド40に
よって遮光されながら人差し指の根元から指関節までの
間に装着されている。このように、脈波検出用センサユ
ニット30を指の根元に装着すると、ケーブル20が短
くて済むので、ケーブル20は、ランニング中に邪魔に
ならない。また、掌から指先までの体温の分布を計測す
ると、寒いときには、指先の温度が著しく低下するのに
対し、指の根元の温度は比較的低下しない。従って、指
の根元に脈波検出用センサユニット30を装着すれば、
寒い日に屋外でランニングしたときでも、脈拍数などを
正確に計測できる。
【0012】(装置本体の構成)図2は、本例の携帯用
電子機器の装置本体を、リストバンドやケーブルなどを
外した状態で示す平面図、図3は、携帯用電子機器を3
時の方向からみた側面図である。
【0013】図2において、装置本体10は、樹脂製の
時計ケース11(本体ケース)を備えており、この時計
ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、走
行時や歩行時のピッチ、及び脈拍数などの脈波情報など
を表示するELバックライト付きの液晶表示装置13
(表示部)が構成されている。液晶表示装置13には、
表示面の左上側に位置する第1のセグメント表示領域1
31、右上側に位置する第2のセグメント表示領域13
2、右下側に位置する第3のセグメント表示領域13
3、及び左下側に位置するドット表示領域134が構成
されており、ドット表示領域134では、各種の情報を
グラフィック表示可能である。
【0014】時計ケース11の内部には、加速度センサ
などによって体動を検出するための体動検出用センサ9
0(生体の動きを検出するセンサ)が内蔵されている。
【0015】時計ケース11の内部には、体動検出用セ
ンサ90による検出結果(体動信号)に基づいてピッチ
を求めるとともに、それを液晶表示装置13で表示する
ために、また、脈波検出用センサユニット30による検
出結果(脈波信号)に基づいて脈拍数の変化などを求め
るとともに、それを液晶表示装置13で表示するため
に、各種の制御やデータ処理を行う制御部50が構成さ
れている。制御部50には、計時回路も構成されている
ため、通常時刻、ラップタイム、スプリットタイムなど
も液晶表示装置13に表示可能である。
【0016】時計ケース11の外周部には、時刻合わせ
や表示モードの切換などの外部操作を行うためのボタン
スイッチ111〜115が構成されている。また、時計
ケースの表面には、大きめのボタンスイッチ116、1
17が構成されている。
【0017】携帯用電子機器1の電源は、時計ケース1
1に内蔵されているボタン形の小型の電池59であり、
ケーブル20は、電池59から脈波検出用センサユニッ
ト30に電力を供給するとともに、脈波検出用センサユ
ニット30の検出結果を時計ケース11の制御部50に
入力している。
【0018】携帯用電子機器1では、その機能を増やす
にともなって、装置本体10を大型化する必要がある
が、装置本体10には、腕に装着されるという制約があ
るため、装置本体10を腕時計における6時及び12時
の方向に向けては拡大できない。そこで、本例では、装
置本体10には、3時及び9時の方向における長さ寸法
が6時及び12時の方向における長さ寸法よりも長い横
長の時計ケース11を用いてある。但し、リストバンド
12は、3時の方向側に偏った位置で接続しているた
め、リストバンド12からみると、腕時計における9時
の方向に大きな張出部分101を有するが、かかる大き
な張出部分は3時の方向にはない。従って、横長の時計
ケース11を用いたわりには、手首を自由に曲げること
ができ、また、転んでも手の甲を時計ケース11にぶつ
けることがない。
【0019】時計ケース11の内部において、電池59
に対して9時の方向には、ブザー用の偏平な圧電素子5
8が配置されている。電池59は、圧電素子58に比較
して重いため、装置本体10の重心位置は、3時の方向
に偏った位置にある。この重心が偏っている側にリスト
バンド12が接続しているので、装置本体10を腕に安
定した状態で装着できる。また、電池59と圧電素子5
8とを面方向に配置してあるため、装置本体10を薄型
化できるとともに、図3に示すように、裏面部119に
電池蓋118を設けることによって、ユーザーは、電池
59を簡単に交換できる。
【0020】(装置本体の腕への装着構造)図3におい
て、時計ケース11の12時の方向には、リストバンド
12の端部に取り付けられた止め軸121を保持するた
めの連結部105が形成されている。時計ケース11の
6時の方向には、腕に巻かれたリストバンド12が長さ
方向の途中位置で折り返されるとともに、この途中位置
を保持するための留め具122が取り付けられる受け部
106が形成されている。
【0021】装置本体10の6時の方向において、裏面
部119から受け部106に至る部分は、時計ケース1
1と一体に成形されて裏面部119に対して約115°
の角度をなす回転止め部108になっている。すなわ
ち、リストバンド12によって装置本体10を右の手首
L(腕)の上面部L1(手の甲の側)に位置するように
装着したとき、時計ケース11の裏面部119は、手首
Lの上面部L1に密着する一方、回転止め部108は、
橈骨Rのある側面部L2に当接する。この状態で、装置
本体10の裏面部119は、橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感じ
にある一方、回転止め部108と裏面部119との屈曲
部分109から回転止め部108にかけては、橈骨Rに
当接する感じになる。このように、回転止め部108と
裏面部119とは、約115°という解剖学的に理想的
な角度をなしているため、装置本体10を矢印Aまたは
矢印Bの方向に回そうとしても、装置本体10は、腕L
の周りを不必要にずれない。また、裏面部119及び回
転止め部108によって腕の回りの片側2ヵ所で装置本
体10の回転を規制するだけであるため、腕が細くて
も、裏面部119及び回転止め部108は確実に腕に接
するので、回転止め効果が確実に得られる一方、腕が太
くても窮屈な感じがない。
【0022】(脈波検出用センサユニットの構成)図4
は、本例の脈波検出用センサユニットの断面図である。
【0023】図4において、脈波検出用センサユニット
30は、そのケース体としてのセンサ枠36の裏側に裏
蓋302が被されることによって、内側に部品収納空間
300が構成されている。部品収納空間300の内部に
は、回路基板35が配置されている。回路基板35に
は、LED31、フォトトランジスタ32、その他の電
子部品が実装されている。脈波検出用センサユニット3
0には、ブッシュ393によってケーブル20の端部が
固定され、ケーブル20の各配線は、各回路基板35の
パターン上にはんだ付けされている。ここで、脈波検出
用センサユニット30は、ケーブル20が指の根元側か
ら装置本体10の側に引き出されるようにして指に取り
付けられる。従って、LED31及びフォトトランジス
タ32は、指の長さ方向に沿って配列されることにな
り、そのうち、LED31は指の先端側に位置し、フォ
トトランジスタ32は指の根元の方に位置する。このよ
うに配置すると、外光がフォトトランジスタ32に届き
にくいという効果がある。
【0024】脈波検出用センサユニット30では、セン
サ枠36の上面部分(実質的な脈波信号検出部)にガラ
ス板からなる透光板34によって光透過窓が形成され、
この透光板34に対して、LED31及びフォトトラン
ジスタ32は、それぞれ発光面及び受光面を透光板34
の方に向けている。このため、透光板34の外側表面3
41(指表面との接触面/センサ面)に指表面を密着さ
せると、LED31は、指表面の側に向けて光を発する
とともに、フォトトランジスタ32は、LED31が発
した光のうち指の側から反射してくる光を受光可能であ
る。ここで、透光板34の外側表面341と指表面との
密着性を高める目的に、透光板34の外側表面341
は、その周囲部分361から突出している構造になって
いる。
【0025】本例では、LED31として、InGaN
系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用
いてあり、その発光スペクトルは、450nmに発光ピ
ークを有し、その発光波長領域は、350nmから60
0nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLE
D31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ3
2として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)の
フォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光
波長領域は、主要感度領域が300nmから600nm
までの範囲にあって、300nm以下にも感度領域があ
る。
【0026】このように構成した脈波検出用センサユニ
ット30を、センサ固定用バンド40によって指の根元
に装着し、この状態で、LED31から指に向けて光を
照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビ
ンによって光の一部が吸収され、一部が反射する。指
(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ3
2によって受光され、その受光量変化が血量変化(血液
の脈波)に対応する。すなわち、血量が多いときには、
反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が
強くなるので、反射光強度の変化を検出すれば、脈拍数
などを計測できる。
【0027】本例では、発光波長領域が350nmから
600nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領
域が300nmから600nmまでの範囲のフォトトラ
ンジスタ32とを用いてあり、その重なり領域である約
300nmから約600nmまでの波長領域、すなわ
ち、約700nm以下の波長領域における検出結果に基
づいて生体情報を表示する。かかる脈波検出用センサユ
ニット30を用いれば、外光が指の露出部分にあたって
も、外光に含まれる光のうち波長領域が700nm以下
の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受
光部)にまで到達しない。その理由は、外光に含まれる
波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾
向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われ
ていない指の部分に照射されても、指を通ってフォトト
ランジスタ32まで届かないからである。これに対し、
880nm付近に発光ピークを有するLEDと、シリコ
ン系のフォトトランジスタとを用いると、その受光波長
範囲は、350nmから1200nmまでの範囲に及
ぶ。この場合には、指を導光体として受光部にまで容易
に届いてしまうような1μmの波長の光による検出結果
に基づいて脈波を検出することになるので、外光の変動
に起因する誤検出が起こりやすい。
【0028】また、約700nm以下の波長領域の光を
利用して、脈波情報を得ているので、血量変化に基づく
脈波信号のS/N比が高い。その理由として、血液中の
ヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまで
の光に対する吸光係数が、従来の検出光である波長が8
80nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100
倍以上大きいため、血量変化に感度よく変化するので、
血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高いから
と考えられる。
【0029】(制御部の構成)図5に示すように、制御
部50には、脈波検出用センサユニット30の出力結果
に基づいて脈拍数などをもとめる脈波データ処理部55
と、体動検出用センサ90からの入力結果に基づいてピ
ッチをもとめる体動データ処理部56とが構成されてお
り、体動データ処理部56及び脈波データ処理部55
は、ピッチや脈拍数などの情報を出力することによっ
て、かかる情報を液晶表示装置13に表示可能としてい
る。なお、体動データ処理部56及び脈波データ処理部
55の一部は、格納されているプログラムによって動作
するマイクロコンピュータ54で構成されており、この
マイクロコンピュータの機能については、図5にブロッ
ク図で示してある。
【0030】まず、脈波データ処理部55では、脈波検
出用センサユニット30からケーブル20を介して入力
された信号を脈波信号増幅回路550が増幅した後、こ
の信号をA/D変換回路551においてデジタル信号に
変換し、スケーリング処理手段57を介して脈波データ
記憶部573に出力するようになっている。脈波データ
記憶部573は、デジタル信号に変換された脈波データ
を記憶しておくRAMである。また、周波数分析部50
1は、スケーリング処理後の信号に周波数分析としての
高速フーリエ変換(FFT処理)を行ない、その結果を
脈波信号成分抽出部554に入力するようになってい
る。脈波信号成分抽出部554は、周波数分析部501
の出力信号から脈波信号成分を抽出して脈拍数演算部5
55に出力し、脈拍数演算部555は、脈波の周波数成
分により脈拍数を演算し、その結果を液晶表示装置13
に出力するようになっている。ここで、脈波信号は、脈
拍数を一回表示するのに、たとえば8Hzで16秒間と
いう比較的長い時間をかけてサンプリングされ、計12
8点のデータが脈波データ記憶部573に記憶される。
【0031】また、体動データ処理部56では、体動検
出用センサ90から入力された信号を体動信号増幅回路
560が増幅した後、この信号をA/D変換回路561
においてデジタル信号に変換し、スケーリング手段57
を介して体動データ記憶部574に出力するようになっ
ている。体動データ記憶部574は、デジタル信号に変
換された体動データを記憶しておくRAMである。ま
た、周波数分析部501は、スケーリング処理後の信号
に周波数分析としての高速フーリエ変換(FFT処理)
を行ない、その結果を体動信号成分抽出部564に入力
するようになっている。体動信号成分抽出部564は、
周波数分析部501の出力信号から体動信号成分を抽出
してピッチ演算部565に出力し、ピッチ演算部565
は、体動の周波数成分によりピッチを演算し、その結果
を液晶表示装置13に出力するようになっている。ここ
で、体動信号も、ピッチを一回表示するのに、比較的長
い時間をかけてサンプリングされ、体動データ記憶部5
74に記憶される。
【0032】(スケーリング処理手段の構成)本例の携
帯用電子機器1において、脈波検出用センサ30及び体
動検出用センサ90の検出信号は、脈波信号増幅回路5
50及び体動信号増幅回路560によって増幅するが、
ノイズ成分などもそのまま増幅されてしまうため、脈波
信号成分抽出部554及び体動信号成分抽出部564で
脈波信号成分や体動信号成分を抽出しきれないことがあ
る。また、衝突などの外乱に起因する突発的な変動に起
因する大きなノイズが生じると、以降の処理に支障が生
じる。そこで、本例では、スケーリング処理手段57に
おいて、低レベルの信号については比較的大きな係数を
掛ける一方、高レベルの信号については比較的小さな係
数を掛けて、低レベルの信号の高レベルの信号に対する
相対的なレベルを高めるようになっている。また、スケ
ーリング処理手段57は、センサの検出信号のうちレベ
ルが所定範囲外にある検出信号については一定値に変換
するように構成されている。
【0033】すなわち、スケーリング処理手段57に
は、ROMなどによって構成されているテーブルデータ
571と、マイクロコンピュータ54において、入力信
号に対してそのレベルに応じた係数をテーブルデータ5
71から取り込んで入力信号に掛けるデータ変換部57
2とが構成されており、このデータ変換部572からの
出力が脈波データ記憶部573及び体動データ記憶部5
74にそれぞれ記憶されるようになっている。ここで、
スケーリング処理手段57は、脈波検出用センサユニッ
ト30の検出結果、及び体動検出用センサ90の検出結
果の双方に対してスケーリング処理を行うが、その処理
内容は、実質的に同一であるため、脈波検出用センサユ
ニット30の検出結果に対するスケーリング処理の内容
を、図6を参照して説明する。
【0034】図6は、スケーリング処理手段57におい
て行うスケーリングの内容を示すグラフである。
【0035】図6に示すグラフにおいて、横軸は、スケ
ーリング処理手段57への入力信号VINに相当し、「0
〜256」のデジタル値で表されている。縦軸は、スケ
ーリング処理手段57からの出力信号VOUT に相当し、
「0〜256」のデジタル値で表されている。ここで、
脈波検出用センサユニット30の検出結果は、VREF/
2[V]を基準値とする交流のアナログ信号であるた
め、スケーリング処理手段57への入力信号VINにおい
て、脈波検出用センサユニット30の検出信号における
中点(VREF /2[V])に相当するのは、横軸上のデ
ジタル値「128」である。また、スケーリング処理手
段57からの出力信号VOUT において、脈波検出用セン
サユニット30の検出結果における中点(VREF /2
[V])に相当するのは、縦軸上のデジタル値「12
8」である。
【0036】図中、点線L0は、スケーリング処理を行
わないときのスケーリング処理手段57への入力信号V
INとスケーリング処理手段57からの出力信号VOUT と
の関係を示しており、それらは実質的に線型の関係にあ
る。これに対して、図中、実線L1は、スケーリング処
理を行ったときのスケーリング処理手段57への入力信
号VINとスケーリング処理手段57からの出力信号VOU
T との関係を示しており、それらは実質的に非線型の関
係にある。
【0037】たとえば、スケーリング処理手段57への
入力信号VINが、以下の式で示す範囲(図6における範
囲Va)にある場合には、 |VIN −VREF /2|≦VREF ・1/8 、 すなわち、入力信号VINがデジタル値「96」〜デジタ
ル値「160」の範囲にある場合には、スケーリング処
理手段57は、入力信号VINが小信号領域であるとし
て、大きな係数を乗じた値(出力信号VOUT )を脈波デ
ータ記憶部573に出力する。
【0038】スケーリング処理手段57への入力信号V
INが、以下の式で示す範囲(図6における範囲Vb)に
ある場合には、 VREF ・1/8 <|VIN −VREF /2|≦ VREF ・
1/4 すなわち、入力信号VINがデジタル値「64」〜デジタ
ル値「96」の範囲、またはデジタル値「160」〜デ
ジタル値「192」の範囲にある場合には、スケーリン
グ処理手段57は、入力信号VINがやや小信号領域であ
るとして、やや大きな係数を乗じた値を(出力信号VOU
T )を脈波データ記憶部573に出力する。
【0039】スケーリング処理手段57への入力信号V
INが、以下の式で示す範囲(図6における範囲Vc)に
ある場合には、 VREF ・1/4 <|VIN −VREF /2|≦ VREF ・
3/8 すなわち、入力信号VINがデジタル値「32」〜デジタ
ル値「64」の範囲、またはデジタル値「192」〜デ
ジタル値「224」の範囲にある場合には、スケーリン
グ処理手段57は、入力信号VINがやや大信号領域であ
るとして、「1」よりは大きいが、小さな係数を乗じた
値(出力信号VOUT )を脈波データ記憶部573に出力
する。
【0040】これに対して、スケーリング処理手段57
への入力信号VINが以下の式で示す範囲(図6における
範囲Vd)にある場合には、 0 ≦|VIN −VREF /2|≦ VREF ・3/8 すなわち、入力信号VINがVINがデジタル値「0」〜デ
ジタル値「32」の範囲、またはデジタル値「224」
〜デジタル値「256」の範囲にある場合には、スケー
リング処理手段57は、入力信号VINが大信号領域であ
るとして、そのレベルにかかわらず、デジタル値「1
6」を出力信号VOUT として脈波データ記憶部573に
出力する。すなわち、スケーリング処理手段57は、レ
ベルがデジタル値「32」〜デジタル値「224」の範
囲外にある入力信号VINについては、一定値(デジタル
値「16」またはデジタル値「240」)に変換する。
この範囲Vdにある信号は、たとえば、衝撃が加わった
ときの突発的な信号のレベルである。
【0041】(スケーリング処理手段の動作)次に、ス
ケーリング手段57で行う処理の具体例を、まず、図7
及び図8を参照して説明する。
【0042】図7(a)は、安静時に脈波検出用センサ
ユニット30が検出した信号の波形図であり、図7
(b)は、この信号をスケーリング処理せずに周波数分
析したときのスペクトラムである。図7(c)は、安静
時に体動検出用センサ90が検出した信号の波形図であ
り、図7(d)は、この信号をスケーリング処理せずに
周波数分析したときのスペクトラムである。
【0043】図8(a)は、安静時に脈波検出用センサ
ユニット30が検出した信号にスケーリング処理を施し
たときの波形に相当する概念図であり、図8(b)は、
脈波検出用センサユニット30が検出した信号にスケー
リング処理を行った後、周波数分析したときのスペクト
ラムである。図8(c)は、安静時に体動検出用センサ
90が検出した信号にスケーリング処理を施したときの
波形に相当する概念図であり、図8(d)は、安静時に
体動検出用センサ90が検出した信号にスケーリング処
理を行った後、周波数分析したときのスペクトラムであ
る。
【0044】図7(a)において、安静時に脈波検出用
センサユニット30が検出した信号には、ノイズがほと
んどないので、図7(b)に示すスペクトラムから、比
較的容易に脈波信号成分を抽出し、特定できる。なお、
安静時であるから、図7(c),(d)に示すように、
体動検出用センサ90の検出信号、及びそれを周波数分
析したときのスペクトラムには信号がない。
【0045】このような場合でも、本例のように、脈波
検出用センサユニット30が検出した信号にスケーリン
グ処理を行うと、図8(b)に示すように、脈波信号成
分(線スペクトルSP1)のレベルが高くなるので、そ
れを特定しやすい。すなわち、図8(a)に示すよう
に、脈波検出用センサユニット30が検出した信号を増
幅したのと同じ効果を得ることができる。なお、安静時
であるから、図8(c),(d)に示すように、体動検
出用センサ90の検出信号、及びそれを周波数分析した
ときのスペクトルには、スケーリング有無の差はみられ
ない。
【0046】図9(a)は、脈波信号が小さいときに脈
波検出用センサユニット30が検出した信号の波形図で
あり、図9(b)は、この信号をスケーリング処理せず
に周波数分析したときのスペクトラムである。図9
(c)は、体動信号が小さいときに体動検出用センサ9
0が検出した信号の波形図であり、図9(d)は、この
信号をスケーリング処理せずに周波数分析したときのス
ペクトラムである。
【0047】図10(a)は、脈波信号が小さいときに
脈波検出用センサユニット30が検出した信号にスケー
リング処理を施したときの波形に相当する概念図であ
り、図10(b)は、脈波信号が小さいときに脈波検出
用センサユニット30が検出した信号にスケーリング処
理を行った後、周波数分析したときのスペクトラムであ
る。図10(c)は、体動信号が小さいときに体動検出
用センサ90が検出した信号にスケーリング処理を施し
たときの波形に相当する概念図であり、図10(d)
は、体動信号が小さいときに体動検出用センサ90が検
出した信号にスケーリング処理を行った後、周波数分析
したときのスペクトラムである。
【0048】図9(a)において、脈波検出用センサユ
ニット30が検出した信号には、真の脈波信号よりも大
きな振幅を有するノイズが含まれているが、単発的なノ
イズであるため、図9(b)に示すスペクトラムでは、
ノイズが小さい。従って、図9(b)に示すスペクトラ
ムから、比較的容易に脈波信号成分を抽出し、特定でき
る。なお、見動き程度の状態であるから、図9(c),
(d)に示すように、体動検出用センサ90の検出信
号、及びそれを周波数分析したときのスペクトラムには
小さな信号しかない。
【0049】このような場合でも、本例のように、脈波
検出用センサユニット30が検出した信号にスケーリン
グ処理を行うと、図10(b)に示すように、脈波信号
成分(線スペクトルSP1)のレベルが高くなるので、
それを特定しやすい。すなわち、図10(a)に示すよ
うに、脈波検出用センサユニット30が検出した信号を
増幅したのと同じ効果を得ることができる。なお、見動
き程度の状態であるが、図10(c),(d)に示すよ
うに、体動検出用センサ90の検出信号、及びそれを周
波数分析したときのスペクトルも、体動検出用センサ9
0が検出した信号を増幅したのと同じ効果を得ることが
できる。
【0050】図11(a)は、運動中に脈波検出用セン
サユニット30が検出した信号の波形図であり、図11
(b)は、この信号をスケーリング処理せずに周波数分
析したときのスペクトラムである。図11(c)は、運
動中に体動検出用センサ90が検出した信号の波形図で
あり、図11(d)は、この信号をスケーリング処理せ
ずに周波数分析したときのスペクトラムである。
【0051】図12(a)は、運動中に脈波検出用セン
サユニット30が検出した信号にスケーリング処理を施
したときの波形に相当する概念図であり、図12(b)
は、運動中に脈波検出用センサユニット30が検出した
信号にスケーリング処理を行った後、周波数分析したと
きのスペクトラムである。図12(c)は、運動中に体
動検出用センサ90が検出した信号にスケーリング処理
を施したときの波形に相当する概念図であり、図12
(d)は、運動中に体動検出用センサ90が検出した信
号にスケーリング処理を行った後、周波数分析したとき
のスペクトラムである。
【0052】図11(a)において、脈波検出用センサ
ユニット30が検出した信号には、真の脈波信号よりも
大きな振幅を有するノイズが含まれているが、ノイズの
振幅が小さいため、図11(b)に示すスペクトラムで
は、ノイズが小さい。従って、図11(b)に示すスペ
クトラムからでも、比較的容易に脈波信号成分を抽出
し、特定できる。
【0053】図11(c)に示すように、体動検出用セ
ンサ90からは、規則的な波形をもつ信号が出力されて
いるので、図11(d)に示すように、体動検出用セン
サ90の検出信号に周波数分析を施したスペクトラムか
ら、体動の基本波TP1、その第2高調波TP2、その
第3高調波TP3を比較的容易に抽出し、特定できる。
【0054】このような場合でも、本例のように、脈波
検出用センサユニット30が検出した信号にスケーリン
グ処理を行うと、図12(b)に示すように、脈波信号
成分(線スペクトルSP1)のレベルが高くなるので、
それを特定しやすい。すなわち、図12(a)に示すよ
うに、脈波検出用センサユニット30が検出した信号を
増幅したのと同じ効果を得ることができる。
【0055】また、図12(d)に示すように、体動検
出用センサ90の検出信号、及びそれを周波数分析した
ときのスペクトラムでは、体動の基本波TP1、その第
2高調波TP2、その第3高調波TP3のレベルが高く
なるので、それを特定しやすい。すなわち、図12
(c)に示すように、体動検出用センサ90が検出した
信号を増幅したのと同じ効果を得ることができる。
【0056】図13(a)は、運動中に衝突などの突発
的な異常があったときに脈波検出用センサユニット30
が検出した信号の波形図であり、図13(b)は、この
信号をスケーリング処理せずに周波数分析したときのス
ペクトラムである。図13(c)は、運動中に衝突など
の突発的な異常があったときに体動検出用センサ90が
検出した信号の波形図であり、図13(d)は、この信
号をスケーリング処理せずに周波数分析したときのスペ
クトラムである。
【0057】図14(a)は、運動中に衝突などの突発
的な異常があったときに脈波検出用センサユニット30
が検出した信号にスケーリング処理を施したときの波形
に相当する概念図であり、図14(b)は、運動中に衝
突などの突発的な異常があったときに脈波検出用センサ
ユニット30が検出した信号にスケーリング処理を行っ
た後、周波数分析したときのスペクトラムである。図1
4(c)は、運動中に衝突などの突発的な異常があった
ときに体動検出用センサ90が検出した信号にスケーリ
ング処理を施したときの波形に相当する概念図であり、
図14(d)は、運動中に衝突などの突発的な異常があ
ったときに体動検出用センサ90が検出した信号にスケ
ーリング処理を行った後、周波数分析したときのスペク
トラムである。
【0058】図13(a)において、脈波検出用センサ
ユニット30が検出した信号には、真の脈波信号よりも
かなり大きくてスケールアウトするほどの振幅を有する
ノイズ成分が含まれているため、図13(b)に示すス
ペクトラムにおいて、単に強度の高いものを脈波信号成
分(線スペクトルSP1)とする方法では、脈波信号成
分(線スペクトルSP1)を抽出できない。
【0059】また、図13(b)において、体動検出用
センサ90が検出した信号でも、真の体動信号よりもか
なり大きくてスケールアウトするほどの振幅を有するノ
イズ成分が含まれているため、図13(d)に示すスペ
クトラムにおいて、体動信号成分(体動の基本波TP
1、その第2高調波TP2、その第3高調波TP3)を
抽出できない。
【0060】このような場合に、本例のように、脈波検
出用センサユニット30が検出した信号にスケーリング
処理を行うと、図14(b)に示すように、脈波信号成
分(線スペクトルSP1)のレベルがノイズ成分よりも
高くなる。従って、脈波信号成分(線スペクトルSP
1)を簡単に抽出し、特定できる。また、スケールアウ
トしていたノイズ成分も、所定の値として扱われている
ので、処理に支障がない。すなわち、図14(a)に示
すように、脈波検出用センサユニット30が検出した信
号のうち、脈波信号のみについて増幅したのと同じ効果
を得ることができる。
【0061】同様に、脈波検出用センサユニット30が
検出した信号に対しても、本例のように、スケーリング
処理を行うと、図14(d)に示すように、体動信号成
分(体動の基本波TP1、その第2高調波TP2、その
第3高調波TP3)が明確に出現した状態になる。従っ
て、体動信号成分を容易に、かつ確実に抽出し、特定で
きる。また、スケールアウトしていたノイズ成分も、所
定の値として扱われているので、処理に支障がない。す
なわち、図14(c)に示すように、体動検出用センサ
90が検出した信号のうち、体動信号のみについて増幅
したのと同じ効果を得ることができる。
【0062】(携帯用電子機器の全体的な動作)このよ
うに構成した携帯用電子機器1の動作を、簡単に説明す
る。
【0063】まず、図1において、携帯用電子機器1を
通常の腕時計として用いる場合には、ケーブル20及び
センサユニット30を装置本体10のコネクタ部70で
外した状態で、装置本体10をリストバンド12で腕に
装着する。このとき、コネクタ部70には、コネクタカ
バーを装着し、その見栄えを高めるとともに、コネクタ
部70を保護する。
【0064】一方、携帯用電子機器1を用いてランニン
グ中の脈拍数を計測する場合には、図1に示すように、
コネクタピース80をコネクタ部70に装着して、ケー
ブル20を装置本体10に接続した後、装置本体10を
リストバンド12で腕に装着する。また、センサユニッ
ト30をセンサ固定用バンド40によって指に密着させ
た状態でランニングを行なう。
【0065】この状態で、LED31から指に向けて光
を照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロ
ビンによって一部が吸収され、一部が反射する。指(血
管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ32に
よって受光され、その受光量変化は、血液の脈波によっ
て生じる血量変化に対応する。すなわち、血量が多いと
きには、反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、
反射光が強くなるので、反射光強度の変化をフォトトラ
ンジスタ32で監視すれば、図5を参照して、データ処
理部50の機能を説明したように、脈拍数やピッチを求
めることができる。
【0066】(実施例の主な効果)このように、本例の
携帯用電子機器1では、脈波検出用センサユニット30
及び体動検出用センサ90から出力された信号は、脈波
信号増幅回路52において増幅され、かつ、A/D変換
回路53においてデジタル信号に変換された後、そのレ
ベルのまま周波数分析にかけられるのではなく、スケー
リング処理手段541によって処理された後に、周波数
分析部501において周波数分析にかけられる。このた
め、脈波検出用センサユニット30及び体動検出用セン
サ90から出力された信号に真の脈波信号や真の体動信
号に比較して大きな振幅を有するノイズが含まれていた
場合でも、脈波信号や体動信号のみについて増幅したの
と同じ効果を得ることができる。従って、周波数分析後
のスペクトラムからは、脈波信号成分や体動信号成分を
容易に、かつ正確に抽出し、特定することができる。
【0067】また、たとえ外乱によって脈波検出用セン
サユニット30及び体動検出用センサ90からの出力信
号に突発的な大きな変動が生じても、これらのデータに
ついては、不感領域にある信号として一定値に強制的に
変換してしまう。それ故、脈波検出用センサユニット3
0及び体動検出用センサ90からの出力信号に突発的な
大きな変動が生じても、改めて長い時間をかけてデータ
のサンプリングをし直す必要がなく、脈拍数やピッチを
支障なく、かつ正確に求めることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る携帯
用電子機器のデータ処理部には、脈波信号や体動信号な
どのセンサの検出信号のうち低レベルの信号については
その相対的なレベルを高めるスケーリング処理手段を設
け、このスケーリング処理手段から出力された信号に対
し、周波数分析手段は周波数分析を行うことに特徴を有
する。従って、本発明によれば、センサから出力された
信号に真の脈波信号や真の体動信号に比較して大きな振
幅を有するノイズ成分が含まれていた場合でも、脈波信
号や体動信号のみについて増幅したのと同じ効果を得る
ことができる。それ故、周波数分析後のスペクトラムか
らは、脈波信号成分や体動信号成分を容易に、かつ正確
に抽出し、特定することができる。
【0069】また、たとえ外乱によってセンサからの出
力信号に突発的な大きな変動が生じても、これらのデー
タについては、不感領域にある信号として一定値に強制
的に変換すると、以降の処理に支障がないので、改めて
長い時間をかけてデータのサンプリングをし直す必要が
なく、脈拍数やピッチを支障なく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る携帯用電子機器の全体
構成、及び使用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す携帯用電子機器の装置本体の平面図
である。
【図3】図1に示す携帯用電子機器の装置本体を腕時計
の3時の方向からみたときの説明図である。
【図4】図1に示す携帯用電子機器に用いた脈波検出用
センサユニットの断面図である。
【図5】図1に示す携帯用電子機器のデータ処理部の機
能を示すブロック図である。
【図6】図5に示すスケーリング処理手段において行う
スケーリングの内容を示すグラフ図である。
【図7】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、安静時に脈波検出用センサユニットが検出した信号
の波形図、(b)は、この信号をスケーリング処理せず
に周波数分析したときのスペクトラム、(c)は、安静
時に体動検出用センサが検出した信号の波形図、(d)
は、この信号をスケーリング処理せずに周波数分析した
ときのスペクトラムである。
【図8】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、安静時に脈波検出用センサユニットが検出した信号
にスケーリング処理を施したときの波形に相当する概念
図、(b)は、脈波検出用センサユニットが検出した信
号にスケーリング処理を行った後、周波数分析したとき
のスペクトラム、(c)は、安静時に体動検出用センサ
が検出した信号にスケーリング処理を施したときの波形
に相当する概念図、(d)は、安静時に体動検出用セン
サが検出した信号にスケーリング処理を行った後、周波
数分析したときのスペクトラムである。
【図9】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、脈波信号が小さいときに脈波検出用センサユニット
が検出した信号の波形図、(b)は、この信号をスケー
リング処理せずに周波数分析したときのスペクトラム、
(c)は、体動信号が小さいときに体動検出用センサが
検出した信号の波形図、(d)は、この信号をスケーリ
ング処理せずに周波数分析したときのスペクトラムであ
る。
【図10】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、脈波信号が小さいときに脈波検出用センサユニット
が検出した信号にスケーリング処理を施したときの波形
に相当する概念図、(b)は、脈波信号が小さいときに
脈波検出用センサユニットが検出した信号にスケーリン
グ処理を行った後、周波数分析したときのスペクトラ
ム、(c)は、体動信号が小さいときに体動検出用セン
サが検出した信号にスケーリング処理を施したときの波
形に相当する概念図、(d)は、体動信号が小さいとき
に体動検出用センサが検出した信号にスケーリング処理
を行った後、周波数分析したときのスペクトラムであ
る。
【図11】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、運動中に脈波検出用センサユニットが検出した信号
の波形図、(b)は、この信号をスケーリング処理せず
に周波数分析したときのスペクトラム、(c)は、運動
中に体動検出用センサが検出した信号の波形図、(d)
は、この信号をスケーリング処理せずに周波数分析した
ときのスペクトラムである。
【図12】(a)は、図1に示す携帯用電子機器におい
て、運動中に脈波検出用センサユニットが検出した信号
にスケーリング処理を施したときの波形に相当する概念
図、(b)は、運動中に脈波検出用センサユニットが検
出した信号にスケーリング処理を行った後、周波数分析
したときのスペクトラム、(c)は、運動中に体動検出
用センサが検出した信号にスケーリング処理を施したと
きの波形に相当する概念図、(d)は、運動中に体動検
出用センサが検出した信号にスケーリング処理を行った
後、周波数分析したときのスペクトラムである。
【図13】(a)は、運動中に衝突などの突発的な異常
があったときに脈波検出用センサユニットが検出した信
号の波形図、(b)は、この信号をスケーリング処理せ
ずに周波数分析したときのスペクトラム、(c)は、運
動中に衝突などの突発的な異常があったときに体動検出
用センサが検出した信号の波形図、(d)は、この信号
をスケーリング処理せずに周波数分析したときのスペク
トラムである。
【図14】(a)は、運動中に衝突などの突発的な異常
があったときに脈波検出用センサユニットが検出した信
号にスケーリング処理を施したときの波形に相当する概
念図、(b)は、運動中に衝突などの突発的な異常があ
ったときに脈波検出用センサユニットが検出した信号に
スケーリング処理を行った後、周波数分析したときのス
ペクトラム、(c)は、運動中に衝突などの突発的な異
常があったときに体動検出用センサが検出した信号にス
ケーリング処理を施したときの波形に相当する概念図、
(d)は、運動中に衝突などの突発的な異常があったと
きに体動検出用センサが検出した信号にスケーリング処
理を行った後、周波数分析したときのスペクトラムであ
る。
【図15】従来の携帯用電子機器のデータ処理部の機能
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・携帯用電子機器 10・・・装置本体 11・・・時計ケース(本体ケース) 12・・・リストバンド 13・・・液晶表示装置 30・・・脈波検出用センサユニット 31・・・LED(発光部) 32・・・フォトトランジスタ(受光センサ) 50・・・データ処理部 54・・・マイクロコンピュータ 55・・・脈波データ処理部 56・・・体動データ処理部 57・・・スケーリング手段 90・・・体動検出用センサ 501・・・周波数分析部 550・・・脈波信号増幅回路 551、561・・A/D変換回路 554・・・脈波信号成分抽出部 555・・・脈拍数演算部 560・・・体動信号増幅回路 564・・・脈波信号成分抽出部 565・・・ピッチ演算部 571・・・テーブルデータ 572・・・データ変換部 573・・・脈波データ記憶部 574・・・体動データ記憶部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種の情報を表示するための表示部を備
    える装置本体と、生体の脈波あるいは動きなどを検出す
    るセンサと、該センサの検出信号に基づいて前記表示部
    に表示すべき情報を求めるデータ処理部とを有する携帯
    用電子機器において、 前記データ処理部は、前記検出信号のうち低レベルの検
    出信号の相対的なレベルを高めるスケーリング処理手段
    と、該スケーリング処理手段から出力されたスケーリン
    グ後の信号に周波数分析を行う周波数分析手段と、該周
    波数分析手段による分析結果から前記情報を求めるため
    の信号成分を抽出する信号抽出手段とを備えていること
    を特徴とする携帯用電子機器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記センサは、生体
    の脈波を検出する脈波検出用センサであり、前記信号抽
    出手段は、前記周波数分析手段による分析結果から脈拍
    数を求めるための脈波信号成分を抽出するように構成さ
    れていることを特徴とする携帯用電子機器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記センサは、生体
    の動きを検出する体動検出用センサであり、前記信号抽
    出手段は、前記周波数分析手段による分析結果からピッ
    チを求めるための体動信号成分を抽出するように構成さ
    れていることを特徴とする携帯用電子機器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの項におい
    て、前記スケーリング処理手段は、前記検出信号のうち
    レベルが所定範囲外にある検出信号については一定値に
    変換するように構成されていることを特徴とする携帯用
    電子機器。
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