JPH09133803A - 光学開口装置 - Google Patents

光学開口装置

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JPH09133803A
JPH09133803A JP29310095A JP29310095A JPH09133803A JP H09133803 A JPH09133803 A JP H09133803A JP 29310095 A JP29310095 A JP 29310095A JP 29310095 A JP29310095 A JP 29310095A JP H09133803 A JPH09133803 A JP H09133803A
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JP
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pinhole
light
phb
pha
lens
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JP29310095A
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English (en)
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Kiyoo Matsuno
清伯 松野
Hideyuki Wakai
秀之 若井
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/005Diaphragms

Abstract

(57)【要約】 【課題】非常に簡単な構成によってスポット系の小さな
単一焦点の点光源光を得ることができる光学開口装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】この発明では、光を投射して点光源を作る
開口を有する光学開口装置において、前記開口を間隙を
介して複数枚積層したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光を投射して点光
源を作る開口を有する光学開口装置すなわちピンホール
に関する。
【0002】
【従来の技術】ピンホールを使用した技術として、例え
ば特開平4−265918号公報に示されるように、共
焦点光学系を2次元的に配置して物体の3次元形状を測
定するようにしたものがあり、図21にその構成を示
す。
【0003】図21において、光源50の光はコンデン
サレンズ51によって平行光となり、円形開口を有する
ピンホール52に入射される。ピンホール52を通過し
た光の一部はビームスプリッタ53を透過し、テレセン
トリック系を構成するレンズ54a、54bによって集
光され、被計測物体55に投光される。被計測物体55
の表面で反射された光はレンズ54a、54bで集光さ
れた後、ビームスプリッタ53で反射され、ピンホール
52と共役な位置に結像する。この結像位置にピンホー
ル52と同じ大きさの円形開口を有するピンホール56
を配設し、該ピンホール56を通過する光の光量を、光
検出器57で検出する。
【0004】かかる従来構成によれば、レンズ54bま
たは被計測物体55を光軸方向(z方向)に移動させる
と、図22に示すように、ピンホール52から投影され
る像が被計測物体55の表面でフォーカスされたとき
に、光検出器の57の検出信号が極大値を示す。したが
って、上記レンズ54bまたは被計測物体55のz方向
への移動に伴って被計測物体55をx−y方向に走査す
れば、被計測物体の55の表面形状を計測することがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる共焦
点光学系を利用した3次元計測装置において、計測精度
を向上させるためには、ピンホール52から投光される
光が被計測物体表面で正確に焦点を結ぶ必要があり、ま
た被計測物体表面に投射されるスポット光は小さいほど
共焦点効果が大きく、正確な測定を可能にする。
【0006】しかしながら、上記従来装置では次のよう
な問題があった。
【0007】(1)ピンホール52を通過した光をレンズ
54a,54bで被計測物体上に投射すると、これらレ
ンズの性能よりも大きなスポットにしか集光できず、こ
れが計測精度を低下させる原因となっていた。
【0008】(2)レンズ54bで集光された光がz方向
の複数の異なる位置で焦点を持っていた。このため、レ
ンズ54bをz方向に移動しながら光検出器の57の検
査結果を見ると、反射光の強度が極大となる位置が複数
個存在し、何れの位置が本来の表面位置であるか判らな
い問題があった。
【0009】そこで、発明者等による研究の結果、上記
現象の発生原因はピンホール52にあることが判明し
た。
【0010】図23は、ピンホール52を拡大して示し
たものであるが、ピンホール52に照射された平行光L
の一部LOは、ピンホール52の円形開口の縁60で回
折されてドーナツ状に拡がっていく。そして、これらド
ーナツ状に拡がっていく光LOは、外側へ広がる光の強
度が強く、内側へ拡がる光の強度が弱いという分布を持
っている。
【0011】これに対し、ピンホール52の中心に照射
された光LIは、ピンホールの縁60の影響を僅かに受
けるのみであるから、外側の光LOより小さな発散角で
拡がりながら直進する。
【0012】このように、ピンホールを通過した光は、
上記2種類の光LO,LIが互いに干渉し合った合成波で
あるため、謂ゆる理想的な点光源光とは言えない光強度
分布を持っている。
【0013】図24(b)は、図24(a)に示したピンホー
ル52の通過直後の位置での光の空間光強度分布を示す
もので、また図24(c)は図24(a)に示したレンズ54
bの焦点面61での光の空間強度分布を示すもので、こ
れらの光強度波形は図24(c)に示すように、ピンホー
ル52の縁で大きく回折した光成分LO(ハッチングを
施した点線で表される)と、ピンホール中心付近を通る
光成分LI(中央部の点線で囲まれた部分)との合成波
となっている。
【0014】このように図21の従来技術によれば、ピ
ンホール52を通過する光は、図256にも示すよう
に、ピンホール52の縁で大きく回折した光成分LO
と、ピンホール中心付近を通る光成分LIとに分けら
れ、これらを同一のレンズ系で投影するようになってい
るので、レンズで投影されたピンホールの像もレンズの
性能によって決まるスポット径よりも大きなスポット径
を持つことになる。
【0015】また、ピンホール52の縁で大きく回折し
た光成分LOと、ピンホール中心付近を通る光成分LIと
は、その光の形状が異なるので、図25及び図26に示
すように、それぞれ異なる位置で集光されることにな
る。これは、図21の共焦点光学系において、z方向の
走査時に被計測物体の55の表面に投影光の複数の焦点
が存在することを意味しており、何れの位置が本来の表
面位置であるか判らなくなる問題を発生させていた。
【0016】また、従来のピンホールには他にも次のよ
うな問題点があった。
【0017】(3)光学ピンホールは、通常、金属箔やガ
ラスの表面にコーティングされた多層膜のマスクに穴を
空けて形成されるが、開口における回折の悪影響を避け
るために、これらのマスクを数μmから数100μmの
厚さにしなければならない。しかし、従来はマスクの厚
さが薄すぎるので、光がマスクを透過してしまうことが
あり、各種の悪影響を及ぼしていた。
【0018】(4)被計測物体に照射される光のスポット
を小さくするために、ピンホールはできるだけ小さいほ
うが望ましいが、小さくし過ぎるとピンホールを通過す
る光量が極端に小さくなってしまい、この結果非常に高
精度の検出器や大光量の光源が必要となって装置コスト
が上昇すると共に装置が大型化する問題がある。
【0019】(5)ピンホールの縁は精度良く加工しない
と、複雑な回折や干渉が起きて光の質が更に劣化する。
にもかかわらず、ピンホールが小さくなればなる程精度
良く加工するのが難しくなる。したがって、ピンホール
をアレイ状に並べたピンホールアレイを作成する場合、
その中の1つのピンホールでも加工に失敗すればピンホ
ールアレイ自体が不良品となってしまう。
【0020】ところで、特開平4−32728号公報に
おいては、ピンホールから出射された光のフラウンホー
ファ回折像の0次成分(直進成分)のみを切りとるべ
く、レンズの焦点位置にピンホールを設けるようにして
いる。
【0021】この従来技術を図21の共焦点光学系を利
用した3次元形状計測装置に適用した場合、その構成は
図27に示すようなる。
【0022】即ち、図27においては、レンズ54bの
焦点位置にピンホール58を配置するようにしている。
【0023】しかし、この図27の構成では、ピンホー
ル52で回折像が形成された後にレンズ54bの焦点位
置で回折光の中心部のみを抽出しようとするものでしか
なく、前述した複数の異なる位置での焦点発生を抑える
ことはできない。
【0024】また、この図27の構成では、図28に示
すように、ピンホール58の位置で再び前述したよう
な、大きく外に広がる回折作用が発生し、その光は意図
するような品質の良いものではなくなる。
【0025】さらに、この図27の構成では、レンズ5
4bの焦点位置にピンホール58を配設しなければなら
ず、被計測物体55との干渉が大きな問題となる。
【0026】この発明はこのような実情に鑑みてなされ
たもので、非常に簡単な構成によってスポット系の小さ
な単一焦点の点光源光を得ることができる光学開口装置
を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明では、光を投射
して点光源を作る開口を有する光学開口装置において、
前記開口を間隙を介して複数枚積層したことを特徴とす
る。
【0028】すなわち、第1の開口を通過する光のうち
中央部を通る光以外を第2以降のピンホールでカットす
ることにより、単一の焦点を持ちかつ集光性の良い点光
源光を得るようにする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例を添付図面
に従って詳細に説明する。
【0030】図1はこの発明の実施例を示すもので、こ
の実施例のピンホールPHは、2つのピンホール(第1
のピンホールPHa,第2のピンホールPHb)を間隙1
を介して積層することによって構成されている。
【0031】かかる2枚の積層構造のピンホールPHに
対して平行光線Lhを入射すると、この平行光線はまず
第1のピンホールPHaに入射される。すると、この平
行光線Lhは、前述したように、第1のピンホールPHa
の中心部を通って僅かに拡がる光LIと、第1のピンホ
ールPHaの縁で回折されて大きく拡がるドーナツ状の
光LOに分けられる。
【0032】これらの2種類の光のうち外側で拡がる光
LOの大部分は、第2のピンホールPHbでカットされ、
残りが第2のピンホールPHbの縁で回折されるが、前
述したように、この光LOは外側へ広がる光の強度が強
く、内側へ拡がる光の強度が弱いという分布を持ってい
るので、各種の悪影響を及ぼす外側へ拡がる成分のほと
んどがカットされることになる。
【0033】ピンホールPHaの中心部分を通る光LI
は、第2のピンホールPHbによって再び回折されて、
第2のピンホールPHbから出射され、もう一方の光LO
の第2のピンホールPHbを通過した光と合成される
が、これらの光はほぼ同一の拡がり角を持つ成分で構成
されているために、第2のピンホールPHbを通過した
光Leは品質の良い点光源光であるといえる。
【0034】図2(a)は、図1に示した2層構造のピン
ホールPHを通過させた光をテレセントリック系レンズ
2,3を使って下方に投影した場合の構成を示すもの
で、図2(b)は図2(a)におけるピンホールPH直後の光
の空間強度分布を示すもので、図2(c)は図2(a)におけ
る焦点面4における光の空間強度分布を示すものであ
る。
【0035】図2(b)(c)からも判るように、2層構造の
ピンホールPHを用いるようにすれば、理想的なものに
近い点光源光を投影するようにしているので、各位置で
の空間強度分布は大きさが若干違うだけでそれらの形状
はほぼ同一であり、また焦点面では非常に小さなスポッ
ト径で集光することができる。また、この場合、焦点位
置は1つのみとなり、他の位置に焦点は存在しなくな
る。
【0036】図3は、図1に示した2層構造のピンホー
ルPHの詳細構成例を示すもので、第1のピンホールP
Haは、ガラス板10の表面に光を透過しない薄膜11
(Crなど)を蒸着し、この薄膜11に微小な孔(ピン
ホール)phを形成し、その上に透明な酸化クロム層1
2をコーティングする事によって形成される。酸化クロ
ム膜12の厚みは、目標の波長に対して反射防止膜を形
成するよう設計されており、その効果を高めるために、
クロム膜11とガラス板10との間にもう一層の酸化ク
ロム膜を介在させる場合もある。
【0037】第2のピンホールPHbも同様であり、ガ
ラス板10の表面に光を透過しない薄膜11(Crな
ど)を蒸着し、この薄膜11に微小な孔(ピンホール)
phを形成し、その上に透明な酸化クロム層12をコー
ティングする事によって形成される。
【0038】これら第1のピンホールPHaと第2のピ
ンホールPHbを、スペーサ13を挟んで各ピンホール
phが正確に対向するように位置決めし、枠体14で固
定することにより、第1のピンホールPHaおよび第2
のピンホールPHbを間隙を介して正対させる。なお、
この場合、スペーサ13は酸化クロム膜12に接着する
ようにしてもよい。また、この場合スペーサ13はピン
ホールphのない端部に配置するようにしているが、ス
ペーサ13の材質を光学ガラスなどの透明なものとし
て、スペーサ13をピンホール近傍に介在せるようにし
てもよい。
【0039】図4は、この発明の他の実施例を示すもの
で、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【0040】この図4の実施例は投光アレイとして使用
する場合の例であり、ピンホールphを2次元的にマト
リックス状に配設しており、10はガラス板、11は複
数のピンホールphが形成された薄膜層、12は酸化ク
ロムなどのコーティング層、13はスペーサである。こ
の場合、スペーサ13によって形成された空隙内には、
液体15を注入して、ガラス面における反射を軽減する
ようにしている。また、この液体15の表面張力によっ
て上下のピンホール基板の接合が強固になるという効果
も有している。また、液体の量を正確に調整すれば、上
下の基板の間隔が決まり、スペーサ13が不要になる。
液体15の材質としては、オイル、屈折液、あるいは適
当な屈折率を持つ接着剤や樹脂などが考えられる。
【0041】なお、上記実施例において、ピンホールp
hを一次元的に列設するようにしてもよい。
【0042】図5および図6は、第1のピンホール基板
PHaと第2のピンホール基板PHbとのピンホールph
の位置のアライメントを行うための構成例であり、図5
は平面図、図6は断面図である。
【0043】これらの図において、20はスピリングプ
ランジャ、21はマイクロメータ、22はテーパ面をも
つ中空の枠体、23はCCDカメラ、24は側壁、25
は光である。
【0044】アライメントを行う際には、下側のピンホ
ールアレイPHbを適宜の固定手段(図示せず)によっ
て固定し、その上にスペーサ13およびオイル等の液体
15を介在させて上側のピンホールアレイPHaを積重
ねる。上側のピンホールアレイPHaは、テーパを持っ
た枠体22に固定しておく。
【0045】この状態で光25を上方から照射し、その
通過光をCCDカメラ23で観察し、その観察結果に基
づいて枠体22の四方に設けたスプリングプランジャ2
0、マイクロメータ21を用いて上側のピンホールアレ
イPHaをx−y方向にスライドさせることにより、ピ
ンホール位置のアライメント調整を実行する。
【0046】この場合、枠体22にテーパ面を設けてい
るので、スプリングプランジャ20、マイクロメータ2
1によって枠体22にx−y方向の力が加わった際、上
側のピンホールアレイPHaを下側に押し付ける力が働
き、これによりピンホールアレイPHaをx−y方向に
動かしても間隙15の間隔を変わらないようにすること
ができる。そして、上記間隙15にオイルを充填してお
けば、ピンホールアレイPHaの動きをよりスムーズに
できるという利点ももつ。
【0047】図7はこの発明の更に別の実施例を示すも
ので、この場合は、ガラス基板を挟んで上下にクロム層
11を蒸着し、これらクロム層にピンホールphを形成
した後、酸化クロム層12を積層するようにしている。
【0048】図8はこの発明の更に別の実施例を示すも
ので、この場合は、ガラス基板10上にクロム層11を
蒸着してピンホールphを形成した後、酸化クロム膜1
2を積層し、さらにこの上にクロム膜11を蒸着してピ
ンホールphを形成した後、酸化クロム膜12を積層す
るようにしている。
【0049】図9は、この発明の更に別の実施例を示す
もので、この場合はピンホールを3層構造としている。
すなわちこの場合は、ガラス基板10上にクロム層11
を蒸着して第1層目のピンホールphを形成した後、酸
化クロム膜12を積層し、さらにこの上にクロム膜11
を蒸着して第2層目のピンホールphを形成した後、酸
化クロム膜12を積層し、さらにこの上にクロム膜11
を蒸着して第3層目のピンホールphを形成した後、酸
化クロム膜12を積層するようにしている。
【0050】この場合は、光が上方から入射された場
合、第2層目のピンホールの縁で回折した光を第1層目
のピンホールで更にカットするので、2枚重ねよりも良
質の点光源光が得られる。
【0051】なお、上記図7〜図9に示した各実施例で
は、1枚のガラス基板上に各層を積層することにより複
数重ねのピンホールを形成するようにしているので、ア
ライメントが不要になる利点がある。
【0052】図10は、前述した2枚重ねのピンホール
PHを共焦点光学系を利用した3次元形状計測装置に適
用した場合の構成例を示すもので、先の図21に示した
従来構成のピンホール52を2枚重ねのピンホールPH
に置換しており、その他の構成要素は全て同じである。
かかる構成によれば、理想的な点光源光に近い光が投影
されるために、従来技術に比べ計測精度が格段に向上す
る。また、ピンホールPHとして、ピンホールphが2
次元配置されたピンホールアレイを用いれば、x−y方
向の走査が不要になり、装置構成をより簡単にすること
ができる。
【0053】図11は、2枚重ねのピンホールPHに投
射される光が拡散光30である場合について示すもの
で、また図12はこのピンホールPHに投射される光が
収束光31である場合について示すものであるが、何れ
にしても本発明の2枚重ねのピンホールPHによれば、
第1のピンホールPHaの縁で回折される光を第2のピ
ンホールPHbでカットすることができるので、品質の
良い点光源光を得ることができる。なお、ピンホールP
Hに入射される光は、ガウシアンビームのような光であ
ってもよい。
【0054】図13は、この発明にかかるピンホールP
Hをスペイシャルフィルタ(コリメータ)に適用した場
合を示すものである。
【0055】レーザ光を空間に伝播させる場合、共振器
や光学部品の表面に付着した塵などによって光が乱反射
し、ランダムな干渉パターンが作られる。この干渉パタ
ーンは干渉性が強く、計測などの目的に対してはノイズ
となって作用するために、これを取り去る必要がある。
そこで、スペイシャル(空間的)フィルタでは、レーザ
光を集光し、小さなピンホールを通すことによって前述
のノイズを取り去るようにしている。したがって、この
スペイシャルフィルタにおける従来の通常のピンホール
の変わりにこの発明にかかるピンホールPHを用いるよ
うにすれば、余分な回折を取り去り、よりノイズ成分の
少ない品質の良い光を取り出すことができる。なお、図
13において、32は集光レンズ、PHは2枚重ねのピ
ンホール、33はコリメータレンズである。
【0056】かかるスペイシャルフィルタを応用した技
術として、図14に示すような干渉計がある。
【0057】図14は、フィゾー干渉計であり、基準参
照平面と被測定平面の間に使用光源の可干渉距離に応じ
た可干渉間隔を空けて、被測定平面からの光波面と基準
参照平面からの光波面との干渉縞を生じさせて被測定平
面の面形状を測定するものである。
【0058】図14において、光源34からの光はピン
ホールPHによって発散され、ハーフミラー35を通過
してコリメータレンズ36で平行光にされ、この光は基
準参照平面板37で一部反射される。基準参照平面板3
7を透過した光は被測定平面板38で反射され戻ってく
る。したがって、基準参照平面板37で反射された光と
被測定平面板38で反射された光の干渉縞をピンホール
39を介して観察することにより被測定平面の面形状を
測定する。
【0059】このフィゾー干渉系においてもこの発明に
かかる2枚重ねのピンホールを用いて発散光を得ている
ので、ノイズ成分の少ない品質の良い光による干渉測定
が可能になる。
【0060】図15は、上記2枚重ねのピンホールPH
をマッハ・ツェンダー干渉計に適用した場合の構成を示
すもので、このマッハ・ツェンダー干渉計はフリンジ・
スキャニング・シェアリング干渉法を用いて被検査面の
形状測定に利用される。
【0061】図15において、レーザ発振器40から出
射されたレーザ光は、集光レンズ、2枚重ねのピンホー
ルPHおよびコリメータレンズ42から成るスペイシャ
ルフィルタによって平行光束となってハーフミラー43
に入射され、ハーフミラー43によって透過光と反射光
の2つに分かれる。透過光は、全反射鏡46で反射さ
れ、ハーフミラー45に至り、コリメータレンズ47を
経て目に至る。反射光は全反射鏡44で反射され、ハー
フミラー45に至り、コリメータレンズ47を経て目に
至る。すなわち、全反射鏡44経由の光と全反射鏡46
経由の光はハーフミラー45で干渉して干渉縞を形成す
る。
【0062】かかるマッハ・ツェンダー干渉計において
も、この発明にかかる2枚重ねのピンホールを用いたス
ペイシャルフィルタによって平行光束を得ているので、
ノイズ成分の少ない品質の良い光による干渉測定が可能
になる。
【0063】図16は上記2枚重ねのピンホールアレイ
PHをホログラム露光装置に適用した場合の構成を示す
もので、このホログラム露光装置は、先の図10に示し
た共焦点光学系を利用した3次元形状計測装置に対し、
ホログラムを点光源光の発生手段として採用する場合に
用いられる。
【0064】すなわち、図16において、レーザ発振器
60から出射されるレーザ光は、1/2波長板61を介
して偏光ハーフミラー62を透過し、さらにレンズ6
3、64を介して参照光としてホログラム65に入射さ
れる。一方、偏光ハーフミラー62で反射されたレーザ
光は、1/2波長板66、ミラー67、ミラー68、レ
ンズ69、レンズ70を介して平行光束としてピンホー
ルアレイPHに入射される。ピンホールアレイPHの各
ピンホールで発散された後、レンズ71を介して物体光
としてホログラム65に入射される。このようにして、
物体光と参照光との干渉縞がホログラム65に記録され
る。
【0065】したがって、この後、図16の1/2波長
板66、ミラー67、ミラー68、レンズ69、レンズ
70を省略しかつ光検出器アレイ75を配置した状態
で、ホログラム65に参照光を入射すると、ホログラム
65は、あたかもピンホールアレイPHの各ピンホール
から光が出射したような光を再生する。すなわち、ホロ
グラム65は、参照光が入射されると、ピンホールアレ
イPHの各ピンホールに点光源が存在するのと等価な光
を再生する。そして、該再生された光はレンズ72によ
って移動ステージ74上の被計測物体73上に結像され
る。被計測物体73で反射された光はレンズ72、ホロ
グラム65、レンズ71に入射され、レンズ71によっ
てピンホールアレイPHの各ピンホール位置に結像され
る。
【0066】光検出器アレイの75の各光検出器はピン
ホールアレイPHの各ピンホールに対応する位置に配さ
れており、各ピンホールを通過した光の受光強度を検出
する。
【0067】したがって、移動ステージ74のZ方向へ
の移動に伴って光検出器アレイ75の個々の検出器の出
力を順次サンプリングし、各々の出力が最大になったと
きのZ方向位置を被計測物体73の表面位置として検出
する。
【0068】かかる構成においても2枚重ねのピンホー
ルPHを用いているので、理想的な点光源光に近い光が
投影され、これにより従来技術に比べ計測精度が格段に
向上する。なお、この場合、ホログラム65を、*1ま
たは*2の位置に配置して露光を行うようにしてもよ
い。
【0069】図17は、2枚重ねのピンホールPHをケ
プラータイプのビームエキスパンダに適用した場合の構
成を示すもので、レンズ80によって集光された光は2
枚重ねのピンホールPHを通過することによってノイズ
成分が除去され、その後レンズ81、82によってビー
ムが拡げられた平行光束として出力される。このビーム
エキスパンダにおいても、2枚重ねのピンホールPHを
用いているために、余分な回折を取り去り、よりノイズ
成分の少ない品質の良い光を取り出すことができる。
【0070】図18は、2枚重ねのピンホールPHをツ
ェルニー・ターナー型分光器に適用した場合の構成例を
示すもので、2枚重ねのピンホールPHを通過させた光
を球面鏡83、プリズムまたはグレーティング84、球
面鏡85、ピンホール86の順で伝達することにより、
入射光を中心波成分と側帯波成分に分光する。このよう
な分光器においては、ピンホールPHによって理想的な
点光源光が出射されないと、出口で光が広がりを持つた
めに正確な測定をなし得ないが、図18の構成では、2
枚重ねのピンホールPHを用いているために、理想的な
ものに近い点光源光が出射され、高精度の分光を行うこ
とができる。
【0071】図19は、テレセントリック光学系を利用
した投光器などの照明系に2枚重ねのピンホールを適用
した場合の構成例を示すもので、光源87から発生され
た光は球面鏡88で反射かつ集光されて、2枚重ねのピ
ンホールPH、テレセントリックレンズ89a,被測定
物90,テレセントリックレンズ89b、ピンホール9
1を通過してスクリーン92上に投影される。
【0072】かかる構成においても、2枚重ねのピンホ
ールPHを用いているために、理想的なものに近い点光
源光が出射され、回折光による悪影響を削減できる。
【0073】図20は、2枚重ねのピンホールPHを顕
微鏡の照明系に適用した場合の構成例を示すもので、光
源93の光は、球面鏡94、2枚重ねのピンホールP
H、テレセントリックレンズ94a、絞り95、テレセ
ントリックレンズ94b、ミラー96を経由して被測定
物97を照明する。被測定物97を透過した光は、対物
レンズ98、絞り99、ダハプリズム100、焦点ガラ
ス101、接眼レンズ102を経由することにより、被
測定物97の像が観察される。
【0074】かかる構成においても、2枚重ねのピンホ
ールPHを用いているために、理想的なものに近い点光
源光が出射され、回折光による悪影響を削減でき、高精
度の顕微鏡観察を行うことができる。
【0075】このように本発明のピンホールは、共焦点
光学系を利用した3次元計測装置、干渉計、ホログラム
露光装置、顕微鏡、分光器などピンホールを用いている
各種の光学装置に適用することができる。
【0076】なお、実施例では、ピンホールの形状が円
形の場合について示したが、他にも矩形、スリット等の
場合にも適用することができる。
【0077】また、上記実施例では、ピンホールを蒸着
膜で構成した場合について示したが、金属箔のような材
質を用いるようにしても良い。
【0078】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
開口を複数枚積層するという簡単な構造によって、スポ
ット径の小さい単一焦点の点光源光を得ることができ
る。しかも本発明によれば、初めのピンホールの縁で回
折された光を2つ目以降のピンホールでカットするの
で、所望の点光源の大きさに比してピンホールの開口径
を比較的大きくとれる。またカットされる回折光の量
は、中心部を通る光に比べ少ないために、十分な光量を
確保することができる。さらに、本発明によれば、初め
のピンホールの縁で回折された光を2つ目以降のピンホ
ールでカットするので、ピンホールの縁の形状が多少乱
れていてもその影響が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のピンホールによる光透過態様を示す
図。
【図2】この発明のピンホールによる光をテレセントリ
ック系レンズを通過させた際の空間光強度分布を示す
図。
【図3】この発明のピンホールの詳細構成図。
【図4】この発明のピンホールの他の実施例を示す詳細
構成図。
【図5】上下ピンホールのアライメント装置の平面図。
【図6】上下ピンホールのアライメント装置の断面図。
【図7】この発明のピンホールの他の実施例を示す詳細
構成図。
【図8】この発明のピンホールの他の実施例を示す詳細
構成図。
【図9】この発明のピンホールの他の実施例を示す詳細
構成図。
【図10】この発明のピンホールを共焦点光学系を利用
した3次元形状計測装置に適用した場合の構成図。
【図11】この発明のピンホールに拡散光が入射された
場合の光透過態様を示す図。
【図12】この発明のピンホールに収束光が入射された
場合の光透過態様を示す図。
【図13】この発明のピンホールをスペイシャルフィル
タに適用した場合の構成図。
【図14】この発明にかかるピンホールをフィゾー干渉
計に適用した場合の構成図。
【図15】この発明のピンホールをマッハ・ツェンダー
干渉計に適用した場合の構成図。
【図16】この発明のピンホールをホログラム露光装置
に適用した場合の構成図。
【図17】この発明のピンホールをケプラータイプのビ
ームエキスパンダに適用した場合の構成図。
【図18】この発明のピンホールをツェルニー・ターナ
ー型分光器に適用した場合の構成図。
【図19】この発明のピンホールをテレセントリック光
学系を利用した投光器に適用した場合の構成図。
【図20】この発明のピンホールを顕微鏡の照明に適用
した場合の構成図。
【図21】従来のピンホールを用いた共焦点光学系の3
次元形状計測装置を示す図。
【図22】図21の3次元形状計測装置におけるz方向
走査と検出信号強度の関係を示す図。
【図23】従来のピンホールによる光透過態様を示す
図。
【図24】従来のピンホールによる光をテレセントリッ
ク系レンズを通過させた際の空間光強度分布を示す図。
【図25】従来のピンホールによる2種類の光を示す
図。
【図26】従来のピンホールによってできる複数の焦点
を示す図。
【図27】従来技術を示す図。
【図28】図27の従来技術でのピンホール位置での光
透過態様を示す図。
【符号の説明】
PH…本発明のピンホール PHa…第1のピンホール PHb…第2のピンホール 1…間隙 2,3…テレセントリック系レンズ2,3 4…焦点面 10…ガラス板 11…Cr膜 12…酸化クロム膜 13…スペーサ 14…枠体 15…液体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を投射して点光源を作る開口を有する光
    学開口装置において、 前記開口を間隙を介して複数枚積層したことを特徴とす
    る光学開口装置。
  2. 【請求項2】光を投射して複数の点光源を作る複数の開
    口を有する光学開口装置において、 前記複数の開口を間隙を介して複数枚積層したことを特
    徴とする光学開口装置。
JP29310095A 1995-11-10 1995-11-10 光学開口装置 Pending JPH09133803A (ja)

Priority Applications (2)

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JP29310095A JPH09133803A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 光学開口装置
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